JP2003285781A - 履帯式走行装置及び履帯用スプロケットとそのセグメント - Google Patents
履帯式走行装置及び履帯用スプロケットとそのセグメントInfo
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Abstract
る履帯式走行装置を提供し、さらには、この履帯式走行
装置に最適な履帯用スプロケットとそのセグメントを提
供する。 【解決手段】 履帯式走行装置は、履帯3と、履帯用ス
プロケット2とを備える。履帯3は、ピン7と、ピン7
に外嵌されるブッシュ8と、ブッシュ8の両端側に配設
されるシール部材10、10とを有する軸受構造体5を
介して複数のリンク4・・が連結されてなる。相対面す
るリンク4、4間へ侵入するガイド部G、Gを、スプロ
ケット2の両側面から突設する。スプロケット2は、軸
受構造体5を介して連結されて相対面するリンク4、4
間にその歯部26が侵入してブッシュ8にかみ合う。そ
のかみ合い状態にて、シール部材10、10の外側に空
間部36、36を形成する。
Description
及び履帯用スプロケットとそのセグメントに関するもの
である。
(足回装置)としては履帯式走行装置を備える。履帯式
走行装置は、アイドラと、スプロケットと、このアイド
ラ及びスプロケットの周囲に巻装される履帯とを備え
る。履帯は、図8に示すように、複数のリンク61・・
と、この複数のリンク61・・を連結する軸受構造体6
2とを備える。
のピン64に外嵌される第1・第2ブッシュ65、6
6、66とを備えたものがある。そして、隣合うリンク
61、61の端部67、68を重ね合わせて、相対面す
るリンク61、61の内側の端部67、67の孔67
a、67aに第2ブッシュ66、66を圧入すると共
に、ピン64をこのブッシュ66、66に回転自在とし
て挿入した状態とする。この際、ピン64の端部をリン
ク61、61の外側の端部68、68の孔68a、68
aに圧入する。また、相対面するリンク61、61の内
側の端部67、67間において、第1ブッシュ65がピ
ン64に外嵌される。また、ブッシュ65、66間に
は、シール部材70、70が介設され、第2ブッシュ6
6とリンク61の端部68との間にもシール部材74が
介設されている。
をそれぞれ長手方向にピン64及びブッシュ65、6
6、66を介して連結して、一対のエンドレス体71、
71を形成し、このエンドレス体71、71に図示省略
のシュープレートを取付けている。そして、構成された
履帯は、アイドラ及びスプロケットの周囲に巻装され、
スプロケットの回転駆動にて、走行することになる。こ
の場合、図9に示すように、スプロケット72の歯部7
3と、第1ブッシュ65とがかみ合うことになる。
ロケット72は、その歯部73の歯幅Wは、リンク6
1、61の内側の端部67、67間寸法よりも僅に小さ
い程度であった。しかも、このスプロケット72は、リ
ンク61の内端面に相対面する歯側面75が凹凸のない
平面状であった。そのため、スプロケット72の歯部7
3と第1ブッシュ65とがかみ合う際に、歯底部76
と、第1ブッシュ65との間に土砂が侵入し、しかもこ
のスプロケット72がどちらかのリンク61側に接近乃
至接触する状態になれば、この接近乃至接触した側にお
いて、土砂には逃げ場がなく、スプロケット72の第1
ブッシュ65への押圧力にて、その土砂がシール部材7
0側に押圧され、このシール部材70に土砂の侵入圧力
が作用するおそれがあった。侵入圧力(土圧)が作用す
れば、シール部材70内に土砂が侵入したり、さらには
シール部材70を損傷(破壊)させたりして、シール機
能を十分に発揮することができなくなるおそれがあっ
た。
なくなれば、ブッシュ65とピン64との間に供給され
ている潤滑油が外部に流出して、ブッシュ65とピン6
4とが滑らかに摺動せず、ピン64とブッシュ65との
間に焼き付きが発生して、この履帯式走行装置の寿命を
縮めていた。
めになされたものであって、その一の目的は、長期にわ
たって安定して使用することができる履帯式走行装置を
提供することにあり、また他の目的は、上記の目的を達
成できる履帯スプロケットとそのセグメントを提供する
ことにある。
1の履帯式走行装置は、ピンと、このピンに外嵌される
ブッシュと、このブッシュの両端側に配設されるシール
部材とを有する軸受構造体を介して複数のリンクが連結
されている履帯と、上記軸受構造体を介して連結されて
相対面する一対のリンク間にその歯部が侵入して上記ブ
ッシュにかみ合う履帯用スプロケットとを備えた履帯式
走行装置であって、相対面する上記リンク間へ侵入する
ガイド部を、上記履帯用スプロケットの両側面から突設
して、上記履帯用スプロケットの歯部とブッシュとのか
み合い状態において、上記シール部材の外側に空間部を
形成することを特徴としている。
プロケットの歯底部とブッシュとの間に土砂が侵入し、
しかもこのスプロケットがどちらかのリンク側に接近す
る状態となって、履帯用スプロケットのブッシュ側への
押圧によって、この土砂が接近した側へ押し出されて
も、空間部に土砂が送られることになる。このため、ブ
ッシュの両端側に配設されるシール部材への土砂の侵入
圧力の低減を図ることができる。従って、シール部材内
への土砂の侵入やシール部材の破壊(損傷)等を防止す
ることができ、この履帯式走行装置を長期にわたって安
定して使用することができる。
と、このピンに外嵌されるブッシュと、このブッシュの
両端側に配設されるシール部材とを有する軸受構造体を
介して連結されて相対面する一対のリンク間にその歯部
が侵入して上記ブッシュにかみ合う履帯用スプロケット
であって、両側面にガイド部を突出したことを特徴とし
ている。
両側面にガイド部を突出したことによって、上記シール
部材の外側に空間部を形成することができ、履帯のブッ
シュの両端側のこのシール部材への土砂の侵入圧力の低
減を図ることができる。これによって、シール部材の破
壊(損傷)等を防止することができる。
イド部が周方向に連続する突出リング状部からなること
を特徴としている。
ド部が周方向に連続する突出リング状部からなるので、
履帯用スプロケットの歯部とブッシュとのかみ合い状態
における空間部の形成の信頼性が向上する。これによっ
て、空間部による土砂のシール部材側への侵入圧力を低
減を確実に図ることができ、シール部材を有効に保護す
ることができる。
イド部が周方向に沿って非連続に設けられる複数の突出
部からなり、周方向に隣合う突出部の間の間隔部が歯底
部に対応することを特徴としている。
ガイド部が周方向に沿って非連続に設けられる複数の突
出部からなり、しかも、周方向に隣合う突出部の間の間
隔部が歯底部に対応するので、空間部等に侵入した土砂
は、この間隔部から外部へ排出することができる。これ
によって、シール部材をより有効に保護することができ
る。また、間隔部を形成することによって、履帯用スプ
ロケットの材料の節約が可能となって、製造コストの低
減に寄与する。
よる所定摩耗後においても、上記ガイド部の突出寸法及
び歯底部から上記ガイド部までの寸法をそれぞれ6mm
以上確保することを特徴としている。
所定摩耗後においても、上記ガイド部の突出寸法及び歯
底部から上記ガイド部までの寸法をそれぞれ6mm以上
確保することができるので、摩耗後においてもシール部
材側への土砂の侵入圧力の低減を図ることができる。こ
のため、他の機構等が使用可能なうちにこの軸受構造の
シール部材が損傷して使用できなくなることを防止する
ことができる。すなわち、履帯式走行装置としての稼動
可能時間内にシール部材の損傷による部品交換等のメン
テナンスを行う必要がなく、安定して使用することがで
きる。
トは、上記請求項2〜5のいずれかの履帯用スプロケッ
トの一部である履帯用スプロケットのセグメントであっ
て、履帯用スプロケットの外周部分を分割した部材であ
ることを特徴としている。
メントでは、履帯用スプロケットの外周部分を分割した
部材で構成するので、履帯のブッシュの両端側に配設さ
れるシール部材への土砂の侵入圧力の低減を図ることが
できと同時に、履帯用スプロケットの部品交換が容易で
あり、メンテナンス性が向上できる。
及び履帯用スプロケットとそのセグメントの具体的な実
施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図3はこの発明の履帯式走行装置の全体側面図を示し、
この履帯式走行装置は、油圧ショベルやブルドーザ等の
建設機械に使用される。そして、履帯式走行装置は、ア
イドラ1と、履帯用スプロケット(以下、単にスプロケ
ットと呼ぶ場合がある)2と、このアイドラ1とスプロ
ケット2とへ巻装される履帯3とを備える。
状に連結される複数のリンク4・・と、このリンク4・
・を連結する軸受構造体5と、複数のシュープレート6
(図3参照)等からなる。また、軸受構造体5は、ピン
7と、このピン7に外嵌される第1・第2ブッシュ8、
9、9と、この第1・第2ブッシュ8、9間に介設され
るシール部材10、10等を備える。
1、12を重ね合わせて、相対面するリンク4、4の内
側の端部11、11の孔11a、11aに第2ブッシュ
9、9を圧入すると共に、ピン7をブッシュ9、9に回
転自在として挿入した状態とする。この際、ピン7の端
部をリンク4、4の外側の端部12、12の孔12a、
12aに圧入する。また、相対面するリンク4、4の内
側の端部11、11間において、第1ブッシュ8をピン
7に外嵌する。すなわち、履帯2は、相対面するリンク
4、4をそれぞれ長手方向にピン7及びブッシュ8、
9、9を介して連結して、一対のエンドレス体13、1
3を形成し、このエンドレス体13、13にボルト・ナ
ット部材からなる結合具Kにてシュープレート6(図3
参照)を取付けている。なお、ブッシュ9の厚さ寸法
(軸方向長さ)はリンク4の端部11の厚さ寸法(軸方
向長さ)と略同一とされ、ブッシュ9の内端面とリンク
4の端部11の内端面とが略同一平面上に配置される。
が設けられ、この凹所14にシール部材15が嵌合され
ている。そして、ピン7には、潤滑油が注入される孔部
16が設けられ、この孔部16内の潤滑油がピン7とブ
ッシュ8、9との間に供給されるように設定されてい
る。なお、図1に示すように、ブッシュ8、9間に介設
されるシール部材10は、リップ部を有する一対のシー
ルリング17と、上記リップ部に軸心方向外方への反力
を付与する負荷リング18とを備える。また、凹所14
に嵌合されるシール部材15は、リップ部を有するシー
ルリング20と、このシールリング20を支持する支持
リング21と、シールリング20のリップ部からの押圧
力を受ける負荷リング22とを備える。
に、円環状の外周部材25と、この外周部材25を保持
する図示省略のボス部材とからなる。また、外周部材2
5は、図2に示すようなセグメント24が周方向に沿っ
て複数個(例えば、9個)配設されて、全体が円環状
(リング状)とされる。すなわち、このセグメント24
は、スプロケット2の外周部分を分割した部材である。
また、外周部材25は、歯部26を有する本体部27
と、ボス部材に取付けるための内鍔部28とからなる。
そして、本体部27はその外周面に上記歯部26を有
し、この歯部26は刃先部29を形成する凸部と、歯底
部30を形成する凹部とからなる。そして、この本体部
27の両側面に、周方向に連続する突出リング状部31
からなるガイド部Gが設けられている。この場合、ガイ
ド部Gは、その内周面32が上記本体部27の内周面2
7aと連続した円弧面とされるが、その外周面33が波
状面とされている。すなわち、ガイド部Gの外周面33
は、刃先部29に対応する部位が山部33aとなり、歯
底部30に対応する部位が谷部33bとなっている。
は、本体部27の内周面27aの厚さ方向中央部から内
径方向に突出し、周方向に沿って所定ピッチに貫孔37
が設けられている。この貫孔37は、外周部材25をボ
ス部材に取付けるためのボルト部材が挿通される孔であ
る。
は、3個の刃先部29・・と、3個の貫孔37・・を備
えたものであるので、このセグメント24を9個使用し
てスプロケット2を形成した場合、27個の刃先部29
・・を有することになる。このように、履帯用スプロケ
ット2として、履帯用スプロケット2の外周部分を分割
した部材のセグメント24を使用すれば、履帯用スプロ
ケット2の部品交換が容易であり、メンテナンス性が向
上できる。
は、この場合、図1に示すように、例えば、相対面する
上記リンク4、4の端部11、11間寸法Aを102m
mとしたときに、歯部26の歯幅Wを71.6mmと
し、ガイド部Gの突出寸法Bを12.2mmとし、歯底
部30からのガイド部Gの外周面33の谷部33bまで
の寸法(スプロケット2がブッシュ8にかみ合っている
際のブッシュ8の外周面からガイド部Gの外周面33の
谷部33bまでの寸法)Cを15mmとしている。ま
た、ガイド部Gの外周面33の山部33aの高さ寸法D
を5mmとする。
とブッシュ8とのかみ合い状態では、ガイド部Gが相対
面する上記リンク4、4間へ侵入することになる。これ
によって、このガイド部Gと、歯部26の歯側面35
と、リンク4(具体的には、リンク4の端部11)との
間に空間部36を形成するものである。このため、ガイ
ド部Gがその対向するリンク4の端部11に当接した状
態となっても、この空間部36を確保することができ
る。ここで、歯側面35とは、ガイド部Gよりも外径側
の本体部27の側面をいう。また、上記シール部材10
の厚さ寸法(軸方向長さ)は、ガイド部Gの突出寸法B
(例えば、12.2mm)程度とされる。
プロケット2の歯部26とブッシュ8とのかみ合い状態
にて、このガイド部Gの下面と、歯部26の歯側面35
と、リンク4の内側面と、ブッシュ8の外表面との間に
空間部36が形成され、スプロケット2の歯面34乃至
歯底部30と、ブッシュ8との間に土砂が侵入しても、
シール部材10、10に悪影響を与えない。すなわち、
スプロケット2がどちらかのリンク4の内端面に接近乃
至接触しても、ブッシュ8とスプロケット2との間に侵
入した土砂は、空間部36へ逃げることができ、ブッシ
ュ8の両端側に配設されるシール部材10、10側への
土砂侵入圧力の低減を図ることができる。また、シール
部材10の厚さ寸法(軸方向長さ)がガイド部Gの突出
寸法B程度とされ、しかもブッシュ9の内端面とリンク
4の端部11の内端面とが略同一平面上に配置されるの
で、ブッシュ8、9間に配置されるシール部材10の外
周側に空間部36が形成されることになる。このため、
土砂が、シール部材10、10と歯底部30とで挟まれ
てシール部材10、10を押圧するということもない。
従って、この履帯式走行装置では、走行中等の土砂によ
るシール部材10の損傷等やシール部材10内への土砂
侵入を防止することができ、長寿命化を図ることができ
る。また、ガイド部Gが周方向に連続する突出リング状
部31からなるので、スプロケット2の歯部26とブッ
シュ8とのかみ合い状態における空間部36の形成の信
頼性が向上する。
及び寸法に設定されているので、使用による所定摩耗
(この履帯式走行装置が寿命となる稼動時間分稼動させ
た場合に生じる摩耗)時においても上記空間部36を確
保することができる。具体的には、ガイド部Gの端面が
6mm摩耗して、その突出寸法が小となっても、初期状
態では上記のように、12.2mm突出しているので、
(12.2−6)mm、つまり6.2mmだけまだ歯側
面35から突出し、その空間部36の横方向寸法(スプ
ロケット2の軸心方向に対応する方向寸法)を6mm以
上確保することができる。また、ブッシュ8が径方向に
3mm摩耗するとともに、スプロケット2が径方向に6
mm摩耗しても、上記のように、歯底部30からのガイ
ド部Gの外周面33の谷部33bまでの寸法Cを15m
mとしているので、{15−(3+6)}mm、つまり
6mmだけこのガイド部Gをブッシュ8の外周面から離
すことができ、その空間部36の径方向寸法を6mm以
上確保することができる。
Gの突出寸法B及び歯底部30から上記ガイド部Gまで
の寸法Cをそれぞれ6mm以上確保することができるの
で、土砂の侵入圧力が大きくならない。このため、他の
機構等が使用可能なうちにこの軸受構造5のシール部材
10が損傷して使用できなくなることを防止することが
できる。すなわち、履帯式走行装置としての稼動可能時
間内にシール部材10、10の損傷による部品交換等の
メンテナンスを行う必要がなく、安定して使用すること
ができる。
し、このスプロケット2は、ガイド部Gを、その内外周
面ともに凹凸部を有さない突出リング状部31にて構成
している。この場合もかみ合い状態にて、このガイド部
Gと、歯部26の歯側面35と、リンク4との間に空間
部36が形成されるので、このスプロケット2を使用し
た履帯式走行装置であっても、上記図1等に示す履帯式
走行装置と同様の作用効果を発揮することができる。な
お、他の構成は、図2等に示すスプロケット2と同様で
あるので、同一部材を同一符号にて示し、その説明を省
略する。
ド部Gを周方向に沿って非連続に設けられる複数の突出
部38・・から構成している。このため、周方向に隣合
う突出部38、38の間に間隔部39が形成され、この
間隔部39が歯底部30に対応している。すなわち、図
2に示すスプロケット2において、そのガイド部Gを構
成する突出リング状部31の歯底部30の対応部位を切
欠いて、その残部を突出部38とすればよい。
っても、歯部26とブッシュ8とのかみ合い状態にて、
このガイド部Gと、歯部26の歯側面35と、リンク4
との間に空間部36が形成することができる。また、間
隔部39が歯底部30に対応して配設されるので、歯底
部30に侵入した土砂は、スプロケット2の押圧でこの
間隔部39側へ押され、この間隔部39からこの履帯式
走行装置外部へ排出される。このため、この履帯式走行
装置は、土砂侵入によるシール部材10、10の損傷を
より有効に回避することができ、長期にわたって安定し
て駆動することができる。また、間隔部39・・を設け
ることによって、材料費の節約を図ることができ、製造
コストの低減に寄与することができる。
な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施
の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で
種々変更して実施することが可能である。例えば、シー
ル部材10、10としては、図1等に示すものに限るも
のではなく、この種の履帯式走行装置に従来から使用さ
れている種々のシール部材(シール装置)を使用するこ
とができる。また、シール部材10、10の配設位置と
しても、第2ブッシュ9に収納状となるものであっても
よい。この場合、第2ブッシュ9の第1ブッシュ8側の
端面に凹所を設け、この凹所内にシール部材10を嵌合
させればよい。また、スプロケット2として、そのセグ
メント24の数の増減は自由であり、セグメント24に
て構成しないものであってもよい。さらに、歯数の増減
も自由である。ところで、図7のスプロケット2の突出
部38は、突出リング状部31の歯底部30の対応部位
を切欠いて、その残部をもって形成した形状のものであ
るので、この突出部38の形状としては、側面視山形状
となっているが、突出部38としては、もちろんこの形
状に限るものではなく、空間部36を形成することがで
きれば、側面視において、円形、楕円、三角、矩形等の
種々の形状のものを採用することができる。さらに、図
1において記載した各寸法は一例にすぎず、この履帯式
走行装置においては、スプロケット2の歯部26とブッ
シュ8とのかみ合い状態にて、相対面する上記リンク
4、4間へ侵入するガイド部Gを、スプロケット2の両
側面から突設して、このガイド部Gと、スプロケット2
の歯部26の歯側面35と、上記リンク4との間に空間
部36を形成することができれば、任意に設定すること
ができる。また、スプロケット2の歯部26を焼き入れ
処理してもよい。この焼き入れ処理を行なうことによっ
て、スプロケット2の長寿命化を図ることができる。
プロケットに押付けられた土砂が、シール部材に侵入す
る現象を再現して、上記空間部の大きさと、発生する土
圧との関係について調べた。
たシャフト42と、このシャフト42に外嵌されるイン
ナブッシュ43と、このインナブッシュ43に外嵌され
るアウタブッシュ44と、スプロケットに対応する押圧
治具45とを備える。また、アウタブッシュ44の端部
側には、シール部材46が配置されている。この場合、
押圧治具45は、図11に示すように、その下面に凹溝
47が形成され、この凹溝47がアウタブッシュ44に
嵌合状となって、この押圧治具45とアウタブッシュ4
4との間に介在される土砂48(図10参照)を加圧す
る。なお、圧力測定位置としては、図11に示すよう
に、押圧治具45の中心とアウタブッシュ44の軸心と
を結ぶ中心線L上と、この中心線Lに対して45°を成
す線L1、L2上とする。また、一方の支持枠40に
は、圧力ヘッド49が設けられている。
うに、リップ部を有するシールリング50と、このシー
ルリング50を支持する支持リング51と、シールリン
グ50のリップ部からの押圧力を受ける負荷リング52
とを備える。つまり、上記図1に示した履帯式走行装置
のシール部材15と同様である。そして、シールリング
50のリップ部が上記圧力ヘッド49からの圧力(例え
ば、50kg/cm2)でアウタブッシュ44の端面に
圧接する。この場合、アウタブッシュ44と、支持枠4
0との間に土砂侵入路53が形成される。
として、32.2(N/cm2)とし、加圧速度(SP
速度)VFとして、43(mm/s)(車速V0.62
(km/h)に相当する)とし、加圧力を98(kN)
として、隙間(SP端面スキマ)Sを0mm、3mm、
6mm、12mmと変化させて、シール部材46への土
砂の侵入の有無を調べ、その結果を表1に示した。
最大であることがわかる。これは、中央部では両端側の
土砂が壁のように機能して、圧密状態となるためであ
り、他の部位では土砂の逃げ道が有る為である。
表した図14からわかるように、隙間Sが6mm以上あ
れば、土砂の侵入がないことがわかる。このため、上記
の実施の形態のように、使用による所定摩耗後において
も、上記空間部36における径方向寸法及び軸方向寸法
がそれぞれ6mm以上確保するようにすれば、使用中に
おいて土砂のシール部材10側への土砂侵入圧力の低減
を確実に図ることができる。
部拡大断面図である。
部拡大斜視図である。
面図である。
の要部側面図である。
の要部側面図である。
る。
と発生する土圧との関係について調べるための試験装置
の簡略図である。
である。
フ図である。
フ図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 ピン(7)と、このピン(7)に外嵌さ
れるブッシュ(8)と、このブッシュ(8)の両端側に
配設されるシール部材(10)(10)とを有する軸受
構造体(5)を介して複数のリンク(4・・)が連結さ
れている履帯(3)と、 上記軸受構造体(5)を介して連結されて相対面する一
対のリンク(4)(4)間にその歯部(26)が侵入し
て上記ブッシュ(8)にかみ合う履帯用スプロケット
(2)とを備えた履帯式走行装置であって、 相対面する上記リンク(4)(4)間へ侵入するガイド
部(G)を、上記履帯用スプロケット(2)の両側面か
ら突設して、上記履帯用スプロケット(2)の歯部(2
6)とブッシュ(8)とのかみ合い状態において、上記
シール部材(10)(10)の外側に空間部(36)
(36)を形成することを特徴とする履帯式走行装置。 - 【請求項2】 ピン(7)と、このピン(7)に外嵌さ
れるブッシュ(8)と、このブッシュ(8)の両端側に
配設されるシール部材(10)(10)とを有する軸受
構造体(5)を介して連結されて相対面する一対のリン
ク(4)(4)間にその歯部(26)が侵入して上記ブ
ッシュ(8)にかみ合う履帯用スプロケットであって、 両側面にガイド部(G)を突出したことを特徴とする履
帯用スプロケット。 - 【請求項3】 上記ガイド部(G)が周方向に連続する
突出リング状部(31)からなることを特徴とする請求
項2の履帯用スプロケット。 - 【請求項4】 上記ガイド部(G)が周方向に沿って非
連続に設けられる複数の突出部(38・・)からなり、
周方向に隣合う突出部(38)(38)の間の間隔部
(39)が歯底部(30)に対応することを特徴とする
請求項2の履帯用スプロケット。 - 【請求項5】 使用による所定摩耗後においても、上記
ガイド部(G)の突出寸法及び歯底部(30)から上記
ガイド部(G)までの寸法をそれぞれ6mm以上確保す
ることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかの履
帯用スプロケット。 - 【請求項6】 上記請求項2〜5のいずれかの履帯用ス
プロケット(2)の一部である履帯用スプロケットのセ
グメントであって、履帯用スプロケット(2)の外周部
分を分割した部材であることを特徴とする履帯用スプロ
ケットのセグメント。
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