JP2002046207A - 低反射ハードコートフィルム、これを用いた成型品及びその製造方法 - Google Patents

低反射ハードコートフィルム、これを用いた成型品及びその製造方法

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JP2002046207A
JP2002046207A JP2001159182A JP2001159182A JP2002046207A JP 2002046207 A JP2002046207 A JP 2002046207A JP 2001159182 A JP2001159182 A JP 2001159182A JP 2001159182 A JP2001159182 A JP 2001159182A JP 2002046207 A JP2002046207 A JP 2002046207A
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hard coat
film
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reflection
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Seiichi Yamamoto
誠一 山本
Yuzo Nakamura
祐三 中村
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NAKAJIMA KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化、小型化、耐衝撃性等の性能を満た
し、さらに、耐擦傷性、透明性、帯電防止性、反射防止
性等の高機能化を、製造コストの増大を招くことなく、
最大限の効果を発揮させることができる低反射ハードコ
ートフィルム、これを用いた成型品及びその製造方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 透明基材フィルム上にハードコート層及
び有機ポリマー低反射層が順次積層されてなり、前記ハ
ードコート層が、帯電防止、耐光性及び電磁波シールド
の少なくとも1つ以上の機能を併せもつことを特徴とす
る低反射ハードコートフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低反射ハードコート
フィルム、これを用いた成型品及びその製造方法に関
し、より詳細には、表面反射防止性及び耐摩擦性に優れ
た低反射ハードコートフィルム、これを用いた成型品及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
携帯用の電子機器の急速な普及に伴い、これらの電子機
器のディスプレイには、高画質等のディスプレイ本来の
機能の高性能化のほかに、軽量化、小型化、耐殺傷性等
の性能も要求されている。
【0003】これらの要求を満たすため、ディスプレイ
の基板として使用されていたガラス基板に代えて、プラ
スチック基板が使用されてきている。プラスチック基板
は、軽量で破損しにくいという利点を有するが、その一
方、静電気によって塵埃が付着したり、硬度が低いため
に耐擦傷性に劣り、擦り傷や引掻き傷等によって透明性
が損なわれるという問題がある。また、プラスチック基
板の表面が外光によって反射して、内部の視覚情報が見
えにくくなるという問題もある。
【0004】これに対して、プラスチック基板の表面
に、帯電防止膜、ハードコート層、反射防止膜等の各機
能を有する層を形成する方法が提案されている(例え
ば、特開平7−148881号公報、特開平10−23
5770号公報、特開平11−326602号公報
等)。
【0005】しかし、各機能層を多数形成する場合に
は、それら層の膜厚が厚くなるために、透明性が低下す
るばかりでなく、ディスプレイの軽量化、小型化に反す
ることとなる。また、多層構造は、各層のはがれ等物理
的な損傷が生じやすくなる。さらに、各層に応じた工程
により多工程を行う必要があるため、製造工程が煩雑化
し、製造コストの増大を招くこととなる。また、帯電防
止機能、ハードコート機能、反射防止機能等の諸機能を
有する層は、最表面に位置するほどその機能を発揮する
ため、各機能層を多数形成することにより最表面からは
なれた位置に形成された機能層は、その効果が減少する
こととなる。
【0006】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、軽量化、小型化、耐擦傷性等の性能を満たし、さら
に、耐擦傷性、透明性、帯電防止性、反射防止性等の高
機能化を、製造コストの増大を招くことなく、最大限の
効果を発揮させることができる低反射ハードコートフィ
ルム、これを用いた成型品及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、透明基
材フィルム上にハードコート層及び有機ポリマー低反射
層が順次積層されてなり、前記ハードコート層が、帯電
防止、耐光性及び電磁波シールドの少なくとも1つ以上
の機能を併せもつ低反射ハードコートフィルムが提供さ
れる。
【0008】また、本発明によれば、上記低反射ハード
コートフィルムが、任意に接着層を介して、表面に形成
されてなる樹脂成型品が提供される。さらに、本発明に
よれば、透明基材フィルム上のハードコート層と反対側
の面に接着層が設けられた上記低反射ハードコートフィ
ルムを射出成型金型内に挟み込み、接着層が設けられた
側に溶融樹脂を射出する上記樹脂成型品の製造方法が提
供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の低反射ハードコートフィ
ルムは、主として、透明基材フィルム上にハードコート
層及び有機ポリマー低反射層が順次積層されて構成され
る。
【0010】本発明に用いることができる透明基材フィ
ルムとしては、透明性を有するフィルム状のものであれ
ば、その材料は特に限定されるものではないが、なかで
もプラスチックが好ましい。例えば、ポリエステル、セ
ルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリ
スルホン、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
アクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリカー
ボネート、ポリウレタン等の延伸又は未延伸の透明プラ
スチックフィルム等が挙げられる。透明基材フィルムの
厚みは特に限定されるものではなく、例えば、3〜50
0μm程度が挙げられる。
【0011】ハードコート層としては、一般に、この低
反射ハードコートフィルムの被着物にそれよりも高硬度
を付与しうるものであればよく、例えば、JIS−K5
400で示される鉛筆硬度試験で2H以上の硬度を有す
るもの、さらに3H以上の高度を有するもの、スチール
ウール摩耗において#000スチールウールに300g
/cm2の荷重をかけ、可動距離2cm、2往復/秒で
50往復後の表面に傷がつかないもの又はテーバー摩耗
においてCS−10F輪で荷重500gで100回転
後、ΔHが10以下のもの等が挙げられる。具体的に
は、紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射硬化型樹
脂、熱硬化型樹脂等により形成することができる。
【0012】活性エネルギー線照射硬化型樹脂として
は、例えば、塗膜形成要素である重合性二重結合を有す
るオリゴマー又はプレポリマーに反応性希釈剤を加え、
任意に(紫外線硬化型樹脂の場合)光重合開始剤を加え
たものを用いることができる。重合性二重結合を有する
オリゴマー又はプレポリマーとしては、ポリエステル
系、ウレタン系、エポキシ系、ポリエーテル系、アクリ
ル系等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0013】反応性希釈剤としては、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、ラウリルアクリレート、ジビニルベン
ゼン、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テ
トラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ヘ
キサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート等のビニル化合物等が挙げら
れる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0014】光開始剤としては、ジエトキシアセトフェ
ノン等のアセトフェノン系、イソブチルベンゾインエー
テル等のベンゾインエーテル系、ベンジルジメチルケタ
ール等のベンジルケタール系、ベンゾフェノン等のケト
ン系等が用いられる。これらは1種又は2種以上を組み
合わせて用いてもよい。熱硬化型樹脂としては、多官能
アクリルオリゴマー系、シリカゾル系、ウレタン系、エ
ポキシ系、メラミン系及びこれらの複合系等が用いられ
る。
【0015】ハードコート層は、透明基材フィルム上
に、例えば、グラビアコート法、ロールコート法、スプ
レーコート法、リップコート法、ディップコート法、ス
ピンコート法、バーコート法、押出しコート法、スクリ
ーンコート法等のそれ自体公知の方法により塗布し、乾
燥して形成することができる。ハードコート層の厚みは
特に限定されるものではないが、例えば、1〜50μm
程度が挙げられる。ハードコート層は、帯電防止、耐光
性及び電磁波シールドの少なくとも1つ以上の機能を併
せもつ。
【0016】本発明において、「帯電防止機能」とは、
例えば、ハードコート層自体が、106〜1012Ω・c
m程度、好ましくは109〜1012Ω・cm程度の抵抗
率を有しているものが挙げられる。ハードコート層に帯
電防止機能を付与する方法としては、例えば、ハードコ
ート層を構成する材料に、界面活性剤、導電性フィラー
及び/又は導電性ポリマー等を1種又は2種以上組み合
わせて添加する方法が挙げられる。なお、導電性ポリマ
ーがそれ自体でハードコート層の機能を十分果たすこと
ができる硬度を有するものであれば、ハードコート層
は、導電性ポリマー単独で構成してもよい。これらの物
質は、ハードコート層の総重量に対して、例えば、界面
活性剤、導電性ポリマーの場合には5〜50重量%程
度、導電性フィラーの場合には100〜400重量%程
度の範囲で適宜増減して添加することが適当である。
【0017】界面活性剤としては、アニオン系、カチオ
ン系、イオン系、非イオン系のいずれもの界面活性剤が
挙げられる。なかでも、カチオン界面活性剤が多く利用
される。導電性フィラーとしては、カーボンブラック、
銅、ニッケル、銀、鉄又はこれらの複合粉等の金属粉;
酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン等の金属酸化物粉等が挙
げられる。導電性ポリマーとしては、ポリピロール、ポ
リアニリン、ポリチオフェン等が挙げられる。
【0018】本発明において、「電磁波遮蔽機能」と
は、例えば、シールド力60dB程度以上であることが
挙げられる。ハードコート層に電磁波遮蔽機能を付与す
る方法としては、例えば、導電性フィラー又は磁性フィ
ラーを添加する方法が挙げられる。これらの物質は、ハ
ードコート層の総重量に対して、例えば、100〜40
0重量%程度の範囲で適宜増減して添加することが適当
である。導電性フィラーは上記と同様のものが挙げら
れ、磁性フィラーとしてはグラファイト、カーボン、鉄
等が挙げられる。
【0019】本発明において、「耐光性機能」とは、室
内又は車内の場合はフェードメータ試験100〜400
時間程度の後、屋外の場合はウェザーメータ試験100
0時間程度の後に、変化が認められない状態であること
が挙げられる。ハードコート層に耐光性機能を付与する
方法としては、例えば、ハードコート層に紫外線吸収
剤、酸化防止安定剤等を添加する方法が挙げられる。こ
れらの物質は、ハードコート層の総重量に対して、例え
ば、5〜20重量%程度の範囲で適宜増減して添加する
ことが適当である。紫外線吸収剤としては、例えば、ヒ
ドロキシフェニルベンゾトリアゾール等のベンゾトリア
ゾール系、ヒドロキシフェニル−S−トリアジン等のト
リアジン系等が挙げられる。酸化防止安定剤としては、
例えば、ハルスといわれるヒンダードアミン系光安定剤
等が挙げられる。
【0020】なお、ハードコート層に、上記3機能のう
ち、2又は3種の機能を同時に付与する場合において
も、上記の範囲内で、各機能を付与しうる物質を添加す
るのみでよい。
【0021】有機ポリマー低反射層としては、有機ポリ
マーによって形成され、被着物、透明基材フィルム及び
/又はハードコート層の屈折率を低減させた層であれ
ば、特に限定されるものではない。低反射機能として
は、入射光の20%程度以下、好ましくは10%程度以
下、さらに好ましくは5%程度以下に反射光を抑える機
能が挙げられる。このような機能を付与するためには、
例えば、表面に微細な凹凸を有した層とする方法、所定
の屈折率を有する層とする方法、2以上の異なる屈折率
を有する膜の積層構造とする方法等種々の方法が挙げら
れる。この場合の屈折率としては、例えば、1.2〜
2.0程度の範囲が挙げられる。なかでも、2種の異な
る屈折率を有する膜の積層構造であることが好ましく、
低屈折率の層が最表面に配置するように積層された層で
あることがより好ましい。低屈折率層としては1.3〜
1.5程度の屈折率が、高屈折率層としては1.5〜
1.9の屈折率が挙げられる。
【0022】低屈折率層は、例えば、フルオロオレフィ
ン系共重合体、含フッ素脂肪族環構造を有するポリマ
ー、パーフルオロアルキルエーテル系コポリマー、含フ
ッ素メタクリレートポリマーの1種又は2種以上の混合
物等により形成することができる。また、高屈折率層
は、例えば、ポリアルキルメタクリレート(例えば、ポ
リメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、
ポリプロピルメタクリレート等)、ポリスチレン、ポリ
カーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化
ビニル、ポリビニルナフタレン、ポリビニルカルバゾー
ル等の1種又は2種以上の混合物等により形成すること
ができる。
【0023】有機ポリマー低反射層の厚みは、例えば、
0.01〜5.0μm程度が挙げられる。また、有機ポ
リマー低反射層が2種の異なる屈折率を有する膜の積層
構造で形成されている場合には、低屈折率層の厚みは、
例えば、0.01〜0.5μm程度、好ましくは0.0
5〜0.2μm程度、より好ましくは0.08〜0.1
5μm程度、さらに好ましくは0.08〜0.12μm
程度が挙げられる。高屈折率層の厚みは、例えば、0.
01〜6.0μm程度、好ましくは0.05〜5.0μ
m程度、より好ましくは0.08〜5.0μm程度、さ
らに好ましくは0.5〜5.0μm程度が挙げられる。
なお、低屈折率層と高屈折率層との厚みは必ずしも同じ
でなくてもよい。また、有機ポリマー低反射層は、ハー
ドコート層と同様に、それ自体公知の方法で形成するこ
とができる。
【0024】本発明においては、透明基材フィルム上
に、アンカー層、絵柄層等の1種又は2種以上を、透明
基材フィルムとハードコート層との間、ハードコート層
と有機ポリマー低反射層との間、有機ポリマー低反射層
の上に形成してもよい。例えば、透明基材フィルムとハ
ードコート層との間及び/又はハードコート層と有機ポ
リマー低反射層との間にアンカー層を、透明基材フィル
ムとハードコート層との間に絵柄層を形成してもよい。
また、透明基材フィルムとハードコート層との間にアン
カー層と絵柄層との双方を形成する場合には、いずれが
ハードコート層の隣に形成されてもよい。
【0025】アンカー層は、一種の接着剤層を意味し、
例えば、チタネート系、イソシアネート系、ポリエチレ
ンイミン系等からなる接着剤層が挙げられる。アンカー
層の厚みは、例えば0.1〜5μm程度が挙げられる。
絵柄層は、文字、模様等のいわゆる絵柄を、公知の顔料
や染料等の着色材を含んだ各種印刷インキにて形成され
た層を意味する。絵柄層は、透明基材フィルム上に均一
に形成されている必要はなく、絵柄、色彩等に応じて、
例えば、0〜50μm程度の範囲の厚みで形成すること
ができる。
【0026】本発明の低反射ハードコートフィルムは、
成型品として、ワープロ、コンピュータ、テレビ、ディ
スプレイパネル、携帯電話等の各種のディスプレイ、液
晶表示装置等に用いる偏光板の表面、透明プラスチック
類からなるサングラスレンズ、度つきめがねレンズ、カ
メラのファインダーレンズ等の光学レンズ、各種計器の
表示部、自動車、電車等の窓ガラス等に対して、表面の
反射を防止し、耐摩擦性等の機能を付与するために、こ
れらの樹脂成型品の表面に使用することができる。な
お、これらの成型品が樹脂以外の材料、例えば、ガラス
等により形成されてる場合にも、本発明の低反射ハード
コートフィルムの使用により、上記と同様の効果を発揮
することができる。
【0027】また、本発明の成型品の製造方法によれ
ば、ハードコート層が形成されている側と反対側の透明
基材フィルム上に接着層が形成され、この低反射ハード
コートフィルムを、射出成型金型内に挟み込み、接着層
が設けられた側に溶融樹脂を射出することにより実現す
ることができる。
【0028】ここで、接着層としては、例えば、アクリ
ル系樹脂、塩素化オレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体樹脂、マレイン酸系樹脂、塩化ゴム系樹
脂、環化ゴム系樹脂、ポリアミド系樹脂、クマロンイン
デン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂等
が挙げられる。接着層の厚みは、例えば0.1〜5μm
程度が挙げられる。接着層の形成は、ハードコート層と
同様に、それ自体公知の方法により形成することができ
る。溶融樹脂としては、上記の偏光板の表面、光学レン
ズ、各種計器の表示部、自動車、電車等の窓ガラス等を
構成し得るものであれば、その材料は特に限定されるも
のではなく、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂
(ABS、AS、ポリフェニレンオキシドスチレン共重
合体等)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリ
プロピレン等)、ポリカーボネート樹脂等の溶融状態の
ものが挙げられる。
【0029】なお、射出成型金型は、樹脂成型品を製造
する際に、通常使用されるものであれば、どのようなも
のでも利用することができる。以下に、本発明の低反射
ハードコートフィルム、これを用いた成型品及びその製
造方法について説明する。
【0030】実施例1 膜厚38μmの片面易接着を施されたポリエチレンテレ
フタレートフィルム(東レF−39)上に、下記配合の
UV硬化樹脂を、厚さ5μmで塗布した。ウレタンアク
リレート系オリゴマー(荒川化学社製ビームセット57
5CB)4重量%、ウレタンアクリレート系ポリマー
(荒川化学社製ビームセットNK−3)8重量%、光開
始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製イルガキュア
184)0.4重量%、溶剤分散型酸化錫系導電フィラ
ー(石原テック社製SN−100P)70重量%、メチ
ルエチルケトン9.6重量%、アノン8重量% 続いて、150℃、20秒間、溶剤乾燥を行い、その
後、紫外線を400mJ/cm2で照射し、帯電防止機
能を併せもつハードコート層を形成した。
【0031】ハードコート層の上に、ウレタン系2液硬
化のアンカー層を、グラビアコート法によって、厚さ1
μmで形成し、その上に、屈折率1.68のアクリル樹
脂(JSR製オプスタ−JN7102)からなる高屈折
率層、屈折率1.41のフッ素系樹脂(JSR製オプス
タ−JN7215)からなる低屈折率層を、順次、グラ
ビアコート法にて厚さ、それぞれ0.12μm、0.0
9μmで形成し、130℃、20秒間、乾燥して低反射
ハードコートフィルムを形成した。
【0032】実施例2 膜厚38μmの片面易接着を施されたポリエチレンテレ
フタレートフィルム(東レF−39)上に、下記配合の
樹脂を、厚さ5μmで塗布した。ウレタンアクリレート
系オリゴマー(荒川化学社製ビームセット575CB)
15重量%、ウレタンアクリレート系ポリマー(荒川化
学社製ビームセットNK−3)30重量%、光開始剤
(チバスペシャリティケミカルズ社製イルガキュア18
4)4重量%、反応型紫外線吸収剤(大塚化学社製RU
VA−206)6重量%、メチルエチルケトン25重量
%、アノン20重量% 続いて、150℃、20秒間、溶剤乾燥を行い、その
後、紫外線を400mJ/cm2で照射し耐光性機能を
併せもつハードコート層を形成した。
【0033】ハードコート層の上に、ウレタン系2液硬
化のアンカー層を、グラビアコート法によって、厚さ1
μmで形成し、その上に、屈折率1.68のアクリル樹
脂(JSR製オプスタ−JN7102)からなる高屈折
率層、屈折率1.41のフッ素系樹脂(JSR製オプス
タ−JN7215)からなる低屈折率層を、順次、グラ
ビアコート法にて厚さ、それぞれ0.12μm、0.0
9μmで形成し、130℃、20秒間、乾燥して低反射
ハードコートフィルムを形成した。
【0034】実施例3 膜厚38μmの片面易接着を施されたポリエチレンテレ
フタレートフィルム(東レF−39)上に、下記配合の
樹脂を、厚さ5μmで塗布した。ウレタンアクリレート
系オリゴマー(荒川化学社製ビームセット575CB)
10重量%、ウレタンアクリレート系ポリマー(荒川化
学社製ビームセットNK−3)20重量%、光開始剤
(チバスペシャリティケミカルズ社製イルガキュア18
4)4重量%、導電性フィラー(三井金属社製パストラ
ン)26重量%、メチルエチルケトン20重量%、アノ
ン30重量% 続いて、150℃、20秒間、溶剤乾燥を行い、その
後、紫外線を400mJ/cm2で照射し電磁波遮蔽機
能を併せもつハードコート層を形成した。
【0035】ハードコート層の上に、ウレタン系2液硬
化のアンカー層を、グラビアコート法によって、厚さ1
μmで塗布し、その上に、屈折率1.68のアクリル樹
脂(JSR製オプスタ−JN7102)からなる高屈折
率層、屈折率1.41のフッ素系樹脂(JSR製オプス
タ−JN7215)からなる低屈折率層を、順次、グラ
ビアコート法にて厚さ、それぞれ0.12μm、0.0
9μmで形成し、130℃、20秒間、乾燥し、低反射
ハードコートフィルムを形成した。
【0036】実施例4 実施例1〜3で得られた低反射ハードコートフィルムに
おいて、ハードコート層が形成された側と反対側の透明
基材フィルム上に、アクリル樹脂からなる接着剤層を、
厚さ1μm程度で形成した。この低反射ハードコートフ
ィルムを射出成型金型に挟み込み、200〜240℃程
度の温度範囲で溶融させたアクリル樹脂(三菱レーヨン
社製、アクリペットVH)を接着剤層側から金型に注入
し、放冷した。
【0037】これにより、表面に低反射ハードコートフ
ィルムが形成された携帯電話用のディスプレイカバーを
得た。得られた成型品は、それぞれ、ハードコート層の
内側に帯電防止機能層を形成した2層構造、ハードコー
ト層の内側に耐光性機能層を形成した2層構造、ハード
コート層の内側に電磁波遮蔽機能層を形成した2層構造
のものよりも、各機能(帯電防止機能層、耐光性機能
層、電磁波遮蔽機能)を有効に発揮させた。また、得ら
れた成型品は、それぞれ、ハードコート層よりも外側に
各機能層を形成したものよりも、耐擦傷性に優れ、さら
に、各層のはがれ等の物理的な損傷はほとんど生じなか
った。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、透明基材フィルム上に
ハードコート層及び有機ポリマー低反射層が順次積層さ
れてなり、前記ハードコート層が、帯電防止、耐光性及
び電磁波シールドの少なくとも1つ以上の機能を併せも
つため、多層構造になることに起因する透明性の低下を
防止することができるとともに、各層のはがれ等の物理
的な損傷を防止することができる。しかも、ディスプレ
イ等の軽量化、小型化をより実現することが可能になる
とともに、多機能層を有する1層を形成するのみと製造
工程の簡略化を図ることができ、ひいては低い製品コス
トでの成型品を供給することができる。しかも、帯電防
止機能、ハードコート機能、反射防止機能等の諸機能を
有する層は、最表面に近い位置に配置することができる
ため、それらの効果を最大限に発揮させることが可能と
なる。
【0039】また、有機ポリマー低反射層が、屈折率が
異なる2層から構成され、一方の層の屈折率が1.3〜
1.5、膜厚が0.08〜0.15μmであり、他方の
層の屈折率が1.5〜1.9、膜厚が0.08〜5.0
μmであり、屈折率が低い層が最表面層となるように積
層されてなる場合には、このフィルムの被着物の表面を
より低反射にすることができるため、フィルムごしに認
識される視覚情報を見やすくすることができる。
【0040】さらに、透明基材フィルムとハードコート
層との間及び/またはハードコート層と有機ポリマー低
反射層との間にアンカー層が、あるいは透明基材フィル
ムとハードコート層との間に絵柄層が設けられてなる場
合には、フィルムのはがれ等を防止することができると
ともに、被着物に適当なデザインを付与することがで
き、被着物の付加価値を向上することが可能となる。
【0041】また、透明基材フィルムのハードコート層
と反射面に接着層が設けられ、射出成型金型内に挟み込
み、接着層側に溶融樹脂を射出成型する場合には、簡便
な方法で、多機能を有する層を成型品に形成することが
できるため、成型品の軽量化、小型化をより実現するこ
とが可能になるとともに、製造コストが低減した安価な
成型品を提供することが可能となる。しかも、成型品に
適当なデザインを付与することができ、被着物の付加価
値を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K009 AA02 AA15 BB11 DD01 EE03 4F100 AA28 AA28H AK01 AK01A AK01C AK17 AK25 AK25G AK42 AK51G AL01G AN01D AR00B AT00E BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10D BA10E CB00 DE01 DE01H EH462 EJ082 EJ542 GB41 HB00 JD08B JG01 JG01H JG03B JK09 JK10 JK12B JL02 JL03 JL09B JN01A JN06C JN06D JN18C JN18D 4F206 AC03 AD05 AD08 AE03 AG03 AH33 JA02 JB15 JN25

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材フィルム上にハードコート層及
    び有機ポリマー低反射層が順次積層されてなり、 前記ハードコート層が、帯電防止、耐光性及び電磁波シ
    ールドの少なくとも1つ以上の機能を併せもつことを特
    徴とする低反射ハードコートフィルム。
  2. 【請求項2】 有機ポリマー低反射層が、屈折率が異な
    る2層から構成され、一方の層の屈折率が1.3〜1.
    5、膜厚が0.08〜0.15μmであり、他方の層の
    屈折率が1.5〜1.9、膜厚が0.08〜5.0μm
    であり、屈折率が低い層が最表面層となるように積層さ
    れてなる請求項1に記載の低反射ハードコートフィル
    ム。
  3. 【請求項3】 透明基材フィルムとハードコート層との
    間及び/またはハードコート層と有機ポリマー低反射層
    との間にアンカー層が設けられてなる請求項1又は2に
    記載の低反射ハードコートフィルム。
  4. 【請求項4】 透明基材フィルムとハードコート層との
    間に絵柄層が設けられてなる請求項1〜3のいずれか1
    つに記載の低反射ハードコートフィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の低
    反射ハードコートフィルムが、任意に接着層を介して、
    表面に形成されてなる成型品。
  6. 【請求項6】 透明基材フィルム上のハードコート層と
    反対側の面に接着層が設けられた請求項1〜4のいずれ
    か1つに記載の低反射ハードコートフィルムを射出成型
    金型内に挟み込み、接着層が設けられた側に溶融樹脂を
    射出することを特徴とする請求項5に記載の成型品の製
    造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010089480A (ja) * 2008-10-07 2010-04-22 Taiyi Precision Tech Corp インモールド・デコレーション方法
JP2019091071A (ja) * 2019-02-05 2019-06-13 東レフィルム加工株式会社 成型用積層フィルム

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