JP2002046172A - 熱可塑性支持体の製膜方法 - Google Patents
熱可塑性支持体の製膜方法Info
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- JP2002046172A JP2002046172A JP2000237101A JP2000237101A JP2002046172A JP 2002046172 A JP2002046172 A JP 2002046172A JP 2000237101 A JP2000237101 A JP 2000237101A JP 2000237101 A JP2000237101 A JP 2000237101A JP 2002046172 A JP2002046172 A JP 2002046172A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高速製膜を行っても面状に優れる熱可塑性支持
体の製膜方法を提供すること。 【解決手段】 熔融押出し後直径2m以上5m以下のド
ラムに押し出されてキャストされた未延伸シートを、直
径10cm以上70cm以下の延伸ロールを用い、長手
方向に延伸(MD延伸)することを特徴とする熱可塑性
支持体の製膜方法。
体の製膜方法を提供すること。 【解決手段】 熔融押出し後直径2m以上5m以下のド
ラムに押し出されてキャストされた未延伸シートを、直
径10cm以上70cm以下の延伸ロールを用い、長手
方向に延伸(MD延伸)することを特徴とする熱可塑性
支持体の製膜方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は面状故障の無い優れ
た熱可塑性支持体の製膜方法に関する。
た熱可塑性支持体の製膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性支持体を安定にキャスト(押し
出し成形)する方法として特公昭37−6142号公報
などに記載の静電印加法、特開昭58−63415号な
どに記載の冷却ト゛ラム表面に水を介在させる方法、特開昭
58−38133号などに記載のエアーチャンバーを用
いる方法が開示されている。しかしこれらの方法では、
高速製膜適性が不足し、十分に安定な支持体やその他の
膜が得られなかった。この問題を解決する方法として、
特開平3−219928号には直径2m以上の冷却ドラ
ムを用いる方法が記載されているが、面状故障が発生し
やすく改善が望まれていた。この面状故障とは、支持体
表面に付いた細かな山状の突起(山状故障)であり、未延
伸シートではあまり目立たないが、縦、横に延伸すると
突起が拡大され顕在化する。このような故障は、特にキ
ャストした膜や支持体を光学フィルムとして使用する場
合は致命的問題であった。
出し成形)する方法として特公昭37−6142号公報
などに記載の静電印加法、特開昭58−63415号な
どに記載の冷却ト゛ラム表面に水を介在させる方法、特開昭
58−38133号などに記載のエアーチャンバーを用
いる方法が開示されている。しかしこれらの方法では、
高速製膜適性が不足し、十分に安定な支持体やその他の
膜が得られなかった。この問題を解決する方法として、
特開平3−219928号には直径2m以上の冷却ドラ
ムを用いる方法が記載されているが、面状故障が発生し
やすく改善が望まれていた。この面状故障とは、支持体
表面に付いた細かな山状の突起(山状故障)であり、未延
伸シートではあまり目立たないが、縦、横に延伸すると
突起が拡大され顕在化する。このような故障は、特にキ
ャストした膜や支持体を光学フィルムとして使用する場
合は致命的問題であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高速製膜を行
っても面状に優れる熱可塑性支持体が得られる製膜方法
を提供することにある。
っても面状に優れる熱可塑性支持体が得られる製膜方法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、問題点の解
析と検討を重ねた結果,このような面状故障が縦延伸過
程および横延伸過程で顕在化するが,縦延伸工程のドラ
ム、延伸ドラム,延伸条件などの特定の組み合わせによ
って解決が可能なことを見出した。すなわち、上記の課
題は、以下の方法によって達成される。 (1)溶融押出しによって、直径2m以上5m以下のキ
ャスティングドラム上に押し出されてキャストされた未
延伸シートを、直径10cm以上70cm以下の延伸ロ
ールを用い、長手方向に延伸(MD延伸)することを特
徴とする熱可塑性支持体の製膜方法。
析と検討を重ねた結果,このような面状故障が縦延伸過
程および横延伸過程で顕在化するが,縦延伸工程のドラ
ム、延伸ドラム,延伸条件などの特定の組み合わせによ
って解決が可能なことを見出した。すなわち、上記の課
題は、以下の方法によって達成される。 (1)溶融押出しによって、直径2m以上5m以下のキ
ャスティングドラム上に押し出されてキャストされた未
延伸シートを、直径10cm以上70cm以下の延伸ロ
ールを用い、長手方向に延伸(MD延伸)することを特
徴とする熱可塑性支持体の製膜方法。
【0005】さらに,上記(1)の達成手段に加えて、
熔融過程、および横延伸過程の特定の条件の選定も併せ
行う下記(2)〜(8)の方法によって、面状故障を一
層軽減できることを見いだした。 (2)該未延伸シートが、2台以上の熔融押しだし機か
ら押し出されたことを特徴とする上記(1)に記載の熱
可塑性支持体の製膜方法。 (3)該MD延伸が、3本以上20本以下の延伸ロール
を用い、長手(MD)方向に未延伸シートを延伸倍率1.
5〜4倍の範囲で施される延伸であることを特徴とする
上記(1)又は(2)に記載の熱可塑性支持体の製膜方
法。 (4)該熱可塑性樹脂が、MD延伸が施される前に、3
0℃以上でかつ該熱可塑性樹脂のTg+50℃以下の温
度の加熱処理がなされていることを特徴とする上記
(1)〜(3)のいずれか1項に記載の熱可塑性支持体
の製膜方法。 (5)該MD延伸が、延伸ロールの前又は後の少なくと
も一方に設けられたニップロールによって熱可塑性支持
体を把持して行われることを特徴とする上記(1)〜
(4)のいずれか1項に記載の熱可塑性支持体の製膜
法。 (6)MD延伸を行った後,MD延伸された熱可塑性シ
ートの長さ方向に平行の両側縁部を各側縁長さ1mあた
り5〜20箇所で把持して幅方向(TD)に延伸すること
を特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載
の熱可塑性支持体の製膜方法。 (7)該TD延伸とそのあとに行う熱固定との間に、該
熱可塑性樹脂のガラス転位温度−30℃以上でかつ熱固
定温度以下の温度で該熱可塑性シートに熱処理を施すこ
とを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1項に記
載の熱可塑性支持体の製膜方法。 (8)該熱可塑性樹脂の固有粘度が0.3以上0.5以
下であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれ
か1項に記載の熱可塑性支持体の製膜法。以下に本発明
の熱可塑性支持体の製膜方法の詳細を,製造過程を追っ
て順に述べる。
熔融過程、および横延伸過程の特定の条件の選定も併せ
行う下記(2)〜(8)の方法によって、面状故障を一
層軽減できることを見いだした。 (2)該未延伸シートが、2台以上の熔融押しだし機か
ら押し出されたことを特徴とする上記(1)に記載の熱
可塑性支持体の製膜方法。 (3)該MD延伸が、3本以上20本以下の延伸ロール
を用い、長手(MD)方向に未延伸シートを延伸倍率1.
5〜4倍の範囲で施される延伸であることを特徴とする
上記(1)又は(2)に記載の熱可塑性支持体の製膜方
法。 (4)該熱可塑性樹脂が、MD延伸が施される前に、3
0℃以上でかつ該熱可塑性樹脂のTg+50℃以下の温
度の加熱処理がなされていることを特徴とする上記
(1)〜(3)のいずれか1項に記載の熱可塑性支持体
の製膜方法。 (5)該MD延伸が、延伸ロールの前又は後の少なくと
も一方に設けられたニップロールによって熱可塑性支持
体を把持して行われることを特徴とする上記(1)〜
(4)のいずれか1項に記載の熱可塑性支持体の製膜
法。 (6)MD延伸を行った後,MD延伸された熱可塑性シ
ートの長さ方向に平行の両側縁部を各側縁長さ1mあた
り5〜20箇所で把持して幅方向(TD)に延伸すること
を特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載
の熱可塑性支持体の製膜方法。 (7)該TD延伸とそのあとに行う熱固定との間に、該
熱可塑性樹脂のガラス転位温度−30℃以上でかつ熱固
定温度以下の温度で該熱可塑性シートに熱処理を施すこ
とを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1項に記
載の熱可塑性支持体の製膜方法。 (8)該熱可塑性樹脂の固有粘度が0.3以上0.5以
下であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれ
か1項に記載の熱可塑性支持体の製膜法。以下に本発明
の熱可塑性支持体の製膜方法の詳細を,製造過程を追っ
て順に述べる。
【0006】
【発明の実施の形態】まず、製膜に先立って熱可塑性樹
脂のポリマーペレットの乾燥が行われる。好ましい乾燥
温度は100〜200℃、より好ましくは110〜19
0℃、さらに好ましくは120〜180℃である。好ま
しい乾燥時間は0.5〜24時間、より好ましくは1〜
18時間、さらに好ましくは2〜12時間である。好ま
しいペレットの長さ、直径は0.5mm〜10mm、よ
り好ましくは1mm〜8mm、さらに好ましくは1.5
mmから8mmである。
脂のポリマーペレットの乾燥が行われる。好ましい乾燥
温度は100〜200℃、より好ましくは110〜19
0℃、さらに好ましくは120〜180℃である。好ま
しい乾燥時間は0.5〜24時間、より好ましくは1〜
18時間、さらに好ましくは2〜12時間である。好ま
しいペレットの長さ、直径は0.5mm〜10mm、よ
り好ましくは1mm〜8mm、さらに好ましくは1.5
mmから8mmである。
【0007】乾燥されたペレットは、熔融押出し機を用
いて押し出される。そのさい、不溶解生成物や不溶性の
熱分解物を作らないことが重要であり、これらがあると
それが核となり、面状故障を誘発し易い。キャスティン
グドラムが2mを越えるような大型・高速製膜機では、
通常それに見合うよう押出し軸直径が150mmを越える
大型の熔融押出し機を使用しているが、本発明では直径
100cm以下の小さな径の押出し軸を使用することが特
徴で、それによって混練をより強く行い、溶解不良を少
なくして面状の悪化を防止している。すなわち、本発明
の方法では、熔融押出し機の押出し軸の直径は30cm〜
100cmが好ましく、より好ましくは40cm〜90cm、
さらに好ましくは50cm〜80cmである。また、押出し
軸は1m〜10m、より好ましくは1.5m〜9m、さ
らに好ましくは2mから8mである。
いて押し出される。そのさい、不溶解生成物や不溶性の
熱分解物を作らないことが重要であり、これらがあると
それが核となり、面状故障を誘発し易い。キャスティン
グドラムが2mを越えるような大型・高速製膜機では、
通常それに見合うよう押出し軸直径が150mmを越える
大型の熔融押出し機を使用しているが、本発明では直径
100cm以下の小さな径の押出し軸を使用することが特
徴で、それによって混練をより強く行い、溶解不良を少
なくして面状の悪化を防止している。すなわち、本発明
の方法では、熔融押出し機の押出し軸の直径は30cm〜
100cmが好ましく、より好ましくは40cm〜90cm、
さらに好ましくは50cm〜80cmである。また、押出し
軸は1m〜10m、より好ましくは1.5m〜9m、さ
らに好ましくは2mから8mである。
【0008】さらに本発明では、押出し機を2台以上併
用することで必要な熔融押出し量を確保している。すな
わち、2台以上5台以下の熔融押出し機を併用するのが
好ましく、より好ましくは2台〜4台、さらに好ましく
は2台〜3台である。これらの押出し機は、直列に結合
させて連続溶融混練して押し出すのが好ましい。押出し
機内における各熱可塑性樹脂の温度は,その樹脂の融点
(Tm)以上でかつTm+100℃以下の温度、より好まし
くはTm+20℃〜Tm+80℃、さらに好ましくはTm
+30℃〜Tm+50℃の範囲の温度に調節される。こ
の時、押出し工程において上流側に位置する押出し機の
入口温度Ti(n)、出口温度To(n)、そのすぐ下流の押出
し機の入口温度Ti(n+1)、出口温度To(n+1)が、下記
(1)式を満たす条件のもとで押し出すのが好ましい。 Ti(n)<Ti(n+1)<To(n)<To(n+1) (1)式 これらの押出し法により、熱可塑性樹脂の溶解不良に起
因する面上故障を軽減できる。また、フィルタ−を用い
て溶融ポリマ−をあらかじめろ過してから押し出す場合
には、このような押出し機の温度設定を行うことによ
り、ろ過フィルターの負荷を軽減し、長期安定な製膜を
可能にする。
用することで必要な熔融押出し量を確保している。すな
わち、2台以上5台以下の熔融押出し機を併用するのが
好ましく、より好ましくは2台〜4台、さらに好ましく
は2台〜3台である。これらの押出し機は、直列に結合
させて連続溶融混練して押し出すのが好ましい。押出し
機内における各熱可塑性樹脂の温度は,その樹脂の融点
(Tm)以上でかつTm+100℃以下の温度、より好まし
くはTm+20℃〜Tm+80℃、さらに好ましくはTm
+30℃〜Tm+50℃の範囲の温度に調節される。こ
の時、押出し工程において上流側に位置する押出し機の
入口温度Ti(n)、出口温度To(n)、そのすぐ下流の押出
し機の入口温度Ti(n+1)、出口温度To(n+1)が、下記
(1)式を満たす条件のもとで押し出すのが好ましい。 Ti(n)<Ti(n+1)<To(n)<To(n+1) (1)式 これらの押出し法により、熱可塑性樹脂の溶解不良に起
因する面上故障を軽減できる。また、フィルタ−を用い
て溶融ポリマ−をあらかじめろ過してから押し出す場合
には、このような押出し機の温度設定を行うことによ
り、ろ過フィルターの負荷を軽減し、長期安定な製膜を
可能にする。
【0009】溶融ポリマーの押出し成形に際しては、上
記の理由からフィルタ−を用いて溶融ポリマ−をあらか
じめろ過しておくほうが好ましい。ろ過を行なうフィル
タ−としては、金網、焼結金網、焼結金属、サンド、グ
ラスファイバ−などが挙げられる。これをT−ダイか
ら、25℃〜100℃に調温したキャスティングドラム
上に押し出す。T−ダイは中に直径3cm以上20cm
以下の円筒形の液だめを全幅に亘り有しているものが好
ましい。これによりT−ダイ出口に析出する熱可塑性樹
脂の熱分解物を抑制し、面状故障を軽減できる。
記の理由からフィルタ−を用いて溶融ポリマ−をあらか
じめろ過しておくほうが好ましい。ろ過を行なうフィル
タ−としては、金網、焼結金網、焼結金属、サンド、グ
ラスファイバ−などが挙げられる。これをT−ダイか
ら、25℃〜100℃に調温したキャスティングドラム
上に押し出す。T−ダイは中に直径3cm以上20cm
以下の円筒形の液だめを全幅に亘り有しているものが好
ましい。これによりT−ダイ出口に析出する熱可塑性樹
脂の熱分解物を抑制し、面状故障を軽減できる。
【0010】キャスティングドラムの直径は、2m〜5
mが好ましく、より好ましくは2.2mから4.5m、
さらに好ましくは2.5m〜4mである。キャスティン
グドラムの表面は鏡面仕上げされていることが好まし
く、より好ましくは、ハードクロムメッキされているも
のがより好ましい。このような大きなキャスティングド
ラムを用いることで高速製膜性や厚みムラは良化する
が、面状故障が発生し易かった。これは、ドラムサイズ
の増加に伴い、欠陥のない鏡面にドラム表面を仕上げる
ことができず、これが面状故障の引き金になるためと推
察される。本発明の方法では,このような大型のキャス
ティングドラムを用いても上記したような面状故障が解
決されている。キャスティングドラムの温度は、30℃
以上でかつ熱可塑性支持体のTg以下の温度、好ましく
は35℃以上でかつTg−5℃以下の温度、さらに好ま
しくは40℃以上でかつTg−10℃以下の温度であ
る。この時、特公昭37−6142に記載の静電印加法
あるいは特開昭58−63415記載の液膜形成法、特
公昭62−38133記載のエアチャンバー法を併用
し、ドラムとの密着を良くし平面性の改良を行うことも
好ましい。これらの公開技術を取り入れることによっ
て、平面性(平坦さ)の維持と、未延伸ベースの蛇行の抑
制とが可能となる。
mが好ましく、より好ましくは2.2mから4.5m、
さらに好ましくは2.5m〜4mである。キャスティン
グドラムの表面は鏡面仕上げされていることが好まし
く、より好ましくは、ハードクロムメッキされているも
のがより好ましい。このような大きなキャスティングド
ラムを用いることで高速製膜性や厚みムラは良化する
が、面状故障が発生し易かった。これは、ドラムサイズ
の増加に伴い、欠陥のない鏡面にドラム表面を仕上げる
ことができず、これが面状故障の引き金になるためと推
察される。本発明の方法では,このような大型のキャス
ティングドラムを用いても上記したような面状故障が解
決されている。キャスティングドラムの温度は、30℃
以上でかつ熱可塑性支持体のTg以下の温度、好ましく
は35℃以上でかつTg−5℃以下の温度、さらに好ま
しくは40℃以上でかつTg−10℃以下の温度であ
る。この時、特公昭37−6142に記載の静電印加法
あるいは特開昭58−63415記載の液膜形成法、特
公昭62−38133記載のエアチャンバー法を併用
し、ドラムとの密着を良くし平面性の改良を行うことも
好ましい。これらの公開技術を取り入れることによっ
て、平面性(平坦さ)の維持と、未延伸ベースの蛇行の抑
制とが可能となる。
【0011】ドラム上にキャストした樹脂を剥取ること
によって未延伸シートが得られる。未延伸シートの厚み
は、500μm〜3000μm、より好ましくは700μ
m〜2500μm、さらに好ましくは800μm〜200
0μmである。厚みをこの範囲に制御することにより、
未延伸フィルムを冷却ドラムから剥取るさいに発生する
剥離ムラに起因する幅方向の段状のムラ(横ダン)を防止
でき、面状故障の発生が抑制される。
によって未延伸シートが得られる。未延伸シートの厚み
は、500μm〜3000μm、より好ましくは700μ
m〜2500μm、さらに好ましくは800μm〜200
0μmである。厚みをこの範囲に制御することにより、
未延伸フィルムを冷却ドラムから剥取るさいに発生する
剥離ムラに起因する幅方向の段状のムラ(横ダン)を防止
でき、面状故障の発生が抑制される。
【0012】次に、MD延伸前の熱処理について述べ
る。未延伸シートをMD延伸する直前に40℃〜該熱可
塑性樹脂のTg+50℃の温度、より好ましくは50℃
〜Tg+30℃の温度、さらに好ましくは50℃〜Tg+
20℃の温度に加熱するのが好ましい(MD延伸前熱処
理)。このような未延伸シートの熱処理は、ヒートロー
ルや加熱ケーシングを通過させたり、放射熱源(IRラ
ンプ、ハロゲンランプ等)を用いて加熱したりして行わ
れる。この熱処理時間は5秒〜120秒が好ましく、よ
り好ましくは10秒〜60秒、さらに好ましくは15秒
〜40秒である。
る。未延伸シートをMD延伸する直前に40℃〜該熱可
塑性樹脂のTg+50℃の温度、より好ましくは50℃
〜Tg+30℃の温度、さらに好ましくは50℃〜Tg+
20℃の温度に加熱するのが好ましい(MD延伸前熱処
理)。このような未延伸シートの熱処理は、ヒートロー
ルや加熱ケーシングを通過させたり、放射熱源(IRラ
ンプ、ハロゲンランプ等)を用いて加熱したりして行わ
れる。この熱処理時間は5秒〜120秒が好ましく、よ
り好ましくは10秒〜60秒、さらに好ましくは15秒
〜40秒である。
【0013】MD延伸前熱処理が施された未延伸シート
には,続いてMD延伸が行われる。この延伸は、直径1
0cm〜70cm、より好ましくは15cm〜65c
m、さらに好ましくは20cm〜60cmの延伸ロール
を3〜20本、より好ましくは3〜15本、さらに好ま
しくは3〜10本用いて行なわれる。これらの延伸ロー
ルは、周速(円周速度)を変えて(入口側速度<出口側
速度)MD延伸を行なうが、本発明では2段以上19段
以下、より好ましくは2段以上14段以下、さらに好ま
しくは2段以上9段以下に分割して行なうのが好まし
い。キャスティングドラムとして直径が2mを越えるよ
うな大きなドラムを用い、高速で製膜するような場合、
MD延伸ロールもそれに見合った直径1m以上の大型の
ものを用いるのが通常である。しかし、大型のMD延伸
ロールを用いると、1本のロールに熱可塑性シートが接
触している時間が長くなり、ロール表面に粘着し易く、
延伸ロールから剥離するときに発生する細かな山状の突
起(山状故障)の発生しやすいことが解った。このため本
発明では、小型のMD延伸ロールを多数用い、多段延伸
することを特徴としている。これらの工夫により、各ロ
ールでの接触時間を短くし,シートのロールへの粘着を
防止することによって山状の突起(山状故障)の発生を抑
制しているのが特徴である。併せて、多段延伸によりキ
ャスティングドラムで発生した微小な面状故障を消す効
果もある。
には,続いてMD延伸が行われる。この延伸は、直径1
0cm〜70cm、より好ましくは15cm〜65c
m、さらに好ましくは20cm〜60cmの延伸ロール
を3〜20本、より好ましくは3〜15本、さらに好ま
しくは3〜10本用いて行なわれる。これらの延伸ロー
ルは、周速(円周速度)を変えて(入口側速度<出口側
速度)MD延伸を行なうが、本発明では2段以上19段
以下、より好ましくは2段以上14段以下、さらに好ま
しくは2段以上9段以下に分割して行なうのが好まし
い。キャスティングドラムとして直径が2mを越えるよ
うな大きなドラムを用い、高速で製膜するような場合、
MD延伸ロールもそれに見合った直径1m以上の大型の
ものを用いるのが通常である。しかし、大型のMD延伸
ロールを用いると、1本のロールに熱可塑性シートが接
触している時間が長くなり、ロール表面に粘着し易く、
延伸ロールから剥離するときに発生する細かな山状の突
起(山状故障)の発生しやすいことが解った。このため本
発明では、小型のMD延伸ロールを多数用い、多段延伸
することを特徴としている。これらの工夫により、各ロ
ールでの接触時間を短くし,シートのロールへの粘着を
防止することによって山状の突起(山状故障)の発生を抑
制しているのが特徴である。併せて、多段延伸によりキ
ャスティングドラムで発生した微小な面状故障を消す効
果もある。
【0014】MD延伸の延伸倍率は1.5倍〜4倍が好
ましく、より好ましくは2倍〜3.9倍、さらに好まし
くは2.2倍〜3.8倍である。好ましい延伸温度は、
熱可塑性支持体のTg以上でかつTg+50℃以下の温
度、より好ましくはTg+5℃以上でかつTg+40℃以
下の温度、さらに好ましくはTg+10℃以上でかつTg
+35℃以下の温度である。
ましく、より好ましくは2倍〜3.9倍、さらに好まし
くは2.2倍〜3.8倍である。好ましい延伸温度は、
熱可塑性支持体のTg以上でかつTg+50℃以下の温
度、より好ましくはTg+5℃以上でかつTg+40℃以
下の温度、さらに好ましくはTg+10℃以上でかつTg
+35℃以下の温度である。
【0015】さらに、MD延伸の延伸ロールの前及び/
又は後にニップロールで熱可塑性支持体を把持すること
が好ましい。より好ましくは前後両方に設けるのが好ま
しい。これらのニップロールの採用で、熱ロール上で発
生するスリップに起因する面状故障の発生を抑制でき
る。特に山状故障が存在する場合、より一層スリップを
助長し、面状故障を顕在化させるが、ニップロールによ
りこれらを抑制できる。
又は後にニップロールで熱可塑性支持体を把持すること
が好ましい。より好ましくは前後両方に設けるのが好ま
しい。これらのニップロールの採用で、熱ロール上で発
生するスリップに起因する面状故障の発生を抑制でき
る。特に山状故障が存在する場合、より一層スリップを
助長し、面状故障を顕在化させるが、ニップロールによ
りこれらを抑制できる。
【0016】MD延伸された熱可塑性樹脂シートは,引
き続き幅方向(TD)の延伸が施されるが、このTD延伸
に先きだって好ましくは熱処理(TD延伸前熱処理)が
施される。この熱処理は,40℃以上でかつ該熱可塑性
樹脂のTg+50℃以下の温度、より好ましくは50℃
以上でかつTg+30℃以下の温度、さらに好ましくは
60℃以上でかつTg+20℃以下の温度に加熱するこ
とによって行われる。この熱処理により、TD延伸ムラ
が抑制され、これに起因する山状故障の顕在化を防止で
きる。このような加熱処理は、ヒートロールへの接触、
加熱ケーシング内の通過、放射熱源(IRランプ、ハロ
ゲンランプ等)などによって行われる。熱処理時間は5
秒〜120秒が好ましく、より好ましくは10秒〜60
秒、さらに好ましくは15秒〜40秒である。
き続き幅方向(TD)の延伸が施されるが、このTD延伸
に先きだって好ましくは熱処理(TD延伸前熱処理)が
施される。この熱処理は,40℃以上でかつ該熱可塑性
樹脂のTg+50℃以下の温度、より好ましくは50℃
以上でかつTg+30℃以下の温度、さらに好ましくは
60℃以上でかつTg+20℃以下の温度に加熱するこ
とによって行われる。この熱処理により、TD延伸ムラ
が抑制され、これに起因する山状故障の顕在化を防止で
きる。このような加熱処理は、ヒートロールへの接触、
加熱ケーシング内の通過、放射熱源(IRランプ、ハロ
ゲンランプ等)などによって行われる。熱処理時間は5
秒〜120秒が好ましく、より好ましくは10秒〜60
秒、さらに好ましくは15秒〜40秒である。
【0017】TD延伸は支持体の両端をチャックと呼ば
れる挟み具で把持し、加熱しながら幅を広げることで達
成される。この時、MD延伸された熱可塑性シートの長
さ方向に平行の両側縁部を各側縁長さ1mあたり5〜2
0箇所、より好ましくは6箇所以上15箇所以下、さら
に好ましくは7箇所以上13箇所以下で把持して幅方向
(TD)に延伸する。通常、キャスティングドラムが2m
を越えるような大きな製膜機の場合、チャックも1つが
30cm程度以上の大きなものを使用するが、本発明は
20cm以下の小さなチャック、好ましくは3cm〜1
8cm、より好ましくは5cm〜16cmのチャックを
使用することを特徴としている。小さいチャックを数多
く用いる理由は、チャックが大きく1mあたりのチャッ
クの数が少ないと、チャック間の隙間を広くしないとテ
ンター内を搬送できず、この隙間がTD延伸時に延伸ム
ラを発生する。山状故障がこの延伸ムラ部分に存在する
と助長され、顕在化し易いためである。
れる挟み具で把持し、加熱しながら幅を広げることで達
成される。この時、MD延伸された熱可塑性シートの長
さ方向に平行の両側縁部を各側縁長さ1mあたり5〜2
0箇所、より好ましくは6箇所以上15箇所以下、さら
に好ましくは7箇所以上13箇所以下で把持して幅方向
(TD)に延伸する。通常、キャスティングドラムが2m
を越えるような大きな製膜機の場合、チャックも1つが
30cm程度以上の大きなものを使用するが、本発明は
20cm以下の小さなチャック、好ましくは3cm〜1
8cm、より好ましくは5cm〜16cmのチャックを
使用することを特徴としている。小さいチャックを数多
く用いる理由は、チャックが大きく1mあたりのチャッ
クの数が少ないと、チャック間の隙間を広くしないとテ
ンター内を搬送できず、この隙間がTD延伸時に延伸ム
ラを発生する。山状故障がこの延伸ムラ部分に存在する
と助長され、顕在化し易いためである。
【0018】TD延伸は2.0倍〜5.0倍が好まし
く、より好ましくは2.4倍〜4.5倍、さらに好まし
くは2.8倍〜4.0倍である。好ましい延伸温度は、
熱可塑性シートのTg以上でかつTg+50℃以下の温
度、より好ましくはTg+5℃以上でかつTg+40℃以
下の温度、さらに好ましくはTg+10℃以上でかつTg
+35℃以下の温度である。TD延伸は、1段あるいは
多段いずれで行っても良いが、より好ましくは1段延伸
である。
く、より好ましくは2.4倍〜4.5倍、さらに好まし
くは2.8倍〜4.0倍である。好ましい延伸温度は、
熱可塑性シートのTg以上でかつTg+50℃以下の温
度、より好ましくはTg+5℃以上でかつTg+40℃以
下の温度、さらに好ましくはTg+10℃以上でかつTg
+35℃以下の温度である。TD延伸は、1段あるいは
多段いずれで行っても良いが、より好ましくは1段延伸
である。
【0019】TD延伸のあと熱固定までの間に、さらに
熱可塑性シートに熱処理を施すことが好ましく、その熱
処理は、該熱可塑性樹脂のガラス転位温度(Tg)−30
℃以上であってかつ熱固定第1段温度(Ths)以下、より
好ましくはTg以上Ths−20℃以下、さらに好ましく
はTg+10以上Ths−50℃以下の温度で行うのが好
ましい(熱固定前熱処理)。この熱処理は、熱可塑性シ
ートの幅方向の寸法変化がTD延伸した最終幅(Ltd)±
10%以内、より好ましくはLtd±5%以内、さらに好
ましくはLtd±3%以内に制御されるように行なうのが
好ましく、そのためには、寸法を維持しながら応力緩和
が進むようにチャックで把持しながら行なうのが好まし
い。このような熱処理により、山状故障の顕在化を抑制
できる。TD延伸後、直ちに熱固定を行なうと、支持体
は延伸中に外方向に向かって受けていた応力が、熱固定
ゾーンで内側に向かって収縮応力が働くため、支持体内
で極端な応力の不均一性が発生し、これが延伸ムラを助
長し、山状故障を顕在化させるためと推定される。本発
明のこのTD延伸〜熱固定間の熱処理は応力の急激な変
化の緩衝帯となり、これらの故障の顕在化を防止するも
のと考えられる。この熱処理時間は5秒以上120秒以
下が好ましく、より好ましくは10秒以上60秒以下、
さらに好ましくは15秒以上40秒以下である。
熱可塑性シートに熱処理を施すことが好ましく、その熱
処理は、該熱可塑性樹脂のガラス転位温度(Tg)−30
℃以上であってかつ熱固定第1段温度(Ths)以下、より
好ましくはTg以上Ths−20℃以下、さらに好ましく
はTg+10以上Ths−50℃以下の温度で行うのが好
ましい(熱固定前熱処理)。この熱処理は、熱可塑性シ
ートの幅方向の寸法変化がTD延伸した最終幅(Ltd)±
10%以内、より好ましくはLtd±5%以内、さらに好
ましくはLtd±3%以内に制御されるように行なうのが
好ましく、そのためには、寸法を維持しながら応力緩和
が進むようにチャックで把持しながら行なうのが好まし
い。このような熱処理により、山状故障の顕在化を抑制
できる。TD延伸後、直ちに熱固定を行なうと、支持体
は延伸中に外方向に向かって受けていた応力が、熱固定
ゾーンで内側に向かって収縮応力が働くため、支持体内
で極端な応力の不均一性が発生し、これが延伸ムラを助
長し、山状故障を顕在化させるためと推定される。本発
明のこのTD延伸〜熱固定間の熱処理は応力の急激な変
化の緩衝帯となり、これらの故障の顕在化を防止するも
のと考えられる。この熱処理時間は5秒以上120秒以
下が好ましく、より好ましくは10秒以上60秒以下、
さらに好ましくは15秒以上40秒以下である。
【0020】熱可塑性シート(以後、フィルム又は支持
体と呼ぶこともある)の熱処理の後、熱固定を行なう。
熱固定は、2段階以上5段階以下に分割して行なうのが
好ましい。第1段熱固定、第2段熱固定と連続して順次
行うが、好ましい第1段熱固定の温度は160℃以上で
かつ260℃以下の温度、より好ましくは180℃以上
でかつ250℃以下の温度、さらに好ましくは200℃
以上でかつ240℃以下の温度である。第2段以降の熱
固定は、その前段の熱固定温度より低くすることが好ま
しく、好ましい温度差は2℃〜30℃以下、より好まし
くは3℃〜25℃以下、さらに好ましくは4℃〜20℃
以下の温度差である。これらの熱固定の好ましい総熱固
定時間は5秒〜180秒、より好ましくは10秒〜12
0秒、さらに好ましくは15秒〜60秒である。このよ
うな多段の熱固定は、温度を変えた複数の熱固定ゾーン
を通過させることで達成できる。熱固定中にフィルムを
幅方向に0%以上10%以下弛緩させるのが好ましい。
より好ましくは0%以上8%以下、さらに好ましくは0
%以上6%以下である。これらの弛緩は、最後段の熱固
定中に行なうのが好ましい。このような熱固定および弛
緩は、フィルムを両端をチャックし熱固定ゾーンに搬送
し、この幅を狭めることで達成できる。
体と呼ぶこともある)の熱処理の後、熱固定を行なう。
熱固定は、2段階以上5段階以下に分割して行なうのが
好ましい。第1段熱固定、第2段熱固定と連続して順次
行うが、好ましい第1段熱固定の温度は160℃以上で
かつ260℃以下の温度、より好ましくは180℃以上
でかつ250℃以下の温度、さらに好ましくは200℃
以上でかつ240℃以下の温度である。第2段以降の熱
固定は、その前段の熱固定温度より低くすることが好ま
しく、好ましい温度差は2℃〜30℃以下、より好まし
くは3℃〜25℃以下、さらに好ましくは4℃〜20℃
以下の温度差である。これらの熱固定の好ましい総熱固
定時間は5秒〜180秒、より好ましくは10秒〜12
0秒、さらに好ましくは15秒〜60秒である。このよ
うな多段の熱固定は、温度を変えた複数の熱固定ゾーン
を通過させることで達成できる。熱固定中にフィルムを
幅方向に0%以上10%以下弛緩させるのが好ましい。
より好ましくは0%以上8%以下、さらに好ましくは0
%以上6%以下である。これらの弛緩は、最後段の熱固
定中に行なうのが好ましい。このような熱固定および弛
緩は、フィルムを両端をチャックし熱固定ゾーンに搬送
し、この幅を狭めることで達成できる。
【0021】熱固定を終えたフィルムは、熱固定終了か
ら巻取りまでの間に3秒から40秒、より好ましくは5
秒〜30秒、さらに好ましくは7秒〜20秒で急冷を行
なった後、フィルムの両端のチャックを外して巻き取
る。熱緩和からチャックを外すまでの間にチャック幅を
0.1%〜3%、より好ましくは0.2%〜2.5%、
さらに好ましくは0.3%〜2%弛緩させるのが好まし
い(冷却弛緩)。この時の温度は50℃以上でかつTg
−1℃以下の温度、より好ましくは60℃であってかつ
Tg−3℃以下の温度、さらに好ましくは70℃以上で
かつTg−5℃以下の温度である。
ら巻取りまでの間に3秒から40秒、より好ましくは5
秒〜30秒、さらに好ましくは7秒〜20秒で急冷を行
なった後、フィルムの両端のチャックを外して巻き取
る。熱緩和からチャックを外すまでの間にチャック幅を
0.1%〜3%、より好ましくは0.2%〜2.5%、
さらに好ましくは0.3%〜2%弛緩させるのが好まし
い(冷却弛緩)。この時の温度は50℃以上でかつTg
−1℃以下の温度、より好ましくは60℃であってかつ
Tg−3℃以下の温度、さらに好ましくは70℃以上で
かつTg−5℃以下の温度である。
【0022】冷却弛緩を施されたフィルムは、両端をト
リミングし、ロ−ルに巻き取る。このとき、支持体端部
に厚みだし加工(ナ−リング)を付与することも好まし
い。好ましい製膜幅は0.5m以上10m以下、より好
ましくは0.8m以上8m以下、さらに好ましくは1m
以上6m以下である。また、延伸後の厚みは50μm以
上250μm以下が好ましく、より好ましくは70μm以
上220μm以下、より好ましくは80μm以上200μ
m以下である。
リミングし、ロ−ルに巻き取る。このとき、支持体端部
に厚みだし加工(ナ−リング)を付与することも好まし
い。好ましい製膜幅は0.5m以上10m以下、より好
ましくは0.8m以上8m以下、さらに好ましくは1m
以上6m以下である。また、延伸後の厚みは50μm以
上250μm以下が好ましく、より好ましくは70μm以
上220μm以下、より好ましくは80μm以上200μ
m以下である。
【0023】本発明の熱可塑性支持体の製造方法を適用
できる熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、好ましい
熱可塑性樹脂にはポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)。ポリアリレート(PA
r)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ア
タクチック−ポリスチレンおよびシンジオタクチック−
ポリスチレン(SPS)等のポリスチレン、ポリエチレ
ン、アタクチック−ポリプロピレン、シンジオタクチッ
ク−ポリプロピレン、アイソタクチック−ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン、ポリノルボルンネン、ポリノル
ボルンネン−エチレン共重合体等の脂環族ポリオレフィ
ン、6,6-、6-、6,10-、12-ナイロン等のナイロン樹脂、
ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリレート等のア
クリル樹脂が挙げられる。この中でとくに好ましいの
が、ポリエステル、脂環族ポリエステル、PC、ポリス
チレンであり、特に好ましいのがPET、PEN、SP
S、ポリノルボルンネン−エチレン共重合体、中でも好
ましいのがPET、PEN、さらに好ましいのがPEN
である。
できる熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、好ましい
熱可塑性樹脂にはポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)。ポリアリレート(PA
r)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ア
タクチック−ポリスチレンおよびシンジオタクチック−
ポリスチレン(SPS)等のポリスチレン、ポリエチレ
ン、アタクチック−ポリプロピレン、シンジオタクチッ
ク−ポリプロピレン、アイソタクチック−ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン、ポリノルボルンネン、ポリノル
ボルンネン−エチレン共重合体等の脂環族ポリオレフィ
ン、6,6-、6-、6,10-、12-ナイロン等のナイロン樹脂、
ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリレート等のア
クリル樹脂が挙げられる。この中でとくに好ましいの
が、ポリエステル、脂環族ポリエステル、PC、ポリス
チレンであり、特に好ましいのがPET、PEN、SP
S、ポリノルボルンネン−エチレン共重合体、中でも好
ましいのがPET、PEN、さらに好ましいのがPEN
である。
【0024】これらの熱可塑性樹脂の固有粘度は0.3
〜0.5、より好ましくは0.35から0.48、さら
に好ましくは0.37〜0.47ある。このような低固
有粘度の熱可塑性樹脂を用いることで、面状故障、特に
キャスティングドラム上で山状故障や、MD延伸ロール
での剥取り時に発生する横段故障を低減できる。このよ
うに固有粘度を下げ、分子量を下げることで、分子の流
動を起こしやすくし、ドラムへの粘着を防止し横段故障
や山状故障の発生を軽減したり、発生した凹凸を速やか
に平滑化することが可能となる。このような固有粘度の
低い熱可塑性樹脂は、重合時間を変えることで達成でき
る。即ち、重合中にポリマー重合度が上昇し粘度が上が
るに従い、撹拌用のトルクモーターの電流量上昇するこ
とから、予め作成した検量線から粘度を測定することが
できる。
〜0.5、より好ましくは0.35から0.48、さら
に好ましくは0.37〜0.47ある。このような低固
有粘度の熱可塑性樹脂を用いることで、面状故障、特に
キャスティングドラム上で山状故障や、MD延伸ロール
での剥取り時に発生する横段故障を低減できる。このよ
うに固有粘度を下げ、分子量を下げることで、分子の流
動を起こしやすくし、ドラムへの粘着を防止し横段故障
や山状故障の発生を軽減したり、発生した凹凸を速やか
に平滑化することが可能となる。このような固有粘度の
低い熱可塑性樹脂は、重合時間を変えることで達成でき
る。即ち、重合中にポリマー重合度が上昇し粘度が上が
るに従い、撹拌用のトルクモーターの電流量上昇するこ
とから、予め作成した検量線から粘度を測定することが
できる。
【0025】これらの熱可塑性樹脂には重合中あるいは
重合後に染料やフィラーを添加することがより好まし
い。染料は、熱分解しにくいアントラキノン系のものが
好ましく、例えば、特開平7−168309記載のもの
を挙げることができる。添加濃度は100μm厚に製膜
後の400nm〜700nmの透過率を1%以上10%
以下低下させるように添加するのが好ましい。フィラー
は有機性微粒子、無機性微粒子のいずれでもよいが、耐
熱性の観点から無機性微粒子が好ましく、シリカ、アル
ミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、チタニア、雲母
等を挙げることができる。粒子サイズは0.1μm〜2
μmが好ましく、形状は、不定形、板状、球形のいずれ
でもよく、また、2種類以上の粒子を混合使用してもよ
い。添加量は、10ppm〜300ppmである。
重合後に染料やフィラーを添加することがより好まし
い。染料は、熱分解しにくいアントラキノン系のものが
好ましく、例えば、特開平7−168309記載のもの
を挙げることができる。添加濃度は100μm厚に製膜
後の400nm〜700nmの透過率を1%以上10%
以下低下させるように添加するのが好ましい。フィラー
は有機性微粒子、無機性微粒子のいずれでもよいが、耐
熱性の観点から無機性微粒子が好ましく、シリカ、アル
ミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、チタニア、雲母
等を挙げることができる。粒子サイズは0.1μm〜2
μmが好ましく、形状は、不定形、板状、球形のいずれ
でもよく、また、2種類以上の粒子を混合使用してもよ
い。添加量は、10ppm〜300ppmである。
【0026】次に、本発明で採用した熱可塑性樹脂物性
の評価・測定法について説明する。 (1)固有粘度の測定 フェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン混合溶媒
(重量比:60/40)に熱可塑性樹脂試料を溶解し、
0.2g/dl、0.6g/dl、1.0g/dlの溶液を作成す
る。 これを20℃において、ウベローデ粘度計を用いて測
定する。 濃度に対し粘度をプロットし、濃度=0に外挿した粘
度を固有粘度とした。 (2)ガラス転移温度(Tg)、融解温度(Tm)の測
定 下記方法に従い、示差熱分析計を用いて測定する。 窒素気流中で20mgの試料をアルミニウム製のパン
の中にセットする。 10℃/分で330℃まで昇温(1st run)する。 室温まで急冷し、非晶とする 再び10℃/分で昇温(2nd run)し、このサーモグラ
ムから下記を求める。イ )Tg:ベ−スラインから偏奇しはじめる温度と新たな
ベ−スラインに戻る温度の算術平均をTgとした。ロ )Tm:Tgを越え現れる吸熱ピークの最大値を示す温度
をTmとした。
の評価・測定法について説明する。 (1)固有粘度の測定 フェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン混合溶媒
(重量比:60/40)に熱可塑性樹脂試料を溶解し、
0.2g/dl、0.6g/dl、1.0g/dlの溶液を作成す
る。 これを20℃において、ウベローデ粘度計を用いて測
定する。 濃度に対し粘度をプロットし、濃度=0に外挿した粘
度を固有粘度とした。 (2)ガラス転移温度(Tg)、融解温度(Tm)の測
定 下記方法に従い、示差熱分析計を用いて測定する。 窒素気流中で20mgの試料をアルミニウム製のパン
の中にセットする。 10℃/分で330℃まで昇温(1st run)する。 室温まで急冷し、非晶とする 再び10℃/分で昇温(2nd run)し、このサーモグラ
ムから下記を求める。イ )Tg:ベ−スラインから偏奇しはじめる温度と新たな
ベ−スラインに戻る温度の算術平均をTgとした。ロ )Tm:Tgを越え現れる吸熱ピークの最大値を示す温度
をTmとした。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 (1)熱可塑性樹脂の合成 下記方法で熱可塑性樹脂を合成し、固有粘度(IV)、T
g、Tmを測定し、表1に記載した。 (イ)PEN(実施例1〜7、11,比較例−2) 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル10
0部、エチレングリコ−ル58部、酢酸マンガン4水和
物0.029部、三酸化アンチモン0.028部、及び
平均粒径0.3μmの球状シリカ粒子0.1部を混合
し、撹拌しながら200℃に加熱した。副生するメタノ
−ルを除去しつつ235℃まで昇温した。メタノ−ルの
副生が終了した後、トリメチルリン酸0.03部を添加
し、285℃に昇温しながら0.3Torrに減圧し、
反応時間を変えることによって表1に示した固有粘度を
変えた試料を得た。さらに固形分に対して、特開平7−
168309号記載の染料、化合物I−6と化合物I−
24をそれぞれ54ppm加えた。
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 (1)熱可塑性樹脂の合成 下記方法で熱可塑性樹脂を合成し、固有粘度(IV)、T
g、Tmを測定し、表1に記載した。 (イ)PEN(実施例1〜7、11,比較例−2) 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル10
0部、エチレングリコ−ル58部、酢酸マンガン4水和
物0.029部、三酸化アンチモン0.028部、及び
平均粒径0.3μmの球状シリカ粒子0.1部を混合
し、撹拌しながら200℃に加熱した。副生するメタノ
−ルを除去しつつ235℃まで昇温した。メタノ−ルの
副生が終了した後、トリメチルリン酸0.03部を添加
し、285℃に昇温しながら0.3Torrに減圧し、
反応時間を変えることによって表1に示した固有粘度を
変えた試料を得た。さらに固形分に対して、特開平7−
168309号記載の染料、化合物I−6と化合物I−
24をそれぞれ54ppm加えた。
【0028】(ロ)PEN系共重合体(CHDM-PEN:実施例
8) 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル10
0部に対し、エチレングリコ−ル52部とシクロヘキサ
ンジメタノール13部を加えて分散した後、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸ジメチルエステル100部に対し
酢酸マンガン4水和物0.029部、三酸化アンチモン
0.028部、及び平均粒径0.3μmの球状シリカ粒
子を0.1部を加え、撹拌しながら加熱、反応させた。
副生するメタノ−ルを除去しつつ235℃まで昇温し
た。メタノ−ルの副生が終了した後、トリメチルリン酸
0.03部を添加し、285℃に昇温しながら0.3T
orrに減圧し、反応時間を変えて重合させ粘度の異な
る試料を得た。さらに固形分に対して、特開平7−16
8309号記載の染料、化合物I−6と化合物I−24
をそれぞれ54ppm加えた。固有粘度は表1に記載し
た。
8) 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル10
0部に対し、エチレングリコ−ル52部とシクロヘキサ
ンジメタノール13部を加えて分散した後、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸ジメチルエステル100部に対し
酢酸マンガン4水和物0.029部、三酸化アンチモン
0.028部、及び平均粒径0.3μmの球状シリカ粒
子を0.1部を加え、撹拌しながら加熱、反応させた。
副生するメタノ−ルを除去しつつ235℃まで昇温し
た。メタノ−ルの副生が終了した後、トリメチルリン酸
0.03部を添加し、285℃に昇温しながら0.3T
orrに減圧し、反応時間を変えて重合させ粘度の異な
る試料を得た。さらに固形分に対して、特開平7−16
8309号記載の染料、化合物I−6と化合物I−24
をそれぞれ54ppm加えた。固有粘度は表1に記載し
た。
【0029】(ハ)PET(実施例9、比較例−1) テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ−ル6
5部に酢酸マグネシウム水和物0.05部を添加し定法
に従ってエステル交換反応を行った。これにアンチモン
0.05部、リン酸トリメチルエステル0.03部を添
加し、徐々に昇温、減圧し280℃、0.5mmHgで重
合を行った。重合反応時間を調整することで表1記載の
固有粘度のPETを得た。さらにポリマー固形分に対し
て特開平7−168309号記載の染料、化合物I−6
と化合物I−24をそれぞれ54ppm、直径0.3μ
mの球形シリカを50ppm添加した。
5部に酢酸マグネシウム水和物0.05部を添加し定法
に従ってエステル交換反応を行った。これにアンチモン
0.05部、リン酸トリメチルエステル0.03部を添
加し、徐々に昇温、減圧し280℃、0.5mmHgで重
合を行った。重合反応時間を調整することで表1記載の
固有粘度のPETを得た。さらにポリマー固形分に対し
て特開平7−168309号記載の染料、化合物I−6
と化合物I−24をそれぞれ54ppm、直径0.3μ
mの球形シリカを50ppm添加した。
【0030】(ニ)SPS(実施例−10) 特開昭62−104818の実施例1に従って重合を行
った。但し、メチルアルミノキサンのスチレンに対する添加量を1/2
とし、10℃において2時間反応させた。さらにポリマ
ー固形分に対して特開平7−168309号記載の染
料、化合物I−6と化合物I−24をそれぞれ54pp
m、直径0.3μmの球形シリカを50ppm添加した。
った。但し、メチルアルミノキサンのスチレンに対する添加量を1/2
とし、10℃において2時間反応させた。さらにポリマ
ー固形分に対して特開平7−168309号記載の染
料、化合物I−6と化合物I−24をそれぞれ54pp
m、直径0.3μmの球形シリカを50ppm添加した。
【0031】
【表1】
【0032】(2)熱可塑性支持体の製膜 上記熱可塑性樹脂を直径1mm、長さ3mmにペレット化
し、150℃で6時間真空乾燥した。これを表1記載の
ように2台のタンデム配置の押出し機を用いて表1記載
の溶融温度で熔融押出しを行った。なお、第1押出し機
と第2押し出し機は、前者を上流側に配置した。溶融ペ
レットを5μmのメッシュフィルタ−で濾過し、T−ダ
イから押し出した。なお、T−ダイには出口直前に直径
7cmの円柱型の液だめを設けた。これを表1記載の直径
のキャスティングドラム上に押出した。キャスティング
ドラムは、表面研磨後、ハードクロムメッキしたものを
用い、表面粗さ0.2μmであった。また、T−ダイの
出口の角度と押出しシートの角は130度となるよう調
整した。このとき特公昭37−6142の実施例1に記
載の条件で静電印加を行った。
し、150℃で6時間真空乾燥した。これを表1記載の
ように2台のタンデム配置の押出し機を用いて表1記載
の溶融温度で熔融押出しを行った。なお、第1押出し機
と第2押し出し機は、前者を上流側に配置した。溶融ペ
レットを5μmのメッシュフィルタ−で濾過し、T−ダ
イから押し出した。なお、T−ダイには出口直前に直径
7cmの円柱型の液だめを設けた。これを表1記載の直径
のキャスティングドラム上に押出した。キャスティング
ドラムは、表面研磨後、ハードクロムメッキしたものを
用い、表面粗さ0.2μmであった。また、T−ダイの
出口の角度と押出しシートの角は130度となるよう調
整した。このとき特公昭37−6142の実施例1に記
載の条件で静電印加を行った。
【0033】押し出された熱可塑性樹脂シート試料に、
表2記載の温度で20秒間MD延伸前熱処理を施した
後、表2記載の条件でMD延伸を行った。MD延伸は各
延伸ロール間で実施するため、第1〜第3ロールで行っ
た場合は2段延伸、第1〜第4ロールで行った場合は2
段延伸している。
表2記載の温度で20秒間MD延伸前熱処理を施した
後、表2記載の条件でMD延伸を行った。MD延伸は各
延伸ロール間で実施するため、第1〜第3ロールで行っ
た場合は2段延伸、第1〜第4ロールで行った場合は2
段延伸している。
【0034】MD延伸を施した試料を、表2記載の条件
で30秒間TD前熱処理した後、表2記載のチャックで
把持しながら、表2記載の条件でTD延伸した後、表2
記載の温度で35秒間熱固定前熱処理を行った。これを
表2記載の温度、弛緩率で、45秒かけて熱固定を行っ
た。この後10秒かけて60℃まで冷却し、表2記載の
幅だけチャック幅を弛緩させたあと(冷却弛緩)、チャ
ックから外し、両端10cmずつトリミングした後、巻き
取った。なお、各水準の製膜巻取り後のベース幅はいず
れも2.5mで、3000m巻き取った。
で30秒間TD前熱処理した後、表2記載のチャックで
把持しながら、表2記載の条件でTD延伸した後、表2
記載の温度で35秒間熱固定前熱処理を行った。これを
表2記載の温度、弛緩率で、45秒かけて熱固定を行っ
た。この後10秒かけて60℃まで冷却し、表2記載の
幅だけチャック幅を弛緩させたあと(冷却弛緩)、チャ
ックから外し、両端10cmずつトリミングした後、巻き
取った。なお、各水準の製膜巻取り後のベース幅はいず
れも2.5mで、3000m巻き取った。
【0035】
【表2】
【0036】(3)熱可塑性支持体の評価 これらの熱可塑性支持体の面状故障、厚みムラ、長期キ
ャスト安定性、平面性を下記の方法で測定し、結果を表
3に示した。
ャスト安定性、平面性を下記の方法で測定し、結果を表
3に示した。
【0037】面状故障 3時間製膜後のサンプルの下記評価を行った。 (イ)山状故障 黒い羅紗布を敷いた平滑な台の上に全幅×1.5m長の
サンプルフィルムを広げる。上方に設置した5基の点光
源(100Wのタングステン灯:アイランプ)の下で、輝点
の数を数える(山状故障に起因する微小な凹凸が輝点と
なって現れる)。許容されるのは3個以下である。 (ロ)横ダン 黒い羅紗布を敷いた平滑な台の上に全幅×1.5m長の
サンプルフィルムを広げる。上方に蛍光灯を設置し、サ
ンプルフィルムに対し30度の角度で覗き込み、白っぽ
くTD方向に見える筋の数を数える。許容されるのは3
本以下である。
サンプルフィルムを広げる。上方に設置した5基の点光
源(100Wのタングステン灯:アイランプ)の下で、輝点
の数を数える(山状故障に起因する微小な凹凸が輝点と
なって現れる)。許容されるのは3個以下である。 (ロ)横ダン 黒い羅紗布を敷いた平滑な台の上に全幅×1.5m長の
サンプルフィルムを広げる。上方に蛍光灯を設置し、サ
ンプルフィルムに対し30度の角度で覗き込み、白っぽ
くTD方向に見える筋の数を数える。許容されるのは3
本以下である。
【0038】平面性 特開平3−219928記載の方法(熱可塑性支持体を
水平に置き一定張力を加えた時に、支持体の中央部ある
いは端部に発生した弛み量を計測する方法)で評価す
る。 厚みムラ 特開平3−219928記載の方法で評価する。 長時間安定性 50時間連続製膜し、上記方法に従い面状故障の数を数
える。
水平に置き一定張力を加えた時に、支持体の中央部ある
いは端部に発生した弛み量を計測する方法)で評価す
る。 厚みムラ 特開平3−219928記載の方法で評価する。 長時間安定性 50時間連続製膜し、上記方法に従い面状故障の数を数
える。
【0039】
【表3】
【0040】表3には、本発明の方法で作成された支持
体である試料1〜11は、高速製膜にもかかわらず、面
状故障、横ダンのいずれも未延伸状態から延伸後にわた
って少なく、それを反映して厚みムラ及び平面性ともに
比較例に対して格段に優れていることが示されている。
また、50時間に渡る連続製膜においても、これらの支
持体品質特性が安定に維持されていることが示された。
体である試料1〜11は、高速製膜にもかかわらず、面
状故障、横ダンのいずれも未延伸状態から延伸後にわた
って少なく、それを反映して厚みムラ及び平面性ともに
比較例に対して格段に優れていることが示されている。
また、50時間に渡る連続製膜においても、これらの支
持体品質特性が安定に維持されていることが示された。
【0041】
【発明の効果】熔融押出し後直径2m以上5m以下のド
ラムに押し出されてキャストされた未延伸シートを、直
径10cm以上70cm以下の延伸ロールを用い、長手
方向に延伸(MD延伸)することを特徴とする本発明の
熱可塑性支持体の製膜方法によって、高速延伸を行って
も山状故障、横ダン故障、厚みムラ及び平面性不良が少
なく、面状に優れる熱可塑性支持体の製膜方法を提供で
きる。また、上記延伸ロールサイズ条件に加えて、MD
延伸をタンデムで行うこと、3から20本の延伸ロール
で行うこと、ニップローラーを用いること、TD延伸時
のチャックの数を増やすこと、熱固定前に熱処理して応
力緩和を行うことなどの一つ以上を併せ行う本発明の好
ましい態様では、上記の発明の効果が一層高められる。
ラムに押し出されてキャストされた未延伸シートを、直
径10cm以上70cm以下の延伸ロールを用い、長手
方向に延伸(MD延伸)することを特徴とする本発明の
熱可塑性支持体の製膜方法によって、高速延伸を行って
も山状故障、横ダン故障、厚みムラ及び平面性不良が少
なく、面状に優れる熱可塑性支持体の製膜方法を提供で
きる。また、上記延伸ロールサイズ条件に加えて、MD
延伸をタンデムで行うこと、3から20本の延伸ロール
で行うこと、ニップローラーを用いること、TD延伸時
のチャックの数を増やすこと、熱固定前に熱処理して応
力緩和を行うことなどの一つ以上を併せ行う本発明の好
ましい態様では、上記の発明の効果が一層高められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101:00 C08L 101:00
Claims (8)
- 【請求項1】 熔融押出しによって直径2m以上5m以
下のキャスティングドラム上に押し出されてキャスト
(射出成形)された未延伸シートを、直径10cm以上
70cm以下の延伸ロールを用い、長手方向に延伸(M
D延伸)することを特徴とする熱可塑性支持体の製膜方
法。 - 【請求項2】 該未延伸シートが、2台以上の熔融押し
だし機から押し出されたことを特徴とする請求項1に記
載の熱可塑性支持体の製膜方法。 - 【請求項3】 該MD延伸が、3本以上20本以下の延
伸ロールを用い、長手(MD)方向に未延伸シートを延伸
倍率1.5〜4倍の範囲で施される延伸であることを特
徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性支持体の製膜
方法。 - 【請求項4】 該熱可塑性樹脂が、MD延伸が施される
前に、30℃以上でかつ該熱可塑性樹脂のTg+50℃
以下の温度の加熱処理がなされていることを特徴とする
請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性支持体の
製膜方法。 - 【請求項5】 該MD延伸が、延伸ロールの前又は後の
少なくとも一方に設けられたニップロールによって熱可
塑性支持体を把持して行われることを特徴とする請求項
1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性支持体の製膜
法。 - 【請求項6】 MD延伸を行った後,MD延伸された熱
可塑性シートの長さ方向に平行の両側縁部を各側縁長さ
1mあたり5〜20箇所で把持して幅方向(TD)に延伸
することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記
載の熱可塑性支持体の製膜方法。 - 【請求項7】 該TD延伸とそのあとに行う熱固定との
間に、該熱可塑性樹脂のガラス転位温度−30℃以上で
かつ熱固定温度以下の温度で該熱可塑性シートに熱処理
を施すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
記載の熱可塑性支持体の製膜方法。 - 【請求項8】 該熱可塑性樹脂の固有粘度が0.3以上
0.5以下であることを特徴とする請求項1〜7のいず
れか1項に記載の熱可塑性支持体の製膜法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000237101A JP2002046172A (ja) | 2000-08-04 | 2000-08-04 | 熱可塑性支持体の製膜方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000237101A JP2002046172A (ja) | 2000-08-04 | 2000-08-04 | 熱可塑性支持体の製膜方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002046172A true JP2002046172A (ja) | 2002-02-12 |
Family
ID=18729017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000237101A Pending JP2002046172A (ja) | 2000-08-04 | 2000-08-04 | 熱可塑性支持体の製膜方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002046172A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007037502A1 (en) * | 2005-09-29 | 2007-04-05 | Fujifilm Corporation | Thermoplastic resin film and method for producing the same |
JP2010160483A (ja) * | 2008-12-10 | 2010-07-22 | Fujifilm Corp | フィルム、フィルムの製造方法、偏光板および液晶表示装置 |
US7981994B2 (en) | 2005-06-07 | 2011-07-19 | Fujifilm Corporation | Method for producing cellulose acylate resin film |
JP2011245624A (ja) * | 2010-05-21 | 2011-12-08 | Kaneka Corp | 光学用フィルムの製造方法 |
WO2013027678A1 (ja) * | 2011-08-25 | 2013-02-28 | 富士フイルム株式会社 | 二軸延伸ポリエステルフィルム及びその製造方法並びに太陽電池モジュール |
JP2015189960A (ja) * | 2014-03-29 | 2015-11-02 | 三菱樹脂株式会社 | ポリエステルフィルム |
-
2000
- 2000-08-04 JP JP2000237101A patent/JP2002046172A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101286084B1 (ko) * | 2005-09-29 | 2013-07-15 | 후지필름 가부시키가이샤 | 열가소성 수지 필름 및 그 제조방법 |
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