JP2002045916A - タンデム圧延の張力測定方法および装置 - Google Patents
タンデム圧延の張力測定方法および装置Info
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Abstract
形状の圧延材であっても、スタンド間張力を精度良く測
定することが出来るタンデム圧延の張力測定方法および
装置を提供する。 【解決手段】 複数台の圧延機から成るタンデム圧延の
張力測定方法であって、作業ロールの入側かつ/または
出側に設置した変位計23により作業ロール22の圧延
方向の変位を測定し、変位の測定値と作業ロール22の
変形モデルを用いて圧延材21の張力を推定する。
Description
のタンデム圧延のスタンド間張力をルーパを用いないで
測定する方法および装置に関する。
孔形圧延などにおいて生産性向上の観点から圧延機を複
数台直列配置したタンデム圧延が行われている。タンデ
ム圧延ではスタンド間の圧延材に過大張力が発生すると
寸法不良や破断事故が発生し、また過大圧縮力が発生す
ると形鋼などでは圧延材の座屈によるミスロールが生じ
るので一般に張力の一定制御が実施される。張力制御を
精度良く行うにはスタンド間の圧延材の張力を精度良く
検出することが重要である。
を用いる検出方法と、ルーパを用いない検出方法が開示
されている。図5はルーパを用いた張力の検出方法を示
す。2はバックアップロール(補強ロール)、3はワー
クロール(作業ロール)で、圧延材1は矢印の方向に進
行しており、圧延機の第iスタンドと第i+1スタンド
を通材している。圧延材が第i+1スタンドに咬み込ま
れるまでルーパ100は図5の破線の位置にあり、第i
+1スタンド咬み込みに合わせた所定の高さまでたち上
がり、以後一定の張力制御を行う。この方法は主に薄板
熱間圧延に実績が多い。しかし、形鋼など圧延材の曲げ
方向の寸法が大の場合は、曲げによる塑性変形が生じる
ため、高いループが確保出来ず、精度低下のため本手法
はを適用出来ない。
号公報のルーパを用いない検出方法を示している。2は
バックアップロール(補強ロール)、3はワークロール
(作業ロール)で、圧延材1は矢印の方向に進行してお
り、圧延機の第iスタンドと第i+1スタンドを通材し
ている。この検出方法の特徴は、圧延機のモータ4のモ
ータ電流から演算装置20により求めた圧延トルク、圧
延機に取り付けられたロードセル5およびロール開度測
定装置6により測定した圧延荷重とロール開度の検出
値、および板厚検出器7により測定した入側板厚の各種
測定変数により表される張力を演算により求めることに
ある。圧延理論によると、第1スタンドと第2スタンド
の圧延トルクG1、G2は次式で表される。 G1=2a1P1−R1T (1) G2=2a2P2+R2T (2) 但し、各記号の添字1、2は各第1スタンドおよび第2
スタンドを示す。a1、a2はトルクアーム、R1、R2は
ロール半径、P1、P2は圧延荷重、Tは第1スタンドと
第2スタンド間で圧延材に作用するスタンド間張力を表
す。トルクアームa1、a2が求められれば張力T以外の
変数は測定により既知となるので、張力Tが求められ
る。一般に板の場合はトルクアームa1、a2の公知の予
測式を用いれば良いが、形鋼などの複雑な断面形状の圧
延材では精度の良い公知の式は無い。また、ロール半径
も断面形状と断面内張力分布を考慮した平均半径を用い
る必要があり、これも精度の良い公知の式は無い。その
ため、本手法による形鋼などの複雑断面形状圧延材のス
タンド間張力推定は板の場合に比べて精度が低く信頼性
に欠ける問題があった。
デム圧延で形鋼などの鋼板と異なる断面形状の圧延材で
あっても、スタンド間張力を精度良く測定することが出
来るタンデム圧延の張力測定方法および装置を提供する
ことである。
ム圧延の張力測定方法を形鋼などに適用する際に、課題
となる張力測定精度の低下を防止する観点から、圧延材
の荷重が直接作用する作業ロールの変形、更には振れ回
り現象に着目し、その発生機構を解明することにより、
全く新しい測定方法を知見したものである。
は、複数台の圧延機から成るタンデム圧延の張力測定方
法であって、作業ロールの入側かつ/または出側に設置
した変位計により該作業ロールの圧延方向の変位を測定
し、該変位の測定値と該作業ロールの変形モデルを用い
て圧延材の張力を推定し、圧延長手方向の寸法変動の少
ないタンデム圧延をする。
においてルーパまたは前記トルクアームもしくは作業ロ
ール半径を用いず、作業ロールの圧延方向の変位測定値
および作業ロールの変形モデルを用いる。したがって、
形鋼などの断面形状が単純でない圧延材であっても、張
力を高い精度で求めることが出来る。
は、複数台の圧延機から成るタンデム圧延の張力測定方
法であって、作業ロールの入側かつ/または出側に設置
した変位計および作業ロール近傍に設置した回転角度計
により該作業ロールの圧延方向の変位および回転角度を
無負荷の場合に測定するとともに、該無負荷時の変位と
回転角度の関係を記憶し、圧延中に該変位計および該回
転角度計により測定した変位および回転角度と該無負荷
時の変位および回転角度を入力とする該作業ロールの変
形モデルを用いて圧延材の張力を推定し、圧延長手方向
の寸法変動の少ないタンデム圧延をする。
ールの圧延方向の変位測定値に加えて作業ロール回転角
度測定値に基づき、変形モデルを用いて圧延材の張力を
求めるので、更に高い精度で圧延材の張力を求めること
が出来る。
ールの入側かつ/または出側に複数台の変位計をロール
の幅方向に設置するようにしてもよい。ロール変位のロ
ール幅方向分布の計測値からロール系のガタ変位分布を
求めることが可能であり、計測変位成分からガタ変位成
分を除去することにより、曲げ変形成分を求めることが
出来る。これより、ロール荷重、従って張力を高精度で
求めることが出来る。
は、複数台の圧延機から成るタンデム圧延の張力測定装
置であって、作業ロールの入側かつ/または出側に設置
した該作業ロールの圧延方向の変位を測定する変位計に
より測定した変位の測定値と該作業ロールの変形モデル
を使用することにより圧延材の張力を計算する演算装置
を有する。
同様に作業ロールの圧延方向の変位測定値および作業ロ
ールの変形モデルを用いて圧延材の張力を求めるので、
高い精度で圧延材の張力を求めることが出来る。
は、複数台の圧延機から成るタンデム圧延の張力測定装
置であって、作業ロールの入側かつ/または出側に設置
した該作業ロールの圧延方向の変位を測定する変位計、
作業ロールの回転角度を測定する回転角度計、該変位計
と回転角度計により測定した変位および角度を記憶する
記憶装置、ならびに該記憶装置に記憶した変位および角
度と該変位計および該回転角度計の計測値を入力して該
作業ロールの変形モデルを使用することにより圧延材の
張力を計算する演算装置を有する。
同様に前記作業ロールの圧延方向の変位測定値に加えて
作業ロール回転角度測定値に基づき、変形モデルを用い
て圧延材の張力を求めるので、更に高い精度で圧延材の
張力を求めることが出来る。
ールの入側かつ/または出側に複数台の変位計をロール
の幅方向に設置するようにしてもよい。この場合も、前
記張力測定方法と同様に、高い精度で張力を求めること
が出来る。
式変位計とすることが好ましい。渦流式変位計(または
渦電流式変位計と呼称する)はコンパクトであり、また
冷却水、圧延材からの輻射熱、あるいは圧延機やテーブ
ルなどからの振動など過酷な悪環境に強いため、本発明
の変位計に最適である。
張力が作業ロールに直接作用するため、作業ロールが力
学理論に基づいて変形することに着目し、圧延中の作業
ロールの変形量を測定して力学理論により圧延材のスタ
ンド間張力を推定するものである。
いる。図1は、タンデム圧延機の任意の第iスタンド、
第i+1スタンド、第i+2スタンドを圧延材21が通
材している状況を示しており、(a)は側面図、(b)
は平面図である。各圧延スタンドの作業ロール22の入
側または出側に設置した変位計23により作業ロールの
圧延方向の変位を測定し、これら変位計の測定値を演算
装置24に取り込む。演算装置24には作業ロールの寸
法形状、材料機械特性などのデータが保持されており、
これらのデータと変位計23で測定した各作業ロールの
圧延方向変位を基に、ロールの変形モデル25を用いて
圧延材のスタンド間張力を演算する。
材に発生するスタンド間張力により各作業ロールに作用
する反力TおよびFを示す説明図で、(a)は側面図、
(b)は平面図である。反力の記号TおよびFは各入側
および出側の被加工材による反力、添字iは第iスタン
ドの作業ロール、 添字U、Lは上ロールおよび下ロー
ルを示す。 PiU=FiU−TiU (3) のように定義すると、PiUなどは各作業ロールに作用す
る合力となり、例えば上作業ロールの場合は図2(b)
のように表される。即ち、各1本毎の作業ロールとして
見ると例えば第i圧延スタンドの上ロールに関してはロ
ールの両端部近傍のチョック部が拘束された状態でロー
ルのバレル長中央部分に荷重PiUが作用する梁の三点曲
げ問題と捉えることが出来る。この場合、作業ロールの
中心軸の曲げたわみによる水平変位をViUとすると荷重
PiUと変位ViUの間には材料力学の基礎式から次式の関
係式が成り立つ。 ViU=f(寸法、E、PiU) (4) PiU=g(寸法、E、ViU) (5) ここに、寸法はロールの各部およびチョック間距離、E
はヤング率を表す。また、ガタなどを考慮するために式
(4)および式(5)は実験式でも良い。なお、上記式
(3)〜(5)では添字Uを付けて上ロールだけを示し
ているが、同様の式が下ロールでも成立し、また各スタ
ンドでも成立する。
を演算装置24に取り込んで求めた変位ViUを式(6)
に適用することにより、各作業ロールに作用する合力P
iUが求められる。各圧延スタンド毎に上作業ロールの合
力PiUと下作業ロールの合力PiLの和をとり、これをP
iとする。同様に各圧延スタンドの上下ロールに作用す
る入側張力TiUおよびTiL、出側張力FiUおよびFiLの
和をとりこれをTiおよびFiとする。また、第iスタン
ドおよび第i+1スタンド間の圧延材の慣性力をIi、
i+1とすると以下の式が成り立つ。 但し、慣性力Iは実操業条件を考慮するとスタンド間張
力PやTの1%以下であり無視して差し支えない。即
ち、式(6)でIi、i+1やIi+1、i+2を0とする。境界条
件として例えば入側張力Tiが既知の場合は式(6)の
上から下に順に代入することにより、圧延材に作用する
スタンド間張力TiおよびFiなどが順に求められる。
尚、式(3)〜式(6)が変形モデル25として演算装
置24に組み込まれる。
射熱、圧延機やテーブルなどからの振動など過酷な環境
に曝されるため、これらに影響されにくい方式のものが
望まれる。渦流式の変位計はコンパクトで悪環境に強い
ため、本発明の変位計に最適である。
説明する。従来法において精度の悪い式(1)および式
(2)を用いるために回避出来なかった張力測定精度の
低下を、上記第1発明は、式(1)および式(2)を用
いないことにより解決しているので、原理的に高精度の
張力推定が可能であるという特徴を有する。
位計23により測定された作業ロール22の変位量の測
定精度を確保することが極めて重要である。スタンド間
距離をL、スタンド間の変形量をu、圧延方向の圧延材
のひずみをεとすれば、次式の関係が成り立つ。 ε=u/L (7) スタンド間距離L=5m、圧延材の降伏ひずみεy=0.
001と仮定すれば、弾性限界の伸び変位はu=L・ε
y=5000・0.001=5mm 程度と推定され
る。伸び変位が外乱により50μm程度変動した場合、
張力は降伏応力の1%程度の変動であるから、作業ロー
ル位置が50μm程度圧延方向に変動してもこれによる
張力変動は小さいと考えられる。
m2、降伏応力が100N・mm-2程度と仮定すると弾性限
の張力Tは1000kN程度となる。形鋼仕上げ圧延機の
場合、この荷重が作業ロールの中央部に作用すると作業
ロールに100μm程度の曲げたわみによる変位が発生
し、変位計23で100μm程度の変化が計測される。
この場合、変位計23の計測値に50μmの外乱が発生
すると張力Tは弾性限の50%の誤差を含んで測定され
ることになる。図1のように形鋼圧延機で水平方向無負
荷時のロール1回転当たり変位振幅を測定した結果、数
十μm程度が観察された。これは、ロール中心軸の偏
心、ロール表面の凹凸、ロールチョックのガタなどに起
因するロールの振れ回りの影響と推定されるが、その発
生機構は解明されていない。そのため圧延機の作業ロー
ルが振れ回りを生じるような場合に、第1発明では張力
Tの推定に際して弾性限の数十%程度の誤差が発生する
可能性があった。
延のスタンド間張力を作業ロールの水平変位量の測定値
から力学的な理論モデルにより精度良く推定する方法を
適用する際に、ロール中心軸の偏心、ロール表面の凹
凸、ロールチョックのガタなど圧延機の基本構造に起因
する作業ロールの振れ回りとそれに伴う変位外乱が発生
し、作業ロールの変位測定精度が大幅に低下するため実
機適用が困難であるという課題を解決するものである。
業ロールの変位から推定する際に、作業ロールの振れ回
りに起因する張力推定精度の低下を防止する観点から、
作業ロールの振れ回り現象に着目し、その発生機構を解
明することにより高精度の測定方法を知見したものであ
る。
いる。図3は、タンデム圧延の任意の第iスタンド、第
i+1スタンド、第i+2スタンドを圧延材21が通材
している状況を示しており、(a)は側面図、(b)は
平面図である。各圧延スタンドの作業ロール22の入側
または出側に設置した変位計23により作業ロールの圧
延方向の変位を測定し、これら変位計の測定値を演算装
置24に取り込むとともに、記憶装置26に蓄えること
が出来る。例えば、作業ロールを締め込んだ状態で水平
方向荷重を負荷しない場合に、作業ロールを回転させて
その際のロールの回転角度と水平変位量の関係を記憶
し、必要な時にこのデータを参照することが出来る。ま
た、記憶装置26には作業ロールの寸法形状、材料機械
特性などのデータが保持されており、これらのデータと
変位計23および回転角度計27の測定値をもとに、ロ
ールの変形モデル25を用いて圧延材のスタンド間張力
を演算する。
発生するスタンド間張力により各作業ロールに作用する
反力TおよびFは、前記図2に示すものと同じである。
また、各作業ロールに作用する合力PiU、水平変位ViU
および荷重PiUも前記式(3)〜(5)と同様に表され
る。 PiU=FiU−TiU (3) ViU=f(寸法、E、PiU) (4) PiU=g(寸法、E、ViU) (5) 本発明では、これら式中の水平変位ViUを作業ロールの
振れ回りを考慮して修正する。作業ロールの振れ回り
は、ロール中心軸の偏心、ロール表面の凹凸、ロールチ
ョックのガタなど圧延機の基本構造に起因する。
の回転角度との関係を示しており、V0は水平方向無負
荷時の変位、V1は変位計23により測定された圧延中
の変位、V2は演算装置24により推定された変位であ
る。V0はロールの1回転を周期とする規則的な変化挙
動を示しており、作業ロール中心軸の偏心、ロール表面
の凹凸、ロールチョックのガタなどに起因するロールの
振れ回りの影響が表れているものと考えられる。V1は
圧延中の変位であり、V0に対応した周期的な変化が見
られる。V2は次式の演算により得られた推定変位であ
る。 V2=V1−V0 (8) 前記式(4)および(5)の変位ViUに、式(8)のV
2を用いて、ロールの振れ回りの影響を修正する。ロー
ルの振れ回りに関しては圧延機毎に特徴があるので、式
(8)に限らず精度の良いと思われる演算式を用いれば
良い。
iUと下作業ロールの合力PiLの和をとり、これをPiと
する。同様に各圧延スタンドの上下ロールに作用する入
側張力TiUおよびTiL、出側張力FiUおよびFiLの和を
とり、これをTiおよびFiとする。また、第iスタンド
および第i+1スタンド間の圧延材の慣性力をIi、i+ 1
とすると、前記式(6)と同様の式が成り立つ。但し、
慣性力Iは実操業条件を考慮するとスタンド間張力Pや
Tの1%以下であり無視して差し支えない。即ち、式
(6)でIi、i+1やIi+1、i+2を0とする。境界条件とし
て例えば入側張力Tiが既知の場合は式(6)の上から
下に順に代入することにより、圧延材に作用するスタン
ド間張力TiおよびFiなどが順に求められる。
ならびに作業ロールの変位計23および回転角度計27
からの信号を演算装置24に取り込んで求めた変位ViU
を式(4)、(5)に適用することにより各作業ロール
に作用する合力PiUが求められる。式(4)〜式(6)お
よび式(8)が変形モデル25として演算装置24に組
み込まれる。
延方式により変位計の設置に次の二つの場合がある。 <上下独立駆動の場合で上下対称圧延の場合>この場合
は各圧延スタンドの上下の作業ロールが機械的に結合さ
れていないので、上下のロールに作用する圧延材の反力
TiUとTiLおよびFiUとFiLはほぼ同じと仮定出来る。
そのために、上下の作業ロールに作用する合力PiUおよ
びPiLがほぼ等しくなるので、上下の変位ViUとViLも
等しくなることが期待出来る。したがって、各圧延スタ
ンドの変位計を上下どちらか一方のみ設置して作業ロー
ルの合力Piを求める際に、一方のロールの合力を2倍
にすれば良い。<上下非対称圧延または上下メカタイの
場合>この場合は各圧延スタンドの上下の作業ロールが
機械的に結合しているので、上下のロールに作用する圧
延材の反力TiUとTiLおよびFiUとFiLは一般に等しく
無くても良い。そのために、図1に示すように各スタン
ドの上下作業ロール22に変位計23を設置する。
は各作業ロールに設置することが望ましいが、特に振れ
回りが大きい作業ロールのみに設置することも可能であ
る。
点(鋼の場合約800℃)以上の高温であるためロール
やチョックなどが輻射熱に曝されて加熱される。そのた
め、圧延時間の経過とともにロールやチョックは温度が
上昇する。チョックは圧延スタンドのハウジングに取り
付けられ、圧下調整のためにハウジング取付面を摺動す
る構造になっているが、その際に前記の温度上昇に伴い
熱膨張が避けられない。チョックとハウジングの摺動面
の隙間(クリアランス)はチョックの熱膨張により減少
するので、チョックが昇温した際に隙間が0になって摺
動抵抗が増大する危険性がある。そこで、形鋼などの熱
間圧延機では常温で該隙間を1mm程度予め設ける設計が
一般的である。
付けるために、ロール軸とチョックはベアリングを介し
て取り付けられる。このベアリングも温度上昇により熱
膨脹するので一定の隙間を付与して設計される。このよ
うに熱間圧延機は機種により程度の差はあるが、多かれ
少なかれロール系にガタが存在する。このようにロール
系のガタが大きい場合には、式(4)および式(5)に
示す作業ロール中心軸の曲げたわみによる水平変位ViU
と、変位計で測定した水平変位ViUSが一致しない。即
ち両者に式(9)の関係が成り立つ。 ViUS=ViU+VG (9) ここに、VGは前記のロール系のガタによる作業ロールの
剛体変位成分を意味する。一般にロール系のガタはある
閾値以上の荷重が負荷されると顕在化するという性質が
あるので取り扱いにくい。数学的には式(9)の右辺第
1項は線形性があり、右辺第2項は非線形性があると見
なされる。後者の非線形項が存在するため、式(9)か
ら式(5)のように変位から荷重を求める式に変換する
ことが極めて困難となる。
い場合、本発明では各作業ロールの幅方向に複数の変位
計を配置して作業ロールの幅方向の変位分布を計測す
る。図7は、作業ロール22の入側に複数台の変位計2
3を作業ロール22の幅方向に設置した例を示してい
る。
の3箇所でロールの水平変位を測定した例で、縦軸にロ
ールの水平変位、横軸に幅方向座標をとり、破線で計測
変位成分ViUS、細線でガタによるロールの剛体変位成
分VG、太線でロールの中心軸の曲げたわみ成分ViUを示
す。この場合計測変位成分は右肩上がりで上に凸の複雑
な曲線である。またロール系のガタによるロールの剛体
変位成分は平均で0.5mmとかなり大きな量である。し
かし剛体変位は理論的に直線であるから、高精度の予測
が可能である。式(9)に従って計測変位成分から剛体
変位成分を除去したものが曲げたわみ成分であり、式
(4)に対応した理論的な変位成分となる。
剛体変位成分が既知と仮定したために、式(9)により
曲げたわみ成分を求めることが可能となった。しかし、
実際にはロールの剛体変位成分は不明であり、計測変位
成分だけが既知量となる。そこで剛体変位成分を精度良
く近似するロジックが必要となる。発明者らは剛体変位
成分が理論的に直線分布することに着目し、ロール両端
の計測変位成分を直線で結ぶことにより剛体変位成分を
近似する方法を採用した。図9は剛体変位近似方法で図
8と同じ条件で計測変位を処理する場合で、破線で計測
変位成分ViUS、細線でガタによるロールの剛体変位成
分の近似式VG *、太線でロールの中心軸の曲げたわみ成
分の近似式ViU *を示す。図9と図8において曲げたわみ
成分ViU *とViUを比較する両端の変位が若干異なること
を除きほぼ同じような曲線が得られる。そこで、式
(4)において変位ViUを両端を基準とする変位と定義
すればViU *がそのまま適用出来る。即ち、ViU(=
ViU *)とPiUの間に線形関係が成り立つ。即ち、式
(5)が得られ、ロールの曲げ変位からロールの荷重が
求められる。
ドタンデム圧延機の各スタンドに変位計を設置し、スタ
ンド間張力を測定した。変位計は渦流式のものである。
この場合、作業ロールに作用する張力は作業ロールの幅
方向に分布するので、式(4)および式(5)としてこ
れを考慮したものを使用した。その結果、良好にスタン
ド間張力を測定出来ることが判明した。
ンドタンデム圧延機の各スタンドに変位計を設置し、ス
タンド間張力を測定した。変位計は渦流式のものであ
る。この場合、作業ロールに作用する張力は作業ロール
の幅方向に分布するので、式(4)および式(5)とし
てこれを考慮したものを使用した。その結果、良好にス
タンド間張力を測定出来ることが判明した。
ム圧延機の各スタンドに変位計を設置し、スタンド間張
力を測定した。変位計は渦流式のものである。この場
合、作業ロールに作用する張力は作業ロールの幅方向中
央部近傍に分布するので、式(4)および式(5)とし
てこれを考慮したものを使用した。その結果、良好にス
タンド間張力を測定出来ることが判明した。
ム圧延機の各スタンドに変位計を設置し、スタンド間張
力を測定した。変位計は渦流式のものである。この場
合、作業ロールに作用する張力は作業ロールの幅方向中
央部近傍に分布するので、式(4)および式(5)とし
てこれを考慮したものを使用した。その結果、良好にス
タンド間張力を測定出来ることが判明した。
ンドタンデム圧延機の各スタンドに変位計および回転角
度計を設置し、スタンド間張力を測定した。変位計は渦
流式のものである。この場合、作業ロールに作用する張
力は作業ロールの幅方向に分布するので、式(4)およ
び式(5)としてこれを考慮したものを使用した。あら
かじめロールの振れ回り特性を計測しておき、式(8)
を補正した。その結果、良好にスタンド間張力を測定出
来ることが判明した。
ンドタンデム圧延機の各スタンドに変位計および回転角
度計を設置し、スタンド間張力を測定した。変位計は渦
流式のものである。この場合、作業ロールに作用する張
力は作業ロールの幅方向に分布するので、式(4)およ
び式(5)としてこれを考慮したものを使用した。その
結果、良好にスタンド間張力を測定出来ることが判明し
た。
ム圧延機の各スタンドに変位計および回転角度計を設置
し、スタンド間張力を測定した。変位計は渦流式のもの
である。この場合、作業ロールに作用する張力は作業ロ
ールの幅方向中央部近傍に分布するので、式(4)およ
び式(5)としてこれを考慮したものを使用した。あら
かじめロールの振れ回り特性を計測しておき、式(8)
を補正した。その結果、良好にスタンド間張力を測定出
来ることが判明した。
ム圧延機の各スタンドに変位計および回転角度計を設置
し、スタンド間張力を測定した。変位計は渦流式のもの
である。この場合、作業ロールに作用する張力は作業ロ
ールの幅方向中央部近傍に分布するので、式(4)およ
び式(5)としてこれを考慮したものを使用した。あら
かじめロールの振れ回り特性を計測しておき、式(8)
を補正した。その結果、良好にスタンド間張力を測定出
来ることが判明した。
延では、図5に示すルーパを用いる従来技術と同程度の
精度でスタンド間張力が測定出来た。また、ルーパを用
いない従来技術と比較すると本発明の方法がより高精度
であることが判明した。
鋼仕上圧延では、式(1)および(2)に示す従来技術
に比べて、本発明の方法がより高精度であることが判明
した。一例として形鋼圧延の場合は、従来技術では若干
の引張との判定であったが、本発明の方法では圧縮との
判定であり、実際には圧延材が当該スタンド間で座屈し
たことにより圧縮と推定された。
に示すように、変位計を作業ロールの幅方向に3台並べ
て配置し、スタンド間張力を測定した。各変位計の測定
値を図9の破線で示す。両端の変位を結ぶ直線でロール
の剛体変位を仮定しこれを除去することによって図9の
太線で示すロールの曲げたわみViU *を求めた。これを式
(5)に適用することによりロールに作用する荷重PiU
を求め、式(6)から各スタンド間の張力を推定した。
その結果、ロール系に大きなガタがある圧延機列におい
ても良好にスタンド間張力を測定出来ることが判明し
た。
力測定方法が、従来技術より優れていることが判明し
た。
形材などのタンデム圧延のスタンド間張力を作業ロール
の変形を介して測定するため、ルーパが使用出来ない形
鋼などの複雑断面形状製品であっても高精度でスタンド
間張力を測定することが出来る。この結果、張力変化に
よる圧延材長手方向の寸法変動の発生や、スタンド間に
圧 縮力が作用して座屈によるミスロールなどを防ぐこ
とが出来る。第2発明および第4発明は、作業ロールの
圧延方向の変位測定値に加えて作業ロール回転角度に基
づき、変形モデルを用いて圧延材の張力を求めるので、
更に高い精度で圧延材の張力を求めることが出来る。
図である。
図である。
図である。
の関係を示す線図である。
構成を示す説明図である。
本構成を示す説明図である。
測定装置のの基本構成を示す説明図である。
影響の除去方法を示す説明図である。
近似式とその影響の除去方法を示す説明図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 複数台の圧延機から成るタンデム圧延の
張力測定方法であって、作業ロールの入側かつ/または
出側に設置した変位計により該作業ロールの圧延方向の
変位を測定し、該変位の測定値と該作業ロールの変形モ
デルを用いて圧延材の張力を推定し、圧延長手方向の寸
法変動の少ないタンデム圧延をすることを特徴とするタ
ンデム圧延の張力測定方法。 - 【請求項2】 複数台の圧延機から成るタンデム圧延の
張力測定方法であって、作業ロールの入側かつ/または
出側に設置した変位計および作業ロール近傍に設置した
回転角度計により該作業ロールの圧延方向の変位および
回転角度を無負荷の場合に測定するとともに、該無負荷
時の変位と回転角度の関係を記憶し、圧延中に該変位計
および該回転角度計により測定した変位および回転角度
と該無負荷時の変位および回転角度を入力とする該作業
ロールの変形モデルを用いて圧延材の張力を推定し、圧
延長手方向の寸法変動の少ないタンデム圧延をすること
を特徴とするタンデム圧延の張力測定方法。 - 【請求項3】 複数台の圧延機から成るタンデム圧延の
張力測定方法であって、作業ロールの入側かつ/または
出側に設置した変位計がロールの幅方向に複数台あるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2記載のタンデム
圧延の張力測定方法。 - 【請求項4】 複数台の圧延機から成るタンデム圧延の
張力測定装置であって、作業ロールの入側かつ/または
出側に設置した該作業ロールの圧延方向の変位を測定す
る変位計により測定した変位の測定値と該作業ロールの
変形モデルとを使用することにより圧延材の張力を計算
する演算装置を有することを特徴とするタンデム圧延の
張力測定装置。 - 【請求項5】 複数台の圧延機から成るタンデム圧延の
張力測定装置であって、作業ロールの入側かつ/または
出側に設置した該作業ロールの圧延方向の変位を測定す
る変位計、作業ロールの回転角度を測定する回転角度
計、該変位計と回転角度計により測定した変位および角
度を記憶する記憶装置、ならびに該記憶装置に記憶した
変位および角度と該変位計および該回転角度計の計測値
を入力して該作業ロールの変形モデルを使用することに
より圧延材の張力を計算する演算装置を有することを特
徴とするタンデム圧延の張力測定装置。 - 【請求項6】 複数台の圧延機から成るタンデム圧延の
張力測定装置であって、作業ロールの入側かつ/または
出側に設置した変位計がロールの幅方向に複数台あるこ
とを特徴とする請求項4または5記載のタンデム圧延の
張力測定装置。 - 【請求項7】 前記変位計が渦流式変位計であることを
特徴とする請求項4、5または6記載のタンデム圧延の
張力測定装置。
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JP2000185075A JP4733811B2 (ja) | 2000-03-03 | 2000-06-20 | タンデム圧延の張力測定方法および装置 |
Applications Claiming Priority (7)
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JP2000058825 | 2000-03-03 | ||
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JP2000-150075 | 2000-05-22 | ||
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JP4733811B2 JP4733811B2 (ja) | 2011-07-27 |
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-
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- 2000-06-20 JP JP2000185075A patent/JP4733811B2/ja not_active Expired - Fee Related
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