JP2002045294A - 炊飯器及び炊飯制御方法 - Google Patents

炊飯器及び炊飯制御方法

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JP2002045294A
JP2002045294A JP2000236903A JP2000236903A JP2002045294A JP 2002045294 A JP2002045294 A JP 2002045294A JP 2000236903 A JP2000236903 A JP 2000236903A JP 2000236903 A JP2000236903 A JP 2000236903A JP 2002045294 A JP2002045294 A JP 2002045294A
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Japan
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rice
pot
heating
cooking
water
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JP2000236903A
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Keiji Tanaka
敬二 田中
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Zojirushi Corp
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Zojirushi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炊飯に要するエネルギを節約できる炊飯器を
提供する。 【解決手段】 炊飯器は、少なくとも温度検出手段1
1,12の検出値に基づいて加熱手段5,6,7を制御
し、米に吸水させるための予熱工程を実行後、米をベー
タ澱粉からアルファ澱粉に変化させるための工程を実行
する制御装置14を備える。制御装置14は、予熱工程
の際に、鍋2内の内容物の温度が60℃以上85℃以下
となるように加熱手段5,6,7を制御し、かつ、予熱
工程を少なくとも10分以上継続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯器に関し、特
に炊飯に要するエネルギの節約に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来の炊飯器における炊飯工程
の一例を示している。この図3において、時刻t0から
時刻t1は予熱工程であり、鍋内の内容物(米及び水)
を40℃以上60℃未満の温度で約20分程度維持す
る。時刻t1から時刻t2は中パッパ工程であり、内容物
の温度が100℃に達して沸騰するまでヒータを最大出
力で維持する。時刻t2から時刻t3は沸騰維持工程であ
り、沸騰状態を維持するようにヒータの出力を制御す
る。時刻t3から時刻t4は蒸らし工程であり、ヒータを
オフ状態で維持して米飯の蒸らしを行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】米を米飯(いわゆるご
飯)に変化させるためには、2つの条件を満たす必要が
ある。まず、第1に、吸水率が60%〜70%程度にな
るまで米に吸水させる必要がある。第2に、吸水率が6
0%〜70%程度となった米を98℃以上で20分程度
加熱することにより、ベータ澱粉(米)からアルファ澱
粉(米飯)に変化させる必要がある。
【0004】上記予熱工程は、中パッパ工程の前に米に
吸水させることを主たる目的としている。そこで、本発
明者は、鍋内の内容物の温度(予熱温度)を種々異なら
せて20分間米に吸水させ、この20分間の吸水終了時
における米の吸水率を測定した。その結果、図4に示す
ように、従来の炊飯工程で採用されている40℃以上6
0℃未満の予熱温度では、予熱工程終了時の米の吸水率
は30%未満であることが判明した。従って、上記従来
の炊飯工程では、最終的な米の吸水率を60%〜70%
程度まで上昇させるために、ヒータ出力を最大とする中
パッパ工程を含む予熱工程以降の工程で残り30%〜4
0%の吸水を行っていることになる。このようにヒータ
出力が最大の状態で吸水を行うと、ヒータの発生する熱
は、吸水のためのみに消費されるのではなく、鍋内の水
を蒸気として放散させるための気化熱として無駄に消費
される。
【0005】そこで、本発明は、気化熱として無駄に消
費されるエネルギを低減することにより、炊飯に要する
エネルギを節約することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、第1の本発明は、少なくとも米及び水を含む内容物
が収容される鍋と、この鍋を加熱する加熱手段と、上記
鍋内の内容物の温度を検出するための温度検出手段と、
少なくとも上記温度検出手段の検出値に基づいて上記加
熱手段を制御し、米に吸水させるための予熱工程を実行
後、米をベータ澱粉からアルファ澱粉に変化させるため
の工程を実行する制御装置とを備える炊飯器において、
上記制御装置は、上記予熱工程の際に、鍋の内容物の温
度が少なくとも60℃以上85℃以下となるように上記
加熱手段を制御し、かつ、上記予熱工程を少なくとも1
0分以上継続することを特徴とする炊飯器を提供するも
のである。
【0007】本発明の炊飯器では、予熱工程における内
容物の温度が60℃以上85℃以下であり、かつ、予熱
工程の継続時間が少なくとも10分以上であるため、予
熱工程終了時における鍋内の米の吸水率は30%以上と
なる。よって、鍋に加える水の量を米の最終的な吸水率
(60%〜70%)を実現するために最低限必要な量
と、鍋内の内容物を底部から上部にわたって均一に沸騰
させるために最低限必要な量との和に設定しておけば、
上記米をベータ澱粉からアルファ澱粉に変化させるため
の工程で発生する水蒸気を低減し、気化熱として無駄に
消費されるエネルギを低減することができる。
【0008】上記予熱工程における鍋内の内容物の温度
は、80℃以上85℃以下であることが特に好ましい。
この場合、予熱工程終了時における鍋内の米の吸水率
は、米飯に要求される最終的な吸水率である60%〜7
0%程度に達する。また、予熱工程終了時における鍋内
の水の量は、上記鍋内の内容物を底部から上部にわたっ
て均一に沸騰させるために最低限必要な量となる。よっ
て、上記米をベータ澱粉からアルファ澱粉として変化さ
せるための工程で気化熱として消費されるエネルギを最
小限に低減することができる。なお、予熱工程における
鍋内の内容物の温度は85℃以下であることが好ましい
のは、この温度が85℃を上回ると(例えば90℃)、
鍋内の熱分布によっては部分的に蒸気が発生し、この部
分的に発生する蒸気に相当する気化熱の分だけ、エネル
ギを節約する効果が低下するからである。
【0009】上記加熱手段は、鍋を底部側から加熱する
主加熱手段と、鍋を上部側から加熱する上部加熱手段と
を備え、上記制御装置は、上記予熱工程の際に上記主加
熱手段と上記上部加熱手段の両方により鍋の内容物を加
熱するようにしていることが好ましい。この場合、予熱
工程の際に、鍋内の上部側と底部側で内容物が一様に加
熱されるため、鍋内の上部側と底部側で米の吸水率が均
一化される。なお、主加熱手段及び上部加熱手段は、誘
導加熱コイルを備える電磁誘導加熱型のヒータであって
もよく、抵抗発熱型のヒータであってもよい。
【0010】第2の発明は、少なくとも米及び水を含む
内容物が収容される鍋と、この鍋を加熱する加熱手段と
を備える炊飯器における炊飯制御方法であって、少なく
とも米に吸水させるための予熱工程と、この予熱工程後
に米をベータ澱粉からアルファ澱粉に変化させるための
工程とを備えるものにおいて、上記予熱工程で鍋内の内
容物の温度を少なくとも60℃以上85℃以下で維持
し、かつ、予熱工程を少なくとも10分以上継続するこ
とを特徴とする炊飯制御方法を提供するものである。
【0011】この炊飯制御方法では、予熱工程における
鍋の内容物が60℃以上85℃以下であり、かつ、予熱
工程を少なくとも10分以上継続するため、予熱工程終
了時の米の吸水率は30%以上となる。よって、鍋に加
える水の量を米の最終的な吸水率(60%〜70%)を
実現するために最低限必要な量と、鍋内の内容物が底部
から上部にわたって均一に沸騰させるために最低限必要
な量との和に設定しておけば、上記米をベータ澱粉から
アルファ澱粉に変化させるための工程で発生する水蒸気
を低減し、気化熱として無駄に消費されるエネルギを低
減することができる。
【0012】上記予熱工程における鍋内の内容物の温度
は、80℃以上85℃以下であることが特に好ましい。
【0013】第3の発明は、少なくとも米及び水を含む
内容物が収容される鍋と、この鍋を加熱する加熱手段と
を備える炊飯器における炊飯制御方法であって、少なく
とも米に吸水させるための予熱工程と、この予熱工程後
に米をベータ澱粉からアルファ澱粉に変化させるための
工程とを備えるものにおいて、予熱工程終了時の米の吸
水率が30%以上70%以下であることを特徴とする炊
飯制御方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、図面に示す本発明の実施形
態について詳細に説明する。図1に示す本発明の実施形
態に係る炊飯器は、内胴1a内に鍋2が取出自在に収容
された炊飯器本体1と、この炊飯器本体1に対して開閉
自在に設けられた蓋体3とを備えている。
【0015】上記内胴1aの底部側の周囲には誘導加熱
コイルからなる炊飯ヒータ(主加熱手段)5が配設され
ている。また、内胴1aの開口部近傍(肩部)の周囲に
は誘導加熱コイルからなる上部加熱用ヒータ(上部加熱
手段)6が配設されている。これら炊飯ヒータ5及び上
部加熱用ヒータ6は、抵抗発熱型のヒータであってもよ
い。一方、上記蓋体3の内蓋3a内には抵抗発熱型のヒ
ータからなる蓋ヒータ(上部加熱手段)7が配設されて
いる。
【0016】また、内胴1aにはそれぞれサーミスタか
らなる底センサ11及びサイドセンサ12が配設されて
いる。底センサ11は鍋2の底部外周に当接し、サイド
センサ12は鍋2の底部近傍において側部外周に当接し
ている。
【0017】さらに、炊飯器本体1内には、中央演算装
置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、読書可能メ
モリ(RAM)、タイマ、入出力回路等を備えるマイク
ロコンピュータからなる制御装置14が配設されてい
る。この制御装置14は、上記底センサ11及びサイド
センサ12の検出温度を含む各種センサの測定値や、蓋
体3に設けられた制御パネル15から入力される炊飯モ
ード等に基づいて、上記炊飯ヒータ5、上部加熱用ヒー
タ6及び蓋ヒータ7を制御する。
【0018】上記制御装置14により実行される炊飯工
程について図2を参照して説明する。なお、図2には、
本実施形態の炊飯工程を実線で示すと共に、従来の炊飯
工程を二点鎖線で併せて示している。
【0019】本実施形態では、鍋2に加える水の量(加
水量)は、米の最終的な吸水率(60%〜70%)を実
現するために最低限必要な量と、鍋2内の内容物を底部
から上部にわたって均一に沸騰させるために最低限必要
な量との和である。以下、加水量について説明する。
【0020】上記最終的な吸水率を実現するために必要
な水の量をX(g)とすると以下の式(1)が成立す
る。
【0021】
【数1】 {(a0/100)*R+X}/(R+X)=a1/100 (1) R:米の量(g) a0:炊飯前の米の吸水率(%) a1:最終的な米の吸水率(%) X:最終的な吸水率を実現するために必要な水の量
(g)
【0022】上記式(1)から以下の式(2)が得られ
る。
【0023】
【数2】X={(a1−a0)/100}/{1−(a1/1
00)}*R
【0024】例えば、米の量Rが150g(1カッ
プ)、炊飯前の米の吸水率a0を15%、最終的な米の
吸水率a1を60%とすると、これらの値を上記式
(2)に代入して最終的な吸水率を実現するために必要
な水の量Xは168.75g(約170g)となる。ま
た、米の量Rが450g(1カップ)、炊飯前の米の吸
水率a 0を15%、最終的な米の吸水率a1を60%とす
ると、最終的な吸水率を実現するために必要な水の量X
は506.25g(約510g)となる。
【0025】一方、上記鍋2内の内容物が底部から上部
にわたって均一に沸騰するために最低限必要な量は米の
量により異なる。具体的には、1カップの米(約150
g)当たり15g程度の水が必要である。従って、本実
施形態における1カップの米に対する加水量は約185
g(170(g)+15(g))である。また、3カッ
プの米に対する加水量は約555g(510(g)+1
5(g)×3)である。この本実施形態における加水量
は、従来の炊飯工程における一般的な加水量(1カップ
の米に対して水245g、3カップの米に対して水65
0g)と比較して少ない。
【0026】図2の時刻t0に上記制御パネル15から
炊飯開始を示す信号が制御装置14に入力されると、予
熱工程が実行される。この予熱工程では、鍋2内の内容
物の温度(予熱温度)を80℃で維持するように、炊飯
ヒータ5、加熱用ヒータ6及び蓋ヒータ7を制御する。
具体的には、内容物の温度に応じて炊飯ヒータ5を間欠
的にオンする。また、上部加熱用ヒータ6と蓋ヒータ7
は、内容物の温度が目標とする80℃付近に上昇するま
でオン状態で維持する(時刻t1’)。その後は、上部
加熱用ヒータ6と蓋ヒータ7は、炊飯ヒータ5と同様に
間欠的にオンする。予熱工程の継続時間(予熱時間)
は、米の量により異なる。例えば、約150g(1カッ
プ)の場合には10分程度、約450g(3カップ)の
場合には20分程度に設定される。このように本実施形
態では、80℃で10〜20分程度維持するため、予熱
工程終了時に鍋2に収容された米は約60%程度まで吸
水しており、米飯に要求される最終的な吸水率までほぼ
到達している。また、鍋2内に残留している水の量は、
鍋2内の内容物が底部から上部にわたって均一に沸騰す
るために最低限必要な量である。
【0027】上記のように本実施形態の炊飯工程では、
鍋2に加える水の量が従来の炊飯工程よりも少ないた
め、米の吸水の進行に伴い鍋2内の水の総量が減少する
と、鍋2の上部で水が不足する傾向がある。そのため、
鍋2の底部側(図1においてA)にある米と比較して、
鍋2の上部側(図においてBで示す。)にある米の吸水
が不充分になりやすい。しかし、本実施形態では、上記
のように予熱工程の際に、内容物の温度が80℃付近に
上昇するまで炊飯ヒータ5だけでなく上部加熱用ヒータ
6及び蓋ヒータ7をオン状態で維持しているため、鍋2
の上部側が底部側よりも重点的に加熱されることにな
る。よって、鍋2の底部側にある米と上部側にある米と
で吸水の程度が均一化され、予熱工程終了時における鍋
2内の米の吸水率が均一となる。
【0028】上記予熱時間経過後に中パッパ工程に移行
する(時刻t1)。この中パッパ工程では、炊飯ヒータ
5をオン状態で維持し、フルパワーで鍋2の内容物を加
熱する。中パッパ工程中、上記加熱用ヒータ6及び蓋ヒ
ータ7は、オフ状態で維持する。
【0029】時刻t2に内容物が所定温度(本実施形態
では100℃)に達すると、中パッパ工程から沸騰維持
工程に移行する。この沸騰維持工程では、鍋2内の水が
沸騰状態を維持するよう炊飯ヒータ5を間欠的にオンす
る。時刻t3に所定温度(例えば108℃)に達する
と、沸騰維持工程から蒸らし工程に移行する。本実施形
態では、上記のように予熱工程終了時の水分の残量はわ
ずかであるため、沸騰維持工程移行後速やかに上記所定
温度に達する。沸騰維持工程中は、上記加熱用ヒータ6
及び蓋ヒータ7は、オフ状態で維持される。
【0030】上記のように予熱工程終了時に鍋2内の水
の量は、鍋2内の内容物が底部から上部にわたって均一
に沸騰するために最低限必要な量である。よって、上記
中パッパ工程及び沸騰維持工程中に発生する蒸気を大幅
に低減することができ、水を蒸発させるための気化熱と
して無駄に消費される電力を大幅に低減することができ
る。このように本実施形態では、気化熱として無駄に消
費される電力を低減することにより米を米飯に炊き上げ
るために要する電力を節約することができる。
【0031】上記蒸らし工程では、露飛ばしのために数
回短時間オンすることを除いて、炊飯ヒータ5をオフ状
態で維持し、米飯の蒸らしを行う。蒸らし工程中、上記
上部加熱用ヒータ6はオフ状態で維持する。さらに、こ
の蒸らし工程中、蓋ヒータ7は、露飛ばしのために数回
短時間オンすることを除いて、オフ状態で維持する。時
刻t4に蒸らし工程開始から所定時間を経過すると炊飯
工程が終了する。上記中パッパ工程、沸騰維持工程及び
蒸らし工程の間に米はベータ澱粉からアルファ澱粉に変
化し、米飯となる。
【0032】本実施形態では予熱温度を80℃に設定し
ているが、予熱温度はこれに限定されない。上記図4に
示すように、予熱温度が60℃以上となると予熱工程終
了時の吸水率が30%以上となる。従って、予熱温度は
60℃以上85℃以下の範囲であればよい。特に、予熱
温度が80℃以上85℃以下の範囲では、予熱工程終了
時の吸水率は60〜70%程度となり、最終的な米の吸
水率に近づくため、消費電力を節約する効果が高くな
る。なお、予熱温度を85℃以下とするのは、予熱温度
が85℃を上回ると(例えば90℃)、鍋2内の熱分布
によっては部分的に蒸気が発生し、この部分的に発生す
る蒸気に相当する気化熱の分だけ、消費電力を節約する
効果が低下するからである。
【0033】本実施形態では、予熱工程の際に内容物の
温度が予熱温度付近に上昇するまで、上部加熱用ヒータ
6及び蓋ヒータ7をオン状態で維持しているが、米の量
が比較的少ない場合には、上部加熱用ヒータ6及び蓋ヒ
ータ7をオフ状態で維持し、炊飯ヒータ5のみで上記予
熱工程を実行してもよい。これは米の量が少ない場合に
は、鍋2の底部側と上部側での温度差が小さいため、炊
飯ヒータ5のみで鍋2の内容物を均一に加熱できるから
である。
【0034】さらに、上記実施形態では、炊飯工程開始
時の内容物の温度は20℃であるが、鍋2に常温の水で
はなく80℃程度の湯を加えてもよい。この場合、予熱
工程時に所望の予熱温度に到達するまでの時間(図2に
おいて時刻t0から時刻t1’)を短縮することができる
ため、消費電力をさらに節約することができる。
【0035】
【実験例】本発明の効果を確認するための実験を行っ
た。実験例1では、本発明に係る炊飯制御方法で1カッ
プ(約150g)の米を炊飯し、従来の制御方法で同様
に1カップの米を炊飯した場合(比較例1)と比較し
た。また、実験例2では、本発明に係る炊飯制御方法で
3カップ(約450g)の米を炊飯し、従来の炊飯制御
方法で同様に3カップの米を炊飯した場合(比較例2)
と比較した。
【0036】(実験例1)実験例1の炊飯条件は以下の
通りである。 米の量(炊飯量):1カップ(約150g) 加水量:185g 炊飯前重量(鍋の重量を含む):593g 炊飯工程:炊飯開始後8分までは炊飯ヒータ及び上部加
熱用ヒータの出力を40Wとした。炊飯開始後8分から
17分まで炊飯ヒータの出力を40W、上部加熱用ヒー
タ6の出力を共に40Wとした。炊飯開始後17分から
40分(炊飯完了)まで炊飯ヒータ5の出力を300W
とした。
【0037】上記条件で炊飯を行ったところ、以下の結
果が得られた。 炊飯後重量(鍋の重量を含む):565g 炊飯前後重量差(炊飯前重量−炊飯後重量):−28g 米飯の含水率:58.5% 消費電力:28WH(炊飯開始後8分)、35WH(炊
飯開始後17分)、71WH(炊飯完了時) 炊飯開始後8分経過時点の温度:60℃(鍋の底部)、
58℃(鍋の上部側の内容物) 炊飯開始後17分経過時点の温度:74℃(鍋の底
部)、75℃(鍋の上部側の内容物)
【0038】(比較例1)比較例1の炊飯条件は以下の
通りである。 炊飯量:1カップ(約150g) 加水量:245g 炊飯前重量:618g 炊飯工程:炊飯開始から炊飯開始後45分(炊飯完了)
まで炊飯ヒータ5の出力を300Wとした。
【0039】上記条件で炊飯を行ったところ、以下の結
果が得られた。 炊飯後重量:570g 炊飯前後重量差:−48g 米飯の含水率:63.3% 炊飯完了時点の消費電力:93WH
【0040】実験例1の総消費電力が71WHであるの
に対して、比較例1の総消費電力は93WHであり、実
験例1は比較例1に対して約24%((93−71)/
93×100=23.66(%))の消費電力の節約と
なっている。
【0041】(実験例2)実験例2の炊飯条件は以下の
通りである。 炊飯量:3カップ(約450g) 加水量:590g 炊飯前重量(鍋の重量を含む):1298g 炊飯工程:炊飯開始後15分までは、炊飯ヒータ5及び
上部加熱用ヒータ6の出力を共に40Wとした。炊飯開
始後15分から39分までは、炊飯ヒータ5の出力を4
0W、上部加熱用ヒータ6の出力を40Wとして、75
℃で温度制御した。炊飯開始後39分から59分(炊飯
完了)までは炊飯ヒータ5の出力を300Wとした。
【0042】上記条件で炊飯を行ったところ、以下の結
果が得られた。 炊飯後重量:1279g 炊飯前後重量差:−19g 米飯の含水率:62.6% 消費電力:62WH(炊飯開始後15分)、71WH
(炊飯開始後30分)、78WH(炊飯開始後35
分)、80WH(炊飯開始後39分)、130WH(炊
飯完了時点) 炊飯開始後15分経過時点の温度:68℃(鍋の底
部)、48℃(鍋の高さ方向中央部の内容物)、55℃
(鍋の上部側の内容物) 炊飯開始後35分経過時点の温度:74℃(鍋の底
部)、67℃(鍋の高さ方向中央部の内容物)、72℃
(鍋の上部側の内容物) 炊飯開始後39分経過時点の温度:76℃(鍋の底
部)、69℃(鍋の高さ方向中央部の内容物)、73℃
(鍋の上部側の内容物)
【0043】(比較例2)比較例2の炊飯条件は以下の
通りである。 炊飯量:3カップ(約450g) 加水量:650g 炊飯前重量:1323g 炊飯工程:炊飯開始から炊飯開始後50分(炊飯完了)
まで炊飯ヒータ5の出力を300Wとした。
【0044】上記条件で炊飯を行ったところ、以下の結
果が得られた。 炊飯後重量:1280g 炊飯前後重量差:−43g 米飯の含水率:64% 炊飯完了時点の消費電力:141WH
【0045】比較例2の総消費電力が141WHである
のに対して、実験例2の総消費電力は130WHであ
り、実験例1は比較例1に対して約8%((141−1
30)/141×100=7.8(%))の消費電力の
節約となっている。
【0046】以上のように実験例1,2と比較例1,2
の比較より、本発明により同量の米を炊飯する際の消費
電力を節約できることが確認できる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の炊飯器及び炊飯制御方法では、予熱工程における鍋の
内容物の温度が60℃以上85℃以下であり、かつ、予
熱工程の継続時間が少なくとも10分以下であるため、
予熱工程終了時における鍋内の米の吸水率は30%以上
となる。よって、鍋に加える水の量を米の最終的な吸水
率(60%〜70%)を実現するために最低限必要な量
と、鍋内の内容物を底部から上部にわたって均一に沸騰
させるために最低限必要な量との和に設定しておけば、
米をベータ澱粉からアルファ澱粉に変化させるための工
程で発生する水蒸気を低減し、気化熱として無駄に消費
されるエネルギを低減することができる。特に、上記予
熱工程における鍋の内容物の温度を80℃以上85℃以
下とした場合には、予熱工程終了時における鍋内の水の
吸水率は、米飯に要求される最終的な吸水率である60
%〜70%程度に達し、気化熱として消費されるエネル
ギを最小限に低減することができる。このように本発明
では、気化熱として消費されるエネルギを低減すること
により米を米飯に炊き上げるために消費されるエネルギ
を節約することができる。
【0048】また、予熱工程の際に、鍋を底部側から加
熱する主加熱手段と、鍋を開口部側から加熱する上部加
熱手段の両方により、鍋の内容物を加熱する場合には、
予熱工程時に鍋内の上部と下部で内容物が一様に加熱さ
れるため、鍋内の上部側と底部側で米の吸水率が均一化
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る炊飯器を示す概略図
である。
【図2】 本発明の実施形態に係る炊飯器における炊飯
工程を示す線図である。
【図3】 従来の炊飯器における炊飯工程を示す線図で
ある。
【図4】 予熱温度と20分間の吸水終了時における吸
水率の関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 炊飯器本体 1a 内胴 2 鍋 3 蓋体 3a 内蓋 5 炊飯ヒータ 6 上部加熱用ヒータ 7 蓋ヒータ 11 底センサ 12 サイドセンサ 14 制御装置 15 制御パネル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも米及び水を含む内容物が収容
    される鍋と、 この鍋を加熱する加熱手段と、 上記鍋内の内容物の温度を検出するための温度検出手段
    と、 少なくとも上記温度検出手段の検出値に基づいて上記加
    熱手段を制御し、米に吸水させるための予熱工程を実行
    後、米をベータ澱粉からアルファ澱粉に変化させるため
    の工程を実行する制御装置とを備える炊飯器において、 上記制御装置は、上記予熱工程の際に、鍋の内容物の温
    度が60℃以上85℃以下となるように上記加熱手段を
    制御し、かつ、上記予熱工程を少なくとも10分以上継
    続することを特徴とする炊飯器。
  2. 【請求項2】 上記制御装置は、上記予熱工程の際に、
    鍋内の内容物の温度が80℃以上85℃以下となるよう
    に上記加熱手段を制御することを特徴とする請求項1に
    記載の炊飯器。
  3. 【請求項3】 上記加熱手段は、鍋を底部側から加熱す
    る主加熱手段と、鍋を上部側から加熱する上部加熱手段
    とを備え、 上記制御装置は、上記予熱工程の際に上記主加熱手段と
    上記上部加熱手段の両方により鍋の内容物を加熱するよ
    うにしていることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の炊飯器。
  4. 【請求項4】 少なくとも米及び水を含む内容物が収容
    される鍋と、この鍋を加熱する加熱手段とを備える炊飯
    器における炊飯制御方法であって、 少なくとも米に吸水させるための予熱工程と、この予熱
    工程後に米をベータ澱粉からアルファ澱粉に変化させる
    ための工程とを備えるものにおいて、 上記予熱工程で鍋内の内容物の温度を60℃以上85℃
    以下で維持し、かつ、予熱工程を少なくとも10分以上
    継続することを特徴とする炊飯制御方法。
  5. 【請求項5】上記予熱工程では、鍋内の内容物を80℃
    以上85℃以下の温度で維持することを特徴とする請求
    項4に記載の炊飯制御方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも米及び水を含む内容物が収容
    される鍋と、この鍋を加熱する加熱手段とを備える炊飯
    器における炊飯制御方法であって、 少なくとも米に吸水させるための予熱工程と、この予熱
    工程後に米をベータ澱粉からアルファ澱粉に変化させる
    ための工程とを備えるものにおいて、 予熱工程終了時の米の吸水率が30%以上70%以下で
    あることを特徴とする炊飯制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015532193A (ja) * 2012-10-24 2015-11-09 セブ ソシエテ アノニム 圧力炊飯器の制御方法およびその方法を実施するための圧力炊飯器

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