JP2002043108A - 薄帯状磁石材料、磁石粉末および希土類ボンド磁石 - Google Patents

薄帯状磁石材料、磁石粉末および希土類ボンド磁石

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JP2002043108A
JP2002043108A JP2000223937A JP2000223937A JP2002043108A JP 2002043108 A JP2002043108 A JP 2002043108A JP 2000223937 A JP2000223937 A JP 2000223937A JP 2000223937 A JP2000223937 A JP 2000223937A JP 2002043108 A JP2002043108 A JP 2002043108A
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ribbon
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Sei Arai
聖 新井
Hiroshi Kato
洋 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気特性が優れ、信頼性の高い磁石、特に熱
的安定性に優れた磁石を提供すること。 【解決手段】 本発明の薄帯状磁石材料(急冷薄帯8)
は、希土類元素と遷移金属とBとを含む合金の溶湯6を
ノズル3から噴出させ、冷却ロール5の周面53に衝突
させて急冷することにより得られ、その構成組織は、R
2TM14B型相(ただし、Rは少なくとも1種の希土類
元素、TMはFeを主とする遷移金属)とbcc構造の
α−Fe型相とを有する複合組織となっている。ロール
面81とフリー面82とについて、X線回折実験を行っ
て得られる回折プロファイルにおいて、ロール面81に
おけるR2TM14B型相の(410)面の回折強度、α
−Fe型相の(110)面の回折強度をそれぞれI1
h、I1s、フリー面82におけるR2TM14B型相の
(410)面の回折強度、α−Fe型相の(110)面
の回折強度をそれぞれI2h、I2sとしたとき、下記
式[1]を満足する。 (I1h/I1s)/(I2h/I2s)≦5 ・・・
[1]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄帯状磁石材料、
磁石粉末および希土類ボンド磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】磁石粉末を結合樹脂で結合してなるボン
ド磁石は、形状の自由度が広いという利点を有し、モー
タや各種アクチュエータに広く用いられている。
【0003】このようなボンド磁石を構成する磁石材料
は、例えば急冷薄帯製造装置を用いた急冷法により製造
される。急冷薄帯製造装置が単一の冷却ロールを備える
ものである場合は、単ロール法と呼ばれる。
【0004】この単ロール法では、所定の合金組成の磁
石材料を加熱、溶融し、その溶湯をノズルから射出し、
ノズルに対して回転している冷却ロールの周面に衝突さ
せ、該周面と接触させることにより急冷、凝固し、薄帯
状(リボン状)の磁石材料、すなわち急冷薄帯を連続的
に形成する。そして、この急冷薄帯を粉砕して磁石粉末
とし、この磁石粉末よりボンド磁石を製造する。
【0005】単ロール法で用いられる冷却ロールは、一
般に、銅合金、鉄合金等で構成されたものである。ま
た、耐久性向上のために、冷却ロールの周面に、Crメ
ッキ等の金属または合金の表面層を設けたものも知られ
ている。
【0006】ところで、このような冷却ロールは、その
周面が熱伝導性の高い金属で構成されているため、急冷
薄帯のロール面(冷却ロールの周面と接触する側の面)
付近とフリー面(ロール面と反対側の面)付近とで、冷
却速度の差が生じる。その結果、それらの面付近におけ
る組織差(結晶粒径、存在相の構成比等の差)が大きく
なる。そのため、これを粉砕して磁石粉末としたとき
に、各磁石粉末ごとの磁気特性にバラツキが生じる。従
って、このような磁石粉末からボンド磁石を製造した場
合に、満足な磁気特性が得られない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁気
特性が優れ、信頼性の高い磁石を提供することができる
薄帯状磁石材料、磁石粉末および希土類ボンド磁石を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(23)の本発明により達成される。
【0009】(1) 希土類元素と遷移金属とBとを含
む合金の溶湯を冷却体に接触させることにより得られ、
かつ、その構成組織が、R2TM14B型相(ただし、R
は少なくとも1種の希土類元素、TMはFeを主とする
遷移金属)とbcc構造のα−Fe型相とを有する複合
組織となっている薄帯状磁石材料であって、前記冷却体
と接触していた側の面である第1面と、前記第1面と反
対側の面である第2面とについて、X線回折実験を行っ
て得られる回折プロファイルにおいて、前記第1面にお
ける前記R2TM14B型相の(410)面の回折強度を
I1h、前記第1面における前記α−Fe型相の(11
0)面の回折強度をI1s、前記第2面における前記R
2TM14B型相の(410)面の回折強度をI2h、前
記第2面における前記α−Fe型相の(110)面の回
折強度をI2sとしたとき、下記式[1]を満足するこ
とを特徴とする薄帯状磁石材料。 (I1h/I1s)/(I2h/I2s)≦5 ・・・[1]
【0010】(2) 下記式[2]および[3]を満足
する上記(1)に記載の薄帯状磁石材料。 0.05≦I1h/I1s≦0.7 ・・・[2] 0.05≦I2h/I2s≦0.7 ・・・[3]
【0011】(3) 前記希土類元素は、Ndおよび/
またはPrを主とするものである上記(1)または
(2)に記載の薄帯状磁石材料。
【0012】(4) 前記希土類元素は、Prを含み、
その割合が前記希土類元素全体に対し5〜75原子%で
ある上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の薄帯状
磁石材料。
【0013】(5) 前記希土類元素は、Dyを含み、
その割合が前記希土類元素全体に対し14原子%以下で
ある上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の薄帯状
磁石材料。
【0014】(6) 前記R2TM14B型相の平均結晶
粒径は、5〜100nmである上記(1)ないし(5)
のいずれかに記載の薄帯状磁石材料。
【0015】(7) 前記α−Fe型相の平均結晶粒径
は、5〜100nmである上記(1)ないし(6)のい
ずれかに記載の薄帯状磁石材料。
【0016】(8) 合金組成中にAlを含む上記
(1)ないし(7)のいずれかに記載の薄帯状磁石材
料。
【0017】(9) 合金組成が、Rx(Fe1-y
y100-x-z-wzAlw(ただし、Rは少なくとも1種
の希土類元素、x:7.1〜9.9原子%、y:0〜
0.30、z:4.6〜8.0原子%、w:0.02〜
1.5原子%)で表される上記(1)ないし(8)のい
ずれかに記載の薄帯状磁石材料。
【0018】(10) 前記冷却体は、冷却ロールであ
る上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の薄帯状磁
石材料。
【0019】(11) 前記冷却ロールは、ロール基材
と、熱伝導率が前記ロール基材より低い表面層とを有す
るものである上記(10)に記載の薄帯状磁石材料。
【0020】(12) 前記表面層は、セラミックスで
構成されたものである上記(11)に記載の薄帯状磁石
材料。
【0021】(13) 前記冷却体に接触後、熱処理が
施されたものである上記(1)ないし(12)のいずれ
かに記載の薄帯状磁石材料。
【0022】(14) 上記(1)ないし(13)に記
載の薄帯状磁石材料を粉砕して得られたことを特徴とす
る磁石粉末。
【0023】(15) 磁石粉末は、その製造過程で、
または製造後少なくとも1回熱処理が施されたものであ
る上記(14)に記載の磁石粉末。
【0024】(16) 平均粒径が0.5〜150μm
である上記(14)または(15)に記載の磁石粉末。
【0025】(17) 上記(14)ないし(16)の
いずれかに記載の磁石粉末を結合樹脂で結合してなるこ
とを特徴とするボンド磁石。
【0026】(18) 磁石粉末の含有量が75〜9
9.5wt%である上記(17)に記載の希土類ボンド
磁石。
【0027】(19) 保磁力HcJが320〜720k
A/mである上記(17)または(18)に記載の希土
類ボンド磁石。
【0028】(20) 最大磁気エネルギー積(BH)
maxが40kJ/m3以上である上記(17)ないし(1
9)のいずれかに記載の希土類ボンド磁石。
【0029】(21) 不可逆減磁率(初期減磁率)の
絶対値が6.2%以下である上記(17)ないし(2
0)のいずれかに記載の希土類ボンド磁石。
【0030】(22) 多極着磁に供される、または多
極着磁された上記(17)ないし(21)のいずれかに
記載の希土類ボンド磁石。
【0031】(23) モータに用いられる上記(1
7)ないし(22)のいずれかに記載の等方性ボンド磁
石。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の薄帯状磁石材料、
磁石粉末およびこれを用いた希土類ボンド磁石の実施の
形態について、詳細に説明する。
【0033】[磁石材料の合金組成]まず、本発明にお
ける磁石材料の合金組成について説明する。
【0034】本発明の薄帯状(薄片状)磁石材料や磁石
粉末は、希土類元素と遷移金属とBとを含む合金組成か
らなるものである。
【0035】前記希土類元素としては、Y、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ミッシュメタルが
挙げられ、これらを1種または2種以上含むことができ
る。また、前記遷移金属としては、Fe、Co、Ni等
が挙げられ、これらを1種または2種以上含むことがで
きる。
【0036】さらに、磁石材料は、Alを含むものであ
るのが好ましい。合金組成中にAlが含まれることによ
り、保磁力が向上する。その中でも特に、Rx(Fe1-y
Co y100-x-z-wzAlw(ただし、Rは少なくとも1
種の希土類元素、x:7.1〜9.9原子%、y:0〜
0.30、z:4.6〜8.0原子%、w:0.02〜
1.5原子%)で表される合金組成のものが好ましい。
【0037】R(希土類元素)としては、Y、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ミッシュメタルが
挙げられ、これらを1種または2種以上含むことができ
る。
【0038】Rの含有量(含有率)は、7.1〜9.9
原子%とされるのが好ましい。Rが7.1原子%未満で
は、十分な保磁力が得られず、例えばAlを添加しても
保磁力の向上が少ない。一方、Rが9.9原子%を超え
ると、磁化のポテンシャルが下がるため、十分な磁束密
度が得られなくなる場合がある。
【0039】ここで、RはNdおよび/またはPrを主
とする希土類元素であるのが好ましい。その理由は、こ
れらの希土類元素は、複合組織(特にナノコンポジット
組織)を構成するハード磁性相の飽和磁化を高め、また
磁石として良好な保磁力を実現するために有効だからで
ある。
【0040】また、Rは、Prを含み、その割合がR全
体に対し5〜75%であるのが好ましく、20〜60%
であるのがより好ましい。この範囲であると、残留磁束
密度の低下をほとんど生じることなく、保磁力および角
型性を向上させることができるためである。
【0041】また、Rは、Dyを含み、その割合がR全
体に対し14%以下であるのが好ましい。この範囲であ
ると、残留磁束密度の著しい低下を生じることなく、保
磁力を向上させることができると共に、温度特性(熱的
安定性)の向上も可能となるからである。
【0042】Coは、Feと同様の特性を有する遷移金
属である。このCoを添加すること(Feの一部を置換
すること)により、キュリー温度が高くなり、温度特性
が向上するが、Feに対するCoの置換比率が0.30
を超えると、保磁力、磁束密度は共に低下する傾向を示
す。Feに対するCoの置換比率が0.05〜0.20
の範囲では、温度特性の向上のみならず、磁束密度自体
も向上するので、さらに好ましい。
【0043】B(ボロン)は、高い磁気特性を得るのに
有効な元素であり、その好ましい含有量は、4.6〜
8.0原子%とされる。Bが4.6原子%未満である
と、B−H(J−H)ループにおける角型性が悪くな
る。一方、Bが8.0原子%を超えると、非磁性相が多
くなり、磁束密度が減少する。
【0044】Alは、保磁力向上にとって有利な元素で
あり、特に、0.02〜1.5原子%の範囲で保磁力向
上の効果が顕著に現れる。また、この範囲では、保磁力
向上に追随して、角型性および最大磁気エネルギー積も
向上する。さらに、耐熱性および耐食性についても良好
となる。ただし、上述したように、Rが7.1原子%未
満では、Al添加によるこのような効果は非常に小さ
い。また、Alが1.5原子%を超えると、磁化の低下
が生じる。
【0045】本発明の磁石材料は、保磁力、最大磁気エ
ネルギー積等の磁気特性を向上させるため、あるいは、
耐熱性、耐食性を向上させるために、磁石材料中には、
必要に応じ、Cu、Ga、Si、Ti、V、Ta、Z
r、Nb、Mo、Hf、Ag、Zn、P、Ge、Cr、
C等を含有することもできる。
【0046】[複合組織]また、磁石材料は、ソフト磁
性相とハード磁性相とを有する複合組織となっている。
【0047】この複合組織(ナノコンポジット組織)
は、ソフト磁性相10とハード磁性相11とが、例えば
図1、図2または図3に示すようなパターン(モデル)
で存在しており、各相の厚さや粒径がナノメーターレベ
ル(例えば1〜100nm)で存在している。そして、
ソフト磁性相10とハード磁性相11とが相隣接し(粒
界相を介して隣接する場合も含む)、磁気的な交換相互
作用を生じる。なお、図1〜図3に示すパターンは、一
例であって、これらに限られるものではなく、例えば図
2に示すパターンにおいて、ソフト磁性相10とハード
磁性相11とが逆になっているものでもよい。
【0048】ソフト磁性相の磁化は、外部磁界の作用に
より容易にその向きを変えるので、ハード磁性相に混在
すると、系全体の磁化曲線は、B−H図の第二象現で段
のある「へび型曲線」となる。しかし、ソフト磁性相の
サイズが数10nm以下と十分小さい場合には、ソフト
磁性体の磁化が周囲のハード磁性体の磁化との結合によ
って十分強く拘束され、系全体がハード磁性体として振
舞うようになる。
【0049】このような複合組織(ナノコンポジット組
織)を持つ磁石は、主に、以下に挙げる特徴1)〜5)
を有している。
【0050】1)B−H図(J−H図)の第二象現で、
磁化が可逆的にスプリングバックする(この意味で「ス
プリング磁石」とも言う)。 2)着磁性が良く、比較的低い磁場で着磁できる。 3)磁気特性の温度依存性がハード磁性相単独の場合に
比べて小さい。 4)磁気特性の経時変化が小さい。 5)微粉砕しても磁気特性が劣化しない。
【0051】前述した合金組成において、ハード磁性相
およびソフト磁性相は、例えば次のようなものとなる。
【0052】ハード磁性相:R2TM14B型(TMは、
Feを主とする遷移金属)、またはR2(TM,Al)
14B型 ソフト磁性相:TM(特にα−Fe,α−(Fe,C
o))、TMとAlとの合金相、またはTMとBとの化
合物相 この中でも特に、R2TM14B型相(ハード磁性相)
と、α−Fe型相(ソフト磁性相)とを主として有する
ものが好ましい。
【0053】[薄帯状磁石材料の製造]次に、本発明の
薄帯状磁石材料の製造方法について説明する。
【0054】本発明の薄帯状磁石材料は、溶湯合金を冷
却体に接触させ、急冷することにより製造されたもので
ある。以下、冷却体として冷却ロールを用いた方法の一
例について説明する。
【0055】図4は、単ロールを用いた急冷法により磁
石材料を製造する装置(急冷薄帯製造装置)の構成例を
示す斜視図、図5は、図4に示す装置における溶湯の冷
却ロールへの衝突部位付近の状態を示す断面側面図であ
る。
【0056】図4に示すように、急冷薄帯製造装置1
は、磁石材料を収納し得る筒体2と、該筒体2に対し図
中矢印9A方向に回転する冷却ロール5(冷却体)とを
備えている。筒体2の下端には、磁石材料(合金)の溶
湯を射出するノズル(オリフィス)3が形成されてい
る。
【0057】また、筒体2のノズル3近傍の外周には、
加熱用のコイル4が配置され、このコイル4に例えば高
周波を印加することにより、筒体2内を加熱(誘導加
熱)し、筒体2内の磁石材料を溶融状態にする。
【0058】冷却ロール5は、基部51(ロール基材)
と、冷却ロール5の周面53を形成する表面層52とで
構成されている。
【0059】表面層52は、基部51と同じ材質で一体
構成されていてもよいが、基部51の構成材料より熱伝
導率の小さい材料で構成されているのが好ましい。
【0060】基部51の構成材料は、特に限定されない
が、表面層52の熱をより速く放散できるように、例え
ば銅または銅系合金のような熱伝導率の高い金属材料で
構成されているのが好ましい。
【0061】また、表面層52の構成材料としては、例
えば、Cr、Ni、Pd、W等、またはこれらを含む合
金等の金属薄層や金属酸化物層、セラミックス等が挙げ
られる。その中でも、特に、急冷薄帯(薄帯状磁石材
料)8のロール面(冷却体と接触していた側の第1面)
81とフリー面(第1面の反対側の第2面)82との冷
却速度の差をより小さくできるという点で、セラミック
スであるのが好ましい。
【0062】セラミックスとしては、例えば、Al
23、SiO2、TiO2、Ti23、ZrO2、Y
23、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等の
酸化物系セラミックス、AlN、Si34、TiN、B
N等の窒化物系セラミックス、グラファイト、SiC、
ZrC、Al43、CaC2、WC等の炭化物系のセラ
ミックス、あるいは、これらのうちの2以上を任意に組
合せた複合セラミックスが挙げられる。
【0063】また、表面層52は、図示のような単層の
みならず、例えば組成の異なる複数の層の積層体であっ
てもよい。この場合、隣接する層同士は、密着性の高い
ものが好ましく、その例としては、隣接する層同士に同
一の元素が含まれているものが挙げられる。
【0064】また、表面層52が単層で構成されている
場合でも、その組成は、厚さ方向に均一なものに限ら
ず、例えば、含有成分が厚さ方向に順次変化するもの
(傾斜材料)であってもよい。
【0065】このような急冷薄帯製造装置1は、チャン
バー(図示せず)内に設置され、該チャンバー内に、好
ましくは不活性ガスやその他の雰囲気ガスが充填された
状態で作動する。特に、急冷薄帯8の酸化を防止するた
めに、雰囲気ガスは、例えばアルゴンガス、ヘリウムガ
ス、窒素ガス等の不活性ガスであるのが好ましい。
【0066】急冷薄帯製造装置1では、筒体2内に磁石
材料(合金)を入れ、コイル4により加熱して溶融し、
その溶湯6をノズル3から吐出すると、図5に示すよう
に、溶湯6は、冷却ロール5の周面53に衝突し、パド
ル(湯溜り)7を形成した後、回転する冷却ロール5の
周面53に引きずられつつ急速に冷却されて凝固し、急
冷薄帯8が連続的または断続的に形成される。このよう
にして形成された急冷薄帯8は、やがて、そのロール面
81が周面53から離れ、図4中の矢印9B方向に進行
する。なお、図5中、溶湯の凝固界面71を点線で示
す。
【0067】冷却ロール5の周速度は、合金溶湯の組
成、周面53の溶湯6に対する濡れ性等によりその好適
な範囲が異なるが、磁気特性向上のために、通常、5〜
60m/秒であるのが好ましく、10〜40m/秒であ
るのがより好ましい。冷却ロール5の周速度が遅すぎる
と、急冷薄帯8の体積流量(単位時間当たりに吐出され
る溶湯の体積)によっては、急冷薄帯8の厚さtが厚く
なり、結晶粒径が増大する傾向を示す。逆に冷却ロール
5の周速度が速すぎると、大部分が非晶質組織となると
ともに、ロール面81付近とフリー面82付近とでの組
織差(各構成相の存在比や結晶粒径等の差)が大きくな
る。いずれの場合にも、その後に熱処理を加えたとして
も磁気特性の向上が望めなくなる。
【0068】以上のようにして得られた急冷薄帯8は、
その幅wおよび厚さができるだけ均一であるものが好ま
しい。この場合、急冷薄帯8の平均厚さtは、10〜4
0μmであるのが好ましく、12〜30μmであるのが
より好ましい。平均厚さtが下限値未満であると、非晶
質組織が占める割合が大きくなり、その後に、後述する
熱処理を施したとしても磁気特性が十分に向上しない場
合がある。また、単位時間当たりの生産性も低下する。
一方、平均厚さtが上限値を超えると、フリー面82側
の結晶粒径が粗大化する傾向を示し、ロール面81付近
とフリー面82付近とでの組織差が大きくなる。そのた
め、十分な磁気特性が得られない場合がある。
【0069】なお、得られた急冷薄帯8に対しては、例
えば、非晶質組織の再結晶化の促進、組織の均質化のた
めに、少なくとも1回熱処理を施すこともできる。この
熱処理の条件としては、例えば、400〜900℃で、
0.2〜300分程度とすることができる。
【0070】また、この熱処理は、酸化を防止するため
に、真空または減圧状態下(例えば1×10-1〜1×1
-6 Torr )、あるいは窒素ガス、アルゴンガス、ヘリ
ウムガス等の不活性ガス中のような、非酸化性雰囲気中
で行うのが好ましい。
【0071】以上のような製造方法により得られた急冷
薄帯(薄帯状の磁石材料)8は、微細結晶組織、もしく
は微細結晶がアモルファス組織中に含まれるような組織
となり、優れた磁気特性が得られる。
【0072】ロール面81と、フリー面82とについ
て、X線回折実験を行って得られる回折プロファイルに
おいて、ロール面81におけるR2TM14B型相(ハー
ド磁性相)の(410)面の回折強度(ピーク強度)を
I1h、ロール面81におけるα−Fe型相(ソフト磁
性相)の(110)面の回折強度をI1s、フリー面8
2におけるR2TM14B型相の(410)面の回折強度
をI2h、フリー面82におけるα−Fe型相の(11
0)面の回折強度をI2sとしたとき、急冷薄帯8は下
記式[1]を満足する。
【0073】 (I1h/I1s)/(I2h/I2s)≦5 ・・・[1] (I1h/I1s)/(I2h/I2s)の値が5を超
えると、ロール面81付近とフリー面82付近とでの組
織差が大きくなり(例えば、フリー面82付近に比べ、
ロール面81付近における非晶質組織の占める割合が大
きくなり)、磁気特性が低下する。
【0074】また、急冷薄帯8は、下記式[2]および
[3]を満足するものであるのが好ましい。
【0075】 0.05≦I1h/I1s≦0.7 ・・・[2] 0.05≦I2h/I2s≦0.7 ・・・[3] I1h/I1s、I2h/I2sの値が0.05未満で
あると、各々の面付近におけるハード磁性相の占める割
合が小さくなり、十分な保磁力が得られない場合があ
る。一方、I1h/I1s、I2h/I2sの値が0.
7を超えると、各々の面付近におけるソフト磁性相の占
める割合が小さくなり、ソフト磁性相の存在による磁化
の増加が十分に得られず、満足な磁気特性が得られない
場合がある。
【0076】また、ロール面81付近におけるR2TM
14B型相の平均結晶粒径をD1h、ロール面81付近に
おけるα−Fe型相の平均結晶粒径をD1s、フリー面
82付近におけるR2TM14B型相の平均結晶粒径をD
2h、フリー面82付近におけるα−Fe型相の平均結
晶粒径をD2sとしたとき、D1h、D1s、D2h、
D2sは、いずれも5〜100nmであるのが好まし
く、10〜50nmであるのがより好ましい。D1h、
D1s、D2h、D2sがこの範囲の値であると、特
に、残留磁束密度および角型性が向上する。
【0077】また、下記式[4]、[5]のうちの少な
くとも一方を満足するのが好ましく、双方を満足するの
がより好ましい。
【0078】 0.5≦D1h/D2h≦1 ・・・[4] 0.5≦D1s/D2s≦1 ・・・[5] フリー面82側では、R2TM14B型相、α−Fe型相
ともに、ロール面81側に比べて結晶粒径が大きくなる
傾向を示すので、D1h/D2hの上限値およびD1s
/D2sの上限値は、いずれも1とされる。
【0079】また、D1h/D2hまたはD1s/D2
sが0.5以上であると、R2TM1 4B型相、α−Fe
型相のそれぞれについて、ロール面81付近とフリー面
82付近とでの結晶粒径の差が少なく、その結果、磁気
特性が均一となり、全体として優れた磁気特性が得られ
る。より詳しく述べると、急冷薄帯8から磁石粉末を製
造し、さらには該磁石粉末を用いてボンド磁石を製造し
たとき、高い磁気エネルギー積(BH)maxが得られる
と共に、ヒステリシスループにおける角型性が良好とな
り、その結果、不可逆減磁率の絶対値が小さくなるの
で、磁石の信頼性も向上する。
【0080】なお、D1s、D1h、D2s、D2hの
測定方法は、特に限定されないが、例えば、次のような
X線回折法で測定することができる。
【0081】急冷薄帯8のロール面81とフリー面82
のそれぞれについて、X線回折を行う。得られたプロフ
ァイルにおいて同定されたR2TM14B型相の特定の回
折面(例えば(410)面)の回折ピークと、α−Fe
型相の特定の回折面(例えば(110)面)の回折ピー
クとのそれぞれについて、ピーク位置の回折角2θおよ
び半値幅βを求め、このθおよびβを下記式[6]に代
入し、それぞれの相の結晶粒径D(D1s、D1h、D
2s、D2h)を求める。
【0082】 D=0.9λ/β・cosθ (ただし、λは使用X線の波長) ・・・[6] このようなX線回折法によれば、R2TM14B型相およ
びα−Fe型相の結晶粒径を比較的容易に求めることが
できる。
【0083】なお、以上では、冷却体として冷却ロール
を用いた単ロール法を例に説明したが、本発明は、これ
に限定されず、例えば、回転ディスク法、メルト・エク
ストラクション法のような他の冷却体を用いた製造方法
に対しても適用される。
【0084】[磁石粉末の製造]以上のような急冷薄帯
8を粉砕することにより、本発明の磁石粉末が得られ
る。
【0085】粉砕の方法は、特に限定されず、例えばボ
ールミル、振動ミル、ジェットミル、ピンミル等の各種
粉砕装置、破砕装置を用いて行うことができる。この場
合、粉砕は、酸化を防止するために、真空または減圧状
態下(例えば1×10-1〜1×10-6 Torr )、あるい
は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガ
ス中のような、非酸化性雰囲気中で行うこともできる。
【0086】磁石粉末の平均粒径は、特に限定されない
が、後述する等方性希土類ボンド磁石を製造するための
ものの場合、磁石粉末の酸化防止と、粉砕による磁気特
性劣化の防止とを考慮して、0.5〜150μm程度が
好ましく、0.5〜80μm程度がより好ましく、1〜
50μm程度がさらに好ましい。
【0087】また、ボンド磁石の成形時のより良好な成
形性を得るために、磁石粉末の粒径分布は、ある程度分
散されている(バラツキがある)のが好ましい。これに
より、得られたボンド磁石の空孔率を低減することがで
き、その結果、ボンド磁石中の磁石粉末の含有量を同じ
としたときに、ボンド磁石の密度や機械的強度をより高
めることができ、磁気特性をさらに向上することができ
る。
【0088】なお、得られた磁石粉末に対しては、例え
ば、粉砕により導入されたひずみの影響の除去、結晶粒
径の制御を目的として、熱処理を施すこともできる。こ
の熱処理の条件としては、例えば、350〜850℃
で、0.2〜300分程度とすることができる。
【0089】また、この熱処理は、酸化を防止するため
に、真空または減圧状態下(例えば1×10-1〜1×1
-6 Torr )、あるいは窒素ガス、アルゴンガス、ヘリ
ウムガス等の不活性ガス中のような、非酸化性雰囲気中
で行うのが好ましい。
【0090】以上のような磁石粉末を用いてボンド磁石
を製造した場合、そのような磁石粉末は、結合樹脂との
結合性(結合樹脂の濡れ性)が良く、そのため、このボ
ンド磁石は、機械的強度が高く、熱安定性(耐熱性)、
耐食性が優れたものとなる。従って、当該磁石粉末は、
ボンド磁石の製造に適している。
【0091】[ボンド磁石およびその製造]次に、本発
明の希土類ボンド磁石(以下単に「ボンド磁石」とも言
う)について説明する。
【0092】本発明のボンド磁石は、前述の磁石粉末を
結合樹脂で結合してなるものである。
【0093】結合樹脂(バインダー)としては、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。
【0094】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミ
ド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナ
イロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロ
ン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、熱可
塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマ
ー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィ
ン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等、
またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマ
ーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種
以上を混合して用いることができる。
【0095】これらのうちでも、成形性が特に優れてお
り、機械的強度が高いことから、ポリアミド、耐熱性向
上の点から、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイ
ドを主とするものが好ましい。また、これらの熱可塑性
樹脂は、磁石粉末との混練性にも優れている。
【0096】このような熱可塑性樹脂は、その種類、共
重合化等により、例えば成形性を重視したものや、耐熱
性、機械的強度を重視したものというように、広範囲の
選択が可能となるという利点がある。
【0097】一方、熱硬化性樹脂としては、例えば、ビ
スフェノール型、ノボラック型、ナフタレン系等の各種
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン
樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリ
イミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙
げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して
用いることができる。
【0098】これらのうちでも、成形性が特に優れてお
り、機械的強度が高く、耐熱性に優れるという点から、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリ
コーン樹脂が好ましく、エポキシ樹脂が特に好ましい。
また、これらの熱硬化性樹脂は、磁石粉末との混練性、
混練の均一性にも優れている。
【0099】なお、使用される熱硬化性樹脂(未硬化)
は、室温で液状のものでも、固形(粉末状)のものでも
よい。
【0100】このような本発明のボンド磁石は、例えば
次のようにして製造される。磁石粉末と、結合樹脂と、
必要に応じ添加剤(酸化防止剤、潤滑剤等)とを混合、
混練(例えば、温間混練)してボンド磁石用組成物(コ
ンパウンド)を製造し、このボンド磁石用組成物を用い
て、圧縮成形(プレス成形)、押出成形、射出成形等の
成形方法により、磁場中または無磁場中で所望の磁石形
状に成形する。結合樹脂が熱硬化性樹脂の場合には、成
形後、加熱等によりそれを硬化する。
【0101】ここで、前記3種の成形方法のうち、押出
成形および射出成形(特に、射出成形)は、形状選択の
自由度が広く、生産性が高い等の利点があるが、これら
の成形方法では、良好な成形性を得るために、成形機内
におけるコンパウンドの十分な流動性を確保しなければ
ならないため、圧縮成形に比べて、磁石粉末の含有量を
多くすること、すなわちボンド磁石を高密度化すること
ができない。しかしながら、本発明では、後述するよう
に、高い磁束密度が得られ、そのため、ボンド磁石を高
密度化しなくても優れた磁気特性が得られるので、押出
成形、射出成形により製造されるボンド磁石にもその利
点を享受することができる。
【0102】ボンド磁石中の磁石粉末の含有量(含有
率)は、特に限定されず、通常は、成形方法や、成形性
と高磁気特性との両立を考慮して決定される。具体的に
は、75〜99.5wt%程度であるのが好ましく、85
〜97.5wt%程度であるのがより好ましい。
【0103】特に、ボンド磁石が圧縮成形により製造さ
れたものの場合には、磁石粉末の含有量は、90〜9
9.5wt%程度であるのが好ましく、93〜98.5wt
%程度であるのがより好ましい。
【0104】また、ボンド磁石が押出成形または射出成
形により製造されたものの場合には、磁石粉末の含有量
は、75〜98wt%程度であるのが好ましく、85〜9
7wt%程度であるのがより好ましい。
【0105】ボンド磁石の密度ρは、それに含まれる磁
石粉末の比重、磁石粉末の含有量、空孔率等の要因によ
り決定される。本発明のボンド磁石において、その密度
ρは特に限定されないが、4.5〜6.6Mg/m3
度であるのが好ましく、5.5〜6.4Mg/m3程度
であるのがより好ましい。
【0106】本発明では、磁石粉末の磁束密度、保磁力
が大きいので、ボンド磁石に成形した場合に、磁石粉末
の含有量が多い場合はもちろんのこと、含有量が比較的
少ない場合でも、優れた磁気特性(特に、高い最大磁気
エネルギー積、高保磁力)が得られる。
【0107】本発明のボンド磁石の形状、寸法等は特に
限定されず、例えば、形状に関しては、例えば、円柱
状、角柱状、円筒状(リング状)、円弧状、平板状、湾
曲板状等のあらゆる形状のものが可能であり、その大き
さも、大型のものから超小型のものまであらゆる大きさ
のものが可能である。特に、小型化、超小型化された磁
石に有利であることは、本明細書中で度々述べている通
りである。
【0108】このようなことから、本発明のボンド磁石
は、多極着磁に供される、または多極着磁されたもので
あるのが好ましい。
【0109】本発明のボンド磁石は、保磁力(室温での
固有保磁力)HcJが320〜720kA/m程度である
のが好ましく、400〜640kA/m程度であるのが
より好ましい。保磁力が前記下限値未満では、モータの
用途によっては逆磁場がかかったときの減磁が顕著にな
り、また、高温における耐熱性が劣る。また、保磁力が
前記上限値を超えると、着磁性が低下する。従って、保
磁力HcJを上記範囲とすることにより、ボンド磁石(特
に、円筒状磁石)に多極着磁等をするような場合に、十
分な着磁磁場が得られないときでも、良好な着磁が可能
となり、十分な磁束密度が得られ、高性能なボンド磁
石、特にモータ用ボンド磁石を提供することができる。
【0110】本発明のボンド磁石は、最大磁気エネルギ
ー積(BH)maxが40kJ/m3以上であるのが好まし
く、60kJ/m3以上であるのがより好ましく、75
〜130kJ/m3であるのがさらに好ましい。最大磁
気エネルギー積(BH)maxが40kJ/m3未満である
と、モータ用に用いた場合、その種類、構造によって
は、十分なトルクが得られない。
【0111】本発明のボンド磁石は、不可逆減磁率(初
期減磁率)の絶対値が6.2%以下であるのが好まし
く、5%以下であるのがより好ましく、4%以下である
のがさらに好ましい。これにより、熱的安定性(耐熱
性)に優れたボンド磁石が得られる。
【0112】
【実施例】(実施例1)以下に述べるような方法で合金
組成がNd9.1FebalCo8.65.5Al0.7(以下、
「組成A」とする)の急冷薄帯(薄帯状磁石材料)を得
た。
【0113】まず、Nd,Fe,Co,B,Alの各原
料を秤量して母合金インゴットを鋳造した。
【0114】図4および図5に示す構成の急冷薄帯製造
装置1を用意し、底部にノズル(円孔オリフィス:オリ
フィス直径0.55mm)を設けた石英管内に前記母合
金インゴットを入れた。急冷薄帯製造装置1が収納され
ているチャンバー内を脱気した後、不活性ガス(アルゴ
ンガス、ヘリウムガス)を導入し、所望の温度および圧
力の雰囲気とした。
【0115】冷却ロール5としては、銅製の基部51の
外周に、スパッタリングにより平均厚さ8μmのZrC
よりなる表面層52を設けたもの(直径200mm)を
用いた。
【0116】その後、石英管内のインゴットサンプルを
高周波誘導加熱により溶解し、さらに、溶湯の噴射圧
(石英管の内圧と筒体2内における液面の高さに比例し
てかかる圧力の和と、雰囲気圧との差圧)を40kPa
に調整して、溶湯を冷却ロールの周面に向けて噴射し、
急冷薄帯を得た。
【0117】このとき、冷却ロールの周速度を15〜3
0m/秒の間で変化させると共に、チャンバー内の雰囲
気圧を13〜75kPaの間で変化させて、5種の急冷
薄帯を製造した。その後、これらの急冷薄帯に対して、
Arガス雰囲気中で700℃×300secの熱処理を
施すことにより、No.1〜No.5の5種の急冷薄帯
サンプルを得た。
【0118】得られた各急冷薄帯サンプルのロール面お
よびフリー面に対し、それぞれ、ディフラクトメータに
よるX線回折試験を行なった。使用X線は、Cu−Kα
とした。この場合、測定X線波長は、λ=0.154n
mであった。測定時には、モノクロメータを用い、回折
角2θ=20°〜60°の範囲でX線回折を行った。
【0119】測定の結果、ハード磁性相であるR2TM
14B型相と、ソフト磁性相であるα−Fe型相の回折ピ
ークが確認でき、透過型電子顕微鏡(TEM)による観
察結果から、ナノコンポジット組織(複合組織)を形成
していることが確認された。
【0120】得られたX線プロファイルから、バックグ
ラウンド除去後、R2TM14B型相の(410)面の回
折ピークと、α−Fe型相の(110)面の回折ピーク
との回折強度I1h、I1s、I2h、I2sを測定し
た。これらの値から、I1h/I1s、I2h/I2s
および(I1h/I1s)/(I2h/I2s)を求め
た。また、R2TM14B型相の(410)面の回折ピー
クと、α−Fe型相の(110)面の回折ピークとにお
ける回折角2θおよび半値幅βを、ロール面およびフリ
ー面についてそれぞれ求め、このθおよびβを前記式
[6]に代入し、平均結晶粒径D1h、D1s、D2
h、D2sを求めた。これらの結果を下記表1に示す。
【0121】また、サンプルNo.1〜No.5の各急
冷薄帯について、振動試料型磁力計(VSM)により磁
気特性(保磁力HcJ、最大磁気エネルギー積(BH)
max)を測定した。なお、測定にあたり、反磁界補正は
行わなかった。測定の結果を表1に示す。
【0122】(実施例2)以下に述べるような方法で合
金組成が(Nd0.7Pr0.25Dy0.058.7Feba lCo
7.05.6Al0.5(以下、「組成B」とする)の急冷薄
帯(薄帯状磁石材料)を得た。
【0123】まず、Nd,Pr,Dy,Fe,Co,
B,Alの各原料を秤量して母合金インゴットを鋳造し
た。
【0124】図4および図5に示す構成の急冷薄帯製造
装置1を用意し、底部にノズル(円孔オリフィス:オリ
フィス直径0.60mm)を設けた石英管内に前記母合
金インゴットを入れた。急冷薄帯製造装置1が収納され
ているチャンバー内を脱気した後、不活性ガス(アルゴ
ンガス、ヘリウムガス)を導入し、所望の温度および圧
力の雰囲気とした。
【0125】冷却ロール5としては、銅製の基部51の
外周に、スパッタリングにより平均厚さ8μmのZrC
よりなる表面層52を設けたもの(直径200mm)を
用いた。
【0126】その後、石英管内のインゴットサンプルを
高周波誘導加熱により溶解し、さらに、溶湯の噴射圧
(石英管の内圧と筒体2内における液面の高さに比例し
てかかる圧力の和と、雰囲気圧との差圧)を40kPa
に調整して、溶湯を冷却ロールの周面に向けて噴射し、
急冷薄帯を得た。
【0127】このとき、冷却ロールの周速度を18〜3
5m/秒の間で変化させると共に、チャンバー内の雰囲
気圧を13〜75kPaの間で変化させて、5種の急冷
薄帯を製造した。その後、これらの急冷薄帯に対して、
Arガス雰囲気中で700℃×300secの熱処理を
施すことにより、No.6〜No.10の5種の急冷薄
帯サンプルを得た。
【0128】これらの急冷薄帯サンプルについて、実施
例1と同様にして、X線回折試験および磁気特性の測定
を行った。これらの結果を表1に示す。
【0129】(比較例)前記実施例1と同様にして、組
成Aの母合金インゴットを鋳造した。
【0130】図4および図5に示す構成の急冷薄帯製造
装置1を用意し、底部にノズル(円孔オリフィス:オリ
フィス直径0.60mm)を設けた石英管内に前記母合
金インゴットを入れた。急冷薄帯製造装置1が収納され
ているチャンバー内を脱気した後、不活性ガス(アルゴ
ンガス、ヘリウムガス)を導入し、所望の温度および圧
力の雰囲気とした。
【0131】冷却ロール5としては、基部51と表面層
52とが一体構成されたもの(銅製、直径200mm)
を用いた。
【0132】その後、石英管内のインゴットサンプルを
高周波誘導加熱により溶解し、さらに、溶湯の噴射圧
(石英管の内圧と筒体2内における液面の高さに比例し
てかかる圧力の和と、雰囲気圧との差圧)を40kPa
に調整して、溶湯を冷却ロールの周面に向けて噴射し、
急冷薄帯(平均厚さt:約35μm、平均幅W:約1.
2mm)を得た。
【0133】このとき、冷却ロールの周速度は、12m
/秒、チャンバー内の雰囲気圧は、45kPaであっ
た。その後、この急冷薄帯に対して、Arガス雰囲気中
で700℃×300secの熱処理を施すことにより、
No.11の急冷薄帯サンプルを得た。
【0134】得られた急冷薄帯サンプルについて、実施
例1と同様にして、X線回折試験および磁気特性の測定
を行った。
【0135】これらの結果を表1に示す。
【0136】
【表1】
【0137】<総合評価>表1から明らかなように、本
発明の急冷薄帯であるサンプルNo.1〜No.10
(いずれも本発明)は、いずれも、優れた磁気特性(H
cJおよび(BH)ma x)を発揮している。その中でも、
合金組成中に所定量のNd、Pr、Dyを含む急冷薄帯
(No.6〜No.10)は、特に優れた磁気特性(H
cJおよび(BH)max)を発揮している。これに対し、
比較例であるサンプルNo.11は、磁気特性が劣って
いる。
【0138】(実施例3)実施例1、2および比較例で
製造したサンプルNo.1〜No.11の各急冷薄帯を
粗粉砕した後、Arガス雰囲気中で700℃×300s
ecの熱処理を施して、組成Aおよび組成Bの磁石粉末
を得た。
【0139】次に、粒度調整のために、この磁石粉末を
さらに粉砕機(ライカイ機)を用いてアルゴンガス中で
粉砕し、平均粒径40μmの磁石粉末とした。
【0140】この磁石粉末に、エポキシ樹脂を混合し、
これらを100℃×15分間、混練してボンド磁石用組
成物(コンパウンド)を作製した。このとき、磁石粉末
とエポキシ樹脂との配合比率(重量比)は、各ボンド磁
石についてほぼ等しい値とした。すなわち、各ボンド磁
石中の磁石粉末の含有量(含有率)は、約98.0wt
%であった。
【0141】次いで、このコンパウンドを粉砕して粒状
とし、この粒状物を秤量してプレス装置の金型内に充填
し、金型温度95℃、圧力8ton/cm2で圧縮成形
(無磁場中)した。このとき、結合樹脂は、軟化した状
態(ただし、硬化には至らない状態)であった。冷却
後、成形金型から離型し、150℃で結合樹脂を加熱硬
化させて、直径10mm×高さ7mmの円柱状のボンド
磁石を得た。得られたボンド磁石の密度ρは、いずれも
約6.2Mg/m3であった。
【0142】これらのボンド磁石について、磁場強度
3.2MA/mのパルス着磁を施した後、直流自記磁束
計(東英工業(株)製、TRF−5BH)にて最大印加
磁場2.0MA/mで磁気特性(磁束密度Br、保磁力
cJおよび最大磁気エネルギー積(BH)max)を測定
した。測定時の温度は、23℃(室温)であった。
【0143】次に耐熱性のテストを行った。この耐熱性
は、ボンド磁石を100℃×1時間の環境下に保持した
後、室温に戻した際の不可逆減磁率(初期減磁率)を測
定し、評価した。不可逆減磁率(初期減磁率)の絶対値
が小さいほど、耐熱性(熱安定性)に優れる。これらの
測定値を表2に示す。
【0144】
【表2】
【0145】表2から明らかなように、サンプルNo.
1〜No.10の磁石材料から得られたボンド磁石は、
いずれも、優れた磁気特性(Br、HcJおよび(BH)
max)を発揮するとともに、不可逆減磁率の絶対値が
4.3%以下と低く、熱的安定性(耐熱性)にも優れて
いる。
【0146】これに対し、比較例であるサンプルNo.
5に磁石材料から得られたボンド磁石は、磁気特性が劣
っているとともに、不可逆減磁率の絶対値が9.5%と
大きく、熱的安定性も低い。
【0147】(実施例4)サンプルNo.1〜No.1
1の磁石材料から実施例2と同様にして、外径22mm
φ×内径20mmφ×高さ4mmの円筒状(リング状)
の等方性希土類ボンド磁石を製造し、得られた各ボンド
磁石を8極に多極着磁した。着磁の際に着磁コイルに流
す電流値は16kAとした。
【0148】なお、このとき、着磁率90%を達成する
のに要した着磁磁界の大きさは、比較的小さく、よっ
て、着磁性は良好であった。
【0149】このようにして着磁された各ボンド磁石を
ロータ磁石として用いて、CD−ROM用スピンドルモ
ータを組み立てた。
【0150】各CD−ROM用スピンドルモータにおい
て、ロータを1000rpmで回転させたときの巻線コ
イルに発生した逆起電圧を測定した。その結果、サンプ
ルNo.11によるボンド磁石を用いたモータは電圧が
0.80Vであったのに対し、サンプルNo.1〜N
o.10によるボンド磁石を用いたモータは、0.96
Vと20%以上高い値が得られた。
【0151】その結果、本発明のボンド磁石を用いる
と、高性能のモータが製造できることが確認された。
【0152】ボンド磁石を押出成形により製造した以外
は、上記実施例3、4と同様にして本発明のボンド磁石
およびモータを製造し、性能評価を行ったところ、前記
と同様の結果が得られた。
【0153】ボンド磁石を射出成形により製造した以外
は、上記実施例3、4と同様にして本発明のボンド磁石
およびモータを製造し、性能評価を行ったところ、前記
と同様の結果が得られた。
【0154】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果が得られる。
【0155】・磁石材料が、ソフト磁性相とハード磁性
相とを有する複合組織となっており、しかもその性状、
特性が均一であるため、磁化が高く、優れた磁気特性を
発揮する。特に、固有保磁力と角型性が改善される。
【0156】・不可逆減磁率の絶対値が小さく、熱的安
定性(耐熱性)に優れる。 ・高い磁束密度が得られ、等方性であっても、高磁気特
性を持つボンド磁石が得られる。特に、従来の等方性ボ
ンド磁石に比べ、より小さい体積のボンド磁石で同等以
上の磁気性能を発揮することができるので、より小型で
高性能のモータを得ることが可能となる。
【0157】・また、高い磁束密度が得られることなど
から、ボンド磁石の製造に際し、高密度化を追求しなく
ても十分に高い磁気特性を得ることができ、その結果、
成形性の向上と共に、寸法精度、機械的強度、耐食性、
熱的安定性等の向上が図れ、信頼性の高いボンド磁石を
容易に製造することが可能となる。
【0158】・着磁性が良好なので、より低い着磁磁場
で着磁することができ、特に多極着磁等を容易かつ確実
に行うことができ、かつ高い磁束密度を得ることができ
る。
【0159】・高密度化を要求されないことから、圧縮
成形法に比べて高密度の成形がしにくい押出成形法や射
出成形法によるボンド磁石の製造にも適し、このような
成形方法で成形されたボンド磁石でも、前述したような
効果が得られる。よって、ボンド磁石の成形方法の選択
の幅、さらには、それによる形状選択の自由度が広が
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁石粉末における複合組織(ナノコン
ポジット組織)の一例を模式的に示す図である。
【図2】本発明の磁石粉末における複合組織(ナノコン
ポジット組織)の一例を模式的に示す図である。
【図3】本発明の磁石粉末における複合組織(ナノコン
ポジット組織)の一例を模式的に示す図である。
【図4】磁石材料を製造する装置(急冷薄帯製造装置)
の構成例を示す斜視図である。
【図5】図4に示す装置における溶湯の冷却ロールへの
衝突部位付近の状態を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1 急冷薄帯製造装置 2 筒体 3 ノズル 4 コイル 5 冷却ロール 51 基部 52 表面層 53 周面 6 溶湯 7 パドル 71 凝固界面 8 急冷薄帯 81 ロール面 82 フリー面 9A 矢印 9B 矢印 10 ソフト磁性相 11 ハード磁性相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K018 AA27 BA18 BB04 BB06 BC01 GA04 KA46 5E040 AA04 BB04 BB05 CA01 HB17 NN12 NN14 5E062 CC05 CD05 CE05 CG02

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類元素と遷移金属とBとを含む合金
    の溶湯を冷却体に接触させることにより得られ、かつ、
    その構成組織が、R2TM14B型相(ただし、Rは少な
    くとも1種の希土類元素、TMはFeを主とする遷移金
    属)とbcc構造のα−Fe型相とを有する複合組織と
    なっている薄帯状磁石材料であって、 前記冷却体と接触していた側の面である第1面と、前記
    第1面と反対側の面である第2面とについて、X線回折
    実験を行って得られる回折プロファイルにおいて、 前記第1面における前記R2TM14B型相の(410)
    面の回折強度をI1h、 前記第1面における前記α−Fe型相の(110)面の
    回折強度をI1s、 前記第2面における前記R2TM14B型相の(410)
    面の回折強度をI2h、 前記第2面における前記α−Fe型相の(110)面の
    回折強度をI2sとしたとき、 下記式[1]を満足することを特徴とする薄帯状磁石材
    料。 (I1h/I1s)/(I2h/I2s)≦5 ・・・[1]
  2. 【請求項2】 下記式[2]および[3]を満足する請
    求項1に記載の薄帯状磁石材料。 0.05≦I1h/I1s≦0.7 ・・・[2] 0.05≦I2h/I2s≦0.7 ・・・[3]
  3. 【請求項3】 前記希土類元素は、Ndおよび/または
    Prを主とするものである請求項1または2に記載の薄
    帯状磁石材料。
  4. 【請求項4】 前記希土類元素は、Prを含み、その割
    合が前記希土類元素全体に対し5〜75原子%である請
    求項1ないし3のいずれかに記載の薄帯状磁石材料。
  5. 【請求項5】 前記希土類元素は、Dyを含み、その割
    合が前記希土類元素全体に対し14原子%以下である請
    求項1ないし4のいずれかに記載の薄帯状磁石材料。
  6. 【請求項6】 前記R2TM14B型相の平均結晶粒径
    は、5〜100nmである請求項1ないし5のいずれか
    に記載の薄帯状磁石材料。
  7. 【請求項7】 前記α−Fe型相の平均結晶粒径は、5
    〜100nmである請求項1ないし6のいずれかに記載
    の薄帯状磁石材料。
  8. 【請求項8】 合金組成中にAlを含む請求項1ないし
    7のいずれかに記載の薄帯状磁石材料。
  9. 【請求項9】 合金組成が、Rx(Fe1-yCoy
    100-x-z-wzAlw(ただし、Rは少なくとも1種の希
    土類元素、x:7.1〜9.9原子%、y:0〜0.3
    0、z:4.6〜8.0原子%、w:0.02〜1.5
    原子%)で表される請求項1ないし8のいずれかに記載
    の薄帯状磁石材料。
  10. 【請求項10】 前記冷却体は、冷却ロールである請求
    項1ないし9のいずれかに記載の薄帯状磁石材料。
  11. 【請求項11】 前記冷却ロールは、ロール基材と、熱
    伝導率が前記ロール基材より低い表面層とを有するもの
    である請求項10に記載の薄帯状磁石材料。
  12. 【請求項12】 前記表面層は、セラミックスで構成さ
    れたものである請求項11に記載の薄帯状磁石材料。
  13. 【請求項13】 前記冷却体に接触後、熱処理が施され
    たものである請求項1ないし12のいずれかに記載の薄
    帯状磁石材料。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13に記載の薄帯状磁
    石材料を粉砕して得られたことを特徴とする磁石粉末。
  15. 【請求項15】 磁石粉末は、その製造過程で、または
    製造後少なくとも1回熱処理が施されたものである請求
    項14に記載の磁石粉末。
  16. 【請求項16】 平均粒径が0.5〜150μmである
    請求項14または15に記載の磁石粉末。
  17. 【請求項17】 請求項14ないし16のいずれかに記
    載の磁石粉末を結合樹脂で結合してなることを特徴とす
    るボンド磁石。
  18. 【請求項18】 磁石粉末の含有量が75〜99.5w
    t%である請求項17に記載の希土類ボンド磁石。
  19. 【請求項19】 保磁力HcJが320〜720kA/m
    である請求項17または18に記載の希土類ボンド磁
    石。
  20. 【請求項20】 最大磁気エネルギー積(BH)max
    40kJ/m3以上である請求項17ないし19のいず
    れかに記載の希土類ボンド磁石。
  21. 【請求項21】 不可逆減磁率(初期減磁率)の絶対値
    が6.2%以下である請求項17ないし20のいずれか
    に記載の希土類ボンド磁石。
  22. 【請求項22】 多極着磁に供される、または多極着磁
    された請求項17ないし21のいずれかに記載の希土類
    ボンド磁石。
  23. 【請求項23】 モータに用いられる請求項17ないし
    22のいずれかに記載の等方性ボンド磁石。
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