JP2002042830A - 固体高分子型燃料電池の製造方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池の製造方法

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JP2002042830A
JP2002042830A JP2000230476A JP2000230476A JP2002042830A JP 2002042830 A JP2002042830 A JP 2002042830A JP 2000230476 A JP2000230476 A JP 2000230476A JP 2000230476 A JP2000230476 A JP 2000230476A JP 2002042830 A JP2002042830 A JP 2002042830A
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organic group
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Eiji Endo
栄治 遠藤
Yasuhiro Kunihaza
康弘 国狭
Takashige Yoneda
貴重 米田
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定して高出力が得られる固体高分子型燃料電
池の製造方法の提供。 【解決手段】固体高分子型燃料電池を構成するリブ付セ
パレータ1の表面5、6が、ケイ素原子にイソシアネー
ト基又は加水分解性基と含フッ素有機基とが結合してい
るケイ素化合物により、当該ケイ素化合物の反応生成物
により被覆してセパレータの撥水性を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子型燃料
電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素・酸素燃料電池は、その反応生成物
が原理的に水のみであり、地球環境への影響が小さい発
電システムとして注目されている。特に、作動温度とし
て室温から100℃程度までが想定されている固体高分
子型燃料電池は、最も高出力が得られる可能性がある燃
料電池として開発が進められている。しかし、現在検討
されている固体高分子型燃料電池は作動温度が上述のよ
うに低いため、排熱が燃料電池の補機動力等に有効利用
しがたい欠点がある。これを補う意味でも固体高分子型
燃料電池は、特に高い出力密度が要求されている。また
実用化への課題として、燃料及び空気利用率の高い運転
条件でも高エネルギ効率、高出力密度が得られる燃料電
池の開発が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】固体高分子型燃料電池
における電解質としては、化学的安定性及び導電性の点
から主として超強酸であるスルホン酸基を有するパーフ
ルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜が用いら
れている。このような酸性電解質中では空気極におい
て、1/2O2+2H++2e-→H2Oの反応が起こり水
が生成する。
【0004】そのため低作動温度、高電流密度及び高ガ
ス利用率の運転条件では、特に水が生成する空気極にお
いて水蒸気の凝縮による電極多孔体の閉塞(フラッディ
ング)現象が起こりやすい。したがって、長期にわたっ
て燃料電池の安定な特性を得るためには、フラッディン
グ現象が起こらないように電極の撥水性を確保すること
が必要である。
【0005】固体高分子型燃料電池は、通常、電解質膜
と該膜の両面に配置された電極とからなる電極−膜接合
体と、表面に複数のリブを有するセパレータとを交互に
配置して、全体を締め付けることにより構成される
(「燃料電池設計技術」サイエンスフォーラム発行)。
この場合、セパレータのリブの間隙が空気及び燃料ガス
を供給する通路となるため、セパレータにおけるリブ付
近での水の凝縮はガス流路の閉塞を招き、ガスの本来の
流れを変化させる。そのため、電極の面内方向での反応
均一性を低下させ、反応熱による局部的温度上昇、又は
過電圧の上昇による電池の出力電圧の低下等の問題を生
ずる。
【0006】上記のようなセパレータのリブ付近での水
の凝縮によるガス流路の閉塞を抑制するため、従来よ
り、含フッ素重合体によって、複数のリブの間隙に面す
るセパレータの表面を被覆することが行われている。こ
こで使用される含フッ素重合体は溶媒に可溶なものと不
溶なものに大別できるが、従来は例えば、ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン
/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テト
ラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエ
ーテル)共重合体(PFA)等の溶媒に不溶のものが用
いられている。
【0007】これら含フッ素重合体を撥水化材料として
使用する場合には、通常、媒体に分散させた分散液をセ
パレータ基材に塗布し、乾燥し熱処理する。通常、この
分散液には含フッ素重合体を分散させるために界面活性
剤が添加されており、界面活性剤が残存すると充分に撥
水性を付与できないため、塗布した後界面活性剤を除去
する工程が必要となる。また、塗布する過程でも含フッ
素重合体が凝集し、凝集粒子の、いわゆる「だま」を生
じやすく、「だま」による閉塞を起こす問題もある。
【0008】セパレータのリブは、通常、断面が幅及び
高さともに0.5〜2mm程度の矩形で片端からもう一
方の端まで直線状に伸びており、このようなリブが0.
5〜2mmの間隔で複数個平行に設けられる。また、上
記リブは、ガス流速を確保するために直線状ではなく複
雑な曲線状に設けてもよい。さらに、セパレータの反対
側表面にも、通常、上記リブと直交する方向に同様に複
数のリブが設けられる。セパレータはこのような構成を
有しているため、界面活性剤や「だま」の除去が非常に
煩雑な作業となる。
【0009】また、移動機器用等の燃料電池の用途に
は、上記セパレータの材料として、通常のカーボン材料
に加え、シート状グラファイトや軽金属の開発が進めら
れている。この場合、シート状グラファイトでは側面か
らの水分の浸入による膨潤を防止するため、セパレータ
の撥水化処理は不可欠である。しかし、従来の含フッ素
重合体分散液を用いる方法では、その積層構造に由来す
る特性として塗布後の「だま」処理時にグラファイトが
剥離しやすい問題がある。また、軽金属製のセパレータ
の場合には、液体が含浸しないため従来の含フッ素重合
体分散液による方法では充分に付着しにくい。また、撥
水化材料として、フッ化ピッチを使用することも考えら
れるが、造膜性が悪く、密着力が弱い欠点を有するた
め、撥水化材料としては不適当である。
【0010】そこで本発明は、高出力が安定して得られ
る、セパレータを備える固体高分子型燃料電池を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、電解質膜と該
電解質膜の両面に配置された電極とからなる電極−膜接
合体と、該電極−膜接合体の両面に配置されたセパレー
タとを備える固体高分子型燃料電池の製造方法におい
て、前記セパレータの表面を、ケイ素原子にイソシアネ
ート基又は加水分解性基と含フッ素有機基とが結合して
いるケイ素化合物により処理することを特徴とする固体
高分子型燃料電池の製造方法を提供する。
【0012】本発明において、ケイ素原子にイソシアネ
ート基又は加水分解性基と含フッ素有機基とが結合して
いるケイ素化合物(以下、本ケイ素化合物という)のイ
ソシアネート基又は加水分解性基が直接又は水分の存在
下でセパレータ表面と反応すか、又はイソシアネート基
若しくは加水分解性基どうしが三次元的に網目状に縮重
合してセパレータ表面を被覆することにより、本ケイ素
化合物の反応生成物がセパレータ表面に安定に存在する
ことになる。
【0013】上記のようにしてセパレータ表面に存在す
る本ケイ素化合物の反応生成物は、ケイ素原子に1価含
フッ素有機基が結合していて、該1価含フッ素有機基の
存在により撥水性を有しているため、セパレータ表面に
充分にかつ耐久性のある撥水性を付与できる。
【0014】なお、イソシアネート基は加水分解成基の
1種であるという考え方もあるが、本明細書において
は、イソシアネート基と加水分解性基は異なる基として
記載する。
【0015】従来の方法では、複数のリブを有するセパ
レータに対し、溶媒に不溶のPTFE等の含フッ素重合
体によってセパレータの複数のリブの間隙の表面(リブ
の側面及び隣り合う2つのリブの間の底面)を被覆して
撥水化処理する場合は、当該含フッ素重合体が絶縁性で
あるため、電極−膜接合体と接触するセパレータのリブ
の上面すなわち通電面の被覆を防ぐ必要があり、操作が
煩雑であった。
【0016】一方、本ケイ素化合物によりセパレータ表
面を処理すると、本ケイ素化合物が単分子層又は数分子
層の厚さとなるように存在させることができ、その場合
でも本ケイ素化合物の反応生成物により充分にかつ耐久
性のある撥水性を付与できる。そのため、電極−膜接合
体と接触するセパレータ表面、すなわちリブを有するセ
パレータの場合はリブの上面を本発明の化合物で撥水化
しても導電性を損なうことがなく、セパレータの撥水化
処理は従来に比べ格段に容易となる。
【0017】
【発明の実施の形態】本ケイ素化合物としては下記式
1、式2又は式3で表される化合物が好ましい。ただ
し、式1中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子
又は炭素数1〜16の1価有機基であり、かつR1、R2
及びR3の少なくとも一つは含フッ素1価有機基であ
り、X1はハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ
基、アルコキシ置換アルコキシ基、アミノキシ基、カル
バモイル基又はイソシアネート基であり、a、b、cは
それぞれ独立に0〜3の整数であって1≦a+b+c≦
3である。
【0018】式2中、R4、R5、R6及びR7はそれぞれ
独立に水素原子又は炭素数1〜16の1価有機基であ
り、Yは炭素数1〜24の2価有機基であり、かつ
4、R5、R6、R7、Yの少なくとも一つは含フッ素有
機基であり、X2及びX3はそれぞれ独立にハロゲン原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ置換ア
ルコキシ基、アミノキシ基、カルバモイル基又はイソシ
アネート基であり、d、e、f及びgはそれぞれ0、1
又は2であって0≦d+e≦2かつ0≦f+g≦2であ
る。
【0019】式3中、R8、R9及びR11はそれぞれ独立
に水素原子又は炭素数1〜16の1価有機基又は−Z−
SiR’p4 3-pで表される基であり、R10は−Z−S
iR’p4 3-pで表される基(Zは炭素数1〜16の2
価有機基又は酸素原子であり、X4はハロゲン原子、ア
ルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ置換アルコキ
シ基、アミノキシ基、カルバモイル基又はイソシアネー
ト基であり、pは0、1又は2であり、R’は炭素数1
〜6のアルキル基である。)であり、R8、R9、R10
びR11の少なくとも1つは含フッ素1価有機基であり、
n、m、kはそれぞれ独立に1以上の整数である。
【0020】
【化4】
【0021】本発明における加水分解性基又はイソシア
ネート基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシ
ルオキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、アミノキシ
基、カルバモイル基又はイソシアネート基が好ましい。
式1においてはX1が、式2においてはX2及びX3が、
式3においてはR10を構成するX4が加水分解性基又は
イソシアネート基となっている。
【0022】本ケイ素化合物に含まれる含フッ素1価有
機基としては、下記に例示する1価有機基に含まれる水
素原子の1以上がフッ素原子と置換された有機基が好ま
しく、2以上のフッ素原子を含んでいるとよりセパレー
タの撥水性が高まるのでさらに好ましい。アルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基等の1価
の炭化水素基。クロロアルキル基等の1価のハロゲン化
炭化水素基。水酸基、エポキシ基、アミノ基、メルカプ
ト基、カルボキシル基等の官能基を有する1価の(ハロ
ゲン化)炭化水素基。炭素鎖の中間にエステル結合、エ
ーテル結合、チオエーテル結合、イミノ結合、アミド結
合等の連結結合を有する1価の(ハロゲン化)炭化水素
基。
【0023】含フッ素1価有機基が2以上のフッ素原子
を有する1価有機基である場合は、ポリフルオロアルキ
ル基、ポリフルオロオキサアルキル基、ポリフルオロチ
オキサアルキル基、又はこれらのいずれかの基とアルキ
レン基等の2価炭化水素基とがエステル結合等の連結結
合で結合した1価有機基(炭化水素基の他端でケイ素原
子と結合する)が好ましい。ポリフルオロアルキル基、
ポリフルオロオキサアルキル基、及びポリフルオロチオ
キサアルキル基は、ケイ素原子と結合する端部(その周
辺も含む)がアルキレン基(特に、エチレン基)であっ
て他の部分は水素原子が全てフッ素原子と置換されてい
る基(以下、パーフルオロ1価有機基という)であるこ
とが好ましい。
【0024】すなわち、2以上のフッ素原子を有する1
価有機基は、ケイ素原子に、フッ素原子を有しない2価
炭化水素基(例えば、メチレン基、エチレン基)を介し
て結合していることが好ましく、さらに前記2以上のフ
ッ素原子を有する1価有機基はパーフルオロ有機基であ
ると撥水性に優れるので好ましい。パーフルオロ1価有
機基としては、炭素数3以上のパーフルオロアルキル
基、パーフルオロオキサアルキル基、又はパーフルオロ
チオキサアルキル基が好ましく、特に炭素数3〜16の
パーフルオロアルキル基が好ましい。
【0025】本発明の燃料電池における電極−膜接合体
を製造する場合、電解質膜であるイオン交換膜上に電極
を直接形成する方法、カーボンペーパーなどの基材上に
一旦電極を層状に形成した後にこれをイオン交換膜に接
合する方法、別の平板上に電極を形成してこれをイオン
交換膜に転写する方法など種々の方法を採用できる。
【0026】ここで電極の形成方法としては、好ましく
は、白金族金属を活性炭等に担持した触媒粉末、イオン
交換樹脂、撥水化剤、及び必要に応じて、造孔剤、増粘
剤、希釈溶媒等を混合した混合液を、イオン交換膜又は
カーボンペーパー等の導電性多孔体に噴霧、塗布、濾過
等の既存の方法を用いて形成する。電極をイオン交換膜
と別個に形成した場合、電極のイオン交換膜への接合法
としては、ホットプレス法、接着法(特開平7−220
741、特開平7−254420等参照)等を適用でき
る。
【0027】本発明において、本ケイ素化合物によりセ
パレータの表面を処理し、本ケイ素化合物の反応生成物
からなる撥水化層をセパレータ表面に形成する方法とし
ては種々の方法を採用でき、例えば下記の方法が挙げら
れる。
【0028】本ケイ素化合物とセパレータを直接接触さ
せる方法。本ケイ素化合物とセパレータを絶乾雰囲気又
は大気中で直接接触させた後、必要に応じて余剰成分を
洗い流し水と接触させる方法。本ケイ素化合物の溶液中
にセパレータを浸漬し、その後取り出して水又は水蒸気
で処理する方法。あらかじめ本ケイ素化合物を水分の存
在下で加水分解した後、セパレータに塗布や噴霧する方
法等。これらの方法においては反応性を促進するために
適宜加熱してもよい。
【0029】本発明による固体高分子型燃料電池におい
ては、電解質膜であるイオン交換膜を構成する樹脂及び
好ましくは電極に含まれるイオン交換樹脂としては、ス
ルホン酸基を有する含フッ素重合体が好ましく、特に、
CF2=CF2に基づく重合単位とCF2=CF−(OC
2CFX)m−Op−(CF2n−SO3Hに基づく重合
単位(式中、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基
であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数
であり、pは0又は1である。)とからなる共重合体が
好ましい。
【0030】上記電解質膜と該膜の両面に接合された電
極とからなる電極−膜接合体は、セパレータと交互に複
数個積層し、全体を締め付けることにより、燃料電池の
スタックが構成される。図1に、本発明におけるセパレ
ータの一例として、複数のリブを有するセパレータの部
分断面斜視図を示す。セパレータの片面には、間隙に空
気を流通させるための複数のリブ1が形成されており、
他方の面には、間隙に水素を流通させるための複数のリ
ブ1’が形成されている。図1では、空気と水素の流れ
の方向が互いに直交する関係を示しているが、平行であ
ってもよい。
【0031】本発明においては、セパレータ表面全体が
本ケイ素化合物により処理されていてもガス(空気又は
水素)と接触する部分のみ本ケイ素化合物により処理さ
れていてもよい。すなわち、リブの側面3、3’と隣り
合う2つのリブ間の底面2は表面処理されていることが
好ましいが、リブの上面4は表面処理されていても表面
処理されていなくてもよい。リブの上面4が本ケイ素化
合物により処理されている場合は、形成される撥水化層
が厚すぎるとセパレータと電極間の導通を阻害して燃料
電池の出力が低くなったりガスの流路が狭められるおそ
れがある。
【0032】すなわち、セパレータ表面における撥水化
層の厚さは、撥水性を付与できかつ流路が著しく狭めら
れない範囲で選択される。通常、本ケイ素化合物が単分
子層から100分子層まで、特に2分子層から30分子
層までの範囲となるように本ケイ素化合物により表面処
理すると、充分に耐久性のある撥水性を付与でき好まし
い。ここでセパレータの材質は、好ましくはグラファイ
ト、軽金属又は軽金属合金である。
【0033】
【実施例】以下に実施例及び比較例により本発明の具体
的態様を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に
より限定されない。
【0034】[例1(実施例)]固体高分子型燃料電池
スタックを構成するセパレータ基材として、チタンから
なり、図1に示されるような断面が正方形のリブ(幅1
mm、高さ1mm)を表面及び裏面に有するもので、ガ
ス流路を形成するリブの間隙が、幅(底面)1mm、深
さ(側面)1mmのものを使用した。次に、CF3(C
27(CH22Si(NCO)3を1質量%の濃度で
1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオ
ロプロパンに溶解した溶液を調製した。この溶液に上記
セパレータ基材を浸漬して、引き上げ速度10cm/分
で引き上げるディップコートを行い、その後、温度30
℃、相対湿度80%の空気中に24時間保存し、次いで
100℃で1時間熱処理して撥水化処理したセパレータ
を得た。
【0035】[例2(実施例)]材質がカーボンである
以外は例1と同じセパレータ基材を用いた。撥水化処理
用溶液として(OCN)3Si(CH22(CF2
6(CH22Si(NCO)3を1質量%の濃度で1,3
−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロ
パンに溶解した溶液を調製した。この溶液に上記セパレ
ータ基材を浸漬して、引き上げ速度10cm/分で引き
上げてディップコートを行い、その後、温度30℃、相
対湿度80%の空気中に24時間保存し、次いで100
℃で1時間熱処理して撥水化処理したセパレータを得
た。
【0036】[例3(実施例)]撥水化処理に用いるデ
ィップコート用溶液として、式4に示す加水分解性ケイ
素化合物(ただし、式4中「Me」はメチル基、「E
t」はエチル基を示す。)を、1質量%の濃度になるよ
うにイソプロピルアルコールに溶解し、1質量%の硝酸
水溶液を前記加水分解性ケイ素化合物と同質量添加し、
3日間25℃で撹拌を継続し溶液を調製した。この溶液
に例2と同じセパレータ基材を10分間浸漬した。その
後、セパレータ基材を取り出し、温度30℃、相対湿度
80%の空気中に24時間保存し、次いで150℃で1
時間熱処理て撥水化処理したセパレータを得た。
【0037】
【化5】
【0038】[例4(比較例)]水にて0.5質量%に
希釈したPTFEの分散液を用い、この液に例1と同じ
セパレータ基材を浸漬して、引き上げ速度10cm/分
でディップコートを行い、300℃、空気中において3
0分間加熱した後、セパレータのガス流路を形成するリ
ブの間隙に面する部分(リブの側面及び隣り合うリブ間
の底面)以外の部分は、研磨することにより塗布された
層を除去し、ガス流路のみ撥水化処理されたセパレータ
を得た。
【0039】[例5(比較例)]例4と同じセパレータ
基材及びPTFEの分散液を用い、例4の操作(ディッ
プコート、加熱及び研磨)を3回繰り返すことにより、
ガス流路を厚く撥水化処理したセパレータを得た。
【0040】[電極−膜接合体の作製]カーボンブラッ
ク粉末に白金を40質量%担持した触媒と、イオン交換
容量が1.1ミリ当量/g乾燥樹脂であるCF2=CF2
に基づく重合単位とCF2=CF−OCF2CF(C
3)−OCF2CF2SO3Hに基づく重合単位とからな
る共重合体からなるイオン交換樹脂のエタノールを主溶
媒とする溶液とを混合し、触媒分散液とした。なお、触
媒分散液中の触媒(担体を含む)とイオン交換樹脂とは
質量比で80:20であった。
【0041】電解質膜としては、イオン交換容量1.0
ミリ当量/g乾燥樹脂、厚さ80μmのスルホン酸基を
有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換
膜(商品名:フレミオンS膜、旭硝子社製)を使用し
た。上記電解質膜の両面に、上記触媒分散液を、白金含
有量が0.5mg/cm2となるように噴霧し、120
℃にて1時間乾燥することにより、電極・膜接合体(電
極面積10cm2)を作製した。
【0042】[評価]例1〜5の撥水化処理を行ったセ
パレータについて、それぞれ撥水化層の一部を削り取っ
て触針式の膜厚計によりその厚さを測定した。また、ル
ーペにより直径0.1mm以上の凝集体(だま)の数を
数え、溝1本の長さ5cmあたりに存在する凝集体の平
均の数を求めた。
【0043】次に、例1〜5で得られたセパレータを用
いて、該セパレータと上記電極−膜接合体を交互に配置
し、全体を締め付けることにより、5個の電極−膜接合
体が6個のセパレータの間に交互に挟まれた燃料電池ス
タックを組み立てた。この燃料電池スタックに対して、
温度70℃、常圧にて水素及び空気を供給して0.5A
/cm2の定電流駆動で連続運転を行った。表1に各例
について、撥水化層厚さ、0.1mm以上の凝集体の
数、及び出力電圧の経時変化を示す。
【0044】
【表1】
【0045】例1〜3の電池では撥水化層の厚さがいず
れも測定限界の0.05μm以下であり、凝集体は観察
されなかった。また、出力電圧の経時変化も1000時
間後で1〜2mV程度であった。また本発明において
は、撥水化層の厚さが非常に薄いので処理前後で電極層
に接触する部分の導電性はほとんど低下しないため、比
較例のように電極層に接触する部分の塗布層を研磨によ
り除去して導電性を確保するという煩雑な工程なしに高
出力を安定して得られた。
【0046】
【発明の効果】本発明の固体高分子型燃料電池の製造方
法によれば、セパレータを容易に効率良く撥水化でき、
高出力を安定して得られる固体高分子型燃料電池が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数のリブを有するセパレータの部分断面斜視
図。
【符号の説明】
1、1’:リブ 2 :隣り合う2つのリブ間の底面 3、3’:リブの側面 4 :リブの上面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解質膜と該電解質膜の両面に配置された
    電極とからなる電極−膜接合体と、該電極−膜接合体の
    両面に配置されたセパレータとを備える固体高分子型燃
    料電池の製造方法において、前記セパレータの表面を、
    ケイ素原子にイソシアネート基又は加水分解性基と含フ
    ッ素有機基とが結合しているケイ素化合物により処理す
    ることを特徴とする固体高分子型燃料電池の製造方法。
  2. 【請求項2】前記ケイ素化合物は、下記式1で表される
    化合物である請求項1に記載の固体高分子型燃料電池の
    製造方法。ただし、式1中、R1、R2、R3はそれぞれ
    独立に水素原子又は炭素数1〜16の1価有機基であ
    り、かつR1、R2及びR3の少なくとも一つは含フッ素
    1価有機基であり、X1はハロゲン原子、アルコキシ
    基、アシルオキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、ア
    ミノキシ基、カルバモイル基又はイソシアネート基であ
    り、a、b、cはそれぞれ独立に0〜3の整数であって
    1≦a+b+c≦3である。 【化1】
  3. 【請求項3】前記ケイ素化合物は、下記式2で表される
    化合物である請求項1に記載の固体高分子型燃料電池の
    製造方法。式2中、R4、R5、R6及びR7はそれぞれ独
    立に水素原子又は炭素数1〜16の1価有機基であり、
    Yは炭素数1〜24の2価有機基であり、かつR4
    5、R6、R7、Yの少なくとも一つは含フッ素有機基
    であり、X2及びX3はそれぞれ独立にハロゲン原子、ア
    ルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ置換アルコキ
    シ基、アミノキシ基、カルバモイル基又はイソシアネー
    ト基であり、d、e、f及びgはそれぞれ0、1又は2
    であって0≦d+e≦2かつ0≦f+g≦2である。 【化2】
  4. 【請求項4】前記ケイ素化合物は、下記式3で表される
    化合物である請求項1に記載の固体高分子型燃料電池の
    製造方法。式3中、R8、R9及びR11はそれぞれ独立に
    水素原子又は炭素数1〜16の1価有機基又は−Z−S
    iR’p4 3-pで表される基であり、R10は−Z−Si
    R’p4 3-pで表される基(Zは炭素数1〜16の2価
    有機基又は酸素原子であり、X4はハロゲン原子、アル
    コキシ基、アシルオキシ基、アルコキシ置換アルコキシ
    基、アミノキシ基、カルバモイル基又はイソシアネート
    基であり、pは0、1又は2であり、R’は炭素数1〜
    6のアルキル基である。)であり、R8、R9、R10及び
    11の少なくとも1つは含フッ素1価有機基であり、
    n、m、kはそれぞれ独立に1以上の整数である。 【化3】
  5. 【請求項5】前記含フッ素1価有機基は、フッ素原子を
    2以上有する有機基が、フッ素原子を有しない2価の炭
    化水素基に結合している有機基である請求項1〜4のい
    ずれかに記載の固体高分子電解質型燃料電池の製造方
    法。
  6. 【請求項6】前記セパレータは、複数のリブを有する請
    求項1〜5のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006134764A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Toyota Motor Corp 燃料電池用部材、燃料電池用セパレータ、および燃料電池
JP2006185901A (ja) * 2004-12-02 2006-07-13 Dainippon Printing Co Ltd 固体高分子形燃料電池用撥水性セパレータ
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