JP2002042385A - マスタ−スタンパの製造方法及び光情報記録媒体 - Google Patents

マスタ−スタンパの製造方法及び光情報記録媒体

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JP2002042385A
JP2002042385A JP2000222003A JP2000222003A JP2002042385A JP 2002042385 A JP2002042385 A JP 2002042385A JP 2000222003 A JP2000222003 A JP 2000222003A JP 2000222003 A JP2000222003 A JP 2000222003A JP 2002042385 A JP2002042385 A JP 2002042385A
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Wataru Ogawa
渉 小川
Hirotoshi Ono
浩利 大野
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に形成したピット及びグルーブが平滑
な各面を有する台形状として成形できる基板成形用のマ
スタ−スタンパを製造する方法を提供する。を提供す
る。 【解決手段】 ROM領域、追記領域を設けた基板1上
に、有機色素膜2と反射膜3とを少なくとも積層したP
−ROM Aの基板1を成形するマスタ−スタンパ14
を製造する方法であって、第1工程〜第7工程を備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスタ−スタンパ
の製造方法及び光情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報記録媒体として、コンパクトディス
ク(以下「CD」と記す)に代表されるように、予め記
録された幾何学的な凹凸として形成されたピットを読み
出す再生専用(ROM)型の光ディスクがあり、また記
録可能な光ディスクとして、有機色素を用いた1回だけ
記録出来る追記型ディスク(あるいは、ライトワンスデ
ィスクとも呼ばれる)として、CD−Rがある。
【0003】また、前記した再生専用領域と追記領域と
の両方の領域を同心円状に形成して1枚のディスクの中
に混在させたパ−シャルROM(以下「P−ROM」と
記す)あるいはハイブリッドディスクと呼ばれるディス
クも提案されている。
【0004】さらに、光磁気膜又は相変化膜を用いた書
換え可能なディスクとして、デジタル多用途ディスク
(以下「DVD」と記す)−RW,DVD−RAM等が
提案されており、記録再生領域がグル−ブによるRAM
領域と、コントロ−ルデ−タやコピ−プロテクションデ
−タはエンボスピットで形成されたROM領域とが混在
した形で提案されている。
【0005】さて、前記したP−ROMあるいは書換え
可能なディスクは、一般的にROM領域はピット、追記
領域又はRAM領域はグル−ブと呼ばれるトラッキング
を取るための案内溝が設けてある。このピットとグル−
ブとの深さは、一般的にピットが深くグル−ブは浅くし
てあり、どちらも記録又は再生時の回転制御とアドレス
信号を読み出す方法として、単一周波数によるウオブリ
ング方式が採用されている。即ち、このウオブリングさ
れたピットとウオブリングされたグルーブとを用いてい
る。
【0006】ところで,前記したピットの深さとグル−
ブの深さとを変えてピット及びグルーブを形成する方法
としては、主に次の(1)〜(3)の方法がある。 (1) カッティング時に記録ビ−ムのレ−ザ光強度を
変える方法であり、一方の記録ビームは強い照射光量で
レジストの底まで打ち抜き、原盤内に深いピットを作成
する。もう1つは弱い照射光量でレジストの途中まで露
光する、いわゆるハ−フカットで、原盤内に浅いグル−
ブを形成するといった2ビ−ムでカッティングする方法
である(例えば特許第2998681号公報)。
【0007】(2) 原盤表面に対するレジストの塗布
を2回に分けて行う方法であり、まず第1露光はマ−カ
マスクを用いた密着露光によりレジストを露光して、そ
れをマスクに石英原盤をエッチングし、次のグル−ブ形
成もマスクを用いてレジストを密着露光をしてパタ−ン
を形成する。深さの変更は石英原盤のエッチング条件で
深さを変える方法である(例えば特許第2997384
号公報)。
【0008】(3) グル−ブとピットとを重ねて同時
露光をしてROM領域のピット列に沿ってこのピット列
より浅い連続グル−ブを形成する方法である(例えば特
開平5−36087号公報)。
【0009】一般に2ビ−ム露光方式は、簡単であるが
グル−ブはレジストを原盤表面(ガラス面)まで打ち抜
かないハ−フカットであるために、グル−ブ底面が荒れ
るから、ジッタ等の信号特性が悪化するという問題があ
る。その対策として、前記した(1)の方法では、グル
−ブは記録に不適としてランドのみ用いて記録するよう
にしている。しかし、高密度記録対応のDVD−RWや
DVD−RAMにおいては、グル−ブ及びランドに共に
記録しなければならないので、この(1)の方法は採用
できない。
【0010】また、一般にエッチング方式では、2回に
分けて露光するために、グル−ブとランドとの位置情報
を一致させることが非常に難しい問題がある。そのため
に、前記した(2)の方法では、マスクを用いた露光に
よる位置合わせを行っているが、この場合マスクを作成
する必要や、露光時のディフェクト増大の問題があり、
あまり実用的ではない。
【0011】さらに、前記した(3)の方法のように、
ROM領域において2ビ−ムを利用してグル−ブとピッ
トとを重ねて同時露光するものがあるが、ROM領域
(ピット)の再生ジッタは向上するが、RAM領域(グ
ルーブ)はハ−フカットであるために、この再生ジッタ
等の信号特性は悪化する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述した問題点をさら
に具体的に説明する。まず、前記した書換え可能なDV
D−RWのディスクについては、繰り返し記録可能なR
AM領域のグル−ブは、ここに連続記録されるHF信号
(高周波信号)には影響を与えずに、記録時の回転制御
とアドレス信号を読み出す方法として、単一周波数によ
るウオブリングが採用されている。このグル−ブ形状と
しては、深さd2=約30nm、グル−ブトップの幅w
3=約400nm、グル−ブ底の幅w4=約300nm
の台形グル−ブが用いられている。
【0013】また、このRAM領域(デ−タ記録領域)
より内周側にはコントロ−ルデ−タやコピ−プロテクシ
ョン等を含むリ−ドイン領域があり、一般のROM領域
と同じエンボスピットで形成されている。このエンボス
ピットは、ピットとランドとの深さの差による読み出し
レ−ザ光の位相差を利用して信号を読み出すために、λ
/(4×ns)の位相深さ{但し、λ:レ−ザ波長63
5nm、ns:PC(ポリカーボネイト)製基板屈折率
1.58}より、やや浅めの約80nmの深さに設定し
てある。このように深さの違うピットとグル−ブが完全
に同期したウオブリングで連続して繋がっていなければ
ならず、こうしたディスク基板の製作は困難である。
【0014】前記したグル−ブとピットとを重ねて同時
露光する(3)の方法を用いて、DVD−RWを作成し
た結果、ROM領域及びRAM領域を再生したときのジ
ッタは非常に悪かった。この原因を調べた結果、RAM
領域のグル−ブがハ−フカットでカットされて、グル−
ブ形状が台形でなくV溝になっているために、ROM領
域のピットのエッジが平坦でない。また、RAM領域の
グル−ブでもV溝だと特にグル−ブのエッジがギザギザ
になったり、グル−ブ底面の凸凹がどうしても発生して
おり、DVD−RWの場合は再生ジッタ8%以下の規格
となっているため、ハ−フカットのこうした形状のグル
−ブではどうしても規格内のジッタは得られなかった。
【0015】さらに、前記したP−ROMに関しては、
ROM領域のピット、RAM領域はグル−ブと呼ばれる
トラッキングを取るための案内溝が設けてある。このR
OM領域とRAM領域とを1枚のディスクの自由な場所
に設けるようにするには、ROM領域とRAM領域とを
含むディスク全面に有機色素を塗布する必要がある。し
かしROM領域とRAM領域の両方に有機色素を塗布し
て有機色素膜を形成しこの有機色素膜上に反射膜、保護
膜を形成してディスクとして完成状態になった後に、こ
のROM領域あるいはRAM領域の両方から良好な信号
を得るためには、ROM領域のピット深さとRAM領域
のグル−ブ深さとを厳密に制御する必要がある。このP
−ROMを実現するためには、ピットの深さd1=20
0nm以上350nm以下(好ましくは280〜320
nm)、グル−ブの深さd2=100nm以上190n
m以下(好ましくは150nm〜170nm)であり、
グル−ブの深さd2はピットの深さd1より浅くしなけ
ればならず(d1>d2)、しかも信号特性の良いディ
スクを作成することは非常に困難であった。
【0016】この有機色素を用いるP−ROMを、前記
した(3)の方法のように、グル−ブとピットとを重ね
て同時露光する2ビ−ムカットでカッティングをしてデ
ィスクを作成した結果、ROM領域及びRAM領域の各
再生ジッタともに40nsとなり、オレンジブック規格
であるジッタ35ns以下を達成することが出来なかっ
た。その原因を調べた結果、上記DVD−RWの時と同
じように、グル−ブ露光がハ−フカットであるためにグ
ル−ブ形状の安定性再現性が悪いことが原因であること
がわかった。因みにオレンジブック規格とは世界標準規
格であるCD−Rの規格中に規定されているハイブリッ
ド(パーシャルROM)の規格のことである。
【0017】そこで、本発明は、まず基体上の再生専用
領域及び記録再生領域にそれぞれ対応する領域にウオブ
リングした連続グル−ブを形成し、この後、再生専用領
域内に形成されている連続グル−ブにフォーカスを合わ
せつつ、この連続グルーブに追従してトラッキングを取
りながら、連続グルーブ上のアドレス情報を読んでい
き、連続グルーブ上の所定位置が到来したら、ここにピ
ットを露光することによって、ウオブリングした連続グ
ル−ブ内にありかつ連続グル−ブの深さよりも深いピッ
トを形成し、次に再生専用領域及び記録再生領域にそれ
ぞれ対応するピット及び連続グル−ブを設けた基体上に
金属電鋳を施し、最後にこの基体上から金属膜を剥離す
ることによってマスタ−スタンパを製造する方法を提供
し、また、このマスタ−スタンパを用いて成形した基板
上に記録膜、反射膜を少なくとも積層することによって
得た光情報記録媒体を提供することによって、この基板
に形成されているピット及びグルーブの各形状は凹凸が
ほとんどなく平坦な面を有する台形状とすることがで
き、また、この基板に形成されているピット及びグルー
ブに対して読出し用レーザ光を照射することにより得ら
れる戻り光の位相が、ピット及びグルーブとで所定の位
相関係(例えば互いに逆位相の関係)を得ることができ
るから、この結果、再生専用領域及び記録再生領域から
の読出し信号にはジッタが少なくなり、高C/Nの再生
信号を得ることを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、次の(1)〜(3)の構成を有する
マスタ−スタンパの製造方法及び光情報記録媒体を提供
する。 (1) 図2に示すように、再生専用領域(ROM領
域)及び記録再生領域(追記領域、RAM領域、書換え
領域)を設けた基板1上に、記録膜(有機色素膜、光磁
気膜、相変化膜)2と反射膜3とを少なくとも積層して
なる光情報記録媒体(P−ROM、書換え型光情報記録
媒体)Aの前記基板1を成形するマスタ−スタンパ14
を製造するためのマスタ−スタンパの製造方法であっ
て、平坦な基体(石英原盤)8上に第1レジスト9を塗
布する第1工程と、前記再生専用領域及び前記記録再生
領域に対応する前記第1レジスト9上の領域に、ウオブ
リングした連続グル−ブ7を露光し、この露光の後に現
像する第2工程と、前記第1レジスト9をマスクにして
前記基体8をドライエッチングし、このドライエッチン
グの後に前記第1レジスト9を除去して、前記基体8上
の前記再生専用領域及び前記記録再生領域に対応する領
域に、ウオブリングした前記連続グル−ブ7を形成する
第3工程と、少なくとも前記再生専用領域(前記基体8
上の再生専用領域及び記録再生領域を含む全面領域)に
第2レジスト12を塗布する第4工程と、前記再生専用
領域内にある前記連続グル−ブ7aをピットの露光直前
までに走査して得たトラッキング情報及びアドレス情報
に基づいて、前記第2レジスト12上に所要のピットを
露光し、この露光の後に現像する第5工程と、前記第2
レジスト12をマスクにして前記基体8をドライエッチ
ングし、このドライエッチングの後に前記第2レジスト
12を除去して、前記再生専用領域に対応する前記基体
8上に、ウオブリングした前記連続グル−ブ7内にあり
かつ前記連続グル−ブ7の深さd2よりも深い(深さd
1の)ピット5を形成する第6工程と、前記再生専用領
域及び前記記録再生領域にそれぞれ対応する前記ピット
5及び前記連続グル−ブ7を設けた前記基体8上に、金
属(ニッケル)電鋳13を施す第7工程とを備え,前記
第7工程後、前記基体8上から金属膜を剥離することに
より、マスタ−スタンパ14を製造することを特徴とす
るマスタ−スタンパの製造方法。 (2) 請求項1記載のマスタ−スタンパの製造方法に
より製造されたマスタ−スタンパ14を用いて成形した
基板1を備えた光情報記録媒体Aであって、前記基板1
上に、記録膜2と反射膜3とを少なくとも積層してな
り、前記前記基板1には、ウオブリングした連続グルー
ブ7を設けた記録再生領域と、ウオブリングした前記連
続グル−ブ7内にありかつ前記連続グル−ブ7の深さd
2よりも深い(深さd1の)ピット5を設けた再生専用
領域とを有することを特徴とする光情報記録媒体。 (3) 請求項2記載の光情報記録媒体であって、前記
記録膜2は、有機色素膜、光磁気膜、相変化膜のいずれ
か1であることを特徴とするマスタ−スタンパの製造方
法。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のマスタ−スタンパ
の製造方法及び光情報記録媒体の実施の形態につきその
好ましい実施例について、図1〜図3を用いて説明す
る。図1は本発明の光情報記録媒体の断面構造図、図2
は本発明のマスタ−スタンパの製造方法の工程を説明す
るための図、図3はレーザ露光装置の光学系を説明する
ための図である。
【0020】本発明の光情報記録媒体は、予め情報が記
録された再生専用領域であるROM領域と、随時又は追
加して情報の書き込みが可能な追記領域とを備えたいわ
ゆるP−ROM(パ−シャルROM)あるいはハイブリ
ッドディスク等の追記型光情報記録媒体に関する。ま
た、本発明の光情報記録媒体は、光磁気媒体、相変化媒
体を記録膜として用いたかつグル−ブで形成されたRA
M領域と、このRAM領域よりも内周側にありコントロ
−ルデ−タやコピ−プロテクションデ−タ等を含む前記
ROM領域のピットと同じエンボスピットで形成されて
いるリ−ドイン領域とを有する書換型光情報記録媒体に
関する。
【0021】前記した追記型光情報記録媒体と書換型光
情報記録媒体とは、下記する記録層2を構成する媒体の
種類が違うだけでその他の構成は略同一であるから(即
ち追記型光情報記録媒体の記録層は有機色素膜で構成さ
れ,これに対して書換型光情報記録媒体の記録層は光磁
気媒体膜、相変化媒体膜で構成されているから)、以
下、本発明の光情報記録媒体の実施例として追記型光情
報記録媒体についてのみ説明する。
【0022】さて、本発明の光情報記録媒体の一実施例
である追記型の光情報記録媒体Aは、図1に示すよう
に,光透過性のディスク基板1の信号面1a上に、有機
色素膜である記録膜2、反射膜3、保護膜4が順次積層
されている。ディスク基板1の信号面1aの反対側にあ
る光入射面1bには、記録又は再生用のレーザ光が照射
方向L側から照射される。ディスク基板1の信号面1a
上には、ROM領域内にピット5、ランド6、追記領域
内にグルーブ7がそれぞれ形成されている。図1はRO
M領域と追記領域の境界部分を示している。ROM領域
は図中中央から左側に延在しており,一方追記領域は図
中中央から右側に延在している。
【0023】前記した光情報記録媒体AはROM領域
(ピット5)と追記領域(グルーブ7)が同一基板1上
に設けられている。そしてROM領域(ピット5)と追
記領域(グルーブ7)に形成されている連続グルーブ7
の各アドレス情報との同期を完全に取ってピット5を形
成してある。このピット5の深さd1を深く、グル−ブ
7の深さd2をピット5より浅くする(d1>d2)。
また、ピット5はグル−ブ7上にピットを重ねて露光す
ることにより形成される(2重露光によりピット5が形
成される)。この結果,ピット5、グル−ブ7ともに、
完全にきれいな(底面部、両側面部に凹凸がなく平滑で
ある)台形をした形状が得られることにより、ジッタ等
の信号特性が良好なディスクを得ることができる。
【0024】次に、具体的な[実施例1]〜[実施例
4]について説明する。 [実施例1]上記の光情報記録媒体A(図1)を製造す
るための原盤製造工程を、図2に沿って説明する。
【0025】(1) まず石英原盤8を研磨洗浄し、カ
ッティング面8aを平坦化する(図2に示す工程
(1))。 (2) 石英原盤8のカッティング面8a上に、第1の
レジスト(膜厚は100nm〜300nm)9を塗布
し、80℃で30分プリベ−クする(図2に示す工程
(2))。
【0026】(3) カッテング用レーザ光10を集光
レンズ11で第1のレジスト9上に集光し、第1のレジス
ト9上にROM領域及び追記領域の全ての領域にウオブ
リングした連続グル−ブを露光する(図2に示す工程
(3))。 (4) 石英原盤8を回転させながら現像液をスプレ−
してレジスト現像し、水洗した後乾燥させる(図2に示
す工程(4))。
【0027】(5) 第1のレジスト9をマスクにして
ドライエッチングで石英原盤8をエッチングしグル−ブ
7,7aを形成する。エッチングガスとしてはフロン1
4(CF4)又はフロン23(CHF3)もしくはCF4
に酸素(O2)を0〜10%(好ましくは5%)加えた
ガスを使用する。エッチング条件としては、ガス圧力1
3.3Pa,ガス流量15sccm、高周波(RF)パワ
−200W、エッチング速度1nm/s、である(図2
に示す工程(5))。6はランド。
【0028】(6) 第1のレジスト9を除去し洗浄し
乾燥する。除去する方法として、有機溶剤を用いるウエ
ット処理又は酸素プラズマを用いるドライ処理どちらで
も良く、また併用しても良い(図2に示す工程
(6))。 (7) 上記グル−ブ7,7aが形成された石英原盤8
上に第2のレジスト12を前記した(2)と同様に塗布
しプリベ−クする(図2に示す工程(7))。
【0029】(8) カッテング用レーザ光10を集光
レンズ11で第2のレジスト12上に集光し、ROM領
域だけに上記グル−ブ7aをもとにトラッキングを取り
ながら、さらに必要に応じてトラックのアドレスをデコ
−ドする方法によってピットをグル−ブ7aと同期し
て、グル−ブ7a上に重ねてピットを露光する(図2に
示す工程(8))。
【0030】(9) 前記した(4)と同様にして第2
のレジスト12を現像する(図2に示す工程(9))。 (10) 前記した(5)と同様に第2のレジスト12
をマスクにしてピット5のエッチングを行なう(図2に
示す工程(10))。 (11) 前記した(6)と同様に第2のレジスト12
を除去し洗浄し乾燥する(図2に示す工程(11))。
【0031】(12) エッチングし、ピット5とグル
−ブ7とが出来た石英原盤8の表面8aをNiスパッタ
(膜厚100nm)して表面を導電化した後、ニッケル
メッキを用いたNi電鋳13をして(膜厚250μm)
マスタ−スタンパ14を形成する(図2に示す工程(1
2))。
【0032】(13) 石英原盤8からマスタ−スタン
パ14を剥がし、マスタ−スタンパ14の裏面平坦加工
や裏ずりを行い所定の板厚加工し、さらに内周穴加工及
び外周加工を行いマスタ−スタンパ(成形用スタンパ)
14が完成する。尚石英原盤8は再洗浄して、何回も
(取り扱い上のキズ発生等もあるので10回位までは可
能)使用してマスタ−スタンパ14を作ることが可能で
ある(図2に示す工程(13))。
【0033】以上の(1)〜(13)の工程を得て、前
記した光情報記録媒体Aのディスク基板1を成形するた
めのマスタ−スタンパ14の製造を行うことができる。
この後、成形用スタンパとしてマスタ−スタンパ14を
射出成形機に取り付けて、一般的にはポリカ−ボネイト
樹脂(PC)を用いてディスク基板1を成形する。その
後、ディスク基板1上に、有機色素膜である記録膜2、
反射膜3、保護膜4を順次成膜することにより光情報記
録媒体Aが完成する。
【0034】ところで、上記の[実施例1]の工程
(3),(8)で用いられるカッティングマシン(レー
ザ露光装置)は、図3に示す光学系を有するものであ
る。即ち、前記した工程(8)の露光にて、石英原盤8
上のROM領域内に形成してあるグルーブ7(工程
(3)の露光で)に対して、フォーカスを合わせつつ、
グルーブ7に追従してトラッキングを取りながら、連続
したグルーブ7上のアドレス情報を読んでいき、連続し
たグルーブ7上の所定位置が到来したら、ROM領域内
のグルーブ7a上にピット5をカッティングする装置で
ある。通常のカッティング光学系(カッティング用レー
ザ光源16〜AOM(音響光学光変調器)17〜ミラー
18〜AOD(Acousto Optical Deflector,音響光
学偏向素子)19〜λ/2板20〜ミラー21〜プリズ
ム22〜ミラー23〜集光レンズ11で構成される光学
系)に加えて、前記トラッキング及びアドレス同期を取
る新光学系(トラッキング用レーザ光源)24、偏光ビ
ームスプリッタ(PBS)25、ホトダイオード26、
アドレス信号検出回路27、トラッキング誤差検出回路
28、増幅器(AMP)29で構成される光学系)を備
えたものである。前記したAOD18はウオブリングし
たグルーブ7に対応するように露光ビームに対して光学
偏向を施すためのものである。
【0035】前記した新光学系の動作は、トラッキング
用レーザ光源24から、PBS25、プリズム22、ミ
ラー23、集光レンズ11を経て、石英基盤8上の追記
領域内のグルーブ7上にトラッキング用レーザを照射
し、そのレーザの戻り光をホトダイオード26で検出
し、アドレス信号検出回路27でこのグルーブ7のグル
ーブアドレス情報を読み、このグルーブアドレス情報を
AOM(Acousto OpticalModulator,音響光学変調
器)17に供給してここのピットアドレス情報を元にピ
ット情報を記録する。又、ホトダイオード26の出力
は、トラッキング誤差検出回路28でトラッキング誤差
信号を検出し、このトラッキング誤差信号をAMP29
を介して18〜AOD19にすることでトラッキングサ
ーボを行い、ピット5をカッティング中のカッティング
用レーザ光を追記領域内のグルーブ7に2重に同期させ
て、ROM領域内のグルーブ7a上にピット5を2重露
光する。AOM17はカッティング用レーザ光源16か
ら出射されたレーザ光に対して光変調を施すためのもの
である。
【0036】[実施例2]前述した[実施例1]によっ
て作成された石英原盤8(図2に示す工程(11))、
あるいは、マスタ−スタンパ14によって成形されたデ
ィスク基板1には、図1に示すように,ROM領域にピ
ット5、追記領域にグル−ブ7がそれぞれ設けてあり、
この両領域上に、有機色素膜である記録膜2、反射膜
3、保護膜4を順次成膜することによって前述したP−
ROMが得られる。
【0037】ここで、このP−ROMの、ピット5、グ
ル−ブ7に対する読出し用レ−ザ光の位相差を考慮する
と(例えば読出し用レ−ザ光をピット5に照射した戻り
光の位相と、読出し用レ−ザ光をグル−ブ7に照射した
戻り光の位相とは、互いに逆相の関係であることを考慮
すると)、図1に示すように、ピット5の深さd1を2
50nm〜320nmと深くして、グル−ブ7の形状は
台形にして深さd2はピット5の深さd1より浅い15
0nm〜190nmの形状のディスク(P−ROM)を
作成すれば良いことが分かるので、それに基づいてP−
ROMを作成した。
【0038】このP−ROMからの再生信号特性を見た
結果、ROM領域及び追記領域どちらからも良好な信号
特性が得られた。電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微
鏡(AFM)等で、ピット5及びグル−ブ7の形状を調
べた結果、ピット深さd1=280nm、ピット幅(上
部)w1=600nm、グル−ブ深さd2=160n
m、グル−ブ幅w4=630nmであり、どちらもきれ
いな台形をしていた。なおランド6の有機色素の膜厚2
a=100nmであった。
【0039】前記の[実施例2]では記録又は読出し用
のレーザ光のレ−ザ波長780nmについて記述してい
るが、たとえばDVD−Rのパ−シャルROM(P−R
OM)の場合は、レ−ザ波長650nmのレーザ光を用
いるので、これによる最適なピット深さ及びグル−ブ深
さは上記の深さd1,d2の(650/780)倍とな
るので、この場合、ピット深さd1=205nm〜26
5nm、グル−ブ深さd2=125nm〜160nmが
良いと考えられる。
【0040】[実施例3]前述した[実施例1]に従っ
て作成した書換え可能なDVD−RWのディスクにおい
て、前記した追記領域の替わりに置換した書換え領域の
グル−ブ7は、連続記録されるHF信号には影響を与え
ずに、記録時の回転制御とアドレス信号を読み出す方法
として、単一周波数によるウオブリングが採用されてお
り、グル−ブ形状としては、グルーブの深さd2=約3
0nm、グル−ブトップの幅w3=約400nm、グル
−ブ底の幅w4=約300nmの台形グル−ブが良い。
【0041】またデ−タ記録領域(ROM領域及び書換
え領域)より内周側にはコントロ−ルデ−タやコピ−プ
ロテクション等を含むリ−ドイン領域があり、ROM領
域のピット5と同じエンボスピットで形成する。このエ
ンボスピットは、前記した[実施例1]に示す方法でグ
ル−ブ7にトラッキングを取りながら、さらにアドレス
情報も同期を取るために必要に応じてトラックのアドレ
スをデコ−ドする方法でグル−ブ7a上にピットを重ね
て露光して形成する。
【0042】このピット形状としては、ピット5とラン
ド6との深さの差d1による前記した読出し用のレ−ザ
光の位相差を利用して信号を読み出すために、λ/(4
×ns)の位相深さ{λ:レ−ザ波長635nm、n
s:PC基板1屈折率1.58}よりやや浅めの約80
nmの深さd1に設定してある。またピットトップの幅
w1=約430nm、ピット底の幅w2=約300nm
の台形ピットが良い。これらに基づいて、DVD−RW
のディスクを作成した結果、ジッタ等の再生信号特性は
ROM領域及び書換え領域とも良好な特性を示した。
【0043】[実施例4]前記した[実施例2]のP−
ROM及び[実施例3]のDVD−RWの各ディスクの
耐湿性を向上するために、透明なディスク基板1のピッ
ト5が設けられている面とは反対の面側(通常ミラ−面
と呼ぶ。光入射面1b)に、スパッタで成膜したSiN
X, SiOX等の屈折率2.1前後の透明な誘電体膜を5n
m以上成膜すると、下記する表1に示すように、ディス
クの吸水率が少なくなり、耐湿性が向上する。この透明
な誘電体膜の膜厚は好ましくは10nmの厚さで成膜す
ると良い。
【0044】
【表1】
【0045】前記したSiNXの成膜条件としては、圧
力0.6Pa、Ar流量20sccm、N2流量12s
ccm、DC電力250W(0.5A−500V)の条
件で反応性スパッタ方法で成膜した。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、まず基
体上の再生専用領域及び記録再生領域にそれぞれ対応す
る領域にウオブリングした連続グル−ブを形成し、この
後、再生専用領域内に形成されている連続グル−ブにフ
ォーカスを合わせつつ、この連続グルーブに追従してト
ラッキングを取りながら、連続グルーブ上のアドレス情
報を読んでいき、連続グルーブ上の所定位置が到来した
ら、ここにピットを露光することによって、ウオブリン
グした連続グル−ブ内にありかつ連続グル−ブの深さよ
りも深いピットを形成し、次に再生専用領域及び記録再
生領域にそれぞれ対応するピット及び連続グル−ブを設
けた基体上に金属電鋳を施し、最後にこの基体上から金
属膜を剥離することによってマスタ−スタンパを製造す
る方法を提供することができ、また、このマスタ−スタ
ンパを用いて成形した基板上に記録膜、反射膜を少なく
とも積層することによって得た光情報記録媒体を提供す
ることができることによって、この基板に形成されてい
るピット及びグルーブの各形状は凹凸がほとんどなく平
坦な面を有する台形状とすることができ、また、この基
板に形成されているピット及びグルーブに対して読出し
用レーザ光を照射することにより得られる戻り光の位相
が、ピット及びグルーブとで所定の位相関係(例えば互
いに逆位相の関係)を得ることができるから、この結
果、再生専用領域及び記録再生領域からの読出し信号に
はジッタが少なくなり、高C/Nの再生信号を得る効果
を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光情報記録媒体の断面構造図であ
る。
【図2】 本発明のマスタ−スタンパの製造方法の工程
を説明するための図である。
【図3】 レーザ露光装置の光学系を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 基板、ディスク基板 2 記録膜 3 反射膜 5 ピット 7 グル−ブ 8 石英原盤(基体) 9 第1レジスト 12 第2レジスト 13 電鋳 14 マスタ−スタンパ A 光情報記録媒体 d1,d2 深さ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生専用領域及び記録再生領域を設けた
    基板上に、記録膜と反射膜とを少なくとも積層してなる
    光情報記録媒体の前記基板を成形するマスタ−スタンパ
    を製造するためのマスタ−スタンパの製造方法であっ
    て、 平坦な基体上に第1レジストを塗布する第1工程と、 前記再生専用領域及び前記記録再生領域に対応する前記
    第1レジスト上の領域に、ウオブリングした連続グル−
    ブを露光し、この露光の後に現像する第2工程と、 前記第1レジストをマスクにして前記基体をドライエッ
    チングし、このドライエッチングの後に前記第1レジス
    トを除去して、前記基体上の前記再生専用領域及び前記
    記録再生領域に対応する領域に、ウオブリングした前記
    連続グル−ブを形成する第3工程と、 少なくとも前記再生専用領域に対応する前記基体上の領
    域に第2レジストを塗布する第4工程と、 前記再生専用領域内にある前記連続グル−ブをピットの
    露光直前までに走査して得たトラッキング情報及びアド
    レス情報に基づいて、前記第2レジスト上に所要のピッ
    トを露光し、この露光の後に現像する第5工程と、 前記第2レジストをマスクにして前記基体をドライエッ
    チングし、このドライエッチングの後に前記第2レジス
    トを除去して、前記再生専用領域に対応する前記基体上
    に、ウオブリングした前記連続グル−ブ内にありかつ前
    記連続グル−ブの深さよりも深いピットを形成する第6
    工程と、 前記再生専用領域及び前記記録再生領域にそれぞれ対応
    する前記ピット及び前記連続グル−ブを設けた前記基体
    上に、金属電鋳を施す第7工程とを備え, 前記第7工程後、前記基体上から金属膜を剥離すること
    により、マスタ−スタンパを製造することを特徴とする
    マスタ−スタンパの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマスタ−スタンパの製造
    方法により製造されたマスタ−スタンパを用いて成形し
    た基板を備えた光情報記録媒体であって、 前記基板上に、記録膜と反射膜とを少なくとも積層して
    なり、 前記基板には、ウオブリングした連続グルーブを設けた
    記録再生領域と、ウオブリングした前記連続グル−ブ内
    にありかつ前記連続グル−ブの深さよりも深いピットを
    設けた再生専用領域とを有することを特徴とする光情報
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光情報記録媒体であっ
    て、 前記記録膜は、有機色素膜、光磁気膜、相変化膜のいず
    れか1であることを特徴とする光情報記録媒体。
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