JP2002279697A - 光ディスク基板及び光ディスク原盤の製造方法 - Google Patents

光ディスク基板及び光ディスク原盤の製造方法

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JP2002279697A
JP2002279697A JP2002003200A JP2002003200A JP2002279697A JP 2002279697 A JP2002279697 A JP 2002279697A JP 2002003200 A JP2002003200 A JP 2002003200A JP 2002003200 A JP2002003200 A JP 2002003200A JP 2002279697 A JP2002279697 A JP 2002279697A
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groove
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shallow
region
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JP2002003200A
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Kenichi Shimomai
賢一 下舞
Takayuki Ideno
隆之 出野
Toyohito Asanuma
豊人 浅沼
Tsutomu Matsumoto
勉 松本
Fumitaka Tsuji
史隆 辻
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマエッチングとアッシングプロセスを
用いて、深さが異なるピットとグル−ブを同一原盤内に
形成する際に、ランドブリピット(LPP)及びその隣
接グル−ブがグル−ブ記録品質に影響を与えることない
形状の光ディスク基板および光ディスク原盤の製造方法
を提供する。 【解決手段】 LPPを浅いグル−ブ間、もしくは浅い
ピット間に形成する際、LPPは浅いグル−ブ間、もし
くは浅いピット間に存在するランドに形成され、かつラ
ンドの中心線から半径方向に所定量変位した位置に形成
される。またLPPに近接する浅いグル−ブ、もしくは
浅いピットを形成するレ−ザパワ−は、通常のレ−ザパ
ワ−よりも小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク基板及
び光ディスク基板を作成するための光ディスク原盤の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスクには再生専用型、追記型、書
き換え可能型などがあるが、その応用として同一基板内
に再生専用領域と、ユ−ザが記録できる記録可能領域を
設けた光ディスクが提案、実用化されている。通常、再
生専用領域となるピット領域と記録可能領域となるグル
−ブ領域とを有する光ディスクでは、ピットの深さは再
生信号である和信号の振幅が最大となるλ/4n(λ:
記録、再生レ−ザ波長、n:基板の屈折率)に設定さ
れ、グル−ブの深さはトラッキング信号である差信号の
振幅が最大となるλ/8nに設定される。すなわち同一
面内で深さの異なる深いピットと浅いグル−ブとを形成
しなければならず、そのような光ディスク基板を得るに
は、この光ディスク基板を作成する元になる光ディスク
原盤を製造する一過程であるフォトレジストパタ−ン形
成において、ピットとグル−ブとでその深さを変える必
要がある。
【0003】一般にこうしたフォトレジストパタ−ン形
成過程において、同一基板内でピットとグル−ブとの各
深さを変える手段として強度の強いレ−ザによってピッ
トを形成し、強度の弱いレ−ザによってグル−ブを形成
する方法が用いられる。ここで、ピットの深さは基板表
面に塗布されたフォトレジストの膜厚で決定されるが、
グル−ブの深さはレ−ザの強度に依存し、レ−ザ強度の
変動やフォ−カス信号の変動によってグル−ブ深さに変
動が生じやすい。また同様にグル−ブの幅もレ−ザ強度
に依存するため任意の幅のグル−ブを得ることは非常に
困難である。また、得られる断面形状もV字型に近いも
のとなるため、断面形状が矩形のものに比べ安定したト
ラッキング信号が得られないばかりか、グル−ブに信号
を記録する際の記録パワ−も矩形の底のあるグル−ブに
比べさらにパワ−が必要となり、高線速記録にも不向き
な形状である。
【0004】このような問題を解決するために提案され
ている技術としては、上記のような深さの異なるレジス
トパタ−ンを用い、プラズマエッチングとアッシングを
用いて深さの異なるピットとグル−ブを得る方法がある
(特願2000−397198)。
【0005】図2は光ディスク原盤を製造する工程の概
略図を示す。まず図2(a)に示すように、ガラス基板
1上にフォトレジスト2を塗布し、強度の強いレ−ザP
1によって再生専用領域を構成する多数のピットpの原
型となるピット部p’を形成し、強度の弱いレ−ザP2
によって記録領域を構成するグル−ブgの原型となるグ
ル−ブ部g’を形成する。このときピット部p’はガラ
ス基板1の表面に達するまで露光されているが、グル−
ブ部g’はそれよりも浅く、断面V字型の形状をしてい
る。このようにフォトレジスト2をレーザで露光した後
に、現像し、形状析出させ、ピット部p’、グルーブ部
g’を形成する。
【0006】次にCF4もしくはCHF3等のガス雰囲気
中で1回目のプラズマエッチングを行う。その結果ガラ
ス基板1の表面が露出しているピット部p’のみエッチ
ングが進行するが、グル−ブ部g’はフォトレジスト2
がマスクとなりエッチングはされず、図2(b)のよう
な形状を得る。
【0007】次に図2(c)に示すように、グル−ブ部
g’の底面がガラス基板1の表面に達するところまでフ
ォトレジストをO2アッシングする。
【0008】次に図2(d)に示すように、CF4もし
くはCHF3等のガス雰囲気中で2回目のプラズマエッ
チングを行う。その結果グル−ブ部g’を所定の深さエ
ッチングすると、同時にピット部p’もエッチングされ
るため、グル−ブ部g’よりも深いピット部p’が得ら
れる。このときのグル−ブ部g’の形状はプラズマエッ
チングで得られたものであるから、断面V字型ではなく
矩形の底のある形状が得られる。
【0009】最後に図2(e)に示すように、O2アッ
シングにより完全にフォトレジストを除去することによ
り深さの違うピットpとグル−ブgを有したガラス基板
1が得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで記録型光ディ
スクでは繰り返し記録型デジタル多用途ディスク(以下
DVD−RWと記す)のように、前記したグル−ブgか
ら構成される記録領域部のアドレス(セクタアドレス)
を規定するために、グル−ブ間g−gのランドlにピッ
トを設けるランドプリピット(以下LPPと記す)と呼
ばれる、アドレス方式を採用しているものがある。図3
はLPPの模式図を示す。
【0011】例えばDVD−RWの場合の記録方式は、
図3に示すように、グル−ブ3(g)に信号を記録する
グル−ブ記録方式であるが、アドレスの検出にはレ−ザ
スポットがランド4(l)に設けられたLPP5の横
(半径方向)を通過する際に得られる(LPP5の有無
による)差信号の振幅変化を検出することによりアドレ
ス情報を得ている。
【0012】さて図3に示したLPP5の形状を上記図
2で述べたエッチングを用いて形成する場合、図2
(a)のレジストパタ−ンの形成過程において、グル−
ブ部間g’−g’のランド部lにLPP5の原型となる
図示せぬLPP部lPも形成することになる(この状態
は図3のグル−ブ間g−g(3−3)のランド4(l)
に、LPP部lPに対応したLPP5を形成することに
対応している)。このときグル−ブ部g’を露光するレ
−ザパワ−と同じパワ−でLPP部lPを露光すると、
こうして形成されたLPP部lPの深さ及びこのLPP
部lPに隣接するグル−ブ部g’,g’の深さはそれぞ
れ、このLPP部lPに隣接して形成されていないグル
−ブ部g’の深さよりも深いものとなる。ここで、図4
はレジストパタ−ン形成過程におけるランドプリピット
周辺を説明するための断面図を示す。図4においてグル
−ブ部g’はグル−ブ部ga’〜gd’を含んでいる。
このうちグル−ブ部ga’,gd’は図3におけるLP
P部lPに隣接して形成されていないグル−ブg,gに
対応し、グル−ブ部gb’,gc’は図3におけるLP
P部lPに隣接して形成されているグル−ブg,gに対
応する。
【0013】その理由は、図4に示すように、グル−ブ
部g’及びLPP部lPの露光に用いるレ−ザの強度分
布がガウス分布となっているためであり、LPP部lP
及びその隣接グル−ブ部gb’,gc’において露光部
のかぶりが生じるためである。換言すれば、LPP部l
P を形成すべきランド部l上の特定位置を露光する際
に、この露光に要するスポット光がこのランド部lに隣
接するグル−ブ部gb’,gc’に対しても再度露光す
る状態になってしまうために、グル−ブ部gb’,g
c’ の深さが所定の深さ(グル−ブ部ga’,gd’
の深さ)よりも更に深く掘れてしまうからである。
【0014】なおDVD−RWのようにトラックピッチ
が狭い場合はこのようなかぶり現象は顕著に現れること
になる。さて、図4のようなレジストパタ−ンを用い
て、図2に示したエッチング、アッシングの各工程を行
うと、多くの問題が生じる。例えば図4のレジストパタ
−ンでLPP部lPがガラス基板1表面まで露光された
場合は、LPP部lPとピット部p’との深さが同じに
なるため、図2(e)の最終段階でもピット部p’とL
PP部lPとの深さが同じになる。これはLPP部lP
の隣接グル−ブ部gb’,gc’でも同様であり、図4
のレジストパタ−ンでLPP部lPの隣接グル−ブ部g
b’,gc’がガラス基板1表面まで露光された場合
は、その隣接グル−ブ部gb’,gc’とピット部p’
との深さが同じになるため、図2(e)の最終段階でも
ピットpとLPP5の隣接グル−ブg(3)との深さが
同じになってしまう。
【0015】また図4のレジストパタ−ンでLPP部l
P及びその隣接グル−ブ部gb’,gc’がガラス基板
1表面まで露光されないまでも、周辺グル−ブ部g
a’,gd’よりもその部分が深くなると、例えば、エ
ッチングにおいて選択比(=ガラスエッチング量/レジ
スト減少量)が小さくなると、同様に図2(e)の最終
段階でもその部分の深さは周辺グル−ブに比べ深い形状
となってしまう。
【0016】また図4のレジストパタ−ンでグル−ブ部
g’の幅を広げようとすると、LPP部lPとの露光か
ぶりの面積が大きくなり、上記の問題は更に深刻とな
り、また都合上レジスト厚を薄くする必要に迫られたと
きでも、同様のことが言える。
【0017】さてこのように、LPP5もしくはLPP
5に隣接するグル−ブ3(gb,gc)が周辺グル−ブ
3(ga,gd)より深くなっている光ディスク基板を
用いた構造の光ディスクに信号を記録し再生を行った場
合、その深くなっている部分で変調された信号が再生信
号である和信号に重畳され非常にエラ−レ−トが高くな
るといった重大な問題を生じる。
【0018】本発明は上述の問題を解決するためになさ
れたものであり、プラズマエッチングとアッシングプロ
セスを用いて、深さが異なる(断面が略矩形の)ピット
とグル−ブを同一ディスク原盤内に形成する際に、LP
P及びその隣接グル−ブ(LPPに近接するグル−ブの
部分)がグル−ブ記録信号品質に影響を与えることな
く、グル−ブ記録信号のエラ−が小さく、LPP出力の
高いLPP形状を備えた光ディスク基板及び光ディスク
原盤の製造方法を提供することを目的とする。さらにト
ラッキング信号が安定している光ディスク基板を提供す
ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、次の(1)〜(6)の構成を有する
光ディスク基板及び光ディスク原盤の製造方法を提供す
る。 (1) 深いピットを有するピット領域と浅いグル−ブ
を有するグル−ブ領域とを同一基板内に有する光ディス
ク基板であって、前記グル−ブ間にランドプリピットを
有し、前記ランドプリピットの内周側に位置するグル−
ブ部分の深さをこのグル−ブ部分周辺の深さよりも浅く
してなり、かつ前記ランドプリピットの中心位置は半径
方向に対して内周方向に変位していることを特徴とする
光ディスク基板。 (2) 深いピットを有するピット領域と浅いグル−ブ
を有するグル−ブ領域とを同一基板内に有する光ディス
ク基板であって、前記グル−ブ間にランドプリピットを
有し、前記ランドプリピットの内周側に位置するグル−
ブ部分の深さをこのグル−ブ部分周辺の深さよりも浅く
してなり、トラック方向に対して、前記グル−ブ部分の
長さをLg、前記ランドプリピットの長さをLlPP、
トラックピッチをtP、ランド幅をLwとしたときに、
0.2tP<LlPP<tP、0.5LlPP<Lg<
2LlPPで、かつ前記ランドプリピットの中心位置は
半径方向に対して、ランド中心を0、内周方向を−(マ
イナス)とすると、−0.75×Lw/2≦(前記ラン
ドプリピットの中心位置)<0であることを特徴とする
光ディスク基板。 (3) 深いピットを有するピット領域と浅いグル−ブ
を有するグル−ブ領域とを備え、かつ前記グル−ブ間に
ランドプリピットを形成してなるガラス製の光ディスク
原盤を作成する光ディスク原盤の製造方法であって、ガ
ラス基板上にフォトレジストを塗布し、前記ピット領域
に前記ガラス基板表面まで露光する第1のパワ−のレ−
ザを照射して、ピット部を形成し、前記グル−ブ領域に
前記第1のパワ−よりも小さいパワ−である第2のパワ
−のレ−ザを照射して前記ガラス基板表面に到達しない
浅いグル−ブ部を形成すると共に、前記グル−ブ部間に
存在するランドに形成されておりかつ前記ランドの中心
線から半径方向に所定量変位した位置に前記第2のパワ
−のレ−ザを照射して、ランドプリピット部を形成し、
前記ランドプリピット部に近接する前記グル−ブ部を形
成する際には、前記第2のパワ−よりも小さいパワ−で
ある第3のパワ−レ−ザを切換照射し、現像し、プラズ
マエッチングにより前記ピット部のみ所定の深さになる
までエッチングし、アッシングにより前記ランドプリピ
ット部底面が前記ガラス基板表面に達するところまでフ
ォトレジストをアッシングし、プラズマエッチングによ
り前記グル−ブ部と前記ピット部と前記ランドプリピッ
ト部とをそれぞれ所定の深さになるようにエッチングを
行って、前記ピット、前記グル−ブ、前記ランドプリピ
ットを形成し、アッシングにより前記フォトレジストを
除去することを特徴とする光ディスク原盤の製造方法。 (4) 深いピットを有する第1ピット領域と浅いピッ
トを有する第2ピット領域と浅いグル−ブを有するグル
−ブ領域とを同一基板内に有する光ディスク基板であっ
て、前記浅いピット間にランドプリピットを有し、前記
ランドプリピットの内周側に位置するピット部分の深さ
をこのピット部分周辺の深さよりも浅くしてなり、かつ
前記ランドプリピットの中心位置は半径方向に対して内
周方向に変位していることを特徴とする光ディスク基
板。 (5) 深いピットを有する第1ピット領域と浅いピッ
トを有する第2ピット領域と浅いグル−ブを有するグル
−ブ領域と同一基板内に有する光ディスク基板であっ
て、前記浅いピット間にランドプリピットを有し、前記
ランドプリピットの内周側に位置するピット部分の深さ
をこのピット部分周辺の深さよりも浅くしてなり、トラ
ック方向に対して、前記ピット部分の長さをLg’、前
記ランドプリピットの長さをLlPP’、トラックピッ
チをtP’、ランド幅をLw’としたときに、0.2t
P’<LlPP’<tP’、0.5LlPP’<Lg’
<2LlPP’で、かつ前記ランドプリピットの中心位
置は半径方向に対して、ランド中心を0、内周方向を−
(マイナス)とすると−0.75×Lw’/2≦(前記
ランドプリピットの中心位置)<0であることを特徴と
する光ディスク基板。 (6) 深いピットを有する第1ピット領域と浅いピッ
トを有する第2ピット領域と浅いグル−ブを有するグル
−ブ領域とを備え、かつ前記浅いピット間にランドプリ
ピットを形成してなるガラス製の光ディスク原盤を作成
する光ディスク原盤の製造方法であって、ガラス基板上
にフォトレジストを塗布し、前記第1ピット領域に前記
ガラス基板表面まで露光する第1のパワ−のレ−ザを照
射して、深いピット部を形成し、前記第2ピット領域に
前記第1のパワ−よりも小さいパワ−である第2のパワ
−のレ−ザを照射して前記ガラス基板表面に到達しない
浅いピット部を形成すると共に、前記浅いピット部間に
存在するランドに形成されておりかつ前記ランドの中心
線から半径方向に所定量変位した位置に前記第2のパワ
−のレ−ザを照射して、ランドプリピット部を形成し、
前記ランドプリピット部に近接する前記浅いピット部を
形成する際には、前記第2のパワ−よりも小さいパワ−
である第3のパワ−レ−ザを切換照射し、現像し、プラ
ズマエッチングにより前記深いピット部のみ所定の深さ
になるまでエッチングし、アッシングにより前記ランド
プリピット部底面が前記ガラス基板表面に達するところ
までフォトレジストをアッシングし、プラズマエッチン
グにより前記グル−ブ部と前記浅いピット部と前記深い
ピット部2と前記ランドプリピット部とをそれぞれ所定
の深さになるようにエッチングを行って、前記グル−
ブ、前記浅いピット、前記深いピット、前記ランドプリ
ピットを形成し、アッシングにより前記フォトレジスト
を除去することを特徴とする光ディスク原盤の製造方
法。 [作用]本発明ではLPPを浅いグル−ブ間、もしくは
浅いピット間に形成する際、LPPの位置をランド中心
よりも内周側に位置(内周側に偏位)させ、LPPが位置
する部分において、内周側のグル−ブもしくはピットを
形成するレ−ザパワ−を小さくすることにより、上記エ
ッチング、アッシングプロセスを経た後に、(LPPと
ピットとグル−ブが断面略矩形であり、)このLPP及
びその隣接グル−ブもしくはピットはこのLPPに隣接
しない周辺のグル−ブもしくはピット深さよりも深くな
ることのない光ディスク基板が得られる。このような光
ディスク基板上に記録層、保護層等を順次積層して得た
光ディスクを再生走査すると、トラッキング信号が安定
していて、LPP及びその隣接グル−ブがグル−ブ記録
品質に影響を与えることのない、グル−ブ記録信号のエ
ラ−が小さく、LPP出力の高い光ディスク基板を得る
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をその
好ましい態様を用いて、図1、図6、図7を用いて説明
する。図1は本発明の光ディスク基板及び本発明の光デ
ィスク原盤の製造方法の一工程を説明するための図であ
る。図1(a)は本発明の光ディスク基板のグル−ブ領
域及びピット領域を説明するための部分拡大平面図であ
る。図1(b)は図1(a)に示す光ディスク基板(光
ディスク原盤)を作成するために、ガラス基板上にフォ
トレジストを塗布して所要強度のレ−ザを所定位置に照
射して露光する1の工程を説明するための図であり、図
1(a)の線1上のピットp、グル−ブ3a〜3c、L
PP5、グル−ブ6はそれぞれ、図1(b)のピット部
p’、グル−ブ部3a’〜3c’、LPP部5’、グル
−ブ部6’に対応する。図5は本発明のディスク基板を
用いて成る光ディスクの信号特性を示す図、図6は本発
明の光ディスク基板を用いて成る光ディスク構造を説明
するための図、図7は本発明の光ディスク原盤を製造す
る工程の概略図である。前述したものと同一部分には同
一符号を付し、その説明を省略する。
【0021】本発明の光ディスク基板は、図1(a)に
示すように、深いピットpを有するピット領域であるデ
ィスク基板内周側にある領域Aと、ピットpの深さより
も浅いグル−ブ3を有するグル−ブ領域でありピット領
域Aより外周側にある領域Bとを同一基板内に有する光
ディスク基板10であって、グル−ブ間3a−3bにL
PP5を有し、LPP5の内周側に位置するグル−ブ部
分6の深さをこのグル−ブ部分6周辺(グル−ブ部分6
に隣接するグル−ブ部分6a,6b)の深さよりも浅く
してなり、かつLPP5の中心位置(中心線lcで示す
位置)は半径方向に対して内周方向に変位している(中
心線lcとランド中心線clとは重ならない)ことを特
徴とする光ディスク基板である。
【0022】また、本発明の光ディスク基板は、図1
(a)に示すように、深いピットpを有するピット領域
Aとピットpの深さよりも浅いグル−ブ3を有するグル
−ブ領域Bとを同一基板内に有する光ディスク基板10
であって、グル−ブ間3a−3b にLPP5を有し、
LPP5の内周側に位置するグル−ブ部分6の深さをこ
のグル−ブ部分6周辺(グル−ブ部分6に隣接するグル
−ブ部分6a,6b)の深さよりも浅くしてなり、(半
径方向に直交した)トラック方向に対して、グル−ブ部
分6の長さをLg、LPP5の長さをLlPP、トラッ
クピッチをtP、ランド幅をLwとしたときに、0.2
tP<LlPP<tP、0.5LlPP<Lg<2Ll
PPで、かつLPP5の中心位置(中心線lcで示す位
置)は半径方向に対して、ランド中心(ランド中心線c
l)を0(ゼロ)、内周方向を−(マイナス)とする
と、−0.75×Lw/2≦(前記LPP5の中心位
置)<0であることを特徴とする光ディスク基板であ
る。
【0023】さらに、本発明の光ディスク基板は、図6
に示すように、深いピットを有する第1ピット領域(リ
−ドイン領域Cの外周側にある深いピットC2)と浅い
ピットを有する第2ピット領域(記録エリアDの内周側
にある浅いピットD1)と深いピットの深さよりも浅い
グル−ブを有するグル−ブ領域(記録エリアDの外周側
にあるグル−ブD2)とを同一基板内に有する光ディス
ク基板10であって、浅いピット間にLPPを有し、L
PPの内周側に位置するピット部分の深さをこのピット
部分周辺の深さよりも浅くしてなり、かつLPPの中心
位置は半径方向に対して内周方向に変位していることを
特徴とする光ディスク基板である。
【0024】さらにまた、本発明の光ディスク基板は、
図6に示すように、深いピットを有する第1ピット領域
(リ−ドイン領域Cの外周側にある深いピットC2)と
浅いピットを有する第2ピット領域(記録エリアDの内
周側にある浅いピットD1)と深いピットの深さよりも
浅いグル−ブを有するグル−ブ領域(記録エリアDの外
周側にあるグル−ブD2)とを同一基板内に有する光デ
ィスク基板10であって、浅いピット間にLPPを有
し、LPPの内周側に位置するピット部分の深さをこの
ピット部分周辺の深さよりも浅くしてなり、トラック方
向に対して、ピット部分の長さをLg’、LPPの長さ
をLlPP’、トラックピッチをtP’、ランド幅をL
w’としたときに、0.2tP’<LlPP’<t
P’、0.5LlPP’<Lg’<2LlPP’で、か
つLPPの中心位置は半径方向に対して、ランド中心を
0(ゼロ)、内周方向を−(マイナス)とすると−0.
75×Lw’/2≦(LPPの中心位置)<0であるこ
とを特徴とする光ディスク基板である。
【0025】一方、前記した図1(a)に示す構成の本
発明の光ディスク基板を作成する本発明の光ディスク原
盤の製造方法は、図1、図7に示すように、深いピット
pを有するピット領域Aとピットpの深さよりも浅いグ
ル−ブ3を有するグル−ブ領域Bとを備え、かつ前記グ
ル−ブ間3a−3bにLPP5を形成してなるガラス製
の光ディスク原盤10を作成する光ディスク原盤の製造
方法であって、ガラス基板1上にフォトレジスト2を塗
布し、ピット領域Aにガラス基板1表面まで露光する第
1のパワ−のレ−ザを照射して、(ピットpに対応した
位置に)ピット部p’を形成し、グル−ブ領域Bに第1
のパワ−よりも小さいパワ−である第2のパワ−のレ−
ザを照射してガラス基板1表面に到達しない(グル−ブ
3a〜3cに対応した位置に)浅いグル−ブ部3a’〜
3c’を形成すると共に、グル−ブ部間3a’−3b’
に存在するランド4に形成されておりかつランド4の中
心線clから半径方向に所定量変位した位置に第2のパ
ワ−のレ−ザを照射して、LPP部5’を形成し、LP
P部5’に近接する(グル−ブ6に対応した位置に)グ
ル−ブ部6’を形成する際には、第2のパワ−よりも小
さいパワ−である第3のパワ−レ−ザを切換照射し、現
像し、プラズマエッチングによりピット部p’のみ所定
の深さになるまでエッチングし、アッシングによりLP
P部5’底面がガラス基板1表面に達するところまでフ
ォトレジスト2をアッシングし、プラズマエッチングに
よりグル−ブ部3a’〜3c’とピット部p’と前記L
PP部5’とをそれぞれ所定の深さになるようにエッチ
ングを行って、ピットp、グル−ブ3a〜3c、LPP
5を形成し、アッシングによりフォトレジスト2を除去
することを特徴とする光ディスク原盤の製造方法であ
る。
【0026】また、前記した図6に示す構成の本発明の
光ディスク基板を作成する本発明の光ディスク原盤の製
造方法は、深いピットを有する第1ピット領域と浅いピ
ットを有する第2ピット領域と深いピットの深さよりも
浅いグル−ブを有するグル−ブ領域とを備え、かつ前記
浅いピット間にLPPを形成してなるガラス製の光ディ
スク原盤を作成する光ディスク原盤の製造方法であっ
て、ガラス基板上にフォトレジストを塗布し、第1ピッ
ト領域にガラス基板表面まで露光する第1のパワ−のレ
−ザを照射して、深いピット部を形成し、第2ピット領
域に第1のパワ−よりも小さいパワ−である第2のパワ
−のレ−ザを照射してガラス基板表面に到達しない浅い
ピット部を形成すると共に、浅いピット部間に存在する
ランドに形成されておりかつランドの中心線から半径方
向に所定量変位した位置に前記第2のパワ−のレ−ザを
照射して、LPP部を形成し、LPP部に近接する浅い
ピット部を形成する際には、第2のパワ−よりも小さい
パワ−である第3のパワ−レ−ザを切換照射し、現像
し、プラズマエッチングにより深いピット部のみ所定の
深さになるまでエッチングし、アッシングによりLPP
部底面がガラス基板表面に達するところまでフォトレジ
ストをアッシングし、プラズマエッチングによりグル−
ブ部と浅いピット部と深いピット部2とLPP部とをそ
れぞれ所定の深さになるようにエッチングを行って、グ
ル−ブ、浅いピット、深いピット、ランドプリピットを
形成し、アッシングによりフォトレジストを除去するこ
とを特徴とする光ディスク原盤の製造方法である。
【0027】
【実施例】本発明の具体的な実施例について、(1)光
ディスク原盤の製造方法、(2)光ディスク基板、の順
に説明する。
【0028】(1)光ディスク原盤の製造方法 まず図7(a)に示すように、研磨した石英ガラス基板
1上にフォトレジスト2を厚さ100nm塗布し、ピッ
トpが形成されるべきピット領域A(図1(a))に、
露光後の現像後に前記ガラス基板1表面までフォトレジ
スト2が現像されるに必要な第1のレ−ザパワ−を照射
し、ピット部p’を形成する。このとき現像後のピット
部p’の深さはフォトレジスト2のレジスト厚と同一の
100nmとなる。
【0029】次にピット部p’を形成したパワ−よりも
小さい第2のレ−ザパワ−をグル−ブ3(3a〜3c)
が形成されるべきグル−ブ領域B(図1(a))に照射
し、露光後の現像後に前記ガラス基板1表面に到達しな
い浅いグル−ブ部3a’〜3c’を形成する。具体的に
は現像後の深さが50nmとなるようなパワ−でグル−
ブ部3a’〜3c’を形成する。
【0030】ここでLPP 5(図1(a))の原型と
なるLPP部5’をグル−ブ部3a’−3b’間に形成
する際、露光後の現像後にLPP5の外周グル−ブ3b
がフォトレジスト2表面から50nmよりも深くならな
い程度まで、またLPP5の中心位置(中心線lc)を
ランド中心(ランド中心線cl) よりも内周(グル−
ブ3a側)に位置させる。そのとき露光後の現像後にL
PP5の内周グル−ブ3aがフォトレジスト2表面から
50nmよりも深くなることを避けるために、LPP部
5’が位置するフォトレジスト2部分において内周側の
グル−ブ部3a’(6’)を形成するレ−ザパワ−を小
さくし、その部分6’だけグル−ブ部3a’を浅くす
る。
【0031】ここでは図示しないが、グル−ブ深さと同
一の深さの浅いピット間にLPPをガラス基板1に形成
する場合も、この浅いピットの原型となる浅いピット部
(図6の浅いピットD1に対応)を現像後に50nmの
深さになるようにフォトレジストパタ−ンを形成し、L
PPの位置はランド中心よりも内周に位置させ、露光後
の現像後にこのLPPが近接する内周位置にある浅いピ
ット部を形成するのに必要なレ−ザパワ−を第2のレ−
ザパワ−よりも小さくし、その部分だけピット部の深さ
を浅くする。本実施例では現像後のLPP部5’の深さ
をフォトレジスト2表面から50nm、LPP部5’の
位置する内周側グル−ブ部3a’(6’)の深さを20
nmとした。なお、図1(a)におけるLPP5の内周
部側隣接グル−ブ3aで深さを浅くした部分6における
レ−ザパワ−を完全にオフし、6の部分を露光せずこの
部分だけランドにしてもかまわない。このようにフォト
レジスト2をレーザで露光した後に現像し形成したレジ
ストパタ−ンの断面図を図1(b)に示す。
【0032】次に図7(b)に示すように、CHF3
ス雰囲気中で1回目のプラズマエッチングを行う。その
結果ガラス基板1の表面が露出しているピット部p’の
みエッチングが進行するが、グル−ブ部3a’〜3
c’、及びLPP部5’はフォトレジスト2がマスクと
なりエッチングはされず、図7(b)のような形状を得
る。このときのピット部p’でのエッチング量はガラス
基板1の表面から65nmの深さとした。
【0033】次に図7(c)に示すように、グル−ブ部
3a’〜3c’の底面及びLPP部5’の底面がガラス
基板1の表面に達するところまでフォトレジスト2をO
2アッシングする。ここでのレジストアッシング量は7
0nmの深さとし、フォトレジスト2の残留膜厚は約3
0nmとなっている。
【0034】次に図7(d)に示すように、CHF3
ス雰囲気中で2回目のプラズマエッチングを行う。具体
的にはグル−ブ部3a’〜3c’及びLPP部5’のエ
ッチング深さがガラス基板1の表面から25nmの深さ
となるようエッチングを行う。このとき同時にピット部
p’もエッチングされるため、ピット部p’のエッチン
グ深さは1回目のエッチング深さと併せてガラス基板1
の表面から90nmとなっている。
【0035】最後に図7(e)に示すように、O2アッ
シングにより完全にフォトレジスト2を除去することに
より、深さ90nmのピットpと深さ25nmのグル−
ブ3a〜3c、LPP5と深さ5nmのグルーブ6を有
したガラス基板1が得られる(図1(a))。このグル
ーブ6の深さは2回目のプラズマエッチング時の選択比
(=ガラスエッチング量/レジスト減少量)を適当に選
ぶことにより制御することが可能である。本実施例にお
いては2回目のプラズマエッチング時のエッチング選択
比=2の条件を使用した。なお好ましい深さは、ピット
が80〜130nm、グルーブが15〜40nm、LP
Pが15〜40nm、グルーブ6が0〜39nmである
(換言するならば、本発明の深いピットの深さは80〜
130nm、本発明の浅いグルーブの深さは15〜40
nm、本発明のランドプリピットの深さは15〜40n
m、本発明のランドプリピットの内周側に位置する本発
明のグルーブ部分の深さは0〜39nmである)。前述
した浅いピットパタ−ン(図6の浅いピットD1に対
応)をフォトレジスト2に形成した場合には、浅いピッ
トの深さも25nmとなっている。このようにして得ら
れたグル−ブ形状はプラズマエッチングで得られたもの
であるから、断面形状はV字型ではなく矩形の底のある
グル−ブ形状が得られる。このようにして得られたガラ
ス基板1であるガラス原盤からディスクスタンパを作製
し、射出成形によりポリカ−ボネ−ト製の光ディスク基
板を作成することができる。なお、本発明の範囲内でエ
ッチング条件、アッシング条件などは適宜変更が可能で
あり、上記に限定されない。ここで本発明における矩形
の形状とは、底面に平坦部を有する断面形状が略矩形の
形状を意味する。
【0036】(2) 光ディスク基板 こうして得られた光ディスク基板は、下記の2つの構成
を有するものである。即ち、図1(a)に示すように、
深いピットpを有するピット領域(ディスク基板内周側
にある領域)Aと浅いグル−ブ3(3a〜3c)を有す
るグル−ブ領域Bとを同一基板内に有する光ディスク基
板10であって、前記グル−ブ間3a−3bにLPP5
を有し、前記LPP5の内周側に位置するグル−ブ3a
部分6の深さをこのグル−ブ部分周辺(部分6a,8
b)の深さよりも浅くしてなり、かつ前記LPP5の中
心位置(中心線lc)は半径方向に対して内周側に変位
していることを特徴とする光ディスク基板である。
【0037】また、別の光ディスク基板は、次の構成を
有するものである。即ち、図6に示す光ディスク基板
は、内周から外周に向かってリ−ドイン領域C、記録エ
リアD、リ−ドアウト領域Eが順次形成されているディ
スク基板であり、このリ−ドイン領域Cは浅いグル−ブ
の内周領域C1と深いピットの外周領域(第1ピット領
域)C2とを備え、前記記録エリアDは浅いピットの内
周領域(第2ピット領域)D1と浅いグル−ブの外周領
域D2とを備え、そして前記リ−ドアウト領域Eは浅い
グル−ブを有している。そして前記浅いピット間(第2
ピット領域)D1)にLPPを有し、前記LPPの内周
側に位置するピット部分の深さをこのピット部分周辺の
深さよりも浅くしてなり、かつ前記LPPの中心位置は
半径方向に対して内周側に変位していることを特徴とす
る光ディスク基板である。
【0038】前記した図1(a)、図6に示す光ディス
ク基板は、前記ガラス基板1から直接作成したディスク
スタンパにより、又は、前記ガラス基板1から所定のプ
ロセスを経て複製されたディスクスタンパにより、樹脂
整形してなるディスク基板である。
【0039】こうして得られた図1(a)、図6に示す
光ディスク基板上に順次、誘電体層、中間層、記録層、
誘電体層、反射層、保護層、印刷層を積層形成すことに
より光ディスクを作成することができる。こうして作成
された光ディスクを図6を用いて説明するならば、ポリ
カ−ボネ−ト製のディスク基板10上に、スパッタリン
グによりZnS−SiO2誘電体膜11、GeN中間層
12、AgInSbTe記録膜13、ZnS−SiO2
誘電体膜14、Al反射膜15を順次成膜し、さらに紫
外線硬化樹脂をスピンコ−トにより塗布してUVコ−ト
保護膜16を形成した後、貼り合わせシ−ト17により
ダミ−のポリカ−ボネ−ト基板18と貼り合わせること
により、相変化記録型光ディスクを作製した。なお、本
発明の範囲内で、誘電体膜、中間層、記録膜、反射膜、
保護膜、基板の材料や貼り合わせ材料および記録膜の形
成方法、膜構成などは適宜変更が可能であるとは言うま
でもない。
【0040】このようにして作製した光ディスクに信号
を記録し、再生を行った。記録、再生方法としては、波
長650nm、NA(レンズ開口数)0.6のピックア
ップ(記録再生用光ヘッド)によるレ−ザ光をグル−ブ
上の記録膜に照射する事で行った。なお記録時にも再生
時にもレ−ザ光がグル−ブ(具体的には図1に示すグル
−ブ領域Bにある3(3a〜3c,)、図6に示す領域
C1,D2,前記リ−ドアウト領域Eにそれぞれある浅
いグル−ブ)上の記録膜に適切にフォ−カスするように
トラッキング・フォ−カスのサ−ボをかけながら行うこ
とは言うまでもない。記録時にはプッシュプル信号によ
るトラッキングを行うが、記録された光ディスクのPP
(プッシュプル信号)の波形の振幅は一様であり、本発
明の光ディスクはトラッキング信号が安定していた。
【0041】作成した光ディスクのLPPの長さをLl
PP、トラックピッチをtP、LPPの位置する内周側
グル−ブ部分で周辺グル−ブ深さよりも浅く成っている
部分の長さをLgとしたとき(図1(a))、LlPP
とLPP出力の関係を図5(a)に示す。ここでLPP
出力は光ピックアップ側の4分割フォトディテクタから
の出力を信号処理して得られるもので、すなわちプッシ
ュプル信号を全光量で規格化した数値である。図5
(a)の横軸はtPに対するLlPPの比率、縦軸はL
PP出力を示す。この時のLg/LlPPは1、LPP
の中心位置(Lw/2)は−0.5である。LlPPが
0.2tP以下となるとアドレスを検出するのに充分な
LPP出力が得られなかった。またLlPPがtP以上
になるとLPP出力が飽和し、これ以上長くすることは
実用上意味がない結果となった。
【0042】またLgとLlPPの関係を図5(b)に
示す。横軸はLlPPに対するLgの比率、縦軸はグル
−ブ記録信号のPI(inner-code parity)エラ−レ−
トを示す。この時のLlPP/tPは0.5、LPPの
中心位置(Lw/2)は−0.5である。Lgの長さが
0.5LlPP以下となるとエラ−レ−トが上昇した。
なおLg=0が従来通りの作製方法にあたりエラ−レ−
トが大きい。これはレジストパタ−ン形成過程において
LPPと内周隣接グル−ブの境界で露光のかぶり部分が
生じ、エッチングを行った後、その部分でグル−ブ深さ
が周辺グル−ブより深くなっているため、それがグル−
ブ記録信号の再生信号に影響を与えているためである。
Lgの長さが0.5LlPP< Lg< 2LlPP の
範囲ではエラ−レ−トが非常に小さくなった。Lgが2
LlPP以上になるとグル−ブ部が浅くなっているLg
の部分が変調され、グル−ブ記録信号の再生信号に影響
をあたえるためエラ−レ−トが上昇している。
【0043】またLPPの中心位置を半径方向に対しラ
ンド中心を0、内周方向を−とする。このとき、−0.
75×Lw/2≦(LPPの中心位置)<0 の位置に
ある場合はLPP出力、グル−ブ記録信号のエラ−レ−
トともに実用上問題はなかったが、LPPの中心位置が
−0.75×Lw/2よりも内周側となると充分なLP
P出力が得られなかった。またLPPの中心位置が0よ
り大きく(ランド中心よりも外周側に)なると外周隣接
グル−ブに周辺グル−ブより深い部分が生じ、エラ−レ
−トが上昇する結果となった。その関係を図5(c)に
示す。横軸はLPPの中心位置、縦軸はLPP出力とグ
ル−ブ記録信号のPIエラ−レ−トを示す。この時のL
lPP/tPは0.5、Lg/LlPPは1である。
【0044】このように、作製した光ディスクのLPP
及びその隣接グル−ブ部分は周辺のグル−ブ深さよりも
深くなることがないため、LPP及びその隣接グル−ブ
がグル−ブ記録品質に影響を与えることはなく、非常に
グル−ブ記録信号のエラ−が小さく、LPP出力の高い
光ディスク基板を得ることができた。またアドレス信号
を検出するに十分な差信号の振幅変化が得られた。さら
にトラッキング信号が安定している光ディスク基板を得
ることができる。なお、本発明はグル−ブが半径方向に
周期的に蛇行する、例えば単一周波数のウォブル信号を
含むことなどに何ら制約を与えるものではない。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、プ
ラズマエッチングとアッシングプロセスを用いて、深さ
が異なるピットとグル−ブを同一基板内に形成する際
に、レジストパタ−ン形成工程でランドプリピット(L
PP)を浅いグル−ブ間、もしくは浅いピット間に形成
する際、LPPの位置をランド中心よりも内周に位置さ
せ、LPPが位置する部分において内周側のグル−ブも
しくはピットを形成するレ−ザパワ−を小さくし、また
LPPの中心位置を半径方向に対し内周方向に変位した
形状を有する光ディスク基板を用いると、LPP及びそ
の隣接グル−ブがグル−ブ記録品質に影響を与えること
のない、非常にグル−ブ記録信号のエラ−が小さく、L
PP出力の高い光ディスク基板を得ることができる。さ
らにトラッキング信号が安定している光ディスク基板を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ディスク基板のLPP周辺を説明
するための図及び本発明の製造方法のレジストパタ−ン
形成過程におけるLPP周辺を説明するための断面図
【図2】 光ディスク原盤を製造する工程の概略図
【図3】 LPPの模式図
【図4】 レジストパタ−ン形成過程におけるランドフ
リピット周辺を説明するための断面図
【図5】 本発明のディスク基板を用いて成る光ディス
クの信号特性を示す図
【図6】 本発明の光ディスク基板を用いて成る光ディ
スク構造を説明するための図
【図7】 本発明の光ディスク原盤を製造する工程の概
略図
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 フォトレジスト 3,3a〜3c,C1,D2,g グル−ブ 3a’〜3c’ グル−ブ部 4 ランド部 5 ランドプリピット(LPP) 5’,lP ランドプリピット部(LPP部) 6,6a,6b グル−ブ部分 6’ グル−ブ部 10 光ディスク基板 A,Pa ピット領域 B,Ga グル−ブ領域 C リ−ドイン領域 cl ランド中心線 D 記録エリア lc 中心線 p,D1,C2 ピット p’ ピット部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 勉 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 辻 史隆 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 Fターム(参考) 5D029 JB09 WA27 WB11 WB20 WD22 5D121 BB26 BB33 BB34 GG04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 深いピットを有するピット領域と浅いグ
    ル−ブを有するグル−ブ領域とを同一基板内に有する光
    ディスク基板であって、 前記グル−ブ間にランドプリピットを有し、前記ランド
    プリピットの内周側に位置するグル−ブ部分の深さをこ
    のグル−ブ部分周辺の深さよりも浅くしてなり、かつ前
    記ランドプリピットの中心位置は半径方向に対して内周
    方向に変位していることを特徴とする光ディスク基板。
  2. 【請求項2】 深いピットを有するピット領域と浅いグ
    ル−ブを有するグル−ブ領域とを同一基板内に有する光
    ディスク基板であって、 前記グル−ブ間にランドプリピットを有し、前記ランド
    プリピットの内周側に位置するグル−ブ部分の深さをこ
    のグル−ブ部分周辺の深さよりも浅くしてなり、トラッ
    ク方向に対して、前記グル−ブ部分の長さをLg、前記
    ランドプリピットの長さをLlPP、トラックピッチを
    tP、ランド幅をLwとしたときに、0.2tP<Ll
    PP<tP、0.5LlPP<Lg<2LlPPで、か
    つ前記ランドプリピットの中心位置は半径方向に対し
    て、ランド中心を0、内周方向を−(マイナス)とする
    と、−0.75×Lw/2≦(前記ランドプリピットの
    中心位置)<0であることを特徴とする光ディスク基
    板。
  3. 【請求項3】 深いピットを有するピット領域と浅いグ
    ル−ブを有するグル−ブ領域とを備え、かつ前記グル−
    ブ間にランドプリピットを形成してなるガラス製の光デ
    ィスク原盤を作成する光ディスク原盤の製造方法であっ
    て、 ガラス基板上にフォトレジストを塗布し、 前記ピット領域に前記ガラス基板表面まで露光する第1
    のパワ−のレ−ザを照射して、ピット部を形成し、 前記グル−ブ領域に前記第1のパワ−よりも小さいパワ
    −である第2のパワ−のレ−ザを照射して前記ガラス基
    板表面に到達しない浅いグル−ブ部を形成すると共に、
    前記グル−ブ部間に存在するランドに形成されておりか
    つ前記ランドの中心線から半径方向に所定量変位した位
    置に前記第2のパワ−のレ−ザを照射して、ランドプリ
    ピット部を形成し、 前記ランドプリピット部に近接する前記グル−ブ部を形
    成する際には、前記第2のパワ−よりも小さいパワ−で
    ある第3のパワ−レ−ザを切換照射し、現像し、 プラズマエッチングにより前記ピット部のみ所定の深さ
    になるまでエッチングし、 アッシングにより前記ランドプリピット部底面が前記ガ
    ラス基板表面に達するところまでフォトレジストをアッ
    シングし、 プラズマエッチングにより前記グル−ブ部と前記ピット
    部と前記ランドプリピット部とをそれぞれ所定の深さに
    なるようにエッチングを行って、前記ピット、前記グル
    −ブ、前記ランドプリピットを形成し、 アッシングにより前記フォトレジストを除去することを
    特徴とする光ディスク原盤の製造方法。
  4. 【請求項4】 深いピットを有する第1ピット領域と浅
    いピットを有する第2ピット領域と浅いグル−ブを有す
    るグル−ブ領域とを同一基板内に有する光ディスク基板
    であって、 前記浅いピット間にランドプリピットを有し、前記ラン
    ドプリピットの内周側に位置するピット部分の深さをこ
    のピット部分周辺の深さよりも浅くしてなり、かつ前記
    ランドプリピットの中心位置は半径方向に対して内周方
    向に変位していることを特徴とする光ディスク基板。
  5. 【請求項5】 深いピットを有する第1ピット領域と浅
    いピットを有する第2ピット領域と浅いグル−ブを有す
    るグル−ブ領域と同一基板内に有する光ディスク基板で
    あって、 前記浅いピット間にランドプリピットを有し、前記ラン
    ドプリピットの内周側に位置するピット部分の深さをこ
    のピット部分周辺の深さよりも浅くしてなり、トラック
    方向に対して、前記ピット部分の長さをLg’、前記ラ
    ンドプリピットの長さをLlPP’、トラックピッチを
    tP’、ランド幅をLw’としたときに、 0.2tP’<LlPP’<tP’、0.5LlPP’
    <Lg’<2LlPP’ で、かつ前記ランドプリピットの中心位置は半径方向に
    対して、ランド中心を0、内周方向を−(マイナス)と
    すると−0.75×Lw’/2≦(前記ランドプリピッ
    トの中心位置)<0であることを特徴とする光ディスク
    基板。
  6. 【請求項6】 深いピットを有する第1ピット領域と浅
    いピットを有する第2ピット領域と浅いグル−ブを有す
    るグル−ブ領域とを備え、かつ前記浅いピット間にラン
    ドプリピットを形成してなるガラス製の光ディスク原盤
    を作成する光ディスク原盤の製造方法であって、 ガラス基板上にフォトレジストを塗布し、 前記第1ピット領域に前記ガラス基板表面まで露光する
    第1のパワ−のレ−ザを照射して、深いピット部を形成
    し、 前記第2ピット領域に前記第1のパワ−よりも小さいパ
    ワ−である第2のパワ−のレ−ザを照射して前記ガラス
    基板表面に到達しない浅いピット部を形成すると共に、
    前記浅いピット部間に存在するランドに形成されており
    かつ前記ランドの中心線から半径方向に所定量変位した
    位置に前記第2のパワ−のレ−ザを照射して、ランドプ
    リピット部を形成し、 前記ランドプリピット部に近接する前記浅いピット部を
    形成する際には、前記第2のパワ−よりも小さいパワ−
    である第3のパワ−レ−ザを切換照射し、現像し、 プラズマエッチングにより前記深いピット部のみ所定の
    深さになるまでエッチングし、 アッシングにより前記ランドプリピット部底面が前記ガ
    ラス基板表面に達するところまでフォトレジストをアッ
    シングし、 プラズマエッチングにより前記グル−ブ部と前記浅いピ
    ット部と前記深いピット部2と前記ランドプリピット部
    とをそれぞれ所定の深さになるようにエッチングを行っ
    て、前記グル−ブ、前記浅いピット、前記深いピット、
    前記ランドプリピットを形成し、 アッシングにより前記フォトレジストを除去することを
    特徴とする光ディスク原盤の製造方法。
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CN100401382C (zh) * 2005-08-24 2008-07-09 上海乐金广电电子有限公司 光记录媒体

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