JP2002042306A - 磁気ヘッド及びその製造方法並びに磁気記憶装置 - Google Patents

磁気ヘッド及びその製造方法並びに磁気記憶装置

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JP2002042306A
JP2002042306A JP2000286809A JP2000286809A JP2002042306A JP 2002042306 A JP2002042306 A JP 2002042306A JP 2000286809 A JP2000286809 A JP 2000286809A JP 2000286809 A JP2000286809 A JP 2000286809A JP 2002042306 A JP2002042306 A JP 2002042306A
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magnetic
film
magnetic head
magnetic layer
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Hiroaki Honjo
弘明 本庄
Tsutomu Ishi
勉 石
Mikiko Saito
美紀子 斎藤
Shinsaku Saito
信作 斉藤
Tamaki Toba
環 鳥羽
Yoshihiro Nonaka
義弘 野中
Kazuhiko Hayashi
一彦 林
Nobuyuki Ishiwata
延行 石綿
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サッカリンを含まない高純度な軟磁性膜は、
磁気特性的に優れている反面、高い膜応力を持つ。この
軟磁性膜を記録用磁性層に適用した場合、高い膜応力の
ために、膜はがれを生じるという問題があった。 【解決手段】 第1の磁性膜16の下の第1の導電層2と
磁気分離層13との間に第1の非磁性層1を挿入するこ
とによって、第1の導電層2と磁気分離層13との密着
力を向上して第1の磁性膜16の剥離を防止する。ま
た、第2の磁性層21の下の第2の導電層4と磁気ギャ
ップ層17との間に第2の非磁性層3を挿入することに
よって、第2の導電層4と磁気ギャップ層17との密着
力を向上して第2の磁性層21の剥離を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気媒体に対して
情報を記録するための磁気ヘッド、この磁気ヘッドの製
造方法、及びこの磁気ヘッドを用いた磁気記憶装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】磁気記憶装置の小型化及び大容量化に伴
って、磁気媒体上に記録される1ビット当りの体積が急
速に小さくなってきている。この微小なビットから発生
する磁気信号を大きな再生出力として検出できるのが、
磁気抵抗効果型ヘッド(以下「MRヘッド」という。)
である。
【0003】更に最近では、このMRヘッドに比べて更
に大幅な高出力化を実現できる巨大磁気抵抗効果(以下
「GMR」という。)を用いたGMRヘッドが実用化さ
れてきている。このGMRヘッドでは、一般にスピンバ
ルブ効果を用いている。スピンバルブ効果とは、二枚の
隣接する磁性層の磁化方向間の余弦に抵抗の変化が対応
する現象であり、小さな動作磁界で大きな抵抗変化が得
られるものである。
【0004】GMRヘッドは、再生専用であるので、記
録用のID(インダクティブ)ヘッドと組み合わせた複
合型薄膜磁気ヘッド(以下、単に「磁気ヘッド」とい
う。)として使用される。図5及び図6はこのような磁
気ヘッドの従来例を示し、図5は図6のV−V線縦断面
図、図6はエア・ベアリング・サーフェイス(ABS)
から見た正面図である。以下、この図面に基づき説明す
る。
【0005】図5及び図6を参照すると、基体10は、
スライダとなるセラミック基板11(図6では省略)上
に第1の磁気シールド層12が設けられ、絶縁体からな
る磁気分離層13に挟持されたGMR素子14が第1の
磁気シールド層12上に設けられたものである。また、
磁気分離層13上に、第1の磁性層16と兼用される第
2の磁気シールド層15が設けられている。
【0006】図6に最も良く示されるように、GMR素
子14は、GMR効果を発生させるスピンバルブ積層構
造体である中央領域141と、中央領域141の両端に
配置され中央領域141に電流とバイアス磁界とを供給
する端部領域142とからなる。以上がGMRヘッドの
構成である。
【0007】IDヘッドは、基体10上に第1の磁性層
16が設けられ、第1の磁性層16上に記録ギャップ層
17が設けられるとともに第1及び第2の絶縁層18,
20によって周囲を絶縁されたコイル19が設けられ、
記録ギャップ層17上及び第1及び第2の絶縁層18,
20上に第2の磁性層21が設けられたものである。そ
して、コイル19からの発生磁界によって磁化された第
1及び第2の磁性層16,21間の磁気ギャップ層17
から漏れる磁束によって、磁気媒体(図示せず)に情報を
記録する。
【0008】GMRヘッドが実際に使用される記録密度
は、1平方インチ当たり3ギガビット以上の高密度記録
領域である。これ以下の記録密度では、従来からの磁気
異方性を用いたMRヘッドで十分にまかなうことができ
る。すなわち、実用上意味のあるGMRヘッドは、1平
方インチ当たり3ギガビット以上の高密度記録再生を実
現するものとなる。GMRヘッドを用いて構築される磁
気記憶装置は、1平方インチ当たり3ギガビット以上の
高密度記録再生装置である。
【0009】一方、磁気媒体への記録機能を担うIDヘ
ッドも、GMRヘッドの進展に伴い、常に高密度な記録
性能の向上が求められてきた。特に、高密度な記録を行
うためには磁気媒体の高保磁力化が必須である。これ
は、記録密度の向上とともに、磁気媒体上に記録される
磁化の遷移長を小さくするため、また、1ビット当りの
磁化長が短くなっても磁化を安定に保持するためであ
る。このことから従来より、IDヘッドとしては高密度
記録に適した高保磁力媒体に記録を行えるよう、記録磁
界を増大させるための開発が精力的に進められてきた。
【0010】ところで、磁気ヘッドとしての製造工程の
簡便性、低コスト性を考慮した場合、磁性材料としては
めっき法で形成されることが有効である。めっき法にお
いては、予め磁極(第1及び第2の磁性層16,21)
の形状を貫いたフォトレジスト枠を形成し、この枠内に
めっき膜を成長させることで所望のパタンを得ることが
できる。この方法の簡便性、低コスト性から、現在では
この方法が薄膜磁気ヘッドの標準的な製造方法になって
いる。
【0011】本発明者らは、特許第2821456号公
報に開示されているように、Co−Ni−Feめっき膜
をサッカリンなどの添加剤の無いめっき浴で成膜し、膜
中のイオウ濃度を0.1重量%以下に抑えた高純度な膜
とすることによって、磁歪が実用水準にまで低減すると
ともに、1.9〜2.2[T](テスラ)という極めて
高い飽和磁束密度(Bs)、及び199[A/m]以下
という極めて低い保持力を有する、軟磁性膜(以下「高
Bs軟磁性膜」という。)を得た。この高Bs軟磁性膜
は、第1及び第2の磁性層16,21として好適であ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高Bs
軟磁性膜を用いて第1及び第2の磁性層16,21を形
成すると、次の(イ)〜(ハ)に示すような問題が生じ
ていた。
【0013】(イ)まず、第1及び第2の磁性層16,
21の剥離が生じる。
【0014】(ロ)また、ステップカバー(SC)膜に
クラックが生じる。すなわち、第1及び第2の絶縁層1
8,20の界面181にクラックが生じる。
【0015】(ハ)高Bs軟磁性膜の成膜時にフレーム
レジストにクラックが生じ、このクラックに沿ってめっ
き膜が成長して、第1及び第2の磁性層16,21の形
状異常が生じる。
【0016】そこで、本発明の技術的課題は、高Bs軟
磁性膜を第1及び第2の磁性層16,21に適用した場
合に生じる諸問題を解決することにより、高記録密度に
適した磁気ヘッド、及びその製造方法、並びにこれを用
いた磁気記憶装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高Bs軟
磁性膜が約200[MPa]と大きな応力を持つために
剥離等が生じること、及び高Bs軟磁性膜下に非磁性層
を挿入することによって高Bs軟磁性膜の密着力が増す
こと及び高Bs軟磁性膜の応力が減ることを見いだし
た。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
【0018】即ち、本発明によれば、基体上に設けられ
た第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に夫々設けられた
記録ギャップ層及び絶縁層によって周囲を絶縁されたコ
イルと、前記記録ギャップ層上及び前記絶縁層上に設け
られた第2の磁性層とを備えた磁気ヘッドにおいて、前
記第1の磁性層の下に設けられた第1の導電層と、前記第
1の導電層の下に設けられた第1の非磁性層とを備え、前
記第1の磁性層は、CoFeNi、CoFeCu、Co
FeMo、CoFeB、およびCoFeの内の少なくと
も1種を主成分とする合金の内から選択された少なくと
も1種からなる単層膜、多層膜、混合物の内のいずれか
であるか、または、該単層膜、該多層膜、及び該混合物
の内のいずれか一種とNiFeを主成分とする合金との
多層膜からなり、前記第1の非磁性層は、Ti、V、C
r、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、TaおよびWの内の
少なくとも一種を主成分とする金属からなる、単層膜、
多層膜、または合金膜からなることを特徴とする磁気ヘ
ッドが得られる。
【0019】また、本発明によれば、基体上に設けられ
た第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に夫々設けられた
記録ギャップ層及び絶縁層によって周囲を絶縁されたコ
イルと、前記記録ギャップ層上及び前記絶縁層上に設け
られた第2の磁性層とを備えた磁気ヘッドにおいて、前
記第2の磁性層の下に設けられた第2の導電層と、前記
第2の導電層の下に設けられた第2の非磁性層とを備
え、前記第2の磁性層は、CoFeNi、CoFeC
u、CoFeMo、CoFeB、およびCoFeの内の
少なくとも一種を主成分とする合金の内から選択された
少なくとも一種からなる単層膜、多層膜及び混合物の内
のいずれかであるか、または、該単層膜、該多層膜、及
び該混合物の内のいずれか一種とNiFeを主成分とす
る合金との多層膜からなり、前記第2の非磁性層がT
i、V、Cr、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Taおよ
びWの内の少なくとも一種を主成分とする金属からな
る、単層膜、多層膜、または合金膜からなることを特徴
とする磁気ヘッドが得られる。
【0020】また、本発明によれば、基体上に設けられ
た第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に夫々設けられた
ら記録ギャップ層及び絶縁層によって周囲を絶縁された
コイルと、前記記録ギャップ層上及び前記絶縁層上に設
けられた第2の磁性層とを備えた磁気ヘッドにおいて、
前記第1の磁性層の下に設けられた第1の導電層と、前記
第1の導電層の下に設けられた第1の非磁性層と、前記第
2の磁性層の下に設けられた第2の導電層と、前記第2
の導電層の下に設けられた第2の非磁性層とを備え、前
記第1及び第2の磁性層が、CoFeNi、CoFeC
u、CoFeMo、CoFeBおよびCoFeの内の少
なくとも一種を主成分とする合金のうちから選択された
少なくとも一種からなる単層膜、多層膜、及び混合物、
もしくは該単層膜、該多層膜、該混合物とNiFeを主
成分とする合金との多層膜からなり、前記第1及び第2
の非磁性層がTi、V、Cr、Y、Zr、Nb、Mo、
Hf、TaおよびWの内の少なくとも一種を主成分とす
る金属からなる、単層膜、多層膜、または合金膜からな
ることを特徴とする磁気ヘッドが得られる。
【0021】また、本発明によれば、基体上に設けられ
た第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に夫々設けられた
記録ギャップ層及び絶縁層によって周囲を絶縁されたコ
イルと、前記記録ギャップ層上及び前記絶縁層上に設け
られた第2の磁性層とを備えた磁気ヘッドにおいて、前
記第1の磁性層の下に設けられた第1の導電層と、前記第
1の導電層の下に設けられた第1の非磁性層とを備え、前
記第1の磁性層が、CoFeNi、CoFeCu、Co
FeMo、CoFeBおよびCoFeの内の少なくとも
一種を主成分とする合金の内から選択された少なくとも
一種からなる単層膜、多層膜及び混合物の内のいずれか
であるか、もしくは該単層膜、該多層膜、及び該混合物
の内のいずれかとNiFeを主成分とする合金との多層
膜からなり、前記第1の非磁性層は、引っ張り応力を有
する金属からなる、単層膜、多層膜、または合金膜から
なることを特徴とする磁気ヘッドが得られる。
【0022】また、本発明によれば、基体上に設けられ
た第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に夫々設けられた
記録ギャップ層及び絶縁層によって周囲を絶縁されたコ
イルと、前記記録ギャップ層上及び前記絶縁層上に設け
られた第2の磁性層とを備えた磁気ヘッドにおいて、前
記第2の磁性層の下に設けられた第2の導電層と、前記
第2の導電層の下に設けられた第2の非磁性層とを備
え、前記第2の磁性層が、CoFeNi、CoFeC
u、CoFeMo、CoFeBおよびCoFeの内の少
なくとも一種を主成分とする合金の内から選択された少
なくとも一種からなる単層膜、多層膜、混合物の内のい
ずれかであるか、もしくは該単層膜、該多層膜、及び該
混合物の内のいずれかとNiFeを主成分とする合金と
の多層膜からなり、前記第2の非磁性層は引っ張り応力
を有する金属からなる、単層膜、多層膜、または合金膜
からなることを特徴とする磁気ヘッドが得られる。
【0023】また、本発明によれば、基体上に設けられ
た第1の磁性層と、前記第1の磁性層上に設けられた記録
ギャップ層及び絶縁層によって周囲を絶縁されたコイル
と、前記記録ギャップ層上及び前記絶縁層上に設けられ
た第2の磁性層とを備えた磁気ヘッドにおいて、前記第
1の磁性層の下に設けられた第1の導電層と、前記第1の
導電層の下に設けられた第1の非磁性層と、前記第2の
磁性層の下に設けられた第2の導電層と、前記第2の導
電層の下に設けられた第2の非磁性層とを備え、前記第
1及び第2の磁性層が、CoFeNi、CoFeCu、
CoFeMo、CoFeB及びCoFeの内の少なくと
も一種を主成分とする合金からなる単層膜、多層膜、及
び混合物であるか、もしくは該単層膜、該多層膜、及び
該混合物の内のいずれかとNiFeを主成分とする合金
との多層膜からなり、前記第1及び第2の非磁性層は引
っ張り応力を有する金属からなる、単層膜、多層膜、ま
たは合金膜からなることを特徴とする磁気ヘッドが得ら
れる。
【0024】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドにおいて、前記第1の非磁性層、または第
2の非磁性層がTi、Ta、およびCrからなることを
特徴とする磁気ヘッドが得られる。
【0025】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドにおいて、前記第1の非磁性層はTiから
なり、当該非磁性層の膜厚が2[nm]以上かつ10
[nm]以下であることを特徴とする磁気ヘッドが得ら
れる。
【0026】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドにおいて、前記第1の非磁性層がTaから
なり、当該非磁性層の膜厚が1.5[nm]以上かつ1
0[nm]以下であることを特徴とする磁気ヘッドが得
られる。
【0027】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドにおいて、前記第1の非磁性層がCrから
なり、当該非磁性層の膜厚が2.5[nm]以上かつ1
0[nm]以下であることを特徴とする磁気ヘッドが得
られる。
【0028】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドにおいて、前記第2の非磁性層がTiから
なり、当該非磁性層の膜厚が10[nm]以上かつ29
0[nm]以下であることを特徴とする磁気ヘッドが得
られる。
【0029】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドにおいて、前記第2の非磁性層がTaから
なり、当該非磁性層の膜厚が8[nm]以上かつ290
[nm]以下であることを特徴とする磁気ヘッドが得ら
れる。
【0030】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドにおいて、前記第2の非磁性層がTiから
なり、当該非磁性層の膜厚が12[nm]以上かつ29
0[nm]以下であることを特徴とする磁気ヘッドが得
られる。
【0031】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドにおいて、前記磁性層はCoFeNi、C
oFeCu、CoFeMo、CoFeBおよびCoFe
の内のいずれかを主成分とするものからなることを特徴
とする磁気ヘッドが得られる。
【0032】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドにおいて、前記磁性層はCoFeNiを主
成分とするものからなることを特徴とする磁気ヘッドが
得られる。
【0033】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドにおいて、前記磁性層は、CoFeNiを
主成分とする磁性層と、NiFeを主成分とする磁性層
との積層構造からなり、前記CoFeNiを主成分とす
る磁性層は、前記記録ギャップ層に近い側に配置されて
いることを特徴とする磁気ヘッドが得られる。
【0034】また、本発明によれば、前記いずれかの磁
気ヘッドにおいて、前記CoFeNiを主成分とする磁
性層は、主にfcc構造及びbcc構造の内のいずれか
からなるか、又は主にfcc構造とbcc構造との混晶
からなる磁気ヘッドが得られる。
【0035】また、本発明によれば、前記磁気ヘッドに
おいて、前記CoFeNiを主成分とする磁性層は、2
0[nm]以下の結晶粒径からなることを特徴とする磁
気ヘッドが得られる。
【0036】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドにおいて、前記絶縁層及び前記コイルは、
第1の絶縁層、コイル及び第2の絶縁層が順次積層され
たものであり、エア・ベアリング・サーフェイス側にお
ける前記第2の絶縁層の周端が、前記第1の絶縁層の周
端よりもエア・ベアリング・サーフェイス側にあること
を特徴とする磁気ヘッドが得られる。
【0037】また、本発明によれば、前記いずれかの磁
気ヘッドにおいて、前記基体は、絶縁基板上に設けられ
た第1の磁気シールド層と、前記第1の磁気シールド層
上に設けられるとともに絶縁体からなる磁気分離層に挟
持された磁気抵抗効果素子と備え、さらに、前記磁気分
離層上に設けられ、前記第1の磁性層と兼用される第2
の磁気シールド層を備えていることを特徴とする磁気ヘ
ッドが得られる。
【0038】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドを製造する方法であって、前記磁性層を電
気めっき法により形成することを特徴とする磁気ヘッド
の製造方法が得られる。
【0039】また、本発明によれば、前記いずれか一つ
の磁気ヘッドを製造する方法であって、前記磁性層を、
応力緩和剤を添加していないめっき浴を用いて電気めっ
き法により形成することを特徴とする磁気ヘッドの製造
方法が得られる。
【0040】また、本発明によれば、前記いずれかの磁
気ヘッドと、保磁力が278600[A/m]以上であ
り且つ1平方インチ当りの記録密度が10ギガビット以
上である記録媒体とを備えていることを特徴とする磁気
記憶装置が得られる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1及び図2は本発明に係
る磁気ヘッドの一実施形態を示し、図1は図2のI−I
線縦断面図、図2はエア・ベアリング・サーフェイス
(ABS)から見た正面図である。以下、この図面に基
づき説明する。ただし、図5及び図6と同じ部分は同じ
符号を付すことにより説明を省略する。
【0042】図1及び図2を参照すると、スライダとな
るセラミック基板11は、アルミナとチタンカーバイド
とからなる複合セラミックである。この上に再生機能を
有するGMRヘッドが形成されている。このGMRヘッ
ドは、パタン化されたCoZrTa膜からなる第1の磁
気シールド層12と、Niが80重量%程度のNiFe
膜からなる第2の磁気シールド層15と、これらの間に
あって、アルミナからなる磁気分離層13を介したGM
R素子14とからなる。第1の磁気シールド層12の厚
さは1[μm]、第2の磁気シールド層15の厚さは3
[μm]である。また、第1の磁気シールド層12と第
2の磁気シールド層15との間のギャップは0.13
[μm]である。
【0043】図2に最も良く示されるように、GMR素
子14は、磁気媒体(図示せず)からの磁界を感磁する中
央領域141と、中央領域141にバイアス磁界と電流
とを供給する端部領域142とからなる。中央領域14
1は、一般にスピンバルブ効果と呼ばれるGMR効果を
有する積層構造体からなり、具体的には第1の磁気シー
ルド層12側から、下地Zr膜(膜厚3[nm])、P
tMn膜(膜厚20[nm])、CoFe膜(膜厚2
[nm])、Cu膜(膜厚2.1[nm])、CoFe
膜(膜厚0.5[nm])、NiFe膜(膜厚2[n
m])、Zr膜(膜厚3[nm])である。中央領域1
41の幅は、0.5[μm]であり、再生トラック幅を
規定している。端部領域142は、永久磁石膜としての
CoPt膜(膜厚20[nm])と、電極膜としてのA
u膜(膜厚50[nm])との積層構造である。
【0044】GMRヘッド上にIDヘッドが形成されて
いる。つまり、磁気分離層13上に、Tiからなる第1
の非磁性膜1(膜厚3[nm])及びNiFeからなる
第1の導電層2(膜厚100[nm])を介して、第1の
磁性層16(第2の磁気シールド層15を兼用)が形成
されている。第1の磁性層16は、NiFe2.0[μ
m]とサッカリンを添加していないCoNiFe膜0.
5[μm]との積層膜からなる。第1の非磁性層1を介
することにより、第1の磁性層16と磁気分離層13と
の密着力が向上する。そのため、第1の磁性層16を構
成するCoNiFe膜の応力に起因する膜はがれを、防
ぐことができる。第1の非磁性層1の膜厚は、2[n
m]以上で密着力が良好となるが、再生ギャップ長が広
くなるため10[nm]が上限である。
【0045】IDヘッドとしては、第2の磁気シールド
層15を第1の磁性層16とし、第1の磁性層16上の記
録ギャップ層17を介して存在する第1の絶縁層18に
よってゼロスロートハイトを規定する。記録ギャップ層
17は膜厚0.15[μm]のアルミナからなる。第1
の絶縁層18はフォトレジストからなる。また、第1の
絶縁層18上にCuめっき膜からなるコイル19が形成
されている。更に、第1の絶縁層18の外周部を覆うよ
うに第2の絶縁層20が形成されている。第2の絶縁層
20によりコイル19が絶縁されている。第2の絶縁層
20はフォトレジストからなる。このような構造をとる
ことにより、第1の絶縁層18と第2の絶縁層20との
界面5が第2の磁性層21側に露出しなくなる。それに
よって、第2の磁性層21を構成するサッカリンを含ま
ないCoNiFe膜の応力に起因する界面5のクラック
を、防ぐことができる。
【0046】記録ギャップ層17上及び第2の絶縁層2
0上に、Tiからなる第2の非磁性層3(膜厚50[n
m])及びNiFeからなる第2の導電層4(膜厚50
[nm])を介して、第2の磁性層21が形成されてい
る。第2の磁性層21は、CoNiFe膜0.5[μ
m]及びNiFe膜2.8[μm]の積層膜からなると
ともに、磁気媒体(図示せず)と対向するABSに露出し
ている。第2の非磁性層3を介することにより、第2の
磁性層21と記録ギャップ層17及び第2の絶縁層20
との密着力が向上するとともに、第2の磁性層21のC
oNiFe膜の応力が減少する。そのため、第2の磁性
層21を構成するサッカリンを含まないCoNiFe膜
の応力に起因する膜はがれを、防ぐことができる。
【0047】第2の非磁性層3の膜厚は、第2の絶縁層
20との密着性を得るため及び第2の磁性層21のCo
NiFe膜の応力を減少させるために、10[nm]以
上必要である。
【0048】第2の非磁性層3は実効的な記録ギャップ
の一部となる。そのため、実効的な記録ギャップ長a
は、記録ギャップ層17の膜厚bと、第2の非磁性層3
の膜厚cとの和となる。また、実効記録ギャップ長a
は、50[nm]以上かつ300[nm]以下とするこ
とが望ましい。そのため、(b+c)も50nm以上か
つ300nm以下となる。一方、記録ギャップ層17
は、第1の磁性層16と第2の磁性層21とをABS面
で電気的に分離するために、10[nm]以上が必要で
ある。したがって、これらの条件を満たすために、第2
の非磁性層3の膜厚の上限値は290[nm]となる。
【0049】図3は、本発明に係る磁気ヘッドの外観斜
視図である。図4は、本発明に係る磁気ヘッドを搭載し
た磁気記憶装置を示すブロック図である。以下、これら
の図面に基づき説明する。
【0050】図3に示すように、磁気ヘッド25は、ス
ライダ26、電極27、記録再生素子28が配置されて
いる。図4に磁気記憶装置29が示されている。スピン
ドルモータ30で回転する磁気媒体31の磁気記録面に
対向して、磁気ヘッド25がサスペンション33及びア
ーム34により取り付けられている。磁気ヘッド25
は、ヴォイスコイルモータ(VCM)35で磁気媒体3
1上をトラッキングされる。磁記録再生動作は、磁気ヘ
ッド25への記録再生チャネル36からの信号により行
われる。記録再生チャネル36、磁気ヘッド25の位置
決めを行うVCM35、及び磁気媒体31を回転させる
スピンドルモータ30は、それぞれ制御ユニット37に
よって制御される。
【0051】以上の構成において、磁気媒体31の保磁
力を278600[A/m]以上、磁気媒体31と磁気
ヘッド25との磁気間隙を35[nm]とすることによ
って、およそ10ギガビット/平方インチ又はそれ以上
の記録密度を有する磁気記憶装置29が実現される。
【0052】上記実施の形態では、高Bs軟磁性膜を磁
性層に用いた磁気ヘッドについて説明した。しかし、本
発明は、これに限定されるものではなく、一般的な磁性
層を用いた磁気ヘッドについても適用可能である。
【0053】次に本発明の磁気ヘッドの具体例について
説明する。
【0054】最初に、第1磁性層にNiFe/CoFe
Ni二層膜を用いた場合について、第1非磁性層によ
る、異常発生阻止効果を調べた。
【0055】下記表1、表2、および表3は、第1の非
磁性層にTi、TaおよびCrを用い、その膜厚を変え
て図1及び図2の構造の磁気ヘッドを試作した場合の、
第1の磁性層剥離発生確率、第2絶縁層クラック発生確
率、および第1の磁性層形状異常発生確率である。測定
に用いた素子において、第2磁気シールド層を兼ねる第
1の磁性層としては、応力緩和剤は用いずにメッキによ
り作成したNi80Fe20(1.0μm)/Co65
Fe23Ni12(1.0μm)二層膜(NiFe上に
CoFeNiを積層、組成はat%、)を、第2の磁性
層としては応力緩和剤を用いずにメッキにより作成した
Co65Fe23Ni12(1.4μm)(組成はat
%)をそれぞれ用いた。第2の非磁性層には30nmの
Tiを用い、その結果、第2磁性層に起因する剥離、ク
ラック発生、および形状異常等の異常は生じなかった。
試作の際にはヘッドの各要素としては以下のものを用い
た。以下に示されている各材料の組成は、スパッタに用
いたターゲットの組成(at%)である。
【0056】セラミック基板は、厚さ1.2mmのアル
チック上にアルミナを3μm積層したものを用い、第1
の磁気シールド層としてCo89ZrTaCr
(1μm)、縦バイアス下地層としてCr(10n
m)、縦バイアスとしてCo74. Cr10.5Pt
15(16nm)、磁気分離層としてアルミナを用い
た。GMR素子は、Ta(3nm)/Pt46Mn54
(20nm)/Co90Fe (3nm)/Ru
(0.7nm)/Co90Fe10(3nm)/Cu
(2.1nm)/Co90Fe10(0.5nm)/N
82Fe18(1nm)/Cu(2nm)/Ta(3
nm) の積層構造とした。また、第1の導電層として
Ni80Fe20(100nm)、記録ギャップ層とし
てアルミナ(0.18μm)、コイルとしてCu(1.
8μm)、第2の導電層としてNi80Fe20(50
nm)、第2の絶縁層としてレジストを夫々用いた。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】第1非磁性層にTiを用いた場合は、その
膜厚が1.5nm以下では第1磁性層に起因する剥離、
クラック発生、および形状異常が30%以上と大きな確
率で発生しているが、2.0nm以上ではそれぞれの異
常の発生確率が数%以下に低下しており、Ti第1非磁
性層による異常発生防止効果が現れている。
【0061】第1非磁性層にTaを用いた場合には、そ
の膜厚が1.0nm以下では第1磁性層に起因する剥
離、クラック発生、および形状異常が40%以上と大き
な確率で発生しているが、1.5nm以上ではそれぞれ
の異常の発生確率が十数%以下に低下しており、Ta第
1非磁性層による異常発生防止効果が現れている。
【0062】第1非磁性層にCrを用いた場合には、そ
の膜厚が2.0nm以下では第1磁性層に起因する剥
離、クラック発生、および形状異常が40%以上と大き
な確率で発生しているが、2.5nm以上ではそれぞれ
の異常の発生確率が十数%以下に低下しており、Cr第
1非磁性層による異常発生防止効果が現れている。
【0063】次に、第1磁性層にCoFeNi合金単層
膜を用い、CoFeNi合金の組成を変えてヘッドを作
成し、異常発生率を測定した。
【0064】下記表4は、図1及び図2の構造の磁気ヘ
ッドを、第2の磁気シールド層を兼ねる第1の磁性層と
して、応力緩和剤を用いずにメッキにより作成した膜厚
2μmの3種類の組成の異なるCoFeNi(Co65
Fe23Ni12、Co43Fe16Ni41 、Co
80FeNi11、いずれも組成はat%) を用
い、第1非磁性層にTiを用いた場合の、第1磁性層剥離
発生確率、第2絶縁層クラック発生確率、および第1の
磁性層形状異常発生確率の値がそれぞれ20%未満にな
る最も薄いTi非磁性層膜厚である。測定に用いた素子
においては、第2の磁性層としては応力緩和剤を用いず
にメッキにより作成したCo65Fe23Ni
12(1.4μm)(組成はat%、)を用いた。第2
磁性層に起因する異常発生を阻止するために、第2の非
磁性層に30nmのTiを用い、その結果、第2磁性層
に起因する剥離、クラック発生、および形状異常等の異
常は生じなかった。磁気ヘッドの各要素としては、表1
〜3のデータ取得に用いたものと同じものを用いた。
【0065】
【表4】
【0066】第1磁性層剥離発生確率、第2絶縁層クラ
ック発生確率、および第1の磁性層形状異常発生確率の
値がそれぞれ20%未満になる最も薄いTi非磁性層膜
厚は、いずれの組成の場合も2.0nmであり、CoF
eNi合金の組成による、Ti非磁性層による異常発生
防止効果には差は見られなかった。
【0067】次に、CoFeNi/NiFe第2非磁性
層による、第2磁性層の異常発生防止効果を調べた。
【0068】下記表5、表6、および表7は、図1及び
図2の構造の磁気ヘッドを、第2の非磁性層にTi、T
aおよびCrを用い、その膜厚を変えて試作した場合
の、第2の磁性層剥離発生確率、第2絶縁層クラック発
生確率、および第2の磁性層形状異常発生確率である。
測定に用いた素子において、第2の磁気シールド層を兼
ねる第1の磁性層としては、応力緩和剤を用いずにメッ
キにより作成したCo Fe23Ni12(2.0μ
m)(組成はat%、)を、第2の磁性層としては応力
緩和剤を用いずにメッキにより作成したCo65Fe
23Ni12(0.7μm)/Ni80Fe20(0.
7μm)(組成はat%、)をそれぞれ用いた。また、
第1の非磁性層には5nmのTiを用い、その結果、第1
磁性層に起因する剥離、クラック発生、および形状異常
等の異常は生じなかった。試作の際にはヘッドの各要素
としては、表1〜3のデータ取得に用いたものと同じも
のを用いた。
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】第2非磁性層にTiを用いた場合は、その
膜厚が9.0nm以下では第1磁性層に起因する剥離、
クラック発生、および形状異常が50%以上と大きな確
率で発生しているが、10.0nm以上ではそれぞれの
異常の発生確率が十数%以下に低下しており、Ti第2
非磁性層による異常発生防止効果が現れていることがわ
かる。
【0073】第2非磁性層にTaを用いた場合には、そ
の膜厚が7.0nm以下では第2磁性層に起因する剥
離、クラック発生、および形状異常が50%以上と大き
な確率で発生しているが、8.0nm以上ではそれぞれ
の異常の発生確率が十数%以下に低下しており、Ta第
2非磁性層による異常発生防止効果が現れていることが
わかる。
【0074】第2非磁性層にCrを用いた場合には、そ
の膜厚が10.0nm以下では第2磁性層に起因する剥
離、クラック発生、および形状異常が30%以上と大き
な確率で発生しているが、12.0nm以上ではそれぞ
れの異常の発生確率が十数%以下に低下しており、Cr
第2非磁性層による異常発生防止効果が現れていること
がわかる。
【0075】次に、第2磁性層にCoFeNi合金単層
膜を用い、CoFeNi合金の組成を変えてヘッドを作
成し、異常発生率を測定した。
【0076】表8は、図1及び図2の構造の磁気ヘッド
を、第2磁性層として、応力緩和剤を用いずにメッキに
より作成した膜厚1.2μmの3種類の組成の異なるC
oFeNi(Co65Fe23Ni12、Co43Fe
16Ni41 、Co80Fe Ni11、いずれも組
成はat%)を用い、第2非磁性層にTiを用いた場合
の、第1磁性層剥離発生確率、第2絶縁層クラック発生
確率、および第1の磁性層形状異常発生確率の値がそれ
ぞれ20%未満になる最も薄いTi非磁性層膜厚であ
る。測定に用いた素子において、第2の磁気シールド層
を兼ねる第1の磁性層としては、応力緩和剤を用いずに
メッキにより作成したCo65Fe23Ni (2.
0μm)(組成はat%、)を用いた。また、第1の非
磁性層には5nmのTiを用い、その結果、第1磁性層
に起因する剥離、クラック発生、および形状異常等の異
常は生じなかった。試作の際にはヘッドの各要素として
は、表1〜3のデータ取得に用いたものと同じものを用
いた。
【0077】
【表8】
【0078】第1磁性層剥離発生確率、第2絶縁層クラ
ック発生確率、および第1の磁性層形状異常発生確率の
値がそれぞれ20%未満になる最も薄いTi非磁性層膜
厚は、いずれの組成のCoFeNi合金を用いた場合も
10.0nmであり、CoFeNi合金の組成の違いに
よる、Ti非磁性層による異常発生防止効果には差は見
られなかった。
【0079】次に、第1及び第2磁性層としてCoFe
NiとNiFeとの2層膜やCoFeNi単層膜以外の
材料を用いた場合を検討した。
【0080】表9、表10、表11、および表12は、
図1及び図2の構造の磁気ヘッドを、第2の磁気シール
ド層を兼ねる第1の磁性層としては、応力緩和剤を用い
ずにメッキにより作成した膜厚2μmのCo74Fe
23Cu、Co72Fe24Mo、Co77Fe
19およびCo90Fe10 (組成はat%)を
用い、第1非磁性層に膜厚5nmのTi、Ta 及びC
rを用いた場合の、第1磁性層剥離発生確率、第2絶縁
層クラック発生確率、および第1の磁性層形状異常発生
確率である。測定に用いた素子においては、第2の磁性
層としては応力緩和剤を用いずにメッキにより作成した
Co65Fe23Ni12(1.4μm)(組成はat
%、)を用い、第2磁性層に起因する異常発生を阻止す
るために、第2の非磁性層に30nmのTiを用いた。
その結果、第2磁性層に起因する剥離、クラック発生、
および形状異常等の異常は生じなかった。磁気ヘッドの
各要素としては、表1〜3のデータ取得に用いたものと
同じものを用いた。
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】
【表11】
【0084】
【表12】
【0085】Co74Fe23Cu、Co72Fe
24Mo、Co77Fe19およびCo90Fe
10のいずれの場合も、第1非磁性層を用いない場合
は、異常発生確率は50%台から70%台であり、前述
のNiFe/CoFeNi二層やCoNiFe単層の場
合ほどではないにしても高い異常発生確率である。しか
し、いずれの場合も膜厚5nmのTi、TaまたはCr
を第1非磁性層に用いることにより、異常発生確率は数
%以下に低下した。Ti、TaおよびCrからなる第1
非磁性層は、NiFe/CoFeNi二層膜やCoFe
Ni単層の場合だけでなく、CoFeCu、CoFeM
o、CoFeBおよびCoFeを用いた場合にも、異常
発生防止効果があることがわかる。今回は検討しなかっ
たが、NiFeとCoFeCu、CoFeMo、CoF
eB、またはCoFeを組み合わせた場合の多層膜等に
おいても同様の効果があるものと思われる。
【0086】表13、表14、表15および表16は、
図1及び図2の構造の磁気ヘッドを、第2の磁性層とし
て、応力緩和剤を用いずにメッキにより作成した膜厚
1.4μmのCo74Fe23Cu、Co72Fe
24Mo、Co77Fe19およびCo90Fe
10 (組成はat%)を用い、第2非磁性層に膜厚3
0nmのTi、Ta 及びCrを用いた場合の、第2磁
性層剥離発生確率、第2絶縁層クラック発生確率、およ
び第2の磁性層形状異常発生確率である。測定に用いた
素子においては、第1の磁性層としては応力緩和剤を用
いずにメッキにより作成したCo65Fe23Ni12
(2.0μm)(組成はat%、)を用い、第1磁性層
に起因する異常発生を阻止するために、第1の非磁性層
に5nmのTiを用いた。その結果、第1磁性層に起因
する剥離、クラック発生、および形状異常等の異常は生
じなかった。磁気ヘッドの各要素としては、表1〜3の
データ取得に用いたものと同じものを用いた。
【0087】
【表13】
【0088】
【表14】
【0089】
【表15】
【0090】
【表16】
【0091】Co74Fe23Cu、Co72Fe
24Mo、Co77Fe19およびCo90Fe
10のいずれの場合も、第2非磁性層を用いない場合
は、異常発生確率は50%台から70%台であり、前述
のCoFeNi/NiFe二層やCoFeNi単層の場
合ほどではないにしても高い異常発生確率である。しか
し、いずれの場合も膜厚30nmのTi、TaまたはC
rを第2非磁性層に用いることにより、異常発生確率は
数%以下に低下した.Ti、TaおよびCrからなる第
2非磁性層は、CoNiFe/NiFe二層やCoFe
Ni単層の場合だけではなく、CoFeCu、CoFe
Mo、CoFeBおよびCoFeを第2磁性層に用いた
場合にも、異常発生防止効果があることがわかる。
【0092】今回は検討しなかったが、NiFeとCo
FeCu、CoFeMo、CoFeBまたはCoFeを
組み合わせた場合の多層膜等においても同様の効果があ
るものと思われる。
【0093】第1非磁性層および第2非磁性層の異常防
止効果としては、次の2つの効果が考えられる。1つ
は、第1非磁性層が磁気分離層と第1導電層との間に介在
することにより、あるいは第2非磁性層が第2絶縁層と
第2導電層との間に介在することにより、磁気分離層と
第1導電層との間、あるいは第2絶縁層と第2導電層と
の間の付着力を高める効果である。もう一つは、第1非
磁性層が第1導電層/第1非磁性層と、あるいは第2非磁
性層が第2導電層/第2磁性層と隣接することにより、
第1導電層/第1非磁性層、あるいは第2導電層/第2磁
性層の応力を減少させる効果である。
【0094】次に、異常発生防止効果が、付着力増強効
果によるものであるか、応力低減効果によるものである
かを調べた。
【0095】最初に、非磁性層を用いることによる付着
力増強効果がどの程度であるかを調べた。ガラス基板上
に、非磁性層として厚さ10nmのTi、TaおよびC
rをスパッタにより形成し、その上に導電層として厚さ
100nmのNi80Fe をスパッタにより形成
し、さらにその上に、磁性層として応力緩和剤を用いて
メッキにより厚さ2μmのCo65Fe23Ni12
形成した。比較のために、非磁性層を用いないサンプル
も作成した。ここで、実際のプロセスと異なり、磁性層
をメッキにより作成する際に応力緩和剤を用いたのは、
応力緩和剤を用いないと、非磁性層を形成しなかった場
合に磁性層の剥離が直ちに生じてしまい、比較サンプル
の付着力測定ができなかったためである。
【0096】このように作成した4種類のサンプルに対
し、アコースティックエミッション法により、付着力を
測定した。アコースティックエミッション法は、応力測
定対象の膜を形成した基板に反り応力を加えていき、膜
の基板からの剥離を音で検出することにより、剥離が発
生する応力を付着力として検出する方法である。応力を
加えることによる膜剥離はある程度の応力幅で生じる
が、ここでは、もっとも頻繁に剥離が生じた応力を付着
力と定義した。この場合の付着力を表17に示す。
【0097】
【表17】
【0098】非磁性層を用いない場合は、付着力は9G
Paと小さいが、非磁性層としてTi、TaおよびCr
を用いた場合には付着力が大幅に増大した。この3種類
の非磁性層の中では、付着力はTi及びTaがほぼ同程
度であり、Crはそれよりやや小さかった。
【0099】実際に図1および図2に示したような磁気
ヘッドを形成する場合においては、この実験の基板に相
当する部分が、磁気分離層や第2非磁性層といったガラ
ス以外の材料になるが、このような場合にも非磁性層の
存在による付着力増強効果は現れると思われる。
【0100】次に、非磁性層を用いることによる応力低
減効果を調べた。反り量の分かっている基板上に、非磁
性層として厚さ10nmのTi、TaおよびCrをスパ
ッタにより形成し、その上に導電層として厚さ100n
mのNi80Fe20をスパッタにより形成し、さらに
その上に、磁性層として応力緩和剤を用いずにメッキに
より厚さ0.3μmのCo65Fe23Ni12を形成
した。比較のために、非磁性層を用いないサンプルも作
成した。ここで、実際のプロセスと異なり、磁性層を
0.3μmと薄くしたのは、磁性層の膜厚が厚いと非磁
性層を形成しなかった場合に磁性層の剥離が直ちに生じ
てしまい、比較サンプルの付着力測定ができなかったた
めである。
【0101】このように作成した4種類のサンプルに対
し、Si基板の反り量を測定し、膜の応力を求めた(表
18)。
【0102】
【表18】
【0103】非磁性層を用いない場合は、内部応力は2
560MPaと大きいが、非磁性層としてTi、Taお
よびCrを用いた場合には内部応力は大幅に減少した。
Ti、TaおよびCrにはその上に形成されたCoFe
Niメッキ膜の応力を低減させる効果があるものと思わ
れる。この3種類の非磁性層の中では、内部応力はTi
が一番大きく次いでTa、Crはもっとも小さかった。
【0104】実際のヘッドにおいては、例えば表1、表
2および表3を比較した場合に、第1非磁性層膜厚が4
nmのときにTaおよびTiでは異常発生率が零であっ
たのに対し、Crの場合は若干の異常発生があったこと
から理解されるように、第1及び第2非磁性層にCrを
用いた場合よりTa及びTiの場合の方がやや異常発生
阻止効果が大きい傾向があった。表18によると、Ti
及びTaはCrほどの応力低減効果はないが、表17か
ら理解されるように、TiおよびTaは付着力増強効果
ではCrを上回っている.この、2つの効果が足し合わ
された結果として、TiおよびTaはCrより優れた異
常発生防止効果を持つにいたったものと考えられる。
【0105】次に、Ti、TaおよびCrを非磁性層に
用いることにより、磁性層の応力を低減できる理由とし
て、非磁性層と導電層および磁性層のそれぞれの応力が
足し合わさる効果があるのではないかと考え、Ti、T
aおよびCr単層膜の応力を測定した。表19は膜厚を
50nmとした場合のTi、Ta及びCr単層膜の内部
応力である。
【0106】
【表19】
【0107】Ti、Ta 及びCrのいずれの場合も内
部応力は負の値である。したがって、非磁性層、導電層
および磁性層のトータルでは、それぞれの応力が足し合
わさった応力値は、いずれの場合も非磁性層なしの場合
よりも 小さくなることが期待され、表18に示した結
果と傾向は合っている。単層膜の負の応力値はTa>C
r>Tiであったのに対し、非磁性層、導電層および磁
性層のトータルの応力値はTi>Ta>Crであり、必
ずしも単層膜の負の応力が大きいものが、トータルの応
力値が小さくはなっていない。非磁性層が磁性層の応力
を低減できる理由としては、必ずしも単に非磁性層単層
の負の応力が足し合わされたからというわけではないと
いうことを示す結果である。しかし、それが何であるか
を調べるのは今後の課題である。
【0108】ただし、上述のように非磁性層として負の
応力値を持つ材料を用いることが、トータルの応力値低
減に効果があることは、表18および表19のデータで
示されている通りであり、Ti、TaおよびCr以外の
材料であっても、単層膜の応力が負の場合は、非磁性層
に用いた場合に磁性層の応力緩和効果が期待できる。そ
こで、いくつかの種類の材料について単層膜(厚さ50
nm)をシリコン基板上に成膜し、膜応力を測定した。
その中で負の応力を示した材料について、ガラス基板上
に形成した膜厚50nmの単層膜の付着力を前述のアコ
ースティックエミッション法により測定し、それらの値
を表20に示した。
【0109】
【表20】
【0110】いずれの材料の場合も内部応力値は負であ
るから、トータルの磁性層の応力を低減する効果は期待
できる。しかし、MnおよびReの場合はクリーンなガ
ラス基板上に形成された膜であっても付着力が10GP
a以下であり、実際にヘッdドを作成した状態での異常
発生防止効果は期待できない.Y、Zr、Hf、V、N
b、MoおよびWの場合は、上述のTi、TaおよびC
rほどは付着力は高くないものの、30GPa台の付着
力を有しており、耐食性やヘッド製造プロセス適合性に
優れる場合には、第1および第2非磁性層材料の有力な
候補である。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る磁気
ヘッドによれば、磁性層の下に導電層を設け、この導電
層の下に非磁性層を設けたことにより、導電層によって
磁性層を電気めっきで形成することができるとともに、
非磁性層によって磁性層の下地に対する密着力を向上で
きる。この密着力が向上することによって、磁性層の応
力に起因する剥離等を防止できる。
【0112】また、CoNiFeを主成分とする磁性層
を、応力緩和剤を添加していないめっき浴を用いて電気
めっき法によって形成すると、高Bs軟磁性膜が得られ
る。このとき、高Bs軟磁性膜は、応力が極めて大きい
が、非磁性層によって密着力が増強されているので剥離
等が生じない。
【0113】また、第1の絶縁層、コイル及び第2の絶
縁層が順次積層され、エア・ベアリング・サーフェイス
側における第2の絶縁層の周端が、第1の絶縁層の周端
よりもエア・ベアリング・サーフェイス側にあるものと
することにより、第2の絶縁層と第1の絶縁層との界面
が第2の磁性層側に露出することを防止できる。したが
って、第2の絶縁層と第1の絶縁層との界面が第2の磁
性層の応力を受けにくくなるので、当該界面に生じるク
ラックを防止できる。
【0114】本発明によって、大きな応力を持つ高Bs
軟磁性膜を磁性層に用いた磁気ヘッドの製造に関わる問
題が解決したので、1平方インチあたり10ギガビット
以上の高密度記録再生が可能な磁気記憶装置を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ヘッドの一実施形態を示す、
図2のI−I線縦断面図である。
【図2】本発明に係る磁気ヘッドの一実施形態を示す、
エア・ベアリング・サーフェイス(ABS)から見た正
面図である。
【図3】本発明に係る磁気ヘッドを示す外観斜視図であ
る。
【図4】本発明に係る磁気ヘッドを搭載した磁気記憶装
置を示すブロック図である。
【図5】磁気ヘッドの従来例を示す、図6のV−V線縦
断面図である。
【図6】磁気ヘッドの従来例を示す、エア・ベアリング
・サーフェイス(ABS)から見た正面図である。
【符号の説明】
1 第1の非磁性層 2 第1の導電層 3 第2の非磁性層 4 第2の導電層 5 第1の絶縁層と第2の絶縁層との界面 10 基体 11 セラミック基板(絶縁基板) 12 第1の磁気シールド層 13 磁気分離層 14 GMR素子(磁気抵抗効果素子) 15 第2の磁気シールド層 16 第1の磁性層 17 記録ギャップ層 18 第1の絶縁層 19 コイル 20 第2の絶縁層 21 第2の磁性層 25 磁気ヘッド 29 磁気記憶装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月4日(2001.6.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】次に、第2磁性層にCoFeNi/NiF
用いた場合の、第2非磁性層による第2磁性層の異
常発生防止効果を調べた。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】
【表6】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正内容】
【0071】
【表7】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正内容】
【0093】第1非磁性層および第2非磁性層の異常防
止効果としては、次の2つの効果が考えられる。1つ
は、第1非磁性層が磁気分離層と第1導電層との間に介在
することにより、あるいは第2非磁性層が第2絶縁層と
第2導電層との間に介在することにより、磁気分離層と
第1導電層との間、あるいは第2絶縁層と第2導電層と
の間の付着力を高める効果である。もう一つは、第1非
磁性層が第1導電層/第1磁性層と、あるいは第2非磁性
層が第2導電層/第2磁性層と隣接することにより、第
1導電層/第1磁性層、あるいは第2導電層/第2磁性層
の応力を減少させる効果である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正内容】
【0099】実際に図1および図2に示したような磁気
ヘッドを形成する場合においては、この実験の基板に相
当する部分が、磁気分離層や第2絶縁層といったガラス
以外の材料になるが、このような場合にも非磁性層の存
在による付着力増強効果は現れると思われる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 美紀子 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 斉藤 信作 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 鳥羽 環 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 野中 義弘 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 林 一彦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 石綿 延行 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5D033 BA03 BA08 BA41 BA71 BB43 CA04 DA04 5D034 BA02 BB09 BB12 DA07

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に設けられた第1の磁性層と、前
    記第1の磁性層上に夫々設けられた記録ギャップ層及び
    絶縁層によって周囲を絶縁されたコイルと、前記記録ギ
    ャップ層上及び前記絶縁層上に設けられた第2の磁性層
    とを備えた磁気ヘッドにおいて、前記第1の磁性層の下
    に設けられた第1の導電層と、前記第1の導電層の下に設
    けられた第1の非磁性層とを備え、前記第1の磁性層は、
    CoFeNi、CoFeCu、CoFeMo、CoFe
    B、およびCoFeの内の少なくとも1種を主成分とす
    る合金の内から選択された少なくとも1種からなる単層
    膜、多層膜、混合物の内のいずれかであるか、または、
    該単層膜、該多層膜、及び該混合物の内のいずれか一種
    とNiFeを主成分とする合金との多層膜からなり、前
    記第1の非磁性層は、Ti、V、Cr、Y、Zr、N
    b、Mo、Hf、TaおよびWの内の少なくとも一種を
    主成分とする金属からなる、単層膜、多層膜、または合
    金膜からなることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 基体上に設けられた第1の磁性層と、前
    記第1の磁性層上に夫々設けられた記録ギャップ層及び
    絶縁層によって周囲を絶縁されたコイルと、前記記録ギ
    ャップ層上及び前記絶縁層上に設けられた第2の磁性層
    とを備えた磁気ヘッドにおいて、前記第2の磁性層の下
    に設けられた第2の導電層と、前記第2の導電層の下に
    設けられた第2の非磁性層とを備え、前記第2の磁性層
    は、CoFeNi、CoFeCu、CoFeMo、Co
    FeB、およびCoFeの内の少なくとも一種を主成分
    とする合金の内から選択された少なくとも一種からなる
    単層膜、多層膜及び混合物の内のいずれかであるか、ま
    たは、該単層膜、該多層膜、及び該混合物の内のいずれ
    か一種とNiFeを主成分とする合金との多層膜からな
    り、前記第2の非磁性層がTi、V、Cr、Y、Zr、
    Nb、Mo、Hf、TaおよびWの内の少なくとも一種
    を主成分とする金属からなる、単層膜、多層膜、または
    合金膜からなることを特徴とする磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 基体上に設けられた第1の磁性層と、前
    記第1の磁性層上に夫々設けられたら記録ギャップ層及
    び絶縁層によって周囲を絶縁されたコイルと、前記記録
    ギャップ層上及び前記絶縁層上に設けられた第2の磁性
    層とを備えた磁気ヘッドにおいて、前記第1の磁性層の
    下に設けられた第1の導電層と、前記第1の導電層の下に
    設けられた第1の非磁性層と、前記第2の磁性層の下に
    設けられた第2の導電層と、前記第2の導電層の下に設
    けられた第2の非磁性層とを備え、前記第1及び第2の
    磁性層が、CoFeNi、CoFeCu、CoFeM
    o、CoFeBおよびCoFeの内の少なくとも一種を
    主成分とする合金のうちから選択された少なくとも一種
    からなる単層膜、多層膜、及び混合物、もしくは該単層
    膜、該多層膜、該混合物とNiFeを主成分とする合金
    との多層膜からなり、前記第1及び第2の非磁性層がT
    i、V、Cr、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Taおよ
    びWの内の少なくとも一種を主成分とする金属からな
    る、単層膜、多層膜、または合金膜からなることを特徴
    とする磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 基体上に設けられた第1の磁性層と、前
    記第1の磁性層上に夫々設けられた記録ギャップ層及び
    絶縁層によって周囲を絶縁されたコイルと、前記記録ギ
    ャップ層上及び前記絶縁層上に設けられた第2の磁性層
    とを備えた磁気ヘッドにおいて、前記第1の磁性層の下
    に設けられた第1の導電層と、前記第1の導電層の下に設
    けられた第1の非磁性層とを備え、前記第1の磁性層が、
    CoFeNi、CoFeCu、CoFeMo、CoFe
    BおよびCoFeの内の少なくとも一種を主成分とする
    合金の内から選択された少なくとも一種からなる単層
    膜、多層膜及び混合物の内のいずれかであるか、もしく
    は該単層膜、該多層膜、及び該混合物の内のいずれかと
    NiFeを主成分とする合金との多層膜からなり、前記
    第1の非磁性層は、引っ張り応力を有する金属からな
    る、単層膜、多層膜、または合金膜からなることを特徴
    とする磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 基体上に設けられた第1の磁性層と、前
    記第1の磁性層上に夫々設けられた記録ギャップ層及び
    絶縁層によって周囲を絶縁されたコイルと、前記記録ギ
    ャップ層上及び前記絶縁層上に設けられた第2の磁性層
    とを備えた磁気ヘッドにおいて、前記第2の磁性層の下
    に設けられた第2の導電層と、前記第2の導電層の下に
    設けられた第2の非磁性層とを備え、前記第2の磁性層
    が、CoFeNi、CoFeCu、CoFeMo、Co
    FeBおよびCoFeの内の少なくとも一種を主成分と
    する合金の内から選択された少なくとも一種からなる単
    層膜、多層膜、混合物の内のいずれかであるか、もしく
    は該単層膜、該多層膜、及び該混合物の内のいずれかと
    NiFeを主成分とする合金との多層膜からなり、前記
    第2の非磁性層は引っ張り応力を有する金属からなる、
    単層膜、多層膜、または合金膜からなることを特徴とす
    る磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 基体上に設けられた第1の磁性層と、前
    記第1の磁性層上に設けられた記録ギャップ層及び絶縁
    層によって周囲を絶縁されたコイルと、前記記録ギャッ
    プ層上及び前記絶縁層上に設けられた第2の磁性層とを
    備えた磁気ヘッドにおいて、前記第1の磁性層の下に設
    けられた第1の導電層と、前記第1の導電層の下に設けら
    れた第1の非磁性層と、前記第2の磁性層の下に設けら
    れた第2の導電層と、前記第2の導電層の下に設けられ
    た第2の非磁性層とを備え、前記第1及び第2の磁性層
    が、CoFeNi、CoFeCu、CoFeMo、Co
    FeB及びCoFeの内の少なくとも一種を主成分とす
    る合金からなる単層膜、多層膜、及び混合物であるか、
    もしくは該単層膜、該多層膜、及び該混合物の内のいず
    れかとNiFeを主成分とする合金との多層膜からな
    り、前記第1及び第2の非磁性層は引っ張り応力を有す
    る金属からなる、単層膜、多層膜、または合金膜からな
    ることを特徴とする磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の内のいずれか一つに記
    載の磁気ヘッドにおいて、前記第1の非磁性層、または
    第2の非磁性層がTi、Ta、およびCrからなること
    を特徴とする磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項1,3,4,6,及び7の内のい
    ずれか一つに記載の磁気ヘッドにおいて、前記第1の非
    磁性層はTiからなり、当該非磁性層の膜厚が2[n
    m]以上かつ10[nm]以下であることを特徴とする
    磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1,3,4,6及び7の内のいず
    れか一つに記載の磁気ヘッドにおいて、前記第1の非磁
    性層がTaからなり、当該非磁性層の膜厚が1.5[n
    m]以上かつ10[nm]以下であることを特徴とする
    磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項1,3,4,6及び7の内のい
    ずれか一つに記載の磁気ヘッドにおいて、前記第1の非
    磁性層がCrからなり、当該非磁性層の膜厚が2.5
    [nm]以上かつ10[nm]以下であることを特徴と
    する磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項2、3、5、6、及び7の内の
    いずれか一つに記載の磁気ヘッドにおいて、前記第2の
    非磁性層がTiからなり、当該非磁性層の膜厚が10
    [nm]以上かつ290[nm]以下であることを特徴
    とする磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項2、3、5、6、及び7の内の
    いずれか一つに記載の磁気ヘッドにおいて、前記第2の
    非磁性層がTaからなり、当該非磁性層の膜厚が8[n
    m]以上かつ290[nm]以下であることを特徴とす
    る磁気ヘッド。
  13. 【請求項13】 請求項2、3、5、6、及び7の内の
    いずれか一つに記載の磁気ヘッドにおいて、前記第2の
    非磁性層がTiからなり、当該非磁性層の膜厚が12
    [nm]以上かつ290[nm]以下であることを特徴
    とする磁気ヘッド。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至11の内のいずれか一つ
    に記載の磁気ヘッドにおいて、前記磁性層はCoFeN
    i、CoFeCu、CoFeMo、CoFeBおよびC
    oFeの内のいずれかを主成分とするものからなること
    を特徴とする磁気ヘッド。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至12の内のいずれか一つ
    に記載の磁気ヘッドにおいて、前記磁性層はCoFeN
    iを主成分とするものからなることを特徴とする磁気ヘ
    ッド。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至13の内のいずれか一つ
    に記載の磁気ヘッドにおいて、前記磁性層は、CoFe
    Niを主成分とする磁性層と、NiFeを主成分とする
    磁性層との積層構造からなり、前記CoFeNiを主成
    分とする磁性層は、前記記録ギャップ層に近い側に配置
    されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  17. 【請求項17】 請求項13又は14記載の磁気ヘッド
    において、前記CoFeNiを主成分とする磁性層は、
    主にfcc構造及びbcc構造の内のいずれかからなる
    か、又は主にfcc構造とbcc構造との混晶からなる
    磁気ヘッド。
  18. 【請求項18】 請求項15記載の磁気ヘッドにおい
    て、前記CoFeNiを主成分とする磁性層は、20
    [nm]以下の結晶粒径からなることを特徴とする磁気
    ヘッド。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至18の内のいずれか一つ
    に記載の磁気ヘッドにおいて、前記絶縁層及び前記コイ
    ルは、第1の絶縁層、コイル及び第2の絶縁層が順次積
    層されたものであり、エア・ベアリング・サーフェイス
    側における前記第2の絶縁層の周端が、前記第1の絶縁
    層の周端よりもエア・ベアリング・サーフェイス側にあ
    ることを特徴とする磁気ヘッド。
  20. 【請求項20】 請求項1乃至19の内のいずれか一つ
    に記載の磁気ヘッドにおいて、前記基体は、絶縁基板上
    に設けられた第1の磁気シールド層と、前記第1の磁気
    シールド層上に設けられるとともに絶縁体からなる磁気
    分離層に挟持された磁気抵抗効果素子と備え、さらに、
    前記磁気分離層上に設けられ、前記第1の磁性層と兼用
    される第2の磁気シールド層を備えていることを特徴と
    する磁気ヘッド。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至20の内のいずれか一つ
    に記載の磁気ヘッドを製造する方法であって、前記磁性
    層を電気めっき法により形成することを特徴とする磁気
    ヘッドの製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項1乃至20の内のいずれか一つ
    に記載の磁気ヘッドを製造する方法であって、前記磁性
    層を、応力緩和剤を添加していないめっき浴を用いて電
    気めっき法により形成することを特徴とする磁気ヘッド
    の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項1乃至20の内のいずれか一つ
    に記載の磁気ヘッドと、保磁力が278600[A/
    m]以上であり且つ1平方インチ当りの記録密度が10
    ギガビット以上である記録媒体とを備えていることを特
    徴とする磁気記憶装置。
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