JP2002040553A - 雲台付カメラ装置 - Google Patents

雲台付カメラ装置

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JP2002040553A
JP2002040553A JP2000220619A JP2000220619A JP2002040553A JP 2002040553 A JP2002040553 A JP 2002040553A JP 2000220619 A JP2000220619 A JP 2000220619A JP 2000220619 A JP2000220619 A JP 2000220619A JP 2002040553 A JP2002040553 A JP 2002040553A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雲台付カメラ装置の駆動負荷を少なくするこ
とにより、駆動源を小型化、省電力化、パン・チルト駆
動の耐久性の向上を実現することを目的とする。 【解決手段】 カメラユニットと、前記カメラユニット
に接続され、前記カメラユニットをチルト方向に回動可
能に支持する支持手段と、前記カメラユニットと前記カ
メラユニット外部とを、支持手段を介して接続するため
の接続部材を有したチルト駆動可能なカメラ装置におい
て、前記接続部材は、前記支持手段において前記カメラ
ユニットのチルト回転軸周りに渦巻状に形成されている
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、カメラユ
ニットをパン(水平)方向・チルト(垂直)方向への駆動を
行い、静止画あるいは動画を撮影するための雲台付カメ
ラ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、雲台付カメラ装置は、例えば実公
平2−4319号公報に記載されているように、カメラ
ユニットから雲台固定部への配線処理において、パンお
よびチルト回転軸を中空にし、それらの中にケーブル通
すだけの単純な構成であった。
【0003】さらに、従来の可動カメラ装置は、例えば
実公平2-4319号公報に記載されているように、パンの回
転は、パン回転軸のみを軸支して回動するように構成さ
れている。
【0004】また、従来可動カメラ装置を天井等などに
取り付けて監視用途などに使用する場合は、天井等への
設置専用の可動カメラであったり、天井等へ大掛かりな
設置器具を取り付けた上で、可動カメラ装置のカメラユ
ニットが雲台装置に対して上になるように設置したりし
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような各従来例
によれば、カメラユニットから雲台固定部への配線処理
は、パンおよびチルト回転軸を中空にし、それらの中に
ケーブルを単純に通すだけであるので、パン,チルト駆
動を行なった場合、配線されたケーブル(接続部材)が
よじれてケーブルに対する負荷が大きくなったり、その
負荷のために駆動電流が増大して消費電力が多くなった
りする。また、ケーブルの度重なるよじれによって断線
したりして耐久性が悪くなる。さらに、できるだけケー
ブルのよじれを小さく抑えるためにパン・チルト可動範
囲を狭くする必要があり、広範囲の撮影が行えないとい
う欠点がある。
【0006】また、パンの回転が、パン回転軸のみを軸
支して回動するように構成されているので、カメラユニ
ットの重心がパン回転軸からずれていると、その自重に
よってパン回転軸が変形し、それに伴って雲台可動部が
傾き、意図した撮影軌道が得られない場合がある。また
上記問題を避けるために、パン回転軸を強固にしたり、
カメラユニットを軽くしたりする必要があった。
【0007】また、天井等へ大掛かりな設置器具を取り
付けた上で、カメラユニットが雲台に対して上になるよ
うに設置したりしていたので、汎用性が低く、大型の装
置となっていた。
【0008】本発明は、以上のような局面にかんがみて
なされたもので、雲台付カメラ装置の駆動負荷を少なく
することにより、駆動源を小型化、省電力化、パン・チ
ルト駆動の耐久性の向上を実現することを目的とする。
さらに、雲台付カメラ装置のカメラユニットが大掛かり
な設置器具を用いることなく設置面に対して上もしくは
下のいずれの状態でも使用できるような小型化された装
置の実現を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した少なくとも1つ
の目的を達成するために、本願の請求項1に係る発明に
よれば、カメラユニットと、前記カメラユニットに接続
され、前記カメラユニットをチルト方向に回動可能に支
持する支持手段と、前記カメラユニットと前記カメラユ
ニット外部とを、支持手段を介して接続するための接続
部材を有したチルト駆動可能なカメラ装置において、前
記接続部材は、前記支持手段において前記カメラユニッ
トのチルト回転軸周りに渦巻状に形成されていることを
特徴とする。
【0010】また、請求項10に係る発明によれば、カ
メラユニットと、可動部および固定部よりなる雲台と、
前記カメラユニットと前記雲台固定部とを接続するため
の接続部材を有した、パン駆動可能なカメラ装置におい
て、前記接続部材は、パン回動軸周りに渦巻状に形成さ
れ、前記雲台固定部には、前記渦巻状の接続部材を規制
または誘導するためのケース部材が設置されていること
を特徴とする。
【0011】また、請求項11に係る発明によれば、カ
メラユニットと、可動部および固定部よりなる雲台とか
らなるパン駆動可能なカメラにおいて、前記固定部また
は可動部の少なくとも一方には、パン回転円周上に前記
可動部と前記固定部とが係合する係合手段を有すること
を特徴とする。
【0012】また、請求項13に係る発明によれば、カ
メラユニットと、可動部及び固定部よりなる雲台とから
なり、装置の設置面に対して前記カメラユニットが、上
または下になる状態で撮影可能な可動カメラにおいて、
装置の設置面近傍に取付手段を設け、前記カメラユニッ
トが設置面に対して上の場合は取付手段を閉鎖部材で覆
い隠し、前記カメラユニットが設置面に対して下の場合
は、設置用部材を取付手段によって固定するように構成
したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に沿って本発明
の実施の形態を説明する。
【0014】本実施の形態の雲台付カメラ装置は、大別
してカメラユニットと雲台とから成る。
【0015】まず、本実施の形態における雲台付カメラ
装置のカメラユニットの内部構成及びカメラ支持部の右
方側の内部構造をそれぞれ図1,2,9を用いて説明す
る。
【0016】本実施例の可動カメラ装置の構成は、図9
に示すように、パン・チルト駆動系201,撮影レンズ
系202,主回路基板203,カメラ回路基板204,
撮像素子回路基板205によって構成され、各構成にお
ける映像信号・カメラ制御信号などの信号の授受はケー
ブルなどの接続部材によって接続されている。そして、
主回路基板203の駆動指令により、パン,チルト駆動
系201によるパン・チルト駆動が行なわれる。また、
主回路基板203からの撮影レンズ制御指令により、カ
メラ回路基板204および撮像素子回路基板205を介
して、撮影レンズのフォーカス・ズーム・光量絞りなど
の制御およびCCDなどの撮像素子による撮像動作が実行
される。
【0017】また、主回路基板203と外部機器206
との接続により、外部機器206側において撮影画像を
表示したり、外部機器206からカメラユニットのパ
ン,チルト制御あるいは撮影レンズ202のフォーカス
・ズーム・光量絞りなどの制御を実行することができ
る。具体的には主回路基板203に、ビデオ出力端子や
RS232Cなどのような外部機器(コントローラ)206と
の接続端子や、雲台付カメラ装置本体に対する電源供給
のための電源入力端子が設置されている。
【0018】図1において、カメラユニット1は、ズー
ム・フォーカス光学系から成る撮像光学系と露光調整装
置(不図示),それらを駆動するための駆動系から成る
レンズユニット2(202),レンズユニット2の後方
に配置され、撮像素子が設置されている撮像素子回路基
板3(205),レンズユニット2の側方に配置され、
撮像素子回路基板3と結線されているカメラ回路基板4
(204),前述の各構成を包含し、樹脂モールドで形
成されたカメラ上ケース5およびカメラ下ケース6,カ
メラユニット1の内側の各構成を覆うように形成されカ
メラ上ケース5とカメラ下ケース6とにそれぞれ熱かしめ
等で取付けられている金属薄板7および8,カメラ上ケ
ース5と下ケースとで挟み込むようにレンズユニット2
の前方に取付けられているフィルタ等の取り付け用のね
じリング9(後述図3参照),カメラ下ケース6に取付け
られ、後述する雲台12のカメラ支持部12a−1,1
2a−2の穴部部12a−1−a,12a−2−aとそれぞ
れ嵌合し、カメラユニット1をチルト方向に回動可能に
するチルト回転軸10および11などによって構成され
る。なお、各チルト回転軸10,11は、潤滑性が高く
摩擦の少ない材料で形成するのが望ましい。
【0019】次に、本実施の形態の雲台付カメラ装置の
カメラユニット1の取り付け関係について図1を用いて説
明する。
【0020】各チルト回転軸10,11は、それらの軸
部10a,11aがカメラ下ケース6の側面に設けられ
た各穴部6a,6bにそれぞれ嵌合し、各フランジ部1
0b,11bに設けられたセルフタップ穴10b−1〜
10b−3 (10b−3は不図示)、穴11b−1〜1
1b−3 (11b−3は不図示)と、カメラ下ケース6の
両側面に設けられた係止穴6d−1〜6d−3(6d−
3は不図示)、6d−1〜〜6d−3(6d−3は不図
示)とにより締結固定される。
【0021】各チルト回転軸10,11がカメラ下ケー
ス6に取付けられると、軸部10a,11aの各端面1
0a−1,11a−2は、カメラ下ケース6の両側面か
ら若千突出した寸法設定になっている。
【0022】チルト回転軸10は、中空(中空部10c)
になっていて、カメラユニット1のカメラ回路基板4か
らカメラの状態に関する情報および映像信号を主回路基
板18へ出力する後述図2の接続部材16,17を挿入
させる構造になっている。また、軸部10eが設けら
れ、後述のカメラ支持部12a−1の穴部12a−1−
aと嵌合する。
【0023】また、軸部10eは、前記接続部材16,
17を係止するための溝部10dが設けられている。一
方、チルト回転軸11は、軸部11eが設けられ、後述
のカメラ支持部12a−2の穴部12a−2−aと嵌合す
る。また、後述のスリップ機構およびウォームホイール
を取付けるための軸部11f及びこれらの締結固定用の
セルフタップ穴11gがある。
【0024】なお、カメラユニット1の重心位置は、ほ
ぼチルト回転中心線上に来るように設定している。これ
により、チルト回転軸の慣性モーメントを小さくでき、
チルト回転加速時間の短縮及び消費電力の削減に結びつ
き有利になる。
【0025】撮像素子回路基板3とカメラ回路基板4
は、レンズユニット2に設けられたセルフタップ穴を有
する軸部2aにより、所定の位置に締結固定される。カ
メラ回路基板4の所定位置は2つ考えられる。一つは図
1に示すように、レンズユニット2側方のカメラ支持部
側に設置する方法である。この方法によれば、カメラユ
ニット部上もしくは下方向に基板のスペースを設けなく
てよく、高さ方向の大きさを小さくできるので、高さ方
向の小型化には有利である。また、カメラ支持部12a
−1に接近しているので、接続部材16,17が短くて
すみ、省資源化にも有利である。
【0026】もう一つは、カメラユニット1の上方もし
くは下方に配置させる方法である。この方法によれば、
カメラユニット1の幅方向に基板4のスペースを設けな
くてよいので、幅方向の小型化には有利である。撮像素
子回路基板3とカメラ回路基板4とは、フレキシブルプリ
ント基板等の接続部材により結線されている。また、カ
メラ回路基板4からは、後述の雲台12の主回路基板1
8へ向かう接続部材16,17の一方の端部がコネクタ
等により接続されていて、チルト回転軸10の中空部1
0cを通っている。
【0027】レンズユニット2は、軸部2aと同様のセ
ルフタップ穴を有する軸部と、カメラ下ケース6に設け
られた係止穴部とにより、カメラ下ケース6に締結固定
される。カメラ上ケース5とカメラ下ケース6は、一方
のケースから突き出したセルフタップ穴を有する軸部
と、他方のケースから突き出した係止穴を有する軸部と
から、周知の方法で締結固定される(不図示)。
【0028】次に、本実施の形態の雲台付カメラ装置の
雲台12の構成を説明する。雲台12は、可動部12a
と、固定部12bとに分けられる。また、可動部12a
は、カメラ支持部12a−1,12a−2と可動ベ一ス
部12a−3に分けられる。
【0029】まず、可動部12aのカメラ支持部12a
−1,12a−2の構成と取付け関係を説明する。カメ
ラ支持部12a−1は、可動ベ一ス部12a−3より立
設されている。カメラ支持部12a−1は、チルト回転
中心軸と同軸上に穴部12a−1−aが設けられていて、
チルト回転軸10の軸部10eが嵌合している。また各
接続部材15,16 (図2)の渦巻き径を規制し、主回
路基板18へ導くための各ガイド13a,13b,14
a,14b,15が設けられている。
【0030】ここで、この接続部材の引き回しについて
詳述する。図2は、本実施の形態の雲台付カメラを右方
から視た図で、右側支持部12a−1 (図1)内とカメ
ラユニット1内を露出した状態である。
【0031】カメラ回路基板4には、コネクタ部材4
a,4bがあり、接続部材16,17が接続されている。
コネクタ部材4a,4bから延びた接続部材16,17
は、チルト回転軸10 (図1)の中空部10cの中を通
り、カメラ支持部12a−1側に導かれる。
【0032】その際、チルト回転軸10の円筒状軸部の
外周の一部に、接続部材16,17の幅よりも若干大き
い深さの湾部10d (図1)が施されていて、中空部10
c (図1)を通った接続部材16,17が、その溝部1
0d付近で90度に屈曲されていて、溝部10dに挿通
されている。
【0033】そして溝部10dを通った各接続部材1
6,17は、軸部10e (図1)の外周1〜3回程度渦
巻き状に形成した後、第1のガイド部13a,13bで
形成された溝部13cを通る。また第1のガイド部13
a,13bは、チルト回転軸10の中心とほぼ同心の円
弧部13a−1,13b−1が形成されていて、接続部
材16,17が作る渦巻き形状を所定の直径内に収まる
ようにしている。
【0034】この渦巻き状の構造により、カメラユニッ
ト1が、チルト回転動作をした時に、各接続部材16,
17が作る渦巻きの径が大きくなったり、小さくなった
りして、チルト回転負荷を軽減している(図2では、カ
メラユニット1が反時計回りに回転すると、渦巻きの径
が大きくなる方向、時計回りの回転では、小さくなる方
向に設定している)。
【0035】また、チルト駆動時に、各接続部材16,
17に繰り返しかかる屈曲負荷も大幅に軽減でき、接続
部材の導体部金属疲労による断線等を防げ、装置の耐久
性が飛躍的に向上する。
【0036】カメラ支持部12a−1には、第2のガイ
ド部14a,14bが設けられている。第2のガイド部1
4aはU字状に、第2のガイド部14bは軸状に形成さ
れていて、溝部13cを通った各接続部材16,17
を、第2のガイド部14a,14bの間に挟み込むよう
に挿通されている。そして、U字状の一端からU字状の
外周面に引き回し、カメラ支持部12a−1 (図1)に
設けられた軸部15に引掛けた後、90度屈曲させて、
装置中央部へ導かれている。
【0037】なお、図2が示すように、カメラ支持部1
2a−1の外側は開口しており、上記渦巻き構造を形成
し易くなっていて、作業性を向上させている。また、カ
メラ支持部12a−1には、開口部を塞ぐように形成さ
れ、カメラ支持部12a−1内に配置された各接続部材
16,17の保護のためのカバー部材19 (図1)が、外
側からねじ等の締結部材により取付けられている。
【0038】一方、図1に示すようにカメラ支持部12
a−2も、可動ベ一ス部12a−3より立設されてい
る。カメラ支持部12a−2は、チルト回転中心軸と同
軸上に穴部12a−2−aが設けられていて、チルト回
転軸11の軸部11eが嵌合している。チルト回転軸1
1の軸部11eには、リング状の支持板金20がまず嵌
合されていて、軸部11eと軸部11eの段差部で位置
規制されている。またDカット等の周知の技術により、
チルト回転軸11に対して、支持板金20が円周方向
(チルト方向)に回転しないように施されている。
【0039】次に、シリコンゴム等で作られたリング状
の摩擦部材21が嵌め込まれ、その次にウォームホイー
ル22が軸部11fに嵌合している。またウォームホイ
ール22の内径部には、円周方向にウェーブ形状のワッ
シャ23が配置され、その上から平ワッシャ24が嵌め
込まれ、ネジ等の締結部材により、チルト回転1軸11
に締結固定される。
【0040】その際、ウェーブ状ワッシャ23がチルト
回転軸方向に若千変形されていて、その変形力が、ウォ
ームホイール22の端面を摩擦部材21へ押圧するよう
に働いている。以上の構造によりスリップ機構が形成さ
れている。
【0041】スリップ機構は、例えば、不意の外力がカ
メラユニット1に加わり、チルト回転力が働いた時に、
チルト回転軸11に取付けられたウォームホイール22
の回転力により、ウォームホイール22の駆動伝達機構
である後述のウォーム部を傷めて、チルト回転精度の悪
化もしくはチルト回転不良を起こすのを防止する効果が
ある。
【0042】具体的には、ウォームホイール22に外力
による不意の回転力が働くと、ウォームホイール22と
ウォーム部32b (後述図3)の噛み合わせ位置を維持
したまま(ウォームホイール22とウォーム部32bと
は回転せずに止まったまま)、ウォームホイール22の
摩擦部材21側の面もしくは支持板金20の摩擦部材2
1側の面が摩擦部材21と擦れ合いながらチルト回転す
る。この摩擦力は、正常な駆動(チルトモータ28 (図
3)への通電による駆動)状態では、ウェープ状ワッシャ
23 (図1)の変形量の設定により、スリップを起こさ
ないような値となっている。
【0043】図3は、本実施の形態の雲台付カメラ装置
の側面の1方からみた内部構造図で、左側支持部12a
−2内と雲台可動部12a及び固定部12b内を露出し
た状態の図である。25はチルト駆動ユニットである。
板金26に、第1ギヤ27を装着したチルトモータ28
がねじ等で締結され、各軸受29,30 (板金26に嵌
合)より軸支されると共に、板ばね31 (板金26に締
結)によりウォームホイール側とウォーム軸のスラスト
方向のガタ取りのための付勢力を受けているウォーム軸
32が配置され、第1ギヤ27とウォーム軸32の第2
ギヤ部32aがタイミングべルト33で連結されてい
る。
【0044】また、ウォーム軸32のウォーム部32b
は、ウォームホイール22に螺合されている。以上のチ
ルト駆動ユニットは、カメラ支持部12a−2 (図1)
の内部にねじ等により締結されており、チルトモータ2
8への通電が行われると、その駆動力が伝達され、カメ
ラユニット1がチルト回転する仕組みになっている。
【0045】34は中継基板で、主回路基板18 (図
1)からの接続部材35の接続コネクタ34aと、チル
トモータ28の端子からの接続部材36の接続コネクタ
34bと、フォトインタラプタ等の位置検出器からの接
続部材37の接続コネクタ38が設けられている。
【0046】この中継基板34は、チルトモータ28及
び位置検出器39と主回路基板18(図1)を継いで信号
伝達を中継するものである。接続部材35は、カメラ支
持部12a−2〈図1〉内で屈曲され、装置中央部へ導
かれている。中継基板34は右側支持部12a−1に設
けてもよい。
【0047】なお、図3が示すように、カメラ支持部1
2a−2の外側は開口しており、上記チルト駆動ユニッ
ト等を取付ける際の作業がし易くなっている。また、カ
メラ支持部12a−2には、開口部を塞ぐように形成さ
れ、カメラ支持部内に配置された接続部材の保護のため
のカパー部材40 (図1)が、外側からねじ等の締結部
材により取付けられている。
【0048】図1において、可動ベ一ス部41の中央には
パン回転の主軸である、パン回転軸42が圧入もしくはイ
ンサート成形で固定されている。また、パン回転軸42周
辺には、チルト側と同様のスリップ機構部品(支持板
金、摩擦部材、ウォームホイール、ウェーブ状ワッシ
ャ)が取付けられるように、軸部41aがチルト回転軸11と
同様に施されている。
【0049】キャップ部材43は、ウォームホイール4
4の内径よりも若干小さい外周部43aと嵌合させなが
ら、当接面43bによりウェーブ状ワッシャを変形させ
る方向に嵌め込んで行くと、スナップフィット爪部43
c〜43e (43e不図示)が、軸部41aに設けられ
た溝部41a−1に係合し、キャップ部材43が軸部41
aに係止され、チルト側と同様のスリップカが働くよう
な仕組みになっている。
【0050】このスリップカは、ウェーブ状ワッシャ4
5の変形量により、適度に設定されている。チルト側と
同様に、正常な駆動(パンモータ46への通電よる駆動
状態ではスリップを起こさず、不意の外力によるパン回
転力が働いた場合には、ウォーム機構にその負荷が掛か
らないようにしてスリップを起こすような仕組みになっ
ている。
【0051】図1におけるカメラ支持部12a−1,1
2a−2から軸部41a付近まで引き回された接続部材
16,17 (図2),35 (図3)は、軸部41aに設け
られた溝部41a−2にガイドされて、後述のパンケー
ス48に導かれている。
【0052】固定部12bには、まずベ一ス板金47が
敷設されている。ぺ一ス板金47には、パンケース48
がねじ等により締結されている。パンケース48には、
パン回転軸42を支持する軸受部48aと、パン回転軸
を中心とした筒状のケーシング48bが施されている。
これにより、接続部材が作る渦巻き形状を所定の直径内
に収まるようにしている。
【0053】さらにベ一ス板金47には、チルト側と同
様の構成のパン駆動ユニット49と主回路基板18が、
ねじ等により締結されている。そして、固定部内部を覆
うように形成された雲台固定ケース50には、ベ一ス板
金47がねじ等により、締結されている。なお、ベ一ス
板金47の設置面には、弾性部材51が取付けられてい
て、安定した設置が得られるようになっている。
【0054】この弾性部材51の貼付面(ベース板金4
7底面)には図7 (a)に示されているように、ネジ穴
が47b,47c,47dが設けられている。これは、
図8に示すように、本装置を天井等に設置するための取
付板金100を本装置に固定するためのネジ穴である。
本装置に取付板金100を固定する際には、弾性部材5
1(51a〜51d)は貼付せずに、ネジ穴47b,4
7c,47dを露出させ、ベース板金47に取付板金1
00をのせて、取付板金100に設けられた3箇所の穴
部(不図示)とネジ穴47b,47c,47dとを位置
あわせして、ネジ101a,101b,101cにより
締結固定される(図7 (b)は締結固定された状態の
図)。
【0055】このように弾性部材51の貼付面に、天井
等に設置するときの取付板金締結用ネジ部を設けること
によって、通常の姿勢(ベース板金47が下の姿勢)で
は弾性部材51が貼付されるので、ネジ穴47b,47
c,47dは隠れることになり、装置内へのゴミの侵入
によるパン回転の動作不良が防げるとともに、天井等へ
の設置時は取付板金100の締結用に使用されるため、
両姿勢において共通のベース板金が使用できるので、生
産性が向上する。
【0056】取付板金100には突部100cがあり、
通常の姿勢時に使われる三脚等への設置のためのネジ穴
48eを隠すように形成されている。また、装置の外形
よりも外側に設けられた穴部100a,100bがあ
り、図8に示すように、取付ネジ102a,102bに
よって天井等に取り付けられる。なお、天井等に取り付
ける場合には、通常の姿勢に対して上下が逆になるた
め、撮影画像を観察するためには、通常の姿勢に対して
雲台の制御を上下逆に行えるように構成し、かつ撮影画
像を上下反転させる画像処理が必要になる。
【0057】さて、雲台固定部12bに、雲台可動部1
2aが組込まれる様子を図1により説明する。雲台固定
部12bの軸受部48aに、雲台可動部12aのパン回
転軸42が嵌合される。その際に、ケーシング部48b
には、可動部12aからの接続部材16,17,35
が、カメラ支持部12a−1内と同様の渦巻き形状に形
成されている。図4は雲台可動部12aを外した状態の
図である。
【0058】パン回転軸42付近を通った接続部材1
6,17,35はケーシング部48bに渦巻き状に収め
られ、ケーシング部48bの円筒部の一部に、接続部材
の幅よりも若干大きい溝部48fが設けられていて、そ
の溝部48fから、ケーシング部48bの外部へ引き出
されるようになっている。
【0059】そして、接続部材16,17,35は袋状
に形成された収納部48gにいったん収められ、そこか
ら主回路基板18に設けられたコネクタ18a〜cにそ
れぞれ接続される。このようにして、カメラユニット1
と主回路基板18との接続が行われ、信号伝達が可能と
なっている。なお、パンモータ46の端子に接続された
接続部材52も、主回路基板18に接続されていて、主
回路基板18からの指令により、駆動できるようになっ
ている。
【0060】上述の接続部材の渦巻き状構造により、カ
メラユニット1が、パン回転動作をした場合、接続部材
16,17,35が作る渦巻きの径が大きくなったり、
小さくなったりして、パン回転負荷を軽減している。
【0061】また、パン駆動時に、接続部材16,1
7,35に繰り返しかかる屈曲負荷も大幅に軽減でき、
接続部材の導体部金属疲労による断線等を防げ、装置の
耐久性が飛躍的に向上する。
【0062】主回路基板18には、穴部18d,18e
が設けられている。これは、コネクタ18a,18b,
18cに接続された接続部材16,17,35の揺動を
抑えるための抑え部材103を取り付けるための穴であ
る。図5において、抑え部材103には係止爪を有する
弾性片103a,103bが設けられていて、主回路基
板18の穴部18d,18eを通り、主回路基板18の
裏面部に弾性片103a,103bの係止部が係合し、ス
ナップフィットによって係止される。
【0063】また、係止爪を有する弾性片103cが設
けられていて、収納部48gの下端面48g−1に係止
爪が係合し、係止される。以上の3点の係止により、抑
え部材103が主回路基板18に固定される。また、抑
え部材103には、屈曲片103dが設けられ、接続部
材16,17,35が溝部48fよりケーシング部48
bの外部に出て、収納部48gに至るまでの接続部材の
揺動を抑える働きをしている。このようにすれば、雲台
可動部12aの一部に接続部材16,17,35が干渉
することがなくなるので、断線や動作の不具合等の問題
を回避できる。
【0064】パン回転軸42が、軸受部48aに完全に
嵌合されると、パン回転軸42の根元面41a−3と軸
受部の先端面48cが潤滑性の高い材料で作られたスペ
ーサ53を介して、当接する。また、パン回転軸42の
先端部には、溝部42aが形成されている。パンケース
48に設けられた穴部48dと、ベ一ス板金47に設け
られた穴部47aにより、開口部が形成されていて、そ
の開口部より、潤滑性の高い材料で作られたスペーサ5
3を介して、E型止め輪54が、溝部42aに取付けられ
る。これにより、可動部12aは、パン方向に駆動可能
な状態で、固定部12bに結合される。
【0065】雲台固定ケース50には図4および図5が
示すように、3ヶ所の突出片50a,50b,50cが
設けられていて、それらの上面部には潤滑性の高い樹脂
等で作られた摺動部材104a,104b,104cが
取付けられている。これは、雲台可動部12aが、チル
ト・パン動作を行なう場合(特に加減速を行なう場合)
に傾くのを抑えるための部材である。雲台可動部12a
が大きく傾くと撮影光学系が所定の位置からずれること
になるので、所望の撮影軌道(パン・チルトによる)が
得られず、意図した撮影が行えない場合があるため、雲
台可動部12aは極力傾かないように構成するのがよ
い。図6は、摺動部材104c周辺の断面図である。雲
台可動部12aの傘部12a−4には、摺動面12a−
4−aが円周上に施され、雲台可動部12aがわずかに
傾くと、摺動部材104a,104b,104cと接触
し、摺動するようになっていて、傾きを抑えるようにな
っている(傾く方向によって接触する摺動部材は異な
る)。このように構成すれば、雲台可動部12aの傾き
を最小限に抑えることができるので、より高性能な装置
を提供できる。
【0066】ところで、図示のように、カメラのチルト
回転のレンジを大きく取るため、垂直(チルト)回転中心
線から、カメラ支持部12a−1,12a−2と水平(パ
ン)可動部内に空間が形成されている。例えば、底面部
を天井に取付けた場合は、本装置が上下逆になるので、
真下の撮影が可能になる。
【0067】本実施の形態は、図1の雲台付カメラ装置
にワイドコンバージョンレンズを装着可能である。
【0068】図10は、本実施の形態の雲台付カメラ装
置のフィルタネジリング9にワイドコンバージョンレン
ズ110を取り付けた状態の図である。このような状態
では、カメラユニットの重心位置が前方へ移動するの
で、重力の影響でRg方向の力が生じる。このワイドコ
ンバージョンレンズ110の装着は、大出力モータの使
用による装置の大型化や、モータの大型化に伴う消費電
力の増大を引き起こす。
【0069】そこで本実施の形態では、接続部材16,
17を渦巻き状の部分を渦巻き状の状態から真っ直ぐに
なろうとする弾性力を有する弾性材で形成した。すなわ
ち、接続部材16,17を上述した構成とすることによ
り、渦巻き状の接続部材16,17がゼンマイバネのよ
うな効果で開放する力が作用し、カメラユニットをRf
方向へ回転させる回転力を生む。なお、この回転力は、
重力gによってカメラユニットに加えられる回転力Rg
方向とは反対方向となるように接続部材16,17の渦
巻き方向を設定している。
【0070】この補正力(Rf方向の回転力)により、カ
メラユニットの重心のアンバランスを補うことができ
る。これにより駆動モータへの負担が少なくてすみ、小
出力の小型モータが使用できて装置が小型化するととも
に、消費電力の削減に貢献できる。なお、本実施の形態
では、ワイドコンバージョンレンズ110を取り付けた
状態で説明したが、フィルタやテレコンバージョンレン
ズなどのカメラの重心が移動するようなアクセサリを装
着した場合でも同様の効果が得られる。
【0071】なお、本実施の形態では、カメラユニット
からの映像信号およびカメラ制御信号を外部と授受する
ためのケーブルを一方の支持部を介するように配置した
が、支持部の両側からケーブルを通すように配置しても
よい。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明によれ
ば、駆動ユニットヘの駆動負荷を少なくすることによ
り、駆動源の小型化・省電力化を可能とし、接続部材へ
のストレスを小さく抑えることにより、パン・チルト駆
動の耐久性が向上する。またカメラユニットの広範囲の
垂直(チルト)駆動が可能となり、装置の高性能化および
小型化に貢献できる。
【0073】また、カメラユニットの傾きを抑えること
ができ、装置の撮影性能が向上するため、装置の高性能
化に貢献できる。
【0074】また、カメラユニットが設置面に対して上
もしくは下の状態で使用できるようになり、装置の汎用
性改善、装置の小型化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の雲台付カメラ装置の正面
図。
【図2】本発明の実施の形態の雲台付カメラ装置の側面
図。
【図3】本発明の実施の形態の雲台付カメラ装置の側面
図。
【図4】本発明の実施の形態の雲台付カメラ装置の底面
図。
【図5】本発明の実施の形態の雲台付カメラ装置の内部
構造を示す斜視図。
【図6】本発明の実施の形態の雲台付カメラ装置の一部
断面図。
【図7】本発明の実施の形態の雲台付カメラ装置の底面
図。
【図8】本発明の実施の形態の雲台付カメラ装置の天井
への取り付け方法を示す図。
【図9】本発明の実施の形態の雲台付カメラ装置のシス
テム構成図。
【図10】本発明の実施の形態の雲台付カメラ装置のワ
イドコンバージョンレンズを取り付けた場合の側面図。
【符号の説明】
1 カメラユニット 10,11 チルト回転軸 12 雲台 12a 雲台可動部 12b 雲台固定部 16,17,35 接続部材(ケーブル)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カメラユニットと、前記カメラユニット
    に接続され、前記カメラユニットをチルト方向に回動可
    能に支持する支持手段と、前記カメラユニットと前記カ
    メラユニット外部とを、支持手段を介して接続するため
    の接続部材を有したチルト駆動可能なカメラ装置におい
    て、 前記接続部材は、前記支持手段において前記カメラユニ
    ットのチルト回転軸周りに渦巻状に形成されていること
    を特徴とする雲台付カメラ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記支持手段は、前
    記カメラユニットの側面に施されていることを特徴とす
    る雲台付カメラ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記接続部材は、映
    像信号またはカメラの状態に関する情報を伝達すること
    を特徴とする雲台付カメラ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記接続部材は、柔
    軟性を有した材料によって構成されることを特徴とする
    雲台付カメラ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記カメラユニット
    はアクセサリを装着可能とすることを特徴とする雲台付
    カメラ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記接続部材は、渦
    巻状の状態から真っ直ぐになろうとする弾性力を有する
    ことを特徴とする雲台付カメラ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、前記接続部材は、前
    記カメラユニットにかかる重力によって生じる回転力と
    は反対の方向に、弾性力によって生じるチルト回転力が
    発生するように構成されていることを特徴とする雲台付
    カメラ装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、前記支持手段は、前
    記接続部材の渦巻径を規制する規制部を有することを特
    徴とする雲台付カメラ装置。
  9. 【請求項9】 カメラユニットと、可動部および固定部
    よりなる雲台と、前記カメラユニットと前記雲台固定部
    とを接続するための接続部材を有した、パン駆動可能な
    カメラ装置において、 前記接続部材は、パン回動軸周りに渦巻状に形成され、
    前記雲台固定部には、前記渦巻状の接続部材を規制また
    は誘導するためのケース部材が設置されていることを特
    徴とする雲台付カメラ装置。
  10. 【請求項10】 カメラユニットと、可動部および固定
    部よりなる雲台とからなるパン駆動可能なカメラにおい
    て、前記固定部または可動部の少なくとも一方には、パ
    ン回転円周上に前記可動部と前記固定部とが係合する係
    合手段を有することを特徴とする雲台付カメラ装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記係合手段
    は、潤滑性の高い樹脂材により構成されていることを特
    徴とする雲台付カメラ装置。
  12. 【請求項12】 カメラユニットと、可動部及び固定部
    よりなる雲台とからなり、装置の設置面に対して前記カ
    メラユニットが、上または下になる状態で撮影可能な可
    動カメラにおいて、 装置の設置面近傍に取付手段を設け、前記カメラユニッ
    トが設置面に対して上の場合は取付手段を閉鎖部材で覆
    い隠し、前記カメラユニットが設置面に対して下の場合
    は、設置用部材を取付手段によって固定するように構成
    したことを特徴とする雲台付カメラ装置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、前記閉鎖部材は
    弾性部材によって形成されていることを特徴とする雲台
    付カメラ装置。
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