JP2002039609A - 風向調整装置 - Google Patents

風向調整装置

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JP2002039609A
JP2002039609A JP2001190316A JP2001190316A JP2002039609A JP 2002039609 A JP2002039609 A JP 2002039609A JP 2001190316 A JP2001190316 A JP 2001190316A JP 2001190316 A JP2001190316 A JP 2001190316A JP 2002039609 A JP2002039609 A JP 2002039609A
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JP
Japan
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guide vanes
pivot
flow
vane
guide vane
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Application number
JP2001190316A
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English (en)
Inventor
Atsushi Yoshihashi
淳 吉橋
Tomoko Oguma
智子 尾熊
Takayuki Yoshida
孝行 吉田
Eriko Kumegawa
恵理子 粂川
Satoru Koto
悟 古藤
Katsuyuki Aoki
克之 青木
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 左右方向に正確に吹出し気流を制御して、正
確に狙った地点へ気流を到達させることが出来る空気調
和装置の風向調整装置を得る。 【構成】 空気調和装置本体内に形成された風路の下端
に吹出ノズルを設け、この吹出ノズルに複数個並列枢持
されたガイドベーンにより上記風路を通った吹出し風を
左右方向へ案内して吹出口から吹き出させるものにおい
て、上記吹出ノズル左右壁の曲面に沿ってガイドベーン
がせりだして前方へ動くようにする。 【効果】 大きな風向偏向角度を得られ、吹出し流れ全
体を設定した左右吹出し方向へ吹き出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気流吹出口に設けられ
る風向調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】第25図〜第27図は、例えば実開昭5
8−69735号公報に示された従来の空気調和装置の
風向調整装置を示す図で、第25図は空気調和装置本体
の斜視図、第26図は第25図の横断面図、第27図は
同じく第25図の縦断面図である。図中、1は空気調和
装置本体、2は本体1の前面に覆い吸込口3を有する前
面パネル、4は本体1の前面下部に開口を有する吹出
口、5は吸込口3に面して配置された熱交換器、6は本
体1内に設けられ、風路13を形成するケーシング、7
は吹出口4に設けられ左右端部に装着された軸16によ
り前面パネル2の左右側壁11、15に枢着され風向を
水平、直下および斜めの各方向に変換するチェンジベー
ン、9はケーシング6の下方に配置され、ケーシング6
と共に風路を形成する吹出ノズル、8は吹出ノズル9の
左右辺部の壁10,14間に複数枚並設され枢軸で枢持
され、風向を左右に変換するガイドベーン、12は風路
13の吹出口4側に設置され、電動機18で駆動される
送風機、19は軸16に係止されたコイルばねである。
また、第28図は第27図の右側ガイドベーン付近の詳
細説明図、第29図は第28図に示したガイドベーンの
斜視図である。図中、20は軸21でガイドベーン8に
枢着され、複数のガイドベーン8を同時に左右の任意角
度に向けるための左右変更ロッドである。次に動作につ
いて説明する。従来の空気調和装置の風向調整装置は上
記のように構成され、送風機12が駆動されると、室内
空気は吸込口3から吸い込まれ、熱交換器5を通過して
冷房時は冷却、暖房時は昇温され、風路13を下降して
吹出口4から室内へ吹き出される。この風の流れを矢印
Uで示す。この風の上下方向の向きはチェンジベーン7
で、左右方向の向きはガイドベーン8で調整される。こ
こで、ガイドベーン8と左右変更ロッド20を枢持して
いる軸21とガイドベーン8を枢持している軸17と
は、各々一定の間隔を成して固定されているため、全て
のガイドベーン8は左右変更ロッド20に与えた変位量
+Aのために同一方向に平行に傾くように制御される。
ここに、チェンジベーン7およびガイドベーン8は意匠
上の制約から前面パネル2より外部に露出させることが
できず、さらにチェンジベーン7は吹出口を閉塞するカ
バーを兼用するため吹出口最外部に配置する必要があ
る。従って、ガイドベーン8はチェンジベーン7よりも
さらに吹出口より奥側に配置せざるを得ない。この場合
の風向調整装置の作用は、第28図に示すように、例え
ば左右変更ロッド20を右へ変位量+Aだけ変更させ、
右方向に風が吹き出すようにガイドベーン8を向けた場
合、一番右側のノズル9の右辺部の壁面14および前面
パネル2の右側壁面15に当たって反射するか、または
前方への直進流に偏向されて吹き出される。ここで、ガ
イドベーンを向けた方向への風の流れをW2 、右側壁面
15に当たって反射するかまたは前方へ直進流に偏向さ
れて吹き出される風の流れをV2 とする。ガイドベーン
8によって設定された吹き出し流れW2 は、最右端部に
おいて右側壁面15に反射しながら吹き出される流れV
2 の影響を受けて、(W2 +V2 )のベクトル合成方向
に偏向される。そのため、空気調和機の左右の斜め方向
へ吹出し風向を設定しても、この(W2 +V2 )の合成
方向の流れの影響を受けて、空気調和機の正面方向に偏
向され、正確に吹出し方向を設定できなかった。また、
第30〜第32図は、例えば実開昭63−147650
号公報に示された他の従来の空気調和機の風向変更装置
を示す図で、第30図は横断面図、第31図および第3
2図は第30図の装置の動作状態を説明した図である。
図において、201は吹出口、202は吹出口201の
内壁、203は吹出口201に複数枚がほぼ等間隔で配
置されて風向を変更するベーンで、左右それぞれ複数枚
からなる一組がそれぞれ設けられている。204は内壁
202を立設されてベーン203のそれぞれに配置さ
れ、ベーン203の一側縁部の一端を枢持した軸であ
る。205は一組のベーン203を連結した連結腕で、
それぞれのベーン203の軸204が配置された縁部の
他端寄りを枢持した連結軸206が設けられ、また、第
30図における中心寄りのベーン203の軸204と連
結軸206の間隔は、第30図における外側寄りのベー
ン203の軸204と連結軸206の間隔よりも短く設
定され、連結腕205は各ベーン203の軸204を結
ぶ線に対して傾斜して配置されている。第30図、第3
1図および第32図に示す他の従来の空気調和機の風向
変更装置は上記のように構成され、第31図に示すよう
に左右それぞれ一組のベーン203を互いに第31図に
おいて下側が広がる向きに配置して使用される。この状
態で第31図の中心寄りのベーン203の傾斜は、外側
寄りのベーン203よりも大きくなるので、それぞれの
ベーン203によって偏向される風向角も第32図で示
す矢印のように、中心寄りのベーン203による風向偏
向角度は外側寄りのベーン203による風向偏向角度よ
りも大きくなる。また、一組のベーン203の相互の中
間部は狭い隙間が形成されるので、この隙間から吹き出
す風207aは円滑に流れないため弱くなり、周囲の高
温多湿の二次空気208aを巻き込みベーン203に露
209aが形成される。また、第32図に示すように左
右それぞれ一組のベーン203を互いに第31図におい
て左側に、また逆に右側に向けて吹き出すように配置し
て使用される場合もある。この第31図のように左また
は右の一方向に吹き出す場合、吹き出す方向と反対側の
ベーン203最端部と内壁202の間隔が広がり、吹き
出す風207bが内壁202からはがれていく方向なの
で、ここに周囲の二次空気208bの巻き込みがおこり
内壁202に露209bが生成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の空気調和装置の
風向調整装置は以上のように構成されているので、空気
調和機の左右の斜め方向へ空調気流を吹き出す場合、ノ
ズルの左右辺部の壁面および前面パネルの左右側壁面に
当たって反射するか、または前方への直進気流に偏向さ
れる流れの影響を受けて、吹出し流全体が空気調和機の
前方へ偏向され、正確に狙った地点へ気流を到達させる
ことが出来ないという問題があった。このことは特に、
例えば人体センサーを用いて人の存在する方向を狙って
吹出し流を制御する場合、空気調和機の左右の斜め方向
の制御が正確に行えないという問題が生じる。また、上
記のような従来の空気調和装置の風向調整装置では、左
右偏向ロッド20を大きく変位させるとガイドベーン8
による圧力損失が増大して、風路13を通り吹出口4か
ら吹き出す風量が著しく低下する。これにより、特に暖
房時において温風の対流による運動が浮力による上昇力
に抗することができずに舞い上がって居室の表面に到達
しなくなる。また、冷房時には吹出し風量の低下に伴っ
て吹出し風の温度が低下することから吹出口4各部や本
体1に露が付着して運転中の居室内へ適下したり、居室
内のカビの発生の原因になったりする。そして、吹出し
気流は正面に吹き出しているときに比べて到達距離が短
くなり気流方向制御の精度を低下させる。また、ガイド
ベーン8により大きな風向偏向角度になるように制御し
ていることから、気流が剥離して冷房時に吹出口4各部
に着路する。さらに、空気調和装置を居室の壁際すなわ
ち居室コーナー近くに据え付けた場合に、吹出し気流が
壁に反射して吸込口3から吸い込まれるため居室内に気
流が循環せず快適な環境が得られなくなる。以上のよう
な不具合を防止するために左右風向偏向板の偏向角度を
ある角度以上にならないように規制することが必要にな
る。これに対して、従来は左右風向偏向板の偏向角度が
規制角度以上に回動しない構造になっている。このた
め、例えば着露しない暖房時においても冷房時の左右風
向偏向板の偏向角度規制によって、この偏向角度以上の
送風が出来なくなる。また、左右風向偏向板の偏向角度
規制によって空気調和装置の居室コーナー角への据え付
け時において、壁のない方向に送風する角度が規制され
る。以上のような理由から、左右方向の送風可能領域が
制約されて狭くなるため居室全体への送風が困難となっ
て、温度の不均一が発生して快適性が損なわれるという
問題点があった。従来のガイドベーンと回転ロッドの連
結機構では回転軸の回転角度に比例してガイドベーンが
回転してしまう。回転軸の回転中にガイドベーンを停止
させようとする場合構造が複雑となり、位置精度がでな
い。従来のガイドベーン群の駆動範囲中心は同一であり
互いに駆動範囲中心の異なる複数系統のガイドベーン群
を駆動させるためは複数の回転軸と制御系が必要となる
ため、機構および制御が複雑となる。従来の空気調和装
置は以上のように構成されているので、広角フロー実現
のためにガイドベーンを大きく偏向させると、吹出し動
圧損失が増加するため、送風性能が悪化し、騒音値が増
加したり吹出し状態が不安定になる等の問題点があっ
た。また、第30図、第31図および第32図に示すよ
うな他の従来の空気調和機の風向変更装置では、それぞ
れのベーン203は軸204と連結軸206の間隔をベ
ーン203の配置位置によって順次変化させて製作する
ことが必要となる。このため、ベーン203の製作、組
立に煩雑な手数が掛かるという問題点があった。また、
第31図のように一組のベーン203の相互の中間部は
狭い隙間が形成されるので、この隙間から吹き出す風2
07aは円滑に流れないため弱くなり、周囲の高温多湿
の二次空気208aを巻き込みベーン203に露209
aが形成される。また、第32図に示すように左右それ
ぞれ一組のベーン203を左側または右側の同一方向に
傾けて使用される場合には、吹き出す方向と反対側のベ
ーン203最端部と内壁202の間が広がり、吹き出す
風207bが内壁202からはがれるため、ここに周囲
の高温多湿の二次空気208bの巻き込みがおこり内壁
202に露209bが生成され、これらのような生成さ
れた露が適下するという問題点があった。本発明は上記
のような問題点を解消するためになされたものでこの発
明の第1の目的は、左右方向に正確に吹出し気流を制御
して、正確に狙った地点へ気流を到達させることが出来
る風向調整装置を得ることにある。また、この発明は上
記のような問題点を解消するためになされたものであ
り、この発明の第2の目的は左右方向の送風可能領域を
拡大して居室の快適性を向上できる風向調整装置を得る
ことにある。また、この発明は上記のような問題点を解
消するためになされたものであり、この発明の第3の目
的はベーンへの着路とそれに伴うベーンからの露の滴下
が少ない風向変更装置を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の風向調整装置
は、回転ロッドが左右端ガイドベーンの枢軸と連結腕を
介して連結している駆動伝達機構において、回転ロッド
とガイドベーンの2つの枢軸のなす角度が直角となるポ
イントを通過する時、回転ロッドの回転角度に対する左
右端ガイドベーンの回転角度の角度比が最低になること
を利用したものである。
【0005】
【0006】
【実施例】実施例1.以下、本発明の一実施例を図につ
いて説明する。第1図は左右ガイドベーンを左方向に傾
けた場合の左側ガイドベーン付近の詳細図である。図
中、8は吹出ノズル9の左右辺部の壁10,14間に複
数枚並設され枢軸17により吹出ノズル9内壁面上に回
動可能に枢持され、風向を左右に変換する第1種左右ガ
イドベーン、7は吹出口4に設けられ前面パネル2の左
右側壁11,15に回動可能に枢着され、風向を上下に
変換する上下ベーン、10は吹出口4の左側壁である。
28は第1種左右ガイドベーン8の最左側端と左ノズル
壁22との間の吹出ノズル9の内壁面上に枢軸32で回
動可能に枢持された左右端ガイドベーンである。33は
各々枢軸34,35で第1種ガイドベーン8の最左側端
および左右端ガイドベーン28に枢持され第1種左右ガ
イドベーン8と左右端ガイドベーン28を連動させて傾
き変更させる傾き変更ロッド、20は各々枢軸21によ
り第1種左右ガイドベーン8に枢持され複数の第1種左
右ガイドベーン8を同時に左右の任意角度に向けるため
の左右変更ロッドである。ここで、枢軸17は吹出ノズ
ル9、上下ベーン7及び送風機12等に平行に併設さ
れ、枢軸17と枢軸21の距離は全ての第1種左右ガイ
ドベーン8に対して、一定である。30は回転軸31を
持つ左右変更電動機、36は回転軸31を中心に左右変
更電動機30により回転し、枢軸37により傾き変更ロ
ッド33に枢持され、傾き変更ロッド33を左右方向の
往復運動に伝達する回転ロッドであり、枢軸37は回転
ロッド36の長手方向に設けたスリット38に沿って回
転ロッド36の長手方向に移動可能である。次に、動作
について説明する。第1種左右ガイドベーン8および左
右端ガイドベーン28を正面に向けた状態で、左右変更
電動機30の回転軸31を第1図において反時計回りに
回転して回転ロッド36を回転し、傾き変更ロッド33
を左に移動させ、枢軸34を介して最左側端の第1種左
右ガイドベーン8を第1図において右方向に傾け、枢軸
21を介して左右変更ロッド20を右に移動させる。こ
の際枢軸21と枢軸17の距離は各ガイドベーン8に対
して同一であるので、各ガイドベーン8は全て同一の角
度をもって傾く。この時、傾き変更ロッド33の他端の
枢軸35を介して左右端ガイドベーン28が枢軸32を
中心にして時計回りに回動し、左右端ガイドベーン28
が吹出ノズル9の左ノズル壁22の曲面に沿って吹出口
4の前方へせりだす。第33図は、本実施例による風向
調整装置の風向偏向作用を説明するための模式図であ
る。図中、A1は最左側端部から吹き出される流れの
内、左右端ガイドベーン28に衝突して静圧に変換され
る流れ、A2はA1が静圧に変換された後、左右端ガイ
ドベーン28先端と左側壁10の間で形成される開口か
ら吹き出される流れ、B1は左右端ガイドベーン28に
より変更されて左ノズル壁22にコアンダ効果による付
着が生じて左側壁10に沿って吹き出される流れ、B2
は左右端ガイドベーン28と最左端の第1種左右ガイド
ベーン8の間から吹き出される流れ、C1ないしC3は
第1種左右ガイドベーン8によって偏向されて吹き出す
流れ、D1はA2とB1が合流し左右端ガイドベーン2
8先端と左側壁10の間から左側壁10に沿って吹き出
される流れである。左右端ガイドベーン28によりその
両側に分離されたA1およびD1は、左右端ガイドベー
ン28の下流側に生じたはく離部分の負圧に解消すべ
く、このはく離領域へ向かって変更を受けるが、D1は
左右端ガイドベーン28と左側壁10の間で縮流されて
増速した後左側壁10に沿って流れ出るのでこの偏向作
用を受け難く、結局拡大され減速したB2が偏向を受け
て左右端ガイドベーン28の負圧面側に付着し、コアン
ダ効果によって安定な付着流D2が生じる。更に、C1
ないしC3が前記D2に誘引されて大きな偏向角をもっ
た流れD3となり、D1ないしD3が合流し大きな偏向
角度をもった吹出し流れD4を得ることができる。この
ように、本実施例によればノズルの左右辺部の壁面およ
び前面パネルの左右側壁面に当たって反射するかまたは
前方へ直進流に偏向される流れに対し、吹出口前方にせ
り出した左右端ガイドベーンの下流側(負圧面側)にコ
アンダ効果による吹出し気流の付着を生じさせ、より吹
出口の先端部で気流を偏向できるので、ノズルの左右辺
部の壁面および前面パネルの左右側壁面による干渉を受
けず、大きな風向偏向角度が得られ、結果として吹出し
流れ全体を設定した左右吹出し方向へ精度よく吹き出す
ことができる。実施例1’次に、第1種左右ガイドベー
ン8と左右端ガイドベーン28を同時に左右の任意角度
に向けるための機構に対する他の実施例について説明す
る。第37図は左側ガイドベーン付近の最左端部の斜視
図である。第1種左右ガイドベーン8は、枢軸17によ
り吹出ノズル9内壁面上に回動可能に枢持されている。
さらに、左右変更ロッド20は枢軸21により第1種左
右ガイドベーン8に枢持され複数の第1種左右ガイドベ
ーン8を同時に左右の任意の角度に向けることができ
る。左右端ガイドベーン28は枢軸32により吹出ノズ
ル9内壁面上に回動可能に枢持されている。また、モー
タ30の回転動力は回転軸32を介してL型の回転ロッ
ド36の回動に変換される。この回転ロッド36の回動
力は、一方枢軸37aを介して傾き変更ロッド33aへ
伝達されさらに枢軸35を介して左右端ガイドベーン2
8を枢軸32のまわりに回動させ、他方枢軸37bを介
して傾き変更ロッド33bへ伝達されさらに枢軸34を
介して第1種左右ガイドベーン8を枢軸17のまわりに
回動させることにより左右変更ロッド20を介して連動
する第1種ガイドベーン8を枢軸17のまわりに回動さ
せる。このように構成すると、回転ロッド36の回転中
心と枢軸37aの距離、および回転中心と枢軸37bの
距離を異なる構成とした場合には、これに連動して回動
する左右端ガイドベーン28と第1種ガイドベーン8の
回転移動量を別個にしかも任意に設定することができ、
ガイドベーンの制御の自由度を増大することができる。
【0007】実施例2.次に、右または左の一方向に吹
き出す場合について、吹き出す方向と逆方向側端の左右
端ガイドベーンの回動を規制するための機構を示す他の
実施例について説明する。第2図、第3図は左側ガイド
ベーン付近の最左端部の詳細図であるが、第2図は左方
向に吹き出す状態、第3図は右方向に吹き出す状態を示
していて、傾き変更ロッド33に接続されている左右変
更電動機30、回転軸31、回転ロッド36は省略され
ている。図において、39は枢軸35が傾き変更ロッド
33の長手方向に移動可能なL型スリット、41は左右
端ガイドベーン28に当接してその動きを規制するスト
ッパーである。傾き変更ロッド33が第2図に示すよう
に左に移動した状態では、第1種左右ガイドベーン8は
枢軸17を中心にして回動して左に傾き、左右端ガイド
ベーン28は枢軸32を中心にして回動し、左ノズル壁
22に沿って吹出口4の前方へせりだす。このとき枢軸
35はL型スリット39の短尺穴の部分に位置してい
る。この状態から正面吹きを経て第3図の状態になる場
合、まず、L型スリット39の短尺穴の部分に枢軸35
が捕捉された状態で傾き変更ロッド33は図において右
方向へ移動して左右端ガイドベーン28を回動させる
が、やがて左右端ガイドベーン28はストッパー41に
あたり左右端ガイドベーン28は第3図の状態で停止す
る。このとき、傾き変更ロッド33は図において右に移
動し続けるので、このストッパー41によって傾き変更
ロッド33が図において押し上げられた結果枢軸35が
L型スリット39の短尺穴の部分からはずれてL型スロ
ット39の長穴の右端から左へスライドして移動する。
傾き変更ロッド33はそのまま第1種左右ガイドベーン
8を回動させ、第3図の状態まで第1種左右ガイドベー
ン8を傾けて停止する。そのとき枢軸35はL型スリッ
ト39の長穴の左端に位置する状態になる。第3図から
第2図のような状態に移行するときは、以上の動作を逆
に行うことになる。以上のように、右または左の一方向
に吹き出す場合について、第2図、第3図のような吹き
出す方向と逆方向側端の左右端ガイドベーン28の回動
規制の機構によって吹出し気流がノズル壁に沿うように
制御されるために高温多湿の二次空気の巻き込みがなく
なり着露を防止できる。なお、上記実施例では、傾き変
更ロッド33を最左側端の第1種左右ガイドベーン8に
枢持させた例について説明したが、第1種左右ガイドベ
ーン8のどれに枢持させても、また、複数の第1種左右
ガイドベーン8に枢持させても同様の効果を奏する。ま
た、上記実施例では、ガイドベーンを左側に傾けた場合
の左側ガイドベーン付近の機構について説明したが、右
側ガイドベーン付近についても同様の機構を採用するこ
とによりガイドベーンを右側に傾けた場合の右側ガイド
ベーン付近についても同様の効果を奏することは言うま
でもない。また、上記実施例は、第1種左右ガイドベー
ン8および左右端ガイドベーン28を作動させるのに電
動機30を使用したものを示したが、手動にして上記実
施例のような動作をさせても同様の効果を得ることがで
きる。また、第4図は上記実施例における傾き変更ロッ
ド33の別のスリット形状を示したものである。40は
傾き変更ロッド33の長手方向に開けられたこけし型ス
リットで、他の番号は第3図の同じ番号のものを示して
いる。このこけし型スリット44は上記実施例で左右端
ガイドベーン28が逆方向に傾かないように規制する機
構のL型スリット39と同様の働きをする。図において
右方向に吹き出させるために傾き変更ロッド33を図に
おいて右方向に移動し左右端ガイドベーン28を回動さ
せる際、最初は枢軸35はこけし型スリット40の右端
の丸穴に位置し、こけし型スリット40のくびれ部分で
捕捉されている。この状態でさらに傾き変更ロッド33
を右方向に移動すると、左右端ガイドベーン28がスト
ッパー41にあたって停止するが、その後も傾き変更ロ
ッド33を右方向に移動し続けるとこれまで丸穴に捕捉
されていた枢軸35は丸穴からはずれて長穴を左に移動
し、第1種左右ガイドベーン8が右方向へ最大限傾けた
状態では第4図のようにこけし型スリット40の左端に
位置することになる。左方向に吹き出させるときには、
以上の動作を逆に行うことになる。以上のことから、第
2図、第3図のL型スリット39と同様の効果を得るこ
とができる。
【0008】実施例3.次に、左右端ガイドベーンの詳
細構造を示す他の実施例について説明する。左右端ガイ
ドベーン28の他の形状を詳細に示す斜視図である第5
図のように左右端ガイドベーン28を平板状にし、回転
板29を左右端ガイドベーン28と同じ幅にすると、傾
き変更ロッド33との枢軸35と、左右ガイドベーン2
8の枢軸32との距離が大きくとれるので左右端ガイド
ベーン28の回転半径が大きくなり、左右端ガイドベー
ン28が吹出口4のより前方へせりださせることがで
き、大きな風向偏向角度を得ることができる。また、図
のように傾き変更ロッド33との枢軸35の形状は棒
状、左右端ガイドベーン28の枢軸32は環状として、
はめ込むことにより組み立てられる。更に、左右端ガイ
ドベーン28を平板状とすると、第3図および第4図に
示すような吹き出す方向と逆方向側端(図では右方向吹
出し時の左側端付近)の左右端ガイドベーン28は吹き
出す方向と逆方向への風向偏向作用が働かず全体として
大きな風向偏向が得られると共に、正面吹き時に左右端
ガイドベーン28による左側端での左方向偏向および右
側端での右方向偏向の影響を受けず正面方向への収束性
のある吹出し気流が得られる。また、第6図のように左
右端ガイドベーン28を曲面形状にしても同様の効果が
得られるのに加え、コアンダ効果が促進され大きな傾き
角に対しても制御性が増し、より正確に吹出し方向を設
定することができる。また、吹出し流れに対する圧力損
失が低下するので、騒音も低減できる。なお、傾き変更
ロッド33との枢軸35は円錐状の爪を持つ形状、左右
端ガイドベーン28の枢軸32は環状の一側が切欠され
てC字状をなす形状として、はずれを防止した構造であ
る。また、第7図のように回転板29を板状ではなく棒
状とすると、重量が軽くなって回転するためのトルクが
小さくなり左右変更電動機30の負荷が小さくできる効
果がある。また、図のように傾き変更ロッド33との枢
軸35は穴状にして枢軸受けとしても良い。さらにま
た、第8図のように左右端ガイドベーン28の形状を平
面と曲面を組み合わせて構成しても上記実施例に示すの
と同様の効果が得られる。
【0009】実施例4.次に左右端ガイドベーンが複数
枚数のベーンより構成されている他の実施例について説
明する。第34図は本実施例における左右ガイドベーン
を左方向に向けた場合の左側ガイドベーン付近の詳細
図、第9ないし第12図は本実施例における左右端ガイ
ドベーンの斜視図である。図中、左右端ガイドベーン2
8は回転板29を介して同一枢軸のまわりに連動して回
動し、各々枢軸32との距離が異なる2枚の左右端ガイ
ドベーン28a,28bから構成されている。左右端ガ
イドベーン28の回動半径を大きくすると、左右端ガイ
ドベーン28がより吹出口の先端までせり出して吹出し
気流コアンダ効果による付着作用で偏向するので更に大
きな風向偏向角度が得られるが、回転半径を大きくする
と左ノズル壁22と左右端ガイドベーン28の間隔が大
きくなるため、左ノズル壁22に付着しないですりぬけ
る気流の影響を受けて風向偏向角度が期待したほど得ら
れない。そこで、このすりぬける気流を偏向してさらに
大きな風向偏向角度を得られるように左右端ガイドベー
ン28bを追加した。第35図は本実施例における風向
調整装置の風向偏向作用を説明するための気流の模式図
である。図中、左右端ガイドベーン28aは回動半径が
大きいため、この左右端ガイドベーン28aがより吹出
し口の先端までせり出すため、左右端ガイドベーン28
aと最左端の第1種左右ガイドベーン8の間から吹き出
す流れB2は、左右端ガイドベーン28aと左ノズル壁
22の間から吹き出す流れB3ないしB6と共に、より
吹出口前面にせり出した左右端ガイドベーン28aの下
流側に生じたはく離部分の負圧を解消すべく、このはく
離領域へ向かって偏向を受けるが、左右端ガイドベーン
28aの回動半径が大きくて左右端ガイドベーン28a
と左ノズル壁22の距離が大きいために吹出し流B3な
いしB6はこの間を低速ですりぬけ、この負圧領域への
偏向を受けて全体として正面方向流れとなってしまう。
本実施例においては、左右端ガイドベーン28aと同一
の回動軸32を有し、左右端ガイドベーン28aより回
動半径の小さい左右端ガイドベーン28bを設け、左右
端ガイドベーン28aと左右端ガイドベーン28bの間
の流れB4は左右端ガイドベーン28aの方向に偏向さ
れた流れB6とし、さらに左右端ガイドベーン28bと
左ノズル壁22の間の流れB3は左右端ガイドベーン2
8bに衝突して静圧に変換された後左右端ガイドベーン
28bと左ノズル壁22間で縮流されて増速した後左側
壁10に沿った流れB5となりB6と合流して流れ出る
ので、はく離領域に向かう偏向作用を受け難くなり、結
局B2が偏向を受けて左右端ガイドベーン28aの負圧
面側に付着し、コアンダ効果によって安定な付着流D2
が生じる。更に、第1種左右ガイドベーン8間から流れ
出たC3が前記D3となり、D2およびD3が合流して
大きな偏向角をもった吹出し流れD4を得ることができ
る。
【0010】実施例5.以下、本発明の別の実施例を図
について説明する。第13図は左右ガイドベーンを左方
向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の詳細図であ
る。図中、8は吹出ノズル9の左右辺部の壁10,14
間に複数枚並設され支点17により吹出ノズル9内壁面
上に回動可能に枢持され、風向を左右に変換する第1種
左右ガイドベーン、7は吹出口4に設けられ前面パネル
2の左右側壁11,15の回動可能に枢着され風向を上
下に変換する上下ベーン、10は吹出口4の左側壁であ
る。28は第1種左右ガイドベーン8の最左側端と左ノ
ズル壁22との間の吹出ノズル9の内壁面上に枢軸32
で回動可能に枢持された左右端ガイドベーンである。3
3は各々枢軸34,35で第1種左右ガイドベーン8の
最左側端および左右端ガイドベーン28に枢持されてい
る第1種左右ガイドベーン8と左右端ガイドベーン28
を連動させて傾きを変更させる傾き変更ロッド、20は
各々枢軸21により第1種左右ガイドベーン8に枢持さ
れ、複数の第1種左右ガイドベーン8を同時に左右の任
意角度に向けるための左右変更ロッドである。ここで枢
軸17は吹出ノズル9、上下ベーン7および送風機12
等に平行に並設され、枢軸17と枢軸21の距離は全て
の第1種左右ガイドベーン8に対して、一定である。他
の番号は実施例1の同じ番号のものを示している。ここ
で、実施例1とは異なり、左右変更電動機30の回転ロ
ッド36は枢軸37を介して左右変更ロッド20に接続
されている。次に動作について説明する。左右変更電動
機30の回転軸31を第13図において時計回りに回転
して回転ロッド36を回転し、左右変更ロッド20を右
に移動させ、枢軸37を介して最側端の第1種左右ガイ
ドベーン8を右方向に傾け、枢軸21を介して左右変更
ロッド20を右に移動させる。この際枢軸21と枢軸1
7の距離は各ガイドベーン8に対して同一であるので、
各ガイドベーン8はすべて同一の角度をもって傾く。こ
の時、傾き変更ロッド33の他端の枢軸35を介して左
右端ガイドベーン28が枢軸32を中心にして時計回り
に回動し、左右端ガイドベーン28が吹出ノズル9の左
ノズル壁22の曲面に沿って吹出口4の前方へせりだ
す。このような構成にすると、ノズルの左右辺部の壁面
および前面パネルの左右側壁面に当たって反射するかま
たは前方への直進流に偏向される流れに対し、吹出口前
方にせり出した左右端ガイドベーンの下流側(負圧面
側)にコアンダ効果による吹出し気流を生じさせ、より
吹出口の先端部で気流を偏向できるので、ノズルの左右
辺部の壁面および前面パネルの左右側壁面による干渉を
受けず、大きな風向偏向角度が得られ、結果として吹出
し流れ全体を設定した左右吹出し方向へ精度よく吹き出
すことができる。次に、右または左の一方向に吹き出す
場合について、吹き出す方向と逆方向側端の左右端ガイ
ドベーンの回動を規制するための構造について説明す
る。第14図,第15図は左側ガイドベーン付近の最左
端部の詳細図であるが、第14図は左方向に吹き出す状
態、第15図は右方向に吹き出す状態を示していて、左
右変更ロッド20に接続されている左右変更電動機3
0、回転軸31、回転ロッド36は省略されている。図
において、39は枢軸34が傾き変更ロッド33の長手
方向に移動可能なL型スリット、41は左右端ガイドベ
ーン28に当接してその動きを規制するストッパー、4
2は傾き変更ロッド33の動きを規制するストッパーで
ある。傾き変更ロッド33が第14図に示すように左に
移動した状態では、第1種左右ガイドベーン8は枢軸1
7を中心にして回動して左に傾き、左右端ガイドベーン
28は枢軸32を中心にして回動し、左ノズル壁22に
沿って吹出口4の前方へせりだす。このとき枢軸34は
L型スリット39の短尺穴の部分に位置している。この
状態から正面吹きを経て第15図の状態になる場合、ま
ず、L型スリット39の短尺穴の部分に枢軸34が捕捉
された状態で傾き変更ロッド33は図において右方向へ
移動し枢軸35を介して左右端ガイドベーン28を回動
させる。第1種左右ガイドベーン8は枢軸17を中心に
して回動するので、枢軸34は円軌道を描き、傾き変更
ロッド33は図において下方に移動する。さらに傾き変
更ロッド33が下方に移動すると、傾き変更ロッド33
はストッパー42に当接して枢軸34がL型スリットの
短尺穴から長尺穴へ移動し、同時に左右端ガイドベーン
28もストッパー41に当接し、傾き変更ロッド33の
下降と左右端ガイドベーン28の回動は第15図の状態
で停止する。このとき、第1種左右ガイドベーン8は左
右変更電動機30によって図の右方向へ移動する左右変
更ロッド20のために回動し続けており、枢軸34がL
型スリット39の長尺穴の左端から右へスライドして移
動する。左右変更電動機30はさらに左右変更ロッド2
0を図の右方向へ移動させて1種左右ガイドベーン8を
傾けた後、第15図の状態に至って停止する。そのとき
枢軸34はL型スリット39の長穴の右端に位置する状
態になる。第15図から第14図のような状態に移行す
るときは、以上の動作を逆に行うことになる。以上のよ
うに右または左の一方向に吹き出す場合について吹き出
す方向と逆方向側端の左右ガイドベーン28の回動規制
の機構によって吹出し気流がノズル壁に沿うように制御
されるために、高温多湿の二次空気の巻き込みがなくな
り着露を防止できる。第16図は上記実施例における傾
き変更ロッド33の別のスリット形状を示したものであ
る。40は傾き変更ロッド33の長手方向に開けられた
こけし型スリットで、他の番号は実施例1の同じ番号の
ものを示している。このこけし型スリット44は上記実
施例で左右端ガイドベーン28が逆方向に傾かないよう
に規制する機構のL型スリット39と同様の働きをす
る。図において右方向に吹き出させる際枢軸34はこけ
し型スリット40の左端の丸穴に位置し、こけし型スリ
ット40のくびれ部分で捕捉されている。左右変更電動
機30により左右変更ロッド20を図の左方向へ移動し
て第1種左右ガイドベーン8を枢軸17を中心に右方向
へ傾け、さらに枢軸34を介して傾き変更ロッド33を
図の右方向へ移動して左右端ガイドベーン28を枢軸3
2を中心に反時計方向に回動させると、左右端ガイドベ
ーン28がストッパー41にあたって第15図の状態で
停止するが、その後も第1種左右ガイドベーン8を右方
向に傾け続けるとこれまで丸穴に捕捉されていた枢軸3
4と丸穴からはずれて長穴を右に移動し、第1種左右ガ
イドベーン8が傾いて停止するときにはこけし型スリッ
ト40の右端に位置することになる。また左方向に吹き
出させるときには、以上の動作を逆に行うことになる。
以上のことから、第14図,第15図のL型スリット3
9と同様の効果を得ることができる。以上のように、左
右変更電動機30の動きを左右変更ロッド20を伝導す
るような機構にしても、上記実施例と同じような作用を
して同じ効果を得ることができる。なお、上記実施例で
は、ガイドベーンを左側に傾けた場合の左側ガイドベー
ンの左側端付近の機構について説明したが、右側ガイド
ベーン付近についても同様の機構を採用することによ
り、ガイドベーンを右側に傾けた場合の右側がガイドベ
ーンの右側端付近についても同様の効果を奏することは
言うまでもない。また、上記実施例は、第1種左右ガイ
ドベーン8および左右端ガイドベーン28を作動させる
のに電動機30を使用したものを示したが、手動にして
上記実施例のような動作をさせても同様の効果を得るこ
とができる。さらにまた、左右端ガイドベーン28の構
造を第5ないし12図に示したものに変えても同様の効
果を得ることができる。
【0011】実施例6.第36図は本実施例における左
右ガイドベーンを左方向に傾けた場合の左側ガイドベー
ン付近の詳細図、第38図は本実施例における第1種左
右ガイドベーンと第2種左右ガイドベーンの連動機構を
示す斜視図である。図中、7は吹出口4に設けられ前面
パネル2の左右側壁11,15に回動可能に枢着され、
風向を上下に変換する上下ベーン、10は吹出口4の左
側壁である。28は第1種左右ガイドベーン8の最左側
端と左ノズル壁22との間の吹出ノズル9の内壁面上に
枢軸32で回動可能に枢持された、左右端ガイドベーン
である。8は吹出ノズル9の左右辺部の壁10,14間
に中央部と最側端部に並設され枢軸17により吹出ノズ
ル9内壁面上に回動可能に枢持され、風向を左右に変換
する第1種左右ガイドベーンであり、24は両側端に配
置された第1種左右ガイドベーン8の間に複数枚並設さ
れ枢軸25により吹出ノズル9内壁面上に回動可能に枢
持された第2種左右ガイドベーンである。33は各々枢
軸34,35で左側端の第1種左右ガイドベーン8およ
び左右端ガイドベーン28に枢持され第1種左右ガイド
ベーン8と左右端ガイドベーン28を連動させて傾きを
変更させる傾き変更ロッド、20は各々枢軸21を介し
て第1種左右ガイドベーン8に、枢軸27を介して第2
種左右ガイドベーン24に枢持され、複数の第1種左右
ガイドベーン8および第2種左右ガイドベーン24を同
時に左右の任意角度に向けるための左右変更ロッドであ
る。ここで、上記実施例1,2とは異なり、左右変更ロ
ッド20の枢軸21は第1種左右ガイドベーン8に固定
されているが、第2種左右ガイドベーン24には左右変
更ロッド20の枢軸27を受ける枢軸受けのスリット2
6があり枢軸27は第2種左右ガイドベーンの長手方向
に移動可能である。このとき吹出ノズル9の中央寄りの
第1種左右ガイドベーンの枢軸21と枢軸17の距離に
対して、吹出ノズル9の最左側端部の第1種左右ガイド
ベーンの枢軸21と枢軸17の距離を小さく設定してい
る。他の番号は前述の実施例の同じ番号のものを示す。
次に動作について説明する。左右変更電動機30の回転
軸31を第36図において左方向に回転して回転ロッド
36を回転し、枢軸37を介して傾き変更ロッド33を
左に移動させ、枢軸34を介して最側端の第1種左右ガ
イドベーン8を左方向に傾けると、枢軸21を介して左
右変更ロッド20を図において右方向に移動させる。す
ると吹出ノズル9の中央寄りの第1種左右ガイドベーン
8の枢軸21と枢軸17の距離に対して、吹出ノズル9
の最側端部の第1種左右ガイドベーン8の枢軸21と枢
軸17の距離は小さく設定しているため、第36図のよ
うに吹出したい方向の最左側端部の第1種左右ガイドベ
ーン8の方が傾き角度が大きくなる。そのとき枢軸27
はスリット26に沿って第2種左右ガイドベーン24の
長手方向に移動可能であるため、結果として第2種左右
ガイドベーン24の枢軸27と枢軸25の距離は吹出ノ
ズル9の中央から左側端にかけて徐々に小さくなり、吹
出ノズル9の中央寄りから左ノズル壁22にかけて両端
の第1種左右ガイドベーン8の傾き角度の範囲内で順次
傾き角を大きくできる。同時に、傾き変更ロッド33の
他端の枢軸35を介して左右端ガイドベーン28が枢軸
32を中心にして図における時計回りに回動し、左右端
ガイドベーン28が吹出ノズル9の左ノズル壁22の曲
面に沿って吹出口4の前方へせりだしてくる。以上のよ
うに、左右壁の曲面に沿ってせりだして前方へ動くガイ
ドベーンと左右に回動可能に枢持している枢軸が風向偏
向面と一致するように配置し、吹き出したい左または右
方向の最側端部の左右ガイドベーンほど傾き角度が小さ
くなるように制御されたガイドベーンとを組み合わせて
構成すると、前方へせりだして動くガイドベーンの下流
側(負圧面側)にコアンダ効果による吹出し気流の付着
を生じさせ、より吹出口の先端で気流を偏向するので、
大きな風向偏向角が得られると共に、風向を変更する面
内に回転軸を持ち、吹き出したい左または右方向の最側
端部の左右ガイドベーンほど傾き角度が大きくなるよう
に制御されたガイドベーンによって、全体の流れを双方
の流れの合成ベクトル方向へ偏向とし、かつ中間の偏向
角度に対しても制御性の精度があがり、より正確に吹出
し流れ全体を設定した左右方向へ吹き出すことができ
る。なお、上記実施例では、ガイドベーンを左側に傾け
た場合の左側ガイドベーン付近の機構について説明した
が、右側ガイドベーン付近についても同様の機構を採用
することによりガイドベーンを右側に傾けた場合の右側
ガイドベーン付近についても同様の効果を奏することは
言うまでもない。
【0012】実施例7.第17図は本発明のさらに別の
実施例を示す図であり、左右ガイドベーンを左方向に傾
けた場合の左側ガイドベーン付近の詳細図である。図
中、7は吹出口4に設けられ前面パネル2の左右側壁1
1,15の回動可能に枢着され、風向を上下に変換する
上下ベーン、10は吹出口4の左側壁である。28は第
1種左右ガイドベーン8の最左側端と左ノズル壁22と
の間の吹出ノズル9の内壁面上に枢軸32で回動可能に
枢持された、左右端ガイドベーンである。8は吹出ノズ
ル9の左右辺部の壁10,14間に中央部と最側端部に
並設され枢軸17により吹出ノズル9内壁面上に回動可
能に枢持され、風向を左右に変換する第1種左右ガイド
ベーンであり、24は両側端に配置された第1種左右ガ
イドベーン8の間に複数枚並設され枢軸25により吹出
ノズル9内壁面上に回動可能に枢持された第2種左右ガ
イドベーンである。33は各々枢軸34,35で左側端
の第1種左右ガイドベーン8および左右端ガイドベーン
28に枢持され第1種左右ガイドベーン8と左右端ガイ
ドベーン28を連動させて傾きを変更させる傾き変更ロ
ッド、20は各々枢軸21を介して第1種左右ガイドベ
ーン8に枢軸27を介して第2種左右ガイドベーン24
に枢持され、複数の第1種左右ガイドベーン8および第
2種左右ガイドベーン24を同時に左右の任意角度に向
けるための左右変更ロッドである。左右変更ロッド33
の枢軸21は第1種左右ガイドベーン8固定されている
が、第2種左右ガイドベーン24には左右変更ロッド3
3の枢軸27を受ける枢軸受けのスリット26があり枢
軸27は第2種左右ガイドベーンの長手方向に移動可能
である。ここで、上記実施例6とは異なり、吹出ノズル
9の中央寄りの第1種左右ガイドベーンの枢軸21と枢
軸17の距離に対して、吹出ノズル9の最左側端部の第
1種左右ガイドベーンの枢軸21と枢軸17の距離を大
きく設定している。他の番号は前述の実施例の同じ番号
のものを示す。なお、第1種ガイドベーンと第2種ガイ
ドベーンの連動機構については第38図と同様である。
次に動作について説明する。左右変更電動機30の回転
軸31を第17図において左方向に回転して回転ロッド
36を回転し、枢軸37を介して傾き変更ロッド33を
左に移動させ、枢軸34を介して最側端の第1種左右ガ
イドベーン8を左方向に傾けると、枢軸21を介して左
右変更ロッド20を図において右方向に移動させる。す
ると吹出ノズル9の中央寄りの第1種左右ガイドベーン
8の枢軸21と枢軸17の距離に対して、吹出ノズル9
の最側端部の第1種左右ガイドベーン8の枢軸21と枢
軸17の距離を大きく設定しているため、第17図のよ
うに吹出したい方向の最左側端部の第1種左右ガイドベ
ーン8の方が傾き角度が小さくなる。そのとき枢軸27
はスリット26に沿って第2種左右ガイドベーン24の
長手方向に移動可能であるため、結果として第2種左右
ガイドベーン24の枢軸27と枢軸25の距離は吹出ノ
ズル9の中央から左側端にかけて徐々に大きくなり、吹
出ノズル9の中央寄りから左ノズル壁22にかけて両端
の第1種左右ガイドベーン8の傾き角度の範囲内で順次
傾き角を小さくできる。同時に、傾き変更ロッド33の
他端の枢軸35を介して左右端ガイドベーン28が枢軸
32を中心にして図における時計回りに回動し、左右端
ガイドベーン28が吹出ノズル9の左ノズル壁22の曲
面に沿って吹出口4の前方へせりだしてくる。以上のよ
うに、左右壁の曲面に沿ってせりだして前方へ動くガイ
ドベーンと左右に回動可能に枢持している枢軸が風向偏
向面と一致するように配置し、吹き出したい左または右
方向の最端部のガイドベーンほど傾き角度が小さくなる
ように制御されたガイドベーンとを組み合わせて構成す
ると、前方へせりだして動くガイドベーンの下流側(負
圧面側)にコアンダ効果による吹出し気流の付着を生じ
させ、より吹出口の先端で気流を偏向するので大きな風
向偏向角が得られると共に、風向を変更する面内に回転
軸を持ち、吹き出したい左または右方向の最端部のガイ
ドベーンほど傾き角度が小さくなるように制御されたガ
イドベーンによって、ガイドベーンから吹出ノズル出口
までの距離が大きい場合で、吹き出したい左または右方
向の最側端部から複数枚のガイドベーンが制御する吹出
し流れがノズルの左右辺部にある前方へせりだすガイド
ベーンとの干渉に対して、最側端部ほど傾き角度を小さ
くしてこの干渉による風量低下を抑制することができ
る。同時に干渉のない最側端部から離れたガイドベーン
の傾き角度を大きく吹き出すので、全体の流れを双方の
流れの合成ベクトル方向へ偏向し、かつ中間の偏向角度
に対しても制御性の精度があがり、より正確に吹出し流
れ全体を設定した左右方向へ吹き出すことができる。第
18図は、上記実施例の別の機構を示した図で、左右ガ
イドベーンを左方向に傾けた場合の左側ガイドベーンの
詳細図である。これは、上記実施例と同様の構成をして
いるが、第1種左右ガイドベーン8および第2種左右ガ
イドベーン24の各枢軸17および25の位置が吹出ノ
ズル9の中央部に向かって徐々に吹出口4の前方に出る
ようにし、かつ枢軸21を結ぶ直線が上下ベーン7やク
ロスフローファン12と平行になるように配置してい
る。このような構成によっても上記実施例と同様作用、
効果を得られる。なお、以上に述べた実施例では、ガイ
ドベーンを左側に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の
機構について説明したが、同様の機構を右側ガイドベー
ンに設けてもガイドベーンを右側に傾けた場合に同様の
効果を得ることができる。第19図に示す風向調整装置
を用い、吹出口4の前方1.5mにおける吹出し風の速
度分布を第20図に示す。図中23は右ノズル壁であ
る。第19図(a)は実施例7に示した風向調整装置で
あり、左ノズル壁22に沿って前方へせりだしてくる左
右端ガイドベーン28と、右ノズル壁23に沿って前方
へせりだしてくる左右端ガイドベーン28および左右各
7枚組の第1種左右ガイドベーン8および第2種左右ガ
イドベーン24から構成されており、左右各7枚組の左
右ガイドベーンは各々中央から端部に向かい54゜,5
1゜,・・・,36゜と3゜おきに傾き角度を小さくし
ていき、平均ベーン角度は45゜である。第19図
(b)図は従来例で示した風向調整装置の一つで、左右
壁に沿って前方へせりだす左右端ガイドベーンが無く左
右各7枚組の左右ガイドベーン203は第19(a)図
と同様に各々中央から端部に向かい54゜から36゜の
間で3゜おきに傾き角度を小さくし、平均ベーン角度は
45゜とした。第19(c)図も従来例に示した風向調
整装置の一つで、計14枚のガイドベーンの全てを45
゜傾けたものである。第20図では第19(a)図に対
する風速分布が実施例、第19(b)図のそれが従来例
、第19(c)図のそれが従来例となっている。第
20図によれば、実施例での吹出し速度の最大値が若干
小さくなるが、その風向偏向効果は従来例45゜、従
来例50゜に対して、実施例は65゜と大きな偏向角
度が得られており、大きな偏向角度に対しても制御性良
く偏向できる。
【0013】実施例8.第21図は本発明のさらに別の
実施例を示す、左右ガイドベーンを左方向に傾けた場合
の左側ガイドベーン付近の詳細図である。図中、7は吹
出口4に設けられ前面パネル2の左右側壁11,15の
回動可能に枢着され風向を上下に変換する上下ベーン、
10は吹出口4の左側壁である。28は第1種左右ガイ
ドベーン8の最左側端と左ノズル壁22との間の吹出ノ
ズル9の内壁面上に枢軸32で回動可能に枢持された左
右端ガイドベーンである。ここで、上記の各実施例とは
異なり、左右端ガイドベーン28を1枚ではなく複数枚
使用しており、枢軸35を介して傾き変更ロッド33で
連動させている。そのため回転板29の形状は、図のよ
うに前方へせりだした状態のときに左右端ガイドベーン
同士が干渉しないような形状としている。他の番号は前
述の実施例3の同じ番号のものを示す。以上のように、
左右壁の曲面に沿ってせりだして前方へ動く左右端ガイ
ドベーンを複数枚にすると、最側端部から最も離れた左
右端ガイドベーンによってはそのガイドベーンの下流側
(負圧面側)にコアンダ効果による吹出し気流の付着を
生じさせてより吹出口の先端で気流を偏向すると共に、
他の左右端ガイドベーンによってはそれらのガイドベー
ン間を流れる気流はより吹出口の先端まで気流を偏向し
て導くので、大きな偏向角度をもつ吹出し流れが吹出し
幅の広い範囲で得られ吹出し風の風量が多くなるため、
吹出ノズルの左右辺部の壁面および前面パネルの左右側
壁面に当たって反射するかまたは前方への直進流に偏向
される流れをなくして大きな偏向角度にすることができ
る。また、左右に回動可能に枢持している枢軸が風向偏
向面と一致するように配置し、吹出したい左または右方
向の最端部のガイドベーンほど傾き角度が小さくなるよ
うに制御されたガイドベーンと組み合わせて構成する
と、ガイドベーンから吹出ノズル出口までの距離が大き
い場合で、吹き出したい左または右方向の最端部から複
数枚のガイドベーンが制御する吹出し流れがノズルの左
右辺部にある前方へせりだすガイドベーンとの干渉に対
して、最端部ほど傾き角度を小さくしてこの干渉による
風量低下を抑制することができる。同時に干渉のない最
端部から離れたガイドベーンの傾き角度を大きくして吹
き出すので、全体の流れを双方の流れの合成ベクトル方
向へ偏向し、かつ中間の偏向角度に対しても制御性の精
度があがり、より正確に吹出し流れ全体を設定した左右
方向へ吹き出すことができる。なお、以上に述べた実施
例では、ガイドベーンを左側に傾けた場合の左側ガイド
ベーン付近の機構について説明したが、右側ガイドベー
ン付近についても同様の機構を使用することによりガイ
ドベーンを右側に傾けた場合でも同様の効果を得ること
ができる。
【0014】実施例9.第22図,第23図,第24図
は本発明のさらに別の実施例を示す図であり、第22図
は左側ガイドベーン付近の動作状態の水平断面図、第2
3図は左側ガイドベーン付近の動作状態の垂直断面図、
第24図は左右端ガイドベーンの斜視図である。本実施
例においては上下ベーンは2枚により構成されており、
44は上下に風向偏向するための上ベーン、45は上下
に風向偏向するための下ベーンである。第22図におい
て、左右ガイドベーン8は左方向へ傾き左右端ガイドベ
ーン28は左ノズル壁22に沿って吹出口4の前方へせ
りだしている。第23図は第22図の状態を吹出口4の
左側面から見た垂直断面図であり、傾き変更ロッド33
に接続されている左右変更電動機30、回転軸31、回
転ロッド36は省略されている。他の番号は上記各実施
例の同一番号のものに対応している。動作としては実施
例1と同様であるが、左右端ガイドベーン28の回転半
径が大きいため上記実施例におけるより左右端ガイドベ
ーン28は前方へせりだすようになっている。このと
き、第22図、第23図の斜線の部分で示すように上下
ベーンと干渉する部分が生じてしまう。第23図におい
て、下ベーン45は枢軸16を中心に回動するので、吹
出ノズル9の内側で下ベーン45は破線のような軌跡を
描き、吹出口4の前方へせりだしてきた左右端ガイドベ
ーン28と斜線の部分で干渉し、そのためこの左右端ガ
イドベーン28のこの干渉し合う部分を削除しなければ
ならないが、そうするとこの左右端ガイドベーン28の
削除した部分を通過する吹出し風を制御できなくなって
しまい吹出し風の偏向角度が小さくなってしまう。そこ
で本実施例では左右端ガイドベーン28を第24図のよ
うな形状にする。この実施例では下ベーン45との干渉
を避けるため、左右端ガイドベーン28の下方部分の曲
率を変化させて、軌跡が下ベーン45の端部から離れた
ものとなっている。以上のように、本実施例によれば左
右端ガイドベーン28をより前方へせりださせるため吹
出口前方にせり出した右端ガイドベーンの下流側(負圧
面側)にコアンダ効果による吹出し気流を生じさせ、よ
り吹出口の先端部で気流を制御できるので、ノズルの左
右辺部の壁面および前面パネルの左右側壁面による干渉
を受けず大きな風向偏向角度が得られる。さらに左右端
ガイドベーン28が上下風向偏向板とベーンと干渉せず
かつ風が通り抜けないような形状にしたので左右端ガイ
ドベーン28による風向偏向角度を減少させることな
く、上下風向偏向板と干渉することを避けられる。これ
らのことから、ノズルの左右辺部の壁面および前面パネ
ルの左右側壁面に当たって反射するかまたは前方への直
進流に偏向される流れに対し、吹出口前方にせり出した
左右端ガイドベーンの下流側(負圧面側)にコアンダ効
果による吹出し気流の付着を生じさせ、より吹出口の先
端部で気流を偏向できるので、ノズルの左右辺部の壁面
および前面パネルの左右側壁面による干渉を受けず、大
きな風向偏向角度が得られると同時に、左右に回動可能
に枢持している枢軸が風向偏向面と一致するように配置
したガイドベーンによる吹出し流れで前記吹出ノズル左
右壁の曲面に沿ってせりだして前方へ動くガイドベーン
により制御される偏向角度の中間の風向偏向角度になる
ように制御でき、より正確に吹出し方向を設定すること
ができる。なお、上記実施例では、ガイドベーンを左側
に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の機構について説
明したが、右側ガイドベーン付近についても同様の機構
を採用することによりガイドベーンを右側に傾けた場合
の右側ガイドベーン付近についても同様の効果を奏する
ことは言うまでもない。また、上記実施例では左右端ガ
イドベーンの形状が平面と曲面を組み合わせたものであ
ったが、前述の各実施例のような曲面形状や同一の枢軸
のまわりに連動して回動し、各々枢軸との距離が異なる
複数のベーンにより構成した場合でも第24図のような
形状にすれば、同様の効果が得られる。
【0015】実施例10.第38図などに示した第1種
左右ガイドベーンおよび第2種左右ガイドベーンはガイ
ドベーン内の風圧の作用点と左右変更ロッドによる偏向
作用点(枢軸)がほぼ同一位置であるため、吹出し流の
風圧が大きい場合にはモータの回転トルクが風圧トルク
に勝てず左右変更できない可能性がある。第39図およ
び第40図は各々本実施例による第2種左右ガイドベー
ンおよび第1種左右ガイドベーンの斜視図である。図
中、24は第2種左右ガイドベーン、26はスリット、
32は枢軸受、8は第1種左右ガイドベーン、21は枢
軸、32は枢軸受である。本実施例においては、ガイド
ベーン内の風圧の作用点は、第2種左右ガイドベーン2
4および第1種左右ガイドベーン8の回転中心である枢
軸受32に近く、さらに左右変更する際の駆動力作用点
であるスリット26および枢軸21と枢軸受32の距離
を大きくとっている。このような構成にすれば、ガイド
ベーンの受ける風圧が大きくても小さな駆動力でガイド
ベーンを左右に回動させることが可能となる。なお、上
記の全ての実施例において、吹き出す方向は吹出口4の
正面から見た場合の方向として説明しており、図の左右
方向とは逆になっているので注意を要する。本発明にお
ける風向制御装置の駆動機構を図44に示す。図(b)
に示すとおり回転ロッドと回転軸中心31aと枢軸中心
37aを結ぶ直線と枢軸32aと44aを結ぶ直線のな
す角度が直角となるポイントを通過する時、駆動軸およ
びガイドベーンと連結腕との接点が垂直方向に移動す
る。このとき駆動軸の回転に対しガイドベーンの回転角
度は微小となる。図(d)に示すとおり上記動作点以外
では、回転ロッドおよび図中44aの枢軸は連結腕長を
保ちながらガイドベーンを回転ロッドと同一方向に移動
させる。この機構では、駆動軸を等速回転時においても
ガイドベーンの移動スピード、回転角度を不均一に設定
することが可能となる。この機構は、従来と同一の構成
部品で動作点を変更するだけで行え、構造が単純でガイ
ドベーンの位置を精度が良く設定できる。図45に第1
種ガイドベーン群と左右端ガイドベーンの駆動範囲の一
例を示す。このような駆動中心の異なった二系統の駆動
系を、図中45の如く二股の連結腕で駆動軸と連結する
事によって双方の駆動を一つの駆動軸で制御できる。左
右端ガイドベーンと連結させることによりこの制御が可
能となる。
【0016】実施例11.図41は、左右端ガイドベー
ンの一例である。これは、同一の回転軸をもつ複数ベー
ンであり、図中28a,bがそれである。28cは、実
施例9記載の上下フラップの逃げ部である。45は、ガ
イドベーンの回転軸受けである。図42は、左右変更電
動機と左右端ガイドベーンの連結構造の斜視図である。
図41の左右端ガイドベーンが連結腕43を介して回転
軸受け46と一体部品である回転ロッド36と連結して
いる。回転軸受け46は左右変更電動機の回転軸31に
はめこまれている。図43に図42を上からみた略図を
示す。図中28が左右端ガイドベーンで、30の点線の
位置に左右変更電動機が配置されている。本発明の実施
例を明確に示すため回転軸中心31a、枢軸中心37
a,44a,左右端ガイドベーンの回転軸となる枢軸の
中心32aを図中にあるように線分で結び、モデル化し
たものが図44である。図中28は、左右端ガイドベー
ンである。本発明の特徴は図44(b)の如く回転軸中
心31aと枢軸中心37aを結ぶ直線と左右端ガイドベ
ーンの回転軸である枢軸中心32aと枢軸中心44aを
結ぶ直進が直角となるポイントを利用し、左右変更電動
機の軸の回転に対して左右端ガイドベーンの移動を微量
にとどめた点である。図44の(a),(b),
(c),(d)は、回転軸が同一角度間隔で回転してい
く様を段階的に記した図である。図(a)より、回転軸
が矢印の方向に回転すると枢軸中心37aは図上右方向
の成分が大きく縦方向の移動成分は微少である。枢軸中
心44aは微少な縦方向の成分によって僅かに下方向に
移動する。(b)より、回転軸が回転すると枢軸中心3
7aはさらに右方向に大きく移動し上方向の移動成分は
微少である。枢軸中心44aは微少な縦方向の成分によ
って僅かに上方向に移動し、移動後の位置関係は(c)
のとおりである。(a)から(c)に至るまでの左右端
ガイドベーンの移動量は図より明らかなように極めて微
量である。(c)から更に31aが回転すると、回転に
沿って左右端ガイドベーンが(d)の如く図中上方向に
迫り出しながら回転方向に傾く。以上のように、回転軸
31aと枢軸中心37aを結ぶ直線と枢軸32aと44
aを結ぶ直線が直角になるポイントの前後では左右端ガ
イドベーンの移動を微量にとどめる事が出来る。これに
より、左右端ガイドベーンの吹出口中心側への移動を防
止し、左右端ガイドベーン以外の第1種ガイドベーンと
の連動に大きな効果を発揮する。以下にその連動方法に
ついて述べる。図45は、左右端ガイドベーンとその他
の第1種ガイドベーンとの連結部である。図中8の第1
種ガイドベーンが、傾き変更ロッドを介して回転ロッド
と連結されている、第1種ガイドベーン群は左右変更ロ
ッドを介して複数枚のガイドベーンと連結している。第
1種ガイドベーンの駆動範囲は基準位置から左右対称に
47度である。左右端ガイドベーンは枢軸32を中心に
枢軸32,35間の距離を半径に回転し、回転ロッドと
連結腕43を介して連結されている。左右端ガイドベー
ンの駆動範囲は基準線から内側に65度、外側に10度
と左右非対称である。回転ロッドは回転軸から二股に分
かれ、一方は第1種ガイドベーンと傾き変更ロッドを介
して連結し、他方は連結腕を介し左右端ガイドベーンと
連結している。次に動作について述べる。左右端ガイド
ベーンは図(c)の如く回転ロッドが基準位置より内側
で駆動しているときは、回転中心となる枢軸32と移動
系となる枢軸35を結ぶ直線と回転軸と回線ロッドの枢
軸を結ぶ直線が垂直関係となるポイントを通過するよう
に配置してある。このポイントを通過するとき枢軸44
の回転運動は図中αの矢印のように枢軸35の微小往復
運動となって伝達される。このとき左右端ガイドベーン
も矢印の方向に微小往復運動をする。このときの移動角
度は基準位置から外側に10度の範囲である。図(b)
の如く回転ロッドが基準位置より外側で駆動していると
きは、回転ロッドおよび図中35の枢軸は連結腕長を保
ちながらガイドベーンを回転ロッドと同一方向に移動さ
せる。このときガイドベーンは基準位置から内側に65
度の範囲内で駆動するようにストッパーを設けてある。
第1種ガイドベーンは回転ロッドの左右対称な回転を傾
き変更ロッドを介して伝えられ、左右対称に駆動する。
この駆動範囲の異なる第1種ガイドベーンと左右端ガイ
ドベーンは二股に分かれた回転ロッドによって1つの回
転軸より駆動を伝達している。これにより、図(b)の
ように双方のガイドベーンが大きく傾く場合と図(c)
の如く第1種ガイドベーンのみが大きく傾くときの動作
が一つの駆動系で実現できる。構成部品は従来と全く変
わらず、低コストでしかも簡易的な機構である。また本
発明に係わる空気調和装置は、クロスフローファンとと
もに空気調和装置を形成するスクロールケーシングの一
部を可動するものである。また本発明における空気調和
装置は、広角フロー実現の為にガイドベーンを大きく偏
向し、吹き出し動圧損失増加により生ずる送風機の旋回
失速を、スクロールケーシングの一部を可動することに
より防止する物である。 左右ガイドベーンが大きく偏
向すると、クロスフローファンから流出する風が大きく
偏向されこれにより吹き出しの動的圧力損失が増大し、
この状態で同じ風量を確保しようとするとクロスフロー
ファンの回転数が上昇する。この場合、図50に示した
送風機の翼回りの流れ状態を示す速度三角形において、
入り口角52と流入角53との差角である迎え角57が
増大する。クロスフローファンでは図49に示す吸い込
み側翼列65の通過時、各翼でこの迎え角が変化し、失
速点より大きい迎え角になる部分から失速を始める。通
常クロスフローファンの場合、吸い込み速度分布変化は
図51に示すようにガイドウォール巻始め点58よりス
タビライザー59にかけて順次増加する傾向にある。一
方、流入角変化は図52に示すように順次減少する傾向
にある。これらより求まる迎え角において、最も角度が
付く点はガイドウォール巻始め点58である。通常、空
気調和装置に組み込むクロスフローファンの翼形状は高
送風性能を確保するためのクロスフローファンから流出
する風の流れを大きく偏向しない状態に於いて、ガイド
ウォール巻始め点58の迎え角を失速限界値になるよう
に設定する。一方、上記のように大きく偏向し、圧力損
失が増大した場合、この点58に於ける翼が失速し図5
3に示すようにしその負圧面60の流れが剥離を起こ
し、この結果負圧面側隣接翼61の流入角53は見かけ
上増加し最小の時点で失速していない部分に於いても失
速している部分の影響を受け、順次失速領域が増加し、
旋回失速へと現象が変化していく。この結果送風状態は
不安定になりさらに騒音値が悪化増大する。この発明で
は、左右ガイドベーンが大きく偏向しクロスフローファ
ンから流出する風が大きく偏向され、上記の様な現象に
なる場合、吹き出し側スクロールケーシング拡大率nL
=(1/θ)×{lnr/(1+lnrθ)}を図49
に示した角度θが130度以上の領域で130度未満よ
り小さくなるようにファン軸方向に於いて一部分を可動
させ、図55に示すクロスフローファンにより生じる流
れ、すなわち貫流部66と循環流部67に於いて、流れ
を支配する循環流部の渦68を図56の様に吸い込み側
に移動させ、吸い込み部を少なくすることにより図50
に示すように貫流軸方向速度62を大きくしてクロスフ
ローファン吸い込み側翼列通過時各点での迎え角増大を
抑え込み、失速領域に入り込まないよう制御する。
【0017】実施例12.以下、この発明の一実施例に
ついて説明する。図46は本発明を組み込んだ空気調和
装置の断面図、図47は本発明の動作部分を示す模式図
である。63はスクロールケーシング、64はスクロー
ルケーシング可動部である。左右ガイドベーン69を大
きく偏向し吹き出し動圧損失が増加した場合、クロスフ
ローファン吸い込み側翼列迎え角57が増大し、失速及
び旋回失速が発生し、流れの不安定と騒音値増加を融起
する。流れの不安定はクロスフローファン軸方向におけ
る吸い込み側翼列の流入速度分布を作り出す。この結
果、流入速度の遅い部分は更に迎え角57が大きくなり
失速及び旋回失速が発生し易く、流れの不安定と騒音値
増大を引き起こす。この現象に対処するため、遅くなっ
た部分のスクロールケーシング63を可動させることに
よりクロスフローファン吸い込み側翼列通過風速を速く
させ失速及び旋回失速を防止しこれらの現象発生を防
ぐ。 実施例12の動作説明 ガイドベーン69を大きく偏向し吹出し動圧損失が増加
した場合、クロスフローファン吸込み側翼列迎え角57
が増大し、失速及び旋回失速が発生し、流れの不安定と
騒音値増加を融起する。流れの安定性はクロスフローフ
ァン軸方向における吸込み側翼列の流入速度分布を作り
出す。この結果流入速度の遅い部分は更に迎え角57が
大きくなり失速及び旋回失速が発生し易く、流れの不安
定と騒音値増大を引き起こす。以上の様な現象になる場
合、吹出し側スクロールケーシング拡大率nL =(1/
θ)×{lnr/(1+lnrθ)}を図49に示した
角度θが130度以上の領域で130度未満より小さく
なる様にファン軸方向に於いて一部分を可動させ、図5
5に示すクロスフローファンにより生じる流れ、すなわ
ち貫流部66と循環流部67に於いて、流れを支配する
循環流部の渦68を図56の様に吸い込み側に移動さ
せ、吸い込み部を少なくすることにより図50に示す様
に貫流軸方向速度62を大きくしてクロスフローファン
吸い込み側翼列通過時各点での迎え角増大を抑え込み、
失速及び旋回失速を防止し、これらの現象を防ぐ。第5
4図は、空気調和装置の断面図の一部である。図中59
はスタビライザー、63はスクロールケーシング、66
は貫流部、67は循環流部、71はクロスフローファ
ン、75は熱交換器である。この図は、図55、図56
を模式化したものであり、循環流部67に渦68が存在
する。
【0018】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば回転ロ
ッドが左右端ガイドベーンの枢軸と連結腕を介して連結
している駆動伝達機構において、回転ロッドとガイドベ
ーンの2つの枢軸のなす角度が直角となるポイントを通
過するように配置したので、従来と同一の構成部品で動
作点を変更するだけで左右非対称の複雑なガイドベーン
制御可能で、構造が単純でガイドベーンの位置を精度が
良く設定できる。 明細書中の用語の説明 1)動的圧力損失(=動圧損失) 流れは空間の任意の2点において、その場の静止状態で
の圧力(例えば静止している空気の大気圧。)(これを
動的圧力=動圧に対し静的圧力=静圧と呼ぶ)の違いに
より生ずる。図57のように一般に流れは静圧の高い方
から低い方へと向かって動く。これを分子のレベルで考
えると、静圧が高いという事は、単位体積あたりに含ま
れる空気の分子量が多いという事である。この分子群は
通常外的なエネルギーが働かなければ、均一になろうと
する。この為、分子は静圧の高い部分から低い部分へと
移動する。これが流れである。すなわち、静圧の高低差
が流れに振り替わった事になり、これより一般的に、静
止している状態での圧力に対する状態量として、動いて
いる状態での圧力、“動圧”と定義している。逆に言い
替えれば、動圧は速度の関数として表現される事にな
る。動圧が存在する所では、分子が動いているので、こ
れによる何らかの損失が働くのは当然である。例えば、
動いている分子間に相互に働いている分子間力から生ず
る流れの粘性による損失、さらには、流れの中に任意に
物体が存在している場合のこの物体の分子と流れの分子
の間に働く分子間力から同様に生ずる粘性などが、損失
の代表例である。以上をまとめると、「“動的圧力損失
(=動圧損失)”とは、流れが存在す場合、これによっ
て生ずるエネルギー的損失の事を示している。」と言え
る。 2)速度三角形 一般的に流れ場を図式的に表現する場合ベクトル量で表
現する。x−yの2次元座標系で考えると、図的には、
図58のようになり、矢印のベクトルとして示せる。
又、式的には通常のナビア・ストークスの式が、、2次
元ベクトル表示として示される。流れ場を示す領域内に
移動領域(例えば、ファンの場合は、回転領域となる)
が存在する場合、見る位置速度を観測する位置)によ
り、見え方に違いが生ずる。この補正をする為に、“速
度三角形”という考え方を導入している。以下クロスフ
ローファンの場合の回転領域存在時を例に図59により
説明する。観測点が静止領域の場合、分子Aと分子Bの
動きを見ると、静止領域内の分子Aは、図に示すベクト
ル量1そのままである(方向と大きさは同じ)。一方、
回転領域内の分子Bは、本来動いているベクトル量2に
領域の回転している動きが上乗せされて見える(例え
ば、電車に乗っている人が物を投げた時、地面に立って
いる人がその物の動きを見ると、電車内での物の投げら
れた状態に電車の移動の状態がプラスされて見えるのと
同じ事である。)。本発明の様に、クロスフローファン
に対する流れを議論する場合は、ファンを中心に物事を
考える為、観測点を回転領域内に存在させる。この結
果、静止領域内の分子Aの動きを見ると、見かけ上、ベ
クトル量1に回転成分ベクトル量3の方向のみ反対のベ
クトル量が上乗せされて見える。すなわち図60のよう
に示せる。この様に書かれた三角形を速度三角形と称
し、 ・ベクトル量1を絶対速度 ・ベクトル量4の方向反対ベクトル量をファンチップス
ピード ・見かけ上のベクトル量を相対速度 と呼ぶ。 3)負圧面 翼面は通常61図に示す様に流れが直接当たる面を圧力
面、逆に当たらない面を負圧面と称する。以下の言葉の
由来と現象を示す。流れを表す場合、「動的圧力損失」
の項で示した様に圧力を使用し一部表現する事がある。
翼廻りの流れにもこの考え方を引用する。今、圧力係数
を CP =(P´−P)/{(1/2)ρV2 }=1−(V
´/V)2 と定義する。ここでP´、V´はそれぞれ翼面上の任意
の点での圧力と速度、Pは廻りの流れの圧力、Vは廻り
の流れの速度、ρは流体の密度。これを、翼の先端(以
後前縁という)から後端(以後後縁という)への変化を
グラフに示すと図62の様になる。この時全域にわた
り、圧力係数CP がほぼ正の値を示す側を圧力面、逆に
ほぼ負の値を示す側を負圧面と呼ぶ。 4)負圧面側の剥離 前縁部において、流れは負圧面側で剥れる。この時流体
の粘性により流れは負圧面側に廻り込む様に回転する力
を受け渦を生成する。この渦により前項の様に負圧面側
前縁付近において圧力係数の低い部分が形成される。通
常、負圧面側の流れ場では、この部分に対する圧力勾配
により流れ方向が引かれる様に変化し、流れは負圧面に
はり付く様に流れる。しかし前縁部に流れ込む流速によ
り受ける力が圧力勾配により受ける力と比較した場合、
無視出来ない程大きいと、流れ方向は引かれず、流れは
負圧面より剥れてしまう。この状態を剥離と呼ぶ。 5)失速、失速限界値、失速領域 上記の様に負圧面側で剥離すると、剥離している部分で
は、乱れている状態で翼面付近に於いて代表値としての
流速では表せず限りなく0に近いと考えられる。すなわ
ちCP は負圧面側でも正の値をとり、さらに1に近くな
る。この結果、圧力面と負圧面の間での圧力差がとれ
ず、揚力がかせげなくなる。この状態を“失速”とい
う。失速状態に入る直前の諸数値(迎え角)すなわち負
圧面側で剥離する直前の迎え角を失速限界値と言う。さ
らに失速している範囲内の迎え角領域を失速領域とい
う。 6)旋回失速 翼列に於いて、図63のようにある一つの翼が上記した
様な内容で失速すると、負圧面側で剥離を起こしてい
て、この結果負圧面側に隣接する翼の流入角は、見かけ
上増加し、(α1 <α2 )最初の時点で失速していない
部分に於いても失速している部分の影響を受け、順次失
速領域が増加していゆく。これを旋回失速という。 7)スクロールケーシング拡大率 ケーシングのスクロール形状の広がり具合を示した数
値。 8)貫流部、循環流部 クロスフローファンの内部流れに関し、図64の様に渦
状になりクロスフローファンから吹出口の方へ流れてい
かない循環した流れを循環流部、又、逆に吹出口の方へ
と流れてゆく流れを貫流部という。 9)貫流軸方向速度 上記貫流部における前記速度三角形を描いた場合、ファ
ンチップスピードと垂直な方向の速度。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に係わる左右ガイドベーン
を左方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の詳細
図。
【図2】 本発明の実施例2に係わる左右ガイドベーン
を左方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の詳細
図。
【図3】 本発明の実施例2に係わる左右ガイドベーン
を右方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の左右端
ガイドベーンが右方向へ傾くことを防止する機構を示す
詳細図。
【図4】 本発明の実施例2に係わる左右ガイドベーン
を右方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の左右端
ガイドベーンが右方向へ傾くことを防止する他の機構を
示す詳細図。
【図5】 本発明の実施例3に係わる左右端ガイドベー
ンの形状を示す斜視図。
【図6】 本発明の実施例3に係わる左右端ガイドベー
ンの他の形状を示す斜視図。
【図7】 本発明の実施例3に係わる左右端ガイドベー
ンの他の形状を示す斜視図。
【図8】 本発明の実施例3に係わる左右端ガイドベー
ンの他の形状を示す斜視図。
【図9】 本発明の実施例4に係わる左右端ガイドベー
ンが複数枚数のベーンにより構成される場合の形状を示
す斜視図。
【図10】 本発明の実施例4に係わる左右端ガイドベ
ーンが複数枚数のベーンにより構成される場合の他の形
状を示す斜視図。
【図11】 本発明の実施例4に係わる左右端ガイドベ
ーンが複数枚数のベーンにより構成される場合の他の形
状を示す斜視図。
【図12】 本発明の実施例4に係わる左右端ガイドベ
ーンが複数枚数のベーンにより構成される場合の他の形
状を示す斜視図。
【図13】 本発明の実施例5に係わる左右ガイドベー
ンを左方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の詳細
図。
【図14】 本発明の実施例5に係わる左右ガイドベー
ンを左方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の最左
端部の詳細図。
【図15】 本発明の実施例5に係わる左右ガイドベー
ンを右方向に傾けた場合の左右端ガイドベーンが右方向
へ傾くことを防止する機構を示す詳細図。
【図16】 本発明の実施例5に係わる左右ガイドベー
ンを右方向に傾けた場合の左右端ガイドベーンが右方向
へ傾くことを防止する他の機構を示す詳細図。
【図17】 本発明の実施例7に係わる左右ガイドベー
ンを左方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の詳細
図。
【図18】 本発明の実施例7に係わる左右ガイドベー
ンを左方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の他の
構造の詳細図。
【図19】 本発明の実施例7に係わる風向調整装置と
従来の風向調整装置の風向偏向特性を比較するための風
向調整装置の構成を説明する説明図。
【図20】 本発明の実施例7に係わるガイドベーンを
右方向に傾けた場合の吹出し口の前方1.5mにおける
吹出し風の風向偏向特性を示す特性図。
【図21】 本発明の実施例8に係わる左右ガイドベー
ンを左方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の詳細
図。
【図22】 本発明の実施例9に係わる左右ガイドベー
ンを左方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の水平
断面図。
【図23】 本発明の実施例9に係わる左右ガイドベー
ンを左方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の垂直
断面図。
【図24】 本発明の実施例9に係わる左右端ガイドベ
ーンの斜視図。
【図25】 従来の空気調和装置を示す斜視図。
【図26】 従来の空気調和装置を示す横断面図。
【図27】 従来の空気調和装置を示す縦断面図。
【図28】 従来の風向調整装置の右側ガイドベーン付
近の詳細説明図。
【図29】 従来の風向調整装置のガイドベーンの斜視
図。
【図30】 従来の空気調和機の風向調整装置を示す横
断面図。
【図31】 従来の空気調和機の風向調整装置の動作状
態を説明した図。
【図32】 従来の空気調和機の風向調整装置の別の動
作状態を説明した図。
【図33】 本発明の実施例1に係わる風向調整装置の
風向偏向作用を説明するための気流の模式図。
【図34】 本発明の実施例4に係わる左右ガイドベー
ンを左方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の詳細
図。
【図35】 本発明の実施例4に係わる風向調整装置の
風向偏向作用を説明するための気流の模式図。
【図36】 本発明の実施例6に係わる左右ガイドベー
ンを左方向に傾けた場合の左側ガイドベーン付近の詳細
図。
【図37】 本発明の実施例1’に係わる左側ガイドベ
ーン付近の最左端部の斜視図。
【図38】 本発明の実施例6に係わる第1種左右ガイ
ドベーンと第2種左右ガイドベーンの連動機構を示す斜
視図。
【図39】 本発明の実施例10に係わる第2種ガイド
ベーンの斜視図。
【図40】 本発明の実施例10に係わる第1種ガイド
ベーンの斜視図。
【図41】 本発明の実施例11に係わる左右端ガイド
ベーンの斜視図。
【図42】 本発明の実施例11に係わる左右端ガイド
ベーンと回転軸との連結機構図。
【図43】 図42の上方からみた模式図。
【図44】 本発明に係わる機構説明図。
【図45】 本発明に係わる左右端ガイドベーンと第一
種ガイドベーンの連結機構図。
【図46】 本発明の一実施例の送風機を構成するケー
シングの模式図である。
【図47】 本発明の一実施例の機構部拡大図である。
【図48】 本発明におけるクロスフローファン周りの
速度三角形である。
【図49】 従来のクロスフローファン組み込み空気調
和機送風機。
【図50】 従来のクロスフローファンにおける吸い込
み側翼列部における速度三角形。
【図51】 従来のクロスフローファンにおける吸い込
み風速分布。
【図52】 従来のクロスフローファンにおける流入
角。
【図53】 従来のクロスフローファンにおける旋回失
速の状態図。
【図54】 クロスフローファンにおける内部流れ状態
基本図。
【図55】 従来のクロスフローファンにおける内部流
れ状態1の図。
【図56】 従来のクロスフローファンにおける内部流
れ状態2の図。
【図57】 空気の流れを説明する図。
【図58】 流れ場をベクトル量で表現する図。
【図59】 静止領域及び回転領域を説明する図。
【図60】 速度三角形を説明する図。
【図61】 翼面と流れとの関係を説明する図。
【図62】 翼面の先端から後端にかけての圧力変化を
説明する図。
【図63】 旋回失速を説明する図。
【図64】 クロスフローファンの内部流れを説明する
図。
【符号の説明】
1 空気調和装置の本体、4 吹出口、8 第1種左右
ガイドベーン,左右風向偏向板、9 吹出ノズル、10
吹出口の左側壁、13 風路、14 吹出口の右側
壁、17 左右ガイドベーンの枢軸、22 左ノズル
壁、23 右ノズル壁、24 第2種左右ガイドベー
ン、28 左右端ガイドベーン、28a 左右端ガイド
ベーン、28b 左右端ガイドベーン、31 回転軸、
32 左右端ガイドベーンの枢軸、36 回転ロッド、
39 傾き変更ロッドのL型スリット、40 傾き変更
ロッドのこけし型スリット、41 左右端ガイドベーン
のストッパー、42 傾き変更ロッドのストッパー、4
3 連結腕、52 入り口角、53 流入角、54 相
対速度、55 絶対速度、56 ファンチップスピー
ド、57 迎え角,差角、58 ガイドウォール巻始め
点、59 スタビライザー、60 負圧面、61 負圧
面側隣接翼、62 貫流軸方向速度、63 スクロール
ケーシング、64 スクロールケーシング可動部、65
吸込み側翼列、66貫流部、67 循貫流部、68
渦、69 ガイドベーン、70 ガイドウォール巻始め
点、71 クロスフローファン、72 吹出し側翼列、
73 ブレード、74 スタビライザー点、75 熱交
換器。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 孝行 鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱電機株式 会社住環境研究開発センター内 (72)発明者 粂川 恵理子 鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱電機株式 会社住環境研究開発センター内 (72)発明者 古藤 悟 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 青木 克之 静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電機株式 会社静岡製作所内 Fターム(参考) 3L081 AA02 AB05 FA01 FC01 FC03 HA01 HB02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吹出ノズルに配された、回転ロッドが左
    右端ガイドベーンの枢軸と連結腕を介して連結している
    駆動伝達機構において、回転ロッドとガイドベーンの2
    つの枢軸のなす角度が直角となるポイントを通過する
    時、回転ロッドの回転角度に対する左右端ガイドベーン
    の回転角度の角度比が最低になることを利用した風向調
    整装置。
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