JP5120482B1 - 空調室内機 - Google Patents
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Abstract
【課題】吹き出し空気流れを左右により広く届けることが可能な空調室内機を提供する。
【解決手段】壁掛け型の空調室内機4において、本体ケーシング5および風向調節部6を備えている。本体ケーシング5は、調和空気の吹出流路8を有している。風向調節部6は、吹出流路8の出口近傍に配置され、風向を調節する外側垂直フラップ61と内側垂直フラップ62を有している。吹出流路8の第1側壁87に対して最も近くに位置している外側垂直フラップ61は、調和空気の空気流れの下流側ほど第1側壁87に近い姿勢となっている状態で、下流側の端部の一部である中央部分61aと第1側壁87との間の隙間が10mm以下であり、かつ、下流側の端部の中央部分61a以外である上方部分61b、下方部分61cと第1側壁87との間の隙間が10mmより大きい部分を有している。
【選択図】図5
【解決手段】壁掛け型の空調室内機4において、本体ケーシング5および風向調節部6を備えている。本体ケーシング5は、調和空気の吹出流路8を有している。風向調節部6は、吹出流路8の出口近傍に配置され、風向を調節する外側垂直フラップ61と内側垂直フラップ62を有している。吹出流路8の第1側壁87に対して最も近くに位置している外側垂直フラップ61は、調和空気の空気流れの下流側ほど第1側壁87に近い姿勢となっている状態で、下流側の端部の一部である中央部分61aと第1側壁87との間の隙間が10mm以下であり、かつ、下流側の端部の中央部分61a以外である上方部分61b、下方部分61cと第1側壁87との間の隙間が10mmより大きい部分を有している。
【選択図】図5
Description
本発明は、空調室内機に関する。
従来より、壁掛け型の空調室内機では、天井吊り下げ型の空気調和機と比べて吹出口を設けることができる位置が制限されているため、吹出口から左右方向へより広く調和空気を吹き出すことが求められている。
例えば、特許文献1(特開昭62−10553号公報)に記載の空気調和機では、吹出口の左右の側壁が、より広い左右への調和空気の吹き出しを阻害している点に着目し、吹出方向に向かうにつれて、吹出口の左右の幅が拡大するように湾曲させた構造を採用している。吹出口の左右の側壁を拡大させた形状を採用したこの空気調和機では、調和空気を左右に幅広く吹き出す状態で、吹出口の左右の側壁への空気流れが衝突してしまうことを抑えて、調和空気を左右方向に広げることを可能にしている。また、この左右に幅を拡大させた側壁部分では、左右方向になだらかに湾曲して形成された面を採用しているため、コアンダ効果が得られ、調和空気の吹出流れを湾曲面に沿わせることができ、さらに左右方向に広げることが可能になっている。以上により、調和空気を左右方向により広く吹き出すことができている。
上記特許文献1に記載の空気調和機では、吹出口の左右の側壁と垂直フラップとの間に広い空間が確保されているため、調和空気を左右に幅広く吹き出す状態であっても、垂直フラップと左右の側壁との間を通過する調和空気の流れは、速い風速を維持したままになる。このような調和空気の流れは、風速が速く、急激に左右方向に曲げることは難しい。このため、上記空気調和機では、風速の速い調和空気の流れをコアンダ効果によって少しずつ左右方向に広げるために、室内側(空気流れを直進させた場合の進行方向)に向かうにつれて左右方向に少しずつ広がるように形成した湾曲形状を採用している。この湾曲形状は、空気流れが表面を沿って流れる長さ(コアンダ効果が得られる長さ)をできるだけ長く確保するために、室内側に向けて長く伸びた形状となっている。
しかしながら、吹出口の左右の側面を、このように室内側に長く伸ばした形状を採用した場合には、装置が大型化してしまうことになる。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、装置を大型化させることなく、吹き出し空気流れを左右により広く届けることが可能な空調室内機を提供することにある。
本発明の第1観点に係る空調室内機は、壁掛け型の空調室内機において、ケーシングおよび風向調節部を備えている。ケーシングは、調和空気の吹出流路を有している。風向調節部は、吹出流路の出口近傍に配置され、風向を調節する風向案内羽根を複数有している。複数の風向案内羽根は、吹出流路の左右の側壁の間に位置している。左右の側壁のうちのいずれかの側壁である所定側壁に対して最も近くに位置している風向案内羽根は、調和空気の空気流れの下流側ほど所定側壁に近い姿勢となっている状態で、下流側の端部の一部である第1部分と所定側壁との間の隙間が10mm以下であり、かつ、下流側の端部の第1部分以外である第2部分は、所定側壁との間の隙間が10mmより大きい部分を有している。
ここで、「調和空気の空気流れの下流側ほど所定側壁に近い姿勢となっている状態」とは、ストッパ等の規制手段によって風向案内羽根が構造的に所定側壁に最も近づいている状態であってもよいし、風向案内羽根の傾斜状態が制御される場合において最も所定側壁に近づいている状態であってもよい。
また、「第1部分と所定側壁との間の隙間が10mm以下」という状態は、第1部分と所定側壁の最近接距離が10mm以下であれば特に限定されるものではなく、例えば、互いに接触している状態や、最近接距離が8mm以下である状態、最近接距離が5mm以下である状態、最近接距離が4mmである状態、第1部分と所定側壁とが互いに接触している状態等が含まれる。
この空調室内機では、吹き出される調和空気は、所定側壁と風向案内羽根の第1部分との間の隙間が10mm以下となっている部分は通過しにくく、所定側壁との間の隙間が10mmより大きくなっている部分を主として通過する。このため、吹き出される調和空気は、所定側壁と風向案内羽根との間を通過する際に、「風向案内羽根の第1部分と所定側壁との間の隙間が10mm以下に狭く形成されている部分を通過することで流速が速められる」ということは生じにくい。吹き出される調和空気は、むしろ、風向案内羽根の第1部分と所定側壁との間の隙間が10mm以下に狭く形成されている部分を避けて、第2部分と所定側壁との間を通過するようになり、第1部分と所定側壁との間の部分の通過流量は低く抑えられる。これにより、所定側壁と風向案内羽根の第1部分との隙間を通過した空気流れは、風速が小さく抑えられている。このため、複数の風向案内羽根のうち左右方向の端部に位置する風向案内羽根よりも内側に位置している風向案内羽根が形成した左右方向へ広がろうとする調和空気の流れは、上記所定側壁と風向案内羽根の第1部分との隙間を通過した空気流れによる影響を受けにくくなっており、左右方向への広がりが遮られる程度が小さく抑えられている。これにより、従来のように吹出口の左右の側壁を、室内側(空気流れを直進させた場合の進行方向)に長く伸ばした形状を採用しなくても、調和空気を左右に広く届けることが可能になっており、装置の大型化を回避することができている。さらに、このように所定側壁と風向案内羽根の第1部分との間の隙間が10mm以下となるような狭い部分の近くにおいて、所定側壁と風向案内羽根の第2部分との間の隙間が10mm以上に広く形成されているため、調和空気はこの広い部分に導かれ、所定側壁と風向案内羽根との間を通過する調和空気の圧力損失を抑えることが可能になっている。
以上により、吹き出される調和空気の圧力損失を小さく抑えつつ、調和空気を左右方向へより広く届けることが可能になっている。
本発明の第2観点に係る空調室内機は、第1観点に係る空調室内機において、吹出流路の出口の前面側縁と背面側縁の間の中心部分もしくはその近傍部分において、風向案内羽根の第1部分と所定側壁との間の隙間が10mm以下となっている。なお、「中心部分もしくはその近傍部分」は、中心部分だけであってもよいし、中心部分の近傍部分だけであってもよいし、中心部分およびその近傍部分の両方を含んでいてもよい。例えば、風向案内羽根の第1部分は、中央部分のみ、中央部分の近傍部分のみ、中央部分とその近傍部分の両方、のいずれかであって、吹出流路の出口の前面側縁と背面側縁の間の距離の50%未満の幅部分であってもよいし、40%未満、30%未満、20%未満および10%未満のいずれであってもよい。
空調室内機では、吹出口の中心付近を流れる調和空気の風速は、摩擦が無い分だけ、壁面に沿う部分を流れる調和空気の風速よりも速い。
この空調室内機では、このように吹出口の中心部分において、風向案内羽根の第1部分と所定側壁との間の10mm以下の狭い隙間が採用されている。このため、吹出口の中央付近における調和空気の風速を効果的に低減させることができる。これにより、風向案内羽根のうちより内側に位置しているものが形成した左右方向へ広がろうとする調和空気の流れが、上記所定側壁と風向案内羽根の第1部分との間の隙間を通過した速い風速で直進する空気流れによって阻害されることを抑制できている。これにより、左右方向への広がりが遮られる程度をより効果的に小さく抑え、左右方向への調和空気の広がりをより確実に確保することが可能になる。
本発明の第3観点に係る空調室内機は、第1観点または第2観点に係る空調室内機において、複数の風向案内羽根には、左右方向の両端に位置している長羽根と、長羽根と比べて空気流れが沿う部分の長さが短い短羽根と、が含まれている。
なお、ここでは、左端の風向案内羽根と右端の風向案内羽根のみが長羽根である場合に限定されるものではない。例えば、左端の風向案内羽根と短羽根との間、および/または、右端の風向案内羽根と短羽根との間においてさらに長羽根が設けられていてもよい。また、左端の風向案内羽根と短羽根との間、および/または、右端の風向案内羽根と短羽根との間において、長羽根と短羽根との中間の大きさの風向案内羽根が設けられていてもよい。
この空調室内機では、内側に設けられている短羽根よりも、空気流れが沿う部分の長さが長い長羽根が左右方向の両端に設けられている。このため、所定側壁との間の隙間を10mm以下にすることが可能となるように風向案内羽根が設けられている場合には、風向案内羽根の全てが短羽根の長さで統一されている場合と比較して、合計の羽根の枚数を少なく抑えることができる。なお、これにより、全ての風向案内羽根による圧力損失の合計値を小さく抑えることも可能になる。
本発明の第4観点に係る空調室内機は、第1観点から第3観点のいずれかに係る空調室内機において、ケーシングは、吹出流路の出口近傍から左右に広がっており、空気流れの主流方向に向けてなだらかに膨出した形状の膨出曲面を有している。なお、主流方向とは、吹出流路に沿って生じる空気流れについて、風向調節を行わない場合に生じる空気流れのうちの主な流れをいう。
この空調室内機では、膨出曲面が生じさせるコアンダ効果によって、風向案内羽根のうちより内側に位置している風向案内羽根が形成した左右方向へ広がろうとする調和空気の流れを、左右方向によりいっそう広げることが可能になる。
本発明の第5観点に係る空調室内機は、第4観点に係る空調室内機において、空気流れの主流方向における膨出曲面の膨出高さは、吹出流路の左右の側壁とケーシングの左右の側面との間の厚みの半分以下である。なお、ここでの吹出流路の左右の側壁とケーシングの左右の側面との間の厚みとは、例えば、吹出流路の出口近傍における厚みであってよい。また、膨出曲面の膨出高さは、例えば、20mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。
この空調室内機では、膨出高さが低く抑えられているため、室内側の空気が吹出口の左右の側壁に向かって流れ込むことを抑制できる。
本発明の第6観点に係る空調室内機は、第4観点または第5観点に係る空調室内機において、所定側壁と膨出曲面とは、膨出曲面における湾曲度合いよりも大きな湾曲度合いでなだらかに繋がっている。ここで、湾曲度合いが大きいとは、例えば、曲率半径が小さいこと等が含まれる。
この空調室内機では、所定側壁と膨出曲面とは、なだらかに繋がっていることで、調和空気の流れがケーシングの表面から離れにくくして、コアンダ効果をより確実に得ることが可能になっている。また、所定側壁と膨出曲面とが繋がっている部分の湾曲度合いは、膨出曲面における湾曲度合いよりも大きな湾曲度合いとなっているため、吹出流路の出口を、十分に左右に広げることができている。これにより、調和空気の流れが膨出曲面から剥がれることを抑制しつつ、左右方向によりいっそう広く調和空気を供給することが可能になる。
本発明の第7観点に係る空調室内機は、第4観点から第6観点のいずれかに係る空調室内機において、膨出曲面から突出して左右方向に伸びているリブをさらに備えている。
この空調室内機では、吹出流路から流出した調和空気を、より確実に左右に案内させることが可能になる。
本発明の第8観点に係る空調室内機は、第1観点から第7観点のいずれかに係る空調室内機において、吹出流路の出口の下流側に配置され、吹出流路の左右の側壁のそれぞれに沿う流れの向きを変更させて左右に導く誘導板をさらに備えている。
この空調室内機では、吹出流路から流出した調和空気は、その進行方向が強制的により左右方向に広がるように誘導板によって調節されるため、より確実に調和空気を左右に案内させることが可能になる。
本発明の第1観点に係る空調室内機では、吹き出される調和空気の圧力損失を小さく抑えつつ、調和空気を左右方向へより広く届けることが可能になっている。
本発明の第2観点に係る空調室内機では、左右方向への調和空気の広がりをより確実に確保することが可能になる。
本発明の第3観点に係る空調室内機では、風向案内羽根の合計枚数を少なく抑えることができる。
本発明の第4観点に係る空調室内機では、調和空気の供給方向を、左右方向によりいっそう広げることが可能になる。
本発明の第5観点に係る空調室内機では、室内側の空気が吹出口の左右の側壁に向かって流れ込むことを抑制できる。
本発明の第6観点に係る空調室内機では、調和空気の流れが膨出曲面から剥がれることを抑制しつつ、左右方向によりいっそう広く調和空気を供給することが可能になる。
本発明の第7観点に係る空調室内機では、吹出流路から流出した調和空気を、より確実に左右に案内させることが可能になる。
本発明の第8観点に係る空調室内機では、より確実に調和空気を左右に案内させることが可能になる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態としての空気調和装置1を説明する。
図1に、空気調和装置1の冷媒回路10を示す冷媒回路図を示す。
(1)空気調和装置1の概略構成
空気調和装置1は、熱源側装置としての空調室外機2と、利用側装置としての空調室内機4とが冷媒配管によって接続されて、利用側装置が配置された空間の空気調和を行う。この空気調和装置1は、冷媒回路10、各種センサおよび制御部70を有している。
空気調和装置1は、熱源側装置としての空調室外機2と、利用側装置としての空調室内機4とが冷媒配管によって接続されて、利用側装置が配置された空間の空気調和を行う。この空気調和装置1は、冷媒回路10、各種センサおよび制御部70を有している。
冷媒回路10は、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電磁膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、室内熱交換器41、および、室内ファン42等を備えており、これらが接続されることで構成されている。なお、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電磁膨張弁24、アキュームレータ25、および、室外ファン26は、空調室外機2内に収容されており、室内熱交換器41および室内ファン42は、空調室内機4内に収容されている。室外ファン26は、プロペラファンが採用されている。室内ファン42は、クロスフローファンが採用されている。なお、室内空調機4の詳細については、後述する。
四路切換弁22は、冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとを切換可能である。図1では、冷房運転を行う際の接続状態を実線で示し、暖房運転を行う際の接続状態を点線で示している。暖房運転時には、室内熱交換器41が冷媒の冷却器として、室外熱交換器23が冷媒の加熱器として機能する。冷房運転時には、室外熱交換器23が冷媒の冷却器として、室内熱交換器41が冷媒の加熱器として機能する。
制御部70は、空調室外機2内に配置される機器を制御する室外制御部72、空調室内機4内に配置されている機器を制御する室内制御部74、ユーザからの各種設定入力を受け付けたり各種表示出力を行ったりするコントローラ71、および、各種センサが、通信線70aによって接続されることで構成されている。この制御部70は、空気調和装置1を対象とした種々の制御を行う。
この制御部70は、コントローラ71を介してユーザから、各種運転の設定を受け付けて、各種制御を行う。
(2)空調室内機4の詳細
図2に、水平フラップを取り除いた状態で下方斜め前方から見た空調室内機4の概略外観斜視図を示す。図3に、水平フラップを取り除いた状態で下方前方から見た空調室内機の概略外観斜視図を示す。図4に、側面側から見た空調室内機の概略断面図を示す。図5に、風向案内羽根の回転軸方向から見た空調室内機の概略断面図を示す。図6に、上面視における空調室内機の概略断面図を示す(図6においては、水平フラップ45は図示を省略している。)。
図2に、水平フラップを取り除いた状態で下方斜め前方から見た空調室内機4の概略外観斜視図を示す。図3に、水平フラップを取り除いた状態で下方前方から見た空調室内機の概略外観斜視図を示す。図4に、側面側から見た空調室内機の概略断面図を示す。図5に、風向案内羽根の回転軸方向から見た空調室内機の概略断面図を示す。図6に、上面視における空調室内機の概略断面図を示す(図6においては、水平フラップ45は図示を省略している。)。
空調室内機4は、上述した室内熱交換器41、室内ファン42以外に、本体ケーシング5、外側垂直フラップ61、内側垂直フラップ62等を有している。
(2−1)本体ケーシング5
本体ケーシング5は、前面側を覆うフロントパネル5a、下面側を覆う下面パネル5b、吹出口の左右に設けられた湾曲面部80、および、これらに囲まれて形成されている吹出流路8等を有している。
本体ケーシング5は、前面側を覆うフロントパネル5a、下面側を覆う下面パネル5b、吹出口の左右に設けられた湾曲面部80、および、これらに囲まれて形成されている吹出流路8等を有している。
フロントパネル5aの下方は、背面側に傾斜して伸びており、吹出流路8の吹出口の上縁を構成している。
下面パネル5bは、略水平方向に広がったパネルであり、前方の縁部が吹出流路8の下縁を構成している。
吹出流路8は、本体ケーシング5の下面パネル5bと、フロントパネル5aと、の間において、前側の斜め下方に向けて開口している吹出口を有している。下面パネル5bの前方側縁部からは、図4に示すように、上方に向かうにつれて背面側に伸びるようにして背面下方側に凸となるように湾曲しながら、吹出流路8の背面を構成する吹出背面8aが伸びている。また、フロントパネル5aの下端縁部からは、図4に示すように、上方に向かうにつれて背面側に伸びるようにして背面下方側に凸となるように湾曲しながら、吹出流路8の前面を構成する吹出前面8bが伸びている。
湾曲面部80は、吹出流路8の出口である吹出口の左右それぞれに設けられており、フロントパネル5aの下端縁部と下面パネル5bの前端縁部との間をつなぐように広がっている。左右方向でかつ吹出流路8の奥行き方向に広がる平面で切った断面図である図5に示すように、この湾曲面部80は、室内側に膨出するように膨出曲面85(図5において、一部を二点鎖線で示す。)が構成されている。また、この膨出曲面85は、湾曲面部80の左右方向における中心部分を構成しており、フロントパネル5aの下端縁部から下面パネル5bの前縁部に向けて膨出頂点が連なるようにして構成されている。この膨出曲面85が湾曲している程度は、本実施形態では、図5に示すように、曲率半径R1が概ね100mm程度となるように形成されている。なお、膨出曲面85の膨出高さh1(風向が調節されずに直進している際の主流れ方向の幅)は、吹出流路8の出口近傍の第1側壁87と本体ケーシング5の側面部5cとの間の厚みh2の半分以下となるように形成されている。この膨出高さh1は、厚みh2の30%以下であることが好ましく、例えば、20mm以下であることがより好ましく、10mm以下であることが最も好ましい。また、膨出曲面85の背面側(本体ケーシング5の内側)の面には、電装部品や構造部品が近くまで迫るようにして配置されている。
なお、湾曲面部80は、膨出曲面85の左右方向における外側と、本体ケーシング5の側面部5cと、の間をなだらかに繋ぐ外側曲面84を有している。また、湾曲面部80は、膨出曲面85の左右方向における内側と、吹出流路8の出口近傍の側壁を構成する第1側壁87と、の間をなだらかにつなぐ内側曲面86を有している。この内側曲面86の曲率半径R2は、上記膨出曲面85の曲率半径R1よりも小さくなるように形成されている。
この湾曲面部80には、図2,図3、および、図5に示すように、左右方向の外側において湾曲面部80に垂直であってかつ左右方向に延びているガイドリブ81、82、83が形成されている。このガイドリブ81、82、83は、湾曲面部80の左右方向の中央近傍から外側曲面84の手前付近にかけて、互いに平行に伸びるように形成されている。また、これらのガイドリブ81、82、83は、前後方向に等間隔に配置されている。
吹出流路8の出口近傍の第1側壁87は、吹出流路8の上流側に向けて広がった後、僅かな幅(図5における「d2」で示す幅)だけ左右方向内側に盛り上がった段差部分88を介して、さらに吹出流路8の上流側に向けて広がった第2側壁89と繋がっている。このようにして、吹出流路8の側壁は、主として、出口近傍の第1側壁87と、第1側壁87よりも上流側において第1側壁87と略面平行の関係となるように広がった第2側壁89と、によって構成されている。なお、図示は省略するが、吹出流路8の左右の第1側壁87および第2側壁89は、互いに対称的な形状となるように設けられている。なお、吹出流路8の出口である吹出口は、左右の第1側壁87の風下側端部同士を結んだ面とすることができる。
吹出流路8の上流側の本体ケーシング5内部には、クロスフローファンである室内ファン42が配置されており、この室内ファン42が制御部によって駆動制御されることで吹出流路8に空気流れが形成される。ここで、吹出風量は、6段階に調節可能であり、具体的には、水平フラップ45、外側垂直フラップ61および内側垂直フラップ62が最も通風抵抗が小さい姿勢となった状態で、小容量機であれば風速3〜6m/s(大容量機であれば風速5〜8m/s)の範囲内で、ユーザが選択できるようになっている。
(2−2)水平フラップ45
水平フラップ45は、図示しない水平フラップ駆動機構によって、吹き出し空気流れの進行方向を上下に変更できるように姿勢が変更される。この水平フラップ45の姿勢の制御は、ユーザの設定を受けた制御部70によって行われる。この水平フラップ45は、図4の状態において、空気流れ下流側の面(室内側を向いた面)は、わずかに室内側に凸となるように湾曲して形成されている。
水平フラップ45は、図示しない水平フラップ駆動機構によって、吹き出し空気流れの進行方向を上下に変更できるように姿勢が変更される。この水平フラップ45の姿勢の制御は、ユーザの設定を受けた制御部70によって行われる。この水平フラップ45は、図4の状態において、空気流れ下流側の面(室内側を向いた面)は、わずかに室内側に凸となるように湾曲して形成されている。
なお、水平フラップ45は、運転停止状態では、図4に示すように、吹出流路8の出口である吹出口を覆った状態になる。この状態では、水平フラップ45の前方の縁部は、フロントパネル5aの下縁と略平で概ね接した状態となり、側面視においてなだらかに繋がっているような状態になる。なお、水平フラップ45の背面側の縁部は、下面パネル5bの前方側縁部との間に僅かに隙間を確保しつつ、側面視においてなだらかに繋がっているような状態になる。
(2−3)外側垂直フラップ61および内側垂直フラップ62
外側垂直フラップ61は、図2、図3に示すように、吹出流路8の右側面である第1側壁87および第2側壁89の最も近くに配置されている垂直フラップである。外側垂直フラップ61は、斜め前後方向(空気流れ方向(主流方向)に対して垂直な方向)を長手方向とする軸部材61xによって回転可能に軸支されている。なお、図示は省略するが、吹出流路8の左側面である第1側壁87および第2側壁89の最も近くにおいても、同様に外側垂直フラップ61が配置されている。
外側垂直フラップ61は、図2、図3に示すように、吹出流路8の右側面である第1側壁87および第2側壁89の最も近くに配置されている垂直フラップである。外側垂直フラップ61は、斜め前後方向(空気流れ方向(主流方向)に対して垂直な方向)を長手方向とする軸部材61xによって回転可能に軸支されている。なお、図示は省略するが、吹出流路8の左側面である第1側壁87および第2側壁89の最も近くにおいても、同様に外側垂直フラップ61が配置されている。
内側垂直フラップ62は、右側の外側垂直フラップ61と、左側の外側垂直フラップ61との間に複数枚配置されている。内側垂直フラップ62は、斜め前後方向を長手方向とする軸部材62xによって回転可能に軸支されている。
外側垂直フラップ61と内側垂直フラップ62とは、風向調節せずに調和空気を室内へまっすぐ吹き出す姿勢の状態(各外側垂直フラップ61と内側垂直フラップ62が、吹出流路8の第1側壁87および第2側壁89と略面平行の状態)では、左右方向における隣同士の間隔が全て等しくなるように配置されている。
外側垂直フラップ61および内側垂直フラップ62は、図1および図2に示すように、吹出流路8内の空気流れ方向(主流方向)に垂直な面において、吹出流路8の吹出背面8aと吹出前面8bとの間の中央部分61aが、最も風下側まで長く伸びるように形成されている。なお、外側垂直フラップ61の風下側の縁のうち、中央部分61aよりも吹出前面8b側である上方部分61bは、中央部分61aよりも空気流れ方向上流側に位置するように短く形成されている。外側垂直フラップ61の風下側の縁のうち、中央部分61aよりも吹出背面8a側である下方部分61cも同様に、中央部分61aよりも空気流れ方向上流側に位置するように短く形成されている。
なお、外側垂直フラップ61は、内側垂直フラップ62と比べて、空気流れ方向(主流方向)における長さが長くなるように形成されている。
各外側垂直フラップ61と各内側垂直フラップ62とは、吹出流路8内において、任意の角度に調整された状態で、いずれも、全体が膨出曲面85よりも風上側に位置するように配置されている。なお、図5において実線で示すように、各外側垂直フラップ61と各内側垂直フラップ62とが、左右方向に最も傾斜するように制御された状態では、吹出流路8の吹出口(左右の第1側壁87の風下側端部同士を結んだ面)よりも、全体が空気流れ方向上流側に位置している。上述したように、外側垂直フラップ61は、吹出背面8aと吹出前面8bとの間の真ん中部分が、最も長く伸びた形状となっているため、左右方向に最も傾斜するように制御された状態では、下流側の先端部分が吹出流路8の第1側壁87に最も近づくことになる。図5および図6に示すように、この状態で、外側垂直フラップ61の空気流れ方向下流側端部と、吹出流路8の第1側壁87との最近接距離d1は、10mm以下となるように、外側垂直フラップ61の位置が調節されている。
各外側垂直フラップ61と各内側垂直フラップ62とは、図6に示すように、吹出流路8において、右半分のグループと、左半分のグループと、に分かれている。これらのうち、右半分のグループに属する外側垂直フラップ61と内側垂直フラップ62は、図1、図2に示すように、傾斜状態が一体的に調整可能なようにシャフト69によって、これらの全てが連結されている。このシャフト69は、制御部70によって、左右方向の吹き出し角度の調節制御が行われる際に、図示しない駆動モータから動力を受けて左右に移動し、右半分のグループに属する外側垂直フラップ61と内側垂直フラップ62の傾斜状態を一体的に調節する。また、左半分のグループについても同様である。図6では、右半分のグループの外側垂直フラップ61と内側垂直フラップ62が吹き出し方向を右側へ調節され、左半分のグループの外側垂直フラップ61と内側垂直フラップ62が左側へ調節された状態を表している。このようにして、外側垂直フラップ61、軸部材61x、内側垂直フラップ62、軸部材62x、シャフト69等によって、風向調節部6が構成されている。
(3)空気流れについて
以上の構成の空調室内機4において、内部に収容されている室内ファン42が駆動すると、吹出流路8を通じて室内側に調和空気が吹き出される。
以上の構成の空調室内機4において、内部に収容されている室内ファン42が駆動すると、吹出流路8を通じて室内側に調和空気が吹き出される。
ここで、図6に示すように、調和空気の供給先が左右に最も広がるように、外側垂直フラップ61と内側垂直フラップ62とが調節されている場合には、図5に示すように、吹出流路8の第2側壁89を沿うように流れる空気流れF9は、吹出流路8の第1側壁87と外側垂直フラップ61の中央部分61aとの間が非常に狭くなっている(10mm以下に調節されている)ため、吹出背面8aと吹出前面8bの真ん中の部分を通過しようとする調和空気の流れは流速が低減される。ここで、風向が調節されずに調和空気が直進している状態では、空気流れF9のうち吹出背面8aと吹出前面8bの真ん中の部分において風速が最も速くなっている。上記構造は、この最も速い風速の空気流れを低く抑えることが可能になっている。この構造により、空気流れF9のうち吹出背面8aと吹出前面8bの真ん中の部分の通過が制限された流れは、第1側壁87との間の隙間がより広い部分である、外側垂直フラップ61の上方部分61bと第1側壁87との間の隙間や、下方部分61cと第1側壁87との間の隙間に向かうように導かれる。
このため、図5に示すように、外側垂直フラップ61とその直ぐ隣の内側垂直フラップ62との間を流れることで左右方向に広がるように進行方向が曲げられ空気流れF3は、空気流れF5となる(図2、図3参照)。このため、左右方向への広がる流れが空気流れF9によって遮断されることがない。この空気流れF5は、内側垂直フラップ62によって、すでに左右方向外側に広がる方向に向けて進行方向が大きく曲げられている。そして、空気流れF5は、吹出流路8の第1側壁87に衝突することなく、室内側になだらかに膨出して形成された膨出曲面85の表面をコアンダ効果によって沿うことができ、さらに左右方向に広がるように流れる。このようにして、調和空気を左右方向に広く届けることが可能になっている。このため、従来の技術のように、主流方向における膨出高さを高く確保しなくても(左右に広げるためにコアンダ効果が得られる長さを長く確保しなくても)、調和空気を左右方向に広く届けることができるようになっている。そして、膨出曲面85の主流方向における高さを低く抑えた場合であっても、調和空気を左右方向に広く届けることができ、装置の大型化を回避できている。
空気流れF5の左右方向に広がろうとする流れは、湾曲面部80の左右方向外側に設けられたガイドリブ81、82、83によって、さらに左右方向に案内される。
(4)上記実施形態の特徴
(4−1)従来の問題点
例えば、図12に示すように、従来の空調室内機901では、吹出口の左右の側壁が下流側に長く伸びている場合(室内ファン942の下流側端部から距離d91の分だけ下流側に長い場合)には、吹出口の左右の下流側近傍において、収容物909(風向調節羽根の姿勢を変えるためのモータ、端子台、および、配線等の電装品)を収容するためのスペースを確保できる。しかし、内側の垂直フラップによって進行方向が左右に広がるように調節された空気流れF7は、下流側まで長く伸びた左右の側壁に衝突してしまい、左右方向に広がることができなくなっている。また、吹出口の左右の側壁と垂直フラップとの間のスペースが広いため、吹出流路の左右の側壁を沿うように流れる空気流れF91は、通過する風量が多いため、風速が速い。このため、内側の垂直フラップによって進行方向が左右に広がるように調節された空気流れF7は、この風速の速い空気流れF91によって、左右方向への広がりが阻害されてしまい、左右方向に広がりの無い空気流れF95にしてしまう。
(4−1)従来の問題点
例えば、図12に示すように、従来の空調室内機901では、吹出口の左右の側壁が下流側に長く伸びている場合(室内ファン942の下流側端部から距離d91の分だけ下流側に長い場合)には、吹出口の左右の下流側近傍において、収容物909(風向調節羽根の姿勢を変えるためのモータ、端子台、および、配線等の電装品)を収容するためのスペースを確保できる。しかし、内側の垂直フラップによって進行方向が左右に広がるように調節された空気流れF7は、下流側まで長く伸びた左右の側壁に衝突してしまい、左右方向に広がることができなくなっている。また、吹出口の左右の側壁と垂直フラップとの間のスペースが広いため、吹出流路の左右の側壁を沿うように流れる空気流れF91は、通過する風量が多いため、風速が速い。このため、内側の垂直フラップによって進行方向が左右に広がるように調節された空気流れF7は、この風速の速い空気流れF91によって、左右方向への広がりが阻害されてしまい、左右方向に広がりの無い空気流れF95にしてしまう。
これに対して、例えば、図13に示すように、他の従来の空調室内機902では、吹出流路の左右の側壁が、出口側に向かうにつれて左右に広がるように湾曲して形成されている(図12の距離d91よりも室内ファン942の下流側端部からの距離が短く、吹出流路内に入り込んだ位置である距離d92の位置から左右方向に広がって形成されている)。この他の従来の例では、図13の右側に示すように、垂直フラップが左右方向に広がる空気流れを生じさせる傾斜状態において、側壁が左右方向への広がりを阻害してしまう問題点を改善できている。また、吹出流路の出口近傍における湾曲面は、主流方向の下流側(室内側)に向かうにつれて、左右方向に少しずつ広がるように形成されており、空気流れが沿うことができる長さを長く確保している。このため、左右の側壁と垂直フラップとの間の広いスペースを通過した風速の速い空気流れF92であっても、湾曲面に沿って流れる距離が長く確保されており、より多くのコアンダ効果が得られるようになっている。このため、十分なコアンダ効果によって湾曲面に空気流れF93を沿わせながら、さらに左右方向に広げることが可能になっている。しかし、この場合には、図13に示すように、吹出流路の側壁が上流側から左右に広がっているため、収容物909の収容スペースが制限されてしまう。また、仮に、収容物909の収容スペースを確保しつつ、コアンダ効果が得られる程度の湾曲面を形成しようとすると、やはり、室内側に向けて装置が大型化してしまう。他方、図13の左側に示すように、垂直フラップを傾斜させることなく調和空気を直進させる状態では、室内側に向けて直進する空気流れF8と、側面との間で直進する空気流れF96が生じ、湾曲面を沿うように左右に広がる流れは生じにくい。このため、湾曲面の表面近傍は圧力が低い状態になり、調和されていない室内側の空気が流れ込みやすく(空気流れF97が生じやすく)、サージングや冷房時の結露を生じさせてしまう。
(4−2)上記実施形態の空調室内機4による問題点の解決
これに対して、上記実施形態の空調室内機4では、吹出流路8の第2側壁89を沿うように流れる空気流れF9のうち、直進時に風速が最も速くなる部分である吹出流路8の中央部分を通過する流れは、通過する隙間が狭くなるように(第1側壁87と外側垂直フラップ61の中央部分61aとが10mm以下に近づくように)調節されていることから、この狭い部分を避けて流れるようになり、通過風量が抑えられることで速度が低減されている。このため、空気流れF9は、内側垂直フラップ62によって進行方向が左右方向に広げられた空気流れF3を阻害しにくい。このため、内側垂直フラップ62によって進行方向が左右方向に広がるように曲げられた空気流れF3は、そのまま左右方向に広がっていくことができている。また、この場合であっても、外側垂直フラップ61の上方部分61bおよび下方部分61cは、吹出流路8の第1側壁87との隙間がより広く確保されているため、圧力損失が増大し過ぎることがない。
これに対して、上記実施形態の空調室内機4では、吹出流路8の第2側壁89を沿うように流れる空気流れF9のうち、直進時に風速が最も速くなる部分である吹出流路8の中央部分を通過する流れは、通過する隙間が狭くなるように(第1側壁87と外側垂直フラップ61の中央部分61aとが10mm以下に近づくように)調節されていることから、この狭い部分を避けて流れるようになり、通過風量が抑えられることで速度が低減されている。このため、空気流れF9は、内側垂直フラップ62によって進行方向が左右方向に広げられた空気流れF3を阻害しにくい。このため、内側垂直フラップ62によって進行方向が左右方向に広がるように曲げられた空気流れF3は、そのまま左右方向に広がっていくことができている。また、この場合であっても、外側垂直フラップ61の上方部分61bおよび下方部分61cは、吹出流路8の第1側壁87との隙間がより広く確保されているため、圧力損失が増大し過ぎることがない。
また、この左右方向へ広がる空気流れを生じさせることにより、図12の例で述べたような調和されていない空気が室内側から流れ込むことを抑制できており、サージングや結露の発生を抑制できている。
そして、上記実施形態の湾曲面部80は、外側垂直フラップ61および内側垂直フラップ62の風下側端部まで伸びている。また、上述の構造によって調和空気を左右方向に広げることができているため、図13で示す従来の例のようにコアンダ効果を十分確保するために空気流れが沿って流れる湾曲面を長く設ける必要が無く、膨出高さh1を短くすることができている。このため、収容物を収容するためのスペースを確保することができるとともに、装置が大型化し過ぎてしまうことを避けることができている。
なお、上記外側垂直フラップ61は、内側垂直フラップ62よりも空気流れ方向(主流方向)の長さが長く構成されている。これにより、垂直フラップの全てを内側垂直フラップ62と同じもので統一した場合と比較して、第1側壁87との隙間を小さく抑えるために必要となる垂直フラップの合計枚数を少なく抑えることが可能になっている。
また、吹出流路8の出口近傍から左右に広がるように設けられた膨出曲面85が、空気流れ方向(主流方向)の下流側に向けて膨出して形成されているとともに、第1側壁87からなだらかな内側曲面86を介して繋がっているため、左右方向に風向が案内された空気流れを、曲面から剥がすことなく、コアンダ効果によってさらに左右方向に広げることが可能になっている。さらに、上記空気流れの左右方向への広がりは、ガイドリブ81、82、83によって、より確実に左右方向に導くことが可能になっている。
(5)他の実施形態
(5−1)
上記実施形態では、外側垂直フラップ61と内側垂直フラップ62とで、空気流れ方向の長さが異なる場合を例に挙げて説明した。
(5−1)
上記実施形態では、外側垂直フラップ61と内側垂直フラップ62とで、空気流れ方向の長さが異なる場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られず、例えば、図7に示すように、空気流れ方向の長さが外側垂直フラップ61と内側垂直フラップ262とで共通している空調室内機204であってもよい。
(5−2)
上記実施形態では、本体ケーシング5の湾曲面部80の左右方向外側端部がなだらかに湾曲して形成された外側曲面84を有している場合を例に挙げて説明した。
上記実施形態では、本体ケーシング5の湾曲面部80の左右方向外側端部がなだらかに湾曲して形成された外側曲面84を有している場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られず、例えば、図8に示すように、外側曲面が設けられておらず、左右の側面に至るまで左右方向に伸び続けて構成されたコーナー形状384が採用された空調室内機304であってもよい。
(5−3)
上記実施形態では、外側垂直フラップ61と吹出流路8の第1側壁87との距離を狭めること等によって、左右方向への調和空気の広がりを実現させた場合を例に挙げて説明した。
上記実施形態では、外側垂直フラップ61と吹出流路8の第1側壁87との距離を狭めること等によって、左右方向への調和空気の広がりを実現させた場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られず、例えば、図9に示すように、外側垂直フラップ61や第1側壁87等とは別部材として、出口から流れ出た空気流れを強制的に左右方向に案内して空気流れF405を生じさせる誘導板409を備えた空調室内機であってもよい。
ここで、誘導板409は、吹出流路8の第2側壁89の面の延長線L上に一部が重なるように配置されていることが望ましい。
例えば、図14のように、誘導板909の全体が、吹出流路8の第2側壁89の面の延長線Lよりも左右方向外側に位置している空調室内機903の場合には、空気流れを左右方向に広げる効果を十分に得ることができない。
(5−4)
上記実施形態では、左右方向に広がるように空気流れを案内させる姿勢において、外側垂直フラップ61と吹出流路8の第1側壁87との間の隙間が10mm以下となるように調節されている場合を例に挙げて説明した。
上記実施形態では、左右方向に広がるように空気流れを案内させる姿勢において、外側垂直フラップ61と吹出流路8の第1側壁87との間の隙間が10mm以下となるように調節されている場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られず、外側垂直フラップ61と吹出流路8の第1側壁87との間の隙間の値は、10mm以下であれば特に限定されるものではなく、例えば、8mm以下となるように調節してもよいし、6mm以下となるように調節してもよいし、4mm以下となるように調節してもよいし、外側垂直フラップ61と吹出流路8の第1側壁87とが互いに接触していてもよい。
さらには、図10に示すように、外側垂直フラップ561の下流側の先端が吹出流路8の第1側壁87と点Pにおいて接触するように構成された空調室内機504であってもよい。
(5−5)
上記実施形態では、ガイドリブ81、82、83は、左右方向にまっすぐ伸びて設けられている場合を例に挙げて説明した。
上記実施形態では、ガイドリブ81、82、83は、左右方向にまっすぐ伸びて設けられている場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られず、例えば、図11に示すように、左右方向への案内機能をより強化させ、左右方向に広げつつわずかに背面側にもガイドされた空気流れF605が生じるように、湾曲して形成されたガイドリブ681、682、683を有する空調室内機604であってもよい。
(5−6)
上記実施形態では、外側垂直フラップ61と吹出流路8の第1側壁87との間の隙間を制御部70によるシャフト69の位置制御によってコントロールした場合を例に挙げて説明した。
上記実施形態では、外側垂直フラップ61と吹出流路8の第1側壁87との間の隙間を制御部70によるシャフト69の位置制御によってコントロールした場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られず、例えば、ユーザが手動により外側垂直フラップ61の傾斜状態を調節して、第1側壁87との間の隙間が10mm以下となるようにしてもよい。
さらに、外側垂直フラップ61の左右方向への最大傾斜状態において、第1側壁87との間の隙間が10mm以下となるように、物理的なストッパや位置決め手段等が設けられていてもよい。
(5−7)
上記実施形態では、左右方向に吹き出し空気流れを広げる場合を例に挙げて説明した。
上記実施形態では、左右方向に吹き出し空気流れを広げる場合を例に挙げて説明した。
しかし、本発明はこれに限られず、例えば、左方向のみに空気流れを向ける場合や、右方向のみに空気流れを向ける場合についても、同様に適用することができる。
本発明の空調室内機は、左右方向に広く調和空気を供給しようとする装置に適用した場合に、特に有用である。
4 空調室内機
5 本体ケーシング(ケーシング)
5c 側面部(側面)
6 風向調節部
8 吹出流路
61 外側垂直フラップ(風向案内羽根、長羽根)
61a 中央部分(第1部分)
61b 上方部分(第2部分)
61c 下方部分(第2部分)
62 内側垂直フラップ(短羽根)
85 膨出曲面
86 内側曲面(曲面)
81,82、83、681、682、683 ガイドリブ(リブ)
409 誘導板
5 本体ケーシング(ケーシング)
5c 側面部(側面)
6 風向調節部
8 吹出流路
61 外側垂直フラップ(風向案内羽根、長羽根)
61a 中央部分(第1部分)
61b 上方部分(第2部分)
61c 下方部分(第2部分)
62 内側垂直フラップ(短羽根)
85 膨出曲面
86 内側曲面(曲面)
81,82、83、681、682、683 ガイドリブ(リブ)
409 誘導板
Claims (8)
- 壁掛け型の空調室内機(4)において、
調和空気の吹出流路(8)を有するケーシング(5)と、
前記吹出流路の出口近傍に配置され、風向を調節する風向案内羽根(61、62)を複数有する風向調節部(6)と、
を備え、
前記複数の風向案内羽根は、前記吹出流路の左右の側壁(87)の間に位置しており、
前記左右の側壁のうちのいずれかの側壁である所定側壁(87)に対して最も近くに位置している前記風向案内羽根(61)は、前記調和空気の空気流れの下流側ほど前記所定側壁に近い姿勢となっている状態で、
前記下流側の端部の一部である第1部分(61a)と前記所定側壁との間の隙間が10mm以下であり、かつ、
前記下流側の端部の第1部分以外である第2部分(61b、61c)は、前記所定側壁との間の隙間が10mmより大きい部分を有している、
空調室内機(4)。 - 前記吹出流路の前記出口の前面側縁と背面側縁の間の中心部分もしくはその近傍部分において、前記風向案内羽根の前記第1部分と前記所定側壁との間の前記隙間が10mm以下となっている、
請求項1に記載の空調室内機。 - 複数の前記風向案内羽根には、左右方向の両端に位置している長羽根(61)と、前記長羽根と比べて前記空気流れが沿う部分の長さが短い短羽根(62)と、が含まれている、
請求項1または2に記載の空調室内機。 - 前記ケーシングは、前記吹出流路の前記出口近傍から左右に広がっており、前記空気流れの主流方向に向けてなだらかに膨出した形状の膨出曲面(85)を有している、
請求項1から3のいずれか1項に記載の空調室内機。 - 前記空気流れの主流方向における前記膨出曲面(85)の膨出高さ(h1)は、前記吹出流路の左右の側壁(87)と前記ケーシング(5)の左右の側面(5c)との間の厚み(h2)の半分以下である、
請求項4に記載の空調室内機。 - 前記所定側壁と前記膨出曲面とは、前記膨出曲面における湾曲度合いよりも大きな湾曲度合いの曲面(86)を介してなだらかに繋がっている、
請求項4または5に記載の空調室内機。 - 前記膨出曲面から突出して左右方向に伸びているリブ(81,82、83、681、682、683)をさらに備えた、
請求項4から6のいずれか1項に記載の空調室内機(4、604)。 - 前記吹出流路の前記出口の下流側に配置され、前記吹出流路の左右の側壁のそれぞれに沿う流れの向きを変更させて左右に導く誘導板(409)をさらに備えた、
請求項1から7のいずれか1項に記載の空調室内機(404)。
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