JP5678952B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
本発明は空気調和機に関する。
空気調和機は室内機の吹出口から熱交換器により熱交換された冷気または暖気を吹き出す。特許文献1には、吹出口の両側に隣接して補助吹出口が形成されたものが開示されている。補助吹出口は筐体の正面で開口する。吹出口および補助吹出口の上流には、集塵フィルタが設けられている。補助吹出口から集塵フィルタを通過した気流を吹き出すことができる。集塵フィルタを通過する気流は遠心ファンで生起される。遠心ファンは空気抵抗の高い集塵フィルタに十分に気流を通過させることができる。気流の向きはルーバーで調整される。ルーバーは吹出口および補助吹出口に取り付けられる。
一般に、空気調和機では、気流がひとたび吹出口から吹き出されてしまうと、その後の気流の向きや動きは室内の空気の流れに委ねられる。こうした気流の向きや動きをきめ細かく制御することができれば、これまで以上に心地よい温度環境を室内に作り出すことができる。上述した従来技術では、どのように補助吹出口から室内空気の気流が吹き出されれば、気流の勢いが削がれずに効果的に気流の向きや動きが制御されることができるのか、開示されていない。
本発明のいくつかの態様によれば、姿勢変化を行える補助筐体を構造体の両端に取付けた空気調和機において、補助吹出口が変位しても気流の勢いを効果的に維持することができる空気調和機は提供されることができる。
本発明の一形態は、前面から下方に向かって連続する下向き面に、水平方向に延びて熱交換器で生成される冷気または暖気の気流を吹き出す吹出口を形成し、前記吹出口の両側で前記吹出口に対して不動に固定される1対の壁体を有する構造体と、前記吹出口に配置されて、水平軸線回りで回転自在に前記構造体に支持される風向板と、前記吹出口の両側で前記壁体の外壁面に水平軸回りで回転自在に取り付けられて、取り込んだ室内空気を吹き出す補助吹出口を形成する補助筐体とを備え、前記仮想軸線から前記補助吹出口までの距離L1は、前記仮想軸線から前記構造体の前記吹出口までの距離L3よりも大きく設定される空気調和機に係るものである。
こうした空気調和機では吹出口から冷気または暖気の気流が吹き出される。補助吹出口から室内空気の気流が吹き出される。この補助吹出口から吹き出される室内空気の気流と、吹出口から吹き出される熱交換器で生成された冷気または暖気とは温度差を有している。そのため、室内空気の気流により冷気や暖気の気流の向きや動きを制御することができる。冷気や暖気を室内で望まれる場所に送り込むことができる。こうして室内の温度環境を効率的に整えることができる。
補助吹出口が下向き面の両側に配置されると、補助吹出口は吹出口よりも下側に位置する。その結果、室内空気の気流と冷気または暖気の気流との間で衝突は回避されることができる。気流の勢いは効果的に維持されることができる。
ここで、補助筐体が回転して補助吹出口が構造体の前面の両側に配置されると、補助吹出口は構造体の前面よりも前方に位置することができる。その結果、室内空気は構造体に邪魔されずに補助吹出口から吹き出ることができる。吹出口から吹き出す気流の空気層の上側に的確に室内空気は補助吹出口から吹き出ることができる。
空気調和機は、前記構造体に固定されて前記冷気または暖気の気流を生成する第1送風ファンを駆動する第1駆動源と、前記補助筐体に収容されて前記室内空気の気流を生成する第2送風ファンを駆動する第2駆動源とを個別に備えることができる。室内空気の気流の風速は冷気または暖気の気流の風速とは相違する風速に設定されることができる。大きい風速の気流は、それよりも小さい風速の気流の向きや動きを制御することができる。こうして確実に冷気または暖気の気流の向きや動きは制御されることができる。
本実施形態では、補助吹出口からの風量と吹出口からの風量とでは、吹出口からの風量の方が多い。補助吹出口から吹出される気流の風速を、吹出口から吹出される熱交換器で生成された冷気または暖気の気流の風速よりも速くしている。それにより、多量の空気を少量の空気で制することができ、室内を快適な環境とすることができる。
第2送風ファンは、前記補助筐体の回転軸に重なる回転軸回りで回転し、前記補助吸込口から吹き出す気流を生成する遠心ファンであることができる。遠心ファンの回転軸は補助筐体の回転軸に重なることから、遠心ファンの羽根の移動軌跡と補助筐体との間で相対的な位置関係は一定に維持されることができる。補助筐体が回転運動しても常に一定の気流は生成されることができる。
空気調和機は、前記補助筐体内に区画されて、前記遠心ファンの下側から前記補助吹出口まで延びる送風路を備えている。補助筐体の輪郭が構造体の輪郭からはみ出すことなく、補助吹出口が吹出口の両側に配置されている。
補助筐体が回転して補助吹出口が構造体の前面の両側に配置されると、補助吹出口は構造体の前面よりも引っ込んで位置することができる。空気調和機の据え付け作業時に構造体の前面側を床面に向けて空気調和機を置いた場合でも、補助吹出口が床面に接しなくなる。補助吹出口に荷重がかからないため、補助筐体が破損する恐れがなくなる。
以上のように開示の空気調和機によれば、補助吹出口が変位しても気流の勢いを効果的に維持することができる空気調和機は提供されることができる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る空気調和機11の構成を概略的に示す。空気調和機11は室内機12および室外機13を備える。室内機12は例えば建物内の室内空間に設置される。その他、室内機12は室内空間に相当する環境空間に設置されればよい。室内機12には室内熱交換機14が組み込まれる。室外機13には圧縮機15、室外熱交換機16、膨張弁17および四方弁18が組み込まれる。室内熱交換機14、圧縮機15、室外熱交換機16、膨張弁17および四方弁18は冷凍回路19を形成する。
冷凍回路19は第1循環経路21を備える。第1循環経路21は四方弁18の第1口18aおよび第2口18bを相互に結ぶ。第1循環経路21には、圧縮機15が設けられている。圧縮機15の吸入管15aは四方弁18の第1口18aに冷媒配管を介して接続される。第1口18aからガス冷媒は圧縮機15の吸入管15aに供給される。圧縮機15は低圧のガス冷媒を所定の圧力まで圧縮する。圧縮機15の吐出管15bは四方弁18の第2口18bに冷媒配管を介して接続される。圧縮機15の吐出管15bからガス冷媒は四方弁18の第2口18bに供給される。第1循環経路21は例えば銅管などの冷媒配管で形成される。
冷凍回路19は第2循環経路22をさらに備える。第2循環経路22は四方弁18の第3口18cおよび第4口18dを相互に結ぶ。第2循環経路22には、第3口18c側から順番に室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14が組み込まれる。室外熱交換器16は、通過する冷媒と周囲の空気との間で熱エネルギーの交換を実現する。室内熱交換器14は、通過する冷媒と周囲の空気との間で熱エネルギーの交換を実現する。第2循環経路22は例えば銅管などの冷媒配管で形成されればよい。
室外機13には送風ファン23が組み込まれる。送風ファン23は室外熱交換器16に通風する。送風ファン23は例えば羽根車の回転に応じて気流を生成する。気流は室外熱交換器16を通り抜ける。通り抜ける気流の流量は羽根車の毎分回転数に応じて調整される。気流の流量に応じて室外熱交換器16では冷媒と空気との間で交換される熱エネルギー量が調整される。
室内機12は本体ユニット25および1対のファンユニット26を備える。本体ユニット25には室内熱交換器14および第1送風ファン27が組み込まれる。第1送風ファン27は室内熱交換器14に通風する。第1送風ファン27は羽根車の回転に応じて気流を生成する。第1送風ファン27の働きで本体ユニット25には室内空気が吸い込まれる。室内空気は室内熱交換器14を通り抜け冷媒と熱交換する。熱交換された冷気または暖気の気流は本体ユニット25から吹き出される。通り抜ける気流の流量は羽根車の毎分回転数に応じて調整される。気流の流量に応じて室内熱交換器14では冷媒と空気との間で交換される熱エネルギー量を調整することができる。ファンユニット26は室内空気を吸い込んで当該室内空気を吹き出す。
冷凍回路19で冷房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bおよび第3口18cを相互に接続し第1口18aおよび第4口18dを相互に接続する。したがって、圧縮機15の吐出管15bから高温高圧の冷媒が室外熱交換器16に供給される。冷媒は室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14を順番に流通する。室外熱交換器16では冷媒から外気に放熱する。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室内熱交換器14で周囲の空気から吸熱する。冷気が生成される。冷気は第1送風ファン27の働きで室内空間に流される。
冷凍回路19で暖房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bおよび第4口18dを相互に接続し第1口18aおよび第3口18cを相互に接続する。圧縮機15から高温高圧の冷媒が室内熱交換器14に供給される。冷媒は室内熱交換器14、膨張弁17および室外熱交換器16を順番に流通する。室内熱交換機14では冷媒から周囲の空気に放熱する。暖気が生成される。暖気は第1送風ファン27の働きで室内空間に流される。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室外熱交換器16で周囲の空気から吸熱する。その後、冷媒は圧縮機15に戻る。
図2は一実施形態に係る室内機12の外観を概略的に示す。室内機12の本体ユニット25は構造体28を備える。構造体28にはアウターパネル29が覆い被さる。構造体28の下面には吹出口31が形成される。吹出口31は下向きに開口する。構造体28は例えば室内の壁面に固定されることができる。吹出口31は、設置時に水平方向となる向きに延びて設けられており、室内熱交換器14で生成される冷気または暖気の気流を吹き出す。
吹出口31には前後1対の上下風向板32a、32bが配置される。上下風向板32a、32bはそれぞれ水平軸線33a、33b回りに回転することができる。本実施例では上下風向板32a、32bの後端が回動軸となっているが、これに限るものではない。回転に応じて上下風向板32a、32bは吹出口31を開閉することができる。
図3に示されるように、構造体28には吸込口34が形成される。吸込口34は構造体28の正面および上面で開口する。アウターパネル29は構造体28の正面で吸込口34に覆い被さることができる。吸込口34は、設置時に水平方向に延びて室内熱交換器14に流入する気流を取り込む。
水平方向に延びる吸込口34および吹出口31の両側で構造体28の外壁面となる本体の両端部には、個別にファンユニット26が取り付けられる。ファンユニット26は構造体28の外壁面の外側に配置される。ファンユニット26はそれぞれ補助筐体35を備える。補助筐体35は構造体28に対して移動自在に構造体28の外壁面に支持される。ここでは、補助筐体35は、構造体28の外壁面に交差する回転軸回りで回転することができる。本実施例においてファンユニット26の回転軸は、水平軸線36としている。水平軸線33a、33b、36は相互に平行に延びる。構造体28の外壁面は相互に平行に広がる。したがって、構造体28の両端部に設けられた外壁面は水平軸33a、33b、36に直交する。
補助筐体35には補助吸込口37が形成される。補助吸込口37は、構造体28の外壁面の垂直方向から室内空気を取り込む。補助吸込口37は補助吸込口カバー38で覆われる。補助吸込口カバー38は補助筐体35に取り付けられる。補助吸込口カバー38の輪郭は水平軸線36に同軸の仮想円筒面39の内側で当該仮想円筒面39に沿って区画される。すなわち、補助吸込口カバー38は円形の輪郭を有する。補助吸込口カバー38には複数の開口41が形成される。開口41は補助吸込口37の内外の空間を相互に接続する。
補助筐体35には補助吹出口42が形成される。補助吹出口42は、補助吸込口37から補助筐体35に取り込まれた室内空気を吹き出す。補助吹出口42から気流は外壁面に沿った方向に吹き出す。補助筐体35が水平軸線36回りで回転運動すると、補助吹出口42は重力方向に上下に変位することができる。補助吹出口42から吹き出される気流の向きは変更されることができる。ここでは、重力方向に補助吹出口42を下降させる補助筐体35の回転の向きに従って順方向側を「下流」といい、逆方向側を「上流」という。補助吹出口42には風向板43が取り付けられる。風向板43は、補助吹出口42から吹出される気流の向きを、水平方向に偏向させることができる。
なお、補助筐体35の姿勢を変化させる構造は、これに限るものではない。例えば、補助吹出口42に上下方向に風向を変更する風向板を設け、構造体28の外壁面で補助筐体35の背面側を軸支し、水平方向に補助吹出口42の向きを変えるようにしてもよい。また、補助吹出口42に左右方向に風向を変更する風向板を設け、構造体28の外壁面に設けたガイドレールにより、補助筐体35を上下に移動するようにしてもよい。
構造体28は補助構造体44を備える。補助構造体44は補助筐体35の周囲で外壁面に形成される。補助構造体44は外壁面から補助筐体35よりも外側に突き出る。補助構造体44の縁は前述の仮想円筒面39の外側で当該仮想円筒面39に沿って仕切られる。
図4に示されるように、補助筐体35の外縁は第1ストッパ面46を形成する。第1ストッパ面46は水平軸線36から第1距離D1の外端と第1距離D1よりも小さい第2距離D2の内端との間に設けられている。第1ストッパ面46は補助筐体35が水平軸線36回りに上流に回動する際、後述する規制体51に当接するように形成されている。第1ストッパ面46は平面で形成されることができる。第1ストッパ面46は、水平軸線36を含む仮想平面内に含まれてもよく、そういった仮想平面に対して所定の傾斜角で傾斜してもよい。
補助筐体35の外縁は第2ストッパ面47を形成する。第2ストッパ面47は水平軸線36から第3距離D3の外端と第3距離D3よりも小さい第4距離D4の内端との間に設けられている。第2ストッパ面47は補助筐体35が水平軸線36回りに下流に回動する際、後述する補助規制部58に当接するように形成されている。第2ストッパ面47は平面で形成されることができる。第2ストッパ面47は、水平軸線36を含む仮想平面内に含まれてもよく、そういった仮想平面に対して所定の傾斜角で傾斜してもよい。
補助筐体35の外縁は第1縁面48および第2縁面49を形成する。第1縁面48は第1ストッパ面46の外端から水平軸線36回りに下流に広がる。第1縁面48は例えば湾曲面で構成されることができる。湾曲面は、水平軸線36から第1距離D1の半径の円筒面に沿って広がることができる。第2縁面49は第1ストッパ面46の内端から第2ストッパ面47の内端まで広がる。第2縁面49は例えば湾曲面で構成されることができる。
補助構造体44は規制体51を形成する。規制体51は、構造体28に設けられ吹出口31の両側に固定される壁体52の外壁面52aに対して垂直方向に当該外壁面52aから立ち上がる壁で構成されることができる。規制体51は、水平軸線36回りで下流に面する壁面を有する。規制体51は第1ストッパ面46の移動経路上に配置される。規制体51は、補助筐体35の回転を通じて補助吹出口42を上方に移動させる際に第1ストッパ面46が当接するようになっている。こうして、規制体51は、補助筐体35の回転を通じて補助吹出口42を上方に移動させる際に、第1ストッパ面46の進路に位置して補助筐体35の回転を規制する。回転の規制に応じて補助筐体35は停止位置すなわち水平姿勢に位置決めされることができる。この水平姿勢では補助吹出口42は水平方向に向けられる。
上述した水平姿勢において、壁体52の下面と補助筐体35の下面は、同一面となるようになっている。これにより、空気調和機の設置作業の際に空気調和機の両側を作業者が保持する場合、段差を有さないため保持しやすくなっている。また規制体51は、後述する駆動モータ91で補助筐体35を回転させる際の回転止めも兼ねている。これにより、駆動モータ91で補助筐体35を上方向に回転させる際、補助筐体35が水平姿勢となったかどうかを検出する検出手段を設けずに済むため、コストダウンを図れる。
補助構造体44は第1壁53を備える。第1壁53は例えば一定の厚さをもつ湾曲壁で構成されることができる。第1壁53は、壁体52の外壁面52aに対して垂直方向に当該外壁面52aから立ち上がる。こうして第1壁53は補助筐体35よりも外側に突き出る。第1壁53の壁面は水平軸線36に平行に外壁面52aの垂直方向に母線を有する。第1壁53は、水平軸線36から第1距離D1の位置で水平軸線36回りに第1の中心角範囲θ1にわたって補助筐体35の外縁すなわち第1ストッパ面46の外端が描く移動軌跡に沿って広がる。ここで、第1壁53の壁面は、補助筐体35の回転時に第1縁面48に接触しないよう湾曲して設けられている。
補助構造体44は第2壁54を備える。第2壁54は例えば一定の厚さをもつ湾曲壁で構成されることができる。第2壁54は、壁体52の外壁面52aに対して垂直方向に当該外壁面52aから立ち上がる。こうして第2壁54は補助筐体35よりも外側に突き出る。第2壁54の壁面は水平軸線36に平行に外壁面52aの垂直方向に母線を有する。第2壁54は、水平軸線36から第2距離D2の位置で水平軸線36回りに第1の中心角範囲θ1の外側に位置する第2の中心角範囲θ2にわたって補助筐体35の外縁すなわち第2縁面49が描く移動軌跡に沿って広がる。ここでは、規制体51から上流に向かって離れるにつれて水平軸線36から第2壁54までの距離は第2距離D2から縮小することができる。こうして補助筐体35の回転時に第2壁54と補助筐体35との接触は回避されることができる。つまり、第2壁54の壁面は、補助筐体35の回転時に第2縁面49に接触しないよう設けられている。規制体51は第1壁53から第2壁54まで連続する。このとき、第1の中心角範囲θ1は0(ゼロ)度よりも大きく180度よりも小さく設定されることができる。第1の中心角範囲θ1と第2の中心角範囲θ2とが隣接する場合には、第1の中心角範囲θ1と第2の中心角範囲θ2との総和は180度よりも小さく設定される。
補助構造体44は第1外壁55を備える。第1外壁55は第1壁53よりも構造体28の上面側の位置で壁体52の外壁面52aに対して垂直方向に当該外壁面52aから立ち上がる。第1外壁55は第1壁53の下流端から構造体28の背面側に延びる。第1外壁55は第1壁53の裏壁面に鋭角となるよう交差角γ1で交差する。同様に、補助構造体44は第2外壁56を備える。第2外壁56は第2壁54よりも構造体28の下面側の位置で壁体52の外壁面52aに対して垂直方向に当該外壁面52aから立ち上がる。第2外壁56は第2壁54の上流端から構造体28の背面側に延びる。第2外壁56は第2壁54の裏壁面に鋭角となるよう交差角γ2で交差する。第1壁53、第2壁54、規制体51、第1外壁55および第2外壁56の上端は1枚の板片57で相互に結合される。
第2壁54の上流端には補助規制部58が形成される。図5に示されるように、補助規制部58は第2ストッパ面47の移動経路上に配置される。補助規制部58は、補助筐体35の回転を通じて補助吹出口42を下方に移動させる際に第2ストッパ面47が当接するようになっている。こうして、補助規制部58は、補助筐体35の回転を通じて補助吹出口42を下方に移動させる際に、第2ストッパ面47の進路に位置して補助筐体35の回転を規制する。回転の規制に応じて補助筐体35は下吹き60度位置に位置決めされることができる。この下吹き60度位置では補助吹出口42は下向きに水平軸線36回りに60度回転する。
図6に示されるように、構造体28は主筐体61a、61b並びに第1サイドパネル62aおよび第2サイドパネル62bを備える。主筐体61aに吹出口31が形成される。吹出口31の両側で主筐体61aに第1サイドパネル62aおよび第2サイドパネル62bが取り付けられる。第1サイドパネル62aおよび第2サイドパネル62bは、構造体28の外殻を構成している。第1サイドパネル62aおよび第2サイドパネル62bはそれぞれ壁体52を有する。それぞれの壁体52は相互に平行に広がる。壁体52の外壁面52aは構造体28の外壁面に相当する。ここでは、外壁面52aは水平軸線36に直交すればよい。こうして外壁面52aは相互に平行に広がる。壁体52は吹出口31の両側で吹出口31に対して不動に固定される。第1サイドパネル62aおよび第2サイドパネル62bにそれぞれ補助構造体44が一体化される。本実施例では第1サイドパネル62aおよび補助構造体44は1部材で構成されているが、別部材で構成されていてもよい。こうした部材は硬質の樹脂材料から一体成型に基づき形成されることができる。同様に、第2サイドパネル62bおよび補助構造体44は1部材を構成することができる。
第1サイドパネル62aおよび第2サイドパネル62bの構造体28への取り付けにあたってねじ64が用いられる。ねじ64は第1サイドパネル62aおよび第2サイドパネル62bを貫通して主筐体61aにねじ込まれる。ねじ64のねじ込みにあたってねじ64の軸心は、水平軸線36に平行でかつ設置時に床面に対して垂直となり第1サイドパネル62aおよび第2サイドパネル62bの前面側に位置する仮想平面65に直交する。ここでは、仮想平面65は水平軸線36に平行に広がる。しかも、仮想平面65は構造体28の正面を向く。主筐体61には仮想平面65にねじ穴が面するようにネジボス部66が規定される。第1サイドパネル62aおよび第2サイドパネル62bにはネジボス部66に重ねられるネジ挿通片67がそれぞれ設けられる。ねじ64はネジ挿通片67を貫通しネジボス部66にねじ込まれる。
図7に示されるように、個々のファンユニット26は補助筐体35および取り付け板68を備える。取り付け板68には補助筐体35が結合される。取り付け板68および補助筐体35でファンユニット26の外観は構成される。補助筐体35の内部には、送風路ユニット83および遠心ファン81が備えられている。取り付け板68は壁体52の外壁面52aに重ねられる。取り付け板68は壁体52にねじ止めされる。ねじ69は壁体52の内壁面(外壁面の裏側)から壁体52を貫通して取り付け板68にねじ込まれる。個々のねじ69は水平軸線36に平行な軸心を有することができる。こうしてファンユニット26は第1サイドパネル62aおよび第2サイドパネル62bにそれぞれ固定される。
ファンユニット26は駆動源すなわちモータ71を備える。モータ71は取り付け板68を介して吹出口31の両側で壁体52の外壁面52aに固定される。モータ71は例えば電動モータで構成されることができる。モータ71は固定子および回転子を収容するモータ筐体72を備える。モータ筐体72から駆動軸73が突出する。駆動軸73は回転子に連結される。固定子および回転子の間で発生する磁力の相互作用に基づき駆動軸73は軸心回りで回転することができる。駆動軸73の軸心は壁体52の外壁面52aに交差する。ここでは、駆動軸73の軸心は壁体52の外壁面52aに直交する。駆動軸73の軸心は水平軸線36に重なることができる。
ファンユニット26は制御基板74を備える。制御基板74は壁体52の外壁面52aとモータ筐体72との間に配置される。モータ筐体72は制御基板74に支持される。制御基板74では制御回路が構築される。制御回路はモータ71の回転子の回転を制御する。制御基板74には雌コネクタ75が実装される。雌コネクタ75には対応の雄コネクタが結合されることができる。雄コネクタには配線77が接続されることができる。制御回路には配線77から制御信号が供給されることができる。
ファンユニット26は板金部材78を備える。板金部材78は壁体52の外壁面52aと制御基板74との間に配置される。制御基板74は板金部材78に支持される。板金部材78は取り付け板68に固定される。板金部材78は1枚の板金から形成されることができる。板金は例えばステンレス鋼から成形されることができる。板金部材78は制御基板74の輪郭よりも大きく制御基板74の板面に沿って広がる。板金部材78は壁体52に制御基板74を連結する。
ファンユニット26は保護部材79を備える。保護部材79は難燃樹脂材から形成される。保護部材79は送風路ユニット83に取り付けられる。保護部材79はいわゆるドーム形に形成されることができる。保護部材79は板金部材78と協働で収容空間を区画する。収容空間にはモータ筐体72、制御基板74および雌コネクタ75が収容される。モータ71の駆動軸73は保護部材79を貫通して収容空間の外側に突き出る。保護部材79の外側でモータ71の駆動軸73には第2送風ファンすなわち遠心ファン81が装着される。遠心ファン81には例えばシロッコファンが用いられることができる。遠心ファン81は駆動軸73の軸心回りで回転する。
ファンユニット26は複数のローラー82を備える。ここでは、ローラー82は水平軸線36回りで中心角60度の間隔で等間隔に配置される。ローラー82は円柱体を有する。円柱体は保護部材79に回転自在に支持される。円柱体の軸心は水平軸線36に平行に延びる。ローラー82は円柱体の軸心回りで回転することができる。円柱体は例えばPOM(ポリアセタール樹脂)とった樹脂材料から形成されることができる。円柱体は水平軸線36に同軸の仮想円筒面に内接する。ローラー82の支軸は例えば保護部材79および取り付け板68の間に挟まれることができる。
ファンユニット26は送風路ユニット83を備える。送風路ユニット83は第1部材83aおよび第2部材83bで構成される。送風路ユニット83および保護部材79で遠心ファン81の収容空間が区画される。こうして遠心ファン81は送風路ユニット83に収容される。第1部材83aは遠心ファン81の周囲を囲む。送風路ユニット83は、補助吸込口37に通じる開口84と、遠心ファン81の下側から補助吹出口42まで延びる送風路85とを形成する。遠心ファン81が回転すると、遠心ファン81の回転軸に沿って開口84から室内空気は取り込まれる。遠心ファン81は全周にわたって遠心方向に室内空気を押し出す。こうして押し出された室内空気は送風路85を伝って補助吹出口42から吹き出す。
送風路85は、補助吹出口42における遠心ファン81の回転軸よりも下側となる範囲が、上側よりも大きく開口するように設けられる。ファンユニット26の吹出口31に近い側に補助吹出口42を開口することで、ファンユニット26を水平軸線36を中心に回動させても、補助吹出口42が吹出口31から大きく離間しないようになっている。
送風路ユニット83は保護部材79に連結される。送風路ユニット83の第1部材83aには円筒部86が形成されている。円筒部86は内面に水平軸線36に同軸の円筒面86aを形成する。この円筒面86aには、保護部材79の外周側に備えられた複数のローラー82が内接する。その結果、円筒部86はローラー82群に装着されることができる。こうして送風路ユニット83はローラー82群を介して水平軸線36回りで回転自在に保護部材79に連結される。
補助筐体35は第1化粧筐体87aおよび第2化粧筐体87bで構成される。第1化粧筐体87aおよび第2化粧筐体87bは送風路ユニット83を覆うように連結される。送風路ユニット83の開口84は補助筐体35の補助吸込口37に重なる。送風路ユニット83の送風路85は補助筐体35の補助吹出口42に接続される。こうして補助筐体35内に遠心ファン81やモータ71は収容される。取り付け板68には、モータ71、保護部材79および遠心ファン81が取り付けられ、保護部材79に対して送風路ユニット83が水平軸線36回りで回転可能に保持されている。
図8に示されるように、送風路ユニット83の円筒部86にはラック88が形成される。ラック88は水平軸線36に沿った方向にローラー82からずれた位置で円筒面86a上に配置されて水平軸線36に同心に延びる。ラック88には駆動ギア89が噛み合う。駆動ギア89の回転軸は水平軸線36に平行に設定される。駆動ギア89の回転に応じて水平軸線36回りで円筒部86が保護部材79に対して回転することができる。すなわち送風路ユニット83は回転することができる。
取り付け板68には駆動源すなわち駆動モータ91が取り付けられる。駆動モータ91の駆動軸は駆動ギア89に連結される。駆動軸の軸心は駆動ギア89の回転軸に重なる。こうして駆動ギア89の回転は駆動モータ91の動力に基づき引き起こされる。駆動モータ91は補助筐体35の回転を引き起こす駆動力を生成する。
図9に示されるように、ファンユニット26は風向板43の駆動ユニット92を備える。風向板43は、水平軸線36に直交する仮想平面内であって水平軸線36に同心の仮想円に接する接線(回転軸95)回りで姿勢を変化させることができる。駆動ユニット92は補助筐体35に収容されて送風路85の上側で送風路ユニット83に固定される。駆動ユニット92はリンク部材93を備える。リンク部材93は風向板43の上端に偏心軸96を介して連結される。連結にあたって送風路ユニット83にはリンクケース94が固定される。リンクケース94は風向板43の上端を、風向板43の回転軸95回りで回転自在に保持する。風向板43の上端には風向板43の回転軸95から偏心して風向板43の回転軸95に平行に延びる偏心軸96が接続される。リンクケース94には偏心軸96の案内路97が形成される。偏心軸96の案内路97は風向板43の回転時に風向板43の回転軸95に同心の円弧に沿って偏心軸96の移動を案内する。
駆動ユニット92は駆動源すなわち駆動モータ98を備える。駆動モータ98は例えば送風路ユニット83に固定されることができる。駆動モータ98は風向板43の回転軸95に平行に延びる駆動軸98aを有する。駆動軸98aの上端は回転自在にリンクケース94で保持される。駆動軸98aの上端には駆動軸98aの軸心99から偏心して駆動軸98aの軸心99に平行に延びる偏心軸101が接続される。リンクケース94には偏心軸101の案内路102が形成される。偏心軸101の案内路102は駆動軸98aの軸心99に同心の円弧に沿って偏心軸101の移動を案内する。
リンク部材93は回転自在に偏心軸96、101を保持する。駆動モータ98の回転に応じて偏心軸101が案内路102内で移動すると、偏心軸101の移動はリンク部材93の移動を引き起こす。移動にあたってリンク部材93はその姿勢を維持する。偏心軸101の動きは同一の経路に沿って偏心軸96の動きを生み出す。こうして風向板43の姿勢は同期で変化することができる。駆動ユニット92は風向板43の姿勢変化を引き起こす駆動力を生成する。
風向板43の背後で補助吹出口42内には遮蔽板103が配置される。遮蔽板103は送風路85の流出端の外縁104から重力方向上方に広がる。遮蔽板103は補助吹出口42内で送風路85の流出端以外を塞ぐ。
図10に示されるように、主筐体28には第1送風ファン27が回転自在に支持される。第1送風ファン27には例えばクロスフローファンが用いられることができる。第1送風ファン27は水平軸線36に平行な回転軸105回りで回転することができる。第1送風ファン27の回転軸105は設置時に水平方向に延びる。こうして第1送風ファン27は吹出口31に平行に配置される。第1送風ファン27の周囲には室内熱交換器14が配置される。
主筐体28には駆動源106が固定される。駆動源106には例えば電動モータが用いられることができる。駆動源106の駆動軸はその軸心回りで回転する。駆動軸は第1送風ファン27の回転軸105に同軸に配置されることができる。駆動源106の駆動軸は第1送風ファン27の回転軸に結合されることができる。こうして駆動源106の駆動力は第1送風ファン27に伝達される。駆動源106は第1送風ファン27を駆動する。第1送風ファン27の回転に応じて気流は室内熱交換器14を通過する。その結果、冷気または暖気の気流が生成される。冷気または暖気の気流は吹出口31から吹き出される。
補助筐体35の回転軸を含む仮想軸線すなわち水平軸線36と補助吹出口42との間には距離L1が設定される。水平軸線36と主筐体28の前面との間には距離L2が設定される。ここでは、距離L1は距離L2よりも大きく設定される。その結果、補助筐体35が回転して補助吹出口42が主筐体28の前面の両側に配置されると、補助吹出口42は主筐体28の前面よりも前方に位置する。
距離L1は距離L2よりも小さく設定されてもよい。その場合、補助筐体35が回転して補助吹出口42が主筐体28の前面の両側に配置されると、補助吹出口42は主筐体28の前面よりも後方に位置する。そのため、室内機の据え付け作業時に主筐体28の前面側を床面に向けて室内機を置いた場合でも、補助吹出口42が床面に接しなくなる。補助吹出口42に荷重がかからないため、補助筐体35が破損する恐れがなくなる。
加えて、水平軸線36から補助吹出口42までの距離L1は、水平軸線36から吹出口31(具体的には、後側送風路31bの先端部31aと前側送風路31cの先端部31dを結ぶ面)までの距離L3よりも大きく設定される。このとき、上下風向板32a、32bは水平方向に冷気または暖気の気流を吹き出す姿勢に確立されればよい。図11に示されるように、補助筐体35が回転して補助吹出口42が主筐体28の下向き面の両側に配置されると、補助吹出口42は吹出口31よりも下側に位置する。補助吹出口42からの送風は、主筐体28に邪魔されることなく吹出される。
次に空気調和機11の動作を説明する。例えば冷房運転が設定されると、四方弁18は第2口18bおよび第3口18cを相互に接続し第1口18aおよび第4口18dを相互に接続する。圧縮機15の動作に応じて冷媒が冷凍回路19を循環する。その結果、室内熱交換機14で冷気が生成される。冷気の温度は少なくとも室内空気の温度よりも低い。室温センサで検出される室温に応じて圧縮機15の動作は制御される。その他、例えば人感センサで在室者の不存在が所定の期間にわたって検出されると、圧縮機15は停止されてもよい。
第1送風ファン27が回転すると、例えば図12に示されるように、冷気の気流107が吹出口31から吹き出る。このとき、上下風向板32a、32bの姿勢は適宜に制御される。上下風向板32a、32bの向きに応じて気流107の吹き出しは制御されることができる。ここでは上下風向板32a、32bを床面に対して略平行とすることで、冷気の気流107を吹出口31から水平方向に吹き出すようにしている。
第2送風ファン81が回転すると、ファンユニット26では補助筐体35内の空間に補助吸込口37から室内空気が吸い込まれる。室内空気の温度は室温に等しい。吸い込まれた室内空気の気流はファンユニット26の補助吹出口42から吹き出す。このとき、補助筐体35の姿勢は水平軸線36回りで適宜に制御される。例えば図12に示されるように、補助筐体35の姿勢は水平姿勢から前下がりに変化することができる。補助筐体35は水平方向よりも下向きに補助吹出口42からの気流108の吹き出しを誘導することができる。室内空気の気流108は補助吹出口42から下向きに吹き出す。
一般に、室内機12は室内で比較的に高い位置に設置される。冷気の気流107が水平方向に誘導されれば、冷気は高い位置から床面に向かって下降していく。室内では徐々に冷気が蓄積されていく。このとき、ファンユニット26は在室者Mに直接に室内空気の気流108を向けることができる。ファンユニット26は冷房運転時にいわゆる扇風機の代わりとして機能することができる。室内空気の気流108には冷気の混入は防止されることができ、その結果、在室者Mは心地よい涼感を得ることができる。在室者Mは、室内の温度低下に基づく涼感に加え、気流108により生じる気化熱に基づく涼感を得ることができる。ここでは、補助吹出口42は上下風向板32a、32bよりも下方に位置することから、補助吹出口42からの気流108と冷気の気流107との間で衝突は回避されることができる。気流の勢いは良好に維持されることができる。
例えば図13に示されるように、冷房運転時に補助筐体35の姿勢は水平姿勢に確立されることができる。室内空気の気流108は補助吹出口42から水平方向に吹き出る。ここで、補助吹出口42の気流108の風速が吹出口31の気流107の風速よりも大きいと、大きい風速の気流108はそれよりも小さい風速の気流107を制することができる。室内空気の気流108は冷気の気流107の向きや動きを制御することができる。冷気は室内で望まれる場所に送り込まれることができる。ここでは、補助吹出口42の気流108は冷気の気流107とともに天井および壁を伝って床面に向かって緩やかに吹き下りることができる。室内では床面に沿って緩やかな空気の流れが生起されることができる。在室者Mは対流の微風に応じて不自然でない心地よい涼感を得ることができる。補助吹出口42は主筐体28の前面よりも前方に位置することから、室内空気の気流108は主筐体28に衝突せずに補助吹出口42から吹き出ることができる。気流の勢いは良好に維持されることができる。
例えば暖房運転が設定されると、四方弁18は第2口18bおよび第4口18dを相互に接続し第1口18aおよび第3口18cを相互に接続する。圧縮機15の動作に応じて冷媒が冷凍回路19を循環する。その結果、室内熱交換機14で暖気が生成される。暖気の温度は少なくとも室内空気の温度よりも高い。室温センサで検出される室温に応じて圧縮機15の動作は制御される。例えば人感センサで在室者の不存在が所定の期間にわたって検出されると、圧縮機15は停止されてもよい。
図14に示されるように、暖房運転では第1送風ファン27の回転に応じて暖気の気流107が吹出口31から吹き出す。このとき、上下風向板32a、32bの姿勢は下向きに確立されることができる。上下風向板32a、32bは下向きに床面に向かって吹出口31からの気流107の吹き出しを誘導する。暖気の気流107は吹出口31から下向きに吹き出す。
ここでは、補助筐体35の姿勢は水平姿勢に保持される。補助筐体35は水平方向に補助吹出口42からの気流108の吹き出しを誘導する。室内空気の気流108は補助吹出口42から水平方向に吹き出す。例えば設定温度よりも低い特定の温度に室温が達するまで、ファンユニット26の水平方向の吹き出しは維持されることができる。室温は室温センサで検出されることができる。
暖気の気流107が下向きに誘導されれば、暖気は床面に向かって吹き出されることができる。室内の温度が低いと、例えば図14に示されるように、暖気はすぐさま床面から天井に向かって上昇しやすい。このとき、ファンユニット26は、上昇してくる暖気を巻き込みながら室内に空気の流れを生起することができる。空気の流れに沿って暖気は再び床面に向かって下降することができる。こうして室内の下方には十分に暖気が送り込まれる。室内全体が暖まらなくとも、暖房効果を得られる。
こうした空気調和機11では本体ユニット25の吹出口31から冷気または暖気の気流107が吹き出される。ファンユニット26の補助吹出口42から室内空気の気流108が吹き出される。室内空気の気流108は冷気や暖気の気流107の向きや動きを制御することができる。冷気や暖気は室内で望まれる場所に送り込まれることができる。こうして室内の温度環境は効率的に整えられることができる。このとき、ファンユニット26の補助吹出口42は本体ユニット25の吹出口31から吹き出される気流に対して相対的に移動することができる。したがって、室内空気の気流108は所望の向きに設定されることができる。こうした向きの設定によれば、冷気や暖気の気流107の向きや動きは的確に制御されることができる。
例えば、補助吹出口42の気流108の風速が吹出口31の気流107の風速よりも大きいと、大きい風速の気流108はそれよりも小さい風速の気流107を制することができる。室内空気の気流108は冷気の気流107の向きや動きを制御することができる。冷気は室内で望まれる場所に送り込まれることができる。例えば冷房運転時に、補助筐体35の水平姿勢が確立されると、補助吹出口42の気流108は冷気の気流107とともに天井および壁を伝って床面に向かって緩やかに吹き下りることができる。室内では床面に沿って緩やかな空気の流れが生起されることができる。在室者Mは対流の微風に応じて不自然でない心地よい涼感を得ることができる。
前述のように、室内機12では遠心ファン81の回転軸は補助筐体35の回転軸に重なる。したがって、遠心ファン81の羽根の移動軌跡と補助筐体35との間で相対的な位置関係は一定に維持されることができる。補助筐体35が回転運動しても常に一定の気流は生成されることができる。
送風機で生成される気流を送風するためには、所定の長さの送風路を形成することが求められる。前述のような送風路85によれば、補助筐体35の輪郭が主筐体28の輪郭からはみ出なくても送風路85および補助吹出口42は容易に吹出口31の両側に配置されることができる。しかも、室内機12の意匠性を損なうことなく、送風路85の長さは十分に確保されることができる。その結果、補助吹出口42から遠心ファン81は十分に遠ざけられることができる。送風路85の長さを確保できるため、指挿入の規格は容易に満たされることができる。
12 空気調和機(室内機)、14 熱交換器(室内熱交換器)、27 第1送風ファン、28 構造体、31 吹出口、32a 風向板(上下風向板)、32b 風向板(上下風向板)、33a 水平軸線、33b 水平軸線、35 補助筐体、36 水平軸(水平軸線)、42 補助吹出口、52 壁体、52a 外壁面、53 壁(第1壁)、54 壁(第2壁)、55 第1外壁、56 第2外壁、57 第1板片および第2板片(板片)、71 第2駆動源(モータ)、81 第2送風ファン(遠心ファン)、85 送風路、106 第1駆動源(駆動源)。
Claims (4)
- 前面から下方に向かって連続する下向き面に、水平方向に延びて熱交換器で生成される冷気または暖気の気流を吹き出す吹出口を形成し、前記吹出口の両側に固定される1対の壁体を有する構造体と、
前記吹出口に配置されて、水平軸線回りで回転自在に前記構造体に支持される風向板と、
前記吹出口の両側で前記壁体の外壁面に水平軸回りに回転自在に取り付けられて、取り込んだ室内空気を吹き出す補助吹出口を形成する補助筐体とを備え、
前記水平軸を含む仮想軸線から前記補助吹出口までの距離L1は、前記仮想軸線から前記構造体の前記吹出口までの距離L3よりも大きく設定されている
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1に記載の空気調和機において、前記構造体に固定されて前記冷気または暖気の気流を生成する第1送風ファンを駆動する第1駆動源と、前記補助筐体に収容されて前記室内空気の気流を生成する第2送風ファンを駆動する第2駆動源とを個別に備え、
前記第2送風ファンは、前記仮想軸線に重なる回転軸回りで回転し、前記補助吸込口から吹き出す気流を生成する遠心ファンであることを特徴とする空気調和機。 - 請求項2に記載の空気調和機において、前記補助筐体内に区画されて、前記遠心ファンの下側から前記補助吹出口まで延びる送風路を備えることを特徴とする空気調和機。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気調和機において、前記仮想軸線から前記構造体の前記前面までの距離L2は前記L3よりも大きく設定され、かつ、前記L1<L2であることを特徴とする空気調和機。
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