JP2015169403A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】連結桟の断面形状を左右羽根の回動中心に垂直な角度で構成すると、この角度が、吹き出し口から吹出される吹き出し風の主流と異なる場合、連結桟が通風抵抗となって送風性能を悪化させるという課題があった。【解決手段】連結桟5は、左右羽根4に設けられた連結突起12を保持する平板状の保持部15と、保持部15同士を連結する平棒状の連結部16とを備え、保持部15は、左右羽根4の回動中心軸に対して垂直に設けられ、連結部16は、保持部15に対して傾斜して設けられたもので、これによって連結桟5は、左右羽根をスムーズに回動させつつ、連結桟5が吹き出し風の通風抵抗となるのをより小さくすることができるため、送風性能を高めることができて、省エネを実現することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、送風性能を向上させることのできる左右羽根の連結桟を備えた空気調和機に関するものである。
従来、空気調和機に設けられた風向変更装置である左右羽根は、左右羽根の回動中心軸に対して、平行に突出する突起(連結突起)を設けて、その連結突起の中心軸に直角に連結棧を設けていた。つまり、連結棧は、左右羽根の回動中心軸に対して直角に設けられていた。
しかし、この構成では、連結棧が風の流れ角度に対して、平行ではなく傾斜を持った角度になるため、風の抵抗となり通風性能を妨げるという課題があった。
この課題を解決するために、連結桟の取付角度を改良した風向変更装置としては図12に示すようなものがある(例えば、特許文献1参照)。図12において、左右羽根101に連結突起102が設けられ、ここに、複数の左右羽根が連動して回動をするために互いを連結する連結桟103が取り付けられている。
ここで、連結突起102に取り付けられた連結桟103の断面形状は、リアガイダ(図示せず)と平行となるように、左右羽根101の回動中心である回動中心軸104の垂直方向に対して直角ではなく傾斜して設けられている。
特開平10−148348号公報
しかしながら前記従来の構成では、連結桟103の断面形状の角度が左右羽根101の回動中心軸104の垂直方向に対して異なる角度となっているため、連結桟103が長手方向に動いて左右羽根101の羽根角度を左右方向に変えようとする時にスムーズな回動を実現するためには、連結突起102と連結桟103との締結部分に、比較的大きな一定の勘合隙間(遊び)が必要となる。
そして、この勘合隙間が、風の流れを乱し騒音を発生させたり、風の抵抗となったりして、通風性能を妨げるという課題を有していた。
特に、この通風性能の悪化は、特許文献1のように、連結桟の主要部がリアガイダと平行となるように、左右羽根の回動中心軸と連結突起の中心軸とが成す角度を15°程度とする場合には、比較的影響が小さいが、連結桟の主要部をさらに傾斜して設ける場合には影響が大きいという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、連結桟と左右羽根との勘合隙間が、通風抵抗となって送風性能を悪化させるのを防止するとともに、連結桟が通風抵抗となり通風性能を妨げることのない空気調和機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の空気調和機は、吹き出し口から吹き出される空気の向きを左右方向に変更する左右羽根と、複数の前記左右羽根を連動させて左右に回動させる連結桟とを備え、前記連結桟は、前記左右羽根に設けられた連結軸を保持する平板状の保持部と、前記保持部同士を連結する平棒状の連結部とを備え、前記保持部は、前記左右羽根の回動中心軸に対して垂直に設けられ、前記連結部は、前記保持部に対して傾斜して設けられたものである。
これによって連結桟の断面形状は、保持部では左右羽根をスムーズに回動させるために適した角度とし、勘合隙間を大きくする必要がなく、それ以外の連結桟の主要部では、吹き出し口から吹き出される吹き出し風に対して、通風抵抗にならないような角度とすることができ、送風性能をより高めることができる。そして、その結果、送風用ファンモータの入力を低減することが可能となり省エネを実現することができる。
本発明の空気調和機の室内機は、左右羽根をスムーズに回動させながら送風性能をより高めることができる。
本発明の実施の形態1における空気調和機の室内機の断面図 本発明の実施の形態1における空気調和機の要部拡大断面図 本発明の実施の形態1における空気調和機の連結桟と左右羽根の分解斜視図 本発明の実施の形態1における空気調和機の連結桟の断面図 比較のために説明する空気調和機の要部拡大断面図 本発明の実施の形態1における空気調和機の要部拡大断面図 本発明の実施の形態1における空気調和機の連結桟の変形例の斜視図 本発明の実施の形態1における空気調和機の連結桟と左右羽根の他の変形例の分解斜視図 本発明の実施の形態1における空気調和機の連結桟の他の変形例の断面図 本発明の実施の形態2における空気調和機の要部拡大断面図 比較のために説明する空気調和機の要部拡大断面図 従来の空気調和機の左右羽根の側面図
第1の発明は、空気を吸い込む吸い込み口と、吹き出し口と、前記吹き出し口から吹き出される空気の向きを左右方向に変更する左右羽根と、複数の前記左右羽根を連動させて左右に回動させる連結桟とを備え、前記連結桟は、前記左右羽根に設けられた連結軸を保持する平板状の保持部と、前記保持部同士を連結する平棒状の連結部とを備え、前記保持部は、前記左右羽根の回動中心軸に対して垂直に設けられ、前記連結部は、前記保持部に対して傾斜して設けられたものである。
これによれば、保持部での連結桟の断面形状は左右羽根の回動中心に対して垂直なので、左右羽根と保持部との勘合隙間を大きくする必要がなく、連結桟が動くことで左右羽根をスムーズに回動させることが可能である。連結桟の主要部である連結部では、吹き出し風に対して、通風抵抗にならないような角度とすることができるので、送風性能をより高めることができる。そして、その結果、送風用ファンモータの入力を低減することが可能となり省エネを実現することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記連結部は、前記保持部より下流側に設けられたもので、保持部で生じた風の流れの乱れを下流側に設けた連結部により整流することができる。また、連結部を吹き出し口の長手方向に直線的に構成できるので連結桟全
体の強度の確保が容易である。
第3の発明は、特に、第1の発明において、前記連結部は、前記保持部同士の間に設けられたもので、連結桟全体の風の流れ方向における長さ(短手方向の長さ)を抑えることができ、通風抵抗をより小さくできる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明において、前記保持部は、上流側に前縁部を備え、前記前縁部は前記連結部と平行な方向に突出するもので、保持部で生じる通風抵抗を小さくできる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明において、連結部は、前記吹き出し口から吹き出される空気の主流に平行な面上に設けられたもので、保持部での連結桟の断面形状は左右羽根の回動中心に対して垂直なので、連結桟が動くことで左右羽根をスムーズに回動させることが可能であり、また、連結桟の主要部である連結部での断面形状は吹き出し風の主流に平行な角度なので、連結桟が通風抵抗となるのをより小さくすることができ、送風性能をより高めることができる。
第6の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明において、前記吹き出し口が設けられた送風通路の下面を形成するリアガイダと、前記リアガイダの下流部に対向する面を形成するスタビライザとを備え、前記連結部は、前記スタビライザの平坦部を含む平面と前記リアガイダの下流端での接平面との交線と、前記保持部の下端とを含む平面上に設けられたもので、これに基づいて、吹き出し風の主流の通風抵抗をできるだけ小さくするような連結部の断面形状を容易に決定することが可能で、確実に送風性能を高めることができる。
第7の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明において、前記吹き出し口から吹き出される空気の向きを上下方向に変更する上下羽根を備え、前記連結部は、吹出し風量が最大となる位置にある前記上下羽根の中心軸を含む平面上に設けられるとともに、前記上下羽根の上端部に近接するように設けられたもので、連結桟が上下羽根の上流部に配置されてその断面形状を上下羽根の主要部と平行としているので、吹き出し風の主流の通風抵抗を小さくできるため、送風性能をより高めることができる。
第8の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明において、前記吹き出し口から吹き出される空気の向きを上下方向に変更する上下羽根を備え、前記連結部は、吹出し風量が最大となる位置にある前記上下羽根の上面または下面の上流端における接平面上に設けられるとともに、前記上下羽根の上端部に近接するように設けられたもので、連結桟が上下羽根の上流部に配置されてその断面形状を上下羽根の上流端(前縁)と平行としているので、吹き出し風の主流の通風抵抗を小さくできるため、送風性能をより高めることができる。
第9の発明は、特に、第14の発明において、前記前縁部の上流側端面は、上流側に突出する曲面で構成されたもので、連結桟の通風抵抗をさらに小さくすることが出来て、送風性能をさらに高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
実施の形態1の空気調和機は、室内機と室外機が冷媒配管及び制御用配線等により互いに接続された、所謂セパレータ型の空気調和機である。室内機と室外機によりヒートポン
プが構成されており、室外機にはコンプレッサが設けられている。実施の形態1の空気調和機における室内機は、室内の壁面に取り付ける壁掛け式室内機である。
図1は、本発明の第1の実施の形態における空気調和機の室内機の概略構成を示す縦断面図である。図1は実施の形態1の空気調和機における空調運転停止時の状態を示している。
図1において、室内機の本体1は、空気を吸い込む吸い込み口2と、熱交換された空気を吹き出す吹き出し口3とを備えている。本体1は、本体1の前面を覆うように構成される前面パネル21を備えている。本体1の内部には、室内空気に含まれる塵埃を除去するためのフィルタ22と、取り入れた室内空気を熱交換する熱交換器23と、吸い込み口2からフィルタ22を通して取り入れた室内空気を熱交換器23で熱交換して吹き出し口3から室内に吹き出すための気流を発生させる貫流ファンであるファン6とが設けられている。ファン6は、左右両端のいずれかの回転軸において、送風用ファンモータの回転軸に連結されている(図示せず)。
また、本体1において、ファン6の下流側から吹き出し口3の上流側に至る通風路24は、ファン6の下流側に配置されて空気の流れを案内するリアガイダ7と、このリアガイダ7に対向して配置されたスタビライザ8と、本体1の両側壁(図示せず)とで形成されている。本実施の形態では、リアガイダ7の下流部分とスタビライザ8の下流部分とによりディフューザが構成されており、ファン6から吹き出し口3への通風路24における流路断面積が徐々に拡大するよう構成されている。
なお、上述した用語「スタビライザ」は、ファン6の下流近傍に位置し、ファン6の前部付近に発生する渦を安定化させるための湾曲面形状を有する舌部近傍のみを、スタビライザと称することもあるが、ここでは、この舌部の下流側に位置し、ファン6により搬送される空気の圧力回復を担うディフューザの上側を構成する壁部分(平坦部)も含めて「スタビライザ」という。
また、リアガイダ7は、ファン6の外側外周に設けられた曲面部と、曲面部の下流側に位置し、後述するように左右羽根を保持するために設けられた平面部である左右羽根保持面とを備えている。
吹き出し口3には、当該吹き出し口3を開閉するとともに、空気の吹き出し方向を上下方向に変更することができる上下風向変更部である上下羽根9が設けられている。上下羽根9は、上羽根9aと、この上羽根9aの下方に設けられた下羽根9bとを備えている。上羽根9a、下羽根9bはそれぞれ、左右両端のいずれかの回転軸において、ステッピングモータ等からなる駆動モータの回転軸に連結されている(図示せず)。そして、この駆動モータの動作により、上羽根9a、下羽根9bは、それぞれ上下方向に回動する。
また、通風路24には空気の吹き出し方向を左右に変更することができる左右風向変更部である複数枚の左右羽根4が設けられている。複数枚の左右羽根4は、羽根の動きを連動させる連結桟5により連結されている。
左右羽根4について、図2〜図4を用いてさらに詳しく説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態における空気調和機の室内機の吹き出し口付近の要部拡大断面図である。
スタビライザ8の平坦部の上流側、つまり舌部の下方には、複数枚の左右羽根4をそれぞれ取り付けるための複数のスタビライザ突起10が設けられている。また、リアガイダ7の下流端に位置する左右羽根保持面71には、複数枚の左右羽根4をそれぞれ取り付け
るための複数のリアガイダ穴11が設けられている。一方、左右羽根4のそれぞれは、左右羽根4の上端に設けられスタビライザ突起10を挿入するための穴形状をした回転軸穴13と、下端に設けられリアガイダ穴11に挿入するための突起形状をした回転軸突起14を備えている。そして、複数の左右羽根4は、それぞれ、回転軸穴13にスタビライザ突起10を挿入し、リアガイダ穴11に回転軸突起14を挿入することで、左右方向に回動可能に設けられている。つまり、回転軸穴13と回転軸突起14とを結ぶ直線が、左右羽根4の回動中心軸となる。
図3は、本発明の実施の形態1における空気調和機の連結桟と左右羽根の分解斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1における空気調和機の連結桟の保持部における縦断面図である。図3においては、簡単のために、連結桟の一部のみを図示するとともに、左右羽根は1枚のみを図示している。
図3、図4に示すように、複数枚の左右羽根4のそれぞれは、上端に連結桟5と連結される連結軸としての連結突起12をさらに備えている。連結突起12は、左右羽根4のそれぞれの回動中心軸より下流側に設けられている。一方、連結桟5には、連結突起12を挿入するための連結穴17が設けられている。
また、連結桟5は、左右両端のいずれかにおいて、モータとギア等で構成された駆動装置に連結されている(図示せず)。そして、この駆動装置の動作により、連結桟5を、左右方向に動かすことができる。複数枚の左右羽根4の連結突起12を、連結桟5の連結穴17に挿入することで、連結桟5を左右方向に移動させると、連結突起12を介して、複数枚の左右羽根4のすべてが連動し、回動中心軸を支点に回動する。このため、複数枚の左右羽根4のすべてを同一方向に向けることができる。つまり、連結突起12の中心軸が、左右羽根4を連結桟5に回転支持させる中心軸となる。なお、本実施の形態においては、左右羽根4の回動中心軸と連結突起12の中心軸とがなす角度が40°以上の大きな角度となっている。
連結桟5は、連結穴17が形成された平板状の保持部15と、複数の保持部15を連結する平棒状の連結部16とを備えている。より具体的には、連結桟5は、吹き出し口3の左右方向(幅方向)に長手方向を有する直線状で平棒状である連結部16と、連結部16の上流端(前縁)側に、左右羽根4が設けられた位置に対応して離散的に突出する保持部15とを備えている。
そして、保持部15はその主要部の平面が、左右羽根4の回動中心軸に対して垂直となるように構成される一方、連結部16はその主要部の平面が、保持部15の主要部の平面に対して傾斜して構成されている。言い換えると、図4に示すように、連結桟5は、保持部15での断面形状を左右羽根4の回動中心軸に対して垂直に構成される一方、連結桟5の主要部である連結部16での断面形状は、左右羽根4の回動中心軸に対して垂直ではなく、吹き出し口3から吹き出される風の主流に平行な角度となるように構成されている。
連結突起12の上端には、左右羽根4の前後方向(左右羽根4の平面と平行な方向)に突出するリブ12aが設けられている。一方、連結穴17には、リブ12aが挿入可能なスリット17aが設けられている。スリット17aは、連結桟5の短手方向に対して、左右羽根4が通常回動する以上の角度で設けられている。
ここで、左右羽根4と連結桟5の取り付け方法と、左右羽根4の通風路24への取り付け方法について説明する。
左右羽根4と連結桟5の取り付けは、左右羽根4に設けられた連結突起12を連結桟5
の連結穴17に挿入して行う。このとき、左右羽根4は通常回動する以上の角度に羽根を回しながらでないと連結穴17に挿入できないようになっているため、一度、連結突起12を連結穴17に挿入すると、左右羽根4は連結桟5から容易には外れない。このため、左右羽根4が回動中に誤って連結桟5から外れてしまうのを防止することが出来る。
複数の左右羽根4を連結桟5に取り付けた後、スタビライザ8とリアガイダ7に取り付けられる。その取り付けは、左右羽根4の回転軸穴13にスタビライザ8のスタビライザ突起10を挿入し、リアガイダ7のリアガイダ穴11に左右羽根4の回転軸突起14を挿入して行う。
以上のように構成された空気調和機について、以下その動作、作用を説明する。
空気調和機の運転が開始されると、上下羽根9が開動作を行い、吹き出し口3が開放される。そして、ファン6が回転駆動される。ファン6が回転すると吸い込み口2から吸い込まれた空気は、フィルタ22を通り、熱交換器23で熱交換されて、ファン6に吸い込まれる。その後、ファン6から吹き出される空気は、スタビライザ8によって安定した風として、リアガイダ7とスタビライザ8の間を通って、吹き出し口3から本体1外側へと吹き出される。
吹き出し口3から吹き出される空気の吹き出し方向は、上下羽根9及び左右羽根4により制御されている。上下羽根9及び左右羽根4の角度調整等の動作は、当該空気調和機を制御する制御装置(図示省略)により制御されている。
上下羽根9は、使用者がリモコン等で設定した運転状態(冷房運転や暖房運転)、吹き出し方向や風量等に応じて、駆動モータの動作により、上下方向に回動する。
上下羽根9は、リアガイダ7の下流側端部(下流端)の吹き出し口3に設けられているため、吹き出し口3から吹き出される空気をスムーズに所望の領域に到達させることができる。特に、下羽根9bはリアガイダ7を延長した位置にあり、吹き出し口3からの空気に対して高い整流効果を有するディフューザとしての機能を発揮する。
吹き出し口3から吹き出させる風量を最大とする設定時(最大風量時)では、上羽根9aは、上羽根9aの上面、または、下面が、スタビライザ8の平坦部と実質的に平行となるように配置される。また、下羽根9bは、下羽根9bの上面が、リアガイダ7の左右羽根保持面と、実質的に連続するように直線的に配置される。このときの下羽根9bがディフューザとしての機能を最大に発揮している。なお、下羽根9bの上面とは、吹き出し口3から吹き出される空気の主流が沿って流れる面である。
左右羽根4は、使用者がリモコン等で設定した吹き出し方向等に応じて、駆動装置の動作により、左右方向に回動する。複数の左右羽根4と連結桟5を締結することで、1枚の左右羽根4が回動すると、連結桟5の働きによって他の左右羽根4が連動して回動し、その回動する角度に応じて吹き出し口3から吹き出される風の向きを左右方向に曲げて吹き出すことが可能となる。
吹き出し口3に向かう風は左右羽根4や連結桟5を通過する。そして、連結桟5は、取付角度によっては、風の抵抗となり通風性能を妨げる恐れがある。ここで、本実施の形態との比較のために、連結桟の主要部を回動中心軸に対して垂直となるように構成した場合について、図5を用いて説明する。図5は、図6に示す本実施の形態との比較のために説明する空気調和機の室内機の吹き出し口付近の要部拡大断面図である。
図5に示すように、連結桟103に設けられた穴に連結突起102を回転軸として挿入し、連結桟103の断面形状が左右羽根101の回動中心軸に垂直になるよう構成すれば、連結桟103によって左右羽根101はスムーズに回動することが可能となる。しかし、連結桟103の断面形状は吹き出し口から吹き出される吹き出し風の主流に対して平行とは異なる角度となるため、連結桟103が通風抵抗となって送風性能を悪化させてしまう。
具体的には、図5において図中に矢印で示した吹き出し風の主流に対し、連結桟103の断面形状は平行になっておらず、連結桟103が比較的大きな通風抵抗となって送風性能を悪化させてしまう。
そこで、連結突起102を回動中心軸に対して傾斜させ、連結桟103の全体の断面形状を吹き出し風の主流に対して平行となるように、取り付けることが考えられる。しかし、その場合には、連結突起102の突出量を大きくして、連結突起102の上端に設けられた抜け防止のリブと連結桟103との間、または、連結桟103と左右羽根101の上端との間に、比較的大きな勘合隙間(遊び)が必要となる。このような勘合隙間がないと、連結桟103が左右に移動した際に、抜け防止のリブや、左右羽根101の上端等に連結桟103が干渉してしまい、左右羽根101のスムーズな回動を行うことができない。
特に、図5に示すように、左右羽根101の回動中心軸と連結突起102の中心軸とが成す角度が40°以上と大きい場合には、大きな勘合隙間が必要となり、風の流れを乱し騒音を発生させたり、風の抵抗となったりして、通風性能を妨げてしまう。
しかし、本実施の形態においては、図2〜図3に示すように、連結桟5のうち、連結突起12が保持される保持部15の断面形状は、連結突起12の中心軸に垂直な角度となっていて、それ以外の連結桟5の主要部である連結部16での断面形状は、吹き出し風の主流に平行な角度となっている。
このため、左右羽根4と連結桟5との間に大きな勘合隙間を設けることなく、左右羽根4はスムーズに回動させることができる。そして、連結桟5の主要部の断面形状は風の主流に平行となっているので、その通風抵抗を小さくすることができ、送風性能をより高めることができる。その結果、送風用ファンモータの入力を低減することが可能となり省エネを実現することができる。
また、連結部16は、保持部15の下流側に直線状に設けられているので、保持部15で生じた風の流れの乱れを連結部16により整流することができるとともに、連結桟5全体の強度の確保が容易である。
また、図3に示すように、保持部15は、上流側の端面と両側面とが接する角部に面取りがなされていて、部分的に円弧形状となっているので、通風抵抗をさらに小さくすることができる。
以下、連結部16の断面形状を主流と平行とするための手法について、図6を用いて説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態における空気調和機の室内機の吹き出し口付近の要部拡大断面図である。
連結部16の断面形状を主流と平行にするためには、図6のように、連結部の角度を、スタビライザ8とリアガイダ7の互いの延長線上の交点から連結桟5の連結部16を結ぶ線に平行な角度とすることで、吹き出し風の主流に平行な角度とすることが可能となる。
より詳細には、まず、スタビライザ8の平坦部を含む平面と、リアガイダの下流端での接平面となる左右羽根保持面71を含む平面との交線(図6中のA)を求める。次に、交線Aと、保持部15の下端とを含む平面(図6中のB)を求める。そして、連結部16の上面、下面または短手方向の中心軸のいずれか1つが平面B上に含まれるように、連結部16の角度を決定する。
これによって通風抵抗の小さな連結部16を一義的に決定することが可能で、確実に通風抵抗を減らして送風性能を向上させることが可能となる。さらに、この手法によれば、リアガイダ7の傾斜だけでなく、スタビライザ8の傾斜についても考慮して、連結部16の角度を決定しているために、より通風抵抗を減らすことができる。
なお、連結部16の断面形状を主流と平行とするための別の手法として、連結部16の上面、下面または短手方向の中心軸のいずれか1つが、上下羽根9が最大風量時に設定される回動角度における上羽根9aの短手方向の中心軸を含む平面上に含まれるように、連結部16の角度を決定してもよい。
そして、連結部16の下流端を上羽根9aの上流端に近接するように配置することが望ましい。これによれば、連結部16は、保持部15の下流側に直線状に設けられているので、保持部15で生じた風の流れの乱れを連結部16により整流し、そのまま連続的に上羽根9aに風を流すことができるので、より通風抵抗を小さくすることができる。
本実施の形態では、連結桟5を左右羽根4の回動中心軸より下流側に設けられているため、連結桟5の連結部16の下流端を上羽根9aの上流端に近接させることが容易である。
以下、連結桟5の変形例について、図7〜図9を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態1における空気調和機の連結桟の変形例の斜視図である。図8は、本発明の実施の形態1における空気調和機の連結桟の変形例と左右羽根の分解斜視図である。図9は、図8に示した変形例における連結桟の保持部における縦断面図である。図7、図8においては、簡単のために、連結桟の一部のみを図示している。また、図8においては、左右羽根は1枚のみを図示している。
図7に示す変形例では、連結桟5は、左右羽根4が設けられた位置に対応して離散的に設けられた保持部15と、保持部15同士の間に設けられ保持部15同士を互いに連結する連結部16とを備えている。そして、保持部15はその主要部の平面が、左右羽根4の回動中心軸に対して垂直となるように構成される一方、連結部16はその主要部の平面が、保持部15の主要部の平面に対して傾斜して構成されている。
このような構成により、連結桟5全体の風の流れ方向における長さ(短手方向の長さ)を抑えることができ、通風抵抗をより小さくできる。
また、図8、図9に示す変形例では、連結桟5は、保持部15の上流側に前縁部18が設けていて、この前縁部18を主流と平行な断面形状としている。つまり、前縁部18は連結部16と平行な方向に突出するように設けられている。これにより、さらに通風抵抗を減らして、送風性能を向上させることが出来る。また、図9に示すように、前縁部18は、上流側の端面と上面および下面とが接する角部に面取りがなされていて、部分的に円弧形状となっているので、通風抵抗をさらに小さくすることができ、送風性能をさらに向上させることが可能となる。
以上のように、室内に設置した際の圧迫感を低減するために高さを抑える一方、省エネ
性の達成のために奥行き方向の長さを拡大した近年の空気調和機の室内機では、吹き出し口3が本体1の下面に開口するため、左右羽根101の回動中心軸と連結突起102の中心軸とが成す角度が40°以上と大きくなるが、本実施の形態では、保持部15での断面形状は左右羽根4の回動中心軸に対して垂直なので、勘合隙間を大きくする必要がなく、連結桟5の主要部である連結部16では、吹き出し風に対して、通風抵抗にならないような角度とすることができるので、送風性能をより高めることができる。
なお、本実施の形態では、左右羽根4の上端の回転軸穴13にスタビライザ8のスタビライザ突起10を挿入し、下端の回転軸突起14をリアガイダ7のリアガイダ穴11に挿入するものとしたが、これに限ることなく、例えば、左右羽根4の上端に設けた突起をスタビライザ8に設けた穴に挿入し、下端に設けた穴にリアガイダ7に設けた突起を挿入するような構成でもよい。
また、左右羽根4の回動は、連結桟5に連結された駆動装置により、使用者がリモコン等で設定した方向に、電動で回動させるものとしたが、これに限ることなく、左右羽根4の回動は、使用者が手で左右羽根4または連結桟5をつまんで力を加えることで、任意の角度に回動させるという方法であってもよい。
(実施の形態2)
実施の形態2の空気調和機は、実施の形態1の空気調和機と主要な構成において実質的に同じ構成を有している。以下、実施の形態1と異なる点を説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態における空気調和機の室内機の吹き出し口付近の要部拡大断面図である。
上下風向変更部である上下羽根9は、主羽根9cと、この主羽根9cの上方に設けられ主羽根9cと一体に回動するガイドミニ羽根9dを備えている。ガイドミニ羽根9dは、主羽根9cにより形成される主流に対して保護する気流を発生させる機能を有している。このように、主羽根9cの上面にガイドミニ羽根9dを設けることにより、主流に対する周りの空気の混合を防止し、主流における流れの減衰が抑制されている。
また、左右羽根4は、下端に設けられた回転軸突起14をリアガイダ7に設けられたリアガイダ穴11に挿入されることで、リアガイダ7の下流側に回動可能に保持されている。つまり、回転軸突起14の中心軸が、左右羽根4の回動中心軸となる。
左右羽根4は、下流側の中央部に切欠き41が設けられており、この切欠き41の内部に向かって下方から突出する連結突起12を備えている。複数枚の左右羽根4は、連結突起12を介して、連結桟5により連結されている。
連結桟5は、吹き出し口3の左右方向(幅方向)に長手方向を有する直線状で平棒状である連結部16と、連結部の上流端(前縁)側に、左右羽根4が設けられた位置に対応して離散的に突出する保持部15とを備えている。保持部15はその主要部の平面が、左右羽根4の回動中心軸に対して垂直となるように構成される一方、連結部16はその主要部の平面が、保持部15の主要部の平面に対して傾斜して構成されている。
連結部16は、連結部16の上面、下面または短手方向の中心軸のいずれか1つが、上下羽根9が最大風量時に設定される回動角度における主羽根9cの羽根前縁部19に平行となるように設けられている。つまり、連結部16の上面、下面または短手方向の中心軸のいずれか1つが、上下羽根9が最大風量時に設定される回動角度における主羽根9cの上面または下面の上流端における接平面上に含まれるように設けられている。
そして、連結部16の下流端を主羽根9cの羽根前縁部19に近接するように配置されている。これによれば、連結部16を通過した風を、そのまま連続的に主羽根9cに流すことができるので、より通風抵抗を小さくすることができる。
連結桟5は、取付角度によっては、風の抵抗となり通風性能を妨げる恐れがある。ここで、本実施の形態との比較のために、連結桟の主要部を回動中心軸に対して垂直となるように構成した場合について、図11を用いて説明する。図11は、図10に示す本実施の形態との比較のために説明する空気調和機の室内機の吹き出し口付近の要部拡大断面図である。
図11に示すように、連結桟103に設けられた穴に連結突起102を回動軸として挿入し、連結桟103の断面形状が左右羽根101の回動中心軸に垂直になるよう構成すれば、連結桟103によって左右羽根101はスムーズに回動することが可能となる。しかし、連結桟103の断面形状は吹き出し口から吹き出される吹き出し風の主流に対して平行とは異なる角度となるため、連結桟103が通風抵抗となって送風性能を悪化させてしまう。
具体的には、図11において、吹き出し風を上下方向に吹き分けるための上下羽根105の上流側前縁部分106の角度と、連結桟103の断面形状は平行となっていないため、連結桟103が比較的大きな通風抵抗となって送風性能を悪化させてしまう。
そこで、連結突起102を回動中心軸に対して傾斜させ、連結桟103の全体の断面形状を吹き出し風の主流に対して平行となるように、取り付けることが考えられる。しかし、その場合には、切欠き41を大きくして、連結桟103が左右に移動した際に、連結桟103が左右羽根101と干渉することを防止する必要がある。この結果、左右羽根101の面積が小さくなり、吹き出し風の左右方向への変更が十分できない恐れがある。
しかし、本実施の形態においては、図10に示すように、連結部16の断面形状を主羽根9cの羽根前縁部19に平行とすることで、通風抵抗を小さくできる。または、連結部16と羽根前縁部19とを同一平面状に配置することで、通風抵抗を小さくできる。
風は、主羽根9cまで到達すると主羽根9cの上面ならびに下面に沿って流れるため、風の流れが上面側と下面側に分かれる羽根前縁部19から上流側のある範囲まででは、そこに何かがあっても通風抵抗となりにくい。このため、羽根前縁部19のすぐ上流部に位置する連結部16の断面形状を羽根前縁部19と同じ角度にしておくと通風抵抗を小さくして送風性能を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、連結部16の下流端を、主羽根9cの羽根前縁部19に近接するように配置しているが、ガイドミニ羽根9dの前縁部に近接するように配置してもよい。
以上のように、本発明にかかる空気調和機は、風が左右羽根の連結桟を通過する際の流れに関わるもので、この流れを従来よりも円滑にすることで送風性能の向上できるので、通風路と左右羽根と連結桟を有する空気調和機などの送風関連技術ならびに商品、設備、部品に適用できる。
1 本体
2 吸い込み口
3 吹き出し口
4、101 左右羽根
5、103 連結桟
6 ファン
7 リアガイダ
8 スタビライザ
9、105 上下羽根
9a 上羽根
9b 下羽根
9c 主羽根
9d ガイドミニ羽根
10 スタビライザ突起
11 リアガイダ穴
12、102 連結突起
12a リブ
13 回転軸穴
14 回転軸突起
15 保持部
16 連結部
17 連結穴
17a スリット
18 前縁部
19 羽根前縁部
21 前面パネル
22 フィルタ
23 熱交換器
24 通風路
41 切欠き
71 左右羽根保持面

Claims (9)

  1. 空気を吸い込む吸い込み口と、吹き出し口と、前記吹き出し口から吹き出される空気の向きを左右方向に変更する左右羽根と、複数の前記左右羽根を連動させて左右に回動させる連結桟とを備え、
    前記連結桟は、前記左右羽根に設けられた連結軸を保持する平板状の保持部と、前記保持部同士を連結する平棒状の連結部とを備え、
    前記保持部は、前記左右羽根の回動中心軸に対して垂直に設けられ、
    前記連結部は、前記保持部に対して傾斜して設けられたことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記連結部は、前記保持部より下流側に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記連結部は、前記保持部同士の間に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  4. 前記保持部は、上流側に前縁部を備え、
    前記前縁部は前記連結部と平行な方向に突出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気調和機。
  5. 前記連結部は、前記吹き出し口から吹き出される空気の主流に平行な面上に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機。
  6. 前記吹き出し口が設けられた送風通路の下面を形成するリアガイダと、前記リアガイダの下流部に対向する面を形成するスタビライザとを備え、
    前記連結部は、前記スタビライザの平坦部を含む平面と前記リアガイダの下流端での接平面との交線と、前記保持部の下端とを含む平面上に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機。
  7. 前記吹き出し口から吹き出される空気の向きを上下方向に変更する上下羽根を備え、前記連結部は、吹出し風量が最大となる位置にある前記上下羽根の中心軸を含む平面上に設けられるとともに、前記上下羽根の上端部に近接するように設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機。
  8. 前記吹き出し口から吹き出される空気の向きを上下方向に変更する上下羽根を備え、前記連結部は、吹出し風量が最大となる位置にある前記上下羽根の上面または下面の上流端における接平面上に設けられるとともに、前記上下羽根の上端部に近接するように設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機。
  9. 前記前縁部の上流側端面は、上流側に突出する曲面で構成されたことを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
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