JP2002039299A - オートテンショナ - Google Patents

オートテンショナ

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JP2002039299A
JP2002039299A JP2000225078A JP2000225078A JP2002039299A JP 2002039299 A JP2002039299 A JP 2002039299A JP 2000225078 A JP2000225078 A JP 2000225078A JP 2000225078 A JP2000225078 A JP 2000225078A JP 2002039299 A JP2002039299 A JP 2002039299A
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Japan
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bearing
rotating member
base
peripheral surface
sliding bearing
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Application number
JP2000225078A
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English (en)
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Kazumasa Ayukawa
一正 鮎川
Hisashi Shimokawa
久史 下川
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Unitta Co Ltd
Original Assignee
Unitta Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H2007/0802Actuators for final output members
    • F16H2007/081Torsion springs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H7/0829Means for varying tension of belts, ropes, or chains with vibration damping means

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回動部材の傾きを防止しオートテンショナの
耐久性を向上させる。 【解決手段】 ベース30に揺動軸40を固定し、回動
部材50のカップ52を揺動軸40の周りに回転自在に
固定する。揺動軸40と回動部材50の軸受部58との
間に円筒状の第1滑り軸受80を設ける。第2滑り軸受
である円筒状のダンピングバンド92をベース30に取
付け、カップ開口部56を全周に渡って内側から支持す
る。カップ開口部56の外側に円弧状の支持部材100
を同心状に設け、支持部材100の内側に第3滑り軸受
110を固定し、カップ開口部56の一部を外側から支
持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動ベルトに適切
な張力を与えつつ振動を減衰させるオートテンショナに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オートテンショナは、ベースに
固定された揺動軸と、揺動軸周りに揺動自在に取り付け
られた回動部材と、回動部材の一端に取付けられ揺動軸
に平行な回転軸を有するプーリと、さらにこのプーリを
ベルトが緊張する方向に回動部材を介して付勢するねじ
りコイルバネと、回動部材の揺動に抵抗を付与するダン
ピング機構とを備え、回動部材が揺動してプーリの相対
位置が変化することによりベルトに適度な緊張が与えら
れると共に、ダンピング機構によって回動部材が制動さ
れることによりベルトに生じた振動が減衰させられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなオートテン
ショナにおいては、プーリが回動部材の先端に取付けら
れるため、ベルトのプーリへの押圧力によって回動部材
には揺動軸周りに不均一な負荷がかかり、回動部材が傾
きやすいという問題がある。金属から形成される揺動軸
と回動部材との間には合成樹脂製の滑り軸受が設けられ
ているが、回動部材が傾くと滑り軸受が相対的に軟らか
いため偏磨耗や早期破損を招き、回動部材がガタつくと
異音が発生したり、回動部材とベースとに取付けられた
ねじりコイルバネが繰り返し荷重として作用するために
取付部分のクラックを生じてしまう。滑り軸受を耐磨耗
性に優れた材料から形成することにより早期磨耗を防止
することも考えられているが、これだけでは十分ではな
い。
【0004】本発明は、上記問題点に鑑み、回動部材の
傾きを防止してオートテンショナの耐久性を向上させる
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るオートテン
ショナは、揺動軸を固定する平板状のベースと、ベース
に向かって開口するカップ部と、カップ部の底面から中
程まで延びて揺動軸に支持される軸受部とを有し、揺動
軸周りに回動自在に支持される回動部材と、揺動軸と軸
受部との間に介在する円筒状の第1滑り軸受と、ベース
に固定されカップ部の開口近傍の内周面に摩擦摺動して
ダンピング力を発生すると共に、カップ部の内周面を支
持する円筒状の第2滑り軸受と、カップ部の外周面を支
持する円弧状の第3滑り軸受とを備え、第1、第2およ
び第3滑り軸受が耐熱性の良好な熱可塑性樹脂を射出成
形することにより得られることを特徴としている。第1
滑り軸受だけでなく、第2及び第3滑り軸受が回動部材
を支持することにより、第1滑り軸受の過重負担が減っ
て回動部材が傾き難くなり、第1滑り軸受の偏磨耗や回
動部材のガタつきによる異音の発生、またはクラック発
生が防止される。また、第1、第2および第3滑り軸受
が、耐熱性の良好な熱可塑性樹脂を射出成形することに
より得られるので、生産性が良い。
【0006】第1〜第3滑り軸受の材料である熱可塑性
樹脂は、具体的には一部芳香族ポリアミド樹脂またはポ
リアミドイミド樹脂の組成物であってもよい。これら樹
脂は、融点が高い即ち耐熱性に優れる、高温環境下にお
ける機械的強度が良好である、耐磨耗性および耐久性に
優れる等の特性を有し、滑り軸受に好適な樹脂である。
【0007】第3滑り軸受は、ベースに一体的に形成さ
れカップ部の外周面に沿った円弧状の支持部材に固定さ
れるとともに、カップ部の外周面に摩擦摺動してもよ
い。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】図1は、第1実施形態のオートテンショナ
20を用いたベルトシステムを簡略化して示す図であ
る。単一の無端ベルト10は駆動プーリ12及び複数の
従動プーリ14およびアイドラ16に架けられ、駆動プ
ーリ12に同期回転して各従動プーリ14を回転駆動さ
せる。オートテンショナ20のプーリ70はベルト10
に外側から当接し、ベルト10に同期回転すると共に、
回転軸72に平行な揺動軸40を中心に所定角度範囲
内、即ち図中実線で示される第1位置と破線で示される
第2位置との間で相対移動する。
【0010】具体的には、揺動軸40に回転自在な回動
部材50が取り付けられ、その先端にプーリ70が取付
けられる。回動部材50はねじりコイルバネ(符号9
0;図2)によってベルト10を緊張させる方向(図中
右方向)に付勢される。ベルト10に振動が生じると回
動部材50が揺動してプーリ70はその相対位置を変
え、これによりベルト10には常にプーリ70が当接し
て振動に関わらず一定の張力が付与される。このとき、
回動部材50の揺動にはダンピング機構(符号92、9
6;図2)により抵抗が付与され、回動部材50の過度
の揺動が防止されベルト10に発生した振動が減衰させ
られる。
【0011】図2はオートテンショナ20の断面を示す
図であり、図3は回動部材50側(図2の上方から)見
た平面図、図4はベース30側(図2の下方から)から
見た平面図である。
【0012】オートテンショナ20は図示しないエンジ
ンブロックに固定される平板状のベース30を備え、ベ
ース30の一方の面30aの略中央には円筒状の軸穴部
32が垂直に突出している。軸穴部32の内部には揺動
軸40の一端部が圧入固定される。
【0013】回動部材50はベース30側に開口するカ
ップ52を備え、カップ52の中央にはカップ底面部5
4からカップ開口部56に向かって中程まで垂直に伸
び、その両端で開口した円筒状の軸受部58が一体的に
設けられる。軸受部58の内部にはベース30に固定さ
れた揺動軸40が挿通し、回動部材50は揺動軸40を
軸心として回転自在である。カップ52はカップ底面部
54側に設けられた揺動軸40の頭部44により軸心方
向への移動が規制される。
【0014】軸受部58の内側には軸心方向の略全体に
渡って第1滑り軸受80が圧入されており、回動部材5
0が揺動軸40周りに回転する際に、第1滑り軸受80
は揺動軸40と摩擦摺動する。第1滑り軸受80はカッ
プ底面部54側の端部にフランジ82を備え、フランジ
82はカップ底面部54と揺動軸40の頭部44との間
に介在して、両者の干渉による磨耗や早期破損を防止し
ている。
【0015】カップ底面部54近傍の外周面には、径方
向外側に延びるアーム62が一体的に設けられ、アーム
62の先端にはプーリ70がボルトである回転軸72に
よって取付けられる。プーリ70はアーム62に対して
ベース30側(図中下方側)に配され、アーム62との
間に介在するボールベアリング64によって回転軸72
の軸心C1周りに回転自在である。
【0016】なお、揺動軸40には両端で開口する円柱
状のボルト穴46が形成されており、オートテンショナ
20が図2に示す状態に組立てられた後、図示しないボ
ルトをボルト穴46に挿通させてエンジンブロックの所
定位置に螺合固定することにより、オートテンショナ2
0がエンジンブロックに取付けられる。また図3に示す
ように、ベース30にはカップ52に対向する部位から
径方向外側に延びた2つの取付部36が設けられてお
り、図示しないボルトがこれら取付部36のボルト穴3
8にそれぞれ挿通してエンジンブロックに螺合固定され
る。即ち、ベース30は回動部材50の回動軸心C2に
位置する揺動軸40だけでなく、回動軸心C2から外れ
た2箇所のボルト穴38においても固定されており、エ
ンジンブロックに対する相対回転が防止される。
【0017】カップ52の内部には、揺動軸40の周り
を螺旋状に巻回するねじりコイルバネ90が適度に圧縮
された状態で収容され、その両端部はそれぞれベース3
0及びカップ底面部54に取付けられる。これにより回
動部材50が揺動軸40周りにねじりコイルバネ90が
伸張する方向に付勢され、回動部材50に伴って相対移
動するプーリ70によってベルト10が緊張する方向に
押圧される。
【0018】カップ開口部56には、第2滑り軸受であ
るダンピングバンド92と、このダンピングバンド92
を付勢するリングスプリング96とを備えたダンピング
機構が設けられる。ダンピングバンド92はカップ開口
部56の内周面56aの略全体に渡って摺接する環状部
材である。ダンピングバンド92はベース30の一面3
0aから突出するピン34に係合するためのピン穴94
を有し、ピン34及びピン穴94の係合によってダンピ
ングバンド92はベース30に固定される。ダンピング
バンド92は、内側に軸心方向に重ねられた2つのリン
グスプリング96のばね力によって、半径方向外側に向
って即ちカップ開口部56の内周面56aに向って円周
方向に均一の力で付勢され、カップ開口部56がベース
30に対して相対回転する即ち回動部材50が揺動する
際に抵抗を付与する。これにより回動部材50と共にプ
ーリ70は制動され、ベルト10の振動が減衰させられ
る。
【0019】ダンピングバンド92は、カップ開口部5
6の内周面56aを半径方向に支持する滑り軸受として
の機能をも有する。ダンピングバンド92はベース30
の取付部36に極めて近い位置に直接固定されるので相
対移動量が極めて少なく安定しており、さらにリングス
プリング96によって円周方向に均一の力で半径方向外
側に付勢されるので半径方向への応力変形が少ない。ま
た、ダンピングバンド92の直径は第1滑り軸受80の
直径より大きいので、大きい支持面積が確保でき、かつ
半径方向への大きな支持力が得られる。
【0020】従って、カップ開口部56即ち回動部材5
0の支持強度、特に半径方向における支持強度が格段に
向上し、回動部材50が傾き難くなる。また、第1滑り
軸受80の荷重負担が減り、その耐久性が向上する。
【0021】カップ開口部56の外周面56bの外側に
は円弧状断面の支持部材100が設けられ、この支持部
材100はアルミニウム合金によりベース30と一体成
形され、ベース30の一面30aから垂直に揺動軸心C
2に沿って延びる。支持部材100はカップ開口部56
の外側に同心状に形成された円弧状断面の支持壁102
と、この支持壁102の2つの側端縁からそれぞれ径方
向内側に向かって延びる第1及び第2係止壁104、1
06とを備える。支持壁102、第1及び第2係止壁1
04、106及びカップ開口部56とにより形成される
空間には第3滑り軸受110が実質的に隙間なく挿入さ
れる。
【0022】図3に示すように、カップ52は外周面か
ら径方向外側に突出した第1及び第2突起53、55を
備え、第1突起53は第1係止壁104に、第2突起5
5は第2係止壁106にそれぞれ対向している。支持部
材100及び第3滑り軸受110は回転軸心C2を中心
として角度θ1の範囲に渡って設けられる。角度θ1は
図3においては略90度であるが、約90度〜180度
の範囲内であればよく、適宜変更可能である。
【0023】第1及び第2突起53、55間の支持部材
100を挟んだ側の角度θ2は、角度θ1より大きく、
その差(θ2−θ1)の角度範囲内においてのみ回動部
材50の回転が許容される。第1及び第2係止壁10
4、106は回動部材50の(θ2−θ1)以上の回動
を防止する回り止めとして機能しており、図1の実線で
示す最もベルト10を緊張させる第1位置においては第
1突起53が第1係止壁104に当接し、図1の破線で
示す最もベルト10を弛緩させる第2位置においては第
2突起55が第2係止壁106に当接する。なお、角度
θ2は角度θ1より約30度〜60度大きい値に設定さ
れる。
【0024】第3滑り軸受110は、支持部材100の
内周面とカップ開口部56の外周面56bとの双方に沿
うように湾曲した湾曲板部112と、この湾曲板部11
2のカップ開口部56側の端部から径方向外側に延びる
係合片114とを備える。
【0025】湾曲板部112は円周方向に撓められた状
態で支持部材100の2つの係止壁104に挟持され、
これにより第3滑り軸受110のベース30に対する円
周方向への相対移動が規制される。また係合片114は
支持壁102とベース30とのコーナ部に形成された係
合穴108に係合し、これにより第3滑り軸受110の
ベース30に対する軸心方向C2に沿う相対移動が規制
される。このように第3滑り軸受110は支持部材10
0即ちベース30に固定されており、カップ開口部56
の外周面56bを外側から径方向に支持すると共に、回
動部材50が揺動軸心C2周りに回動する際に湾曲板部
112において外周面56bと摩擦摺動する。
【0026】第1滑り軸受80、第2滑り軸受であるダ
ンピングバンド92および第3滑り軸受110の材料と
しては、耐熱性、高温時における機械的強度、摩擦係
数、耐磨耗性、生産性に優れ、相手材、具体的には鋼鉄
から形成される揺動軸40やアルミニウム合金から形成
される回動部材50の摺動面を損傷させない合成樹脂が
好適であり、生産効率の面から射出成形により一体成形
可能な熱可塑性樹脂であることが好ましい。具体的に好
適な熱可塑性樹脂をその略号と共に記載すると、ナイロ
ン66に代表されるポリアミド樹脂(PA)、ポリエー
テルサルフォン樹脂(PES)、ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂(PPS)、ポリアミドイミド樹脂(PA
I)、ナイロン6Tに代表される一部芳香族ポリアミド
樹脂等である。これら熱可塑性樹脂は単体で用いられて
もよいが、所望の特性を得るために2種以上の樹脂を配
合してもよい。
【0027】上記熱可塑性樹脂には、目的に応じて、ガ
ラス繊維、炭素繊維およびアラミド繊維等の強化材や、
ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)に代表さ
れるフッ素化合物、二硫化モリブデンおよび黒鉛等の固
体潤滑剤、あるいは難燃剤、可塑剤、離型剤、耐候剤、
帯電防止剤および着色剤等の各種添加剤が、単体または
2種以上添加される。
【0028】第1〜第3滑り軸受80、92および11
0は、射出成形により一体的に製作される。従って、切
削等の特別な機械加工を必要としないので、コストが低
廉で生産性が高い。第1〜第3滑り軸受80、92およ
び110材料は全て同一組成物から形成しても良いが、
それぞれの特性に応じて異なる配合の組成物から形成す
ることが好ましい。
【0029】回動部材50は軟質金属のアルミニウム合
金から成形されるが、摩擦摺動するダンピングバンド9
2および第3滑り軸受110が相手材に対して攻撃性の
少ない合成樹脂から形成されるので、回動部材50の磨
耗は少なく、カップ開口部56を常に隙間なく直接支持
できる。
【0030】図5は、支持部材100及び第3滑り軸受
110の近傍を一分破断して示す部分斜視図であり、図
6はその部分拡大平面図である。
【0031】係合穴108は支持部材100とベース3
0とのコーナー部を外周側から一定の円周方向長さに渡
って削られ、その径方向の幅W1は支持壁102の厚み
W2より大きく、係止片114が内側から挿入できる程
度の間隙が形成されている。なお、間隙の径方向長さW
3は第3滑り軸受110が抜け落ちないように第3滑り
軸受110の湾曲板部112の厚みW4より小さい値に
設定される。
【0032】第3滑り軸受110の円周方向長さは、自
然長で第1および第2係止壁104、106間の距離よ
り僅かに長く、第3滑り軸受110は支持部材100に
取付ける際に円周方向に撓められつつ第1および第2係
止壁104、106の間に挿入される。湾曲板部112
の側面に当接する第1および第2係止壁104、106
の面の径方向長さW5は湾曲板部112の厚みW4より
小さく、曲面104a及び106aは湾曲板部112の
内周面112aより外周側に位置する。従って、カップ
開口部56の外周面56bには湾曲板部112のみが密
着し、第1および第2係止壁104、106とカップ開
口部56との緩衝が避けられる。
【0033】回動部材50は、ベース30に第3滑り軸
受110およびダンピングバンド92が前もって装着さ
れた状態で取付けられるので、カップ開口部56を第3
滑り軸受110及びダンピングバンド92の間への挿入
を容易ならしめるために、湾曲板部112のカップ開口
部56側の角部112bは丸み付けされる。
【0034】次に図7及び図8を参照して、支持部材1
00及び第3滑り軸受110の配置について説明する。
図7はベルト10からの押圧力により回動部材にかかる
荷重を概念的に示す断面図であり、図8はその平面図で
ある。
【0035】まず、軸心C1、C2に平行な平面(図
7)について説明すると、ベルト10からプーリ70を
矢印Pの方向に押圧すると、その作用線CL1は揺動軸
40に支持される軸受部58よりもベース30側にある
ため、回動部材50にはプーリ70側に傾ける力、具体
的には軸受部58の荷重中心Mを中心に時計回り方向に
回転させようとするモーメントMaが作用する。
【0036】このモーメントMaに釣合う反時計回り方
向のモーメントMbは、軸受部58及び第1滑り軸受8
0における揺動軸40の抗力F1、固定されたダンピン
グバンド92の抗力およびリングスプリング96のばね
力を合成した付勢力F2によって生じる。なお図7では
F1、F2は代表して1または2箇所のみ示しているが
実際にはそれぞれ軸心方向全体に渡って発生する。
【0037】ベルト10の振動等によってモーメントM
aがMbより大きくなった場合にはカップ56が軸受荷
重中心Mを中心に回転し、軸受部58から最も離れたカ
ップ開口部56が最も大きく変位する。特に、図7にお
いてカップ開口部56の、特にプーリ70から遠い部位
X(ハッチングで示される)はベース30に対して浮き
上がるように変位し易い。
【0038】そこで、この部位Xをカップ開口部56の
外側から支持する支持部材100及び第3滑り軸受11
0を設け、部位Xが変位しようとすると支持部材100
及び第3滑り軸受110が押圧され、その反作用によっ
てカップ開口部56が軸心C2に向って(図中矢印F3
で示す)で押圧される。この抗力F3は回動部材50を
反時計回り方向に回転させようとするモーメントMbに
寄与するので、揺動軸40、軸受部58及び第1滑り軸
受80にかかる負担は軽減され、最も軟らかい滑り軸受
80の偏磨耗や早期の亀裂破損が防止でき、ガタつきが
生じにくくなる。
【0039】抗力F3によって生じるモーメントの大き
さは、軸受部58の軸受荷重中心Mからの軸心方向距離
rと支持部材100及び第3滑り軸受110の押圧力F
3との積により求められるので、距離rが最も大きくな
るカップ開口部56に支持部材100及び第3滑り軸受
110を設けることにより小さい抗力F3で効果的に回
動部材50の傾きが防止できる。なお、付勢力F2につ
いても同様であり、カップ開口部56にダンピングバン
ド92およびリングスプリング96が配置されるので、
軸受荷重中心M周りのモーメントを大きくできる。
【0040】図8の軸心C1、C2に垂直な平面につい
て説明すると、ベルト10によりプーリ70が押圧され
ると、回転軸72には一点鎖線CL1で示される作用線
に沿って荷重Pが作用する。回転軸72と一体的な回動
部材50を支持する揺動軸40には、作用線と平行な方
向(図中一点鎖線CL2で示される)にモーメントMa
(図7)が作用する。
【0041】従って、最も変位の大きい部位Xは、円周
方向においては作用線CL2上であってかつベルト10
から遠い位置にある。支持部材100及び第3滑り軸受
110は、その円周方向の中心が作用線CL2に一致す
るように配され、部位Xを支持している。これにより、
最も変位の大きい部位Xを確実に支持でき、回動部材5
0の傾きを効果的に抑止できる。この傾き抑止作用は回
動部材50が微小量傾いた場合に発揮される。
【0042】支持部材100及び第3滑り軸受110の
厚み、即ち強度はベルト10から受ける荷重Pや距離r
及び軸受荷重中心Mと作用線CL1との距離等に応じて
適宜変更される。また、軸受荷重中心CL2に対するプ
ーリ70の軸方向位置や、ベルト10の架かる位置に応
じて支持部材100及び第3滑り軸受110の円周方向
における相対位置は適宜変更される。
【0043】図9および図10を参照して、第2実施形
態のオートテンショナ120について説明する。図9は
断面図、図10は平面図である。第2実施形態において
は、軸受荷重中心CL2に対するプーリ70の軸方向位
置と、支持部材及び第3滑り軸受の円周方向位置が異な
ること以外は第1実施形態と同じ構成であり、第1実施
形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略
する。対応する構成については符号に100を加算して
示す。
【0044】カップ部52の外周面から径方向外側に延
びるアーム162の先端には、プーリ70がベース30
の反対側から取付けられる。図9に示すように、プーリ
70から受ける荷重の軸方向中心(作用線CL1で示さ
れる位置)は軸受部58に対してベース30の反対側に
位置するため、回動部材50には、軸受部58の荷重中
心Mを中心に反時計回り方向、即ち第1実施形態のモー
メントMaとは逆方向に回転させようとするモーメント
Ma’が作用する。従って、回動部材50の最も変位の
大きい部位Xは、円周方向においては作用線CL2上で
あってかつベルト10に近い箇所である。
【0045】そこで、第2実施形態においては、支持部
材200及び第3滑り軸受210がプーリに近い側(図
10の右下方)であってその円周方向の中心が作用線C
L2に一致するように配され、部位Xを支持している。
図10においては揺動軸40および第1滑り軸受80の
抗力をF1’、ダンピングバンド92およびリングスプ
リング96による付勢力をF2’、支持部材200及び
第3滑り軸受210の抗力をF3’で示す。このように
第2実施形態においても、回動部材50が傾き始めた場
合においても、最も変位の大きい部位Xを確実に支持で
き、回動部材50の傾きを効果的に防止できる。
【0046】以上のように、第1(第2)実施形態のオ
ートテンショナ20(120)においては、第1すべり
軸受80だけでなくダンピングバンド92および第3滑
り軸受110(210)も回動部材50を半径方向に支
持するので、回動部材50の傾きが防止され、第1滑り
軸受80や揺動軸40の頭部44の偏磨耗や早期破損、
ガタつきによる異音の発生が防止でき、オートテンショ
ナ20(120)の耐久性を向上させることができる。
第2すべり軸受であるダンピングバンド92はベース3
0に直接固定され、また第1滑り軸受80より大きい径
を有するので、回動部材50に対する半径方向の支持力
が高められ、第1滑り軸受80の負担が軽減される。第
3滑り軸受110(210)は、回動部材50にモーメ
ントMa(Ma’)が作用した時に最も大きく変位する
部位Xを直接支持するので、回動部材50が僅かに傾い
た場合に特に傾き抑止効果を発揮する。
【0047】なお、本実施形態においては第3滑り軸受
110(210)は支持部材100(200)に固定さ
れてカップ開口部56と摩擦摺動するが、第3滑り軸受
110(210)をカップ開口部56の外周面に固定し
支持部材100と摩擦摺動させてもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、回動部材の傾きが防止
され、オートテンショナの耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるオートテンショナ
を用いたベルトシステムを示す図である。
【図2】図1に示すオートテンショナの断面図である。
【図3】図1に示すオートテンショナの上面図である。
【図4】図1に示すオートテンショナの底面図である。
【図5】支持部材及び第3滑り軸受の部分断面斜視図で
ある。
【図6】ベース定面側から見た支持部材及び第3滑り軸
受の平面図である。
【図7】回動部材にかかる荷重を概念的に示す断面図で
ある。
【図8】回動部材にかかる荷重を概念的に示す平面図で
ある。
【図9】本発明の第2実施形態であるオートテンショナ
の断面図である。
【図10】図9に示すオートテンショナの底面図であ
る。
【符号の説明】
20 オートテンショナ 30 ベース 40 揺動軸 50 回動部材 52 カップ 70 プーリ 80 第1滑り軸受 92 ダンピングバンド(第2滑り軸受) 100 支持部材 110 第3滑り軸受
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 7/08 F16H 7/08 Z // B29K 77:00 B29K 77:00 79:00 79:00 B29L 31:04 B29L 31:04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揺動軸を固定するベースと、 前記ベースに向かって開口するカップ部と、前記カップ
    部の底面から中程まで延びて前記揺動軸に支持される軸
    受部とを有し、前記揺動軸周りに回動自在に支持される
    回動部材と、 前記揺動軸と前記軸受部との間に介在する円筒状の第1
    滑り軸受と、 前記ベースに固定され前記カップ部の開口近傍の内周面
    に摩擦摺動してダンピング力を発生すると共に、前記カ
    ップ部の内周面を支持する円筒状の第2滑り軸受と、 前記カップ部の外周面を支持する円弧状の第3滑り軸受
    とを備え、 前記第1、第2および第3滑り軸受が、耐熱性の良好な
    熱可塑性樹脂を射出成形することにより得られることを
    特徴とするオートテンショナ。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂が、一部芳香族ポリア
    ミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂の組成物であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のオートテンショナ。
  3. 【請求項3】 前記第3滑り軸受が、前記ベースに一体
    的に形成され前記カップ部の外周面に沿って湾曲した円
    弧状の支持部材に固定され、前記カップ部の外周面に摩
    擦摺動することを特徴とする請求項1に記載のオートテ
    ンショナ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007321779A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Nissan Motor Co Ltd テンショナ
US7367908B2 (en) 2003-01-10 2008-05-06 Muhr Und Bender Kg Belt tensioning device
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JP2016138577A (ja) * 2015-01-27 2016-08-04 バンドー化学株式会社 オートテンショナ
CN112005030A (zh) * 2018-03-13 2020-11-27 盖茨公司 轨道张紧器

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