JP2002039100A - 低温回転機械の断熱ケーシング構造 - Google Patents

低温回転機械の断熱ケーシング構造

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JP2002039100A JP2000225259A JP2000225259A JP2002039100A JP 2002039100 A JP2002039100 A JP 2002039100A JP 2000225259 A JP2000225259 A JP 2000225259A JP 2000225259 A JP2000225259 A JP 2000225259A JP 2002039100 A JP2002039100 A JP 2002039100A
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Hiroshi Asakura
啓 朝倉
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Takehiko Ishizawa
武彦 石澤
Mikio Koo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 区画壁を介して常温側から低温側に伝熱され
る熱量の増加を抑え、かつその耐圧強度を高めることが
できる低温回転機械の断熱ケーシング構造を提供する。 【解決手段】 断熱ケーシング40が、一端が断熱室壁
1に固着された第1ケーシング41と、一端が作動装置
3に固着された第2ケーシング42と、第1ケーシング
と第2ケーシングの間に位置しこれらを連結する中間冷
却リング43とからなる。第1ケーシング41と第2ケ
ーシング42はそれぞれ薄肉の円筒部材で構成され、中
間冷却リング43は内部に液体窒素又はヘリウムガスを
通す通路を有するリング状部材である。また第1ケーシ
ング41と第2ケーシング42の少なくとも一方が、伝
熱を低減するための薄肉部分41a,42aとこれから
漸増する厚さを有するテーパ部分41b,42bとから
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温回転機械の断
熱ケーシング構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば超伝導磁石を極低温に
冷却するためにヘリウムが用いられており、液体ヘリウ
ムを極低温排気コンプレッサで極低圧に減圧することに
よって4K以下の極低温を達成している。
【0003】図6は、低温回転機械である極低温排気コ
ンプレッサの例であり、断熱室壁1により区画して真空
を保持することにより断熱を行うようにした断熱室2を
設け、該断熱室2の内部に作動装置3として極低温排気
コンプレッサのスクロール4を設けている。スクロール
4は、配管経路5,6に接続されており、一方の配管経
路5から導入したヘリウムを昇圧して他方の配管経路6
に導出するためのものである。
【0004】更に、前記断熱室壁1外部の常温部には駆
動装置7が設けられており、該駆動装置7に回転軸8を
介して接続された回転作動部9としてのインペラ10
が、前記作動装置3のスクロール4に嵌合するよう設け
られ、ヘリウムの圧縮を行うようになっている。
【0005】図6に例示した低温回転機械において、駆
動装置を断熱室壁外部に着脱可能に設け、かつ駆動装置
の熱が断熱室内部の作動装置に伝熱されるのを最小限に
抑制することを目的として、本願発明の発明者等は、
「回転機械の断熱構造」を創案し先に出願した(特開2
000−035191)。
【0006】この構造は、図7に示すように、断熱室2
の内部の作動装置3と断熱室壁1に設けた開口12との
間に区画壁11を備え、開口12の外部に駆動装置7が
着脱可能に設けられ駆動装置の回転軸8に備えた回転作
動部9が区画壁内部を通して作動装置3に係合され、か
つ区画壁内部及び駆動装置内部が断熱ガスで満たされた
構成を有する回転機械の断熱構造であって、区画壁内部
における回転軸8の内部に真空空間26を設けることに
より薄肉部25を形成し、区画壁内部の所要位置に、内
周部に前記薄肉部25の外周面を小さい隙間Sで包囲す
る伝熱フランジ27を備え、外周部に冷却源29が接続
された中間伝熱材28を設けたものである。なお、この
図で31,32は対流防止材、例えばハニカム材であ
る。
【0007】この断熱構造により、中間伝熱材28の伝
熱により隙間Sを介して回転軸8の薄肉部25に中間温
度域を設けることができ、この中間温度域の存在によ
り、回転軸8を介して回転作動部9に伝わる熱の侵入を
大幅に低減できるようになった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の低温回転機械の断熱ケーシング構造では、約300K
(ほぼ常温)の断熱室壁1から極低温(例えば約4K)
の作動装置3に伝わる熱量を極力抑えるために薄肉の円
筒で区画壁11を構成し、常温側と低温側を機械的に連
結していた。また、その中間部に80Kレベルのサーマ
ルアンカー(上述の中間伝熱材28)を設け極低温側
(約4K)への熱侵入量の低減する構造を採用してい
た。
【0009】図8は、図7の中間伝熱材28の周辺の有
限要素法による解析結果である。この図において、
(A)は、図7の図示しない右側に位置する断熱室壁1
と作動装置3を連結する断熱ケーシングを軸線Z−Zを
水平に示し、(B)はそのB部の拡大図である。また、
(A)では、変形前の形状を矩形のメッシュパターンで
示し、変形後の形状を濃淡のある形状で示している。な
お、この濃淡は、変位の大きさを示しているが、ここで
は詳細を省略する。
【0010】図8(B)に示すように、図7の断熱ケー
シングは、上端が断熱室壁1に固着された上部区画壁1
1aと、下端が作動装置3に固着された下部区画壁11
bと、上部区画壁11aと下部区画壁11bの間に位置
しこれらを連結する中間冷却リング29からなる。上部
区画壁11aと下部区画壁11bは伝熱量を極力抑える
ためにそれぞれ薄肉の円筒部材で構成され、中間冷却リ
ング29は内部に液体窒素又はヘリウムガスを通す通路
を有するリング状部材である。
【0011】断熱ケーシングの内側には、耐圧力として
最大約0.6MPaの内圧が作用する。この場合、断熱
室壁1、作動装置3、及び中間冷却リング29は剛性が
高いが、上部区画壁11aと下部区画壁11bは薄肉の
円筒部材であるため、部分的に過大な応力が発生する問
題点があった。すなわち、図8(B)に示す数字は、発
生応力値をkgf/mm2の単位で示しており、図中に
Cで示す部分に、最大約440MPa(約44kgf/
mm2)の主応力が発生する。なお、この部分の材料の
許容応力は約200MPa(約20kgf/mm2)で
あり、この部分で材料は塑性変形を起こすことがわか
る。また、これを解決するために、肉厚を厚くする(例
えば2倍以上)と、最大応力自体は低減できるが、その
分、熱侵入量が増加(2倍以上)してしまいコンプレッ
サの性能が低下してしまう問題点があった。
【0012】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、上述
した区画壁を介して常温側から低温側に伝熱される熱量
の増加を抑え、かつその耐圧強度を高めることができる
低温回転機械の断熱ケーシング構造を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、断熱室
(2)の内部の作動装置(3)と断熱室壁(1)に設け
た開口(12)との間に中空円筒形状の断熱ケーシング
(40)を備え、前記開口の外部に駆動装置(7)が着
脱可能に設けられ、該駆動装置の回転軸(8)に備えた
回転作動部(9)が断熱ケーシングの内部を通して前記
作動装置に係合された低温回転機械の断熱ケーシング構
造であって、前記断熱ケーシング(40)は、一端が断
熱室壁(1)に固着された第1ケーシング(41)と、
一端が作動装置(3)に固着された第2ケーシング(4
2)と、第1ケーシングと第2ケーシングの間に位置し
これらを連結する中間冷却リング(43)とからなり、
第1ケーシング(41)と第2ケーシング(42)はそ
れぞれ薄肉の円筒部材で構成され、中間冷却リング(4
3)は内部に液体窒素又はヘリウムガスを通す通路を有
するリング状部材であり、前記第1ケーシング(41)
と第2ケーシング(42)の少なくとも一方は、伝熱を
低減するための薄肉部分(41a,42a)とこれから
漸増する厚さを有するテーパ部分(41b,42b)と
からなる、ことを特徴とする低温回転機械の断熱ケーシ
ング構造が提供される。
【0014】上記本発明の構成によれば、第1ケーシン
グ(41)が薄肉の円筒部材で構成され、中間冷却リン
グ(43)が内部に液体窒素又はヘリウムガスを通す通
路を有するリング状部材であるので、第1ケーシング
(41)から中間冷却リング(43)への伝熱量を低く
抑え、中間冷却リング(43)に供給する液体窒素又は
ヘリウムガスの消費量を低減できる。また、第2ケーシ
ング(42)も薄肉の円筒部材で構成されているので、
約80Kの中間冷却リング(43)から作動装置(3)
への伝熱量も低く抑えることができる。
【0015】更に、第1ケーシング(41)と第2ケー
シング(42)の少なくとも一方は、伝熱を低減するた
めの薄肉部分(41a,42a)とこれから漸増する厚
さを有するテーパ部分(41b,42b)とからなるの
で、薄肉部分(41a,42a)の厚さを薄くして伝熱
量を抑えることができ、かつテーパ部分(41b,42
b)の最大厚さと長さの設定により、最大応力を低減す
ることができる。
【0016】前記第1ケーシング(41)の薄肉部分
(41a)の一端が断熱室壁(1)に固着され、これか
ら漸増する厚さを有するテーパ部分(41b)の他端が
中間冷却リング(43)に固着されている。この構成に
より、第1ケーシング(41)の伝熱量を抑え、かつそ
の最大応力を抑えることができる。
【0017】前記第2ケーシング(42)の薄肉部分
(42a)の一端が中間冷却リング(43)に固着さ
れ、これから漸増する厚さを有するテーパ部分(42
b)の他端が作動装置(3)に固着されている。この構
成により、第2ケーシング(42)の伝熱量を抑え、か
つその最大応力を抑えることができる。
【0018】前記薄肉部分(41a,42a)は、伝熱
量が所定の値以下になるように厚さが設定され、前記テ
ーパ部分(41b,42b)は、最大応力が所定の値以
下になるように最大厚さと長さが設定される。この構成
により、薄肉部分(41a,42a)の伝熱量を所定の
値以下に抑えることができ、かつテーパ部分(41b,
42b)の最大応力を所定の値以下に抑えることができ
る。
【0019】前記回転軸(8)の内部に真空空間(2
6)を設けることにより薄肉部(25)を形成し、該薄
肉部の外周面を小さい隙間Sで包囲する伝熱フランジ
(27)と、該伝熱フランジと前記中間冷却リング(4
3)を連結する中間伝熱材(28)とを備える。この構
成により、中間伝熱材(28)を約80Kの低温に保持
し、伝熱フランジ(27)と隙間Sを介して回転軸
(8)の薄肉部(25)に約80Kの低温域を設けるこ
とができ、この低温域の存在により、回転軸(8)の薄
肉部(25)を介して回転作動部(9)に伝わる伝熱量
を大幅に低減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。図1は、本発明の断熱ケー
シング構造を備えた低温回転機械の断面図である。この
図に示すように、本発明の断熱ケーシング構造は、断熱
室2の内部の作動装置3と断熱室壁1に設けた開口12
との間に中空円筒形状の断熱ケーシング40を備える。
また開口12の外部に駆動装置7が着脱可能に設けら
れ、この駆動装置7の回転軸8に備えた回転作動部9が
断熱ケーシング40の内側を通して作動装置3に係合さ
れている。駆動装置7は、好ましくは、磁気軸受を用い
た高速回転モータであるが、本発明ではその詳細を省略
する。
【0021】作動装置3は、この例では極低温排気コン
プレッサであり、約4Kの極低温に保持される。また、
断熱室2は、常温、例えば約300Kに保持され、この
断熱室2と作動装置3のスクロールとの間を断熱ケーシ
ング40が機械的に連結している。
【0022】断熱ケーシング40は、第1ケーシング4
1、第2ケーシング42及び中間冷却リング43からな
る。第1ケーシング41はその一端(この図で上端)が
断熱室壁1に固着され、他端(図で下端)が中間冷却リ
ング43に固着されている。第1ケーシング41と第2
ケーシング42はそれぞれ薄肉の円筒部材で構成されて
いる。また、第2ケーシング42は、その一端(この図
で下端)が作動装置3のスクロールに固着され、他端
(図じ上端)が中間冷却リング43に固着されている。
中間冷却リング43は、第1ケーシング41と第2ケー
シング42の間に位置しこれらを連結している。なお、
第1ケーシング41、第2ケーシング42及び中間冷却
リング43は、一体成形するのが好ましい。
【0023】中間冷却リング43は内部に液体窒素又は
ヘリウムガスを通す通路30を有するリング状部材であ
り、約80Kの低温に保持されている。また、回転軸8
の内部に真空空間26を設けることにより薄肉部25が
形成されている。更にこの薄肉部25の外周面を小さい
隙間Sで包囲する伝熱フランジ27と、伝熱フランジ2
7と中間冷却リング43を連結する中間伝熱材28とを
備えている。上述した構成により、中間伝熱材28を約
80Kの低温に保持し、伝熱フランジ27と隙間Sを介
して回転軸8の薄肉部25を約80Kの低温に保持し、
この低温域の存在により、回転軸8の薄肉部25を介し
て回転作動部9に伝わる伝熱量を大幅に低減することが
できる。
【0024】なお、図1の断熱ケーシング40と回転軸
8の間に形成される2つのドーナツ状の空間には、内部
の対流を防止するために熱伝導率の低い材料からなる対
流防止材(図示せず)を充填するのがよい。この対流防
止材には、例えばハニカム材を用いることができる。
【0025】図2は、図1の断熱ケーシング構造の構造
解析用の模式図である。この図において、(A)は図1
のA部を軸線Z−Zを水平に示し、(B)はそのB部の
拡大図である。図2(A)に示すように、断熱ケーシン
グ40の内側には、耐圧力として最大約0.6MPaの
内圧が作用する。この場合、断熱室壁1に固定された第
1ケーシング41の一端(図で左端)が固定され、その
他の部分は、熱膨張・熱収縮と内圧により変形する。
【0026】図2に示すように、本発明において、第1
ケーシング41と第2ケーシング42の少なくとも一方
(この例では両方)が、伝熱を低減するための薄肉部分
41a,42aとこれから漸増する厚さを有するテーパ
部分41b,42bとからなる。この例では、第1ケー
シング41の薄肉部分41aの一端(図で左端)が断熱
室壁1に固着され、これから漸増する厚さを有するテー
パ部分41bの他端(図で右端)が中間冷却リング43
に固着されている。また、第2ケーシング42の薄肉部
分42aの一端(図で左端)が中間冷却リング43に固
着され、これから漸増する厚さを有するテーパ部分42
bの他端が作動装置3に固着されている。なお、これら
の固着部は、応力が高い部分は一体成形で構成するのが
よく、応力の低い部分で断熱室壁1又は作動装置3に溶
接又はその他の固着手段で固着するのがよい。
【0027】更に、本発明によれば、薄肉部分41a,
42aは、伝熱量が所定の値以下になるように厚さを設
定し、テーパ部分41b,42bは、最大応力が所定の
値以下になるように最大厚さと長さを設定する。なお、
最大応力が問題となりやすい部分を図2(B)に、A,
B,C,Dの記号で示す。
【0028】
【実施例】図2に示した本発明の断熱ケーシング構造の
構造解析結果を図3及び図4に示す。なお、この解析で
は、図8と同一の条件の下で、テーパ部分41b,42
bの長さを12mmとし、その最大厚さを1.2mm、
その他の部分の厚さを1.0mmとした。
【0029】図3は、図1の断熱ケーシング構造の変形
の解析結果を示す図であり、(A)は全体の変形を、
(B)はB部の変形を示している。なお、各図は、変形
前後を重複して示している。図3(B)から、第1ケー
シング41及び第2ケーシング42の変形は、両端固定
梁に均等荷重を作用させた場合に近似していることがわ
かる。従って、最大応力が発生する箇所は、図2(B)
のA,B,C,Dであることが予想できる。
【0030】図4は、図1の断熱ケーシング構造の応力
の解析結果を示す図であり、(A)は断熱ケーシング4
0の全体の応力分布を、(B)はA−C部の応力分布を
示している。なお、図中の数字は、発生応力値をkgf
/mm2の単位で示しており、Aで示す部分に、最大約
190MPa(約19kgf/mm2)の主応力が発生
することがわかる。なお、この最大応力は、従来例(図
8)に比較してほぼ半減している。
【0031】図5は、テーパ長と最大応力との関係図で
ある。この図は、テーパ長を10,12,14,28,
42.5mmに変化させ、その他の条件は同一にして、
図3,図4と同様の解析を行い、その結果から求めたも
のである。なお、図2のA,B,C,Dに対応する位置
の応力をそれぞれ、◇、□、△、×で示している。この
図から、A,B点の応力は、テーパ長が長くなるほど大
きくなるが、C点の応力は、逆にテーパ長が長くなるほ
ど小さくなることがわかる。従って、この例では、テー
パ長を好ましくは10〜14mmの間、更に好ましくは
約12mmに設定することにより、最大応力を従来例の
半分の約200MPa(約20kgf/mm2)以下に
できることがわかる。なお、第1ケーシング41及び第
2ケーシング42の全長はこの例では、42.5mmで
あるので、全長の1/4〜1/3にテーパ長を設定する
のがよいことがわかる。
【0032】上述した本発明の構成によれば、中間伝熱
材28を約80Kの低温に保持し、伝熱フランジ27と
隙間Sを介して回転軸8の薄肉部25を約80Kの低温
に保持し、この低温域の存在により、回転軸8の薄肉部
25を介して回転作動部9に伝わる伝熱量を大幅に低減
することができる。この伝熱量は上述した例では約0.
6Wである。また、断熱ケーシング40と回転軸8の間
に形成される2つのドーナツ状の空間に、熱伝導率の低
い材料からなる対流防止材(例えばハニカム材)を充填
することにより、この部分からの伝熱量は約3.6Wで
ある。更に、第2ケーシング42は薄肉の円筒部材で構
成されているので、約80Kの中間冷却リング43から
作動装置3への伝熱量も低く抑えることができ、この伝
熱量は約2.4Wである。また、その他の伝熱量は約
0.1Wである。
【0033】従って、本発明の低温回転機械の断熱ケー
シング構造により、常温側から低温側への熱伝熱量を低
く抑えることができ、低温回転機械の性能を向上させる
ことができる。
【0034】なお、本発明は上述した実施の形態に限定
されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更でき
ることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】上述したように、本発明の低温回転機械
の断熱ケーシング構造は、区画壁を介して常温側から低
温側に伝熱される熱量の増加を抑え、かつその耐圧強度
を高めることができ、これにより、低温回転機械(例え
ばコンプレッサ)の性能を向上させることができる、等
の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断熱ケーシング構造を備えた低温回転
機械の断面図である。
【図2】図1の断熱ケーシング構造の構造解析用の模式
図である。
【図3】図1の断熱ケーシング構造の変形を示す図であ
る。
【図4】図1の断熱ケーシング構造の応力を示す図であ
る。
【図5】テーパ長と最大応力との関係図である。
【図6】極低温排気コンプレッサの説明図である。
【図7】先行出願の断熱構造図である。
【図8】従来の断熱ケーシングの有限要素法による解析
結果である。
【符号の説明】
1 断熱室壁、2 断熱室、3 作動装置、4 スクロ
ール、5,6 配管経路、7 駆動装置、8 回転軸、
9 回転作動部、10 インペラ、11 区画壁、11
a 上部区画壁、11b 下部区画壁、12 開口、2
5 薄肉部、26 真空空間、27 伝熱フランジ、2
8 中間伝熱材、29 中間冷却リング(冷却源)、3
0 通路、31,32 対流防止材、40 断熱ケーシ
ング、41 第1ケーシング、42 第2ケーシング、
41a,42a 薄肉部分、41b,42b テーパ部
分、43 中間冷却リング、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐治 脩好 東京都江東区豊洲3丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 石澤 武彦 東京都江東区豊洲3丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 小尾 幹男 東京都江東区豊洲3丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 野田 雅裕 東京都江東区豊洲3丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 Fターム(参考) 3H034 AA02 AA06 BB03 BB06 CC03 DD01 EE02 EE11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱室(2)の内部の作動装置(3)と
    断熱室壁(1)に設けた開口(12)との間に中空円筒
    形状の断熱ケーシング(40)を備え、前記開口の外部
    に駆動装置(7)が着脱可能に設けられ、該駆動装置の
    回転軸(8)に備えた回転作動部(9)が断熱ケーシン
    グの内部を通して前記作動装置に係合された低温回転機
    械の断熱ケーシング構造であって、 前記断熱ケーシング(40)は、一端が断熱室壁(1)
    に固着された第1ケーシング(41)と、一端が作動装
    置(3)に固着された第2ケーシング(42)と、第1
    ケーシングと第2ケーシングの間に位置しこれらを連結
    する中間冷却リング(43)とからなり、 第1ケーシング(41)と第2ケーシング(42)はそ
    れぞれ薄肉の円筒部材で構成され、中間冷却リング(4
    3)は内部に液体窒素又はヘリウムガスを通す通路を有
    するリング状部材であり、 前記第1ケーシング(41)と第2ケーシング(42)
    の少なくとも一方は、伝熱を低減するための薄肉部分
    (41a,42a)とこれから漸増する厚さを有するテ
    ーパ部分(41b,42b)とからなる、ことを特徴と
    する低温回転機械の断熱ケーシング構造。
  2. 【請求項2】 前記第1ケーシング(41)の薄肉部分
    (41a)の一端が断熱室壁(1)に固着され、これか
    ら漸増する厚さを有するテーパ部分(41b)の他端が
    中間冷却リング(43)に固着されている、ことを特徴
    とする請求項1に記載の低温回転機械の断熱ケーシング
    構造。
  3. 【請求項3】 前記第2ケーシング(42)の薄肉部分
    (42a)の一端が中間冷却リング(43)に固着さ
    れ、これから漸増する厚さを有するテーパ部分(42
    b)の他端が作動装置(3)に固着されている、ことを
    特徴とする請求項1に記載の低温回転機械の断熱ケーシ
    ング構造。
  4. 【請求項4】 前記薄肉部分(41a,42a)は、伝
    熱量が所定の値以下になるように厚さが設定され、前記
    テーパ部分(41b,42b)は、最大応力が所定の値
    以下になるように最大厚さと長さが設定される、ことを
    特徴とする請求項2又は3に記載の低温回転機械の断熱
    ケーシング構造。
  5. 【請求項5】 前記回転軸(8)の内部に真空空間(2
    6)を設けることにより薄肉部(25)を形成し、該薄
    肉部の外周面を小さい隙間Sで包囲する伝熱フランジ
    (27)と、該伝熱フランジと前記中間冷却リング(4
    3)を連結する中間伝熱材(28)とを備える、ことを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかの低温回転機械の
    断熱ケーシング構造。
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