JP2000034905A - 回転機械の断熱構造 - Google Patents
回転機械の断熱構造Info
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Abstract
駆動装置の熱が、断熱室内部の作動装置に伝達されるの
を最小限に抑制することができるようにする。 【解決手段】 断熱室2内部の作動装置3と断熱室壁1
に設けた開口12との間に区画壁11を備え、開口12
外部に駆動装置7が着脱可能に設けられ駆動装置7の回
転軸8に備えた回転作動部9が区画壁11内部を通して
作動装置3に係合され、且つ区画壁11内部及び駆動装
置7内部が断熱ガスで満された構成を有する回転機械の
断熱構造であって、区画壁11内部における回転作動部
9の駆動装置7側背後に、回転軸8と平行に伸び且つ回
転作動部9側端部が閉塞された対流防止空間を形成する
ハニカム部材26を設ける。
Description
温部に設けられている駆動装置によって回転する回転作
動部が、断熱室内の低温雰囲気で回転するような回転機
械において、駆動装置の熱が回転軸及び回転作動部を通
して低温雰囲気内に持ち込まれるのを極力低減するよう
にした回転機械の断熱構造に関するものである。
冷却するためにヘリウムが用いられており、液体ヘリウ
ムを極低温排気コンプレッサーで極低圧に減圧すること
によって4K以下の極低温を達成することが行われてい
る。
レッサーの場合を例にとって示したものであり、断熱室
壁1により区画して真空を保持することにより断熱を行
うようにした断熱室2を設け、該断熱室2の内部に、作
動装置3としての極低温排気コンプレッサーのスクロー
ル4を設けている。スクロール4は、配管経路5,6に
接続されており、一方の配管経路5から導入したヘリウ
ムを昇圧して他方の配管経路6に導出するためのもので
ある。
動装置7が設けられており、該駆動装置7に回転軸8を
介して接続された回転作動部9としてのインペラ10
が、前記極低温排気コンプレッサーのスクロール4に嵌
合するように設けられて、ヘリウムの圧縮を行うように
なっている。上記した回転機械では、駆動装置7のケー
シング内部が断熱室2に連通するようになり、このため
に、駆動装置7のケーシング内部も真空に保持されるよ
うになっている。
ウムの温度を例えば4K前後の極低温まで冷却すること
を要求される場合があり、このよう場合、断熱室2内部
を真空に保持すると、駆動装置7から断熱室2内の作動
装置3に伝わる熱は殆んど回転軸8を伝わって侵入する
熱のみとなり、従って回転軸8を伝わる熱を小さくする
工夫を行えば熱の侵入をかなり小さなものとすることが
できる。
は、駆動装置7、回転軸8、回転作動部9としてのイン
ペラ10等をメンテナンスする必要がある。
は、前記駆動装置7を着脱可能に構成する必要がある
が、駆動装置7を着脱可能として断熱室壁1から取外す
と、断熱室2の真空が解除されてしまう。このように断
熱室2の真空が解除されてしまうと、断熱室2の容積が
大きい場合には、再び断熱室2内を吸引して真空に保持
するために多大の時間と動力を必要とするという問題が
ある。
インペラ10との間の隙間からヘリウムが断熱室2内に
漏洩するために断熱室2内の圧力が上昇してしまう問題
があり、このために、常時断熱室2内を排気して真空を
保持する必要があるという問題がある。
は、図4に二点鎖線で示すように極低温排気コンプレッ
サーのスクロール4と断熱室壁1との間に区画壁11を
設け、前記断熱室2の真空を保持した状態において駆動
装置7及びインペラ10を取り外してメンテナンスする
ことができるようにした方法が考えられるようになって
きている。
クロール4とインペラ10との隙間から漏れたヘリウム
が、区画壁11内部及び駆動装置7のケーシング内部を
満たして断熱ガスとなり、且つ断熱室2内にヘリウムが
漏出しないようにすることができるので好都合である。
の材料の温度T〔K〕と熱伝導率〔W/(m・K)〕と
の関係を示したものであり、前記ヘリウム(He)は、
常温では空気の約6倍前後の熱伝導率を有しているが、
例えば5K〜100K前後のような極低温域で使用され
る場合のヘリウムは、アルミナFRP、ガラスFRP、
エポキシ単体等の断熱材に比して、約1桁以上に小さな
熱伝達率を達成することができて好都合である。
に区画壁11を設けて、該区画壁11内部と駆動装置7
のケーシング内部とをヘリウム(断熱ガス)で満たすよ
うにした従来の回転機械の断熱構造においては、区画壁
11内部に満たされたヘリウムがインペラ10の回転に
よって区画壁11内部を対流することになり、このため
に、回転軸8及び区画壁11を伝わる熱が内部の作動装
置3に伝達される以外に、前記ヘリウムの対流によって
駆動装置7側の熱がインペラ10に伝達されることにな
り、この対流による熱の侵入が大きく、前記回転軸8及
び区画壁11を伝達する熱の約10倍前後にも達してし
まうために、極低温排気コンプレッサーの性能が大幅に
低下してしまうという問題がある。
くなしたもので、断熱室壁外部に着脱可能に設けるよう
にした駆動装置の熱が、断熱室内部の作動装置に伝達さ
れるのを最小限に抑制することができるようにした回転
機械の断熱構造を提供することを目的としている。
作動装置と断熱室壁に設けた開口との間に区画壁を備
え、前記開口の外部に駆動装置が着脱可能に設けられ該
駆動装置の回転軸に備えた回転作動部が前記区画壁内部
を通して前記作動装置に係合され、且つ前記区画壁内部
及び駆動装置内部が断熱ガスで満された構成を有する回
転機械の断熱構造であって、前記区画壁内部における回
転作動部の駆動装置側背後に、前記回転軸と平行に伸び
且つ回転作動部側端部が閉塞された対流防止空間を形成
するハニカム部材を設けたことを特徴とする回転機械の
断熱構造、に係るものである。
ーのスクロールであり、回転作動部がインペラであるこ
とを特徴としている。
転作動部の駆動装置側背後に、ハニカム部材を配置し、
且つ該ハニカム部材が対流防止空間を形成するようにし
ているので、区画壁内部のヘリウムの対流を防止するこ
とができ、低温域で熱伝達率が極めて小さいヘリウムを
断熱材として利用して有効な断熱を行うことができる。
これにより駆動装置を着脱可能に取付けた構成において
も、駆動装置側から断熱室内部の作動装置へ熱が伝達す
るのを極めて小さな値に抑制し得て、高い断熱効果を得
ることができる。
うな極低温排気コンプレッサーを高効率に作動させるこ
とができるようになり、よって極低温を確実に達成でき
るようになる。
を図面に基づいて説明する。
ッサーからなる回転機械に適用した場合の本発明の一例
を示したもので、図1中図4と同一のものには同一の符
号を付して詳細な説明は省略する。
置3である極低温排気コンプレッサーのスクロール4
と、断熱室壁1に設けた開口12との間に、ステンレス
などの薄板によって形成された区画壁11を設け、前記
開口12の外部に、駆動装置7のケーシング13を、シ
ール14を介してボルト15により着脱可能に取付けて
いる。更に、駆動装置7の回転軸8に取付けられた回転
作動部9であるインペラ10を、前記区画壁11内部を
通して作動装置3である極低温排気コンプレッサーのス
クロール4に係合している。
低温排気コンプレッサーを配管経路5,6に対して遮断
できるようにするために、スクロール4の入口16と出
口17とに開閉弁18を配設している。
ーシング13の内部は、極低温排気コンプレッサーのス
クロール4とインペラ10との間の隙間から漏れるヘリ
ウムによって満されるようになっている。
駆動装置7からインペラ10への熱の伝達を極力低減す
るために、回転軸8の内部をくり貫いてその空間を真空
に保持させるようにした真空空間19を形成するように
している。
21はモータロータ、22は磁気軸受、23はスラスト
軸受、24は電源コード等を通すハーナチックコネク
タ、25はケーシング13に形成した水冷ジャケットで
ある。
区画壁11内におけるインペラ10の駆動装置7側背後
に、ハニカム部材26を設ける。
ミドFRPなどの極薄の材料で図3に示すようにハニカ
ムが形成され、前記回転軸8と平行に伸びて作動装置3
(インペラ10)側端部がたとえばFRP(繊維強化プ
ラスチック)等による閉塞プレート27にて閉塞された
多数の対流防止空間28を形成するようになっている。
上記ハニカム部材26は、区画壁11内に挿入されるこ
とにより前記閉塞プレート27によって区画壁11に固
定されるようになっている。この時、閉塞プレート27
は、インペラ10の背面に対し僅かな隙間を有して対峙
されている。前記ハニカム部材26のハニカムによる対
流防止空間28は、内部でヘリウムの対流が生じ難い大
きさの径、例えば約数mm〜10mm前後の直径として
いる。
ける軸方向中間位置に、スクロール4と駆動装置7との
中間の温度に保持するようにした定温板29(サーマル
アンカー)を設けた場合を示しており、この定温板29
と駆動装置7との間にも前記と同様の構成を有するハニ
カム部材30を設けた場合を示している。
用を説明する。
を作動し、回転軸8を介してインペラ10を回転させる
と、極低温排気コンプレッサーのスクロール4によって
ヘリウムの圧縮が行われる。この時、区画壁11の内部
及び駆動装置7のケーシング13の内部は、極低温排気
コンプレッサーのスクロール4とインペラ10との間の
隙間から漏れるヘリウムによって満されている。
る駆動装置7の熱は、回転軸8と区画壁11を伝わって
作動装置3側に侵入する。この時、回転軸8に真空空間
19を設け、且つこれによって回転軸8を薄肉に構成し
ているので、回転軸8を伝わって侵入する熱は少なく、
また区画壁11を薄肉のステンレス(ステンレスの熱伝
達率は低い)にて構成しているので、区画壁11を伝わ
って侵入する熱も少ない。
スが満たされており、従って例えば前記したハニカム部
材26を備えていない場合には、区画壁11内部のヘリ
ウムが前記インペラ10の回転によって流動し、ヘリウ
ムの対流によって回転軸8及び区画壁11を伝わって侵
入する熱の約10倍以上の熱が侵入することになってし
まうが、インペラ10の背後にハニカム部材26を配置
しており、且つ該ハニカム部材26が対流防止空間28
(図3)を形成していることによって、区画壁11内の
ヘリウムの対流を防止することができ、よって図5に示
したように低温域での熱伝達率が極めて小さいヘリウム
(He)を断熱材として利用することにより高い断熱効
果を得ることができる。この時、ハニカム部材26自体
を伝わって熱が侵入することになるが、ハニカム部材2
6は、ヘリウムの対流を防止するための極めて薄い材料
で構成されているので、ハニカム部材26を伝わって侵
入する熱量は、前記回転軸8及び区画壁11を伝わって
侵入する熱と略同程度の極めて小さな値とすることがで
き、よって前記したように駆動装置7を着脱可能に取付
けた構成においても、駆動装置7側から断熱室2内部の
作動装置3へ熱が伝達するのを極めて小さな値に抑制し
得て、高い断熱効果を得ることができる。
部に、スクロール4と駆動装置7との中間の温度に保持
するようにした定温板29(サーマルアンカー)を設
け、該定温板29と駆動装置7との間にもハニカム部材
30を設けた構成としているので、このハニカム部材3
0の設置位置においてもヘリウムの対流を防止すること
ができて、駆動装置7からの熱の侵入を更に抑制するこ
とができる。
後まで冷却する要求があるような極低温排気コンプレッ
サーを高効率に作動させることができ、よって前記した
ような例えば4Kといった極低温を確実に達成すること
ができるようになる。
ものではなく、極低温排気コンプレッサー以外にも、熱
の侵入を防止する必要がある種々の回転機械の断熱構造
にも適用できること、その他本発明の要旨を逸脱しない
範囲内において種々変更を加え得ること、等は勿論であ
る。
回転作動部の駆動装置側背後に、ハニカム部材を配置
し、且つ該ハニカム部材が対流防止空間を形成するよう
にしているので、区画壁内部のヘリウムの対流を防止す
ることができ、低温域で熱伝達率が極めて小さいヘリウ
ムを断熱材として利用して有効な断熱を行うことができ
る。これにより駆動装置を着脱可能に取付けた構成にお
いても、駆動装置側から断熱室内部の作動装置へ熱が伝
達するのを極めて小さな値に抑制し得て、高い断熱効果
を得ることができる。
うな極低温排気コンプレッサーを高効率に作動させるこ
とができ、よって極低温を確実に達成できるようにな
る。
側面図である。
面図である。
す線図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 断熱室内部の作動装置と断熱室壁に設け
た開口との間に区画壁を備え、前記開口の外部に駆動装
置が着脱可能に設けられ該駆動装置の回転軸に備えた回
転作動部が前記区画壁内部を通して前記作動装置に係合
され、且つ前記区画壁内部及び駆動装置内部が断熱ガス
で満された構成を有する回転機械の断熱構造であって、
前記区画壁内部における回転作動部の駆動装置側背後
に、前記回転軸と平行に伸び且つ回転作動部側端部が閉
塞された対流防止空間を形成するハニカム部材を設けた
ことを特徴とする回転機械の断熱構造。 - 【請求項2】 作動装置が極低温排気コンプレッサーの
スクロールであり、回転作動部がインペラであることを
特徴とする請求項1記載の回転機械の断熱構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20182198A JP4264995B2 (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 回転機械の断熱構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20182198A JP4264995B2 (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 回転機械の断熱構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000034905A true JP2000034905A (ja) | 2000-02-02 |
JP4264995B2 JP4264995B2 (ja) | 2009-05-20 |
Family
ID=16447468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20182198A Expired - Lifetime JP4264995B2 (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 回転機械の断熱構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4264995B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1998
- 1998-07-16 JP JP20182198A patent/JP4264995B2/ja not_active Expired - Lifetime
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