JP3788190B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機に係り、特に冷却媒体が流れる通風路に冷却器を設置した回転電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の回転電機は、例えば特開昭60−162432号公報,特開平2−70247号公報等に記載のように、冷却媒体の流れる通風路を回転軸及び回転軸に直角な軸に対して線対称に形成し、冷却媒体を冷却するための冷却器を回転軸に直角な軸に対して線対称、かつ回転電機の上部に複数設置したものであり、しかも、各冷却器は冷却容量の同じものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述のように冷却器を設置していた従来の回転電機では、発電容量の増加に伴って熱負荷が増加した場合、冷却器からの距離に応じて冷却媒体に大きな温度差が生じ、機内、特に固定子鉄心と回転子鉄心との間の空隙、いわゆるエアギャップに局所的な発熱部分が生じてしまう。エアギャップに局所的な発熱部分が生じてしまうと、回転子の軸方向に不均一な熱伸びが生じ、回転子の熱振動ストロークが大きくなってしまう恐れがある。
【0004】
上記の解決手段として冷却器の熱交換容量の増加、即ち冷却器を大型化することが考えられる。しかし、この解決手段では、エアギャップの軸方向の温度上昇分布の絶対値及び局所的な発熱の絶対値は低減できるものの、単なる冷却器の熱交換容量を大きくしただけではエアギャップの軸方向の温度上昇分布を平準化することはできない。また、この解決手段では、十分に冷却されて冷却する必要がないにも係ず、この部分を冷却することになるので、冷却風を有効に利用した冷却とはいえない。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、機内の温度上昇分布を平準化し、回転子の軸方向に不均一な熱伸びが生じて回転子の熱振動ストロークが大きくなることのない回転電機を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の基本的な特徴はメインとなる冷却器とサブとなる冷却器を設置し、メインとなる冷却器によって冷却された冷却媒体の少なくとも一部をさらにサブとなる冷却器によって冷却するように構成したことにある。すなわち冷却媒体を冷却器で2度冷却するように構成したものである。この結果、固定子と回転子との間の空隙、いわゆるエアギャップの軸方向全部にわたって十分に冷却された冷却媒体を供給することができ、エアギャップの軸方向に局所的な発熱を抑え、エアギャップの軸方向の温度上昇分布を平準化できる。
【0007】
サブとなる冷却器はメインとなる冷却器よりも小型、すなわち冷却容量を小さくしている。つまりメインとなる冷却器によって冷却された冷却媒体の一部を冷却するものであるから、その冷却容量が小さくて済むし、この方が冷却効率が良い。また、サブとなる冷却器はファンの排気側から分岐して固定子鉄心の外周側に至るダクトの途中に配置、すなわちメインとなる冷却器が配置されている空間よりも小さな空間に配置されるので、小型のものでなければ配置できない。従って、回転電機の外観上、大型の冷却器、すなわちメインとなる冷却器と小型の冷却器、すなわちサブとなる冷却器が軸方向に一列に列構成をなしている。
【0008】
ここに、本願発明は、水平方向を軸中心として回転軸と共に回転する回転子鉄心と、該回転子鉄心とエアギャップを介して配置され、かつ、径方向に貫通し、軸方向に所定間隔を持って形成された第1の通風ダクト及び該第1の通風ダクトより軸方向中央側に形成された第2の通風ダクトを有する固定子鉄心と、前記回転軸に設けられ、軸方向外側で吸気して内側に排気するファンと、該ファンの回転によって機内を流通する冷却媒体の流通路に設けられ、該冷却媒体を冷却する冷却器とを備えた回転電機において、
前記冷却器は、回転電機の軸方向両端に配置された第1の冷却器と、少なくとも該第1の冷却器間に配置され、該第1の冷却器よりも小型な第2の冷却器とからなり、かつ、前記冷却媒体が前記ファンの排気側から前記エアギャップを流通した後に前記第1の通風ダクトを流通して前記固定子鉄心の径方向外側に至り、その後前記固定子鉄心を支持する固定子枠の内周を通り前記ファンの吸気側に至る通路を形成する第1の通風路と、前記冷却媒体が前記ファンの排気側から前記固定子鉄心端部及び固定子巻線端部を冷却して前記固定子鉄心の径方向外側に至り、その後前記第2の通風ダクトを流通して前記エアギャップに至り前記ファンの排気側から前記エアギャップに流通してきた前記第1の通風路の前記冷却媒体と合流する通路を形成する第2の通風路とを有し、前記第1の通風路の途中に前記第1の冷却器を、前記第2の通風路の途中に前記第2の冷却器をそれぞれ配置し、前記第1の冷却器で冷却した冷却媒体の一部を前記第2の冷却器でさらに冷却するように構成されているものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は第1の実施の形態であるタービン発電機の全体構成を示し、図2は図1のII−II矢視断面を示す。図中1は固定子枠であり、その内周部には固定子鉄心2を設けている。固定子鉄心2は円筒形状のものであり、その内周面側には軸方向に連続したスロットを複数形成し、固定子巻線3を収納している。固定子鉄心2には径方向に連続した通風ダクト4を軸方向にほぼ等間隔で複数設けている。
【0022】
固定子鉄心2の内周部には空隙、いわゆるエアギャップ5を介して回転子鉄心6を設けている。7は回転軸であり、この回転軸7は回転子鉄心6と一体形成したものであり、回転子鉄心6の両側端面の中心部から軸方向に延び、固定子枠1の両端を塞ぐエンドブラケット8の内周部に設けられた軸受装置によって支承される。回転子鉄心6の外周面側には軸方向に連続したスロットを複数形成し、回転子巻線を収納している。回転子巻線の両端部はリテニングリング9によって固定している。
【0023】
回転軸7の端部にはファン10,11を設けている。ファン10,11は回転軸7と共に回転し、機内に封入されている冷却媒体、例えば空気や水素ガス等を機内に流通させる。機内には冷却媒体の流通を導く通風路を回転軸7及び回転軸7に直角な軸に対して線対称となるように複数形成している。通風路の途中、かつ発電機の上部には冷却媒体を冷却する冷却器を複数設置している。通風路の構成及び冷却器の配置は冷却媒体の通風方式によって異なる。本実施の形態では冷却器によって冷却された冷却媒体が通風ダクト4を固定子鉄心2の外周側とエアギャップ5との間を両方向に流通する、いわゆるマルチフロー通風方式を採用している。
【0024】
このため機内には、固定子枠1の内周側からファン10の吸気側に至る通風路26,ファン10の吸気側からエアギャップ5に至る通風路29,エアギャップ5,通風ダクト4,固定子鉄心2の側端部空間の外周側と対向する空間を含む固定子鉄心2の外周側と固定子枠1の内周側との間の通風路27から第1の通風路14aを形成している。ファン10の外周側と対向する通風路27には主冷却器12aを設置している。
【0025】
また、固定子枠1の内周側からファン11の吸気側に至る通風路30,ファン11の吸気側からエアギャップ5に至る通風路32,エアギャップ5,通風ダクト4,固定子鉄心2の側端部空間の外周側と対向する空間を含む固定子鉄心2の外周側と固定子枠1の内周側との間の通風路27から第1の通風路14bを形成している。ファン11の外周側と対向する通風路27には主冷却器12bを設置している。
【0026】
ファン10の排気側とエアギャップ5との間には、固定子鉄心2のファン10側の側端部空間よりなる通風路28,通風路28から固定子鉄心2の外周側に至る通風路33,通風ダクト4からなる第2の通風路15aを形成している。通風路33の途中には副冷却器13aを設置している。ファン11の排気側とエアギャップ5との間には、固定子鉄心2のファン11側の側端部空間よりなる通風路31,通風路31と固定子鉄心2の外周側に至る通風路34,通風ダクト4からなる第2の通風路15bを形成している。通風路34の途中には副冷却器13bを設置している。
【0027】
第1の通風路14aと第2の通風路15a及び第1の通風路14bと第2の通風路15bは回転軸7に直角な軸に対して線対称な構成となっている。主冷却器12と副冷却器13は冷却容量が異なっており、本実施の形態では副冷却器13の冷却容量を主冷却器12の冷却容量よりも小さくしている。従って、副冷却器13は主冷却器12よりも小型である。主冷却器12aと主冷却器12b及び副冷却器13aと副冷却器13bは回転軸7に直角な軸に対して線対称な配置となっている。また、外観構成上、主冷却器12及び副冷却器13は機体上部の軸方向に一列に列構成をなすように配置されており、主冷却器12a,12bは軸方向両端に位置し、副冷却器13a,13bは主冷却器12a,12b間に位置している。
【0028】
主冷却器12a及び副冷却器13aには冷却水を供給するための冷却水供給管37a及び冷却水を排出するための冷却水排出管38aを接続している。主冷却器12b及び副冷却器13bには冷却水を供給するための冷却水供給管37b及び冷却水を排出するための冷却水排出管38bを接続している。
【0029】
尚、本実施の形態では、冷却水供給管37a及び冷却水排出管38aを主冷却器12a及び副冷却器13aに対して共通に接続し、冷却水供給管37b及び冷却水排出管38bを主冷却器12b及び副冷却器13bに対して共通に接続した例を示したが、冷却水供給管及び冷却水排出管は各冷却器に対して個別に接続しても良いし、主冷却器12a,12bに対して共通及び副冷却器13a,13bに対して共通に接続しても良い。尚、図中符号39は回転子巻線に電力を供給するための集電装置である。
【0030】
次に、冷却媒体の流れについて説明する。まず、主冷却器12aによって冷却された冷却媒体はファン10の回転により通風路26を冷却しながらファン10の吸気側に向かって流通し、ファン10の排気側において通風路28側と通風路29側に分岐する。通風路29側に分岐した冷却媒体は通風路29において回転子鉄心6のファン10側の側端を、エアギャップ5において固定子鉄心2の内周側と回転子鉄心6の外周側を、通風ダクト4において固定子鉄心2の内部を、通風路27において固定子鉄心2と固定子枠1との間をそれぞれ順次冷却しながら主冷却器12aに向かって流通する。
【0031】
通風路28側に分岐した冷却媒体は通風路28において固定子鉄心2のファン10側の側端と固定子巻線3のエンド部を冷却しながら通風路33に向かって流通する。通風路33を流通する冷却媒体はその途中において副冷却器13aによって冷却される。副冷却器13aによって冷却された冷却媒体は固定子鉄心2の外周側に至り、通風ダクト4において固定子鉄心2の内部、エアギャップ5において固定子鉄心2の内周側と回転子鉄心6の外周側をそれぞれ冷却しながら流通し、通風路29側から流れてきた冷却媒体と合流し、主冷却器12aに向かって流通する。
【0032】
一方、主冷却器12bによって冷却された冷却媒体はファン11の回転により通風路30を冷却しながらファン11の吸気側に向かって流通し、ファン11の排気側において通風路31側と通風路32側に分岐する。通風路32側に分岐した冷却媒体は通風路32において回転子鉄心6のファン11側の側端を、エアギャップ5において固定子鉄心2の内周側と回転子鉄心6の外周側を、通風ダクト4において固定子鉄心2の内部を、通風路27において固定子鉄心2と固定子枠1との間をそれぞれ順次冷却しながら主冷却器12bに向かって流通する。
【0033】
通風路31側に分岐した冷却媒体は通風路31において固定子鉄心2のファン11側の側端と固定子巻線3のエンド部を冷却しながら通風路34に向かって流通する。通風路34を流通する冷却媒体はその途中において副冷却器13bによって冷却される。副冷却器13bによって冷却された冷却媒体は固定子鉄心2の外周側に至り、通風ダクト4において固定子鉄心2の内部、エアギャップ5において固定子鉄心2の内周側と回転子鉄心6の外周側をそれぞれ冷却しながら流通し、通風路32側から流れてきた冷却媒体と合流し、主冷却器12bに向かって流通する。
【0034】
第1の実施の形態によれば、第1の通風路14から分岐した第2の通風路15の途中に主冷却器12とは別の副冷却器13を設置したので、通風路29,32を含むエアギャップ5の軸方向の温度上昇分布を平準化できる。
【0035】
すなわち機内の両側端部に設置された冷却器によって冷却された冷却媒体をマルチフロー通風方式で流通させる回転電機では、発電容量の増加に伴って熱負荷が増加した場合、エアギャップの中央付近に冷却媒体が到達する前に、冷却媒体がある程度温度上昇してしまうので、当該部分の冷却効果が悪くなり、エアギャップの軸方向に局所的な発熱部分が生じてしまう。
【0036】
しかし、本実施の形態では、第1の通風路14から分岐した第2の通風路15の途中に主冷却器12とは別の副冷却器13を設置し、主冷却器12で冷却された冷却媒体の一部を副冷却器13でさらに冷却、すなわち冷却器を2度通して冷却し、エアギャップの中央付近にも十分に冷却された冷却媒体を供給するようにしたので、局所的な発熱部分の発生を抑えられ、通風路29,32を含むエアギャップ5の軸方向の温度上昇分布を平準化できる。従って、回転子の軸方向の不均一な熱伸びによる回転子の熱振動ストロークを抑制できる。
【0037】
また、第1の実施の形態によれば、第2の通風路15の途中に主冷却器12よりも冷却容量が小さい小型な副冷却器13を設置している。このように主冷却器12よりも冷却容量が小さい小型な副冷却器13を設置するのは、副冷却器13は主冷却器12によって冷却された冷却媒体の一部を冷却するものであり、第2の通風路15を流通する冷却媒体の容量に見合うようにその冷却容量が小さくて済むし、この方が冷却効率が良い。また、冷却の分担により主冷却器12自体の冷却容量も小さくできる等のメリットがあるからである。また、副冷却器13は主冷却器が配置されている空間よりも小さな空間に配置されるので、小型のものでなければ配置できないからである。
【0038】
図3は第2の実施の形態であるタービン発電機の構造を示す図面であり、第1の実施の形態の変形例を示す。本実施の形態は第2の通風路15aの一部である通風路33と、第2の通風路15bの一部である通風路34とを途中で合流させたものであり、その合流部分には副冷却器13を設置している。外観構成上、主冷却器12及び副冷却器13は機体上部の軸方向に一列に列構成をなすように配置され、主冷却器12a,12bは軸方向両端に位置し、副冷却器13は主冷却器12a,12b間に位置している。
【0039】
このように構成された本実施の形態の通風構造によれば、ファン10の排気側で通風路28側に分岐した冷却媒体とファン11の排気側で通風路32側に分岐した冷却媒体が、固定子鉄心2の外周側の手前において合流し、副冷却器13によって冷却される。冷却された冷却媒体は、固定子鉄心2の外周側から通風ダクト4を介してエアギャップ5に至り、通風路29側と通風路32側に分岐し、通風路29側に分岐した冷却媒体は、通風路29から流通してきた冷却媒体と合流する。通風路32側に分岐した冷却媒体は、通風路32から流通してきた冷却媒体と合流する。
【0040】
第2の実施の形態によれば、第1の通風路14から分岐した第2の通風路15の途中に主冷却器12とは別の副冷却器13を設置し、主冷却器12で冷却された冷却媒体の一部を副冷却器13でさらに冷却、すなわち冷却器を2度通して冷却し、エアギャップの中央付近にも十分に冷却された冷却媒体を供給するようにしたので、局所的な発熱部分の発生を抑えられ、通風路29,32を含むエアギャップ5の軸方向の温度上昇分布を平準化できる。従って、前例と同様に回転子の軸方向の不均一な熱伸びによる回転子の熱振動ストロークを抑制できる。
【0041】
図4は第3の実施の形態であるタービン発電機の構造を示す図面であり、第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組合せた組合例を示す。本実施の形態は第1の通風路14のファンの排気側から、第2の通風路15と第3の通風路16を分岐したものである。
【0042】
具体的に説明すると、ファン10の排気側とエアギャップ5との間には、固定子鉄心2のファン10側の側端部空間よりなる通風路28,通風路28から固定子鉄心2の外周側に至る通風路33,通風ダクト4からなる第2の通風路15aを形成している。通風路33の途中には副冷却器13aを設置している。
【0043】
ファン11の排気側とエアギャップ5との間には、固定子鉄心2のファン11側の側端部空間よりなる通風路31,通風路31と固定子鉄心2の外周側に至る通風路34,通風ダクト4からなる第2の通風路15bを形成している。通風路34の途中には副冷却器13bを設置している。
【0044】
また、ファン10の排気側とエアギャップ5との間には、固定子鉄心2のファン10側の側端部空間よりなる通風路28,通風路28から固定子鉄心2の外周側に至る通風路35,通風ダクト4からなる第3の通風路16aを形成し、ファン11の排気側とエアギャップ5との間には、固定子鉄心2のファン11側の側端部空間よりなる通風路31,通風路31と固定子鉄心2の外周側に至る通風路36,通風ダクト4からなる第3の通風路15bを形成している。
【0045】
通風路35と通風路36はその途中で合流している。その合流部分には副冷却器13cを設置している。外観構成上、主冷却器12及び副冷却器13は機体上部の軸方向に一列に列構成をなすように配置され、主冷却器12a,12bは軸方向両端に位置し、副冷却器13a,13b,13cは主冷却器12a,12b間に位置している。
【0046】
このように構成された本実施の形態の通風構造によれば、ファン10の排気側で通風路28側に分岐した冷却媒体は通風路28において固定子鉄心2のファン10側の側端と固定子巻線3のエンド部を冷却しながら流通し、その外周側において分岐する。分岐した一方の冷却媒体は通風路33を流通し、途中において副冷却器13aによって冷却される。副冷却器13aによって冷却された冷却媒体は固定子鉄心2の外周側に至り、通風ダクト4において固定子鉄心2の内部を冷却しエアギャップ5に至る。
【0047】
分岐した他方の冷却媒体は通風路35を流通し、途中、後述する通風路36から流通してきた冷却媒体と合流、かつ副冷却器13cによって冷却される。副冷却器13cによって冷却された冷却媒体は通風ダクト4において固定子鉄心2の内部を冷却しエアギャップ5に至る。
【0048】
一方、ファン11の排気側で通風路31側に分岐した冷却媒体は通風路31において固定子鉄心2のファン11側の側端と固定子巻線3のエンド部を冷却しながら流通し、その外周側において分岐する。分岐した一方の冷却媒体は通風路34を流通し、途中において副冷却器13bによって冷却される。副冷却器13b によって冷却された冷却媒体は固定子鉄心2の外周側に至り、通風ダクト4において固定子鉄心2の内部を冷却しエアギャップ5に至る。
【0049】
分岐した他方の冷却媒体は通風路36を流通し、途中、前述した通風路35から流通してきた冷却媒体と合流、かつ副冷却器13cによって冷却される。副冷却器13cによって冷却された冷却媒体は通風ダクト4において固定子鉄心2の内部を冷却しエアギャップ5に至る。
【0050】
また、通風路33及び通風ダクト4を介してエアギャップ5に至った冷却媒体はエアギャップ5において分岐し、一方は通風路29を流通してきた冷却媒体と合流し、他方は副冷却器13cによって冷却され通風ダクト4を介してエアギャップ5に至った冷却媒体と合流する。通風路34及び通風ダクト4を介してエアギャップ5に至った冷却媒体はエアギャップ5において分岐し、一方は通風路32を流通してきた冷却媒体と合流し、他方は副冷却器13cによって冷却され通風ダクト4を介してエアギャップ5に至った冷却媒体と合流する。
【0051】
通風路33及び通風ダクト4を介してエアギャップ5に至った冷却媒体と副冷却器13cによって冷却され通風ダクト4を介してエアギャップ5に至った冷却媒体とが合流した冷却媒体と、通風路34及び通風ダクト4を介してエアギャップ5に至った冷却媒体と副冷却器13cによって冷却され通風ダクト4を介してエアギャップ5に至った冷却媒体とが合流した冷却媒体は通風ダクト4を介して通風路27に至る。
【0052】
第3の実施の形態によれば、第1の通風路14から分岐した第2の通風路15の途中に主冷却器12とは別の副冷却器13を設置し、第1の通風路14から分岐した第3の通風路16の途中に主冷却器12とは別の副冷却器13を設置し、主冷却器12で冷却された冷却媒体の一部を副冷却器13でさらに冷却、すなわち冷却器を2度通して冷却し、エアギャップの中央付近にも十分に冷却された冷却媒体を供給するようにしたので、局所的な発熱部分の発生を抑えられ、通風路29,32を含むエアギャップ5の軸方向の温度上昇分布を平準化できる。従って、前例と同様に回転子の軸方向の不均一な熱伸びによる回転子の熱振動ストロークを抑制できる。
【0053】
図5は第4の実施の形態であるタービン発電機の構造を示す図面であり、第1の実施の形態の変形例を示す。本実施の形態は副冷却器13aによって冷却され通風ダクト4を介してエアギャップ5に至り分岐した冷却媒体の一方と、副冷却器13bによって冷却され通風ダクト4を介してエアギャップ5に至り分岐した冷却媒体の一方とが合流し、通風ダクト4を介して通風路27に至るようにした第3の通風路16を形成したものである。外観構成も第1の実施の形態と同様になっている。
【0054】
第4の実施の形態によれば、第1の通風路14から分岐した第2の通風路15の途中に主冷却器12とは別の副冷却器13を設置し、主冷却器12で冷却された冷却媒体の一部を副冷却器13でさらに冷却、すなわち冷却器を2度通して冷却し、エアギャップの中央付近にも十分に冷却された冷却媒体を供給するようにしたので、局所的な発熱部分の発生を抑えられ、通風路29,32を含むエアギャップ5の軸方向の温度上昇分布を平準化できる。従って、前例と同様に回転子の軸方向の不均一な熱伸びによる回転子の熱振動ストロークを抑制できる。
【0055】
図6は第5の実施の形態であるタービン発電機の断面を示す図面であり、第4の実施の形態の変形例を示す。本実施の形態は主冷却器12の配置場所及び設置数を変えたもので、第1の通風路14aの通風ダクト4から通風路27に至る通風路部分に主冷却器12aを設置し、第1の通風路14bの通風ダクト4から通風路27に至る通風路部分に主冷却器12bを設置している。また、第3の通風路の通風ダクト4から通風路27に至る通風路部分に主冷却器12cを新たに設置している。尚、第4の実施の形態と同様に副冷却器13aは通風路33、副冷却器13bは通風路34に設置している。外観構成上、主冷却器12及び副冷却器13は機体上部の軸方向に一列に列構成をなすように配置され、主冷却器12a,12b,12cは軸方向に分散し、副冷却器13aは主冷却器12a,12c間に位置し、副冷却器13bは主冷却器12b,12c間に位置している。
【0056】
第5の実施の形態によれば、第1の通風路14から分岐した第2の通風路15の途中に主冷却器12とは別の副冷却器13を設置し、主冷却器12で冷却された冷却媒体の一部を副冷却器13でさらに冷却、すなわち冷却器を2度通して冷却し、エアギャップの中央付近にも十分に冷却された冷却媒体を供給するようにしたので、局所的な発熱部分の発生を抑えられ、通風路29,32を含むエアギャップ5の軸方向の温度上昇分布を平準化できる。従って、前例と同様に回転子の軸方向の不均一な熱伸びによる回転子の熱振動ストロークを抑制できる。
【0057】
図7は第6の実施の形態であるタービン発電機の構造を示す図面であり、第2の実施の形態の変形例を示す。本実施の形態は通風路33と通風路34に熱絶縁37を施している。熱絶縁37は、例えばグラスウール等の断熱材であり、通風路の内壁又は外壁に巻き付けて設けたものである。
【0058】
このように熱絶縁37を設けるのは、通風路33と通風路34は通風ダクト4をエアギャップ5から固定子鉄心2の外周側に向かって流通する冷却媒体、すなわち固定子鉄心2を冷却し終えた高温の冷却媒体の通風路中に設けられているので、通風路33と通風路34を流通する冷却媒体は、通風ダクト4をエアギャップ5から固定子鉄心2の外周側に向かって流通する冷却媒体と熱交換されることになる。熱交換されてしまうと通風路33と通風路34の合流部分に設置した副冷却器13による冷却効果が低下し、エアギャップ5の中央付近における冷却効果も低下してしまうことになる。
【0059】
このようなことから本実施の形態では、通風路33と通風路34の内壁又は外壁に熱絶縁37を設け、通風ダクト4をエアギャップ5から固定子鉄心2の外周側に向かって流通する冷却媒体との熱交換を抑制しており、第2の実施の形態における効果をより一層高めることができる。
【0060】
また、本実施の形態は通風ダクト4の軸方向の間隔を冷却媒体の流通方向によって異ならせている。すなわち温度上昇分布を平準化するためには、局所的な発熱部分に冷却媒体を効果的に流通させることが重要である。そこで、本実施の形態では、冷却媒体がエアギャップ5から固定子鉄心2の外周側に向かって流通する通風ダクト4の軸方向の間隔を大きくし、単位長さ当りの等価的な通風面積を小さくすることで、固定子鉄心2の外周側に流通する冷却媒体の風量を抑えている。
【0061】
また、冷却媒体が固定子鉄心2の外周側からエアギャップ5に向かって流通する通風ダクト4の軸方向の間隔を小さくし、単位長さ当りの等価的な通風面積を大きくすることで、エアギャップ5の中央付近に流通する冷却媒体の風量を大きくしている。
【0062】
このようにした本実施の形態によれば、エアギャップ5の中央付近に多くの冷却媒体を供給して冷却できるので、第2の実施の形態における効果をより一層高めることができる。
【0063】
尚、本実施の形態の構造は、第2の実施の形態に限らず、他の実施の形態に採用しても良い。
【0064】
図8は第7の実施の形態であるタービン発電機の構造を示す。本実施の形態は冷却器によって冷却された冷却媒体が通風ダクト4を固定子鉄心2の外周側からエアギャップ5に向かって一方向に流通する、いわゆるシングルリバースフロー通風方式を採用している。
【0065】
このため機内には、ファン10の排気側から固定子枠1の内周側に至る通風路17,固定子鉄心2の外周側と固定子枠1の内周側との間の通風路25,通風ダクト4,エアギャップ5,エアギャップ5からファン10の吸気側に至る通風路20から第1の通風路14aを形成している。固定子鉄心2のファン10側の外周側端部と対向する通風路25には主冷却器12aを設置している。
【0066】
また、ファン11の排気側から固定子枠1の内周側に至る通風路21,固定子鉄心2の外周側と固定子枠1の内周側との間の通風路25,通風ダクト4,エアギャップ5,エアギャップ5からファン11の吸気側に至る通風路24から第1の通風路14bを形成している。固定子鉄心2のファン11側の外周側端部と対向する通風路25には主冷却器12bを設置している。
【0067】
通風路17の主冷却器12a手前側と通風路20との間には、固定子鉄心2のファン10側の側端部空間よりなる通風路19、すなわち第2の通風路15aを形成している。第2の通風路15aの外周側(通風路17との分岐側)には副冷却器13aを設置している。通風路21の主冷却器12b手前側と通風路24との間には、ファン11側の固定子鉄心2の側端部空間よりなる通風路23、すなわち第2の通風路15aを形成している。第2の通風路15aの外周側(通風路21との分岐側)には副冷却器13aを設置している。
【0068】
第1の通風路14aと第1の通風路14b,第2の通風路15aと第2の通風路15bは、回転軸7に直角な軸に対して線対称な構成となっている。主冷却器12と副冷却器13は冷却容量が異なっており、本実施の形態では副冷却器13の冷却容量を主冷却器12の冷却容量よりも小さくしている。従って、副冷却器13は主冷却器12よりも小型である。主冷却器12aと主冷却器12b及び副冷却器13aと副冷却器13bは回転軸7に直角な軸に対して線対称な配置となっている。また、外観構成上、主冷却器12及び副冷却器13は機体上部の軸方向に一列に列構成をなすように配置されており、副冷却器13a,13bは軸方向両端に位置し、主冷却器12a,12bは副冷却器13a,13b間に位置している。尚、この他の構成は前例と同様なので、その説明は省略する。
【0069】
次に、冷却媒体の流れについて説明する。まず、主冷却器12aによって冷却された冷却媒体はファン10の回転によりファン10の吸気側に向かって流通し、通風路25において固定子鉄心2と固定子枠1との間を、通風ダクト4において固定子鉄心2の内部を、エアギャップ5において固定子鉄心2の内周側と回転子鉄心6の外周側を、通風路20において回転子鉄心6のファン10側の側端をそれぞれ順次冷却する。
【0070】
副冷却器13aによって冷却された冷却媒体は通風路19をファン10の吸気側に向かって流通し、固定子鉄心2のファン10側の側端と固定子巻線3のエンド部を冷却する。両冷却器によって冷却され流通してきた冷却媒体はファン10の吸気側で合流し、ファン10の排気側から通風路17を冷却しながら主冷却器12aに向かって流れ、主冷却器12aの手前において主冷却器12a側に流通する冷却媒体と副冷却器13a側に流通する冷却媒体に別れ流通する。
【0071】
一方、主冷却器12bによって冷却された冷却媒体はファン11の回転によりファン11の吸気側に向かって流通し、通風路25では固定子鉄心2と固定子枠1との間を、通風ダクト4では固定子鉄心2の内部を、エアギャップ5では固定子鉄心2の内周側と回転子鉄心6の外周側を、通風路24では回転子鉄心6のファン11側の側端をそれぞれ順次冷却する。
【0072】
副冷却器13bによって冷却された冷却媒体は通風路23をファン11の吸気側に向かって流通し、固定子鉄心2のファン11側の側端と固定子巻線3のエンド部を冷却する。両冷却器によって冷却され流通してきた冷却媒体はファン11の吸気側で合流し、ファン11の排気側から通風路21を冷却しながら主冷却器12bに向かって流れ、主冷却器12bの手前において主冷却器12b側に流通する冷却媒体と副冷却器13b側に流通する冷却媒体に別れ流通する。
【0073】
第7の実施の形態によれば、第1の通風路14の主冷却器12手前から分岐した第2の通風路15を形成し、そこの分岐側に主冷却器12とは別の副冷却器13を設置したので、通風路20,24を含むエアギャップ5の軸方向の温度上昇分布を平準化できる。
【0074】
すなわち機内の両側端部に設置された冷却器によって冷却された冷却媒体をシングルリバースフロー通風方式で流通させる回転電機では、発電容量の増加に伴って熱負荷が増加した場合、ファンの吸気側付近に冷却媒体が到達する前に、冷却媒体が温度上昇してしまうので、当該部分の冷却効果が悪くなり、エアギャップの軸方向に局所的な発熱部分が生じてしまう。
【0075】
しかし、本実施の形態では、第1の通風路14の主冷却器12手前から分岐した第2の通風路15を形成し、その分岐側に主冷却器12とは別の副冷却器13を設置し、ファン10,11の吸気側付近にも十分に冷却された冷却媒体を供給するようにしたので、局所的な発熱部分の発生を抑えられ、通風路20,24を含むエアギャップ5の軸方向の温度上昇分布を平準化できる。従って、回転子の軸方向の不均一な熱伸びによる回転子の熱振動ストロークを抑制できる。
【0076】
また、第7の実施の形態によれば、第2の通風路15の途中に主冷却器12よりも冷却容量が小さい小型な副冷却器13を設置している。このように主冷却器12よりも冷却容量が小さい小型な副冷却器13を設置するのは、副冷却器13は主冷却器12によって冷却される冷却媒体の一部を冷却するものであり、第2の通風路15を流通する冷却媒体の容量に見合うようにその冷却容量が小さくて済むし、この方が冷却効率が良い。また、冷却の分担により主冷却器12自体の冷却容量も小さくできる等のメリットがあるからである。また、副冷却器13は主冷却器が配置されている空間よりも小さな空間に配置されるので、小型のものでなければ配置できないからである。
【0077】
図9は第8の実施の形態であるタービン発電機の構造を示す。本実施の形態は第7の実施の形態と同様に、冷却器によって冷却された冷却媒体が通風ダクト4を固定子鉄心2の外周側からエアギャップ5に向かって一方向に流通する、いわゆるシングルリバースフロー通風方式を採用している。
【0078】
このため機内には、ファン10の排気側から固定子枠1の内周側に至る通風路17,固定子鉄心2の側端部空間の外周側を含む固定子鉄心2の外周側と固定子枠1の内周側との間の通風路18,通風ダクト4,固定子鉄心2のファン10側の側端部空間よりなる通風路19,エアギャップ5,エアギャップ5からファン10の吸気側に至る通風路20から第1の通風路14を形成している。ファン10の外周側と対向する通風路18部分には主冷却器12を設置している。
【0079】
また、ファン11の排気側から固定子枠1の内周側に至る通風路21,固定子鉄心2の側端部空間の外周側を含む固定子鉄心2の外周側と固定子枠1の内周側との間の通風路22,通風ダクト4,固定子鉄心2のファン11側の側端部空間よりなる通風路23,エアギャップ5,エアギャップ5からファン11の吸気側に至る通風路24から第2の通風路15を形成している。ファン11の外周側と対向する通風路22部分には副冷却器13を設置している。
【0080】
第1の通風路14と第2の通風路15は通風路長が異なっており、本実施の形態では、第2の通風路15の通風路長を第1の通風路14の通風路長よりも短くしている。また、主冷却器12と副冷却器13は冷却容量が異なっており、本実施の形態では、副冷却器13の冷却容量を主冷却器12の冷却容量よりも小さくしている。従って、副冷却器13は主冷却器12よりも小型である。また、主冷却器12と副冷却器13は回転軸7に直角な軸に対して線対称な配置となっている。外観構成上、主冷却器12及び副冷却器13は機体上部の軸方向に一列に列構成をなすように配置されており、主冷却器は軸方向一方側端部に位置し、副冷却器13は軸方向他方側端部に位置している。尚、この他の構成は前例と同様なので、その説明は省略する。
【0081】
次に、冷却媒体の流れについて説明する。まず、主冷却器12によって冷却された冷却媒体はファン10の回転により通風路18と通風路19に別れて流通する。通風路18を流通する冷却媒体は通風路18において固定子鉄心2と固定子枠1との間を、通風ダクト4において固定子鉄心2の内部を、エアギャップ5において固定子鉄心2の内周側と回転子鉄心6の外周側を、通風路20において回転子鉄心6のファン10側の側端をそれぞれ順次冷却しながらファン10の吸気側に向かって流通する。
【0082】
通風路19を流通する冷却媒体は固定子鉄心2のファン10側の側端と固定子巻線3のエンド部を冷却しながらファン10の吸気側に向かって流通する。両冷却媒体はファン10の吸気側で合流する。合流した冷却媒体はファン10の排気側から通風路17を冷却しながら主冷却器12に向かって流れ、再び主冷却器12によって冷却される。
【0083】
一方、副冷却器13によって冷却された冷却媒体はファン11の回転により通風路22と通風路23に別れて流通する。通風路22を流通する冷却媒体は通風路22において固定子鉄心2と固定子枠1との間を、通風ダクト4において固定子鉄心2の内部を、エアギャップ5において固定子鉄心2の内周側と回転子鉄心6の外周側を、通風路24において回転子鉄心6のファン11側の側端をそれぞれ順次冷却しながらファン11の吸気側に向かって流通する。
【0084】
通風路23を流通する冷却媒体は固定子鉄心2のファン11側の側端と固定子巻線3のエンド部を冷却しながらファン11の吸気側に向かって流通する。両冷却媒体はファン11の吸気側で合流する。合流した冷却媒体はファン11の排気側から通風路21を冷却しながら副冷却器13に向かって流れ、再び副冷却器13によって冷却される。
【0085】
第8の実施の形態によれば、第1の通風路14よりも通風路長の短い第2の通風路15を形成し、その途中に主冷却器12とは別の副冷却器13を設置したので、通風路20,24を含むエアギャップ5の軸方向の温度上昇分布を平準化できる。
【0086】
すなわち機内の一方側端部に設置された冷却器によって冷却された冷却媒体をシングルリバースフロー通風方式で流通させる回転電機では、発電容量の増加に伴って熱負荷が増加した場合、冷却器から離れた部分(機内の他方側端部)のファン付近に冷却媒体が到達する前に、冷却媒体が温度上昇してしまうので、当該部分の冷却効果が悪くなり、エアギャップの軸方向に局所的な発熱部分が生じてしまう。
【0087】
しかし、本実施の形態では、第1の通風路14よりも通風路長の短い第2の通風路15を形成し、そこに主冷却器12とは別の副冷却器13を設置し、主冷却器11から離れた部分のファン付近にも十分に冷却された冷却媒体を供給するようにしたので、局所的な発熱部分の発生を抑えられ、通風路20,24を含むエアギャップ5の軸方向の温度上昇分布を平準化できる。従って、回転子の軸方向の不均一な熱伸びによる回転子の熱振動ストロークを抑制できる。
【0088】
また、第8の実施の形態によれば、第2の通風路15の途中に主冷却器12よりも冷却容量が小さい小型な副冷却器13を設置している。このように主冷却器12よりも冷却容量が小さい小型な副冷却器13を設置するのは、副冷却器13は主冷却器12の設置された第1の通風路14よりも通風路長の短い第2の通風路を流通する冷却媒体を冷却するものであり、第2の通風路15を流通する冷却媒体の容量に見合うようにその冷却容量が小さくて済むし、この方が冷却効率が良いからである。
【0089】
【発明の効果】
本発明に係る回転電機は、メインとなる冷却器とサブとなる冷却器を設置し、メインとなる冷却器によって冷却された冷却媒体の少なくとも一部をさらにサブとなる冷却器によって冷却するように構成したものなので、機内の温度上昇分布が平準化し、回転子の軸方向に不均一な熱伸びが生じて回転子の熱振動ストロークが大きくなることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるタービン発電機の外観構成を示す外観図である。
【図2】図1のII−II矢視断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態であるタービン発電機の内部構成を示す断面図であり、図2の改良例を示す。
【図4】本発明の第3の実施の形態であるタービン発電機の内部構成を示す断面図であり、図2と図3の組合例を示す。
【図5】本発明の第4の実施の形態であるタービン発電機の内部構成を示す断面図であり、図2の改良例を示す。
【図6】本発明の第5の実施の形態であるタービン発電機の内部構成を示す断面図であり、図5の改良例を示す。
【図7】本発明の第6の実施の形態であるタービン発電機の内部構成を示す断面図であり、図3の改良例を示す。
【図8】本発明の第7の実施の形態であるタービン発電機の内部構成を示す断面図である。
【図9】本発明の第8の実施の形態であるタービン発電機の内部構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1…固定子枠、2…固定子鉄心、3…固定子巻線、4…通風ダクト、5…エアギャップ、6…回転子鉄心、7…回転軸、8…エンドブラケット、9…リテニグリング、10,11…冷却ファン、12…主冷却器、13…副冷却器、14…第1の通風路、15…第2の通風路、16…第3の通風路、17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36…通風路、37…冷却水供給管、38…冷却水排出管、39…集電装置。

Claims (3)

  1. 水平方向を軸中心として回転軸と共に回転する回転子鉄心と、該回転子鉄心とエアギャップを介して配置され、かつ、径方向に貫通し、軸方向に所定間隔を持って形成された第1の通風ダクト及び該第1の通風ダクトより軸方向中央側に形成された第2の通風ダクトを有する固定子鉄心と、前記回転軸に設けられ、軸方向外側で吸気して内側に排気するファンと、該ファンの回転によって機内を流通する冷却媒体の流通路に設けられ、該冷却媒体を冷却する冷却器とを備えた回転電機において、
    前記冷却器は、回転電機の軸方向両端に配置された第1の冷却器と、少なくとも該第1の冷却器間に配置され、該第1の冷却器よりも小型な第2の冷却器とからなり、かつ、前記冷却媒体が前記ファンの排気側から前記エアギャップを流通した後に前記第1の通風ダクトを流通して前記固定子鉄心の径方向外側に至り、その後前記固定子鉄心を支持する固定子枠の内周を通り前記ファンの吸気側に至る通路を形成する第1の通風路と、前記冷却媒体が前記ファンの排気側から前記固定子鉄心端部及び固定子巻線端部を冷却して前記固定子鉄心の径方向外側に至り、その後前記第2の通風ダクトを流通して前記エアギャップに至り前記ファンの排気側から前記エアギャップに流通してきた前記第1の通風路の前記冷却媒体と合流する通路を形成する第2の通風路とを有し、前記第1の通風路の途中に前記第1の冷却器を、前記第2の通風路の途中に前記第2の冷却器をそれぞれ配置し、前記第1の冷却器で冷却した冷却媒体の一部を前記第2の冷却器でさらに冷却するように構成されていることを特徴とする回転電機。
  2. 前記第2の通風路は、前記冷却媒体が軸方向両側の前記ファンの排気側から前記固定子鉄心端部及び固定子巻線端部を冷却して前記固定子鉄心の径方向外側に至り、軸方向両側からの前記冷却媒体がそれぞれ前記第2の通風ダクトを流通して前記エアギャップに至り前記ファンの排気側から前記エアギャップに流通してきた前記冷却媒体と合流するものであり、前記第2の冷却器は、前記第2の通風路の前記ファンの排気側から前記固定子鉄心端部及び固定子巻線端部を冷却して前記固定子鉄心の径方向外側に至る軸方向両側の通路にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 前記第2の通風路は、前記冷却媒体が軸方向両側の前記ファンの排気側から前記固定子鉄心端部及び固定子巻線端部を冷却して前記固定子鉄心の径方向外側に至り、軸方向両側からの前記冷却媒体が合流して前記第2の通風ダクトを流通して前記エアギャップに至り前記ファンの排気側から前記エアギャップに流通してきた前記冷却媒体と合流するものであり、前記第2の冷却器は、前記第2の通風路の前記冷却媒体が軸方向両側の前記ファンの排気側から前記固定子鉄心端部及び固定子巻線端部を冷却して前記固定子鉄心の径方向外側に至り、軸方向両側からの前記冷却媒体が合流する箇所に配置されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
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