JP2002039090A - 圧力発生装置及びターボ分子ポンプ - Google Patents

圧力発生装置及びターボ分子ポンプ

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JP2002039090A
JP2002039090A JP2000225766A JP2000225766A JP2002039090A JP 2002039090 A JP2002039090 A JP 2002039090A JP 2000225766 A JP2000225766 A JP 2000225766A JP 2000225766 A JP2000225766 A JP 2000225766A JP 2002039090 A JP2002039090 A JP 2002039090A
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pressure generating
dynamic pressure
rotating shaft
region
bearing
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JP2000225766A
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Hirokazu Yashiro
洋和 八代
Yoichi Kuwayama
洋一 桑山
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/44Centrifugal pumps
    • F16C2360/45Turbo-molecular pumps

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  • Non-Positive Displacement Air Blowers (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Air Blowers (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バランスのとれたラジアル軸受を備える圧力
発生装置を提供すること。 【解決手段】 この圧力発生装置は、翼5,19の回転
により作動流体を一方向に送り出して、負圧または正圧
を発生させる。この圧力発生装置は、回転軸14のラジ
アル方向の移動を規制する空気軸受を有する。空気軸受
は、筒状体25の外周面に所定幅で形成された2列の動
圧発生部領域41a,41bと、2列の動圧発生部領域
41a,41bの一端に隣接して形成されたガスシール
部領域42とを備える。ガスシール部領域42側に位置
する動圧発生部領域41aは、幅広に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、翼の回転により作
動流体を一方向に送り出して負圧または正圧を発生させ
る圧力発生装置及びターボ分子ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、スパッタリング装置、CVD装
置、エッチング装置等の半導体関連装置や、電子顕微
鏡、表面分析装置、環境試験装置等においては、超高真
空状態を得る必要がある。このような超高真空状態を得
るための装置としては、従来、ターボ分子ポンプが知ら
れている。ターボ分子ポンプは、動翼を有するモータ回
転軸を回転させて分子流をつくることにより、気体を排
出して超高真空を発生させるような構成になっている。
【0003】超高真空を得るためには回転軸を高速回転
させることが必要であり、高速回転を円滑にするには高
速回転に適した非接触式の軸受を採用する必要がある。
そのため、最近のターボ分子ポンプでは、モータの回転
軸のラジアル方向への荷重を支承する軸受として、空気
軸受が採用されている。このような空気軸受は、回転軸
と一体回転可能な筒状体の外周面に形成されている。具
体的にいうと、筒状体の外周面には2列の動圧発生部領
域が形成されるとともに、それらに隣接してガスシール
部領域が形成されている。動圧発生部領域には、例えば
へリングボーン状の動圧溝が複数形成されている。一
方、ガスシール部領域には、例えばスパイラル状のシー
ル溝が形成されている。筒状体は同じく筒状をした包囲
部材内に収容されている。従って、回転軸とともに筒状
体が回転すると、動圧溝の作用によって、包囲部材と空
気軸受部とのクリアランスに圧力気体膜が形成されるよ
うになっている。
【0004】なお、2列の動圧発生部領域の両端にガス
シール部領域を形成したものは、ダブルガスシールタイ
プと呼ばれ、2列の動圧発生部領域の一端にのみガスシ
ール部領域を形成したものは、シングルガスシールタイ
プと呼ばれている。また、いずれのタイプにおいても、
各動圧発生部領域の幅や動圧溝の深さは等しく設定され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、シングルガ
スシールタイプの空気軸受の場合、ガスシール部領域側
に位置する動圧発生部領域における空気が、ガスシール
部領域の真空引き作用によってガスシール部領域側へ引
き寄せられやすかった。
【0006】従って、ガスシール部領域側に位置する動
圧発生部領域においては、十分に高い動圧を発生させる
ことができず、軸受全体としてバランスが悪くなり、ラ
ジアル軸受に高い剛性を付与することができなくなると
いう問題があった。
【0007】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、バランスのとれたラジアル軸受を
備える圧力発生装置及びターボ分子ポンプを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、非接触式の軸受によ
りラジアル方向及びスラスト方向の移動が規制された回
転軸を備えるモータと、前記回転軸に取付けられた翼と
を備え、前記翼の回転により作動流体を一方向に送り出
して負圧または正圧を発生させる圧力発生装置におい
て、前記回転軸のラジアル方向の移動を規制する非接触
式の軸受は、筒状体の外周面に所定幅で形成された複数
列の動圧発生部領域と、前記複数列の動圧発生部領域の
一端に隣接して形成されたガスシール部領域とを備える
空気軸受であり、前記動圧発生部領域のうち最も前記ガ
スシール部領域側に位置するものは、他のものよりも幅
広に形成されていることを特徴とする圧力発生装置をそ
の要旨とする。
【0009】請求項2に記載の発明では、非接触式の軸
受によりラジアル方向及びスラスト方向の移動が規制さ
れた回転軸を備えるモータと、前記回転軸に取付けられ
た翼とを備え、前記翼の回転により作動流体を一方向に
送り出して負圧または正圧を発生させる圧力発生装置に
おいて、前記回転軸のラジアル方向の移動を規制する非
接触式の軸受は、筒状体の外周面に所定幅で形成された
複数列の動圧発生部領域と、前記複数列の動圧発生部領
域の一端に隣接して形成されたガスシール部領域とを備
える空気軸受であり、前記動圧発生部領域のうち最も前
記ガスシール部領域側に位置するものが有する動圧溝
は、他のものが有する動圧溝よりも深くなるように形成
されていることを特徴とする圧力発生装置をその要旨と
する。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2におい
て、前記動圧発生部領域のうち最も前記ガスシール部領
域側に位置するものは、他のものよりも幅広に形成され
ているとした。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれか1項に記載の圧力発生装置を備えたターボ分
子ポンプをその要旨とする。以下、本発明の「作用」に
ついて説明する。
【0012】請求項1に記載の発明によると、動圧発生
部領域のうち最もガスシール部領域側に位置するものは
幅広に形成されているため、当該動圧発生部領域につい
てはその中央部への空気収集能力が他のものよりも高く
なっている。従って、たとえガスシール部領域側に真空
引きの作用によって空気が取られたとしても、その分を
補うことができ、十分な動圧を発生させることができ
る。よって、バランスのとれたラジアル軸受を得ること
ができる。
【0013】請求項2に記載の発明によると、動圧発生
部領域のうち最もガスシール部領域側に位置するものの
動圧溝は深くなるように形成されているため、当該動圧
発生部領域についてはその中央部への空気収集能力が他
のものよりも高くなっている。従って、たとえガスシー
ル部領域側に真空引きの作用によって空気が取られたと
しても、その分を補うことができ、十分な動圧を発生さ
せることができる。よって、バランスのとれたラジアル
軸受を得ることができる。
【0014】請求項3に記載の発明によると、動圧発生
部領域のうち最もガスシール部領域側に位置するものの
動圧溝を深く形成したこと、及び当該動圧発生部領域を
幅広に形成したことによる相乗効果により、空気収集能
力が極めて高くなる。従って、バランスのとれたラジア
ル軸受を確実に得ることができる。
【0015】請求項4に記載の発明によると、上記のご
とくバランスのとれたラジアル軸受を備えたものである
ため、回転軸が比較的大きな荷重に耐えて高速回転をす
ることができる。従って、超高真空状態を確実に得るこ
とが可能な高性能のターボ分子ポンプを提供することが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態のターボ分子ポンプを図1〜図4に基づき詳細に説
明する。
【0017】図1に示されるように、本実施形態のター
ボ分子ポンプ1は、アッパハウジング3とロアハウジン
グ4とを備えている。アッパハウジング3は筒状であっ
て、図示しない真空室から排出される空気の引込口とな
る吸気口3aを有している。アッパハウジング3の内周
面には、支持部材6を介して複数の静翼5が取り付けら
れている。これらの静翼5は、アッパハウジング3の内
方に向かって放射状に延出した状態となっている。
【0018】アッパハウジング3の下端開口には、略円
環状の支持部材7が嵌合されている。支持部材7の上面
には環状に延びる凹部7aが形成されている。凹部7a
の底面における一箇所には、下面側に貫通する貫通穴7
bが形成されている。排気管8は貫通穴7bに接続され
ている。この状態で、排気管8は支持部材7を介してア
ッパハウジング3に螺着されたボルト9により固定され
ている。また、支持部材7は排気管8以外の部分におい
て複数のボルト10(ただし、同図では1本のみ示す)
によりアッパハウジング3に固定されている。ロアハウ
ジング4は、支持部材7に対して複数のボルト11によ
り固定されている。ロアハウジング4の側部に形成され
た開口4aからは、排気管8の先端部分が引き出されて
いる。排気管8の先端部は排気口8aを有するフランジ
状に形成されている。
【0019】モータとしてのブラシレスモータ(以下、
単にモータという)12は、支持部材7の内周面にその
ケーシング13の外周面を当接させた状態で支持されて
いる。この支持状態において、回転軸14は吸気口3a
側に突出している。支持部材7とアッパハウジング3と
の間には、シール部材15が介装されている。支持部材
7とモータ12との間には、シール部材16がそれぞれ
介されている。支持部材7の上面と吸気口3aとの間の
空間は、空気引込室Rとなっている。空気引込室Rは、
各シール部材15,16により密閉されている。
【0020】回転軸14の先端部には、ナット18の締
結によってロータ17が取り付けられている。ロータ1
7は略有底円筒状を有している。ロータ17の外周面上
には、放射状に延出する複数の動翼19が設けられてい
る。これらの動翼19は、各静翼5がなす間隙内に入り
込むようにして配置されている。モータ12が駆動され
てロータ17が回転すると、動翼19と静翼5との間に
吸気口3a側の空気が引き込まれる。その結果、排気口
8a側へ空気を排出しようとする吸引力が発生するよう
になっている。
【0021】図1,図2に示されるように、モータ12
を構成するケーシング13の内周面前端側(図2におけ
る右端側)には、突起部13aが形成されている。突起
部13aは、モータ軸心に向かって周方向全域にわたり
環状に突出している。ケーシング13の内周面前端側に
は、段部13bが形成されている。段部13bには略環
状の閉塞部材20が嵌合されるとともに、この状態で閉
塞部材20は図示しないボルトを用いて固定されてい
る。閉塞部材20にはその軸心を通るように挿通孔20
aが形成されている。
【0022】また、ケーシング13の内周面後端側にお
いて回転軸14の基端に対応する位置には、閉塞部材2
1が嵌合されている。閉塞部材21にはその軸心を通る
ように挿通孔21aが形成されている。ケーシング13
内において両閉塞部材20,21に挟まれた領域には、
モータ室22が形成されている。モータ室22は、前記
挿通孔21aを介して大気圧領域に連通されている。
【0023】モータ室22には回転軸14が回転可能に
収容されている。回転軸14の基端側は閉塞部材21の
挿通孔21aに遊挿されている。回転軸14の先端側は
閉塞部材20の挿通孔20aに遊嵌されかつ外方に突出
している。回転軸14には、2つのブッシュ23が外嵌
された状態で固定されている。両ブッシュ23,23間
には、回転子としての界磁マグネット24が保持されて
いる。界磁マグネット24は、回転軸14の周囲に設け
られた4個の永久磁石片によって構成されている。これ
らの永久磁石片は、互いに隣接する磁極が異極となるよ
うに交互にかつ円環状に配置されている。両ブッシュ2
3,23の内端面外縁部には、周方向に沿って環状に切
り欠かれた段部23aがそれぞれ形成されている。これ
らの段部23a,23a間には、セラミックス焼結材料
によって形成された筒状体としての筒状カバー25が嵌
着されている。筒状カバー25は界磁マグネット24の
外周面を包囲している。なお、ブッシュ23はバランス
調整の機能を有する。
【0024】前側のブッシュ23の外端面には、回転軸
14に外嵌された状態で円環状の永久磁石26が固着さ
れている。閉塞部材20の内側面上には、永久磁石26
と対向するように円環状の永久磁石27が回転軸14を
遊挿させた状態で埋設されている。また、後側のブッシ
ュ23の外側端面には、回転軸14に外嵌された状態で
円環状の永久磁石28が固着されている。閉塞部材21
の内側面上には、永久磁石28と対向するように円環状
の永久磁石29が回転軸14を遊挿する状態で埋設され
ている。相対向する両永久磁石28,29は、永久磁石
26,27と比較して小径である。永久磁石26〜29
は全て同じ磁性材料からなり、本実施形態ではその材質
はネオジウム系磁石である。永久磁石26〜29の材質
として、サマリウム系磁石などを使用してもよい。
【0025】一対の永久磁石26,27は第1のスラス
ト磁気軸受30を構成し、一対の永久磁石28,29は
第2のスラスト磁気軸受31を構成している。従って、
回転軸14は、これらの磁気軸受30,31によってそ
のスラスト方向への移動が規制される。
【0026】回転軸14に対しては、ブッシュ23、界
磁マグネット24、筒状カバー25及び永久磁石26,
28が一体的に固定されている。そして、この結果回転
体32が構成される。回転体32の周囲には、セラミッ
クス焼結材料(絶縁材)によって円筒状に形成された包
囲部材33が配置されている。包囲部材33は、突起部
13aと後側の閉塞部材21との間に固定されている。
包囲部材33の内周面と筒状カバー25の外周面との間
には、所定のクリアランスが設けられている。本実施形
態では前記クリアランスは10μm以下に設定されてい
る。なお、筒状カバー25や包囲部材33の材質として
は、例えば窒化ほう素、アルミナ、ジルコニア、窒化ア
ルミニウム、窒化珪素、窒化ほう素等の焼結材料を用い
ることができる。
【0027】図2,図3に示すように、包囲部材33に
は複数の給気孔33aが形成されている。本実施形態に
おいて給気孔33aは、包囲部材33の周方向に等間隔
に二列形成されており、合計で6個設けられている。
【0028】閉塞部材21には給気管36が嵌挿されて
いる。閉塞部材21を貫通する給気管36は、包囲部材
33の外周面側にある領域と大気圧領域とを連通させて
いる。従って、ブラシレスモータ12の駆動時には、こ
の給気管36を経由して、包囲部材33の外周面側にあ
る領域内に空気が導入される。また、導入されてきた空
気は、さらに各給気孔33aを介して、包囲部材33の
内周面と筒状カバー25の外周面との間のクリアランス
に導入される。
【0029】ケーシング13の内周面には、円筒状のヨ
ーク38が設けられている。包囲部材33の外周面に
は、電機子としての3つの電機子コイル39が周方向に
等間隔に設けられている。各電機子コイル39の周方向
の機械角は、90°〜120°になるように設定されて
いる。
【0030】包囲部材33の外周面において各電機子コ
イル39のすぐ基端側には、3つの磁気センサ(ホール
素子)40がそれぞれ設けられている。これらの磁気セ
ンサ40は、界磁マグネット24を構成する永久磁石片
の磁極を検出する。検出によって得られた回転数検出信
号は、図示しない制御手段にフィードバックされる。そ
の結果、各電機子コイル39を流れる電流がフィードバ
ック制御され、回転軸14が一定速度で回転するように
なっている。
【0031】続いて、回転軸14のラジアル方向への移
動を規制するラジアル空気軸受について説明する。図3
(b)に示されるように、本実施形態のラジアル空気軸
受は、内周面に研磨加工が施された包囲部材33と、そ
の包囲部材33に包囲される筒状カバー25とによって
構成されている。前記筒状カバー25の外周面には、複
数列(ここでは2列)の動圧発生部領域41a,41b
が設けられている。第1の動圧発生部領域41aは回転
軸14の基端側に位置しており、第2の動圧発生部領域
41bは回転軸14の先端側に位置している。これらの
動圧発生部領域41a,41b間には、溝構造を持たな
い所定幅の緩衝領域44が介在されている。また、これ
らの動圧発生部領域41a,41bは、ともに筒状カバ
ー25の全周にわたって帯状に延びるように形成されて
いる。動圧発生部領域41a,41bには、複数のヘリ
ングボーン状の動圧溝43が周方向に等間隔で形成され
ている。なお、これらの動圧溝43は、略V字状をなす
自身の屈曲部位に向かって周囲の空気を集めて、動圧を
発生させる役割を果たす。
【0032】本実施形態において、両動圧発生部領域4
1a,41bにおける動圧溝43の幅はともに5μmに
設定され、その深さはともに25μmに設定されてい
る。また、動圧溝43の屈曲部位の角度は等しく、とも
に30°〜60°程度に設定されている。
【0033】また、第1の動圧発生部領域41a,41
bのすぐ基端側には、所定幅の緩衝領域44を介してガ
スシール部領域42が設けられている。ガスシール部領
域42には、スパイラル状のシール溝42aが形成され
ている。
【0034】図3(b)に示されるように、第1の動圧
発生部領域41aの幅(即ち回転軸14の軸線方向に沿
った長さ)W1が、第2の動圧発生部領域41bの幅W
2に比べて広くなっている。つまり、2つある動圧発生
部領域41a,41bのうちガスシール部領域42側に
位置するものは、他のものよりも幅広に形成されてい
る。本実施形態においては、W1をW2の1.5倍〜
2.0倍の値に、具体的にはW1=17mm、W2=1
0mmに設定している。また、2箇所ある緩衝領域44
の幅を1.5mmに設定している。
【0035】次に、このように構成されたターボ分子ポ
ンプ1の動作について説明する。モータ12が駆動され
ると、動圧溝43の作用によって、空気が各給気孔33
aを通過して包囲部材33と筒状カバー25とのクリア
ランスに供給される。このため、回転体32が包囲部材
33の内周面から浮上した状態で回転する。また、回転
体32が回転し始めると、動圧溝43によって空気の導
入がいっそう促進され、前記クリアランスの部分に圧力
気体膜が形成される。そして、この圧力気体膜を介し
て、回転軸14が非接触状態で支持されるようになって
いる。
【0036】ここで、図4(a)のグラフには従来例の
空気軸受における圧力分布が示され、図4(b)のグラ
フには実施形態の空気軸受における圧力分布が示されて
いる。なお、両グラフにおいて黒塗りで示された部分は
負圧であることを概念的に表し、白塗りで示された部分
は正圧であることを概念的に表している。
【0037】図4(a)のグラフを見ると、ガスシール
部領域42は真空引きの作用によって負圧になってお
り、緩衝領域44は大気圧になっている。一方、第1の
動圧発生部領域41aは、全体としては正圧であるもの
の、一部の空気がガスシール部領域42側へ取られる結
果、黒塗りの分だけ実質的に圧力が低下していることが
わかる。ゆえに、第1の動圧発生部領域41aの白塗り
部分の面積は、第2の動圧発生部領域41bの白塗り部
分の面積よりも小さくなる。つまり、第1の動圧発生部
領域41aにて発生する動圧のほうが、第2の動圧発生
部領域41bにて発生する動圧よりも小さくなり、全体
としてバランスの悪いラジアル軸受となってしまう。
【0038】これに対して図4(b)のグラフを見る
と、幅広に形成された第1の動圧発生部領域41aの場
合、そもそも第2の動圧発生部領域41bに比べ、中央
部への空気収集能力が高くなっている。ゆえに、真空引
きの作用によって一部の空気がガスシール部領域42側
へ取られたとしても、第1の動圧発生部領域41aにつ
いては、その減少分をあらかじめ補うことが可能であ
る。言い換えると、第1の動圧発生部領域41aにおけ
る白塗り部分の面積を、第2の動圧発生部領域41bの
白塗り部分の面積とほぼ等しくすることができる。従っ
て、第1の動圧発生部領域41aにて発生する動圧と、
第2の動圧発生部領域41bにて発生する動圧とがほぼ
等しくなり、全体としてバランスのよいラジアル軸受と
なる。
【0039】従って、本実施形態によれば以下のような
効果を得ることができる。 (1)本実施形態では、ラジアル空気軸受を構成する動
圧発生部領域41a,41bのうち最もガスシール部領
域42側に位置するもの(即ち41a)が、その他のも
の(即ち41b)に比べて幅広に形成されている。この
ため、上述したように、バランスのとれたラジアル軸受
を得ることができる。
【0040】(2)また、本実施形態のターボ分子ポン
プ1は、上記のごとくバランスのとれたラジアル軸受を
備えたものとなている。このため、回転軸14が比較的
大きな荷重に耐えて高速回転をすることができる。従っ
て、超高真空状態を確実に得ることが可能な高性能のタ
ーボ分子ポンプ1を提供することができる。
【0041】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・ 第1の動圧発生部領域41aが有する動圧溝43
を、第2の動圧発生部領域41bが有する動圧溝43よ
りも1.1倍〜2.0倍ほど深くしてもよい。このよう
にすると、両動圧発生部領域41a,41bの幅がとも
に等しくても第1の動圧発生部領域41aによる流体収
集能力を高くすることができ、もって軸受剛性が向上す
るからである。なお、この場合において第1の動圧発生
部領域41aを幅広に形成しても勿論よい。
【0042】・ 動圧発生部領域41a,41bは2列
に限定されることはなく、それ以上(即ち3列、4列、
5列…)であってもよい。 ・ スラスト軸受を構成する磁石は永久磁石のみに限定
されることはなく、電磁石であってもよい。例えば固定
側の磁石を電磁石とし、回転軸14側を永久磁石とすれ
ば、モータ12の構造を簡単かつ小型にすることができ
る。
【0043】・ 本発明の圧力発生装置は前記実施形態
のようなブラシレスモータ12を備えたものとして具体
化されるばかりでなく、例えばブラシ付きのモータとを
備えたものとして具体化されてもよい。
【0044】・ 本発明の圧力発生装置はターボ分子ポ
ンプとして具体化されるばかりでなく、例えばコンプレ
ッサとして具体化されることもできる。次に、特許請求
の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施
形態によって把握される技術的思想をその効果とともに
以下に列挙する。
【0045】(1) 非接触式の軸受によりラジアル方
向及びスラスト方向の移動が規制された回転軸を備える
モータにおいて、前記回転軸のラジアル方向の移動を規
制する非接触式の軸受は、筒状体の外周面に所定幅で形
成された複数列の動圧発生部領域と、前記複数列の動圧
発生部領域の一端に隣接して形成されたガスシール部領
域とを備える空気軸受であり、前記動圧発生部領域のう
ち最も前記ガスシール部領域側に位置するものは、他の
ものよりも幅広に形成されていることを特徴とするモー
タ。
【0046】(2) 非接触式の軸受によりラジアル方
向及びスラスト方向の移動が規制された回転軸を備える
モータにおいて、前記回転軸のラジアル方向の移動を規
制する非接触式の軸受は、筒状体の外周面に所定幅で形
成された複数列の動圧発生部領域と、前記複数列の動圧
発生部領域の一端に隣接して形成されたガスシール部領
域とを備える空気軸受であり、前記動圧発生部領域のう
ち最も前記ガスシール部領域側に位置するものが有する
動圧溝は、他のものが有する動圧溝よりも深くなるよう
に形成されていることを特徴とするモータ。
【0047】(3) 非接触式の軸受によりラジアル方
向及びスラスト方向の移動が規制された回転軸を備える
モータと、前記回転軸に取付けられた翼とを備え、前記
翼の回転により作動流体を一方向に送り出して負圧また
は正圧を発生させる圧力発生装置において、前記回転軸
のラジアル方向の移動を規制する非接触式の軸受は、筒
状体の外周面に所定幅で形成された2列の動圧発生部領
域と、前記2列の動圧発生部領域の一端に隣接して形成
されたガスシール部領域とを備える空気軸受であり、前
記動圧発生部領域のうち前記ガスシール部領域側に位置
するものは、他のものよりも幅広に形成されていること
を特徴とする圧力発生装置。
【0048】(4) 非接触式の軸受によりラジアル方
向及びスラスト方向の移動が規制された回転軸を備える
モータと、前記回転軸に取付けられた翼とを備え、前記
翼の回転により作動流体を一方向に送り出して負圧また
は正圧を発生させる圧力発生装置において、前記回転軸
のラジアル方向の移動を規制する非接触式の軸受は、筒
状体の外周面に所定幅で形成された2列の動圧発生部領
域と、前記2列の動圧発生部領域の一端に隣接して形成
されたガスシール部領域とを備える空気軸受であり、前
記動圧発生部領域のうち前記ガスシール部領域側に位置
するものが有する動圧溝は、他のものが有する動圧溝よ
りも深くなるように形成されていることを特徴とする圧
力発生装置。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜3に記
載の発明によれば、バランスのとれたラジアル軸受を備
える圧力発生装置を提供することができる。
【0050】請求項4に記載の発明によれば、超高真空
状態を確実に得ることが可能な高性能のターボ分子ポン
プを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態におけるターボ
分子ポンプの断面図。
【図2】実施形態のブラシレスモータの断面図。
【図3】(a)は従来例の空気軸受を構成する筒状カバ
ーの外周面を示す側面図、(b)は実施形態の空気軸受
を構成する筒状カバーの外周面を示す側面図。
【図4】(a)は従来例の空気軸受における圧力分布を
示す概略図、(b)は実施形態の空気軸受における圧力
分布を示す概略図。
【符号の説明】
1…ターボ分子ポンプ、5…翼としての静翼、12…モ
ータとしてのブラシレスモータ、14…回転軸、19…
翼としての動翼、25…筒状体としての筒状カバー、4
1a,41b…動圧発生部領域、42…ガスシール部領
域、43…動圧溝。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 33/74 F16C 33/74 Z Fターム(参考) 3H021 AA01 BA10 DA18 3H022 AA03 BA06 CA14 DA15 3H031 EA07 FA14 3J011 BA02 CA03 KA02 MA07 3J016 AA02 BB28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非接触式の軸受によりラジアル方向及びス
    ラスト方向の移動が規制された回転軸を備えるモータ
    と、前記回転軸に取付けられた翼とを備え、前記翼の回
    転により作動流体を一方向に送り出して負圧または正圧
    を発生させる圧力発生装置において、 前記回転軸のラジアル方向の移動を規制する非接触式の
    軸受は、筒状体の外周面に所定幅で形成された複数列の
    動圧発生部領域と、前記複数列の動圧発生部領域の一端
    に隣接して形成されたガスシール部領域とを備える空気
    軸受であり、前記動圧発生部領域のうち最も前記ガスシ
    ール部領域側に位置するものは、他のものよりも幅広に
    形成されていることを特徴とする圧力発生装置。
  2. 【請求項2】非接触式の軸受によりラジアル方向及びス
    ラスト方向の移動が規制された回転軸を備えるモータ
    と、前記回転軸に取付けられた翼とを備え、前記翼の回
    転により作動流体を一方向に送り出して負圧または正圧
    を発生させる圧力発生装置において、 前記回転軸のラジアル方向の移動を規制する非接触式の
    軸受は、筒状体の外周面に所定幅で形成された複数列の
    動圧発生部領域と、前記複数列の動圧発生部領域の一端
    に隣接して形成されたガスシール部領域とを備える空気
    軸受であり、前記動圧発生部領域のうち最も前記ガスシ
    ール部領域側に位置するものが有する動圧溝は、他のも
    のが有する動圧溝よりも深くなるように形成されている
    ことを特徴とする圧力発生装置。
  3. 【請求項3】前記動圧発生部領域のうち最も前記ガスシ
    ール部領域側に位置するものは、他のものよりも幅広に
    形成されていることを特徴とする請求項2に記載の圧力
    発生装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧
    力発生装置を備えたターボ分子ポンプ。
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