JP3399800B2 - モータ及びターボ分子ポンプ - Google Patents

モータ及びターボ分子ポンプ

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JP3399800B2 JP25907097A JP25907097A JP3399800B2 JP 3399800 B2 JP3399800 B2 JP 3399800B2 JP 25907097 A JP25907097 A JP 25907097A JP 25907097 A JP25907097 A JP 25907097A JP 3399800 B2 JP3399800 B2 JP 3399800B2
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    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/05Shafts or bearings, or assemblies thereof, specially adapted for elastic fluid pumps
    • F04D29/051Axial thrust balancing
    • F04D29/0513Axial thrust balancing hydrostatic; hydrodynamic thrust bearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D19/00Axial-flow pumps
    • F04D19/02Multi-stage pumps
    • F04D19/04Multi-stage pumps specially adapted to the production of a high vacuum, e.g. molecular pumps
    • F04D19/042Turbomolecular vacuum pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/44Centrifugal pumps
    • F16C2360/45Turbo-molecular pumps

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えばターボ分子ポ
ンプ等の装置に使用されるモータのように、装置内に発
生する作動流体圧(負圧)等により回転軸にスラスト方
向の負荷を受ける使われ方をするモータ及びターボ分子
ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、スパッタリング装置、CVD装
置、エッチング装置等の半導体関連装置および電子顕微
鏡、表面分析装置、環境試験装置などにおいて、超高真
空状態を得るためにターボ分子ポンプが使用されてい
る。ターボ分子ポンプは、動翼を有する回転軸を回転さ
せて分子流をつくることにより気体を排気して真空を発
生させるためのものである。超高真空を得るためには回
転軸を高速回転させることが必要であり、高速回転を円
滑にするには高速回転に適した軸受を採用する必要があ
る。
【0003】従来、このような高速回転する回転軸に対
しては、一般にボールベアリングが使用されていた。ボ
ールベアリングにはその作動を円滑にするために潤滑油
が供給されていた。ところが、ターボ分子ポンプのよう
に超高真空を作り出すポンプでは、ベアリングのための
潤滑油が高い真空度のために気化してしまい、超高真空
を得られないばかりか、気化した潤滑油が真空室に流入
して汚染を引き起こすという問題が生じる。このため、
潤滑油を使用しなくて済むように、空気軸受や磁気軸受
等の非接触式の軸受を使用して回転軸の移動を規制する
ターボ分子ポンプが提案されている(実開昭63−14
894号公報、特開平2−16389号公報等)。例え
ば特開平2−16389号公報には、空気軸受と磁気軸
受を使用してモータの回転軸の移動を規制する図5に示
すターボ分子ポンプが開示されている。
【0004】図5に示すターボ分子ポンプ61では、動
翼62aを有するロータ62が取付けられたモータ63
の回転軸64は、磁気軸受65と空気軸受66とによっ
てラジアル方向およびスラスト方向に移動が規制されて
いた。磁気軸受65はロータ62の凹部62b内にハウ
ジング67から円柱状に延出する延出部67aに対し、
凹部62bの内周面と対向する位置に取付けられた複数
の磁石を備え、磁石による反発力を利用して磁気軸受6
5が構成されていた。また、空気軸受66は回転軸64
のケーシング68から突出した基端部に設けられた動圧
軸受部69の面上に形成された動圧溝によって圧力気体
膜を形成することで構成されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ターボ分子ポンプ61
では、動翼62aと静翼70との相対回転によって空気
が排気されて超高真空状態が作られる。このとき、排気
によって生じた負圧がロータ62に作用し、回転軸64
にはロータ62側に引込まれるスラスト方向の負荷
(力)が働くことになる。
【0006】ターボ分子ポンプ等の超高真空を作り出す
装置においては、この負圧によって回転軸のスラスト方
向に働く負荷が非常に大きいため、最大負荷を受けても
回転軸を非接触状態に支持できるように軸受の隙間を確
保する必要がある。このため、空気軸受であれば圧力気
体膜を広い面積で確保できるように、その配設数の増加
や大型化などの対策が必要であり、磁気軸受であれば磁
石の反発力を強く確保できるように、磁石の配設数の増
加や磁石の大型化などの対策が必要であった。
【0007】このため、非接触式の軸受をモータのケー
シング内に収めようとすると、モータの大型化やその構
造の複雑化をもたらすという問題があった。また、モー
タの大型化やその構造の複雑化を避けようとすると、図
5に示したポンプ構造のように、軸受をモータのハウジ
ングの外側に設けざるを得なかった。
【0008】このため、ポンプにモータを組付けるとき
に回転軸を支持するための軸受の組付けを一緒にしなけ
ればならず組付工数が増えるという問題があった。ま
た、ポンプの設計時に軸受の設置スペースや軸受を取付
けられるようにポンプの構成部品の形状をも軸受を考慮
しながら設計しなければならなかった。
【0009】また、回転軸の移動を規制する軸受を磁気
軸受だけで構成するターボ分子ポンプ用のモータが提案
され実用化されてはいるが、モータに磁気軸受をコンパ
クトに収めるため、磁力の強い高価な磁性材料を使用
し、さらに複雑な励磁回路を必要とするため、相当高価
なものになるばかりでなく、全体の構造も複雑になって
いた。
【0010】本発明は上記の課題を解決するためなされ
たものであり、その第1の目的は、回転軸が非接触式の
軸受だけで支持されるモータにおいて、回転軸にスラス
ト方向の負荷がかかる使われ方をしても、軸受構造が簡
単なために構造を複雑にすることなく小型化できるモー
タ及びターボ分子ポンプを提供することにある。第2の
目的は、回転軸のスラスト方向への移動を磁気軸受を使
って規制し、モータを小型化することにある。第3の目
的は、空気軸受と磁気軸受との組合せにより、モータを
簡単な軸受構造でもって小型化することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明では、回転軸を回転さ
せるための回転子と電機子とを備え、回転軸にスラスト
方向の負荷がかかる装置に使用されるモータであって、
前記回転軸のラジアル方向の移動を規制する非接触式の
軸受と、前記回転軸のスラスト方向の移動を規制し、そ
の移動規制方向の相異なる一対の磁気軸受とを備え、前
記回転軸がスラスト方向に受ける負荷により変位する方
向と反対方向に予め前記回転軸を偏位させるように、前
記一対の磁気軸受を構成する移動規制方向の相異なる磁
石の反発力を不均衡に設定した。
【0012】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記モータは前記回転軸に設けられ
る動翼と、該動翼の回転によって分子流を作るために必
要な静翼とを備えるターボ分子ポンプに備えられるもの
であって、前記動翼の回転による排気によって該動翼が
受ける負圧に基づいて前記回転軸にスラスト方向にかか
る負荷により前記回転軸が変位する方向と反対方向に予
め前記回転軸を偏位させるように、前記回転子を挟んだ
両側に1つずつ設けられて前記回転軸のスラスト方向の
移動を規制する前記一対の磁気軸受を構成する二組の磁
石の反発力を不均衡に設定した。
【0013】第2の目的を達成するために請求項3に記
載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明にお
いて、前記一対の磁気軸受を構成する各組の磁石は全て
同じ磁性材料であって、前記各組の磁石の反発力が組を
なすもの同士の対向面積の設定により決められている。
【0014】第3の目的を達成するために請求項4に記
載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記
載の発明において、前記回転軸のラジアル方向に支持す
る前記非接触式の軸受は、前記回転子の外周面に沿うよ
うな圧力気体膜を形成する空気軸受である。
【0015】請求項5に記載の発明では、ターボ分子ポ
ンプには、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の
モータが備えられている。 (作用)請求項1に記載の発明によれば、モータの回転
軸は非接触式の軸受によりラジアル方向の移動が規制さ
れ、一対の磁気軸受によりスラスト方向の移動が規制さ
れる。一対の磁気軸受を構成する複数組の磁石は、相異
なる移動規制方向における各反発力が不均衡となるよう
に設定される。このため、回転軸はスラスト方向に負荷
を受けていないとき、負荷を受けたときに変位する方向
と反対方向に予め偏位している。この状態では、一対の
磁気軸受を構成する移動規制方向の相異なる磁石の組を
なすもの同士が接触し合うまでに回転軸を各磁気軸受の
反発力に抗して変位させる際、回転軸を負荷を受ける方
向へ変位させる場合の方が、回転軸を負荷を受ける方向
と反対方向へ変位させる場合よりも、より大きな力が必
要となる。つまり、一対の磁気軸受を構成する移動規制
方向の相異なる磁石の反発力の不均衡が、それらの反発
力を均衡させた構成に比べ、回転軸にスラスト方向の負
荷がかかった際に磁気軸受を軸受として機能させるため
に必要となる移動規制方向の相異なる磁石の反発力の絶
対値をなるべく小さくすることが可能となる。従って、
回転軸がスラスト方向に受ける負荷の割りに磁気軸受を
構成する磁石を小型で済ませられる。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、ターボ分
子ポンプに備えられたモータが駆動する際、動翼と静翼
との相対回転による排気によって生じた負圧が動翼に作
用する。このため、動翼が取付けられた回転軸にスラス
ト方向の負荷がかかる。回転軸のスラスト方向の移動を
規制する一対の磁気軸受を構成する二組の磁石の反発力
が不均衡に設定されていることから、回転軸はその負荷
を受けていないときには、その負荷を受けたときに変位
する方向と反対方向に予め偏位している。従って、一対
の磁気軸受を構成する移動規制方向の相異なる磁石の反
発力を均衡させた構成に比べ、回転軸にスラスト方向の
負荷がかかった際に磁気軸受を軸受として機能させるた
めに必要となる移動規制方向の相異なる磁石の反発力の
絶対値をなるべく小さくすることが可能となる。従っ
て、回転軸がスラスト方向に受ける負荷の割りに磁気軸
受を構成する磁石を小型で済ませられる。また、一対の
磁気軸受が回転子を挟む両側に1つずつ設けられること
から、磁気軸受を構成する磁石を必要最小の2組で済
む。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、磁気軸受
を構成する移動規制方向の相異なる磁石の反発力の不均
衡は、同じ磁性材料からなる一対の磁気軸受を構成する
各組の磁石の組をなすもの同士の対向面積の設定により
作り出される。つまり、移動規制方向の相異なる磁石の
サイズを異ならせるだけで反発力の不均衡が簡単に作り
出される。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、回転軸の
ラジアル方向の移動を非接触式で規制する空気軸受は、
回転子の外周面に沿うように圧力気体膜を形成する。こ
のため、空気軸受の容積を採らずに広い面積の圧力気体
膜が確保される。従って、回転軸のラジアル方向の移動
を規制する規制力が強く確保されるうえ、モータの小型
化が図られる。
【0019】請求項5に記載の発明によれば、ターボ分
子ポンプには、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記
載のモータが備えられるので、ターボ分子ポンプによっ
て、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明と
同様の作用が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明をターボ分子ポンプ
に具体化した一実施形態を図面を参照して説明する。
【0021】図1は、本実施形態のターボ分子ポンプを
示す。装置としてのターボ分子ポンプ1は、真空室(図
示せず)から排気する空気の引込口となる吸気口3aを
有する筒状のアッパハウジング3と、ロアハウジング4
とからなる。アッパハウジング3の内周面には、複数の
静翼5が支持部材6により内方へ放射状に延出する状態
に取付けられている。
【0022】また、アッパハウジング3の下端開口には
略円環状の支持部材7が嵌合されている。支持部材7の
上面には環状に延びる凹部7aが形成され、凹部7aの
底面上一箇所にその下面側に貫通する貫通穴7bが形成
されている。排気管8は貫通穴7bに接続された状態
で、支持部材7を介してアッパハウジング3に螺着され
たボルト9により固定されている。また、支持部材7は
排気管8以外の部分で複数のボルト10(但し、同図で
は1本のみ図示)によりアッパハウジング3に固定され
ている。ロアハウジング4は、その側部に形成された開
口4aに排気管8の先端部分を外側へ引き出した状態
で、支持部材7に対して複数のボルト11により固定さ
れている。排気管8の先端部は排気口8aを有するフラ
ンジ状に形成されている。
【0023】モータとしてのブラシレスモータ(以下、
単にモータという)12は支持部材7の内周面にそのケ
ーシング13の外周面を当接させた状態で支持され、回
転軸14を吸気口3a側に突出させた状態で配置されて
いる。支持部材7とアッパハウジング3の間、及び支持
部材と7のモータ12との間にはシール部材15,16
がそれぞれ介されている。支持部材7の上面と吸気口3
との間の空間が空気引込室Rとなっている。空気引込室
Rは各シール部材15,16により気密性高く密閉され
ている。
【0024】回転軸14の先端部にはロータ17がナッ
ト18を締結することにより取付けられている。ロータ
17は略有底円筒状を有し、その外周面上に放射状に延
出する複数の動翼19が各静翼5の間隙に入り込んでい
る。モータ12が駆動されてロータ17が回転すること
により、動翼19と静翼5との間に吸気口3aの空気を
引込んで排気口8aへ排出する吸引力が生じるようにな
っている。
【0025】本実施形態では、ブラシレスモータ12の
構造に特徴を有する。図1,図2に示すように、モータ
12を構成するケーシング13の内周面前端側(図2に
おける右端側)にはその軸心に向かう内側へ周方向全域
に亘って環状に突出する突出部13aが形成されてい
る。突出部13aによりケーシング13の内周面前端側
には段部13bが形成されている。段部13bには略環
状の閉塞部材20が嵌合された状態でボルト(図示せ
ず)を用いて固定されている。閉塞部材20にはその軸
心を通るように挿通孔20aが形成されている。
【0026】また、ケーシング13の内周面後端側には
回転軸14の基端に相当する位置に、閉塞部材21が嵌
合されている。閉塞部材21にはその軸心を通るように
挿通孔21aが形成され、大気に開放されている。ケー
シング13内において、両閉塞部材20,21に挟まれ
た領域にモータ室22が形成されている。
【0027】モータ室22には回転軸14が回転可能に
収容されており、回転軸14は基端側が閉塞部材21の
挿通孔21aに遊挿され、先端側が閉塞部材20の挿通
孔20aに遊貫されて外方に突出している。回転軸14
にはモータ室22内に配置される領域部分に所定間隔を
隔して2つのブッシュ23が外嵌された状態で固定され
ている。両ブッシュ23,23間には回転子としての界
磁マグネット24が保持されている。界磁マグネット2
4は回転軸14の周囲において4個の永久磁石片を互い
に隣接する磁極が異極となるように円環状に交互に配置
して構成されている。両ブッシュ23,23の対向部外
周には周方向に切欠いた段部23aがそれぞれ形成され
ており、両段部23a,23a間にはセラミックス焼結
材料によって形成された筒状カバー25が嵌め込まれて
固定されている。筒状カバー25は界磁マグネット24
の外周面を包囲している。なお、ブッシュ23はバラン
ス調整の機能を有する。
【0028】前側のブッシュ23の外側端面には回転軸
14に外嵌された状態で円環状の永久磁石26が固着さ
れている。閉塞部材20の内側面上には永久磁石26と
対向するように円環状の永久磁石27が回転軸14を遊
挿する状態で埋設されている。相対向する両永久磁石2
6,27は共に大径サイズである。また、後側のブッシ
ュ23の外側端面には回転軸14に外嵌された状態で円
環状の永久磁石28が固着されている。閉塞部材21の
内側面上には永久磁石28と対向するように円環状の永
久磁石29が回転軸14を遊挿する状態で埋設されてい
る。相対向する両永久磁石28,29は共に小径サイズ
である。永久磁石26〜29は全て同じ磁性材料からな
り、本実施形態ではその材質はネオジウム系磁石であ
る。また、永久磁石26〜29の材質として、サマリウ
ム系磁石などを使用してもよい。なお、各永久磁石26
〜29により磁石が構成される。
【0029】回転軸14は界磁マグネット24を挟む前
後両側に設けられた一対の永久磁石26,27からなる
磁気軸受30と、一対の永久磁石28,29からなる磁
気軸受31とによりそのスラスト方向の移動が規制され
る。すなわち、各磁気軸受30,31を構成する二組の
永久磁石26〜29は、対をなすもの同士が互いの対向
面が異極となるように配置され、対をなすもの同士の間
に反発力が作用するようになっている。磁気軸受30を
構成する一対の永久磁石26,27の反発力により回転
軸14はスラスト方向前側への移動が規制され、磁気軸
受31を構成する一対の永久磁石28,29の反発力に
より回転軸14はスラスト方向後側への移動が規制され
る。そして、各磁気軸受30,31を構成する二組の永
久磁石26〜29の対をなすもの同士の反発力を回転軸
14が相異なる向きに受けることにより、回転軸14は
スラスト方向に位置規制される。
【0030】磁気軸受30を構成する永久磁石26,2
7の反発力と、磁気軸受31を構成する永久磁石28,
29の反発力は、それぞれ対をなすもの同士の対向し合
う面積にほぼ依存する。回転軸14に外嵌された各永久
磁石26,28は同一軸線上に配置されるとともにそれ
ぞれの内径が等しい。また、各閉塞部材20,21に埋
設された各永久磁石27,29は、その内周面を各挿通
孔20a,21aの内周面に揃えるように同一軸線上に
配置され、それぞれの内径が等しい。このため、各永久
磁石26〜29の対をなすもの同士の対向面積が各永久
磁石26〜29のサイズ、すなわちその外径によって決
まることになる。
【0031】本実施形態では、ターボ分子ポンプ1の運
転時にロータ17に作用する負圧により回転軸14にス
ラスト方向の負荷がかかったときに回転軸14が変位す
る方向と反対側に予め回転軸14が偏位した状態となる
ように、両磁気軸受30,31の反発力を不均衡(アン
バランス)に設定している。このために磁気軸受30を
構成する各永久磁石26,27を大径サイズとし、磁気
軸受31を構成する永久磁石28,29を小径サイズと
している。従って、磁気軸受30を構成する永久磁石2
6,27のギャップ(間隙)が相対的に広く、磁気軸受
31を構成する永久磁石26,27のギャップが相対的
に狭くなっている。
【0032】永久磁石26,27と、永久磁石28,2
9とのそれぞれの外径サイズは、吸気口3aにおける負
圧が最大負圧に達したときのスラスト力を回転軸14が
受けても、磁気軸受30を構成する各永久磁石26,2
7が接触せず、しかも回転軸14にスラスト方向の負荷
がかかっていないときに磁気軸受31を構成する各永久
磁石28,29が接触しないような比となるように設定
してある。永久磁石26〜29の詳しいサイズについて
は、実験データとともに後述する。
【0033】回転軸14に対しブッシュ23、界磁マグ
ネット24、筒状カバー25及び永久磁石26,28を
一体的に固定することにより回転体32が構成される。
回転体32の周囲にはセラミックス焼結材料(絶縁材)
によって円筒状に形成された包囲部材33が配置されて
いる。包囲部材33は、ケーシング13の突起部13a
と後側の閉塞部材21に固定され、その内周面が筒状カ
バー25の外周面と所定間隔を隔する状態に筒状カバー
25と同一軸線上に配置されている。なお、筒状カバー
25や包囲部材33の材質として、例えば窒化ほう素、
アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化珪素、
窒化ほう素などの焼結材料を用いることもできる。 ま
た、図3に示すように、筒状カバー25の外周面上はそ
の軸方向中央部分が所定幅で周方向に延びる2列の空気
軸受部34となっている。空気軸受部34には複数のヘ
リングボーン状の動圧溝34aが周方向に等間隔で形成
されている。また、筒状カバー25の外周面上において
空気軸受部34の前側の領域がガスシール部35となっ
ている。ガスシール部35にはスパイラル状のガスシー
ル溝35aが形成されている。また、包囲部材33の内
周面は、接触摺動性に優れた周面となるように研磨加工
されている。なお、包囲部材33と空気軸受部34とに
より非接触式の軸受である空気軸受が構成される。
【0034】図2,図3に示すように、包囲部材33に
はその軸方向において筒状カバー25の外周面上に形成
された動圧溝34aおよびガスシール溝35aの各形成
領域を区画する2つの狭い無地領域と対向する軸方向上
の二位置に給気孔33aが形成されている。給気孔33
aは包囲部材33の周方向に等間隔に二列形成されてお
り、計6個設けられている。
【0035】給気管36は閉塞部材21を貫通して包囲
部材33の外周面外側の隙間に連通するように嵌挿さ
れ、大気に開放されている。ブラシレスモータ12が駆
動される際は、各給気孔33aを通して包囲部材33の
内周面と筒状カバー25の外周面との隙間に動圧溝34
aにより空気が導入される。そして、回転体32が所定
方向に回転する回転時には動圧溝34aの作用により筒
状カバー25と包囲部材33との隙間への空気の導入が
促進されて圧力気体膜が形成され、回転軸14のラジア
ル方向の移動が規制される。
【0036】また、ケーシング13の内周面には円筒状
のヨーク38が設けられている。包囲部材33の外周面
上には電機子としての三つの電機子コイル39が周方向
に等間隔に配置されるように設けられている。各電機子
コイル39の周方向の機械角はほぼ90°〜120°と
なっている。
【0037】包囲部材33の外周面上にはその軸方向に
おいて各電機子コイル39と並ぶ位置に三つの磁気セン
サ(ホール素子)40が設けられている。そして、磁気
センサ40が界磁マグネット24を構成する永久磁石片
の磁極を検出して得られる回転数検出信号が、各電機子
コイル39を流れる電流の制御にフィードバックされて
回転軸14が定速制御される。
【0038】本実施形態では、永久磁石26〜29のサ
イズ(外径)を実験データに基づいて決定している。実
験は以下のように行った。小径サイズ側の永久磁石2
8,29の外径をφ11mmに固定し、大径サイズ側の
永久磁石26,27をφ11mm〜φ15mmの範囲で
1mmずつ変化させた。永久磁石28,29の外径をφ
11mmにしたのは、磁気軸受31の小型化を図りつつ
できるだけ大きな反発力が得られるように回転体32の
外径にほぼ合わせたためである。そして、永久磁石2
6,27の外径の最適値範囲を見つけ出すため、回転軸
14にスラスト力(スラスト負荷容量)(kgf)を0
kgfから徐々に付与していき、そのときの永久磁石2
6,27の間隙(ギャップ)δ1と、永久磁石28,2
9の間隙δ2(図3を参照)とを計測し、回転体32の
位置偏位を調べた。
【0039】本実施形態では、回転体32の端面と永久
磁石27,29の側面との間にできるスラスト方向の隙
間(スラスト隙間)は、1.0mmとなっている。この
ため、回転軸14の偏位位置によらず常にδ1+δ2=
1.0mmの関係が成立する。
【0040】図4は実験結果を示すグラフである。横軸
にδ1とδ2との関係を示すスラスト隙間(mm)が示
され、縦軸に回転軸14にスラスト方向に働くスラスト
負荷容量(kgf)が示されている。スラスト隙間1.
0mmを分割するδ1とδ2との分割点をプロットした
ものであり、横軸において、0mmからプロット点まで
の長さがδ2(mm)、プロット点から1.0mmまで
の長さがδ1(mm)で表されている。
【0041】本実施形態のターボ分子ポンプ1では、回
転軸14のスラスト方向に働く最大スラスト負荷容量が
約1.1kgf(グラフ中の破線部)である。このた
め、スラスト負荷容量はターボ分子ポンプ1の吸気口3
aにおいて大気圧のときの最小負荷容量「0kg」から
最大負荷容量「約1.1kg」までの使用範囲におい
て、δ1とδ2がいずれか一方でも「0mm」となるこ
とがないように設定する必要がある。
【0042】図4のグラフから分かるように、永久磁石
28,29の外径φ11mmに対し、永久磁石26,2
7の外径がφ13mm〜φ15mmのときに、負荷容量
「0kgf〜約1.1kgfの使用範囲において、δ1
とδ2が共に「0mm」とはならない。なお、永久磁石
26,27の外径がφ16mmのときは最小負荷容量0
kgfのときにδ2が「0mm」となり不適であった。
よって、永久磁石28,29の外径φ11mmに対し、
永久磁石26,27の外径φ13mm〜15mmの範囲
が好適であることが確認された。また、φ13mm〜1
5mmの範囲は、ケーシング13の外径を大きくせずに
済む範囲でもある。
【0043】本実施形態では、特にφ11mm−φ14
mmの組合せを採用した。その理由は使用範囲におい
て、隙間δ1,δ2を共になるべく広く確保できる条件
だからである。他の条件、例えばφ11mm−φ13m
mの組合せを採用した場合は、永久磁石26,27の外
径が小さくて済み、磁気軸受30の小型化、すなわちモ
ータ12の小型化を図るうえで有効である。さらにφ1
1mm−φ15mmの組合せを採用した場合は、回転軸
14に最大スラスト負荷容量が働いたときの安全をより
大きく見込むことが可能である。
【0044】次に、このように構成された装置の動作に
ついて説明する。吸気口3aにおける圧力が大気圧にあ
る状態では、磁気軸受30,31を構成する2組の永久
磁石26〜29の外径サイズの不均衡により、回転軸1
4はロータ17の取付け側と反対側、すなわち、負圧に
よって回転軸14にかかることになる負荷の向きと反対
方向(後方向)に偏位した状態にある。特に、本実施形
態では、回転体32は永久磁石26,27の間隙δ1
と、永久磁石28,29の間隙δ2との比が「8:2」
となる位置に偏位している。
【0045】モータ12が駆動されると、動圧溝34a
の作用により空気は各給気孔33aを通過して包囲部材
33と筒状カバー25との隙間に供給される。このた
め、回転体32が包囲部材33の内周面に対して浮上し
て回転する。回転体32が回転すると、動圧溝34aに
よって空気の導入が促進されて圧力気体膜が形成され
る。回転軸14は回転体32と包囲部材33との隙間に
できたこの圧力気体膜を介して非接触でラジアル方向の
移動が規制される。
【0046】一方、モータ12の駆動が開始されてロー
タ17が回転すると、動翼19と静翼5との相対回転に
よって吸気口3aから空気が引込まれて排気管8を通っ
て排気される。真空室内の真空度が高まるに連れて、負
圧によってロータ17を吸気口3a側へ引込もうとする
負荷が回転軸14に働く。このため、真空室内の真空度
が高まって回転軸14に働くスラスト負荷容量が次第に
大きくなるに連れて、回転軸14がスラスト方向に図3
に矢印で示す向きに徐々に変位することになる。このと
き、スラスト負荷容量が大きくなるに連れて、図4のグ
ラフに示すように、φ11−φ14である本実施形態で
は、初期にδ1:δ2=8:2であったものが、永久磁
石28,29の間隙δ2が徐々に広くなるとともに、永
久磁石26,27の間隙δ1が徐々に狭くなる。そし
て、真空室が最大真空度に達し、回転軸14にかかるス
ラスト負荷容量が最大値(約1.1kgf)になったと
きには、δ1:δ2≒3:7となる。よって、ターボ分
子ポンプ1が駆動開始されてから最大真空度に達するま
で両磁気軸受30,31を構成する各永久磁石26〜2
9の対をなすもの同士が接触することがなく、スラスト
方向を規制する軸受として支障なく機能する。
【0047】以上詳述したように本実施形態によれば、
次に示す特徴的効果が得られる。 (1)回転軸14のスラスト方向の移動を規制する一対
の磁気軸受30,31を、それらを構成する永久磁石2
6,27と永久磁石28,29との反発力を不均衡に設
定し、回転軸14を負圧によるスラスト力を受けて変位
する方向と反対側に予め偏位させておく構成とした。よ
って、回転軸14にかかる負荷の割りに磁気軸受30,
31を小型で済ませられ、ターボ分子ポンプ用に小型で
構造の簡単なブラスレスモータ12を提供することがで
きる。
【0048】(2)一対の磁気軸受30,31において
永久磁石26〜29の材質を同じものを使用し、永久磁
石26〜29の外径のみを異ならせたので、永久磁石2
6〜29の外径の変更だけでターボ分子ポンプ1に採用
するうえで小型で構造の簡単なブラスレスモータ12を
提供することができ、ブラシレスモータ12のコストを
低く抑えることができる。
【0049】(3)磁気軸受30を構成する永久磁石2
6,27の間隙δ1と、磁気軸受30を構成する永久磁
石28,29の間隙δ2を、使用範囲の負荷容量におい
て各間隙を共にできるだけ広く保つことができるよう
に、永久磁石26〜29のうち対をなすものの反発力の
強さの比、すなわち永久磁石26〜29の対をなすもの
同士の外径比として「8:2」の組合わせを選択した。
このため、永久磁石26〜29の寸法のばらつきや、回
転軸14にかかる負圧容量にばらつきがあっても、永久
磁石26〜29の接触による支障が起こらないように安
全を見込むことができる。
【0050】(4)界磁マグネット24の外周面を包囲
する筒状カバー25の外周面上を動圧溝34aが形成さ
れた空気軸受部34とし、回転軸14のラジアル方向の
移動を規制する空気軸受としたので、空気軸受と磁気軸
受との組合わせによりブラシレスモータ1をより小型で
簡単な構造とすることができる。
【0051】(5)小径サイズの永久磁石28,29の
外径を回転体32の外径に合わせ、大径サイズの永久磁
石26,27の外径を回転体32の外径よりも大きく、
しかも永久磁石26,27の外径を大きくしたためにケ
ーシング13の外径を大きくせざるを得ない事態を引き
起こさなくて済む範囲で、永久磁石26〜29の外径比
を設定した。このため、小型化をできるだけ図りつつ、
スラスト方向の負荷に強いモータ12を提供できる。
【0052】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことはなく、例えば次のような形態に変更することが可
能である。 (n)回転軸14の移動規制方向の相異なる永久磁石2
6,27と永久磁石28,29の反発力を不均衡にする
ための方法は、永久磁石の外径等のサイズを変える方法
に限定されない。例えば、永久磁石の材質を変更するこ
とにより径を同じにしたままで永久磁石の反発力の不均
衡を作り出してもよい。例えば回転軸14の動翼19が
取付けられる先端側への移動を規制する磁気軸受30
に、磁力の強い材質の永久磁石を使用し、回転軸14の
後端側への移動を規制する磁気軸受31には磁力の弱い
材質の永久磁石を使用し、両磁気軸受30,31におい
て永久磁石の径を同じにする。この構成によっても、モ
ータ12の軸受構造を簡単かつ小型とし、ターボ分子ポ
ンプ用のモータ12を複雑な構造とせずにその小型化を
図ることができる。
【0053】(m)移動規制方向の相異なる磁気軸受を
構成する永久磁石の反発力の不均衡により、モータ12
の回転軸14を偏位させる向きは、回転軸14の突出側
と反対側には限定されない。ターボ分子ポンプ1に取付
けられるモータ12の取付け向きが前記実施形態と逆で
あって、負圧により回転軸14がロータと反対側に押し
込まれる向きの負荷を受ける構成においては、回転軸1
4の突出する側と反対側の磁気軸受を構成する永久磁石
の間隙が予め広く設定されるように、各磁気軸受を構成
する永久磁石の反発力を不均衡に設定することができ
る。
【0054】(p)ターボ分子ポンプ用のモータでの実
施に限定されない。すなわち、回転軸にスラスト方向に
負荷がかかることになる装置に使用されるモータにおい
て実施できる。例えばコンプレッサ用のモータで実施す
ることもできる。コンプレッサでは、大気圧を超える圧
縮圧が回転軸に取付けられた翼に作用し、回転軸にはポ
ンプの場合とは逆方向に負荷がかかることになるので、
磁気軸受を構成する永久磁石の反発力の不均衡は、回転
軸に圧縮圧によってかかる負荷によって回転軸が変位す
る方向と反対方向に予め回転軸を偏位させておけるよう
に設定する。このように回転軸にスラスト方向の負荷が
かかるような装置に使用されるモータにおいて、軸受構
造を簡単かつ小型にでき、ひいてはモータを複雑な構造
とせずに小型化を図ることができる。さらにモータの小
型化によりコンプレッサ等の装置を小型化できる。
【0055】(r)永久磁石26,27と永久磁石2
8,29の外径の比はφ11mm−φ14mmに限定さ
れない。好適な範囲であればその所望する目的に応じて
φ11mm−φ13〜φ15mmの範囲において適宜な
比の組合わせを設定することができる。
【0056】(q)永久磁石26〜29の形状は円環状
に限定されない。回転軸14の回転時において永久磁石
の対向面積、すなわち反発力が一定に保持されるようで
あれば、永久磁石の形状は適宜な形状を採用できる。
【0057】(t)磁石は永久磁石に限定されない。例
えば電磁石を採用してもよい。例えば固定側の磁石を電
磁石とし、回転軸側を永久磁石とすれば、電磁石を使用
しても構造がさほど複雑にならず、モータの構造を簡単
かつ小型にできる。
【0058】(s)回転軸14のスラスト方向の移動を
規制する移動規制方向の相異なる磁気軸受30,31の
配置位置は、回転子(界磁マグネット24)を挟んだ両
側に限定されない。例えば回転子の片側だけに移動規制
方向の相異なる磁気軸受を配置し、回転軸の磁気軸受と
回転子を挟む反対側を空気軸受で支持する構成としても
よい。また、回転軸14のスラスト方向にかかる負荷が
大きいときには磁気軸受を構成する永久磁石の外径を極
力小さくするため、磁気軸受の個数を増やして3つ以上
の磁気軸受を使って回転軸14のスラスト方向の移動を
規制するようにし、3つ以上の磁気軸受を構成する各組
の永久磁石の反発力を移動規制方向の異なる毎に足した
合力が不均衡になるように設定する構成としていもよ
い。この構成によれば、回転軸14のスラスト方向にか
かる負荷が大きくても永久磁石の外径を小さくでき、モ
ータ12をさほど複雑な構造とせずにケーシングの外径
が小さくするような小型化を図れる。
【0059】(x)ブラシレスモータでの実施に限定さ
れない。例えばブラシ付きのモータにおいて実施しても
よい。請求項に係る発明以外であって、前記実施形態か
ら把握される技術的思想をその効果とともに以下に記載
する。
【0060】(イ) 前記請求項1において、前記モー
タが使用される装置は、回転軸に設けられた翼の回転に
よって発生した流体圧が前記翼に作用して前記回転軸の
スラスト方向に負荷がかかる装置である。この構成によ
っても、請求項1と同様の効果が得られる。
【0061】(ロ)請求項1〜請求項5及び前記(イ)
のいずれか一項において、前記一対の磁気軸受を構成す
る移動規制方向の相異なる磁石の反発力の不均衡は、回
転軸にスラスト方向にかかる負荷が無負荷から最大負荷
に至る範囲において前記磁気磁石を構成する全ての対を
なす磁石が非接触に保たれるように設定されている。こ
の構成によれば、回転軸のスラスト方向に負荷がかかる
使われ方をしても、スラスト方向を規制する磁気軸受に
支障がでない。
【0062】(ハ)請求項1又は請求項2において、前
記一対の磁気軸受を構成する磁石は全て同じ材質であ
り、磁石のサイズを異ならせることで前記磁石の反発力
の不均衡を作り出している。この構成によれば、同じ材
質のものを使って磁石のサイズを変えることによって磁
石の反発力の不均衡が作り出される。このため、反発力
の不均衡を作り出すために磁力の強い高価な材質の磁石
を使用しなくて済む。
【0063】(ニ)請求項3及び前記(ハ)において、
前記磁石は全て同じ材質であり、前記一対の磁気軸受を
それぞれ構成する移動規制方向の相異なる磁石の径の比
が、11:13〜11:15の範囲にある。この構成に
よれば、ターボ分子ポンプにおいて、モータの構造を簡
単かつ小型にすることができる。
【0064】(ホ)請求項4において、前記空気軸受は
動圧軸受と静圧軸受で構成される。この構成によれば、
回転軸のスラスト方向の移動をより強く規制できる。 なお、本明細書中において使用した技術用語を次のよう
に定義する。
【0065】磁石:永久磁石、電磁石など磁力を発生さ
せることができるものをいう。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1及び請求項
5に記載の発明によれば、回転軸のスラスト方向の移動
を規制する一対の磁気軸受を構成する移動規制方向の相
異なる複数組の磁石の反発力を不均衡に設定し、回転軸
を予めスラスト方向の負荷を受けたときに変位する方向
と反対方向に偏位させたので、回転軸にかかる負荷の割
りに磁気軸受を構成する磁石が小型で済み、モータを簡
単な構造で小型化できる。
【0067】請求項2及び請求項5に記載の発明によれ
ば、回転子を挟んだ両側に1つずつ設けられた一対の磁
気軸受を構成する移動規制方向の相異なる二組の磁石の
反発力を不均衡に設定し、動翼の回転によって生じる負
圧に基づいてスラスト方向に受ける負荷によって回転軸
が変位する方向と反対方向に予め回転軸を偏位させたの
で、回転軸にかかる負荷の割りに磁気軸受の磁石が小型
で済み、ターボ分子ポンプに適した小型で構造が簡単な
モータを提供できる。
【0068】請求項3及び請求項5に記載の発明によれ
ば、一対の磁気軸受を構成する移動規制方向の相異なる
磁石の組をなすもの同士の対向面積を異ならせること
で、反発力の不均衡を作り出しているので、高価な磁性
材料を使用せず、磁石のサイズ変更をするだけでモータ
を簡単な構造で小型化できる。
【0069】請求項4及び請求項5に記載の発明によれ
ば、回転軸のラジアル方向の移動を規制する非接触式の
軸受を、回転子の外周面に沿うように圧力気体膜を形成
する空気軸受としたので、必要な強さの圧力気体膜を得
るための空気軸受の容積が比較的少なくて済み、モータ
を一層小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ターボ分子ポンプを示す側断面図。
【図2】ブラシレスモータを示す側断面図。
【図3】回転体を構成する筒状カバーの外周面を示す側
面図。
【図4】一対の磁気軸受を構成する磁石の間隙の比とス
ラスト負荷容量との関係を示すグラフ。
【図5】従来のターボ分子ポンプを示す側断面図。
【符号の説明】
1…装置としてのターボ分子ポンプ、5…静翼、12…
モータとしてのブラシレスモータ、14…回転軸、19
…動翼、24…回転子としての界磁マグネット、26,
27…磁石としての永久磁石、28,29…磁石として
の永久磁石、30,31…磁気軸受、33…非接触式の
軸受及び空気軸受を構成する包囲部材、34…非接触式
の軸受及び空気軸受を構成する空気軸受部、34a…非
接触式の軸受及び空気軸受を構成する動圧溝、39…電
機子としての電機子コイル。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を回転させるための回転子と電機
    子とを備え、回転軸にスラスト方向の負荷がかかる装置
    に使用されるモータであって、 前記回転軸のラジアル方向の移動を規制する非接触式の
    軸受と、 前記回転軸のスラスト方向の移動を規制し、その移動規
    制方向の相異なる一対の磁気軸受とを備え、 前記回転軸がスラスト方向に受ける負荷により変位する
    方向と反対方向に予め前記回転軸を偏位させるように、
    前記一対の磁気軸受を構成する移動規制方向の相異なる
    磁石の反発力を不均衡に設定したモータ。
  2. 【請求項2】 前記モータは前記回転軸に設けられる動
    翼と、該動翼の回転によって分子流を作るために必要な
    静翼とを備えるターボ分子ポンプに備えられるものであ
    って、 前記動翼の回転による排気によって該動翼が受ける負圧
    に基づいて前記回転軸にスラスト方向にかかる負荷によ
    り前記回転軸が変位する方向と反対方向に予め前記回転
    軸を偏位させるように、前記回転子を挟んだ両側に1つ
    ずつ設けられて前記回転軸のスラスト方向の移動を規制
    する前記一対の磁気軸受を構成する二組の磁石の反発力
    を不均衡に設定した請求項1に記載のモータ。
  3. 【請求項3】 前記一対の磁気軸受を構成する各組の磁
    石は全て同じ磁性材料であって、前記各組の磁石の反発
    力が組をなすもの同士の対向面積の設定により決められ
    ている請求項1又は請求項2に記載のモータ。
  4. 【請求項4】 前記回転軸のラジアル方向に支持する前
    記非接触式の軸受は、前記回転子の外周面に沿うような
    圧力気体膜を形成する空気軸受である請求項1〜請求項
    3のいずれか一項に記載のモータ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記
    載の前記モータを備えるターボ分子ポンプ。
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