JP3432716B2 - 圧力発生装置及びモータ - Google Patents
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Description
動流体を一方向に送り出して負圧や正圧を発生させる装
置であって、例えばターボ分子ポンプのように、その圧
力(例えば負圧)が翼に作用してモ−タの回転軸にスラ
スト方向の負荷がかかる圧力発生装置及びモータに関す
るものである。
置、エッチング装置等の半導体関連装置および電子顕微
鏡、表面分析装置、環境試験装置などにおいて、超高真
空状態を得るためにターボ分子ポンプが使用されてい
る。ターボ分子ポンプは、モータにより動翼を回転させ
て分子流を作ることにより気体を排気して真空を発生さ
せるものである。超高真空を得るためにはモータの回転
軸を高速回転させることが必要であり、高速回転を円滑
にするには高速回転に適した軸受を採用する必要があ
る。
しては、一般にボールベアリングが使用されていた。ボ
ールベアリングにはその作動を円滑にするために潤滑油
が供給される。ところが、ターボ分子ポンプのように超
高真空を作り出すポンプでは、ベアリングのための潤滑
油が高い真空度のために気化してしまい、超高真空を得
られないばかりか、気化した潤滑油が真空室に流入して
汚染を引き起こすという問題があった。 このため、潤滑
油を使用しなくて済むように、空気軸受や磁気軸受等の
非接触式の軸受を使用して回転軸の移動を規制するター
ボ分子ポンプが提案されている(実開昭63−1489
4号公報、特開平2−16389号公報等)。例えば特
開平2−16389号公報には、空気軸受と磁気軸受を
使用してモータの回転軸の移動を規制する図5に示すタ
ーボ分子ポンプが開示されている。
翼62aを有するロータ62が取付けられたモータ63
の回転軸64は、磁気軸受65と空気軸受66によって
ラジアル方向およびスラスト方向の移動が規制されてい
た。磁気軸受65はハウジング67からロータ62の凹
部62b内に延出する円柱状の延出部67aに、凹部6
2bの内周面と対向する位置に複数の磁石を備え、磁石
による反発力を利用するものであった。また、空気軸受
66は回転軸64のケーシング68から突出した基端部
に動圧軸受部69を設け、この動圧軸受部69の面上に
形成された動圧溝によって圧力気体膜を形成するもので
あった。
では、動翼62aと静翼70との相対回転によって空気
が排気されて超高真空状態が作られる。このとき、排気
によって生じた負圧がロータ62に作用し、回転軸64
にはロータ62側に引込まれるスラスト方向の負荷
(力)が働くことになる。
装置においては、この負圧によって回転軸のスラスト方
向に働く負荷が大きいため、最大負荷を受けても回転軸
を非接触に支持できるような軸受を採用する必要があ
る。例えば空気軸受であれば広い圧力気体膜を確保すべ
く、その配設数の増加や大型化などの対策が必要であ
り、磁気軸受であれば磁石の反発力を強く確保すべく、
磁石の配設数の増加や大型化などの対策が必要であっ
た。
収めようとすると、モータの大型化やその構造の複雑化
がもたらされるという問題があった。また、モータの大
型化等を避けようとすると、図5に示したポンプ構造の
ように、モータのケーシング外に軸受を設けざるを得な
かった。このため、ポンプの製造時にモータとは別に軸
受の組付けを行わなければならず組付工数が増えると共
に、軸受の配設スペースの確保や、軸受の取付けができ
る形状に部品の設計や加工を行わなければならなかっ
た。
軸受だけで構成するターボ分子ポンプ用のモータが提案
され実用化されてはいるが、モータに磁気軸受をコンパ
クトに収めるため、磁力の強い高価な磁性材料を使用
し、さらに複雑な励磁制御回路を必要とするため、相当
高価なものになるばかりでなく、 全体の構造も複雑にな
っていた。
たものであり、その第1の目的は、モータの軸受を潤滑
油等による汚染の心配がない非接触式とした圧力発生装
置において、装置駆動時に回転軸にかかるスラスト方向
の負荷を相殺し、スラスト変位を小さく抑えることによ
りモータを小型化できる圧力発生装置及びモータを提供
することにある。第2の目的は、第1の目的を達成する
ために必要となる装置の構造変更をなるべく小さく抑え
ることにある。第3の目的は、装置の構造変更をモータ
の構造変更だけで済ませることにある。
達成するために請求項1に記載の発明では、非接触式の
軸受によりラジアル方向及びスラスト方向の移動が規制
された回転軸を備えるモータと、前記回転軸に取付けら
れた翼とを備え、前記翼の回転により作動流体を一方向
に送り出して負圧または正圧を発生させる圧力発生装置
であって、前記負圧または正圧が前記翼に作用して前記
回転軸にスラスト方向にかかる負荷と逆向きの対抗力
が、負圧または正圧の導入により該回転軸に働くように
設けられた室と、前記室に負圧または正圧を導入するた
めの圧力通路とを備え、前記室は、前記モータのケーシ
ング内に設けられた閉塞室であって、該閉塞室には前記
回転軸に一体回転可能に設けられた回転子の前記翼と反
対側の端面と、前記回転軸の前記翼と反対側の端面との
少なくとも一方が露出している。
載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記圧
力通路は前記回転軸に透設された連通孔である。
請求項2に記載の発明において、前記圧力通路は、前記
翼に作用する前記負圧または正圧を前記閉塞室に導入す
るものである。
求項1又は請求項2に記載のモータ構造を有する。請求
項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明におい
て、前記回転軸のラジアル方向の移動を規制する非接触
式の軸受は、前記回転軸に一体回転可能に設けられた回
転子の外周面に沿うように圧力気体膜を形成する空気軸
受であって、前記圧力気体膜を形成する空気が前記閉塞
室に流出することを防止するガスシールを備えている。
モ−タが駆動され、回転軸に取付けられた翼が回転して
作動流体が一方向に送り出されることにより負圧または
正圧が発生する。この負圧または正圧は翼に作用するた
め、回転軸にはスラスト方向に負荷がかかる。一方、室
には圧力通路を通じて負圧または正圧は導入される。こ
のため、回転軸にはスラスト方向の負荷と逆向きの対抗
力が働く。この結果、回転軸にスラスト方向にかかる負
荷が相殺され、回転軸のスラスト方向の移動を規制する
軸受に要求される規制力が小さくなる。このため、スラ
スト方向の移動を規制する非接触式の軸受が小型で済
み、モータの小型化が図れるようになる。
通路を通じてモータのケーシング内に設けられた閉塞室
に導入される。そして、閉塞室に導入された圧は、この
閉塞室内に露出する、回転子と回転軸の翼と反対側の端
面に作用する。このため、回転軸には翼に作用する圧に
よるスラスト方向の負荷と逆向きの対抗力が働く。閉塞
室がモ−タのケ−シング内に設けられているので、モ−
タの組付けの他は、圧力通路の組付けだけで済む。
する負圧または正圧は回転軸に透設された連通孔を通じ
て閉塞室に導入される。このため、負圧または正圧を導
入するための配管等の部材が不要となり、このような部
材の組付けの手間が省ける。請求項3に記載の発明によ
れば、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様の効果
が得られる。
又は請求項2に記載のモータを圧力発生装置に使用する
ことにより、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様
の作用が得られる。
回転子の外周面に沿うように圧力気体膜を形成する空気
軸受により、そのラジアル方向の移動が規制される。圧
力気体膜を形成する空気の閉塞室への流出はガスシール
により阻止される。従って、空気軸受からの空気の漏れ
等によって閉塞室内の負圧または正圧を弱めることがな
い。つまり、回転軸に働く対抗力を弱めることがない。
また、固定子の外周面に沿うように圧力気体膜が形成さ
れる空気軸受なので、要求される圧力気体膜の面積の割
りに軸受容積が小さくて済む。従って、モータが一層小
型化される。
に具体化した一実施形態を図面を参照して説明する。
示す。圧力発生装置としてのターボ分子ポンプ1は、真
空室(図示せず)から排気する空気の引込口となる吸気
口3aを有する筒状のアッパハウジング3と、ロアハウ
ジング4とからなる。アッパハウジング3の内周面に
は、複数の静翼5が支持部材6により内方へ放射状に延
出する状態に取付けられている。
略円環状の支持部材7が嵌合されている。支持部材7に
はその上面に環状に延びる凹部7aが形成され、凹部7
aの底面上一箇所にその下面側に貫通する貫通穴7bが
形成されている。排気管8は貫通穴7bに接続された状
態で、支持部材7を介してアッパハウジング3にボルト
9aを用いて固定されている。また、支持部材7は排気
管8以外の部分で複数のボルト9b(但し、同図では1
本のみ図示)によりアッパハウジング3に固定されてい
る。ロアハウジング4は複数のボルト9cを用いて支持
部材7に対して固定されている。排気管8は途中で屈曲
してロアハウジング4の外側に開口4aを介して引き出
されており、その先端部は排気口8aを有するフランジ
状に形成されている。
単にモータという)10は支持部材7の内周面にそのケ
ーシング11の外周面を当接させた状態で支持され、回
転軸12を吸気口3a側に突出させた状態で配置されて
いる。支持部材7とアッパハウジング3の間、及び支持
部材7とモータ10との間にはシール部材13,14が
それぞれ介されている。支持部材7の上面と吸気口3と
の間の空間が空気引込室Rとなっている。空気引込室R
は各シール部材13,14により気密性高く密閉されて
いる。
15がナット16を締結することで取付けられている。
ロータ15は略有底円筒状を有し、その外周面上には静
翼5の間隙に入り込む複数の動翼17が放射状に延出し
ている。モータ10が駆動されてロータ15が回転した
ときに、動翼17が静翼5に対して回転することで吸気
口3a側の空気を強制的に引込んで排気口8a側へ排出
する吸引力が生じるようになっている。
により吸気口3aには負圧が作用する。この負圧を引き
出すための管路18がアッパハウジング3の側部から延
びて管路19に接続されている。管路19はモータ10
の室としての閉塞室R1から延出している。管路18,
19により圧力通路が構成される。なお、負圧を引き出
す圧力通路としての管路は、排気口8a(排気管8)か
ら引き出してもよい。
図1,図2に示すように、ケーシング11の内周面前端
側(図2における右端側)には内方へ環状に突出する突
出部11aが形成され、突出部11aよりも前側に段部
11bが形成されている。段部11bには略円環状の閉
塞部材20が嵌合された状態でボルト(図示せず)を用
いて固定されている。閉塞部材20にはその中央に軸心
を通るように挿通孔20aが形成されている。
回転軸12の基端に相当する位置に、略円環状の閉塞部
材21が嵌合されている。ケーシング11内において、
両閉塞部材20,21に挟まれた領域にモータ室22が
形成されている。
収容されている。回転軸12にはモータ室22の両端部
に相当する二位置にブッシュ23がそれぞれ固定され、
両ブッシュ23,23間に回転子を構成する界磁マグネ
ット24が保持されている。界磁マグネット24は回転
軸12の周囲において4個の永久磁石片を互いに隣接す
る磁極が異極となるように円環状に交互に配置して構成
されている。両ブッシュ23,23の対向部外周には周
方向に切欠いた段部23a(図2にのみ図示)がそれぞ
れ形成されており、両段部23a,23a間にはセラミ
ックス材料によって形成された筒状カバー25が固定さ
れている。筒状カバー25は界磁マグネット24の外周
面を包囲している。なお、ブッシュ23はバランス調整
の機能を有する。
を有する永久磁石26が回転軸12に外嵌された状態で
固着されている。この永久磁石26と対向するように閉
塞部材20の内側面には円環状の永久磁石27が回転軸
12を遊挿する状態で埋設されている。また、後側のブ
ッシュ23の外側端面には円環状を有する永久磁石28
が回転軸12に外嵌された状態で固着されている。この
永久磁石28と対向するように閉塞部材21の内側面に
は円環状の永久磁石29が回転軸12を遊挿する状態で
埋設されている。永久磁石26及び永久磁石28は同じ
サイズで同軸上に配置され、永久磁石27及び永久磁石
29は同じサイズで同軸上に配置されている。永久磁石
26〜29の材質はネオジウム系磁石である。なお、永
久磁石26〜29の材質として、サマリウム系磁石、フ
ェライト系磁石などを使用してもよい。
の同士が互いの対向面が異極となるように配置され、対
をなすもの同士の間に反発力が作用するようになってい
る。回転軸12は界磁マグネット24を挟む前後に設け
られた一対の永久磁石26,27からなる磁気軸受30
により回転軸12のスラスト方向前側への移動が規制さ
れ、一対の永久磁石28,29からなる磁気軸受31に
より回転軸12のスラスト方向後側への移動が規制され
る。各磁気軸受30,31を構成する永久磁石26〜2
9の対をなすもの同士の反発力はそれぞれ等しい。な
お、両磁気軸受30,31によりスラスト方向の移動を
規制する非接触式の軸受が構成される。
ネット24、筒状カバー25及び永久磁石26,28を
一体的に固定することにより回転子としての回転体32
が構成される。回転体32の周囲には電気絶縁性セラミ
ック材料によって筒状に形成された包囲部材33が配置
されている。包囲部材33は、その外周面両端部がケー
シング11の突出部11aと後側の閉塞部材21に固着
されることで支持されている。包囲部材33の内周面
は、接触摺動性に優れた周面となるように研磨加工され
ている。なお、筒状カバー25及び包囲部材33を、例
えば窒化ほう素、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニ
ウム、窒化珪素などの焼結材料とすることもでき、電気
絶縁性を要求されない筒状カバー25には炭化珪素焼結
体を使用することもできる。
の外周面上には、その軸方向中央部分において所定幅で
周方向に延びる二列の空気軸受部34が形成されてい
る。空気軸受部34は複数のヘリングボーン状の動圧溝
34aが周方向に等間隔で形成されることで構成されて
いる。なお、包囲部材33と空気軸受部34とより空気
軸受が構成されている。
空気軸受部34の前後の領域にはガスシール部35,3
6が形成されている。各ガスシール部35,36はスパ
イラル状のガスシール溝35a,36aが形成されるこ
とで構成されている。空気軸受部34の表面域には回転
軸12の回転時に動圧溝34aの作用によって圧力気体
膜が形成される。ガスシール溝35aは圧力気体膜を形
成する空気が回転軸12の先端側に漏れないようにシー
ルをし、ガスシール溝36aは圧力気体膜を形成する空
気が回転軸12の基端側に漏れないようにシールをして
いる。
12の基端側には、閉塞部材21、後側のブッシュ2
3、包囲部材33及びガスシール部36によって囲まれ
た閉塞室R1(図3における黒塗り部分)が形成されて
いる。この閉塞室R1には回転軸12と回転体32のそ
れぞれの後端面が露出する状態にある。そして、管路1
9はケーシング11及び閉塞部材21嵌挿されて閉塞室
R1に連通されている。このため、吸気口3aにて発生
する負圧は、各管路18,19を通じて閉塞室R1に導
入される。なお、管路19を吸気管8に嵌挿して閉塞室
R1と吸気管8とを連通させる構成でもよく、この場合
は、吸気管8内の空気を強制的に排出させるために設け
られた補助ポンプによる負圧が閉塞室R1に導入される
ことになる。
軸方向において筒状カバー25の外周面上に形成された
動圧溝34aおよびガスシール溝35a,36aの各形
成領域を区画する2つの狭い無地領域と対向する三位置
に給気孔33aが形成されている。給気孔33aは包囲
部材33の周方向に等間隔に三列形成されており、計9
個設けられている。
21を貫通して包囲部材33の外周面側の隙間に連通す
るように設けられ、大気に開放されている。ブラシレス
モータ10が駆動される際は、各給気孔33aを通して
包囲部材33の内周面と筒状カバー25の外周面との隙
間に空気が動圧溝34aにより導入される。回転体32
が所定方向に回転したときの動圧溝34aの作用に基づ
き、筒状カバー25と包囲部材33との隙間への空気の
導入が促進されて圧力気体膜が形成され、回転軸12の
ラジアル方向の移動が規制される。
のヨーク38が設けられている。包囲部材33の外周面
には三つの電機子コイル40が周方向に等間隔に配設さ
れている。各電機子コイル40の周方向の機械角はほぼ
90〜120°となっている。
おいて各電機子コイル40と並ぶ位置に磁気センサ(ホ
ール素子)41が設けられている。そして、磁気センサ
41が界磁マグネット24を構成する永久磁石片の磁極
を検出して得られる回転数検出信号が、各電機子コイル
40を流れる電流の制御にフィードバックされ、これに
より回転軸12が定速制御される。
ついて説明する。回転体32が所定方向に回転駆動され
ると、空気は給気管37を通って各給気孔33aを通過
して包囲部材33と筒状カバー25との隙間に供給され
る。動圧溝34aの作用により圧力気体膜が形成され、
回転体32は包囲部材33に対して浮上するとともに、
回転軸12は非接触状態でラジアル方向の移動が規制さ
れる。また、回転体32は磁気軸受30を構成する永久
磁石26,27の反発力と、磁気軸受31を構成する永
久磁石28,29の反発力とによりそのスラスト方向の
移動が規制される。
の圧力が大気圧になっている。モータ10の駆動が開始
されてロータ15が回転すると、動翼17と静翼5との
相対回転によって吸気口3aから空気が引込まれて排気
管8を通って排気される。真空室内の真空度が高まるに
連れて、吸気口3aにおける負圧が徐々に低下する。吸
気口3aにおける負圧は管路18,19を通じてモータ
12のケーシング11内の閉塞室R1に導入される。こ
の結果、吸気口3aと閉塞室R1とは常に同じ負圧とな
る。
ってロータ15を吸気口3a側へ引込もうとする図3に
矢印で示す向きのスラスト方向の負荷が回転軸12に働
く。このため、真空室内の真空度が高まって回転軸12
に働くスラスト負荷容量が次第に大きくなるに連れて、
回転軸12が受けるスラスト方向の負荷が大きくなる。
しかし、閉塞室R1が吸気口3aと同じ負圧になるた
め、この負圧が閉塞室R1内に露出する回転軸12及び
回転体32の各後端面に作用する。このため、回転軸1
2にはスラスト方向にロータ15側と反対向きの力、す
なわち吸気口3aの負圧による回転軸12のスラスト方
向の引込力に対抗する力が作用することになる。
かかる負荷はロータ15の重量のみとなり、一対の磁気
軸受30,31を構成する各永久磁石26〜29のサイ
ズを小さなもので済ませられる。つまり、一対の磁気軸
受30,31を構成する各永久磁石26〜29のサイズ
を小さくしても、ターボ分子ポンプ1が最大真空度に達
するまで駆動されたときに、スラスト方向の変位がほと
んどなく、各永久磁石26〜29の対をなすもの同士が
接触することがなく、軸受として支障なく機能する。
次に示す特徴的効果が得られる。 (1)ロータ15に作用する負圧を閉塞室R1に導入さ
せることにより、回転軸12にスラスト方向にかかる負
荷を相殺できるので、回転軸12をスラスト方向の移動
を規制する磁気軸受30,31を小型にしても、スラス
ト変位がない磁気軸受30,31が得られ、ひいてはモ
ータ10の小型化を図ることができる。よって、小型な
モータ10を採用したターボ分子ポンプ1の小型化を図
ることができる。
グ11内に設けられているので、配管18を組付けるだ
けの簡単な構造変更だけで実現できる。 (3)閉塞室R1には回転体32と回転軸12の両後端
面が露出するようにしたので、回転軸12に働くことに
なる対抗力はスラスト負荷を相殺することができる。
スシール36を空気軸受部34の後端側に設け、空気軸
受部34に形成される圧力気体膜の空気が閉塞室R1に
漏れないようにし、閉塞室R1内の負圧が高く保持され
るようにしたので、回転軸12に働くことになる対抗力
が弱まることを確実に防止できる。
する筒状カバー25の外周面上に動圧溝34aを形成
し、回転軸14のラジアル方向の移動を規制する空気軸
受部34としたので、ブラシレスモータ1を小型で簡単
な構造とすることができる。
ことはなく、例えば次のような形態に変更することが可
能である。 (n)図4に示すように、モータ10の回転軸12にそ
の先端面と閉塞室R1とを連通する連通孔12aを透設
し、この連通孔12aを閉塞室R1に負圧を導入するた
めの圧力通路とした構成としてもよい。この構成によれ
ば、配管18,19が不要となり、モータ10の構造の
変更だけで、回転軸12にかかるスラスト方向の負荷の
最大値を結果的に小さく抑えることができ、スラスト方
向の移動を規制する磁気軸受を小型にできる。よって、
モータ10及びターボ分子ポンプ1の小型化を図ること
ができる。
て実施してもよい。例えばコンプレッサで実施してもよ
い。コンプレッサでは、大気圧を超える圧縮圧が翼に作
用するため、ターボ分子ポンプのような真空ポンプの場
合と異なり、回転軸にかかるスラスト方向の負荷の向き
が逆方向になるが、閉塞室R1に圧縮圧が導入されるこ
とにより、その負荷に対抗する対抗力が回転軸12に働
くことになるので、回転軸12に働く負荷を結果的に小
さく抑えることができる。これにより回転軸12のスラ
スト方向の移動を規制する非接触式の軸受を小さくで
き、ひいてはモータ10の小型化、さらにコンプレッサ
の小型化を図ることができる。
負圧を作用させるようにしたが、このうちいずれか一方
の端面だけを露出するような閉塞室としてもよい。 (s)回転軸のラジアル方向の移動を規制する非接触式
の軸受を磁気軸受としてもよい。この構成によっても、
回転軸のスラスト方向の移動を規制する磁気軸受を小型
にでき、モータ及びターボ分子ポンプの小型化を図るこ
とができる。
ブラシレスモータに限定されない。請求項に係る発明以
外であって、前記実施形態から把握される技術的思想を
その効果とともに以下に記載する。
電機子とを備え、前記回転軸に取付けられる翼の回転に
よって作動流体の排出または圧縮を行うための装置に使
用されるモータであって、前記回転軸のラジアル方向の
移動を規制するための非接触式の軸受と、前記回転軸の
スラスト方向の移動を規制するための非接触式の軸受
と、前記翼に作用する負圧または正圧が導入されること
により、前記翼に負圧または正圧が作用して前記回転軸
にスラスト方向にかかる負荷と逆向きの対抗力が該回転
軸に働くようにするための室と、前記室に前記翼に作用
する負圧または正圧を導入するための圧力通路とを備え
ている。この構成によれば、請求項1に記載の発明と同
様の効果が得られる。
置は、非接触式の軸受によりラジアル方向及びスラスト
方向の移動が規制された回転軸を備えるモータと、前記
回転軸に取付けられた動翼と、該動翼の回転によって分
子流を作るために必要な静翼とを備えるターボ分子ポン
プであって、前記動翼の回転による作動流体の排気によ
って生じる負圧が導入されることにより、該負圧が前記
動翼に作用して前記回転軸にかかるスラスト方向の負荷
と逆向きの対抗力が該回転軸に働くようにするための室
と、前記動翼に作用する負圧を前記室に導入するための
圧力通路とを備えている。この構成によれば、ターボ分
子ポンプにおいて、負圧が動翼に作用して回転軸にスラ
スト方向にかかる負荷の割りに、回転軸をスラスト方向
に規制する軸受を小型にでき、モータの小型化やターボ
分子ポンプの小型化を図ることができる。
のいずれか一項において、前記圧力発生装置は、真空ポ
ンプである。この構成によっても、請求項1〜請求項3
及び前記(ハ)のいずれか一項に係る発明と同様の効果
が得られる。なお、ターボ分子ポンプ1により真空ポン
プが構成される。
において、前記圧力通路は、翼の回転によって生じる負
圧または正圧を、前記モータのケーシング内にある前記
閉塞室に導入するための配管である。この構成によって
も、請求項2〜請求項5のいずれか一項に係る発明と同
様の効果が得られる。
動圧軸受と静圧軸受で構成される。この構成によれば、
回転軸のスラスト方向の移動をより強く規制できる。な
お、加圧空気を積極的に導入するための給気孔33a等
により静圧軸受が構成され、空気を導入する作用を引き
起こす動圧溝34a等により動圧軸受が構成される。
語を次のように定義する。 「圧力発生装置:モータの回転軸に設けられた翼の回転
により作動流体を所定方向に送り出して負圧や正圧等の
所定圧を得るための装置であって、例えばポンプや圧縮
機が含まれる。」 「非接触式の軸受:回転軸を空間を介して非接触状態で
支持する軸受であって、例えば空気軸受や磁気軸受が含
まれる。」
3に記載の発明によれば、回転軸のスラスト方向の負荷
の原因となる負圧または正圧を圧力通路を通じて室に導
入して、その負荷と逆向きの対抗力を回転軸に働かせる
ようにしたので、その負荷の割に小さな軸受で済ませら
れ、モータの小型化、ひいては圧力発生装置の小型化を
図ることができる。
によれば、回転子と回転軸との少なくとも一方の翼と反
対側の端面が露出しているモータのケーシング内の閉塞
室を室とししたので、装置の構造変更をなるべく少しで
済ませることができる。
ば、回転軸に透設した連通孔を通じて負圧または正圧を
閉塞室に導入するようにしたので、管路等の部材を必要
とせず、モータの構造変更だけで済ませられる。
外周面に沿うように圧力気体膜を形成する空気軸受によ
り回転軸のラジアル方向の移動を規制するとともに、圧
力気体膜の空気の閉塞室への流出をガスシールにより防
止したので、空気軸受も小型にでき、モータを一層小型
化できる。
面図。
翼、10…モータとしてのブラシレスモータ、11…ケ
ーシング、12…回転軸、12a…圧力通路としての連
通孔、15…翼としてのロータ、17…翼を構成する動
翼、18…圧力通路を構成する管路、19…圧力通路を
構成する管路、24…回転子を構成する界磁マグネッ
ト、32…回転子としての回転体、30,31…非接触
式の軸受としての磁気軸受、33…非接触式の軸受及び
空気軸受を構成する包囲部材、34…非接触式の軸受及
び空気軸受を構成する空気軸受部、34a…非接触式の
軸受及び空気軸受を構成する動圧溝、36…ガスシー
ル、36a…ガスシール溝、R1…室としての閉塞室。
Claims (5)
- 【請求項1】 非接触式の軸受によりラジアル方向及び
スラスト方向の移動が規制された回転軸を備えるモータ
と、前記回転軸に取付けられた翼とを備え、前記翼の回
転により作動流体を一方向に送り出して負圧または正圧
を発生させる圧力発生装置であって、 前記負圧または正圧が前記翼に作用して前記回転軸にス
ラスト方向にかかる負荷と逆向きの対抗力が、負圧また
は正圧の導入により該回転軸に働くように設けられた室
と、前記室に負圧または正圧を導入するための圧力通路
とを備え、 前記室は、前記モータのケーシング内に設けられた閉塞
室であって、該閉塞室には前記回転軸に一体回転可能に
設けられた回転子の前記翼と反対側の端面と、前記回転
軸の前記翼と反対側の端面との少なくとも一方が露出す
る 圧力発生装置。 - 【請求項2】 前記圧力通路は前記回転軸に透設された
連通孔である請求項1に記載の圧力発生装置。 - 【請求項3】 前記圧力通路は、前記翼に作用する前記
負圧または正圧を前記閉塞室に導入するものである請求
項1又は請求項2に記載の圧力発生装置。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載のモータ。
- 【請求項5】 前記回転軸のラジアル方向の移動を規制
する非接触式の軸受は、前記回転軸に一体回転可能に設
けられた回転子の外周面に沿うように圧力気体膜を形成
する空気軸受であって、前記圧力気体膜を形成する空気
が前記閉塞室に流出することを防止するガスシールを備
えた請求項4に記載のモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25907197A JP3432716B2 (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | 圧力発生装置及びモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25907197A JP3432716B2 (ja) | 1997-09-24 | 1997-09-24 | 圧力発生装置及びモータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1193888A JPH1193888A (ja) | 1999-04-06 |
JP3432716B2 true JP3432716B2 (ja) | 2003-08-04 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3432716B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6498410B1 (en) * | 2000-03-28 | 2002-12-24 | Ibiden Co., Ltd. | Motor and pressure generating apparatus incorporating the motor |
EP3067567A1 (de) * | 2015-03-11 | 2016-09-14 | Pfeiffer Vacuum GmbH | Vakuumpumpe |
-
1997
- 1997-09-24 JP JP25907197A patent/JP3432716B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1193888A (ja) | 1999-04-06 |
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