JP2002038079A - カチオン電着塗料組成物の製造方法およびそれから得られるカチオン電着塗料組成物 - Google Patents
カチオン電着塗料組成物の製造方法およびそれから得られるカチオン電着塗料組成物Info
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- JP2002038079A JP2002038079A JP2000226671A JP2000226671A JP2002038079A JP 2002038079 A JP2002038079 A JP 2002038079A JP 2000226671 A JP2000226671 A JP 2000226671A JP 2000226671 A JP2000226671 A JP 2000226671A JP 2002038079 A JP2002038079 A JP 2002038079A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】耐食性を低下させることなく、有機溶剤の含有
量を低減することができるカチオン電着塗料の製造方法
を提供する。 【解決方法】ブロックイソシアネート硬化剤を含むカチ
オン電着塗料組成物において、平均分子量200〜50
00の1級アミノ基を有するアルキレンオキサイドオリ
ゴマーにカーボネート化合物を反応させて得られるカー
バメート化合物を、樹脂固形分中2〜15重量%になる
ように用いることを特徴とするカチオン電着塗料組成物
の製造方法。
量を低減することができるカチオン電着塗料の製造方法
を提供する。 【解決方法】ブロックイソシアネート硬化剤を含むカチ
オン電着塗料組成物において、平均分子量200〜50
00の1級アミノ基を有するアルキレンオキサイドオリ
ゴマーにカーボネート化合物を反応させて得られるカー
バメート化合物を、樹脂固形分中2〜15重量%になる
ように用いることを特徴とするカチオン電着塗料組成物
の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカチオン電着塗料組
成物の製造方法、特に含有する有機溶剤の量を低減でき
るカチオン電着塗料組成物の製造方法およびそれから得
られるカチオン電着塗料組成物に関する。
成物の製造方法、特に含有する有機溶剤の量を低減でき
るカチオン電着塗料組成物の製造方法およびそれから得
られるカチオン電着塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、環境に対する意識が高まるにつ
れ、大気中に排出される有機溶剤の量を減少させたいと
するニーズがこれまで以上に大きくなってきた。カチオ
ン電着塗料は、水を媒体とした水性塗料ではあるが、揮
発性有機化合物(VOC)を含むものである。
れ、大気中に排出される有機溶剤の量を減少させたいと
するニーズがこれまで以上に大きくなってきた。カチオ
ン電着塗料は、水を媒体とした水性塗料ではあるが、揮
発性有機化合物(VOC)を含むものである。
【0003】一般的なカチオン電着塗料では塗膜の平滑
性を確保するために、ブチルセロソルブやヘキシルセロ
ソルブなどの有機溶剤が添加されてきた。しかし、先に
述べたように、これらの有機溶剤の添加は環境にとって
好ましいものではない。しかし、有機溶剤の代わりに可
塑剤を添加すると、塗膜Tgが低下し、耐食性が損なわ
れるという問題点を抱えている。
性を確保するために、ブチルセロソルブやヘキシルセロ
ソルブなどの有機溶剤が添加されてきた。しかし、先に
述べたように、これらの有機溶剤の添加は環境にとって
好ましいものではない。しかし、有機溶剤の代わりに可
塑剤を添加すると、塗膜Tgが低下し、耐食性が損なわ
れるという問題点を抱えている。
【0004】特開昭60−168762号公報には、多
官能アミンと有機カーボネートとの反応生成物を硬化剤
として含有するカチオン電着塗料組成物が開示されてい
る。しかし、この公報において、多官能アミンと有機カ
ーボネートとの反応生成物は硬化剤として用いられてい
るものであり、有機溶剤の量の低減を考慮するものでは
なかった。
官能アミンと有機カーボネートとの反応生成物を硬化剤
として含有するカチオン電着塗料組成物が開示されてい
る。しかし、この公報において、多官能アミンと有機カ
ーボネートとの反応生成物は硬化剤として用いられてい
るものであり、有機溶剤の量の低減を考慮するものでは
なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐食
性を低下させることなく、有機溶剤の含有量を低減する
ことができるカチオン電着塗料の製造方法を提供するこ
とにある。
性を低下させることなく、有機溶剤の含有量を低減する
ことができるカチオン電着塗料の製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のカチオン電着塗
料組成物の製造方法は、ブロックイソシアネート硬化剤
を含むカチオン電着塗料組成物において、平均分子量2
00〜5000の1級アミノ基を有するアルキレンオキ
サイドオリゴマーにカーボネート化合物を反応させて得
られるカーバメート化合物を、樹脂固形分中2〜15重
量%になるように用いることを特徴とする。ここで、ア
ルキレンオキサイドオリゴマーがエチレンオキサイドオ
リゴマーまたはプロピレンオキサイドオリゴマーであっ
てよくカーボネート化合物がプロピレンカーボネートで
あってよい。
料組成物の製造方法は、ブロックイソシアネート硬化剤
を含むカチオン電着塗料組成物において、平均分子量2
00〜5000の1級アミノ基を有するアルキレンオキ
サイドオリゴマーにカーボネート化合物を反応させて得
られるカーバメート化合物を、樹脂固形分中2〜15重
量%になるように用いることを特徴とする。ここで、ア
ルキレンオキサイドオリゴマーがエチレンオキサイドオ
リゴマーまたはプロピレンオキサイドオリゴマーであっ
てよくカーボネート化合物がプロピレンカーボネートで
あってよい。
【0007】本発明のカチオン電着塗料組成物は先の製
造方法により得られたものである。
造方法により得られたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のカチオン電着塗料組成物
の製造方法は、特定のカーバメート化合物を用いること
を特徴とする。このカーバメート化合物は、アルキレン
オキサイドオリゴマーにカーボネート化合物を反応させ
て得られる。
の製造方法は、特定のカーバメート化合物を用いること
を特徴とする。このカーバメート化合物は、アルキレン
オキサイドオリゴマーにカーボネート化合物を反応させ
て得られる。
【0009】上記アルキレンオキサイドオリゴマーは、
1級アミノ基を有している。この1級アミノ基は後述す
るカーボネート化合物と反応するための官能基である。
上記アルキレンオキサイドオリゴマーが有する1級アミ
ノ基の数は1分子あたり1または2である。1級アミノ
基を2個有しているものは、得られるカーバメート化合
物が硬化剤として作用することが可能であるため好まし
い。
1級アミノ基を有している。この1級アミノ基は後述す
るカーボネート化合物と反応するための官能基である。
上記アルキレンオキサイドオリゴマーが有する1級アミ
ノ基の数は1分子あたり1または2である。1級アミノ
基を2個有しているものは、得られるカーバメート化合
物が硬化剤として作用することが可能であるため好まし
い。
【0010】上記アルキレンオキサイドオリゴマーの平
均分子量は200〜5000である。この範囲外では目
的とする効果が得られないばかりでなく、最終的に得ら
れる塗膜の物性に悪影響を与える恐れがある。好ましい
範囲は、300〜3000である。
均分子量は200〜5000である。この範囲外では目
的とする効果が得られないばかりでなく、最終的に得ら
れる塗膜の物性に悪影響を与える恐れがある。好ましい
範囲は、300〜3000である。
【0011】上記アルキレンオキサイドオリゴマーは、
エチレンオキサイドオリゴマーまたはプロピレンオキサ
イドオリゴマーであることが好ましい。これらのものは
入手が容易である。また、エチレンオキサイドとプロピ
レンオキサイドとがブロック共重合したものも使用する
ことができる。また、上記アルキレンオキサイドオリゴ
マーは、上記1級アミノ基以外の反応性官能基として水
酸基を有していてもよい。
エチレンオキサイドオリゴマーまたはプロピレンオキサ
イドオリゴマーであることが好ましい。これらのものは
入手が容易である。また、エチレンオキサイドとプロピ
レンオキサイドとがブロック共重合したものも使用する
ことができる。また、上記アルキレンオキサイドオリゴ
マーは、上記1級アミノ基以外の反応性官能基として水
酸基を有していてもよい。
【0012】このようなアルキレンオキサイドオリゴマ
ーとしては、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシ
プロピレンジアミン、ポリオキシエチレングリコールモ
ノアミン、ポリオキシプロピレングリコールモノアミン
などが挙げられる。また、これらの他にオキシアルキレ
ンブロックとアミノ基や水酸基との間の部分が種々の構
造単位を有するものがあり、このようなものの具体例と
して、H2N−CH2−A−Y−(CH(CH3)CH
2O)nHやH2N−CH2−A−Y−(CH2CH(C
H3)O)nHの構造を有するものを挙げることができ
る。
ーとしては、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシ
プロピレンジアミン、ポリオキシエチレングリコールモ
ノアミン、ポリオキシプロピレングリコールモノアミン
などが挙げられる。また、これらの他にオキシアルキレ
ンブロックとアミノ基や水酸基との間の部分が種々の構
造単位を有するものがあり、このようなものの具体例と
して、H2N−CH2−A−Y−(CH(CH3)CH
2O)nHやH2N−CH2−A−Y−(CH2CH(C
H3)O)nHの構造を有するものを挙げることができ
る。
【0013】この式において、Aは炭素数1〜11の枝
分かれ可能な炭化水素基である。また、Yは酸素原子、
NHまたは、N−A−CH2−XH(AおよびXは前
述)であり、nは3〜22である。後述するように、こ
の化合物は、1級水酸基と1級アミノ基を有するアミノ
アルコール、1級アミノ基を有するジアミン、1級アミ
ノ基と2級アミノ基とを有するポリアミンから選ばれる
出発物質にプロピレンオキサイドを付加反応させて得ら
れるものであるため、上記Aは、上記出発物質を構成す
る酸素原子を含んでいてもよい炭化水素部分からメチレ
ン基を1つ除いた構造であり、上記Yは、先の付加反応
が開始される、1級水酸基、1級アミノ基または2級ア
ミノ基から活性水素を1つ除いたものである。
分かれ可能な炭化水素基である。また、Yは酸素原子、
NHまたは、N−A−CH2−XH(AおよびXは前
述)であり、nは3〜22である。後述するように、こ
の化合物は、1級水酸基と1級アミノ基を有するアミノ
アルコール、1級アミノ基を有するジアミン、1級アミ
ノ基と2級アミノ基とを有するポリアミンから選ばれる
出発物質にプロピレンオキサイドを付加反応させて得ら
れるものであるため、上記Aは、上記出発物質を構成す
る酸素原子を含んでいてもよい炭化水素部分からメチレ
ン基を1つ除いた構造であり、上記Yは、先の付加反応
が開始される、1級水酸基、1級アミノ基または2級ア
ミノ基から活性水素を1つ除いたものである。
【0014】例えば、上記出発物質が1級水酸基と1級
アミノ基を有するアミノアルコールであるエタノールア
ミンの場合には、Aがメチレン基、Yが酸素原子とな
る。さらに、上記出発物質が1級アミノ基と2級アミノ
基とを有するポリアミンであるエチレンジアミンである
場合には、Aがメチレン基、YがN−CH2CH2−NH
2となる。
アミノ基を有するアミノアルコールであるエタノールア
ミンの場合には、Aがメチレン基、Yが酸素原子とな
る。さらに、上記出発物質が1級アミノ基と2級アミノ
基とを有するポリアミンであるエチレンジアミンである
場合には、Aがメチレン基、YがN−CH2CH2−NH
2となる。
【0015】一方、先の式におけるnは、プロピレンオ
キサイドの繰り返し単位数を表すものである。このプロ
ピレンオキサイドの繰り返しが存在することにより、粘
性を低くすることができ、カチオン電着塗膜の平滑性を
向上させることができる。nは、先の平均分子量の範囲
の種類に基づき、3〜22の値を取り得る。なお、この
1級アミノ基を有するプロピレンオキサイドオリゴマー
では、上記nの値は、必ずしも整数となるとは限らな
い。
キサイドの繰り返し単位数を表すものである。このプロ
ピレンオキサイドの繰り返しが存在することにより、粘
性を低くすることができ、カチオン電着塗膜の平滑性を
向上させることができる。nは、先の平均分子量の範囲
の種類に基づき、3〜22の値を取り得る。なお、この
1級アミノ基を有するプロピレンオキサイドオリゴマー
では、上記nの値は、必ずしも整数となるとは限らな
い。
【0016】この1級アミノ基を有するプロピレンオキ
サイドオリゴマーは、硬化に関与する官能基の数が多い
ものが好ましいことから、(H2N−CH2CH2)2N−
(CH(CH3)CH2O)10Hまたは(H2N−CH2C
H2)2N−(CH2CH(CH3)O)10Hを好適なもの
として挙げることができる。
サイドオリゴマーは、硬化に関与する官能基の数が多い
ものが好ましいことから、(H2N−CH2CH2)2N−
(CH(CH3)CH2O)10Hまたは(H2N−CH2C
H2)2N−(CH2CH(CH3)O)10Hを好適なもの
として挙げることができる。
【0017】このアミノ基を有するプロピレンオキサイ
ドオリゴマーは、1級水酸基と1級アミノ基を有するア
ミノアルコール、1級アミノ基を有するジアミン、また
は1級アミノ基と2級アミノ基とを有するポリアミンで
ある出発物質にプロピレンオキサイドを触媒の存在下で
開環付加反応を行って得ることができる。 また、上記
1級水酸基と1級アミノ基を有するアミノアルコールと
しては、エタノールアミン、ヒドロキシエチレンヒドラ
ジン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1
−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−ア
ミノ−1−ヘキサノール、2−(2−アミノエトキシ)
エタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、
セリノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパ
ンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパ
ンジオール、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパ
ンなどを例示することができる。
ドオリゴマーは、1級水酸基と1級アミノ基を有するア
ミノアルコール、1級アミノ基を有するジアミン、また
は1級アミノ基と2級アミノ基とを有するポリアミンで
ある出発物質にプロピレンオキサイドを触媒の存在下で
開環付加反応を行って得ることができる。 また、上記
1級水酸基と1級アミノ基を有するアミノアルコールと
しては、エタノールアミン、ヒドロキシエチレンヒドラ
ジン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1
−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−ア
ミノ−1−ヘキサノール、2−(2−アミノエトキシ)
エタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、
セリノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパ
ンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパ
ンジオール、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパ
ンなどを例示することができる。
【0018】1級アミノ基を有するジアミンとしては、
エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタ
ン、ジアミノペンタン、ヘキサンジアミン、ジアミノペ
ンタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノ
デカン、ジアミノドデカンなどを例示することができ
る。さらに、1級アミノ基と2級アミノ基とを有するポ
リアミンとしては、N−エチルエチレンジアミン、N−
プロピルエチレンジアミン、N−イソプロピルエチレン
ジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N
−プロピル−1,3−プロパンジアミン、N−イソプロ
ピル−1,3−プロパンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジア
ミン、3,3’−イミノビスプロピルアミンなどを例示
することができる。
エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタ
ン、ジアミノペンタン、ヘキサンジアミン、ジアミノペ
ンタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノ
デカン、ジアミノドデカンなどを例示することができ
る。さらに、1級アミノ基と2級アミノ基とを有するポ
リアミンとしては、N−エチルエチレンジアミン、N−
プロピルエチレンジアミン、N−イソプロピルエチレン
ジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N
−プロピル−1,3−プロパンジアミン、N−イソプロ
ピル−1,3−プロパンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジア
ミン、3,3’−イミノビスプロピルアミンなどを例示
することができる。
【0019】上記の出発物質が1級水酸基と1級アミノ
基を有するアミノアルコール、1級アミノ基を有するジ
アミン、1級アミノ基と2級アミノ基とを有するポリア
ミンの場合、1級アミノ基をケチミン化して保護し、付
加反応終了後にこれを外して1級アミノ基とすることが
できる。なお、1級アミノ基を有するジアミンにおいて
は、片方の1級アミノ基のみをケチミン化しておくこと
で目的とする反応を進行させることができる。
基を有するアミノアルコール、1級アミノ基を有するジ
アミン、1級アミノ基と2級アミノ基とを有するポリア
ミンの場合、1級アミノ基をケチミン化して保護し、付
加反応終了後にこれを外して1級アミノ基とすることが
できる。なお、1級アミノ基を有するジアミンにおいて
は、片方の1級アミノ基のみをケチミン化しておくこと
で目的とする反応を進行させることができる。
【0020】この反応においては、触媒種および量なら
びに反応温度などの反応条件によって、末端の水酸基が
1級または2級のものが得られ、これらは混合物であっ
ても構わない。
びに反応温度などの反応条件によって、末端の水酸基が
1級または2級のものが得られ、これらは混合物であっ
ても構わない。
【0021】一方、上記1級アミノ基を有するアルキレ
ンオキサイドオリゴマーと反応させるカーボネート化合
物は、有機カーボネート化合物である。このカーボネー
ト化合物は、環状および非環状のものを用いることがで
きるが、反応性の点から環状のものを用いることが好ま
しい。環状カーボネート化合物としては、例えば、エチ
レンカーボネートやプロピレンカーボネートを挙げるこ
とができ、非環状カーボネート化合物としては、ジメチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカ
ーボネートを挙げることができる。
ンオキサイドオリゴマーと反応させるカーボネート化合
物は、有機カーボネート化合物である。このカーボネー
ト化合物は、環状および非環状のものを用いることがで
きるが、反応性の点から環状のものを用いることが好ま
しい。環状カーボネート化合物としては、例えば、エチ
レンカーボネートやプロピレンカーボネートを挙げるこ
とができ、非環状カーボネート化合物としては、ジメチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカ
ーボネートを挙げることができる。
【0022】本発明の製造方法に用いられるカーバメー
ト化合物は、先の1級アミノ基を有するアルキレンオキ
サイドオリゴマーにカーボネート化合物を反応させて得
られるものである。1級アミノ基が残っていると、カチ
オン電着塗料組成物に含有させた場合に塗料安定性が低
下するので、カーボネート化合物は、アミノ基を有する
プロピレンオキサイドオリゴマーの1級アミノ基の当量
に対して、過剰量用いられることが好ましい。溶剤は必
要に応じて用いることができるが、カーボネート化合物
を溶剤として大過剰量用いることも可能である。また、
必要に応じ、触媒を用いてもよい。反応温度は室温〜約
200℃であり、赤外吸収スペクトルなどの分析機器を
用いて反応の終点を決定することができる。反応終了
後、溶剤を使用した場合にはこれを系外に留去して、カ
ーバメート化合物を得ることができる。
ト化合物は、先の1級アミノ基を有するアルキレンオキ
サイドオリゴマーにカーボネート化合物を反応させて得
られるものである。1級アミノ基が残っていると、カチ
オン電着塗料組成物に含有させた場合に塗料安定性が低
下するので、カーボネート化合物は、アミノ基を有する
プロピレンオキサイドオリゴマーの1級アミノ基の当量
に対して、過剰量用いられることが好ましい。溶剤は必
要に応じて用いることができるが、カーボネート化合物
を溶剤として大過剰量用いることも可能である。また、
必要に応じ、触媒を用いてもよい。反応温度は室温〜約
200℃であり、赤外吸収スペクトルなどの分析機器を
用いて反応の終点を決定することができる。反応終了
後、溶剤を使用した場合にはこれを系外に留去して、カ
ーバメート化合物を得ることができる。
【0023】本発明の製造方法では、このカーバメート
化合物を用いて、カチオン電着塗料組成物を製造する。
また、既存のカチオン電着塗料組成物に上記カーバメー
ト化合物を添加することも本発明の製造方法に含めるも
のとする。
化合物を用いて、カチオン電着塗料組成物を製造する。
また、既存のカチオン電着塗料組成物に上記カーバメー
ト化合物を添加することも本発明の製造方法に含めるも
のとする。
【0024】上記カーバメート化合物は、得られるカチ
オン電着塗料組成物の樹脂固形分中に2〜15重量%含
まれている量で用いられる。2重量%未満では目的とす
る効果が得られず、15重量%を上回ると、塗膜物性に
悪影響を与える恐れがある。好ましくは、3〜10重量
%である。
オン電着塗料組成物の樹脂固形分中に2〜15重量%含
まれている量で用いられる。2重量%未満では目的とす
る効果が得られず、15重量%を上回ると、塗膜物性に
悪影響を与える恐れがある。好ましくは、3〜10重量
%である。
【0025】本発明の製造方法におけるカチオン電着塗
料組成物は、カチオン性基を有するエポキシ変性基体樹
脂、ブロックイソシアネート硬化剤、中和酸、ならびに
必要に応じて顔料および顔料分散樹脂や塗料用添加剤を
含んでいる。
料組成物は、カチオン性基を有するエポキシ変性基体樹
脂、ブロックイソシアネート硬化剤、中和酸、ならびに
必要に応じて顔料および顔料分散樹脂や塗料用添加剤を
含んでいる。
【0026】上記カチオン性基を有するエポキシ変性基
体樹脂は、出発原料であるエポキシ樹脂が有するエポキ
シ環を1級アミン、2級アミン、3級アミン酸塩等のア
ミン類およびスルフィドと酸との混合物との反応によっ
て開環して製造される。なお、本明細書における「カチ
オン性基」とは、そのもの自身がカチオンであるものお
よび酸を加えることによってカチオンとなるものを意味
するものである。出発原料樹脂の典型例は、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノ
ールノボラック、クレゾールノボラック等の多環式フェ
ノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であ
るポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂である。また他の出発原料樹脂の例として、特開平5
−306327号公報に記載されたオキサゾリドン環含
有エポキシ樹脂を挙げることができる。このエポキシ樹
脂は、ジイソシアネート化合物、またはジイソシアネー
ト化合物のNCO基をメタノール、エタノール等の低級
アルコールでブロックして得られたビスウレタン化合物
と、エピクロルヒドリンとの反応によって得られるもの
である。
体樹脂は、出発原料であるエポキシ樹脂が有するエポキ
シ環を1級アミン、2級アミン、3級アミン酸塩等のア
ミン類およびスルフィドと酸との混合物との反応によっ
て開環して製造される。なお、本明細書における「カチ
オン性基」とは、そのもの自身がカチオンであるものお
よび酸を加えることによってカチオンとなるものを意味
するものである。出発原料樹脂の典型例は、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノ
ールノボラック、クレゾールノボラック等の多環式フェ
ノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であ
るポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂である。また他の出発原料樹脂の例として、特開平5
−306327号公報に記載されたオキサゾリドン環含
有エポキシ樹脂を挙げることができる。このエポキシ樹
脂は、ジイソシアネート化合物、またはジイソシアネー
ト化合物のNCO基をメタノール、エタノール等の低級
アルコールでブロックして得られたビスウレタン化合物
と、エピクロルヒドリンとの反応によって得られるもの
である。
【0027】上記出発原料であるエポキシ樹脂は、アミ
ン類やスルフィドによるエポキシ環の開環反応の前に、
2官能のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオ
ール、ビスフェノール類、2塩基性カルボン酸等により
鎖延長して用いることができる。また同じくエポキシ環
の開環反応の前に、分子量またはアミン当量の調節、熱
フロー性の改良等を目的として、一部のエポキシ環に対
してフェノール、クレゾール、ノニルフェノール、ニト
ロフェノールなどのモノフェノール類、ヘキシルアルコ
ール、2−エチルヘキサノール、ステアリルアルコー
ル、エチレングリコールまたはプロピレングリコールの
モノブチルエーテルやモノヘキシルエーテルなどのモノ
アルコール類、ステアリン酸およびオクチル酸などの脂
肪族モノカルボン酸類、グリコール酸、ジメチロールプ
ロピオン酸、ヒドロキシピバリン酸、乳酸、クエン酸な
どの脂肪族ヒドロキシカルボン酸、およびメルカプトエ
タノールなどのメルカプトアルカノールが挙げられる。
ン類やスルフィドによるエポキシ環の開環反応の前に、
2官能のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオ
ール、ビスフェノール類、2塩基性カルボン酸等により
鎖延長して用いることができる。また同じくエポキシ環
の開環反応の前に、分子量またはアミン当量の調節、熱
フロー性の改良等を目的として、一部のエポキシ環に対
してフェノール、クレゾール、ノニルフェノール、ニト
ロフェノールなどのモノフェノール類、ヘキシルアルコ
ール、2−エチルヘキサノール、ステアリルアルコー
ル、エチレングリコールまたはプロピレングリコールの
モノブチルエーテルやモノヘキシルエーテルなどのモノ
アルコール類、ステアリン酸およびオクチル酸などの脂
肪族モノカルボン酸類、グリコール酸、ジメチロールプ
ロピオン酸、ヒドロキシピバリン酸、乳酸、クエン酸な
どの脂肪族ヒドロキシカルボン酸、およびメルカプトエ
タノールなどのメルカプトアルカノールが挙げられる。
【0028】エポキシ環を開環し、アミノ基を導入する
際に使用し得るアミン類の例としては、ブチルアミン、
オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メ
チルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルア
ミン酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩など
の1級、2級または3級アミン酸塩を挙げることができ
る。また、アミノエチルエタノールアミンメチルイソブ
チルケチミンの様なケチミンブロック1級アミノ基含有
2級アミンも使用することができる。これらのアミン類
は、全てのエポキシ環を開環させるために、エポキシ環
に対して少なくとも当量で反応させる必要がある。
際に使用し得るアミン類の例としては、ブチルアミン、
オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メ
チルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルア
ミン酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩など
の1級、2級または3級アミン酸塩を挙げることができ
る。また、アミノエチルエタノールアミンメチルイソブ
チルケチミンの様なケチミンブロック1級アミノ基含有
2級アミンも使用することができる。これらのアミン類
は、全てのエポキシ環を開環させるために、エポキシ環
に対して少なくとも当量で反応させる必要がある。
【0029】これに対して、スルフィドの例として、ジ
エチルスルフィド、ジプロピルスルフィド、ジブチルス
ルフィド、ジヘキシルスルフィド、ジフェニルスルフィ
ド、エチルフェニルスルフィド、テトラメチレンスルフ
ィド、ペンタメチレンスルフィド、チオジエタノール、
チオジプロパノール、チオジブタノール、1−(2−ヒ
ドロキシエチルチオ)−2−プロパノール、1−(2−
ヒドロキシエチルチオ)−2−ブタノール、1−(2−
ヒドロキシエチルチオ)−3−ブトキシ−1−プロパノ
ールなどを挙げることができ、酸の例として、ぎ酸、酢
酸、乳酸、プロピオン酸、ほう酸、酪酸、ジメチロール
プロピオン酸、塩酸、硫酸、りん酸、N−アセチルグリ
シン、N−アセチル−β−アラニン、スルファミン酸な
どを挙げることができる。
エチルスルフィド、ジプロピルスルフィド、ジブチルス
ルフィド、ジヘキシルスルフィド、ジフェニルスルフィ
ド、エチルフェニルスルフィド、テトラメチレンスルフ
ィド、ペンタメチレンスルフィド、チオジエタノール、
チオジプロパノール、チオジブタノール、1−(2−ヒ
ドロキシエチルチオ)−2−プロパノール、1−(2−
ヒドロキシエチルチオ)−2−ブタノール、1−(2−
ヒドロキシエチルチオ)−3−ブトキシ−1−プロパノ
ールなどを挙げることができ、酸の例として、ぎ酸、酢
酸、乳酸、プロピオン酸、ほう酸、酪酸、ジメチロール
プロピオン酸、塩酸、硫酸、りん酸、N−アセチルグリ
シン、N−アセチル−β−アラニン、スルファミン酸な
どを挙げることができる。
【0030】上記カチオン性基を有するエポキシ変性基
体樹脂の数平均分子量は600〜4000の範囲が好ま
しい。数平均分子量が600未満の場合は、得られる塗
膜の耐溶剤性および耐食性等の物性が劣ることがある。
反対に4000を超える場合は、樹脂溶液の粘度制御が
難しく合成が困難なばかりか、得られた樹脂の乳化分散
等の操作上ハンドリングが困難となることがある。さら
に高粘度であるがゆえに加熱・硬化時のフロー性が悪く
塗膜外観を著しく損ねる場合がある。また、上記カチオ
ン性基を有するエポキシ変性基体樹脂のアミノ価または
スルホニウム価は30〜150、より好ましくは、45
〜120であることが好ましい。なお、アミノ価または
スルホニウム価が30未満の場合は、安定なエマルショ
ンを得にくく、150を越えると、クーロン効率や再溶
解性等の電着塗装作業性に問題が生じるおそれがある。
体樹脂の数平均分子量は600〜4000の範囲が好ま
しい。数平均分子量が600未満の場合は、得られる塗
膜の耐溶剤性および耐食性等の物性が劣ることがある。
反対に4000を超える場合は、樹脂溶液の粘度制御が
難しく合成が困難なばかりか、得られた樹脂の乳化分散
等の操作上ハンドリングが困難となることがある。さら
に高粘度であるがゆえに加熱・硬化時のフロー性が悪く
塗膜外観を著しく損ねる場合がある。また、上記カチオ
ン性基を有するエポキシ変性基体樹脂のアミノ価または
スルホニウム価は30〜150、より好ましくは、45
〜120であることが好ましい。なお、アミノ価または
スルホニウム価が30未満の場合は、安定なエマルショ
ンを得にくく、150を越えると、クーロン効率や再溶
解性等の電着塗装作業性に問題が生じるおそれがある。
【0031】次に、上記ブロックイソシアネート硬化剤
について説明する。上記ブロックイソシアネート硬化剤
は、2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシア
ネート化合物に、イソシアネート基に付加し、常温では
安定であるが解離温度以上に加熱すると遊離のイソシア
ネート基を再生し得るブロック剤を反応させて得られる
ものであり、カチオン電着塗料に用いられているものを
使用することができる。
について説明する。上記ブロックイソシアネート硬化剤
は、2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシア
ネート化合物に、イソシアネート基に付加し、常温では
安定であるが解離温度以上に加熱すると遊離のイソシア
ネート基を再生し得るブロック剤を反応させて得られる
ものであり、カチオン電着塗料に用いられているものを
使用することができる。
【0032】上記ポリイソシアネート化合物としては、
トリメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート等のアルキレンジ
イソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロ
ヘキサン、シクロペンタンジイソシアネート、シクロヘ
キサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
等のシクロアルキレン系ジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイ
ソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、ジイソシアネートジエチルベンゼン
等の芳香脂肪族ジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、トリイソシアネートベンゼン、ト
リイソシアネートトルエン等のトリイソシアネート、ジ
フェニルジメチルメタンテトライソシアネート等のテト
ライソシアネート、トリレンジイソシアネートの2量体
または3量体等の重合ポリイソシアネート、上記各種ポ
リイソシアネート化合物にエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、水添ビスフェノールA、ヘキサントリオー
ル、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヒマシ油、ト
リエタノールアミン等の低分子活性水素含有有機化合物
を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物等
が挙げられる。
トリメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート等のアルキレンジ
イソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロ
ヘキサン、シクロペンタンジイソシアネート、シクロヘ
キサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
等のシクロアルキレン系ジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイ
ソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、ジイソシアネートジエチルベンゼン
等の芳香脂肪族ジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、トリイソシアネートベンゼン、ト
リイソシアネートトルエン等のトリイソシアネート、ジ
フェニルジメチルメタンテトライソシアネート等のテト
ライソシアネート、トリレンジイソシアネートの2量体
または3量体等の重合ポリイソシアネート、上記各種ポ
リイソシアネート化合物にエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、水添ビスフェノールA、ヘキサントリオー
ル、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヒマシ油、ト
リエタノールアミン等の低分子活性水素含有有機化合物
を反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物等
が挙げられる。
【0033】一方、上記ブロック剤としては、フェノー
ル、クレゾール、キシレノール、クロロフェノールおよ
びエチルフェノールなどのフェノール系ブロック剤;ε
―カプロラクタム、δ―バレロラクタム、γ―ブチロラ
クタムおよびβ―プロピオラクタムなどのラクタム系ブ
ロック剤;アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンな
どの活性メチレン系ブロック剤;メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ベンジルアルコール、グリコール酸メチル、グリコ
ール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチルおよ
び乳酸エチルなどのアルコール系ブロック剤;ホルムア
ルドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチ
ルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、シク
ロヘキサンオキシムなどのオキシム系ブロック剤;ブチ
ルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメ
ルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、
エチルチオフェノールなどのメルカプタン系ブロック
剤;酢酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系ブロッ
ク剤;コハク酸イミドおよびマレイン酸イミドなどのイ
ミド系ブロック剤;イミダゾール、2−エチルイミダゾ
ールなどのイミダゾール系ブロック剤;などを挙げるこ
とができる。なお、低温硬化性が必要であるときには、
フェノール系、ラクタム系、オキシム系ブロック剤より
選ばれた少なくとも1種のブロック剤を用いることが好
ましい。
ル、クレゾール、キシレノール、クロロフェノールおよ
びエチルフェノールなどのフェノール系ブロック剤;ε
―カプロラクタム、δ―バレロラクタム、γ―ブチロラ
クタムおよびβ―プロピオラクタムなどのラクタム系ブ
ロック剤;アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンな
どの活性メチレン系ブロック剤;メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ベンジルアルコール、グリコール酸メチル、グリコ
ール酸ブチル、ジアセトンアルコール、乳酸メチルおよ
び乳酸エチルなどのアルコール系ブロック剤;ホルムア
ルドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチ
ルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、シク
ロヘキサンオキシムなどのオキシム系ブロック剤;ブチ
ルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメ
ルカプタン、チオフェノール、メチルチオフェノール、
エチルチオフェノールなどのメルカプタン系ブロック
剤;酢酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミド系ブロッ
ク剤;コハク酸イミドおよびマレイン酸イミドなどのイ
ミド系ブロック剤;イミダゾール、2−エチルイミダゾ
ールなどのイミダゾール系ブロック剤;などを挙げるこ
とができる。なお、低温硬化性が必要であるときには、
フェノール系、ラクタム系、オキシム系ブロック剤より
選ばれた少なくとも1種のブロック剤を用いることが好
ましい。
【0034】上記カチオン性基を有するエポキシ変性基
体樹脂とブロックイソシアネート硬化剤とのカチオン電
着塗料組成物中の固形分重量比率は、好ましくは50/
50〜90/10、より好ましくは60/40〜80/
20である。前記割合から外れると、硬化性に問題を生
じるおそれがある。
体樹脂とブロックイソシアネート硬化剤とのカチオン電
着塗料組成物中の固形分重量比率は、好ましくは50/
50〜90/10、より好ましくは60/40〜80/
20である。前記割合から外れると、硬化性に問題を生
じるおそれがある。
【0035】上記中和酸としては、先にスルフィドと組
み合わせて用いられる酸と同じものを挙げることができ
る。この酸の量は、上記カチオン性基を有するエポキシ
変性基体樹脂中のアミノ基またはスルフォニウム基の量
によって異なるものであり、水分散できる量であればよ
い。
み合わせて用いられる酸と同じものを挙げることができ
る。この酸の量は、上記カチオン性基を有するエポキシ
変性基体樹脂中のアミノ基またはスルフォニウム基の量
によって異なるものであり、水分散できる量であればよ
い。
【0036】上記顔料は、通常用いられる顔料であれば
特に制限はなく、例えば、二酸化チタン、カーボンブラ
ックおよびベンガラのような着色顔料、カオリン、タル
ク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカ、ク
レーおよびシリカのような体質顔料、リン酸亜鉛、リン
酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン
酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アル
ミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウ
ム、モリブデン酸カルシウムおよびリンモリブデン酸ア
ルミニウムのような防錆顔料等が挙げられる。上記顔料
分散樹脂としては、一般にカチオン性またはノニオン性
の低分子量界面活性剤や4級アンモニウム基および/ま
たは3級スルホニウム基を有する変性エポキシ樹脂等な
どが用いられる。
特に制限はなく、例えば、二酸化チタン、カーボンブラ
ックおよびベンガラのような着色顔料、カオリン、タル
ク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカ、ク
レーおよびシリカのような体質顔料、リン酸亜鉛、リン
酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン
酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アル
ミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウ
ム、モリブデン酸カルシウムおよびリンモリブデン酸ア
ルミニウムのような防錆顔料等が挙げられる。上記顔料
分散樹脂としては、一般にカチオン性またはノニオン性
の低分子量界面活性剤や4級アンモニウム基および/ま
たは3級スルホニウム基を有する変性エポキシ樹脂等な
どが用いられる。
【0037】上記顔料分散用樹脂および顔料は、所定量
を混合した後、その混合物中の顔料の粒径が所定の均一
な粒径となるまで、ボールミルやサンドグラインドミル
などの通常の分散装置を用いて分散させることにより、
顔料分散ペーストを得る。この顔料分散ペーストは、カ
チオン電着塗料組成物中の顔料が固形分として50重量
%以下になる量を用いることができる。
を混合した後、その混合物中の顔料の粒径が所定の均一
な粒径となるまで、ボールミルやサンドグラインドミル
などの通常の分散装置を用いて分散させることにより、
顔料分散ペーストを得る。この顔料分散ペーストは、カ
チオン電着塗料組成物中の顔料が固形分として50重量
%以下になる量を用いることができる。
【0038】上記塗料用添加剤としては、界面活性剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、硬化促進剤などの慣用のも
のを挙げることができる。
酸化防止剤、紫外線吸収剤、硬化促進剤などの慣用のも
のを挙げることができる。
【0039】本発明の製造方法では、上述のカチオン性
基を有するエポキシ変性基体樹脂、ブロックイソシアネ
ート硬化剤およびカーバメート化合物、ならびに必要に
応じて顔料分散ペーストおよび塗料用添加剤のそれぞれ
所定量を混合してカチオン電着塗料組成物を得る。具体
的には、例えば、カチオン性基を有するエポキシ変性基
体樹脂がアミノ基を有する場合には、出発原料であるエ
ポキシ樹脂とブロックイソシアネート硬化剤とを混合
し、中和酸を加える。ここにカーバメート化合物を加え
た後、これを水単独かまたは水と親水性有機溶剤との混
合物である水性媒体に分散させ、必要に応じて、顔料分
散ペーストを混合することにより、本発明のカチオン電
着塗料組成物を得ることができる。なお、添加剤は任意
の段階で系に加えることができる。
基を有するエポキシ変性基体樹脂、ブロックイソシアネ
ート硬化剤およびカーバメート化合物、ならびに必要に
応じて顔料分散ペーストおよび塗料用添加剤のそれぞれ
所定量を混合してカチオン電着塗料組成物を得る。具体
的には、例えば、カチオン性基を有するエポキシ変性基
体樹脂がアミノ基を有する場合には、出発原料であるエ
ポキシ樹脂とブロックイソシアネート硬化剤とを混合
し、中和酸を加える。ここにカーバメート化合物を加え
た後、これを水単独かまたは水と親水性有機溶剤との混
合物である水性媒体に分散させ、必要に応じて、顔料分
散ペーストを混合することにより、本発明のカチオン電
着塗料組成物を得ることができる。なお、添加剤は任意
の段階で系に加えることができる。
【0040】本発明のカチオン電着塗料組成物は、先の
製造方法によって得られたものである。このカチオン電
着塗料組成物は、基材に対しカチオン電着塗装される。
カチオン電着塗装はそれ自体既知の方法に従うものであ
って、一般には、脱イオン水で希釈することにより、固
形分濃度を5〜40重量%、好ましくは、15〜25重
量%となるように設定し、さらに、pHを5.5〜8.
5の範囲内に調整した上記カチオン電着塗料組成物から
なる電着浴を通常、浴温20℃〜35℃に調整し、負荷
電圧100〜450Vの条件で行われる。
製造方法によって得られたものである。このカチオン電
着塗料組成物は、基材に対しカチオン電着塗装される。
カチオン電着塗装はそれ自体既知の方法に従うものであ
って、一般には、脱イオン水で希釈することにより、固
形分濃度を5〜40重量%、好ましくは、15〜25重
量%となるように設定し、さらに、pHを5.5〜8.
5の範囲内に調整した上記カチオン電着塗料組成物から
なる電着浴を通常、浴温20℃〜35℃に調整し、負荷
電圧100〜450Vの条件で行われる。
【0041】電着塗装の膜厚は、乾燥膜厚で、5〜40
μm、好ましくは、10〜30μmの範囲内が適当であ
り、この膜厚になるように上記電着塗装条件を設定する
ことが好ましい。また、塗膜の焼き付けは、一般に10
0〜220℃、好ましくは、140〜200℃で10〜
30分間の時間の範囲で行うことが適している。
μm、好ましくは、10〜30μmの範囲内が適当であ
り、この膜厚になるように上記電着塗装条件を設定する
ことが好ましい。また、塗膜の焼き付けは、一般に10
0〜220℃、好ましくは、140〜200℃で10〜
30分間の時間の範囲で行うことが適している。
【0042】このように形成されたカチオン電着塗膜
は、その上に、必要に応じて中塗り塗膜を形成した後、
上塗り塗膜を形成することが可能である。なお、上記中
塗り塗膜および上塗り塗膜の形成は、自動車等の外板塗
装に用いられる、塗料および塗装条件を適用することが
できる。
は、その上に、必要に応じて中塗り塗膜を形成した後、
上塗り塗膜を形成することが可能である。なお、上記中
塗り塗膜および上塗り塗膜の形成は、自動車等の外板塗
装に用いられる、塗料および塗装条件を適用することが
できる。
【0043】
【実施例】製造例1 カーバメート化合物の製造 (H2N−CH2CH2)2N−(CH2CH(CH3)O)
10Hの構造を有するAP−10(三洋化成社製)34
1.5重量部にプロピレンカーボネート204.0重量
部を室温で混合し、徐々に120℃まで温度を上げ、そ
の後12時間反応を継続した。赤外吸収スペクトルでウ
レタン結合が生じていることを確認した後、未反応のプ
ロピレンカーボネートを減圧下で留去し、粘稠な液体と
して、(HO(CH3)CHCH2OCONHCH2C
H2)2N−(CH2CH(CH3)O)1 0Hの構造を有す
ると思われるカーバメート化合物402.3重量部を得
た。
10Hの構造を有するAP−10(三洋化成社製)34
1.5重量部にプロピレンカーボネート204.0重量
部を室温で混合し、徐々に120℃まで温度を上げ、そ
の後12時間反応を継続した。赤外吸収スペクトルでウ
レタン結合が生じていることを確認した後、未反応のプ
ロピレンカーボネートを減圧下で留去し、粘稠な液体と
して、(HO(CH3)CHCH2OCONHCH2C
H2)2N−(CH2CH(CH3)O)1 0Hの構造を有す
ると思われるカーバメート化合物402.3重量部を得
た。
【0044】製造例2 カチオン性基を有するエポキシ
変性基体樹脂の製造 撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計および滴下漏斗を
装備したフラスコに、2,4−/2,6−トリレンジイソ
シアネート(重量比=8/2)92部、メチルイソブチ
ルケトン(以下、MIBKと略す)95部およびジブチ
ル錫ジラウレート0.5部を仕込んだ。反応混合物を撹
拌下、メタノール21部を滴下した。反応は、室温から
始め、発熱により60℃まで昇温した。その後、30分
間反応を継続した後、エチレングリコールモノ−2−エ
チルヘキシルエーテル57部を滴下漏斗より滴下した。
更に、反応混合物に、ビスフェノールA−プロピレンオ
キシド5モル付加体42部を添加した。反応は主に、6
0〜65℃の範囲で行い、IRスペクトルの測定におい
て、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで継続
した。
変性基体樹脂の製造 撹拌機、冷却管、窒素導入管、温度計および滴下漏斗を
装備したフラスコに、2,4−/2,6−トリレンジイソ
シアネート(重量比=8/2)92部、メチルイソブチ
ルケトン(以下、MIBKと略す)95部およびジブチ
ル錫ジラウレート0.5部を仕込んだ。反応混合物を撹
拌下、メタノール21部を滴下した。反応は、室温から
始め、発熱により60℃まで昇温した。その後、30分
間反応を継続した後、エチレングリコールモノ−2−エ
チルヘキシルエーテル57部を滴下漏斗より滴下した。
更に、反応混合物に、ビスフェノールA−プロピレンオ
キシド5モル付加体42部を添加した。反応は主に、6
0〜65℃の範囲で行い、IRスペクトルの測定におい
て、イソシアネート基に基づく吸収が消失するまで継続
した。
【0045】次に、ビスフェノールAとエピクロルヒド
リンから既知の方法で合成したエポキシ当量188のエ
ポキシ樹脂365部を反応混合物に加えて、125℃ま
で昇温した。その後、ベンジルジメチルアミン1.0部
を添加し、エポキシ当量410部になるまで130℃で
反応させた。
リンから既知の方法で合成したエポキシ当量188のエ
ポキシ樹脂365部を反応混合物に加えて、125℃ま
で昇温した。その後、ベンジルジメチルアミン1.0部
を添加し、エポキシ当量410部になるまで130℃で
反応させた。
【0046】続いて、ビスフェノールA87部を加えて
120℃で反応させたところ、エポキシ当量は1190
となった。その後、反応混合物を冷却し、ジエタノール
アミン11部、N−エチルエタノールアミン24部およ
びアミノエチルエタノールアミンのケチミン化物の79
重量%MIBK溶液25部を加え、110℃で2時間反
応させた。その後、MIBKで不揮発分80%となるま
で希釈し、ガラス転移温度が22℃のカチオン性基を有
するエポキシ変性基体樹脂(樹脂固形分80%)を得
た。
120℃で反応させたところ、エポキシ当量は1190
となった。その後、反応混合物を冷却し、ジエタノール
アミン11部、N−エチルエタノールアミン24部およ
びアミノエチルエタノールアミンのケチミン化物の79
重量%MIBK溶液25部を加え、110℃で2時間反
応させた。その後、MIBKで不揮発分80%となるま
で希釈し、ガラス転移温度が22℃のカチオン性基を有
するエポキシ変性基体樹脂(樹脂固形分80%)を得
た。
【0047】製造例3 ブロックイソシアネート硬化剤
の製造 ジフェニルメタンジイソシアナート1250部およびM
IBK266.4部を反応容器に仕込み、これを80℃
まで加熱した後、ジブチル錫ジラウレート2.5部を加
えた。ここに、ε−カプロラクタム226部をブチルセ
ロソルブ944部に溶解させたものを80℃で2時間か
けて滴下した。さらに100℃で4時間加熱した後、I
Rスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づ
く吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK33
6.1部を加えてブロックイソシアネート硬化剤を得
た。
の製造 ジフェニルメタンジイソシアナート1250部およびM
IBK266.4部を反応容器に仕込み、これを80℃
まで加熱した後、ジブチル錫ジラウレート2.5部を加
えた。ここに、ε−カプロラクタム226部をブチルセ
ロソルブ944部に溶解させたものを80℃で2時間か
けて滴下した。さらに100℃で4時間加熱した後、I
Rスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づ
く吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK33
6.1部を加えてブロックイソシアネート硬化剤を得
た。
【0048】製造例4 顔料分散樹脂の製造 まず、撹拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を装
備した反応容器に、イソホロンジイソシアネート(以
下、IPDIと略す)222.0部を入れ、MIBK3
9.1部で希釈した後、ここへジブチル錫ジラウレート
0.2部を加えた。その後、これを50℃に昇温した
後、2−エチルヘキサノール131.5部を撹拌下、乾
燥窒素雰囲気中で2時間かけて滴下した。適宜、冷却す
ることにより、反応温度を50℃に維持した。その結
果、2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI
(樹脂固形分90.0%)が得られた。
備した反応容器に、イソホロンジイソシアネート(以
下、IPDIと略す)222.0部を入れ、MIBK3
9.1部で希釈した後、ここへジブチル錫ジラウレート
0.2部を加えた。その後、これを50℃に昇温した
後、2−エチルヘキサノール131.5部を撹拌下、乾
燥窒素雰囲気中で2時間かけて滴下した。適宜、冷却す
ることにより、反応温度を50℃に維持した。その結
果、2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI
(樹脂固形分90.0%)が得られた。
【0049】次いで、適当な反応容器に、ジメチルエタ
ノールアミン87.2部、75%乳酸水溶液117.6
部およびエチレングリコールモノブチルエーテル39.
2部を順に加え、65℃で約半時間撹拌して、4級化剤
を調製した。
ノールアミン87.2部、75%乳酸水溶液117.6
部およびエチレングリコールモノブチルエーテル39.
2部を順に加え、65℃で約半時間撹拌して、4級化剤
を調製した。
【0050】次に、エポン(EPON)829(シェル
・ケミカル・カンパニー社製ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、エポキシ当量193〜203)710.0部と
ビスフェノールA289.6部とを適当な反応容器に仕
込み、窒素雰囲気下、150〜160℃に加熱したとこ
ろ、初期発熱反応が生じた。反応混合物を150〜16
0℃で約1時間反応させ、次いで、120℃に冷却した
後、先に調製した2−エチルヘキサノールハーフブロッ
ク化IPDI(MIBK溶液)498.8部を加えた。
・ケミカル・カンパニー社製ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、エポキシ当量193〜203)710.0部と
ビスフェノールA289.6部とを適当な反応容器に仕
込み、窒素雰囲気下、150〜160℃に加熱したとこ
ろ、初期発熱反応が生じた。反応混合物を150〜16
0℃で約1時間反応させ、次いで、120℃に冷却した
後、先に調製した2−エチルヘキサノールハーフブロッ
ク化IPDI(MIBK溶液)498.8部を加えた。
【0051】反応混合物を110〜120℃に約1時間
保ち、次いで、エチレングリコールモノブチルエーテル
1390.2部を加え、混合物を85〜95℃に冷却
し、均一化した後、先に調製した4級化剤196.7部
を添加した。酸価が1となるまで反応混合物を85〜9
5℃に保持した後、脱イオン水37.0部を加えて、エ
ポキシ−ビスフェノールA樹脂において4級化を終了さ
せ、4級アンモニウム塩部分を有する顔料分散用樹脂を
得た(樹脂固形分50%)。
保ち、次いで、エチレングリコールモノブチルエーテル
1390.2部を加え、混合物を85〜95℃に冷却
し、均一化した後、先に調製した4級化剤196.7部
を添加した。酸価が1となるまで反応混合物を85〜9
5℃に保持した後、脱イオン水37.0部を加えて、エ
ポキシ−ビスフェノールA樹脂において4級化を終了さ
せ、4級アンモニウム塩部分を有する顔料分散用樹脂を
得た(樹脂固形分50%)。
【0052】製造例5 顔料分散ペーストの製造 サンドグラインドミルに製造例4で得た顔料分散用樹脂
を120部、カーボンブラック2.0部、カオリン10
0.0部、二酸化チタン80.0部、リンモリブデン酸
アルミニウム18.0部およびイオン交換水を入れ、粒
度10μm以下になるまで分散して、顔料分散ペースト
を得た(固形分48%)。
を120部、カーボンブラック2.0部、カオリン10
0.0部、二酸化チタン80.0部、リンモリブデン酸
アルミニウム18.0部およびイオン交換水を入れ、粒
度10μm以下になるまで分散して、顔料分散ペースト
を得た(固形分48%)。
【0053】実施例1 カチオン電着塗料組成物の製造 製造例1で得られたカーバメート化合物21.2重量
部、製造例2で得られたカチオン性基を有するエポキシ
変性基体樹脂373.7重量部および製造例3で得られ
たブロックイソシアネート硬化剤160.2重量部とを
固形分比で混合した。これと50%乳酸水25.8重量
およびイオン交換水196.7重量部とを混合し、さら
にイオン交換水を加えることにより、固形分が36%の
エマルションを得た。
部、製造例2で得られたカチオン性基を有するエポキシ
変性基体樹脂373.7重量部および製造例3で得られ
たブロックイソシアネート硬化剤160.2重量部とを
固形分比で混合した。これと50%乳酸水25.8重量
およびイオン交換水196.7重量部とを混合し、さら
にイオン交換水を加えることにより、固形分が36%の
エマルションを得た。
【0054】このエマルション1697部および製造例
4で得られた顔料分散ペースト393.9部と、イオン
交換水1899.3部およびジブチル錫オキサイド9.
8部とを混合して、固形分20重量%のカチオン電着塗
料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物における
顔料と樹脂固形分との比率は1/4.5であった。
4で得られた顔料分散ペースト393.9部と、イオン
交換水1899.3部およびジブチル錫オキサイド9.
8部とを混合して、固形分20重量%のカチオン電着塗
料組成物を得た。このカチオン電着塗料組成物における
顔料と樹脂固形分との比率は1/4.5であった。
【0055】比較例1 実施例1において、カーバメート化合物を用いなかった
こと以外は同様にして、カチオン電着塗料組成物を得
た。
こと以外は同様にして、カチオン電着塗料組成物を得
た。
【0056】上記実施例1および比較例1で得られたカ
チオン電着塗料組成物について下記の項目について評価
を行った。その結果を表1に示す。
チオン電着塗料組成物について下記の項目について評価
を行った。その結果を表1に示す。
【0057】<溶剤含有量>カチオン電着塗料組成物を
用いて、液温30℃、塗装電圧が190〜200Vの条
件でリン酸亜鉛処理した冷延鋼板に電着を行い、これを
170℃で25分焼き付けて得られる乾燥塗膜の膜厚が
20μmになるよう、ブチルセルソルブを添加した。添
加後のカチオン電着塗料組成物の溶剤含有量をガスクロ
マトグラフィーを用いて定量して決定した。
用いて、液温30℃、塗装電圧が190〜200Vの条
件でリン酸亜鉛処理した冷延鋼板に電着を行い、これを
170℃で25分焼き付けて得られる乾燥塗膜の膜厚が
20μmになるよう、ブチルセルソルブを添加した。添
加後のカチオン電着塗料組成物の溶剤含有量をガスクロ
マトグラフィーを用いて定量して決定した。
【0058】<塩水浸積耐食性>溶剤含有量の評価の際
に得られた膜厚20μmの乾燥塗膜を5%食塩水に55
℃で240時間浸漬した後、カット部をテープ剥離し
た。カット部両側の剥離幅を以下の基準で評価した。 ○:<3mm △: 3〜6mm ×:>6mm
に得られた膜厚20μmの乾燥塗膜を5%食塩水に55
℃で240時間浸漬した後、カット部をテープ剥離し
た。カット部両側の剥離幅を以下の基準で評価した。 ○:<3mm △: 3〜6mm ×:>6mm
【0059】
【表1】
【0060】この結果から、本発明のカチオン電着塗料
は、耐食性を低下させることなく、有機溶剤の含有量を
低減できていることが確認された。
は、耐食性を低下させることなく、有機溶剤の含有量を
低減できていることが確認された。
【0061】
【発明の効果】本発明の製造方法では、カチオン電着塗
料組成物の耐食性を低下させることなく、有機溶剤の含
有量を低減することができる。これまで、多官能アミン
と有機カーボネートとの反応生成物がブロックイソシア
ネートに代わる硬化剤として有用であることは知られて
いたが、本発明では、ブロックイソシアネートを硬化剤
とし、これに特定の構造を有するカーバメート化合物を
含有させることにより、有機溶剤の含有量を低減するこ
とを可能とした。このカーバメート化合物は、可塑剤成
分として有機溶剤の含有量低減に作用するだけでなく、
カーボネートとアミンとの反応によるウレタン結合を有
しているため、反応性に富み、硬化成分として反応する
結果、耐食性の低下を防ぐことができると考えられる。
料組成物の耐食性を低下させることなく、有機溶剤の含
有量を低減することができる。これまで、多官能アミン
と有機カーボネートとの反応生成物がブロックイソシア
ネートに代わる硬化剤として有用であることは知られて
いたが、本発明では、ブロックイソシアネートを硬化剤
とし、これに特定の構造を有するカーバメート化合物を
含有させることにより、有機溶剤の含有量を低減するこ
とを可能とした。このカーバメート化合物は、可塑剤成
分として有機溶剤の含有量低減に作用するだけでなく、
カーボネートとアミンとの反応によるウレタン結合を有
しているため、反応性に富み、硬化成分として反応する
結果、耐食性の低下を防ぐことができると考えられる。
【0062】本発明の製造方法では、特にアミノ基を複
数有するプロピレンオキサイドオリゴマーを原料として
得られたカーバメート化合物は官能基の数が多いため、
このものを用いたカチオン電着塗料組成物は優れた性能
を発揮することができる。
数有するプロピレンオキサイドオリゴマーを原料として
得られたカーバメート化合物は官能基の数が多いため、
このものを用いたカチオン電着塗料組成物は優れた性能
を発揮することができる。
フロントページの続き (72)発明者 山田 光夫 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 DB391 DB401 DF012 DG302 GA08 MA08 MA10 MA14 NA03 NA27 PA04 PB07 PC02
Claims (4)
- 【請求項1】ブロックイソシアネート硬化剤を含むカチ
オン電着塗料組成物において、平均分子量200〜50
00の1級アミノ基を有するアルキレンオキサイドオリ
ゴマーにカーボネート化合物を反応させて得られるカー
バメート化合物を、樹脂固形分中2〜15重量%になる
ように用いることを特徴とするカチオン電着塗料組成物
の製造方法。 - 【請求項2】前記アルキレンオキサイドオリゴマーがエ
チレンオキサイドオリゴマーまたはプロピレンオキサイ
ドオリゴマーである請求項1記載のカチオン電着塗料組
成物の製造方法。 - 【請求項3】前記カーボネート化合物がプロピレンカー
ボネートである請求項1記載のカチオン電着塗料組成物
の製造方法。 - 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか1つに記載さ
れた製造方法により得られたカチオン電着塗料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000226671A JP2002038079A (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | カチオン電着塗料組成物の製造方法およびそれから得られるカチオン電着塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000226671A JP2002038079A (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | カチオン電着塗料組成物の製造方法およびそれから得られるカチオン電着塗料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002038079A true JP2002038079A (ja) | 2002-02-06 |
Family
ID=18720249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000226671A Pending JP2002038079A (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | カチオン電着塗料組成物の製造方法およびそれから得られるカチオン電着塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002038079A (ja) |
-
2000
- 2000-07-27 JP JP2000226671A patent/JP2002038079A/ja active Pending
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