JP2002037770A - ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導体およびその製造方法

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JP2002037770A
JP2002037770A JP2000222712A JP2000222712A JP2002037770A JP 2002037770 A JP2002037770 A JP 2002037770A JP 2000222712 A JP2000222712 A JP 2000222712A JP 2000222712 A JP2000222712 A JP 2000222712A JP 2002037770 A JP2002037770 A JP 2002037770A
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Noriyasu Echigo
紀康 越後
Kazuyoshi Honda
和義 本田
Yoshiaki Kai
義昭 貝
Masaru Odagiri
優 小田桐
Hisaaki Tachihara
久明 立原
Hideki Matsuda
英樹 松田
Atsushi Katsube
淳 勝部
Kazuo Iwaoka
和男 岩岡
Takanori Sugimoto
高則 杉本
Nobuki Sunanagare
伸樹 砂流
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品に好適な誘電体膜を形成できる樹脂
モノマーおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 以下の一般式(1)で表されるビス(4
−メルカプトフェニル)スルフィド誘導体。 【化1】 (式中、Rは水素またはメチル基を表し、nは1以上4
以下の整数を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビス(4−メルカ
プトフェニル)スルフィド誘導体およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、コンデンサなどに用いられる
誘電体膜には、樹脂膜が用いられている。このような誘
電体膜は、特公昭63−32929号、特開平11−1
47272号公報およびUSP5,125,138号に示
されるように、基板に蒸着した樹脂モノマーに電子線や
紫外線を照射し、前記樹脂モノマーを硬化させることに
よって形成されている。
【0003】上記誘電体膜を形成するための樹脂モノマ
ーとしては、たとえば、ジメチロールトリシクロデカン
ジアクリレートなどの重合性ビニルモノマーが用いられ
てきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記樹
脂モノマーによって形成された誘電体膜を用いた電子部
品は、特性が十分でないという問題があった。特に、上
記樹脂モノマーによって形成された誘電体膜を用いた電
子部品は、高湿度下や高温度下での特性が十分でないと
いう問題があった。
【0005】上記問題を解決するため、本発明は、電子
部品に好適な誘電体膜を形成できる樹脂モノマーおよび
その製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、鋭意検討した結果、本発明者らは、新たな樹脂モノ
マーを見出した。すなわち、本発明の樹脂モノマーは、
以下の一般式(1)で表されるビス(4−メルカプトフ
ェニル)スルフィド誘導体である。
【0007】
【化5】
【0008】(式中、Rは水素またはメチル基を表し、
nは1以上4以下の整数を示す) 上記本発明のビス(4−メルカプトフェニル)スルフィ
ド誘導体は、電子部品に用いられる誘電体膜を形成する
樹脂モノマーとして好適である。
【0009】上記本発明のビス(4−メルカプトフェニ
ル)スルフィド誘導体では、上記Rが水素であり、上記
nが2であることが好ましい。上記構成によれば、電子
部品に用いられる誘電体膜を形成する樹脂モノマーとし
て特に好適なものが得られる。
【0010】また、本発明のビス(4−メルカプトフェ
ニル)スルフィド誘導体の製造方法は、以下の化学式
(2)で表されるビス(4−メルカプトフェニル)スル
フィドと、炭素数が4以下のω−ハロアルキルアルコー
ルとを反応させることによって、以下の一般式(3)で
表される有機化合物を製造する第1の工程と、アクリル
酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステ
ルと、上記一般式(3)で表される有機化合物とを反応
させることによって、以下の一般式(1)で表されるビ
ス(4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導体を製造
する第2の工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
【化6】
【0012】
【化7】
【0013】(式中、nは1以上4以下の整数を表す)
【0014】
【化8】
【0015】(式中、Rは水素またはメチル基を表し、
nは1以上4以下の整数を示す) 上記本発明のビス(4−メルカプトフェニル)スルフィ
ド誘導体の製造方法によれば、一般式(1)で表される
樹脂モノマーを容易に製造できる。
【0016】上記本発明の製造方法では、上記第1の工
程において上記ω−ハロアルキルアルコールが2−ハロ
エタノールであり、上記第2の工程においてアクリル酸
メチルと上記一般式(3)で表される化合物とを反応さ
せることが好ましい。上記構成によれば、電子部品に用
いられる誘電体膜を形成する樹脂モノマーとして特に好
適なビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導体
を容易に製造できる。
【0017】上記本発明の製造方法では、上記第1の工
程が、塩基触媒であるアルカリ金属炭酸塩の存在下で行
われることが好ましい。また、上記第2の工程は、エス
テル交換反応触媒であるアルコキシチタンまたはオルガ
ノスズ化合物の存在下で行われることが好ましい。上記
構成によれば、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフ
ィド誘導体を効率よく製造できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0019】(実施形態1)実施形態1では、本発明の
ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導体につ
いて説明する。
【0020】本発明のビス(4−メルカプトフェニル)
スルフィド誘導体は、以下の一般式(1)で表される。
【0021】
【化9】
【0022】(式中、Rは水素またはメチル基を表し、
nは1以上4以下の整数を示す) 上記一般式(1)のビス(4−メルカプトフェニル)ス
ルフィド誘導体は、実施形態2で説明する方法によって
製造できる。
【0023】上記一般式(1)のビス(4−メルカプト
フェニル)スルフィド誘導体は、電子部品に用いられる
誘電体膜を形成する樹脂モノマーとして用いることがで
きる。この樹脂モノマーを用いて誘電体膜を形成する場
合には、まず、樹脂モノマーを含む薄膜を形成し、この
薄膜に電子線や紫外線を照射すればよい。この樹脂モノ
マーを用いることによって、電子部品に好適な誘電体膜
を形成することができる。特に、上記一般式(1)のR
が水素であり、nが2であるビス(4−メルカプトフェ
ニル)スルフィド誘導体からなる樹脂モノマーを用い
て、コンデンサの誘電体膜を形成することにより、高湿
度下および高温度下においても特性が高いコンデンサが
得られる。
【0024】(実施形態2)実施形態2では、実施形態
1で説明した一般式(1)で表されるビス(4−メルカ
プトフェニル)スルフィド誘導体の製造方法について説
明する。
【0025】まず、以下の化学式(2)で表されるビス
(4−メルカプトフェニル)スルフィドとω−ハロアル
キルアルコールとを、塩基を触媒として60℃〜120
℃で4〜8時間反応させ、これによって以下の一般式
(3)で表される有機化合物を製造する(第1の工
程)。
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】(式中、nは1以上4以下の整数を示す) 上記化学式(2)で表されるビス(4−メルカプトフェ
ニル)スルフィドは、住友精化株式会社からMPSとい
う商品名で販売されている。
【0029】上記第1の工程で用いられるω−ハロアル
キルアルコールは、炭素数が1〜4の直鎖の炭素鎖を備
え、その炭素鎖の一端の炭素にヒドロキシル基を備え、
炭素鎖の他端の炭素にハロゲンを備えるアルコールであ
る。具体的には、たとえば、2−クロロエタノール、3
−クロロ−1−プロパノール、4−クロロ−1−ブタノ
ール、2−ブロモエタノール、3−ブロモ−1−プロパ
ノール、2−ヨードエタノールなどを用いることができ
る。なお、ω−ハロアルキルアルコールの炭素数が、一
般式(1)のビス(4−メルカプトフェニル)スルフィ
ド誘導体のnとなる。たとえば、2−クロロエタノール
を用いた場合には、一般式(1)中のnが2となる。
【0030】また、上記第1の工程で用いられる塩基触
媒には、Na2CO3やK2CO3などのアルカリ金属炭酸
塩、CaCO3やMgCO3などのアルカリ土類金属炭酸
塩、アルカリ金属のアルコキシドなどが適している。こ
の中でもアルカリ金属炭酸塩が好ましい。また、上記塩
基触媒の溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン類や、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどのエーテル類が適している。
【0031】上記第1の工程ののち、アクリル酸アルキ
ルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルと、一
般式(3)で表される有機化合物とをエステル交換反応
触媒の存在下で6〜10時間還流させることによって上
述した一般式(1)のビス(4−メルカプトフェニル)
スルフィド誘導体を製造できる(第2の工程)。
【0032】上記第2の工程において、アクリル酸アル
キルエステル(CH2=CHCOOR’であり、アルキ
ル基であるR’には、たとえば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基などを用いることができる。)、
好ましくはアクリル酸メチルを用いることによって、R
が水素である一般式(1)のビス(4−メルカプトフェ
ニル)スルフィド誘導体が得られる。また、メタクリル
酸アルキルエステル(CH2=C(CH3)COOR”で
あり、アルキル基であるR”には、たとえば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などを用いること
ができる。)、好ましくはメタクリル酸メチルを用いる
ことによって、Rがメチル基である一般式(1)のビス
(4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導体が得られ
る。
【0033】上記第2の工程に用いられるエステル交換
反応触媒としては、テトラブチルチタネートなどのアル
コキシチタンや、ジブチルスズオキシド、ジオクチルス
ズオキシド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズ
ジラウレートなどのオルガノスズ化合物などが適してい
る。この中でも、テトラブチルチタネートまたはジブチ
ルスズオキシドが好ましい。また、第2の工程における
アクリル酸アルキルエステル(またはメタクリル酸アル
キルエステル)の仕込み量としては、一般式(3)の有
機化合物1重量部に対して3〜10重量部が好ましい。
【0034】なお、上記製造方法では、第1の工程にお
いてω−ハロアルキルアルコールが2−ハロエタノール
であり、第2の工程においてアクリル酸メチルと一般式
(3)で表される化合物とを反応させることが好まし
い。
【0035】上記実施形態2の製造方法によれば、実施
形態1で説明した一般式(1)のビス(4−メルカプト
フェニル)スルフィド誘導体を容易に製造できる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0037】(実施例1)実施例1では、一般式(1)
で表されるビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド
誘導体のうち、Rが水素でnが2であるビス(4−アク
リロイルオキシエチレンチオフェニル)スルフィドを作
製した一例について説明する。また、一般式(1)で表
されるビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導
体のうち、Rがメチル基でnが4であるビス(4−メタ
クリロイルオキシブチレンチオフェニル)スルフィドを
作製した一例についても説明する。
【0038】まず、上述した化学式(2)で表されるビ
ス(4−メルカプトフェニル)スルフィド25.0g
(0.10モル)と、2−クロロエタノール16.1g
(0.20モル)と、炭酸カリウム27.6g(0.2
0モル)と、メチルイソブチルケトン300mlとを、
容量が1リットルのフラスコに採取し、還流下で6時間
撹拌を続けることによって反応させた。反応終了後、得
られた溶液に5%の塩酸水50mlを撹拌しながら徐々
に加え、その後さらにトルエン300mlを加えた。こ
うして得られた溶液を、pHが7になるまで蒸留水を用
いて繰り返し洗浄した。次に、洗浄後の溶液を、無水硫
酸ナトリウムで乾燥させたのち、溶媒を留去して以下の
化学式(4)で表される中間生成物32gを得た。
【0039】
【化12】
【0040】次に、化学式(4)で表される中間生成物
32gに、アクリル酸メチル320gとテトラブチルチ
タネート0.32g(中間生成物に対して100分の1
重量部)と、重合禁止剤であるp−メトキシフェノール
0.16g(中間生成物に対して1000分の5重量
部)とを加え、10時間還流させたのち、アクリル酸メ
チルを留去した。このようにして得られた反応生成物を
トルエン300mlに溶解したのち、この溶液を5%苛
性ソーダ水50mlと、5%塩酸水50mlで順次洗浄
した。さらに、上記溶液を蒸留水でpHが7になるまで
洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ
た。この溶液に、p−メトキシフェノール0.16gを
追加したのち、溶媒を留去して融点20℃の半固体を得
た。この半固体について、赤外分光分析(IR)、およ
びゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)の
測定を行った。
【0041】IRの測定結果を図1に示す。図1から明
らかなように、アクリル酸エステルに基づく1725c
-1の吸収ピークが見られる。また、GPCでは、原
料、中間生成物、および副生成物は検出されなかった。
以上のことから、最終的に得られた半固体は、以下の化
学式(5)で表されるビス(4−アクリロイルオキシエ
チレンチオフェニル)スルフィドであることが判明し
た。
【0042】
【化13】
【0043】次に、一般式(1)で表される有機化合物
のうち、Rがメチル基で、nが4であるビス(4−メタ
クリロイルオキシブチレンチオフェニル)スルフィドを
作製した一例を説明する。
【0044】この場合には、化学式(5)で表されるビ
ス(4−アクリロイルオキシエチレンチオフェニル)ス
ルフィドを製造する工程に対して用いる原料を変えるだ
けで、上記製造方法と同様の方法で製造できる。具体的
には、2−クロロエタノールに代えて4−クロロ−1−
ブタノールを用い、アクリル酸メチルに代えてメタクリ
ル酸メチルを用いればよい。これによって、以下の化学
式(6)で表されるビス(4−メタクリロイルオキシブ
チレンチオフェニル)スルフィドが得られた。
【0045】
【化14】
【0046】(実施例2)実施例2では、本発明のビス
(4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導体を用い
て、コンデンサを作製した一例について説明する。
【0047】実施例2におけるコンデンサの製造工程
を、図2に示す。図2(a)を参照して、まず、厚さ2
5μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)基板1
1を用意し、このPET基板11上に、アルミからなる
下部電極膜12(厚さ30nm)を、100nm/秒の
堆積速度で蒸着した。
【0048】その後、下部電極膜12上に、樹脂モノマ
ーを蒸着することによって、樹脂モノマーからなる薄膜
13a(厚さ200nm)を形成した(図2(b)参
照)。具体的には、図3に示すような容器32に樹脂モ
ノマー31として、本発明の化学式(5)で表されるビ
ス(4−アクリロイルオキシエチレンチオフェニル)ス
ルフィドを入れ、これを500nm/秒の蒸着速度とな
るように加熱し、下部電極膜12の一部が露出する位置
に薄膜13aを形成した。
【0049】その後、−15kVの加速電子を50μA
/cm2の密度で2秒間、薄膜13aに照射することに
よって、薄膜13a中の樹脂モノマーを重合させ、誘電
体膜13を形成した(図2(c)参照)。
【0050】その後、誘電体膜13の上方であって下部
電極膜12と接触しない位置に、アルミからなる上部電
極膜14を、100nm/秒の堆積速度で蒸着した(図
2(d)参照)。このようにして作製したコンデンサ
を、実施サンプル1とした。
【0051】また、比較例として、以下の化学式(A)
で表されるジメチロールトリシクロデカンジアクリレー
ト、および化学式(B)で表される1,9−ノナンジオ
ールジアクリレートを樹脂モノマーとし、上記と同様に
してコンデンサを作製し、比較サンプル1および2とし
た。
【0052】
【化15】
【0053】
【化16】
【0054】以上の3種類のコンデンサについて、特性
の評価を行った。具体的には、吸湿容量変化率と、
高温負荷容量変化率と、素子を温水に浸漬した時の素
子厚の変化を調べた(測定方法の詳細については後述す
る)。実施サンプル1、比較サンプル1および比較サン
プル2のコンデンサについての上記評価結果を表1に示
す。
【0055】
【表1】
【0056】なお、表1中、高温負荷容量変化率の−
10%以下とは、高温負荷容量変化率が−10%よりも
負に大きいことを意味する。
【0057】表1から明らかなように、本発明の化学式
(5)の樹脂モノマーを用いた実施サンプル1のコンデ
ンサは、〜のいずれの評価においても、比較サンプ
ルよりも優れた特性を示した。すなわち、本発明のビス
(4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導体からなる
樹脂モノマーを用いて、コンデンサの誘電体膜を形成す
ることにより、高湿度下および高温度下においても優れ
た特性のコンデンサが得られる。なお、誘電正接(ta
nδ)についても、実施サンプル1のコンデンサは比較
サンプル1および2のコンデンサよりも優れた特性を示
した。
【0058】以下、表1に示した評価の方法について詳
述する。
【0059】吸湿容量変化率については、以下の様に
評価した。まず、コンデンサを105℃の環境下で10
時間乾燥させ、初期容量C11を測定した。容量は、周波
数1kHz、電圧1Vrmsの正弦波をコンデンサに加
えて測定した。その後、温度60℃、湿度95%Rhの
環境下でコンデンサを100時間放置し、放置後の容量
(吸湿時の容量)C12を、初期容量と同様の条件で測定
した。吸湿容量変化率は、(C12−C11)/C11×10
0(%)で表される値である。吸湿容量変化率が小さい
ほど、湿度環境下における容量安定性が高く、製品とし
て好ましい。したがって、この吸湿容量変化率ができる
だけ小さいことが特に重要である。
【0060】高温負荷容量変化率については、以下の
ように評価した。まず、コンデンサを105℃の環境下
で10時間乾燥させ、初期容量C31を測定した。容量
は、周波数1kHz、電圧1Vrmsの正弦波をコンデ
ンサに加えて測定した。その後、温度105℃の環境下
でコンデンサに16Vの直流電圧を印加した状態で50
000時間放置し、放置後の容量C32を、初期容量と同
様の条件で測定した。高温負荷容量変化率は、(C32
31)/C31×100(%)で表される値である。高温
負荷容量変化率の絶対値が小さいほど、高温時に酸化し
にくいことを示しており、製品として好ましい。特に、
近年はCPUの高速化などに伴う電子部品の耐高温性が
重要になってきており、高温負荷容量変化率の絶対値が
小さいことが、コンデンサの評価の重要な指標となる。
【0061】温水に浸漬したときの厚さの変化は、以
下の様に評価した。まず、コンデンサの厚さを測定し
た。次に、コンデンサを90℃の温水中に3.5時間浸
漬し、その後コンデンサを温水から取り出して再度厚さ
を測定した。そして、温水浸漬前の厚さと浸漬後の厚さ
とを比較した。この厚さの変化が大きいほど、誘電体膜
が吸湿し、金属からなる電極膜との密着性が低下してい
ることを示している。したがって、厚さの変化が小さい
ほど、誘電体膜と電極膜との密着性が高く、製品として
好ましい。
【0062】なお、誘電正接(tanδ)については、
周波数1kHz、電圧1Vrmsの正弦波をコンデンサ
に加えて測定した。誘電正接が小さいほど、コンデンサ
自体で消費する電力がより小さく、製品として好まし
い。
【0063】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用する
ことができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、上記一
般式(1)で表される新規なビス(4−メルカプトフェ
ニル)スルフィド誘導体を提供する。一般式(1)で表
される本発明のビス(4−メルカプトフェニル)スルフ
ィド誘導体は、電子部品、特にたとえば、コンデンサ、
コイル、抵抗、容量性電池、他の電子部品の支持部材な
どに有用である。本発明のビス(4−メルカプトフェニ
ル)スルフィド誘導体を用いて誘電体膜を形成し、これ
を電子部品に用いることによって、高湿度下および高温
度下においても優れた特性の電子部品が得られる。
【0065】また、本発明のビス(4−メルカプトフェ
ニル)スルフィド誘導体の製造方法によれば、上記一般
式(1)で表されるビス(4−メルカプトフェニル)ス
ルフィド誘導体を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のビス(4−メルカプトフェニル)ス
ルフィド誘導体の一例についてIRスペクトルを示す図
である。
【図2】 本発明のビス(4−メルカプトフェニル)ス
ルフィド誘導体を用いてコンデンサを製造する場合につ
いて製造工程の一例を示す図である。
【図3】 図2に示した製造工程の一過程を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 コンデンサ(電子部品) 11 PET基板 12 下部電極膜 13 誘電体膜 13a 薄膜 14 上部電極膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 貝 義昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小田桐 優 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 立原 久明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松田 英樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 勝部 淳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岩岡 和男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 杉本 高則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 砂流 伸樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB78 TA04 TB14 4H039 CA60 CA66 CD10 CD20 CD40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の一般式(1)で表されるビス(4
    −メルカプトフェニル)スルフィド誘導体。 【化1】 (式中、Rは水素またはメチル基を表し、nは1以上4
    以下の整数を示す)
  2. 【請求項2】 前記Rが水素であり、前記nが2である
    請求項1に記載のビス(4−メルカプトフェニル)スル
    フィド誘導体。
  3. 【請求項3】 以下の化学式(2)で表されるビス(4
    −メルカプトフェニル)スルフィドと、炭素数が4以下
    のω−ハロアルキルアルコールとを反応させることによ
    って、以下の一般式(3)で表される有機化合物を製造
    する第1の工程と、 アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキ
    ルエステルと、前記一般式(3)で表される有機化合物
    とを反応させることによって、以下の一般式(1)で表
    されるビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導
    体を製造する第2の工程とを含むことを特徴とするビス
    (4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導体の製造方
    法。 【化2】 【化3】 (式中、nは1以上4以下の整数を表す) 【化4】 (式中、Rは水素またはメチル基を表し、nは1以上4
    以下の整数を示す)
  4. 【請求項4】 前記第1の工程において前記ω−ハロア
    ルキルアルコールが2−ハロエタノールであり、 前記第2の工程においてアクリル酸メチルと前記一般式
    (3)で表される有機化合物とを反応させる請求項3に
    記載のビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の工程が、塩基触媒であるアル
    カリ金属炭酸塩の存在下で行われる請求項3または4に
    記載のビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド誘導
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の工程が、エステル交換反応触
    媒であるアルコキシチタンまたはオルガノスズ化合物の
    存在下で行われる請求項3または4に記載のビス(4−
    メルカプトフェニル)スルフィド誘導体の製造方法。
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