JP2002037750A - 非対称エチリデン多価フェノール類とその製造方法 - Google Patents
非対称エチリデン多価フェノール類とその製造方法Info
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Abstract
解抑止剤、添加剤などの原料、非直線性構造や架橋構造
を有する重合体の原料あるいは架橋剤の原料等として有
用な非対称エチリデン多価フェノール類とその製造法の
提供。 【解決手段】 4−(1−ヒドロキシエチル)フェノー
ルとフェノール類とを酸触媒の存在下に反応させて一般
式(1)の非対称エチリデン多価フェノール類を製造す
る。
Description
デン多価フェノール類に関する。さらに、本発明は、フ
ェノール核と、アルキル置換されたフェノール核又はア
ルキル置換されてもよい多価フェノール核とをエチリデ
ン基にて連結した構造を有する新規な非対称エチリデン
多価フェノール類に関する。本発明の新規非対称多価フ
ェノール類は、フォトレジスト材料の樹脂成分、感光
剤、溶解抑止剤、添加剤などの原料、非直線性構造や架
橋構造を有する重合体の原料又は架橋剤の原料等として
有用である。さらにまた、本発明は、そのような非対称
エチリデン多価フェノール類の製造方法に関する。
水酸基を有する、非対称なアルキリデン多価フェノール
類は、既に、一部については、フォトレジスト材料の原
料や、エポキシ樹脂の原料として有用であることが知ら
れている。例えば、特開平2−269351号公報に
は、塩化アルミニウム触媒の存在下にジオキサン中、2
−(3−ヒドロキシフェニルプロペン)等のアルケニル
フェノール類にハイドロキノン、メチルハイドロキノン
等の2価フェノール類を反応させて、種々のアルキリデ
ン多価フェノール類、例えば2−(2,4−ジヒドロキ
シフェニル)ー2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2−(2,5−ジヒドロキシー3−メチルフェニ
ル)ー2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が得
られることが記載されている。また、これらはポジ型フ
ォトレジスト材料の原料として有用であることも記載さ
れている。また、特開平5−201903号公報には、
上記2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)ー2−(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンの製造方法として、3
6%塩酸触媒の存在下、ベンゼン又はベンゼンとメタノ
ールの混合溶媒中、レゾルシンと4−イソプロペニルフ
ェノールを反応させる方法が記載されている。しかしな
がら、フェノール核と、アルキル置換されたフェノール
核又はアルキル置換されてもよい多価フェノール核とを
エチリデン基にて連結した構造を有する、非対称エチリ
デン多価フェノール類は知られていない。このような非
対称多価フェノール類は、含有するヒドロキシル基やア
ルキル基などの選択的な反応性を利用して、フォトレジ
スト材料の樹脂成分、感光剤、溶解抑止剤、添加剤など
の原料、非直線性構造や架橋構造を有する重合体の原料
又は架橋剤の原料等として有用であることが期待され
る。
ェノール核とアルキル置換されたフェノール核又はアル
キル置換されてもよい多価フェノール核とをエチリデン
基にて連結した構造を有する、非対称エチリデン多価フ
ェノール類を提供することを課題とする。このような非
対称多価フェノール類は、フォトレジスト材料の樹脂成
分、感光剤、溶解抑止剤、添加剤などの原料、非直線性
構造や架橋構造を有する重合体の原料又は架橋剤の原料
等として有用である。また、本発明は、そのような非対
称エチリデン多価フェノール類の製造方法を提供するこ
とを課題とする。
(1)で表される非対称エチリデン多価フェノール類が
提供される。
表される4−(1−ヒドロキシエチル)フェノールと一
般式(3)で表されるフェノール類とを酸触媒の存在下
に反応させることによって、上記一般式(1)の非対称
エチリデン多価フェノール類を製造することができる。
は炭素数5乃至6のシクロアルキル基であり、具体的に
は、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基であ
り、プロピル基、ブチル基は直鎖状でも、分岐状でもよ
く、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基又は
シクロヘキシル基を挙げることができる。従って、本発
明による非対称エチリデン多価フェノール類の具体例と
して、1−(4−ヒドロキシフェニル)ー1−(3−メ
チルー4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)ー1−(5−メチルー2−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシフェニル)
ー1−(3,5−ジメチルー4−ヒドロキシフェニル)
エタン、1−(4−ヒドロキシフェニル)ー1−(2,
5−ジメチルー4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−
(4−ヒドロキシフェニル)ー1−(2,3,5−トリ
メチルー4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(4−
ヒドロキシフェニル)ー1−(3−シクロペンチルー4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシ
フェニル)ー1−(2−メチルー5−シクロペンチルー
4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキ
シフェニル)ー1−(3−シクロヘキシルー4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)ー1−(2−メチルー5−シクロヘキシルー4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン 1−(4−ヒドロキシフェ
ニル)ー1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン
等を挙げることができる。
フェノール類は、本発明に従って、式(2)で表される
4−(1−ヒドロキシエチル)フェノールと一般式
(3)で表されるフェノール類とを酸触媒の存在下に反
応させることによって製造することが出来る。上記一般
式(2)で表されるフェノール類において、R、n及び
mは、前記一般式(1)で表される非対称エチリデン多
価フェノール類におけるものと同じである。従って、上
記一般式(2)で表されるフェノール類の具体例とし
て、例えば、o−,m−又はp−クレゾール、2,5−
又は2,6−キシレノール、2,4−キシレノ−ル、
3,5−キシレノ−ル、3−メチルー6−エチルフェノ
ール、3ーメチルー6−イソプロピルフェノール、3−
メチルー6−t−ブチルフェノール、2−エチルー4−
イソプロピルフェノール、o−シクロペンチルフェノー
ル、o−シクロヘキシルフェノール、3−メチルー6−
シクロペンチルフェノール、3−メチルー6−シクロヘ
キシルフェノール、2−メチルー5−シクロヘキシルフ
ェノール、4−エチルー2−シクロヘキシルフェノー
ル、p−イソプロピルフェノール、2,6−ジイソプロ
ピルフェノール、2,6−ジーt−ブチルフェノール、
2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリ
メチルフェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン、
1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒド
ロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン
等を挙げることができる。
−ヒドロキシエチル)フェノールと上記フェノール類と
の反応においては、上記フェノール類は、4−(1−ヒ
ドロキシエチル)フェノールに対して、通常、1.0倍
モル量以上、好ましくは、1.0〜10.0倍モル量の
範囲で用いられるが、特に好ましくは1.0〜6.0倍
モル量の範囲で用いられる。この反応は、必要に応じ
て、反応溶媒中で行われる。反応溶媒としては、例えば
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルイソブ
チルケトン、メチルエチルケトン等の脂肪族ケトン、メ
タノール等の脂肪族アルコール又はこれらの混合物が挙
げられる。これらのうち、脂肪族アルコールが好ましく
用いられる。好ましい脂肪族アルコールとしては、用い
る反応原料、得られる生成物の溶解度、反応条件、反応
の経済性等を考慮して、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、nープロピルアルコール、イソブ
チルアルコール又はnーブチルアルコール等の低級脂肪
族アルコールが挙げられるが、特にメタノールが好まし
く用いられる。
(1−ヒドロキシエチル)フェノール100重量部に対
して、100〜500重量部の範囲、好ましくは、15
0〜200重量部の範囲で用いられる。本発明の製造方
法において、用いられる上記酸触媒としては、例えば塩
酸、硫酸、無水硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、シュウ
酸、蟻酸、リン酸、トリクロロ酢酸又はトリフルオロ酢
酸等を挙げることができる。このような酸触媒は、通
常、例えば35%塩酸の場合は、4−(1−ヒドロキシ
エチル)フェノール100重量部に対して、5〜50重
量部の範囲、好ましくは、10〜20重量部の範囲で用
いられる。反応温度は、通常10〜60℃、好ましくは
30〜50℃の範囲である。反応圧力は、通常、常圧下
で行われるが、用いてもよい有機溶媒の沸点によって
は、反応温度が前記範囲内になるように、加圧又は減圧
下に行ってもよい。このような条件下に反応を行えば、
反応は、通常5〜10時間程度で終了する。
ヒドロキシエチル)フェノールとフェノール類とを酸触
媒の存在下に反応させるに際して、その態様について
は、特に、限定されるものではなく、例えば、フェノー
ル類、溶媒及び酸触媒を反応容器に仕込み、窒素気流下
に、攪拌しながら、温度30〜50℃程度に昇温し、こ
れに4−(1−ヒドロキシエチル)フェノールを滴下
し、その後、同温度にて3〜8時間程度反応させる。反
応の終点は、液体クロマトグラフィー(HPLC)分析
にて追跡することができ、未反応の4−(1−ヒドロキ
シエチル)フェノールが消失した時点を終点とすればよ
い。4−(1−ヒドロキシエチル)フェノールに対する
反応収率は、通常90〜100%程度である。反応終了
後、得られた反応混合物に、アンモニア水、水酸化ナト
リウム水溶液等のアルカリ溶液を加えて酸触媒を中和し
た後、冷却晶析により、目的とする非対称エチリデン多
価フェノール類の粗結晶を得ることができる。
多価フェノール類は、そのまま製品としてもよいが、必
要に応じて、精製して高純度品としてもよい。精製方法
は、例えば、上記粗結晶に、晶析溶媒、例えばトルエン
等の芳香族炭化水素類と水との混合物を加え、分液し、
残った油層から、目的物を再度晶析させ、これを濾過分
離、乾燥することによって、高純度の非対称エチリデン
多価フェノール類を、通常、無色の結晶として得ること
ができる。
に説明する。実施例中の純度は液体クロマトグラフィー
による純度である。
(2−メチルー5−シクロヘキシルー4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンの合成;温度計、滴下ロート、逆流コン
デンサー、撹拌装置を備えた1Lの四つ口フラスコに、
3ーメチルー6−シクロヘキシルフェノール190g
(1モル)、メチルアルコール100g及び35%塩酸
12gを仕込み、窒素気流下において、40℃に昇温し
て攪拌、溶解させた。この溶液に、内温を40℃に保ち
つつ、4−(1−ヒドロキシエチル)フェノール92g
(0.66モル)を約2時間かけて滴下した。滴下終了
後、同温度で、さらに、4時間反応させた。反応終点は
4−(1−ヒドロキシエチル)フェノ−ルが消失してい
る事をHPLC分析により確認した。反応終了後、得ら
れた反応混合液に、メチルアルコール50gを追加添加
し、さらに16%水酸化ナトリウム溶液31.9gを添
加して、反応混合液を中和した。その後、反応混合液を
約20℃まで冷却し、析出した結晶を濾過、乾燥して、
粗結晶207gを得た。得られた粗結晶に、メチルイソ
ブチルケトンを加えて70℃に昇温、溶解した後トルエ
ンを加えて、20℃まで冷却し再結晶させた。再析出し
た結晶を濾過、乾燥して、目的物である1−(4−ヒド
ロキシフェニル)ー1−(2−メチルー5−シクロヘキ
シルー4−ヒドロキシフェニル)エタン175gを白色
結晶として得た。(純度99.8%、4−(1−ヒドロ
キシエチル)フェノールに対する収率85 .2%) 融点 184℃(示差熱分析法) 分子量 310(M+ )(質量分析法)1 HーNMRによる分析結果を表1に示す。(400M
Hz,溶媒DMSOーd)
(2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)
エタンの合成;温度計、滴下ロ−ト、逆流コンデンサ
−、攪拌装置を備えた1Lの四ツ口フラスコにメタノ−
ル136g、2,3,6−トリメチルフェノ−ル136
g(1モル)及び35%塩酸13.6gを仕込み、窒素
気流下において、40℃に昇温して攪拌、溶解させた。
この溶液に内温を40℃に保ちつつ4−(1−ヒドロキ
シエチル)フェノ−ル125.5g(0.909モル)
を約2時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で更に
3時間反応させた。反応終点は、4−(1−ヒドロキシ
エチル)フェノ−ルが消失している事をHPLC分析で
確認した。反応終了後、得られた反応混合液にメタノ−
ルを追加添加し、さらに16%水酸化ナトリウム水溶液
34.8gを添加して、反応混合液を中和した。その
後、反応混合液を20℃まで冷却し、析出した結晶を濾
過、乾燥して目的物である1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−(2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)エタン180.8gを白色結晶として得た。
(純度99.7%、4−(1−ヒドロキエタン)フェノ
−ルに対する収率77. 7%) 融点158.5℃(示差熱分析法) 分子量 256(M+ )(質量分析法)1 HーNMRによる分析結果を表2に示す。(400M
Hz,溶媒DMSO−d)
(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン
の合成;温度計、滴下ロ−ト、逆流コンデンサ−、攪拌
装置を備えた1Lの四ツ口フラスコにメタノ−ル122
g、2,6−ジメチルフェノ−ル122g(1モル)及
び35%塩酸14.6gを仕込み、窒素気流下において
40℃に昇温して攪拌、溶解させた。この溶液に内温を
40℃に保ちつつ4−(1−ヒドロキシエチル)フェノ
−ル92g(0.66モル)を約2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、同温度で更に4時間反応させた。反応
終点は、4−(1−ヒドロキシエチル)フェノ−ルが消
失している事をHPLC分析で確認した。反応終了後、
得られた反応混合液に水50gと16%水酸化ナトリウ
ム水溶液38.5gを添加して、反応混合液を中和し
た。その後、トルエンを添加して分液し、水層を分離し
た。残った油層にさらにトルエンを添加した後、冷却し
析出した結晶を濾過、乾燥して目的物である1−(4−
ヒドロキシフェニル)−1−(2,6−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)エタン88.3gを白色結晶とし
て得た。(純度99.5%、4−(1−ヒドロキエチ
ル)フェノ−ルに対する収率54. 7%) 融点 105.7℃(示差熱分析法) 分子量 242(M+ )(質量分析法)1 HーNMRによる分析結果を表3に示す。(400M
Hz,溶媒DMSO−d)
(2−メチルー4−ヒドロキシフェニル)エタンの合
成;温度計、滴下ロート、逆流コンデンサー、攪拌装置
を備えた1Lの四つ口フラスコにメタクレゾール334
g、75%リン酸10gを仕込み、窒素気流下において
40℃に昇温して、この溶液に内温を40℃に保ちつつ
4−(1−ヒドロキシエチル)フェノール106.7g
を約2時間かけて添加した。添加終了後,同温度で更に
3時間反応させた。反応終了後、得られたスラリー状の
反応混合液に水50gと16%水酸化ナトリウム水溶液
を添加して、反応混合液を中和した。中和後の溶液にト
ルエンを添加して分液し、水層を分離した。残った油層
に、さらにトルエンを添加した後、冷却し、析出した結
晶を濾過、乾燥して目的物である1−(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−(2−メチルー4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン48gを白色結晶として得た。(純度99.
0%、4−(1−ヒドロキシエチル)フェノールに対す
る収率40%) 融点 164℃(示差熱分析法) 分子量 228(M+) (質量分析法)1 H−NMRによる分析結果を表4に示す。(400M
Hz、DMSO―d溶媒)
(5−メチルー2−ヒドロキシフェニル)エタンの合
成;温度計、滴下ロート、逆流コンデンサー、攪拌装置
を備えた1Lの四つ口フラスコにパラクレゾール33
7.5g、75%リン酸10gを仕込み、窒素気流下に
おいて40℃に昇温して、この溶液に内温を40℃に保
ちつつ4−(1−ヒドロキシエチル)フェノール10
7.8gを約2時間かけて添加した。添加終了後,同温
度で更に4時間反応させた。反応終了後、得られたスラ
リー状の反応混合液に水50gと16%水酸化ナトリウ
ム水溶液を添加して、反応混合液を中和した。中和後の
溶液にトルエンを添加して分液し、水層を分離した。残
った油層を冷却し、析出した結晶を濾別した。 得られ
た濾過物にメチルイソブチルケトンを加えて70℃で溶
解し、その後メチルイソブチルケトンの一部を溜出させ
た後、これにトルエンを加えて冷却し、この溶液より晶
析,濾過,乾燥して目的物である1−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−(5−メチルー2−ヒドロキシフェニ
ル)エタン58.1gを白色結晶として得た。(純度9
9.8%、4−(1−ヒドロキシエチル)フェノールに
対する収率33%) 融点 154℃(示差熱分析法) 分子量 228(M+) (質量分析法)1 H−NMRによる分析結果を表5に表す。(400M
Hz、DMSO―d溶媒)
(5−メチルー4−ヒドロキシフェニル)エタンの合
成;温度計、滴下ロート、逆流コンデンサー、攪拌装置
を備えた1Lの四つ口フラスコにオルソクレゾール25
0g、75%リン酸5gを仕込み、窒素気流下において
30℃に昇温して、この溶液に内温を30℃に保ちつつ
4−(1−ヒドロキシエチル)フェノール106.4g
を約2時間かけて添加した。添加終了後,同温度で更に
3時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合溶液
に水50gと16%水酸化ナトリウム水溶液を添加し
て、反応混合液を中和した。中和後の溶液にトルエンを
添加して分液し、水層を分離した。残った油層に水を加
えて2回水洗分液した後、得られた油層を減圧蒸留し、
余剰のオルソクレゾールを溜出させた。この残留液にト
ルエンとシクロヘキサンを加えて、この溶液を冷却し、
析出した結晶を濾別した。得られた濾過物に再度トルエ
ンとシクロヘキサンを加えた後、この溶液を冷却し、晶
析,濾過,乾燥して目的物である1−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−(5−メチルー4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン115.5gを白色結晶として得た。(純度
99.3%、4−(1−ヒドロキシエチル)フェノール
に対する収率66%) 融点 84℃(示差熱分析法) 分子量 228(M+) (質量分析法)1 H−NMRによる分析結果を表6に表す。(400M
Hz、DMSO―d溶媒)
(5−シクロヘキシルー4−ヒドロキシフェニル)エタ
ンの合成 温度計、滴下ロート、逆流コンデンサー、攪拌装置を備
えた1Lの四つ口フラスコにオルソシクロヘキシルフェ
ノール141g、メタノール141g、35%塩酸42
gを仕込み、窒素気流下において35℃に昇温して、こ
の溶液に内温を35℃に保ちつつ4−(1−ヒドロキシ
エチル)フェノール27.6gを約1時間かけて添加し
た。添加終了後,同温度で更に15時間反応させた。反
応終了後、得られた反応混合溶液に75%リン酸水溶液
と16%水酸化ナトリウム水溶液gを添加して、反応混
合液を中和した。中和後の溶液を常圧蒸留で濃縮した
後、これにトルエンを添加して分液し、水層を分離し
た。残った油層を減圧蒸留し、余剰のオルソシクロヘキ
シルフェノールを溜出させた。この残留液にトルエンを
加えて、この溶液を冷却し、析出した結晶を濾別した。
得られた濾過物に再度トルエンを加えたのち、この溶液
を冷却し、晶析,濾過,乾燥して目的物である1−(4−
ヒドロキシフェニル)−1−(5−シクロヘキシルー4
−ヒドロキシフェニル)エタン28.5gを白色結晶と
して得た。(純度99.8%、4−(1−ヒドロキシエ
チル)フェノールに対する収率 48%) 融点 129℃(示差熱分析法) 分子量 296(M+) (質量分析法)1 H−NMRによる分析結果を表7に表す。(400M
Hz、DMSO―d溶媒)
(2,5−ジメチルー4−ヒドロキシフェニル)エタン
の合成;温度計、滴下ロート、逆流コンデンサー、攪拌
装置を備えた1Lの四つ口フラスコに2,5−キシレノ
ール152.5g、メタノール152.5g、35%塩
酸30.5gを仕込み、窒素気流下において40℃に昇
温して、この溶液に内温を40℃に保ちつつ、4−(1
−ヒドロキシエチル)フェノール156.8gを約1時
間かけて添加した。添加終了後,同温度で更に3時間反
応させた。反応終了後、得られた反応混合溶液に75%
リン酸水溶液と16%水酸化ナトリウム水溶液を添加し
て、反応混合液を中和した。中和後の溶液に水200g
を加えた後、常圧蒸留で濃縮した。これにトルエンを添
加して分液し、水層を分離した。残った油層を減圧蒸留
し、余剰の2,5−キシレノールを溜出させた。この残
留液にトルエンとシクロヘキサンを加えて、この溶液を
冷却し、析出した結晶を濾別、乾燥して目的物である1
−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(2、5−ジメチ
ルー4−ヒドロキシフェニル)エタン253gを白色結
晶として得た。(純度98.8%、4−(1−ヒドロキ
シエチル)フェノールに対する収率 92%) 融点 134.6℃(示差熱分析法) 分子量 242(M+) (質量分析法)1 H−NMRによる分析結果を表8に表す。(400M
Hz、DMSO―d溶媒)
(4,6−ジメチルー2−ヒドロキシフェニル)エタン
の合成;温度計、滴下ロート、逆流コンデンサー、攪拌
装置を備えた1Lの四つ口フラスコに3,5−キシレノ
ール244g、メタノール73.2g、35%塩酸2.
4gを仕込み、窒素気流下において40℃に昇温して、
この溶液に内温を40℃に保ちつつ4−(1−ヒドロキ
シエチル)フェノール69gを約1時間かけて添加し
た。添加終了後,同温度で更に17時間反応させた。反
応終了後、得られた反応混合溶液に75%リン酸水溶液
と16%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、反応混合
液を中和した。中和後の溶液に水100gを加えた後、
常圧蒸留で濃縮した。これにトルエンと水を添加して分
液し、水層を分離した。残った油層を減圧蒸留し、余剰
の3,5−キシレノールを溜出させた。 この残留液に
トルエンとシクロヘキサンを加えて、この溶液を冷却
し、析出した結晶を濾別、乾燥して目的物である1−
(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4,6−ジメチル
ー2−ヒドロキシフェニル)エタン27.1gを白色結
晶として得た。(純度99.1%、4−(1−ヒドロキ
シエチル)フェノールに対する収率 14%) 融点 80℃(示差熱分析法) 分子量 242(M+) (質量分析法)1 H−NMRによる分析結果を表9に表す。(400M
Hz、DMSO―d溶媒)
(3,4,6−トリメチルー2−ヒドロキシフェニル)
エタンの合成;温度計、滴下ロート、逆流コンデンサ
ー、攪拌装置を備えた1Lの四つ口フラスコに2、3,
5−トリメチルフェノール163.2g、メタノール8
1.6g、35%塩酸1.6gを仕込み、窒素気流下に
おいて50℃に昇温して、この溶液に内温を50℃に保
ちつつ4−(1−ヒドロキシエチル)フェノール15
7.7gを約2時間かけて添加した。添加終了後,同温
度で更に20時間反応させた。反応終了後、得られた反
応混合溶液に75%リン酸水溶液と16%水酸化ナトリ
ウム水溶液を添加して、反応混合液を中和した。中和後
の溶液に水200gを加えた後、常圧蒸留で濃縮した。
これにトルエンと水を添加して分液し、水層を分離し
た。残った油層にトルエンとシクロヘキサンを加えて、
この溶液を冷却し、析出した結晶を濾別、乾燥して目的
物である1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(3、
4,6−トリメチルー2−ヒドロキシフェニル)エタン
55.9gを白色結晶として得た。(純度98.8%、
4−(1−ヒドロキシエチル)フェノールに対する収率
17%) 融点 123℃(示差熱分析法) 分子量 256(M+) (質量分析法)1 H−NMRによる分析結果を表10に表す。(400
MHz、DMSO―d溶媒)
価フェノール類は、エチリデン基にて連結したフェノー
ル核と、アルキル置換されたフェノール核又はアルキル
置換されてもよい多価フェノール核とを有し、これを原
料とすることにより、その含有するヒドロキシル基やア
ルキル基などの選択的な反応性、溶剤溶解性を利用し
て、有用なフォトレジスト材料の樹脂成分、感光剤、溶
解抑止剤及び添加剤あるいは非直線性構造や架橋構造を
有する重合体を得ることが期待される。さらに、本発明
によれば、このような非対称エチリデン多価フェノール
類は、4−(1−ヒドロキシエチル)フェノールと前記
フェノール類とを酸触媒の存在下に反応させることによ
り、高収率にて得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(1)で表される非対称エチリデ
ン多価フェノール類。 【化1】 一般式(1) (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数5乃
至6のシクロアルキル基を示し、nは0〜3の整数を表
し、mは1〜3の整数を表す。但しn+m≦4であり、
且つ、mが1の場合nは少なくとも1である。) - 【請求項2】 一般式(2)で表される4−(1−ヒド
ロキシエチル)フェノールと一般式(3)で表されるフ
ェノール類とを酸触媒の存在下に反応させることを特徴
とする請求項1記載の非対称エチリデン多価フェノール
類の製造方法。 【化2】 一般式(2) 【化3】 一般式(3) (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数5乃
至6のシクロアルキル基を示し、nは0〜3の整数を表
し、mは1〜3の整数を表す。但しn+m≦4であり、
且つ、mが1の場合、nは少なくとも1である。)
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