JP2002356453A - 新規なα,α’,α”−トリス(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン類 - Google Patents

新規なα,α’,α”−トリス(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン類

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JP2002356453A
JP2002356453A JP2002026620A JP2002026620A JP2002356453A JP 2002356453 A JP2002356453 A JP 2002356453A JP 2002026620 A JP2002026620 A JP 2002026620A JP 2002026620 A JP2002026620 A JP 2002026620A JP 2002356453 A JP2002356453 A JP 2002356453A
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JP
Japan
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tris
triisopropylbenzene
hydroxyphenyl
cyclohexyl
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JP2002026620A
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Rie Azuma
里映 東
Tadashi Hiramine
正 平嶺
Hiroyasu Ono
裕康 大野
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Honshu Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Honshu Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】合成樹脂、酸化防止剤、感光性レジスト等に耐
熱性等の機能を付加する機能性原料や、また、フェノー
ル類との反応によって種々のポリフェノール類を製造す
るための原料として有用である新規なα,α’,α”−
トリス(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソ
プロピルベンゼン類を提供する。 【解決手段】一般式(I) 【化1】 (式中、mは0、1又は2であり、mが0であるとき、
Rはヒドロキシル基であり、nは2であり、mが1であ
るとき、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシ
ル基であり、nは0、1又は2であり、mが2であると
き、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシル基
であり、nは0又は1である。)で表されるα,α’,
α”−トリス(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−ト
リイソプロピルベンゼン類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なトリスフェ
ノール化合物であるα,α’,α”−トリス(ヒドロキ
シフェニル)−1,3,5―トリイソプロピルベンゼン
類(以下、TPTIBということがある。)に関し、詳
しくは、フェノール核が更に2つのヒドロキシル基を有
するα,α’,α”−トリス(トリヒドロキシフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン類と、フ
ェノール核が更にシクロヘキシル基と共にアルキル基及
び/又はヒドロキシル基を有するα,α’,α”−トリ
ス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)−1,3,5
−トリイソプロピルベンゼン類とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トリスフェノール化合物に属する
α,α’,α”−トリス(ヒドロキシフェニル)−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼン類としては、米国特
許第3309339号公報によって、α,α’,α”−
トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリ
イソプロピルベンゼンとα,α’,α”−トリス(4−
ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリ
イソプロピルベンゼンが知られている。
【0003】また、特開平4−296755号公報によ
って、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリイソプロピ
ルベンゼンが知られており、更に、特開平04−301
849号公報によって、α,α’,α”−トリス(3,
4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼン用いる知られている。
【0004】これらのトリスフェノール化合物は、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリイミド樹脂等の合成樹脂の製造原
料のほか、酸化防止剤や感光性レジスト等に耐熱性等の
機能を付加する機能性原料として注目されている。ま
た、これらのトリスフェノール化合物は、これにフェノ
ール類を反応させて、種々のポリフェノール類を製造す
るための原料としても注目されている。
【0005】ここに、これらのトリスフェノール化合物
の用途においては、近年、ますます高度な性能が求めら
れてきており、そのため、その製造原料についても、溶
剤に対する溶解性や耐熱性等の一層の向上が要望されて
いる。しかし、従来、これらのα,α’,α”−トリス
(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピ
ルベンゼン類は、上述したように、製造例も少なく、殆
ど知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記要望に
応えるためになされたものであって、フェノール核が更
に2つのヒドロキシル基を有するα,α’,α”−トリ
ス(トリヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソ
プロピルベンゼン類と、フェノール核が更にシクロヘキ
シル基と共にアルキル基及び/又はヒドロキシル基を有
するα,α’,α”−トリス(シクロヘキシルヒドロキ
シフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン
類とを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
(I)
【0008】
【化2】
【0009】(式中、mは0、1又は2であり、mが0
であるとき、Rはヒドロキシル基であり、nは2であ
り、mが1であるとき、Rは炭素数1〜3のアルキル基
又はヒドロキシル基であり、nは0、1又は2であり、
mが2であるとき、Rは炭素数1〜3のアルキル基又は
ヒドロキシル基であり、nは0又は1である。)で表さ
れるα,α’,α”−トリス(ヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン類が提供され
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明によるα,α’,α”−ト
リス(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼン類は、一般式(I)
【0011】
【化3】
【0012】(式中、mは0、1又は2であり、mが0
であるとき、Rはヒドロキシル基であり、nは2であ
り、mが1であるとき、Rは炭素数1〜3のアルキル基
又はヒドロキシル基であり、nは0、1又は2であり、
mが2であるとき、Rは炭素数1〜3のアルキル基又は
ヒドロキシル基であり、nは0又は1である。)で表さ
れる。
【0013】上記一般式(I)で表されるα,α’,
α”−トリス(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−ト
リイソプロピルベンゼン類において、Rが炭素数1〜3
のアルキル基であるとき、具体例として、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基又はイソプロピル基を挙げるこ
とができ、好ましくは、Rはメチル基である。
【0014】先ず、本発明によれば、上記一般式(I)
で表されるα,α’,α”−トリス(ヒドロキシフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン類におい
て、mが0であるとき、Rはヒドロキシル基であり、n
は2である。従って、先ず、本発明によれば、一般式
(II)
【0015】
【化4】
【0016】で表されるα,α’,α”−トリス(トリ
ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピル
ベンゼン類が提供される。
【0017】このようなα,α’,α”−トリス(トリ
ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピル
ベンゼン類の具体例として、例えば、α,α’,α”−
トリス(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,α’,α”−
トリス(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼン等を挙げることがで
きる。
【0018】次に、前記一般式(I)で表されるα,
α’,α”−トリス(ヒドロキシフェニル)−1,3,
5−トリイソプロピルベンゼン類において、mが1であ
るとき、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシ
ル基であり、nは0、1又は2であり、mが2であると
き、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシル基
であり、nは0又は1である。従って、本発明によれ
ば、更に、一般式(III)
【0019】
【化5】
【0020】(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基又
はヒドロキシル基であり、xは1又は2であり、xが1
であるとき、yは0、1又は2であり、xが2であると
き、yは0又は1である。)で表されるα,α’,α”
−トリス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼン類が提供される。
【0021】このようなα,α’,α”−トリス(シク
ロヘキシルヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイ
ソプロピルベンゼン類の具体例として、例えば、α,
α’,α”−トリス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキ
シルフェニル)−1,3,5―トリイソプロピルベンゼ
ン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシ−2−シ
クロヘキシルフェニル)−1,3,5―トリイソプロピ
ルベンゼン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジシクロヘキシルフェニル)−1,3,5―
トリイソプロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス
(4−ヒドロキシ−3,6−ジシクロヘキシルフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,
α’,α”−トリス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキ
シル−5−メチルフェニル)−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロ
キシ−3−シクロヘキシル−6−メチルフェニル)−
1,3,5―トリイソプロピルベンゼン、α,α’,
α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル−3−シクロヘ
キシル−5−エチルフェニル)−1,3,5−トリイソ
プロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス(4−ヒド
ロキシ−3−シクロヘキシル−5−イソプロピルフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,
α’,α”−トリス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキ
シル−6−エチルフェニル)−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロ
キシ−3−シクロヘキシル−6−イソプロピルフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、α,
α’,α”−トリス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキ
シル−5,6−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリ
イソプロピルベンゼン等を挙げることができる。
【0022】本発明によれば、これらのうち、α,
α’,α”−トリス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキ
シルフェニル)−1,3,5―トリイソプロピルベンゼ
ン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシ−2−シ
クロヘキシルフェニル)−1,3,5―トリイソプロピ
ルベンゼン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシ
−3−シクロヘキシル−5−メチルフェニル)−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼン及びα,α’,α”
−トリス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシル−6−
メチルフェニル)−1,3,5―トリイソプロピルベン
ゼンを特に好ましい具体例として挙げることができる。
【0023】前記一般式(I)で表される本発明による
α,α’,α”−トリス(ヒドロキシフェニル)−1,
3,5−トリアルキルベンゼン類は、例えば、化学式
(IV)
【0024】
【化6】
【0025】で表されるα,α’,α”−トリヒドロキ
シ−1,3,5−トリイソプロピルベンゼンと一般式
(V)
【0026】
【化7】
【0027】(式中、mは0、1又は2であり、mが0
であるとき、Rはヒドロキシル基であり、nは2であ
り、mが1であるとき、Rは炭素数1〜3のアルキル基
又はヒドロキシル基であり、nは0、1又は2であり、
mが2であるとき、Rは炭素数1〜3のアルキル基又は
ヒドロキシル基であり、nは0又は1である。)で表さ
れる置換フェノール類を酸触媒の存在下に反応させるこ
とによって得ることができる。
【0028】詳細には、前記一般式(II)で表される
α,α’,α”−トリス(トリヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン類は、上記置換
フェノール類として、ピロガロール、ベンゼン−1,
2,4−トリオール、フロログルシノール等の3価フェ
ノール類を用い、これを酸触媒の存在下に上記α,
α’,α”−トリヒドロキシ−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼン反応させることによって得ることができ
る。
【0029】また、前記一般式(III) で表されるα,
α’,α”−トリス(シクロヘキシルヒドロキシフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン類は、上
記置換フェノール類として、一般式(VI)
【0030】
【化8】
【0031】(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基又
はヒドロキシル基であり、xは1又は2であり、xが1
であるとき、yは0、1又は2であり、xが2であると
き、yは0又は1である。)で表されるシクロヘキシル
置換フェノール類を用い、これを酸触媒の存在下に上記
α,α’,α”−トリヒドロキシ−1,3,5−トリイ
ソプロピルベンゼンと反応させることによって得ること
ができる。
【0032】上記シクロヘキシル置換フェノール類とし
ては、例えば、2−シクロヘキシルフェノール、3−シ
クロヘキシルフェノール、2,6−ジシクロヘキシルフ
ェノール、2,5−ジシクロヘキシルフェノール、2−
シクロヘキシル−6−メチルフェノール、2−シクロヘ
キシル−6−エチルフェノール、2−シクロヘキシル−
6−n−プロピルフェノール、2−シクロヘキシル−6
−イソプロピルフェノール、2−シクロヘキシル−5−
メチルフェノール、2−シクロヘキシル−5−エチルフ
ェノール、2−シクロヘキシル−5,6−ジメチルフェ
ノール等を挙げることができる。
【0033】α,α’,α”−トリヒドロキシ−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼンと上記置換フェノー
ル類との反応において、この置換フェノール類は、α,
α’,α”−トリヒドロキシ−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼン1モル部に対して、理論量である3モル
部以上を用いるが、好ましく、4〜20モル部の範囲、
特に好ましくは、6〜12モル部の範囲で用いられる。
上記酸触媒としては、例えば、塩化水素ガス、塩酸、
硫酸、リン酸、無水硫酸等の無機酸、p−トルエンスル
ホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、シュウ酸、ギ酸、トリクロロ酢酸等の有機酸、酸
型イオン交換樹脂等の固体酸等を好ましい具体例として
挙げることができる。これらのうち、特に、塩化水素ガ
スや塩酸が好ましく用いられる。
【0034】このような酸触媒は、例えば、塩化水素ガ
スについていえば、上記原料置換フェノール類中に飽和
させ、又は置換フェノール類と溶媒からなる溶液若しく
はスラリー中に飽和させて用いるのが好ましい。35%
塩酸の場合は、原料置換フェノール類100重量部に対
して、1〜20重量部の範囲で用いるのが好ましい。
【0035】上記反応に際しては、原料置換フェノール
類は、反応温度において液状であれば、そのまま、用い
てもよいが、反応温度において固体状であれば、溶媒を
用いて溶液状又はスラリー状として、反応に供するのが
好ましい。上記溶媒としては、反応に不活性なものであ
ればよく、例えば、メタノール、エタノール等の低級脂
肪族アルコール類、トルエン、キシレン、ヘキサン等の
炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキソラン等のエ
ーテル類を挙げることができる。これらのなかでは、原
料置換フェノール類を所謂含水物として、その融点を下
げるために、また、精製等の後処理が容易である等の理
由から、水が溶媒として好ましく用いられる。このよう
な水は、原料置換フェノール類に対して、通常、1〜1
0重量%、好ましくは、3〜7重量%の範囲で用いられ
る。
【0036】他方の原料であるα,α’,α”−トリヒ
ドロキシ−1,3,5−トリイソプロピルベンゼンも、
反応に際して、溶液として用いることが好ましく、例え
ば、アルコール類に溶解させるか、原料置換フェノール
類のアルコール溶液に溶解させか、又は加温下に原料置
換フェノール類に溶解させて溶液とすることが好まし
い。上記アルコール類としては、例えば、メタノール、
エタノール、プロパノール等の低級脂肪族アルコール類
が好ましく、なかでも、メタノールが好ましい。
【0037】このような溶媒は、α,α’,α”−トリ
ヒドロキシ−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン類
100重量部に対して、通常、10〜100重量部、好
ましくは、20〜50重量部の範囲で用いられる。
【0038】α,α’,α”−トリヒドロキシ−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼン類と置換フェノール
類との反応は、通常、0〜40℃の範囲の温度、好まし
くは、20〜30℃の範囲の温度で行われる。このよう
に、比較的低い温度で反応を行うことによって、望まし
くない副反応が抑制され、しかも、目的物の工業的な製
造上、支障もないので、かくして、工業的に容易な反応
条件下に高選択率、高収率にて目的物を製造することが
できる。
【0039】反応を行う態様は、特に制約を受けない
が、例えば、置換フェノール含水物に塩化水素ガスを飽
和濃度まで導入した後、温度を10〜40℃程度に維持
し、これにα,α’,α”−トリヒドロキシ−1,3,
5−トリイソプロピルベンゼン類の溶液、例えば、前述
したような原料置換フェノール類やアルコールに溶解さ
せた溶液を攪拌下に滴下すればよい。このような反応条
件下では、反応は、通常、1〜20時間程度で終了す
る。反応選択率は、通常、80〜100%程度である。
【0040】反応終了後、得られた反応混合物に水酸化
ナトリウム、アンモニア等のアルカリ水溶液を加えて、
用いた酸触媒を中和した後、水層を分離し、得られた油
層から過剰の原料や溶媒を蒸留等によって除き、次い
で、必要に応じて、晶析溶剤、例えば、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、ジイソ
プロピルケトン等の脂肪族ケトン又はこれらの混合溶剤
を加え、得られた溶液から晶析させることによって、目
的とするα,α’,α”−トリス(ヒドロキシフェニ
ル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン類の高純
度品を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明による新規なα,α’,α”−ト
リス(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプ
ロピルベンゼン類は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド
樹脂等の合成樹脂の製造原料のほか、酸化防止剤や感光
性レジスト等に耐熱性や溶解性等の機能を付加する機能
性原料として有用である。また、本発明によるトリス
(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピ
ルベンゼン類は、これにフェノール類を反応させて、種
々のポリフェノール類を製造するための原料としても有
用である。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0043】実施例1 (α,α’,α”−トリス(3−シクロヘキシル−4−
ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピル
ベンゼンの製造)温度計、攪拌機及び滴下漏斗を備えた
1L容量四つ口フラスコにo−シクロヘキシルフェノー
ル70.4gとメタノール3.2gを仕込み、温度55
℃に昇温して、これに塩化水素ガスを飽和濃度に達する
まで、吹き込んだ。
【0044】次いで、α,α’,α”−トリヒドロキシ
−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン12.6gを
o−シクロヘキシルフェノール35.2gとメタノール
12.6gからなる溶液に溶解して溶液とし、これを、
撹拌下、2時間かけて滴下した。この間、混合物の温度
が徐々に低下して、30℃となるようにした。その後、
更に、上記温度で21時間撹拌して反応を行った。
【0045】反応終了後、得られた反応混合物につい
て、高速液体クロマトグラフィー分析とNMR分析を行
って、目的物α,α’,α”−トリス(3−シクロヘキ
シル−4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイ
ソプロピルベンゼンの生成を確認した。α,α’,α”
−トリヒドロキシ−1,3,5−トリイソプロピルベン
ゼンに対する反応選択率は、72.2%であった。
【0046】この反応混合物に、水酸化ナトリウム水溶
液を加えて中和した後、水層を分液、除去した。得られ
た油層にトルエンを加え、水洗して、無機塩を除去し
た。この後、減圧下にトルエンと残留原料o−シクロヘ
キシルフェノールを留去した後、残留物から高速液体ク
ロマトグラフィーを用いて、目的物を分取した。これに
トルエンを加え、再結晶した後、乾燥して、目的物α,
α’,α”−トリス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロ
キシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼ
ン68.3mgを無色の水飴状物として得た(純度9
9.0モル%)。α,α’,α”−トリヒドロキシ−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼンに対する収率
は、42.4%であった。
【0047】分子量(マススペクトル分析) :726 プロトンNMR分析(DMSO溶媒、400MHz):
【0048】
【化9】
【0049】
【表1】
【0050】実施例2 (α,α’,α”−トリス(3−シクロヘキシル−4−
ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−1,3,5−トリ
イソプロピルベンゼンの製造)200mL容量三角フラ
スコに2−シクロヘキシル−5−メチルフェノールのメ
タノール溶液(メタノール含量18.7重量%)21.
5g、メタノール50.9g、塩化水素飽和水溶液1
6.7g及びα,α’,α”−トリヒドロキシ−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼン1.0gを仕込み、
マグネチックスターラーによる攪拌下、室温で反応を行
った。
【0051】反応終了後、得られた反応混合物につい
て、高速液体クロマトグラフィー分析とNMR分析を行
って、目的物α,α’,α”−トリス(3−シクロヘキ
シル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−1,
3,5−トリイソプロピルベンゼンの生成を確認した。
α,α’,α”−トリヒドロキシ−1,3,5−トリイ
ソプロピルベンゼンに対する反応選択率は、79.6%
であった。
【0052】この反応混合物に、水酸化ナトリウム水溶
液を加えて中和した後、水層を分液、除去した。得られ
た油層にトルエンを加え、水洗して、無機塩を除去し
た。この後、減圧下にトルエンを留去した後、残留物か
ら高速液体クロマトグラフィーを用いて、目的物を分取
した。これを乾燥して、目的物α,α’,α”−トリス
(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフ
ェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン2
7.0mgを無色の水飴状物として得た(純度99.8
モル%)。α,α’,α”−トリヒドロキシ−1,3,
5−トリイソプロピルベンゼンに対する収率は、45.
0%であった。
【0053】分子量(マススペクトル分析) :768 プロトンNMR分析(CDCl3 溶媒、400MH
z):
【0054】
【化10】
【0055】
【表2】
【0056】実施例3 (α,α’,α”−トリス(3,4,5−トリヒドロキ
シフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン
の製造)温度計、攪拌機、滴下漏斗を備えた1L容量4
つ口フラスコにピロガロール30.2gと濃塩酸45.
3gを仕込み、温度40℃に昇温して、これに塩化水素
ガスを飽和濃度に達するまで吹き込んだ。
【0057】次いで、α,α’,α”−トリヒドロキシ
−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン7.6gとピ
ロガロール15.1gをメタノール7.6gに溶解させ
て溶液とし、これを温度40℃に維持して、上記ピロガ
ロールの塩酸水溶液に2時間かけて滴下した。その後、
更に、40℃で21時間撹拌して反応を行った。
【0058】反応終了後、得られた反応混合物につい
て、高速液体クロマトグラフィー分析とNMR分を行っ
て、目的物α,α’,α”−トリス(3,4,5−トリ
ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピル
ベンゼンの生成を確認した。α,α’,α”−トリヒド
ロキシ−1,3,5−トリイソプロピルベンゼンに対す
る反応選択率は、90.0%であった。
【0059】上記反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液
を加えて中和した後、析出した結晶を濾取した。得られ
た結晶をメチルイソブチルケトンに溶解させ、水洗した
後、分液して、水層を除去した。窒素気流下に得られた
油層から温度148℃で溶剤を留去し、得られた残留物
にトルエンを加え、再結晶して、目的物α,α’,α”
−トリス(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン8.9gを淡黄
色結晶として得た(純度87.8モル%)。α,α’,
α”−トリヒドロキシ−1,3,5−トリイソプロピル
ベンゼンに対する収率は、47.4%であった。
【0060】分子量(マススペクトル分析) 576 プロトンNMR分析(DMSO溶媒、400MHZ):
【0061】
【化11】
【0062】
【表3】
フロントページの続き (72)発明者 大野 裕康 和歌山市小雑賀二丁目5番115号 本州化 学工業株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AB46 AB51 AB84 FC22 FC52 FE13

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、mは0、1又は2であり、mが0であるとき、
    Rはヒドロキシル基であり、nは2であり、mが1であ
    るとき、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシ
    ル基であり、nは0、1又は2であり、mが2であると
    き、Rは炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシル基
    であり、nは0又は1である。)で表されるα,α’,
    α”−トリス(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−ト
    リイソプロピルベンゼン類。
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