JP2002035769A - ドレン中和装置 - Google Patents

ドレン中和装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中和生成物等が詰まり難い、よって良好なド
レンの中和処理を長期間にわたってメンテナンスフリー
で確保でき、また中和剤の取り替えロスが少ないドレン
中和装置の提供を課題とする。 【解決手段】 中和剤30を充填する中和槽10と、該
中和槽10にドレンを搬送する搬送管20とを少なくと
も有し、中和槽10にその内部を上流から下流にかけて
複数に仕切る複数の単位槽12を構成し、搬送管20に
は各単位槽12に対してドレンを導入するための複数本
の導入管21を分岐させて設け、導入管21は各単位槽
12に対してその内部に深く侵入させた状態にして設け
ると共に、複数のドレン放出口22を分散させて設け、
且つ導入管21は上流の単位槽12に対応した導入管2
1から優先してドレンが流れるようにし、上位の導入管
21が閉塞すると次の導入管21へドレンが流れるよう
に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドレン中和装置に関
し、詳しくは燃焼ガスの潜熱を回収することにより発生
したドレンを中和するために用いられるドレン中和装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、燃焼部で発生した燃焼排ガスから
高効率でその熱を回収するようにした給湯器等の燃焼器
が提供されている。このような高効率の給湯器において
は、熱交換器やその周辺から強酸性のドレンが多く発生
することから、該ドレンを中和して排出するためにドレ
ン中和槽を用いることが必要となる。従来におけるこの
種のドレン中和装置としては、中和槽内に導入されたド
レンを上流から下流へ流下させる形で中和剤充填領域を
通過させ、中和処理するようにしたものの他、ジグザグ
通路等とすることで所定の長さを確保した中和剤通路を
中和槽内に構成したものが提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来のド
レン中和装置では、主として使用する中和剤、例えば炭
酸カルシウムがドレン中に溶け出した熱交換器の金属等
と反応して生成される生成物が中和槽に溜まりやすく、
その結果、中和装置としての機能が低下して十分な中和
処理が行えなくなったり、或いは中和剤自体は未だ消耗
していない部分がかなり残っているにもかかわらず全体
を取り替えなければならない等の問題があった。特に中
和剤を内挿した中和槽にドレンを流入させて反応させた
場合、上流において特に反応が激しく、中和生成物も上
流側に多く発生することから、中和槽内の流路を長くし
た構成としている場合でも、その上流位置で詰まってし
まうと、ドレンの流路がショートカットされた状態とな
って、十分に中和されないまま装置外に排出されてしま
うという問題があった。
【0004】そこで本発明は上記従来のドレン中和装置
における問題を解消し、中和生成物等が詰まり難い、よ
って良好なドレンの中和処理を長期間にわたってメンテ
ナンスフリーで確保することができ、また中和剤の取り
替えロスが少ないドレン中和装置の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のドレン中和装置は、燃焼ガスの潜熱を回収
することにより発生したドレンを中和するために用いら
れるドレン中和装置であって、中和剤を充填する中和槽
と、該中和槽にドレンを搬送する搬送管とを少なくとも
有し、前記中和槽にはその内部を上流から下流にかけて
複数に仕切った複数の単位槽を構成し、前記搬送管には
前記単位槽のそれぞれに対してドレンを導入するための
複数本の導入管を分岐させて設け、前記導入管はそれぞ
れの単位槽に対してその内部に深く侵入させた状態にし
て設けると共に、複数のドレン放出口を分散させて設
け、且つ前記導入管は上流の単位槽に対応した導入管か
ら優先してドレンが流れるようにし、上位の導入管が閉
塞すると次の導入管へドレンが流れるように構成したこ
とを第1の特徴としている。また本発明のドレン中和装
置は、上記第1の特徴に加えて、中和槽の各単位槽は上
流の単位槽から下流の単位槽へと直列に連通させると共
に、単位槽の下部と上部とで交互に連通するようにした
ことを第2の特徴としている。また本発明のドレン中和
装置は、上記第1又は第2の特徴に加えて、全ての導入
管が閉塞した場合に搬送管からのドレンを受け入れ、希
釈して排出するための希釈槽を別に設けたことを第3の
特徴としている。
【0006】上記第1の特徴によれば、熱交換器等で発
生し、流下してきたドレンは中和槽内に受け入れられ
る。ドレンは先ず最上流にある単位槽に最上位の導入管
を通って導入され、複数のドレン放出口からその最上流
の単位槽内に放出される。放出されたドレンは単位槽内
の中和剤によって中和される。導入管は深く単位槽に侵
入させ、且つ複数のドレン放出口を分散させて設けてい
るので、その単位槽内の全域にドレンを満遍なく放出さ
せることができる。よって単位槽の全体での均質的な中
和作用が期待でき、一部の領域で中和作用が行われるだ
けでその単位槽での中和作用が終了してしまうといった
ことがなくなる。最上流の単位槽での中和作用によって
中和生成物が発生し、やがて最上位の導入管のドレン放
出口が中和生成物によって閉塞されてしまうと、搬送管
のドレンは1つ下位の導入管を通って前記最上位の単位
槽よりも1つ下流の単位槽に流れて放出されるようにな
る。このようにして、上流の単位槽から下流の単位槽へ
順にドレンが導入されて中和作用が行われていく。よっ
て第1の特徴によれば、中和槽内の中和剤の全てを有効
にドレンの中和作用に利用することができ、長期間にわ
たって安定した中和処理をメンテナンスフリーで確保す
ることができると共に、中和剤が十分に使用されないま
ま取り替えなければならなくなる等の中和剤のロスをな
くすこともできる。
【0007】上記第2の特徴によれば、第1の特徴によ
る作用効果に加えて、中和槽の各単位槽は最上流の単位
槽から最下流の単位槽まで直列に連通されていること
で、単位槽に入ったドレンがそこで中和されながら徐々
に下流の単位槽へと流れて行くことができる。これによ
り、例えドレンが上流の単位槽にて十分に中和されなか
った場合でも、下流に進むにつれて十分に中和反応を完
了させていくことができる。また単位槽同士の連通を上
流から下流へと交互に上部と下部とで行うようにするこ
とで、中和槽内でのドレンの流路を十分に長くすること
ができ、一層確実にドレンの中和を達成させることがで
きる。よって第2の特徴によれば、中和槽内のドレンの
流路を十分に長くすることができ、ドレンの中和反応を
確実に達成させることができる。
【0008】上記第3の特徴によれば、第1又は第2の
特徴による作用効果に加えて、中和槽へのドレンの供給
が導入管の閉塞によって不能になると、そのドレンは希
釈槽に受け入れられ、そこで希釈されて排出される。中
和槽の有効使用年数は十分な期間が保証されるように中
和剤の量等が確保されるが、使用状況等により中和剤が
使い古されてしまい、その反応生成物によって全ての導
入管が閉塞されてしまう場合があり得る。このような場
合に前記希釈槽を設けることで、ドレンの中和はできな
いものの、その次善策としての効果を確保することがで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図1は本発明のドレン中和装
置の実施形態を示す概略断面図である。
【0010】図1を参照して、ドレン中和装置は、その
主たる構成要素として、中和槽10と図示しない給湯器
からのドレンの搬送管20を備えている。前記給湯器
は、例えば燃焼ガスの潜熱回収により熱効率の向上をは
かるようにした高効率の給湯器とすることができるが、
特にこのような給湯器にあっては、潜熱回収時に結露し
やすく、強酸性のドレンが発生しやすい。
【0011】前記中和槽10は、その内部を仕切壁11
により複数個の部屋に分割することで、複数の単位槽1
2からなるように構成されている。そして各単位槽12
には中和剤30が充填されている。この中和剤30は、
例えば炭酸カルシウムとすることができる。前記複数
(この図面では4個)の単位槽12は、上流にある単位
槽12から下流にある単位槽12へと直列に連通するよ
うに、連通口13を単位槽12間の前記仕切壁11に設
けている。連通口13は、上流の単位槽12から下流の
単位槽12へと交互に仕切壁11の下部と上部に設ける
ようにしている。そして中和槽10の最下流の単位槽1
2には、中和槽10外への排出口14を設けている。
【0012】前記搬送管20は、その末端部を分岐して
複数本の導入管21を構成している。前記複数本の導入
管21は、ドレンの流れやすい順(図面上において左に
あるもの程ドレンが流れやすい)に上位の導入管21か
ら下位の導入管21へと順位がつくようにしている。そ
して最上位(図面上の最左側)の導入管21は最上流
(図面上の最左側)の単位槽12に配置され、次位の導
入管21は次の上流の単位槽12に配置されていくよう
にし、最下位(図面上の最右側)の導入管21が最下流
(図面上の最右側)の単位槽12に配置されるように構
成している。各導入管21は、それぞれの単位槽12に
対して内部に深く侵入させた状態に設けている。そして
導入管21の前記単位槽12内に侵入する領域におい
て、複数のドレン放出口22を分散させて設けている。
【0013】40は希釈槽で、42はドレンを希釈する
ための上水を希釈槽に供給する給水管である。44は希
釈槽40への最末端口23からのドレンの流入を検知す
るフロートスイッチである。ドレンの流入を検知するこ
とにより、排出口41からそのまま排出しても問題無い
程度の酸性度になるように、図示しない制御器で給水弁
43を制御して給水を行うように構成されている。
【0014】今、図示しない給湯器から搬送管20を搬
送されてきたドレンは、先ず最も流れやすい最上位(図
面上の最左)の導入管21を流れて、複数のドレン放出
口22から最上流(図面上の最左)の単位槽12に放出
され、中和される。そして中和されたドレンは連通口1
3を通って下流側の単位槽12に順次流れて行き、最後
に排出口14から外部に排出される。前記最上流の単位
槽12における中和作用が十分になされた結果生じた中
和生成物によって、最上位の導入管21のドレン放出口
22が閉塞され、ドレンが最上位の導入管21に流れな
くなると、行き詰まったドレンは次位(図面上の左から
2番目)の導入管21に流れるようになり、次の上流
(図面上の左から2番目)の単位槽12での中和作用が
行われるようになる。勿論、中和剤30が使い古された
最上位の単位槽12に更にドレンが入ることもあるが、
その場合に中和剤30での中和が不十分のままとなって
も、次の単位槽12に移動することで中和が完結され
る。以上のようにして、上流の単位槽12から下流の単
位槽12へと順次中和剤30が有効に使われて行くこと
になり、また各単位槽12内では、内部まで深く侵入さ
れた導入管21と分散された複数のドレン放出口22の
存在により、単位槽12内での満遍ない中和作用が確保
され、中和剤30の無駄がなくなり、またドレンが十分
確実に中和されることになる。
【0015】前記中和槽10が年を経ることによって、
中和生成物等により各導入管21のドレン放出口22が
閉塞されてしまうようなことがあった場合には、行き詰
まったドレンが希釈槽40にまで到達する。到達したド
レンはフロートスイッチ44によって検知され、図示し
ない制御器でそのまま排出口41から排出しても問題無
い程度の酸性度になるように、給水弁43を制御して給
水管42から給水を行い、十分に希釈されて排出口41
から排出される。ドレンの発生量は燃焼した燃焼量に概
略比例するので、燃焼中に燃料消費量に比例した量の給
水を行うようにすれば良い。通常はドレンが希釈槽40
に導入されるようになるまでに、使い古された中和剤3
0が取り替えられるようにしたメンテナンスとされ、或
いは給湯器の寿命が尽きることになる。
【0016】なお希釈の方法については、本発明は、上
記記載の希釈方法に限定されるものではなく、希釈槽4
0へのドレンの流入検知はフロートスイッチ44に限ら
ず、フローセンサや水位電極等、ドレンの流入を検知で
きる方法でありさえすればよい。また給水弁43の制御
も、燃焼中に給水量を燃料消費量に応じて可変しながら
連続で給水しても良いし、或いは排出口41を希釈槽4
0の底部に配すると共に排出口41を開閉する排出弁を
別途設け、一定時間毎、或いはフロートスイッチ44が
検知する毎に、一定量或いは一定時間の給水、排出をバ
ッチ的に繰り返しても良く、希釈後のドレンがそのまま
排出しても問題無い程度にまで希釈されさえすれば良
い。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上の構成、作用からなり、請
求項1に記載のドレン中和装置によれば、燃焼ガスの潜
熱を回収することにより発生したドレンを中和するため
に用いられるドレン中和装置であって、中和剤を充填す
る中和槽と、該中和槽にドレンを搬送する搬送管とを少
なくとも有し、前記中和槽にはその内部を上流から下流
にかけて複数に仕切ってなる複数の単位槽を構成し、前
記搬送管には前記単位槽のそれぞれに対してドレンを導
入するための複数本の導入管を分岐させて設け、前記導
入管はそれぞれの単位槽に対してその内部に深く侵入さ
せた状態にして設けると共に、複数のドレン放出口を分
散させて設け、且つ前記導入管は上流の単位槽に対応し
た導入管から優先してドレンが流れるようにし、上位の
導入管が閉塞すると次の導入管へドレンが流れるように
構成したので、中和槽内の中和剤の全てを有効にドレン
の中和作用に利用することができ、長期間にわたって安
定した中和処理をメンテナンスフリーで確保することが
できると共に、中和剤が十分に使用されないまま取り替
えなければならなくなる等の中和剤のロスをなくすこと
もできる。また請求項2に記載のドレン中和装置によれ
ば、上記請求項1に記載の構成による効果に加えて、中
和槽の各単位槽は上流の単位槽から下流の単位槽へと直
列に連通させると共に、単位槽の下部と上部とで交互に
連通するようにしたので、中和槽内のドレンの流路を十
分に長くすることができ、ドレンの中和反応を確実に達
成させることができる。また請求項3に記載のドレン中
和装置によれば、上記請求項1又は2に記載の構成によ
る効果に加えて、全ての導入管が閉塞した場合に搬送管
からのドレンを受け入れ、希釈して排出するための希釈
槽を別に設けたので、例え中和槽へのドレンの供給が導
入管の閉塞によって不能となった場合であっても、更に
運ばれてくるドレンを希釈槽にて希釈して排出すること
ができるので、ドレン処理の次善策としての効果を確保
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドレン中和装置の実施形態を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
10 中和槽 11 仕切壁 12 単位槽 13 連通口 14 排出口 20 搬送管 21 導入管 22 ドレン放出口 23 最末端口 30 中和剤 40 希釈槽 41 排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/66 540 C02F 1/66 540Z 1/00 ZAB 1/00 ZABW F24H 9/00 F24H 9/00 B (71)出願人 000221834 東邦瓦斯株式会社 愛知県名古屋市熱田区桜田町19番18号 (72)発明者 竹田 信宏 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 Fターム(参考) 3L036 AA14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼ガスの潜熱を回収することにより発
    生したドレンを中和するために用いられるドレン中和装
    置であって、中和剤を充填する中和槽と、該中和槽にド
    レンを搬送する搬送管とを少なくとも有し、前記中和槽
    にはその内部を上流から下流にかけて複数に仕切ってな
    る複数の単位槽を構成し、前記搬送管には前記単位槽の
    それぞれに対してドレンを導入するための複数本の導入
    管を分岐させて設け、前記導入管はそれぞれの単位槽に
    対してその内部に深く侵入させた状態にして設けると共
    に、複数のドレン放出口を分散させて設け、且つ前記導
    入管は上流の単位槽に対応した導入管から優先してドレ
    ンが流れるようにし、上位の導入管が閉塞すると次の導
    入管へドレンが流れるように構成したことを特徴とする
    ドレン中和装置。
  2. 【請求項2】 中和槽の各単位槽は上流の単位槽から下
    流の単位槽へと直列に連通させると共に、単位槽の下部
    と上部とで交互に連通するようにしたことを特徴とする
    請求項1に記載のドレン中和装置。
  3. 【請求項3】 全ての導入管が閉塞した場合に搬送管か
    らのドレンを受け入れ、希釈して排出するための希釈槽
    を別に設けた請求項1又は2に記載のドレン中和装置。
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