JP7048992B2 - 人工透析廃水処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、人工透析装置からの廃水を中和処理する人工透析廃水の処理システム及び人工透析廃水の放流システムに関する。
人工透析は、腎機能の低下した腎不全の患者に対して行われる治療法である。透析治療においては、体外に取り出した患者の血液を透析膜が収容された血液透析器(ダイアライザー)に通す。血液透析器中では、透析膜を隔てて血液とは反対側に透析液を流し、透析膜を介して血液中の老廃物や余分な水分を透析液側に透過させ取り除く。こうして浄化された血液を体内に戻す治療が行われる。人工透析においては、透析液の通路や透析膜等にタンパク質、細菌等の汚染物質が付着したり、炭酸カルシウム等が析出したりするため、透析液が流れる配管や透析膜を洗浄する必要がある。一般に洗浄では、タンパク質の除去や殺菌には次亜塩素酸ナトリウムが使用され、炭酸カルシウム等の除去には酢酸が使用されているので、アルカリ性又は酸性の廃水が排出される。そこで、廃水を下水道に流すには、廃水を中和処理することが求められ、例えば、東京都23区ではpHの放流基準が5超9未満となっている。従来、中和処理は、中和反応槽を使用して行われているが、中和反応槽を使用した中和処理では、中和反応槽の容量が、例えば、60床タイプでは400~1000L、80床タイプでは1400~2000L程度となるため、中和反応槽を設置するための広いスペースが必要である(特許文献1参照)。また、通常、中和反応槽へは自然流下で廃水を送りこむため、中和反応槽は建物の1階に置くか地下に埋設する必要があり、そうでない場合は、送水ポンプピットを設けて廃水を中和反応槽へポンプアップする必要がある。一方で、近年、人工透析を受ける患者数の増加により、ビルのワンフロアーを借りて人工透析器を設置し人工透析を行う医療機関や小規模で人工透析を行う医療機関が増加してきた。このような機関においても廃水の中和処理は必要とされるが、このような機関では中和反応槽を設置するスぺースを確保することは難しかった。
特開2001-269670号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決し、ビルのワンフロアーや狭いスペースでも設置が可能な人工透析廃水の中和処理システムを提供することを課題とする。
本発明者は、人工透析廃水の中和処理システムの省スペース化を目指して検討を開始した。検討を進めるなかで、廃水を排出する排出用配管中にアルカリ性又は酸性の中和液を添加し、排出用配管の経路中に排水とこれらの中和液を混合するインラインミキサーを設け、さらに前記中和液と共に整水剤を添加して発泡を抑制することにより、中和反応槽を使用せずに排出用配管の経路中で、すなわちインラインで廃水の中和処理が行えることを見いだした。また従来、中和液の添加は中和反応槽中のpHを測定し、それに応じて行っていたが、人工透析装置の洗浄に使用される洗浄液の種類を検知し、その種類に応じて中和液を選択して添加することも可能であり、また、インラインミキサーでのpHを測定し、その値に応じて中和液を選択して添加することも可能となり、インラインでの処理により適したものになることを見いだした。本発明は、こうして完成されたものである。
すなわち、本発明は以下に示す事項により特定されるものである。
(1)人工透析装置からの廃水を排出する排出路、アルカリ性用中和液タンク、酸性用中和液タンク、整水剤タンク、前記アルカリ性用中和液、酸性用中和液及び整水剤を前記排出路に導入する導入路、前記排出路の経路中に設けられるインラインミキサー、及び前記アルカリ性用中和液又は前記酸性用中和液の前記排出路への導入を制御する制御部を備え、前記インラインミキサーにおいて前記廃水、前記中和液及び前記整水剤を混合して前記廃水を中和処理する、人工透析廃水の処理システム。
(2)制御部が、廃水に含まれる人工透析装置の洗浄に使用される洗浄液の種類に応じて、アルカリ性用中和液又は酸性用中和液が排出路に導入されるように制御する制御部であることを特徴とする上記(1)記載の人工透析廃水の処理システム。
(3)制御部が、インラインミキサー内の溶液のpHに応じて、アルカリ性用中和液又は酸性用中和液が排出路に導入されるように制御する制御部であることを特徴とする上記(1)記載の人工透析廃水の処理システム。
(4)人工透析装置の洗浄開始時の信号を受信し、アルカリ性の洗浄液が使用されるか、酸性の洗浄液が使用されるかを識別し、アルカリ性の洗浄液が使用される場合はアルカリ性用中和液が排出路に導入され、酸性の洗浄液が使用される場合は酸性用中和液が排出路に導入されるように制御する制御部を備えることを特徴とする上記(2)記載の人工透析廃水の処理システム。
(5)人工透析装置の洗浄開始時の信号を受信してから整水剤を排出路に導入するように制御する制御部を備えることを特徴とする上記(2)又は(4)記載の人工透析廃水の処理システム。
(6)人工透析装置の洗浄停止時の信号を受信し、受信時から設定時間が経過したときに中和液及び整水剤の排出路への導入を停止するように制御する制御部を備えることを特徴とする上記(2)、(4)及び(5)のいずれか記載の人工透析廃水の処理システム。
(7)水を排出路に導入する導入路と、人工透析装置の洗浄開始時の信号を受信してから前記水を前記排出路に導入するように制御する制御部と、人工透析装置の洗浄停止時の信号を受信し、受信時から設定時間が経過したときに前記水の前記排出路への導入を停止するように制御する制御部を備えることを特徴とする上記(2)、(4)、(5)及び(6)のいずれか記載の人工透析廃水の処理システム。
(8)アルカリ性用中和液、酸性用中和液及び整水剤の少なくとも1つが導入路によりインラインミキサーに導入されることを特徴とする上記(1)~(7)のいずれか記載の人工透析廃水の処理システム。
(9)インラインミキサーが、蛇行形状の流路を内部に備えることを特徴とする上記(1)~(8)のいずれか記載の人工透析廃水の処理システム。
(10)インラインミキサーが、中和処理で発生するガスが排出路へ逆流することを防止するガス逆流防止機構を備えることを特徴とする上記(1)~(9)のいずれか記載の人工透析廃水の処理システム。
(11)インラインミキサーが、通水口を設けた隔壁で仕切られる複数の部屋を備え、前記部屋のうち廃水が流入する部屋にガス逆流防止機構が設けられたことを特徴とする上記(10)記載の人工透析廃水の処理システム。
(12)排出路にエアレーション装置を備えることを特徴とする上記(1)~(11)のいずれか記載の人工透析廃水の処理システム。
(13)上記(1)~(12)のいずれか記載の人工透析廃水の処理システムにおける排出路を人工透析装置が設置された建物の共同排水管に連結させ、中和した廃水を前記共同排水管に放流することを特徴とする人工透析廃水の放流システム。
本発明の人工透析廃水の処理システムは、中和反応槽を使用しないため、省スペース化が行え、狭いスペースでも人工透析廃水の中和処理を行うことができる。このため、人工透析を行う医療機関以外も入居しているビル等の建物で人工透析を行う医療機関においても、入居するフロワーで廃水の中和処理を行い、処理後の廃水を建物に設けられた共同の下水管に放流することができる。
本発明の人工透析廃水の処理システムを示す模式図。 本発明におけるインラインミキサーの一実施形態の内部構造を示す模式図。 図2に示すインラインミキサー内部の隔壁の構造を示す模式図。 本発明におけるインラインミキサーの他の一実施形態の内部構造を示す模式図。 図4に示すインラインミキサー内部の隔壁の構造を示す模式図。
本発明の人工透析廃水の処理システムは、人工透析装置からの廃水を排出する排出路、アルカリ性用中和液タンク、酸性用中和液タンク、整水剤タンク、前記アルカリ性用中和液、酸性用中和液及び整水剤を前記排出路に導入する導入路、前記排出路の経路中に設けられるインラインミキサー、及び前記アルカリ性用中和液又は前記酸性用中和液の前記排出路への導入を制御する制御部を備え、前記インラインミキサーにおいて前記廃水、前記中和液及び前記整水剤を混合して前記廃水を中和処理する、人工透析廃水の処理システムである。また、本発明の人工透析廃水の処理システムは、人工透析装置からの廃水を排出する排出路、アルカリ性用中和液タンク、酸性用中和液タンク、前記アルカリ性用中和液及び酸性用中和液を前記排出路に導入する導入路、前記排出路の経路中に設けられるインラインミキサー、及び前記アルカリ性用中和液又は前記酸性用中和液の前記排出路への導入を制御する制御部を備え、前記インラインミキサーにおいて前記廃水及び前記中和液を混合して前記廃水を中和処理する、人工透析廃水の処理システムであってもよく、必要に応じて整水剤タンクを備え、整水剤を前記導入路に導入し、インラインミキサーで混合するようにしてもよい。本発明の人工透析廃水の処理システムの一実施形態では、人工透析装置からの廃水を排出する排出路、アルカリ性用中和液タンク、酸性用中和液タンク、整水剤タンク、前記アルカリ性用中和液、酸性用中和液及び整水剤を前記排出路に導入する導入路、前記排出路の経路中に設けられるインラインミキサー、及び前記廃水に含まれる前記人工透析装置の洗浄に使用される洗浄液の種類に応じて、前記アルカリ性用中和液又は前記酸性用中和液が前記排出路に導入されるように制御する制御部を備え、前記インラインミキサーにおいて前記廃水、前記中和液及び前記整水剤を混合して前記廃水を中和処理する。本発明における排出路とは、人工透析装置の洗浄後の廃水が流れる流路のことをいい、その形状、構造、材質等は特に制限されず、例えば、人工透析装置からの廃水の排出用配管として使用されているものを使用することができる。本発明におけるアルカリ性用中和液タンク、酸性用中和液タンク及び整水剤タンクとしては、各中和液や整水剤を貯蔵できる容器であれば、その形状、構造、材質等は特に制限されず、また、その大きさも必要とされる処理能力に合わせて適宜設定することができる。本発明におけるアルカリ性用中和液は、アルカリ性の洗浄液が使用され廃水がアルカリ性となっている場合に、これを中和できるものであれば特に制限されず、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の酸性溶液を挙げることができる。本発明における酸性用中和液は、酸性の洗浄液が使用され廃水が酸性となっている場合に、これを中和できるものであれば特に制限されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム等のアルカリ性溶液を挙げることができる。本発明における整水剤は、廃水に中和液を混合する際の泡の発生を抑制するもの、あるいは発生した泡を消すものであり、前記作用を有するものであれば特に制限されないが、例えば、合成油脂、アルコール、シリコン等を挙げることができる。インラインミキサーでの混合時に泡が発生すると、インラインミキサーの垂直上部に泡が溜まりやすく、泡による圧力欠損によりスムーズな混合攪拌と通水流量の確保に弊害が生じる。本発明においては、整水剤を使用し泡の発生の抑制又は消泡を行うため、排出配管の経路に設置されたインラインミキサーでの中和処理がより好適に行える。
人工透析装置からの廃水中には、洗浄に使用した洗浄液が含まれるが、本発明における制御部は、廃水に含まれる洗浄液の種類に応じて、アルカリ性用中和液又は酸性用中和液を排水路中に導入するように制御する。例えば、人工透析装置の洗浄開始時の信号を受信し、アルカリ性の洗浄液が使用されるか、酸性の洗浄液が使用されるかを識別し、アルカリ性の洗浄液が使用される場合はアルカリ性用中和液が排出路に導入され、酸性の洗浄液が使用される場合は酸性用中和液が排出路に導入されるように制御することができる。前記制御部は、例えば、洗浄開始時における人工透析装置のアルカリ性の洗浄液又は酸性の洗浄液を供給するように指示する信号を受信する受信装置と、受信した信号からどちらの洗浄液が使用されるかを識別する識別装置と、アルカリ性用中和液タンク及び酸性用中和液タンクからアルカリ性用中和液及び酸性用中和液を供給する供給装置を備え、アルカリ性の洗浄液が使用されると識別した場合は、アルカリ性用中和液タンクからのアルカリ性用中和液の供給を開始するように、酸性の洗浄液が使用されると識別した場合は、酸性用中和液タンクからの酸性用中和液の供給を開始するように制御する制御装置を備える。
また、本発明の人工透析廃水の処理システムは、人工透析装置の洗浄開始時の信号を受信してから整水剤を排出路に導入するように制御する制御部を備える。整水剤は、人工透析装置の洗浄開始時の信号を受信してから排出路に導入されるが、導入されるタイミングは、中和液の導入の前後でも同時でもよい。泡の発生の抑制又は消泡効果を高める観点から、整水剤は、洗浄開始時に導入されるのが好ましい。洗浄開始時としては、洗浄液の供給開始時を洗浄開始時とすることができる。また、整水剤は中和液の供給と同時、又は中和液の供給後に供給されることが好ましい。前記制御部は、例えば、人工透析装置のアルカリ性の洗浄液又は酸性の洗浄液を供給するように指示する信号を受信する受信装置と、前記信号を受信して洗浄開始を識別する識別装置と、整水剤タンクから整水剤を供給する供給装置を備え、洗浄開始を識別した場合は、整水剤タンクから整水剤を供給するように制御する制御装置を備える。また、本発明の人工透析廃水の処理システムは、人工透析装置の洗浄停止時の信号を受信し、受信時から設定時間が経過したときに中和液及び整水剤の排出路への導入を停止するように制御する制御部を備えてもよい。洗浄停止時としては、洗浄液の供給停止時を洗浄停止時とすることができる。前記制御部は、例えば、アルカリ性用中和液又は酸性用中和液の供給を停止する信号を受信する受信装置、希望の時間を設定できるタイマー、前記信号を受信したのち、前記信号の受信時から設定時間の経過後に、中和液タンクからの中和液の供給装置、及び整水剤タンクからの整水剤の供給装置を停止するように制御する制御装置を備える。設定時間は、廃水の単位時間当たりの処理量等に応じて適宜設定することができる。
また、本発明の人工透析廃水の処理システムは、水を排出路に導入する導入路と、人工透析装置の洗浄開始時の信号を受信してから前記水を前記排出路に導入するように制御する制御部と、人工透析装置の洗浄停止時の信号を受信し、受信時から設定時間が経過したときに前記水の前記排出路への導入を停止するように制御する制御部を備えることができる。水を供給することにより中和処理を促進することができる。水は水用タンクを設けて前記タンクから導入路を通じて排出路に導入してもよく、水道水の供給管に前記導入路を連結して導入してもよい。前記制御部は、例えば、人工透析装置のアルカリ性の洗浄液又は酸性の洗浄液を供給するように指示する信号を受信する受信装置と、前記信号を受信して洗浄開始を識別する識別装置を備え、洗浄開始と識別した場合は、水を供給する供給装置を稼働させる制御装置を備える。また、前記制御部は、例えば、アルカリ性用中和液又は酸性用中和液の供給を停止する信号を受信する受信装置、希望の時間を設定できるタイマー、前記信号を受信したのち、前記信号の受信時から設定時間の経過後に、水を供給する供給装置を停止させる制御装置を備える。設定時間は、廃水の単位時間当たりの処理量等に応じて適宜設定することができる。アルカリ性用中和液、酸性用中和液、整水剤及び水の導入を停止する設定時間は、全て同じでもよく、それぞれ異なってもよい。水の供給開始は中和液の供給開始前であることが好ましく、水の供給停止は中和液の供給停止後であることが好ましい。本発明においてアルカリ性用中和液、酸性用中和液及び整水剤を排出路に導入する、並びに水を排出路に導入するとは、排出路の経路中に設けられるインラインミキサーにこれらを導入する場合も含む。
本発明の人工透析廃水の処理システムの一実施形態では、アルカリ性用中和液及び酸性用中和液の導入を制御する制御部が、インラインミキサー内の溶液のpHに応じて、アルカリ性用中和液又は酸性用中和液が排出路に導入されるように制御する制御部である。インラインミキサー内の溶液とは、アルカリ性用中和液及び/又は酸性用中和液を添加する前の廃水の場合及びこれらを添加した後の廃水の場合の両方を含む。前記制御部は、インラインミキサー内の溶液のpHを測定する測定器、測定器から測定値の情報を受信し、その時のpHに応じてアルカリ性用中和液と酸性用中和液のいずれを導入するか、またその導入量を制御する制御装置を備える。人工透析装置からの廃水の排出状況により廃水の流れと中和液の導入との間に時間のずれ(タイムラグ)が生じることがあり、このような場合、インラインミキサー内の溶液のpHに応じて、アルカリ性用中和液又は酸性用中和液が排出路に導入されるように制御することが好ましい。本発明の処理システムは、中和液の導入を制御する制御部として、人工透析装置の洗浄に使用される洗浄液の種類に応じて制御する制御部を備えてもよく、インラインミキサー内の溶液のpHに応じて制御する制御部を備えてもよく、両方を備えてもよい。両方を備えることにより、互いに補完しながら精度の高い制御を行うことができる。また、本発明の処理システムでは、アルカリ性用中和液、酸性用中和液及び整水剤の少なくとも1つが、導入路により排出路の一部であるインラインミキサーに導入されてもよい。
本発明におけるインラインミキサーは、排出路の経路中に設けて、廃水にアルカリ性用中和液又は酸性用中和液と整水剤を混合できるものであれば、その形状、構造、材料等は特に制限されないが、蛇行形状の流路を内部に備えることが好ましく、洗浄時に高温を利用する場合には耐熱温度を考慮した材質を選定する必要がある。蛇行形状の流路の構造や蛇行の形状は、廃水に中和液や整水剤を混合する時間を確保できるものであれば特に制限されない。ここで、蛇行形状とは、クランク形状や折れ曲がった形状を含む。インラインミキサーとしては、例えば、筒状の容器の一方の端部に廃水の流入口を設け、他方の端部に流出口を設け、さらに前記容器中に複数の隔壁を設ける構造とすることができる。この場合、隔壁で仕切られた部屋の間を廃水が通水するように隔壁に通水口を設けるが、隣り合う隔壁の通水口を対向する位置からずらして設けることにより、廃水が蛇行して流れることになり蛇行形状の流路とすることができる。さらに、隔壁で仕切られた部屋の中に仕切板を設け各部屋の中にも蛇行形状の流路を形成することが好ましい。特に、波形状の仕切り板又は波形状にひねりを加えた仕切板を隔壁に設置して、上下左右に混合攪拌経路を設けることにより、混合攪拌経路をより長くすることができる。波形状の仕切り板(すなわち流路の側壁)で形成された流路の形状を本発明ではスネーク状という。また、流路中に突起を設けることが好ましい。スネーク状の流路中に突起を設けると、乱流を発生させることができ混合作用をより向上させ、混合攪拌効率をより向上させることができる。また、上流側から下流側へ一方向に廃水を流すのではなく、下流側から上流側へ廃水を一旦戻す経路を形成することにより混合攪拌経路をより長くし、混合作用をより向上させ、混合攪拌効率をより向上させることができる。本発明においては整水剤を使用して泡の発生を抑制しているが、それでも泡が発生すると、インラインミキサーでの混合時にインラインミキサーの垂直上部に泡が溜まり、泡による圧力欠損によりスムーズな混合攪拌と通水流量の確保に弊害がでる可能性がある。そこで、インラインミキサー内の各流路中の上部に泡(ガス)抜き配管を設けることが好ましい。泡抜きのための配管は、インラインミキサーから出て圧力が開放される場所に接続される配管とすることができる。また、中和処理時に発生するガスをインラインミキサーの外へ排出する機構を備えることが好ましい。また、本発明においては、インラインミキサーが、中和処理で発生するガスが排出路へ逆流することを防止するガス逆流防止機構を備えることが好ましい。ガス逆流防止機構としては、その構造等は特に制限されるものではないが、例えば、インラインミキサーを、通水口を設けた隔壁で仕切られる複数の部屋を備えたインラインミキサーとし、前記部屋のうち廃水が流入する部屋にガス逆流防止機構を設けることが好ましい。例えば、前記部屋のうち廃水が流入する部屋において、中和処理の間、廃水の流入口が廃水に満たされている構造にすることによりガス逆流防止機構とすることができる。
本発明の人工透析廃水の処理システムでは、排出路にエアレーション装置を備えることが好ましい。ここで排出路とは、排出路の一部であるインラインミキサーを含む。エアレーション装置は、排出路中の溶液に空気等の気体(ガス)を送り込む装置であり、これにより溶液を撹拌する。ここで溶液とは、アルカリ性用中和液及び/又は酸性用中和液を添加する前の廃水の場合及びこれらを添加した後の廃水の場合の両方を含む。エアレーション装置を備えることにより、廃水と各種中和液との混合効果をより向上できる。本発明におけるエアレーション装置としては、前記溶液に空気を送り込む装置であれば特に制限されず、例えば、公知のエアレーション装置を使用することができ、送風機と送風機から排出路まで延びる空気配管を有する装置を挙げることができる。排出路の経路中でエアレーション装置を設置する位置は特に制限されないが、中和液が添加された後の位置に設置することが好ましい。また、混合を行うインラインミキサーに設置することが好ましい。インラインミキサー中の溶液に空気を送り込むようにエアレーション装置を設置することにより、インラインミキサーでの混合効果をより高めることができる。インラインミキサー内で中和液が添加されるようにし、中和液が添加される位置又はその下流側の位置でエアレーションを行うことが好ましい。床数が少ない医療機関や人工透析装置からの廃水の排出量に変動のある医療機関での廃水処理の場合、インラインミキサーに流れ込む廃水の量が少なくなることがあるが。このような場合でもエアレーション装置を設置することにより、良好な混合効果を維持できる。
図1は、本発明の人工透析廃水の処理システムの一実施形態を示す模式図である。透析液供給装置10から透析液経路13を通って透析液が透析室14にある透析装置(図示せず)に運ばれる。洗浄時には、酸性洗浄液タンク11又はアルカリ性洗浄液タンク12から、酸性洗浄液又はアルカリ性洗浄液が透析液供給装置10を通じて透析液経路13に供給され、洗浄液を含んだ廃水は排出路15を通って排出される。本発明の処理システムでは、アルカリ性用中和液タンク20からアルカリ性用中和液がアルカリ性用中和液導入路21を通って導入路60に供給され、酸性用中和液タンク30から酸性用中和液が酸性用中和液導入路31を通って導入路60に供給され、整水剤タンク40から整水剤が整水剤導入路41を通って導入路60に供給される。また、導入路60には、水道水導入路50から水道水が供給される。導入路60は排出路15に通じており、アルカリ性用中和液又は酸性用中和液と整水剤が混ざった廃水は、インラインミキサー70の流入口からインラインミキサー70に流入する。インラインミキサー70中では、廃水と中和液及び整水剤とが十分に混合され中和反応がおきる。このようにして中和処理された廃水はインラインミキサー70の流出口から流出し、下水道管へ放流される。人工透析装置の洗浄が開始されると、洗浄開始時の信号により、まず中和促進のための水道水の供給が開始される。続いて、洗浄液の種類に応じて定量ポンプ22又は32が稼働し、アルカリ性用中和液又は酸性用中和液の供給が開始される。引き続き定量ポンプ42が稼働し、整水剤の供給が開始される。アルカリ性用中和液又は酸性用中和液と整水剤の供給は、水道水が流れる導入路60に対して行われ、導入路60は排出路15に通じているため、アルカリ性用中和液又は酸性用中和液と整水剤が混ざった水道水が排出路15に導入される。排出路15の経路中にはインラインミキサー70が設けられているため、水道水とアルカリ性用中和液又は酸性用中和液と整水剤が混じった廃水がインラインミキサー70中に流入し、中和処理されて下水道へと放流される。そして、洗浄の停止時には、洗浄停止時の信号の受信から予め設定した時間が経過した後、中和液及び整水剤の供給と水道水の供給が停止される。本実施形態では、中和液及び整水剤の供給停止が停止信号を受信してから5分後となるように、水道水の供給停止が停止信号を受信してから7分後となるように設定されている。また、複数のインラインミキサーを使用する場合、アルカリ性用中和液、酸性用中和液及び整水剤の導入は、各成分の導入路を通じて、インラインミキサーが経路中に設けられた排出路ごとに導入してもよい。本発明の処理システムにおいては、中和処理時のpH測定は必要とされないが、中和処理後のpHの確認のためにpH測定器80を設置してもよい。pH測定器80による測定は、洗浄開始時の信号受信により開始し、中和液、整水剤及び水道水の供給停止後に停止すればよく、この間の記録をとることにより下水道へ放流した中和処理水のpHを確認できる。図1に示す処理システムでは、複数のインラインミキサーから排出された処理後の廃水が合流した後の経路にpH測定器80が設置されているが、処理後の廃水が合流する前に、インラインミキサーが設けられた排出路ごとに処理後の廃水のpHを測定するためのpH測定器を設置してもよい。
図2は、本発明におけるインラインミキサーの一実施形態の内部構造を示す模式図である。インラインミキサー200には、廃水の流入口210と流出口220が設けられている。また、インラインミキサー200の内部は隔壁230で仕切られている。また、隔壁230で仕切られた各部屋の上部には発生した泡を抜くための泡抜き穴が設けられ、排出された泡は泡抜き管240を通り圧力が開放された流出口220を通じて排出路から排出される。このため、インラインミキサー200内での圧力欠損を防止することができ、スムーズな混合攪拌と十分な流水量が確保できる。図3は、隔壁230の構造を詳細に示した図である。隔壁230には隔壁で仕切られた部屋に廃水を流入させるための隔壁通水口(流入側)250が設けられている。また、隔壁通水口(流出側)260は、隣の隔壁に設けられた通水口の位置を示しており、隔壁通水口(流入側)250から流入した廃水は、隔壁通水口(流出側)260から出て隣の部屋に流入する。隔壁と隔壁で囲まれた室内には、更に仕切り板が設けられてもよい。図3(a)は、波状の形状をした仕切り板を設けた例である。隔壁230には、波状の形状をした仕切り板(スネーク水路形成仕切り板270)が取り付けられており、隔壁230で仕切られた部屋内にスネーク水路形成仕切り板270で仕切られたスネーク状の水路を形成する。そのため、廃水は廃水の流れ290で示すように曲がりくねりながら上下左右に部屋内を流れるため、インラインミキサー200内の限られたスペースで混合攪拌経路を非常に長くでき、混合攪拌効率を上げることができる。このため、中和処理の効率を高め、インラインミキサー200内で十分な中和処理を行うことができる。また、図3(a)の上部の図は、スネーク水路形成仕切り板270の表面を詳細に示した図であり、乱流発生突起280が設けられている。このようにスネーク状の流路側壁に突起物を設けることにより、インラインミキサー200に流入した廃水は、隔壁230で仕切られた部屋内を曲がりくねりながら流れ、しかもその途中で層流でなく乱流が発生するため、さらに混合攪拌効率を高めることができる。そのため、中和液や整水剤との混合と中和処理が十分になされる。本実施形態では、隔壁230の直径を200mmとし、隔壁通水口(流入側)250及び隔壁通水口(流出側)260の直径を50mmとした。図3(b)は、高さの違う仕切り板を設けた例である。また、廃水を上流側から下流側へ一方向に流すのではなく、下流側から上流側へ廃水を一旦戻す経路を形成する例である。隔壁と隔壁で囲まれた部屋内に高さの違う仕切り板を設けると、部屋内の廃水は低い仕切り板を超えることはできるが、高い仕切り板を超えることはできない。ここで、仕切り板で囲まれた隔壁の下方に通水口を設けることにより、隣の部屋との間を廃水が行き来しながら廃水がインラインミキサー内を通過するため、混合を良好に行うことができる。隔壁AとBで囲まれる部屋内に隔壁Aの通水口265から流入した廃水は、隔壁Bの右側の通水口265から隔壁BとC(隔壁Cの通水口は記載を省略)で囲まれた部屋内に流入する。流入した廃水は、隔壁Bの右側の低い仕切り板275を超えるが左側の高い仕切り板275を超えられないため、隔壁Bの中央の通水口265から隔壁AとBで囲まれた部屋内に戻る。戻った廃水は、隔壁Aの左側の低い仕切り板275を超えて、隔壁Bの左側の通水口265から隔壁BとCで囲まれた部屋内に再度流入し、次に隔壁Cの下流側の部屋内に流入する。こうした流れを繰り返しながら廃水はインラインミキサー内を通過していく。このように、本発明のインラインミキサーは、上流側の隣の隔壁と隔壁で囲まれた部屋に廃水を一旦戻す経路を含むことができる。
図4は、本発明におけるインラインミキサーの他の一実施形態の内部構造を示す模式図である。インラインミキサー300には、廃水の流入口310と流出口320が設けられている。また、インラインミキサー300の内部は隔壁330で仕切られている。また、隔壁330で仕切られた各部屋の上部には発生した泡(ガス)を抜くための泡(ガス)抜き穴が設けられ、排出された泡は泡(ガス)抜き管340を通り、流出口320と繋がる圧力が開放された排出路へ排出される。このため、インラインミキサー300内での圧力欠損を防止することができ、スムーズな混合攪拌と十分な流水量が確保できる。インラインミキサー300において、白抜き数字1で示される区画は、発生ガスの逆流を防止するための発生ガス逆流防止用トラップ室360であり、白抜き数字2~4で示される区画は中和反応室370である(以下、中和反応室370のうち白抜き数字2で示される区画を「中和反応室370(2)」ともいい、他の中和反応室も同様である。)また、白抜き数字5で示される区画はpH計測室380である。インラインミキサー300では、廃水が流入する方向に対して最前部に発生ガス逆流防止用トラップ室360が設けられ、最後部にpH計測室380が設けられ、その間に中和反応室370が設けられている。図4では、中和反応室が3室の場合が示されているが、中和反応室の数は必要に応じて3以上でも3以下でもよい。黒抜き数字1は、ガスの排気口を示し、黒抜き数字2~4は、中和反応室370(2)にアルカリ性用中和液、酸性用中和液及び整水剤の注入口があることを示している。インラインミキサー300を使用する例は、アルカリ性用中和液、酸性用中和液及び整水剤をインラインミキサーが設けられた排出路ごとに導入する場合の一例であり、前記各成分を各成分のタンクから、それぞれの導入路を通じて中和反応室370(2)に導入する。また、前記各成分を各インラインミキサーに導入するのではなく、排出路ごとにインラインミキサーより上流の経路に導入してもよい。前記各成分は、それぞれ個別に定量ポンプにより各インラインミキサー又は各排出経路に導入することにより、それぞれの排出路に一定量を安定して導入できる。
また、図4において中和反応室370(2)でエアレーション装置によりエアレーションを行ってもよい。中和液が添加される中和反応室370(2)でエアレーションを行うことにより廃水と中和液との混合が促進される。インラインミキサー内でエアレーションを行う位置は特に制限されないが、中和液の添加時又は添加後すみやかにエアレーションを行う方が廃水と中和液との混合を効率よく行えるため、中和液が添加される室又は中和液が添加される室の近くの室で行うことが好ましい。インラインミキサー300では、泡(ガス)抜き穴及び泡(ガス)抜き管340が設けられ、発生ガス逆流防止用トラップ室360が設けられているため、エアレーションのガスによるガスの逆流や混合効率の低下を防ぐことができる。
また、インラインミキサー300を使用する例は、インラインミキサーが設けられた排出路ごとに処理後の廃水のpHを測定する場合の一例であり、黒抜き数字5は、pH計測室380にpHセンサーが設置されることを示している。排出路ごとにpHを測定する場合、pH測定器はインラインミキサーで処理した後の廃水が流れる経路に(すなわち排出路ごとにインラインミキサーの下流に)設置してもよいが、インラインミキサー300のようにインラインミキサーの最後尾に処理後の廃水のpHを測定するpH計測室380を設けると、インラインミキサーの設置とpH測定器の設置が一度にできるので、設置作業が効率化できる。排出路ごとにpH測定器を設置すると、排出路ごとに処理後廃液のpHを測定管理することができる。各pH測定器で測定されたpH値は、集中管理型のpH記録計を設置して、24時間(終日)測定管理を行うことができる。また、インラインミキサー300内の溶液のpHに応じて、中和液がインラインミキサー300内に導入されるように制御するために、中和反応室370にpH測定器を取り付けてもよい。最後部のpH計測室380での測定値に基づき制御するよりも、中和反応室370でpHを測定することにより、中和液添加後の廃水のpHを速やかに測定することができ、その値に応じて中和液添加の調整を迅速に行うことができる。この場合、pH計測室380での測定値は排出される廃水のpH値トレースのための記録用として使用できる。中和反応室370にpH測定器を取り付ける位置は、廃水の流量に応じて適宜選択することができる。廃水の流量が少ない場合は廃水と中和液が早く混合されるので、例えば、中和反応室370(2)又は370(3)のような中和液添加室に近い室に取り付けることが好ましく、廃水の流量が多い場合は廃水と中和液の混合に時間がかかるので、中和液添加室からより下流側の室に取り付けることが好ましい。例えば、中和反応室370が10室ある場合には、上流側から3、4、5、6、7、8又は9番目の中和反応室に取り付けてもよい。インラインミキサーの各室には、pH測定器を挿入するための挿入口を設けておき、廃水の状況に応じてpH測定位置を調整できるようにすることができる。また、中和反応室370でのpHと最後部のpH計測室380でのpHとを比較することにより、その時の運転状況(廃水の性質や流量)による混合能力と中和液の添加量の関係を知ることができるので、より適切な中和液導入の制御を行うことができる。図5は、インラインミキサー300における隔壁の構造を示す図である。図5(a)は、発生ガス逆流防止用トラップ室360と中和反応室370(2)との間の隔壁を示す図であり、図5(b)は、中和反応室370(2)と中和反応室370(3)との間の隔壁、及び中和反応室370(4)とpH計測室380との間の隔壁を示す図であり、図5(c)は、中和反応室370(3)と中和反応室370(4)との間の隔壁を示す図である。発生ガス逆流防止用トラップ室360に流入した廃水は、図5(a)の隔壁の通水口を通って中和反応室370(2)に流入する。発生ガス逆流防止用トラップ室360では、廃水は発生ガス逆流防止用トラップ室360の下部に流入し、図5(a)の隔壁の上部に設けられた通水口を通って中和反応室370(2)に流出するため、下から上への流れができる。また、発生ガス逆流防止用トラップ室360では、図5(a)の隔壁の最下部の通水口の下端が、流入口310の上端より高い位置にあるため、中和処理中、廃水が流入口310の上端より高い通水口の下端まで少なくとも溜まるため、中和処理で発生したガスが、流入口310を通って、排出路へ逆流するのを防止することができる。さらに、流入口310へ通じる排出路に、図5(a)の隔壁の最下部の通水口の下端以上の高さの箇所を設けることがより好ましい。中和反応室370(2)では、図5(a)の隔壁の上部に設けられた通水口を通って流入した廃水が、図5(b)の隔壁の右側に設けられた通水口を通って中和反応室370(3)に流出するため、右寄りの流れができる。中和反応室370(3)では、図5(b)の隔壁の右側に設けられた通水口を通って流入した廃水が、図5(c)の隔壁の左側に設けられた通水口を通って中和反応室370(4)に流出するため、右から左への流れができる。中和反応室370(4)では、図5(c)の隔壁の左側に設けられた通水口を通って流入した廃水が、図5(b)の隔壁の右側に設けられた通水口を通ってpH計測室380に流出するため、左から右への流れができる。pH計測室380に流入した廃水は流出口320を通ってインラインミキサー300から排出される。流出口320の最下部は図5(b)及び図5(c)の隔壁の通水口の最下部と同じ高さとなっている。このように、隣り合う隔壁の通水口を対向する位置からずらして設けることにより、インラインミキサー中の水流が蛇行し、廃水と各中和液及び整水剤とが十分に混合される。各隔壁の通水口は、複数設けることにより乱流が発生し、廃水と各液剤との混合が促進される。表1にインラインミキサー300で廃水を処理した結果を示す。
Figure 0007048992000001
本発明の人工透析廃水の処理システムは、人工透析を行う医療機関で好適に使用することができ、特にビルのワンフロアーを借りて人工透析器を設置し人工透析を行う医療機関や小規模で人工透析を行う医療機関のように、限られたスペースで人工透析及びその廃水処理を行うことが必要な機関で、中和処理槽を設置する必要がなく好適に使用できる。
1 人工透析廃水の処理システム
10 透析液供給装置
11 酸性洗浄液タンク
12 アルカリ性洗浄液タンク
13 透析液経路
14 透析室
15 排出路
20 アルカリ性用中和液タンク
21 アルカリ性用中和液導入路
22 定量ポンプ
30 酸性用中和液タンク
31 酸性用中和液導入路
32 定量ポンプ
40 整水剤タンク
41 整水剤導入路
42 定量ポンプ
50 水道水導入路
60 導入路
70 インラインミキサー
200 インラインミキサー
210 流入口
220 流出口
230 隔壁
240 泡抜き管
250 隔壁通水口(流入側)
260 隔壁通水口(流出側)
265 通水口
270 スネーク水路形成仕切り板
275 仕切り板
280 乱流発生突起
290 排水の流れ
295 排水の流れ
300 インラインミキサー
310 流入口
320 流出口
330 隔壁
340 泡抜き管
350 隔壁通水口
360 発生ガス逆流防止用トラップ室
370 中和反応室
380 pH計測室

Claims (13)

  1. 人工透析装置からの廃水を排出する排出路、
    アルカリ性用中和液タンク、
    酸性用中和液タンク、
    整水剤タンクであって、前記整水剤は発泡抑制剤又は消泡剤である整水剤タンク
    前記アルカリ性用中和液、前記酸性用中和液及び前記整水剤を前記排出路に導入する導入路、
    前記排出路の経路中に設けられるインラインミキサー、及び前記アルカリ性用中和液又は前記酸性用中和液の前記排出路への導入を制御する制御部を備え、
    前記インラインミキサーにおいて前記廃水、前記中和液及び前記整水剤を混合して前記廃水を中和処理する、人工透析廃水の処理システム。
  2. 制御部が、廃水に含まれる人工透析装置の洗浄に使用される洗浄液の種類に応じて、アルカリ性用中和液又は酸性用中和液が排出路に導入されるように制御する制御部であることを特徴とする請求項1記載の人工透析廃水の処理システム。
  3. 制御部が、インラインミキサー内の溶液のpHに応じて、アルカリ性用中和液又は酸性用中和液が排出路に導入されるように制御する制御部であることを特徴とする請求項1記載の人工透析廃水の処理システム。
  4. 人工透析装置の洗浄開始時の信号を受信し、アルカリ性の洗浄液が使用されるか、酸性の洗浄液が使用されるかを識別し、アルカリ性の洗浄液が使用される場合はアルカリ性用中和液が排出路に導入され、酸性の洗浄液が使用される場合は酸性用中和液が排出路に導入されるように制御する制御部を備えることを特徴とする請求項2記載の人工透析廃水の処理システム。
  5. 人工透析装置の洗浄開始時の信号を受信してから整水剤を排出路に導入するように制御する制御部を備えることを特徴とする請求項2又は4記載の人工透析廃水の処理システム。
  6. 人工透析装置の洗浄停止時の信号を受信し、受信時から設定時間が経過したときに中和液及び整水剤の排出路への導入を停止するように制御する制御部を備えることを特徴とする請求項2、4及び5のいずれか記載の人工透析廃水の処理システム。
  7. 水を排出路に導入する導入路と、人工透析装置の洗浄開始時の信号を受信してから前記水を前記排出路に導入するように制御する制御部と、人工透析装置の洗浄停止時の信号を受信し、受信時から設定時間が経過したときに前記水の前記排出路への導入を停止するように制御する制御部を備えることを特徴とする請求項2、4、5及び6のいずれか記載の人工透析廃水の処理システム。
  8. アルカリ性用中和液、酸性用中和液及び整水剤の少なくとも1つが導入路によりインラインミキサーに導入されることを特徴とする請求項1~7のいずれか記載の人工透析廃水の処理システム。
  9. インラインミキサーが、蛇行形状の流路を内部に備えることを特徴とする請求項1~8のいずれか記載の人工透析廃水の処理システム。
  10. インラインミキサーが、中和処理で発生するガスが排出路へ逆流することを防止するガス逆流防止機構を備えることを特徴とする請求項1~9のいずれか記載の人工透析廃水の処理システム。
  11. インラインミキサーが、通水口を設けた隔壁で仕切られる複数の部屋を備え、前記部屋のうち廃水が流入する部屋にガス逆流防止機構が設けられたことを特徴とする請求項10記載の人工透析廃水の処理システム。
  12. 排出路にエアレーション装置を備えることを特徴とする請求項1~11のいずれか記載の人工透析廃水の処理システム。
  13. 請求項1~12のいずれか記載の人工透析廃水の処理システムにおける排出路を人工透析装置が設置された建物の共同排水管に連結させ、中和した廃水を前記共同排水管に放流することを特徴とする人工透析廃水の放流システム。
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