JP2002034690A - 家具の支持装置 - Google Patents

家具の支持装置

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JP2002034690A JP2000223694A JP2000223694A JP2002034690A JP 2002034690 A JP2002034690 A JP 2002034690A JP 2000223694 A JP2000223694 A JP 2000223694A JP 2000223694 A JP2000223694 A JP 2000223694A JP 2002034690 A JP2002034690 A JP 2002034690A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 床面と天井面との間の空間を遮断するように
設置する間仕切り家具等に効果的に利用できる家具の支
持装置を提供すること。 【解決手段】 底部に少なくとも3つの移動用車輪5
A,5B,6を備えた家具本体の底部に昇降可能な据え
付け用接地体2とその昇降駆動手段4とが設けられ、少
なくとも1つの移動用車輪6は、家具本体に対し前方に
引き出し可能な可動フレーム7の端部に取り付けられ、
当該可動フレーム7を引き出し位置でロックする係止手
段39と、昇降駆動手段4の駆動用ハンドル17の収納
部45が設けられ、当該ハンドル収納部45には、収納
されたハンドル17によって動かされて前記係止手段3
9を係止解除状態に切り換えると共にハンドル17が取
り出されることによって前記係止手段39を係止状態に
切り換えるための連動手段46が併設された構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床面と天井面との
間の空間を遮断するように設置する間仕切り家具等に利
用出来る家具の支持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の間仕切り家具は、上端が天井面
に当接又は近接するものであるから、間仕切り家具据え
付け位置での天井高さに合わせて間仕切り家具の高さを
決めてしまうと、当該家具の搬入据え付けが現実的には
殆ど不可能になる。そこで、据え付け用接地体(台輪)
上に家具本体を昇降可能に支持し、家具本体底部には、
前記据え付け用接地体が着床しているときは床面から浮
上している移動用車輪を取り付けておき、据え付け用接
地体を移動用車輪の接地レベルよりも上方位置へ家具本
体に対し上昇させることにより、家具本体の上端が低く
なると同時に据え付け用接地体に代わって移動用車輪が
着床するようにした家具の支持装置が考えられた。
【0003】しかしながら、この種の間仕切り家具は、
前後奥行き方向の厚さを薄く構成するのが普通であるか
ら、当該家具を搬入据え付けのためや、据え付け位置の
変更のために前記移動用車輪を着床させて床面上で移動
させる場合、家具が倒れ易く、安全に移動させることが
出来ない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような従
来の問題点を解消し得る家具の支持装置を提供すること
を目的とするものであって、その手段を後述する実施形
態の参照符号を付して示すと、底部に少なくとも3つの
移動用車輪5A,5B,6を備えた家具本体の底部に、
前記移動用車輪5A,5B,6の接地レベルに対する上
位置と下位置との間で昇降可能な据え付け用接地体2
と、当該据え付け用接地体2の昇降駆動手段4とが設け
られ、前記移動用車輪5A,5B,6の内、少なくとも
1つの移動用車輪6は、家具本体に対し前方に引き出し
可能な可動フレーム7の端部に取り付けられ、据え付け
用接地体2が移動用車輪5A,5B,6の接地レベルに
対する上位置にあるとき、前記移動用車輪5A,5B,
6で家具本体が床面54上で移動可能に支持されるよう
に構成された家具の支持装置であって、前記昇降駆動手
段4は、駆動用回転軸(螺軸14)を回転操作するため
の着脱自在なハンドル17を備え、前記可動フレームを
引き出し位置でロックする係止手段39と、前記ハンド
ル17の収納部45と、連動手段46とが併設され、前
記連動手段46は、ハンドル収納部45に収納されたハ
ンドル17によって動かされて前記係止手段39を係止
解除状態に切り換えると共にハンドル収納部45からハ
ンドル17が取り出されることによって前記係止手段3
9を係止状態に切り換える構成となっている。
【0005】上記構成の本発明の家具の支持装置を実施
する場合、具体的には、前記ハンドル収納部45を、前
記可動フレーム7の、引き出し位置Yにあるときに家具
本体から前方に突出する部分に設けることが出来る。
【0006】又、前記可動フレーム7は、家具本体の左
右長さ方向に沿った収納位置Xと、家具本体から前方へ
略直角に突出する引き出し位置Yとの間で水平揺動自在
に軸支し、前記ハンドル収納部45は、可動フレーム7
の、引き出し位置Yにあるときに家具本体から前方に突
出する部分に設けることが出来る。
【0007】又、前記係止手段39は、前記可動フレー
ム7に装着された可動係止片40と、可動フレーム7が
引き出し位置Yにあるときに前記可動係止片40が係脱
自在な固定係止片41とから構成し、前記連動手段46
は、ハンドル収納部45に収納されるハンドル17によ
って動かされることにより前記可動係止片40を固定係
止片41から離脱する係止解除位置に切り換える連動レ
バー48から構成し、前記可動係止片40を固定係止片
41に係合する係止位置に付勢するスプリング51を併
設することが出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適実施形態を添
付図に基づいて説明すると、図1〜図6に於いて、1
は、左右方向に長い横長矩形板から成る家具本体底板、
2は、家具本体底板1より一回り小さい横長矩形板から
成る据え付け用接地体、3は、家具本体底板1と据え付
け用接地体2との間の周囲を塞ぐ台輪、4は昇降駆動手
段、5A,5Bは位置固定の移動用車輪、6は引き出し
可能な移動用車輪、7は移動用車輪5を支持する可動フ
レームである。尚、各移動用車輪5A,5B,6は、垂
直軸の周りに遊転可能な自在車輪(キャスター)であ
る。
【0009】台輪3は、家具本体底板1の長さ方向左右
両側辺と後側辺とから下向きに固着突設された外枠板8
a〜8cと、この外枠板8a〜8cの内側に位置するよ
うに据え付け用接地体2の長さ方向左右両側辺と後側辺
とから上向きに固着突設された内枠板9a〜9c、及び
着脱自在な前枠板10から構成され、この前枠板10
は、家具本体底板1に対し据え付け用接地体2が下降限
レベルにあるとき、家具本体底板1と据え付け用接地体
2との間を塞ぐもので、据え付け用接地体2の前側辺や
左右外枠板8a,8bの前側辺に対しビス等で着脱自在
に取り付けられている。尚、台輪3の外枠板8a〜8c
の下端のレベルは、移動用車輪5A,5B,6の接地レ
ベルより上になるように構成されている。
【0010】昇降駆動手段4は、ジャッキ11とリンク
機構12とから成るもので、ジャッキ11は、家具本体
底板1の底部に固定された軸受13に上端部が自転のみ
可能に支承された垂直な螺軸14と、据え付け用接地体
2の上側に固定され且つ前記螺軸14が螺合貫通する雌
ねじ体15とから成り、螺軸14の上端には、家具本体
底板1に設けられた開口部16内に突出する回転操作用
角軸部14aが設けられ、この回転操作用角軸部14a
に着脱自在に嵌合させることの出来る回転操作用ハンド
ル17が準備されている。
【0011】リンク機構12は、ジャッキ11により相
対接近離間移動せしめられる家具本体底板1と据え付け
用接地体2とを互いに平行な姿勢に維持させるためのも
ので、ジャッキ11の左右両側の当該ジャッキ11に隣
接する位置で家具本体底板1と据え付け用接地体2とを
つなぐ中折れ二連リンク18,20と、家具本体底板1
と据え付け用接地体2とをその左右長さ方向両端部に於
いてつなぐ中折れ二連リンク19,21と、ジャッキ1
1に対し同一側にあって同一方向に屈曲する二つの中折
れ二連リンク18,19及び20,21を互いに連動連
結する連動ロッド22,23とから構成されている。
【0012】各中折れ二連リンク18〜21は、上下一
対のリンク単体24a,24bを互いに屈曲自在に支軸
25で連結したものを二つ、前後方向(巾方向)に並設
したもので、各上側リンク単体24aは家具本体底板1
の底部に支軸26で枢着され、各下側リンク単位24b
は据え付け用接地体2の上側に支軸27で枢着されてい
る。しかして、前後2組のリンク単体24a,24bの
各支軸25〜27は共通軸から構成され、連動ロッド2
2,23は、前後2組のリンク単体24a,24b間に
於いて当該リンク単体24a,24bをつなぐ共通支軸
25に枢着されたもので、左右一対の中折れ二連リンク
18,19及び20,21と共に一辺(ロッド22,2
3)を共通とする上下二つの平行四辺形リンクを形成し
ている。
【0013】尚、上記のリンク機構12の構成は一例で
あって、ジャッキ11により相対接近離間移動せしめら
れる家具本体底板1と据え付け用接地体2とを互いに平
行な姿勢に維持させることが出来るものであれば如何な
る構成のものであっても良い。又、ジャッキ11を家具
本体底板1と据え付け用接地体2との間に複数(例えば
四隅)に配設し、これら複数のジャッキをチェンや歯車
と連動軸等により同期するように連動連結して成る、リ
ンク機構の不要な昇降駆動手段を利用することも出来
る。
【0014】位置固定の移動用車輪5A,5Bは、家具
本体底板1の底部で長さ方向両端近傍の後側辺近傍位置
に取り付けられたもので、垂直軸5a,5bの周りに遊
転したとき、車輪の一部が台輪3の外側に突出出来るよ
うに、後側内枠板9c及び後側外枠板8cに切り欠き開
口部28,29が設けられると共に、据え付け用接地体
2には、家具本体底板1と据え付け用接地体2とが互い
に接近移動したときに前記移動用車輪5A,5Bが据え
付け用接地体2の下側に突出し出来るように、前記切り
欠き開口部28,29と連通する切り欠き開口部30,
31が設けられている。
【0015】尚、台輪3の後側外枠板8cの内側で家具
本体底板1に取り付けられる後側左右一対の位置固定の
移動用車輪5A,5Bの取り付け位置を出来る限り後側
に寄せるために、前記台輪3の後側外枠板8cを、後側
内枠板9cと同様に薄板(金属板を使用しても良い)か
ら構成することも出来る。又、場合によっては、前記後
側外枠板8cの移動用車輪5A,5Bの後側部分全てを
切除して、前記切り欠き開口部28,29により後側外
枠板8cが分断されるようにしても良い。何れにして
も、後側外枠板8cに形成される前記切り欠き開口部2
8,29を塞ぐカバープレートを併設することが出来
る。この場合、当該カバープレートは、止着用ねじを使
用して着脱自在に構成しても良いし、後側へ回動可能に
枢着して後側へ回動する移動用車輪5A,5Bにより押
し開かれるように構成しても良い。
【0016】引き出し可能な移動用車輪6は、可動フレ
ーム7の遊端下側に取り付けられている。この可動フレ
ーム7は、その基部が、家具本体底板1の長さ方向の略
中央位置で前側寄り位置の底部に垂直支軸32により、
家具本体底板1の下側で当該家具本体底板1の長さ方向
に沿った収納位置X(図1に実線で示す)と、家具本体
底板1から前方に直角に突出する引き出し位置Y(図1
に仮想線で示す)との間で水平揺動自在に支承されてい
る。
【0017】尚、家具本体底板1の底部には、前後両側
辺に沿ってアングル材33a,33bが固着され、据え
付け用接地体2の上側には、前後両側辺に沿ってアング
ル材34a,34bが固着され、リンク機構12の各中
折れ二連リンク18〜21を構成する各上側リンク単体
24aの上端支軸26の前後両端は、家具本体底板1側
のアングル材33a,33bに支承され、各下側リンク
単体24bの下端支軸27の前後両端は、据え付け用接
地体2側のアングル材34a,34bに支承されてい
る。又、ジャッキ11の軸受13は、家具本体底板1側
のアングル材33a,33b間に架設された前後方向溝
形材35の内側に固着され、雌ねじ体15は、据え付け
用接地体2側のアングル材34a,34b間に架設され
た前後方向溝形材36の上側に固着されている。更に、
家具本体底板1の底部に位置固定される移動用車輪5
A,5Bは、家具本体底板1の底部後側のアングル材3
3bの下側に固着された支持台枠37,38の下側に取
り付けられている。
【0018】39は、可動フレーム7を引き出し位置Y
でロックする係止手段であって、可動フレーム7に装着
された可動係止片40と家具本体底板1側の固定係止片
41とから構成されている。図9及び図10に示すよう
に、可動係止片40はアングル材から成るもので、可動
フレーム7の側面に突設された2本のピン42a,42
bと、当該2本のピン42a,42bに嵌合するように
可動係止片40の垂直板部に設けられた2つの長孔43
a,43bとにより、一定範囲内で可動フレーム7の長
さ方向に移動可能に当該可動フレーム7の側部に取り付
けられ、垂直板部の先端部で係止部44が構成されてい
る。
【0019】可動フレーム7は、上側開放の溝形材から
成るもので、当該可動フレーム7を図1に仮想線で示す
引き出し位置Yに引き出したときに家具本体底板1から
前方に突出する部分全体が角皿状のハンドル収納部45
に構成されている。ハンドル収納部45は、ジャッキ1
1の回転操作用ハンドル17を収納するもので、当該ハ
ンドル収納部45に収納されたハンドル17によって動
かされて前記係止手段39を係止解除状態に切り換える
と共にハンドル収納部45からハンドル17が取り出さ
れることによって前記係止手段39を係止状態に切り換
える連動手段46が併設されている。
【0020】前記連動手段46は、可動フレーム7内に
垂直支軸47で揺動可能に軸支された連動レバー48を
有する。この連動レバー48は、可動フレーム7の前端
部に嵌合固着された前壁部材45aとの間でハンドル収
納部45の長さを、ハンドル17の全長に対応した長さ
に規制する位置にあって、可動フレーム7の側壁に形成
された長孔49を通じて係止手段39の可動係止片40
のある側に突出するカム板部48aを有し、当該カム板
部48aが可動係止片40の垂直板部後端近傍に設けら
れた連動用孔50に嵌合している。尚、可動フレーム7
の前端部に嵌合固着された前壁部材45aには、収納さ
れるハンドル17の向きを一定に規制するための傾斜面
45bを備え、この傾斜面45bにハンドル17のグリ
ップ17a又はボックスレンチ部17bの何れかが当接
する向きでのみ、ハンドル17をハンドル収納部45に
収納し得るように構成されている。
【0021】しかして前記連動レバー48は、可動フレ
ーム7を軸支する垂直支軸32との間に掛張された引張
コイルスプリング51により、図9に仮想線で示すよう
に可動係止片40を、その係止部44が前進移動する方
向、即ち、係止方向に移動させる方向に付勢されている
が、ハンドル17を図示のようにハンドル収納部45に
収納させたとき、当該ハンドル17の一端部(図示例で
は、ジャッキ11の回転操作用角軸部14aに嵌合させ
るボックスレンチ部17b)によって、図9に実線で示
すようにスプリング51に抗して揺動せしめられ、この
連動レバー48のスプリング51に抗しての揺動によ
り、その先端カム板部48aが可動係止片40を係止解
除方向に移動させるように構成されている。即ち、ハン
ドル収納部45にハンドル17が収納されているとき
は、係止手段39の可動係止片40が係止解除位置に保
持されている。
【0022】固定係止片41は、引き出し位置Yに引き
出した状態の可動フレーム7の後端部7aを受け止める
ブラケット52に設けられている。このブラケット52
は、家具本体底板1側のアングル材33a,33b間に
架設され且つ可動フレーム7を支承する垂直支軸32の
上端が固着された基板53に固着されたもので、可動フ
レーム7の後端部7aを支持する水平支持板部52a
と、可動フレーム7の後端部7aの側面に当接して可動
フレーム7が引き出し位置Yを越えて揺動するのを阻止
する垂直制止板部52bとを備え、この垂直制止板部5
2bの前端部が固定係止片41を兼用している。
【0023】尚、図2、図5及び図7に示すように、ジ
ャッキ11には昇降限ストッパー55を併設しておくこ
とが出来る。この昇降限ストッパー55は、螺軸14の
下端に固定された板体56の半径方向突出片56aと、
前後方向溝形材36内に固着されたストッパープレート
57とから成り、ストッパープレート57には、螺軸1
4の正逆回転に伴って回転しながら昇降する突出片56
aが昇降行程の上下両端に於いて回転を止められるよう
に当接するストッパー面58a,58bが形成されてい
る。この昇降限ストッパー55によれば、家具本体底板
1に対する据え付け用接地体2の上昇限及び下降限に於
いて、螺軸14の回転が、螺軸14側の突出片56aと
ストッパープレート57側のストッパー面58aとの螺
軸回転方向の当接により確実に阻止される。
【0024】上記構成の家具の支持装置を備えた家具、
例えば間仕切り家具の使用方法及び作用について説明す
ると、図2〜図5に示すように床面54上の所定位置に
据え付けられている状態では、昇降駆動手段4のジャッ
キ11により据え付け用接地体2に対し家具本体底板1
(家具本体)が上昇限レベルまで持ち上げられた状態に
ある。換言すれば、据え付け用接地体2は、家具本体底
板1に対して移動用車輪5A,5B,6の接地レベルよ
りも下の下降限レベルまで下げられた状態にあって、各
移動用車輪5A,5B,6は、据え付け用接地体2より
上方にあって、床面54からは浮上している。このと
き、台輪3の前枠板10は所定位置に取り付けられてお
り、家具本体底板1と据え付け用接地体2との間の空間
の周囲は、取り付けられた前記前枠板10を含む台輪3
によって閉じられている。又、台輪3の後側面(後側外
枠板8cの外側面)を室の壁等に当接又は近接させて間
仕切り家具を据え付けるとき、後側左右一対の位置固定
の移動用車輪5A,5Bが切り欠き開口部28,29か
ら後側に突出していても、前記壁等との当接により移動
用車輪5A,5Bが垂直軸5a,5bの周りに回転して
台輪3の後側面(後側外枠板8cの外側面)より内側に
収められる。
【0025】又、昇降駆動手段4のジャッキ11を作動
させるためのハンドル17は、図1及び図9に示すよう
に、移動用車輪6を支持する可動フレーム7のハンドル
収納部45内に収納され、当該可動フレーム7は、図1
に実線で示す収納位置Xにあって、台輪3で取り囲まれ
た空間内に収納されている。この状態では、図9に示す
ように連動手段46の連動レバー48がハンドル17に
押し退けられてスプリング51に抗して揺動し、係止手
段39の可動係止片40を係止解除方向に後退移動させ
た状態で保持している。
【0026】家具を移動させるときは、台輪3の前枠板
10を取り外し、収納位置Xにある可動フレーム7を垂
直支軸32の周りに回動させて手前に引き出し、図1に
仮想線で示すように、家具本体底板1から前方に略直角
に突出する引き出し位置Yに切り換える。この状態で
は、可動フレーム7に支持されている移動用車輪6は、
図6に示すように床面54から浮上している。
【0027】可動フレーム7は、図10Aに示すように
引き出し位置Yに到達したとき、その後端部7aがブラ
ケット52の水平支持板部52a上に乗り上げると共
に、当該後端部7aの側面がブラケット52の垂直制止
板部52bに当接する。このとき、引き出し位置Yにあ
る可動フレーム7のハンドル収納部45は、間仕切り家
具(家具本体底板1)から前方に突出した状態にあるか
ら、当該ハンドル収納部45からハンドル17を取り出
すことが出来る。ハンドル17の取り出しにより、図1
0Bに示すように、連動レバー48がスプリング51の
付勢力で揺動して係止手段39の可動係止片40を前進
移動させるので、ブラケット52の垂直制止板部52b
に当接している可動フレーム7の後端部側面と可動係止
片40の先端の係止部44との間でブラケット52の垂
直制止板部52b、即ち、固定係止片41を挟む係止状
態となり、可動フレーム7が引き出し位置Yから収納位
置Xに戻る方向に回動するのを係止手段39が阻止する
状態となる。
【0028】上記のように可動フレーム7を介して移動
用車輪6を家具本体底板1の前方に引き出したならば、
図5に仮想線で示すように、当該可動フレーム7のハン
ドル収納部45から取り出したハンドル17を、そのボ
ックスレンチ部17bを昇降駆動手段4のジャッキ11
の回転操作用角軸部14aに嵌合させるようにセット
し、当該ハンドル17を介して螺軸14を雌ねじ体15
に対する螺進方向に自転させる。
【0029】この螺軸14の螺進方向の自転により、雌
ねじ体15を介して家具本体底板1が引き上げられる。
換言すれば、床面54上の据え付け用接地体2に対し家
具本体底板1(家具本体)が降下することになる。この
とき、昇降駆動手段4のリンク機構12を構成する各中
折れ二連リンク18〜21と連動ロッド22,23とに
よって形成される、一辺を共通とする上下2つの平行四
辺形リンクが、家具本体底板1と据え付け用接地体2と
を常に互いに平行な姿勢に保持するので、家具本体底板
1は、据え付け用接地体2(床面54)と平行に降下す
ることになる。
【0030】家具本体底板1の降下により、当該家具本
体底板1側の各移動用車輪5A,5B,6が一体に降下
し、移動用車輪5A,5Bは据え付け用接地体2の切り
欠き開口部30,31を経由して床面54上に当接する
と共に、可動フレーム7の先端下側の移動用車輪6は直
接床面54上に当接する。更に、ハンドル17によりジ
ャッキ11の螺軸14を回転操作し続けると、家具本体
底板1は各移動用車輪5A,5B,6を介して床面54
上に支持されて、それ以上降下出来ないので、据え付け
用接地体2がジャッキ11により引き上げられることに
なり、図7及び図8に示すように、移動用車輪5A,5
B,6の接地レベルよりも上昇して床面54上から浮上
することになる。即ち、家具本体底板1に対して据え付
け用接地体2を上昇限位置まで上昇させることにより、
家具本体底板1に支持されている家具本体は、移動用車
輪5A,5B,6を介して床面54上に移動可能に支持
されることになる。勿論、台輪3の家具本体底板1側の
外枠板8a〜8cの下端は、床面54から浮上した状態
にある。
【0031】上記のように家具本体底板1上の家具本体
を、その長さ方向の両端近傍の奥側寄りにある2つの移
動用車輪5A,5Bと、長さ方向の略中央位置で家具本
体よりも前方に突出した位置にある移動用車輪6との3
点で支持した状態としたならば、当該家具本体をこれら
移動用車輪5A,5B,6を利用して床面47上で安定
的に移動させることが出来る。このとき、後側左右一対
の位置固定の移動用車輪5A,5Bは、家具を手前に引
き出すとき、垂直軸5a,5bの周りに回動して、図8
に示すように台輪3の後側外枠板8cから切り欠き開口
部28,29を通じて後方へ突出することが出来るの
で、これら両移動用車輪5A,5Bと家具本体の重心位
置(奥行き方向の略中央位置)との間の前後方向距離を
大きくすることが出来、安定良く移動させることが出来
る。
【0032】家具本体の据え付け位置が決まったなら
ば、ハンドル17を介して螺軸14を雌ねじ体15に対
する戻し方向に自転させ、雌ねじ体15を介して据え付
け用接地体2を、移動用車輪5A,5B,6の接地レベ
ルよりも下位置、即ち下降限レベルまで家具本体底板1
に対し下降させる。この結果、据え付け用接地体2が移
動用車輪5A,5B,6の接地レベルと一致した後は、
当該据え付け用接地体2が床面54上に当接し、移動用
車輪5A,5B,6は床面54上から浮上して、家具本
体が据え付け用接地体2により安定的に設置される。
又、据え付け用接地体2が床面54上に当接した後は、
家具本体底板1側(家具本体)の全体がジャッキ11に
よって持ち上げられる結果、家具本体の上端レベルが上
昇し、天井面に当接又は近接させることが出来る。勿
論、据え付け用接地体2に対して家具本体底板1(家具
本体)が上昇するときは、据え付け用接地体2に対して
家具本体底板1(家具本体)が下降するときと同様に、
昇降駆動手段4のリンク機構12によって家具本体底板
1と据え付け用接地体2とが常に互いに平行な姿勢に保
持されるので、家具本体底板1は、据え付け用接地体2
(床面54)と平行に上昇することになる。
【0033】家具本体を所定位置に据え付けたならば、
ジャッキ11からハンドル17を取り外し、当該ハンド
ル17を可動フレーム7のハンドル収納部45内に所定
の向きで収納する。この結果、図9及び図10Aに示す
ように、当該ハンドル17の一端部によって連動レバー
48がスプリング51に抗して押し退けられ、このと4
の連動レバー48の揺動により、係止手段39の可動係
止片40が係止解除方向に移動せしめられて、ブラケッ
ト52側の固定係止片41(垂直制止板部52b)から
離脱するので、可動フレーム7はロック解除される。係
る状態で、可動フレーム7を垂直支軸32の周りに収納
位置Xまで水平揺動させ、可動フレーム7の全体を家具
本体底板1と据え付け用接地体2との間に収納させる。
そして、台輪3の前枠板10を取り付けて、家具本体底
板1と据え付け用接地体2との間の空間の周囲を台輪3
により完全に閉じることにより、家具本体の据え付け作
業が完了する。
【0034】尚、家具本体底板1に付設の前側アングル
材33a及び据え付け用接地体2に付設の前側アングル
材34aは、図1及び図6に示すように、可動フレーム
7の出し入れ経路及び当該可動フレーム7の出し入れに
伴う移動用車輪6の移動経路に重なる部分を切り欠いて
いる。家具本体底板1は、家具本体そのものの底板であ
るが、家具本体底板1として示した板の上に底板を有す
る家具本体を搭載するように構成しても良い。
【0035】昇降駆動手段4の構成は上記実施形態のも
のに限定されない。又、上記実施形態のようにジャッキ
11とリンク機構12との組み合わせから成る昇降駆動
手段4を利用する場合も、そのジャッキ11やリンク機
構12の構成は、上記実施形態のものに限定されない。
更に、可動フレーム7は垂直支軸32の周りに水平揺動
するタイプのものを示したが、前後方向に直線的に往復
移動するタイプのものでも良いし、その両方のタイプを
組み合わせた構造のものであっても良い。
【0036】又、可動フレーム7に設けられるハンドル
収納部45には、当該可動フレーム7が引き出し位置Y
にあるときのみ上方に開くことの出来る開閉蓋を併設す
ることも出来る。勿論、ハンドル収納部45は、可動フ
レーム7以外の場所、例えば、台輪3の前枠板10を取
り外した状態でハンドル17を出し入れすることの出来
るハンドル収納空間を家具本体底板1の下側に形成する
ことも出来る。
【0037】可動フレーム7を引き出し位置Yでロック
する係止手段38も上記実施形態のものに限定されな
い。更に、引き出し位置Yまで回動させた可動フレーム
7が、係止手段39によりロックされる前に収納位置X
の方へ回動するのを防止する手段、例えば、少なくとも
収納位置Xと引き出し位置Yとの中間位置を引き出し位
置Yの方へ越えた可動フレーム7を引き出し位置Yの方
へ回動させるように付勢するスプリングや、引き出し位
置Yに可動フレーム7を弾性的に係止するスプリング利
用のクリック機構等を併設することも出来る。
【0038】
【発明の効果】以上のように実施し得る本発明の家具の
支持装置によれば、家具本体を移動させるときは、昇降
駆動手段により据え付け用接地体を移動用車輪の接地レ
ベルより上位置まで上昇させることにより、家具本体側
の各移動用車輪を着床させると同時に家具本体を降下さ
せて、当該家具本体の上端レベルを下げることが出来る
ので、天井との間の隙間を広げた状態で前記移動用車輪
により家具本体を移動させることが出来るのであるが、
この家具本体の移動に先立って、家具本体底部の可動フ
レームを前方に引き出し、少なくとも一つの移動用車輪
を家具本体の前方へ突出させるように移動させることが
出来るので、奥行きの狭い間仕切り家具であっても、安
定的に移動させることが出来る。
【0039】しかも、昇降駆動手段の駆動用回転軸を作
動させるためのハンドルは、着脱自在であって、使用し
ないときはハンドルの収納部に収納することが出来る
が、移動用車輪を出し入れするための可動フレームを引
き出し位置に引き出した状態で前記ハンドル収納部から
ハンドルを取り出すだけで、当該可動フレームを引き出
し位置で係止手段により自動的にロックし、昇降駆動手
段を使用し終わってハンドルを前記ハンドル収納部に収
納するだけで、前記可動フレームを引き出し位置でロッ
クしていた係止手段を自動的に係止解除状態に切り換え
ることが出来る。従って、可動フレームを引き出し位置
でロックする係止手段を備えたもので、移動中に可動フ
レームが不測に移動する恐れのない、安全性の高いもの
でありながら、当該係止手段を手動操作で解除する必要
がなく、取り扱いが容易である。
【0040】尚、請求項2に記載の構成によれば、ハン
ドル収納部のために特別な空間を確保する必要がなく、
しかも、当該可動フレームを家具本体底部に収納された
状態では、当該可動フレームのハンドル収納部からハン
ドルを取り出すことが不可能か又は困難であるから、可
動フレームを引き出さない状態、即ち、引き出し可能な
移動用車輪を家具本体から前方へ引き出さないまま、ハ
ンドルを昇降駆動手段の駆動用回転軸にセットして昇降
駆動手段を作動させることを未然に防止することが出来
る。換言すれば、引き出し可能な移動用車輪を家具本体
から前方へ引き出さない状態で移動用車輪を着床させて
家具本体を移動させてしまうような危険な事態をなくす
るか又は極減させることが出来る。
【0041】又、請求項3に記載の構成によれば、家具
本体の前後奥行き方向に直線的に出退移動させる可動フ
レームを使用する場合よりも、当該可動フレームの長さ
を長くすることが出来る。従って、当該可動フレームに
設けるハンドル収納部の長さも長くして、収納し得るハ
ンドルの長さを長くすることが容易になる。このこと
は、昇降駆動手段を楽に作動させることの出来る大型
(長尺)のハンドルの利用が可能になる。
【0042】更に、請求項4に記載の構成によれば、本
発明の構成を簡単且つ容易に実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 家具本体を所定位置に据え付けた状態での横
断平面図である。
【図2】 A図は同状態での縦断正面図であり、B図は
同要部の拡大縦断正面図である。
【図3】 同状態でのリンク機構を示す縦断側面図であ
る。
【図4】 同状態での位置固定の移動用車輪を示す縦断
側面図である。
【図5】 同状態でのジャッキを示す縦断側面図であ
る。
【図6】 同状態から可動フレームを引き出し位置に引
き出した状態を示す縦断側面図である。
【図7】 A図は家具本体を移動させるときの状態を示
す縦断側面図であり、B図は同要部の拡大縦断正面図で
ある。
【図8】 同状態での移動用車輪を示す縦断側面図であ
る。
【図9】 図1の要部の拡大一部横断平面図である。
【図10】 A図は可動フレームを引き出し位置に引き
出した状態での係止手段の状態を示す要部の一部横断平
面図であり、B図は同状態からハンドルを取り出した状
態での要部の一部横断平面図であり、C図は図A図の要
部縦断正面図である。
【符号の説明】
1 家具本体底板 2 据え付け用接地体 3 台輪 4 昇降駆動手段 5A,5B 位置固定の移動用車輪 6 引き出し可能な移動用車輪 7 可動フレーム 11 ジャッキ(昇降駆動手段) 12 リンク機構(昇降駆動手段) 14 螺軸(昇降駆動手段の駆動用回転軸) 15 雌ねじ体 17 昇降駆動手段の回転操作用ハンドル 18〜21 中折れ二連リンク 22,23 連動ロッド 24a,24b リンク単体 25〜27 支軸 32 可動フレームの垂直支軸 39 係止手段 40 可動係止片 41 固定係止片 45 ハンドル収納部 46 連動手段 48 連動レバー 51 引張コイルスプリング 52 ブラケット 52a 水平支持板部 52b 垂直制止板部(固定係止片) 55 ジャッキの昇降限ストッパー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底部に少なくとも3つの移動用車輪を備え
    た家具本体の底部に、前記移動用車輪の接地レベルに対
    する上位置と下位置との間で昇降可能な据え付け用接地
    体と、当該据え付け用接地体の昇降駆動手段とが設けら
    れ、前記移動用車輪の内、少なくとも1つの移動用車輪
    は、家具本体に対し前方に引き出し可能な可動フレーム
    の端部に取り付けられ、据え付け用接地体が移動用車輪
    の接地レベルに対する上位置にあるとき、前記移動用車
    輪で家具本体が床面上で移動可能に支持されるように構
    成された家具の支持装置であって、前記昇降駆動手段
    は、駆動用回転軸を回転操作するための着脱自在なハン
    ドルを備え、前記可動フレームを引き出し位置でロック
    する係止手段と、前記ハンドルの収納部と、連動手段と
    が併設され、前記連動手段は、ハンドル収納部に収納さ
    れたハンドルによって動かされて前記係止手段を係止解
    除状態に切り換えると共にハンドル収納部からハンドル
    が取り出されることによって前記係止手段を係止状態に
    切り換える、家具の支持装置。
  2. 【請求項2】前記ハンドル収納部が、前記可動フレーム
    の、引き出し位置にあるときに家具本体から前方に突出
    する部分に設けられている、請求項1に記載の家具の支
    持装置。
  3. 【請求項3】前記可動フレームは、家具本体の左右長さ
    方向に沿った収納位置と、家具本体から前方へ略直角に
    突出する引き出し位置との間で水平揺動自在に軸支さ
    れ、前記ハンドル収納部は、可動フレームの、引き出し
    位置にあるときに家具本体から前方に突出する部分に設
    けられている、請求項2に記載の家具の支持装置。
  4. 【請求項4】前記係止手段は、前記可動フレームに装着
    された可動係止片と、可動フレームが引き出し位置にあ
    るときに前記可動係止片が係脱自在な固定係止片とを備
    え、前記連動手段は、ハンドル収納部に収納されるハン
    ドルによって動かされることにより前記可動係止片を固
    定係止片から離脱する係止解除位置に切り換える連動レ
    バーから成り、前記可動係止片を固定係止片に係合する
    係止位置に付勢するスプリングが併設されている、請求
    項3に記載の家具の支持装置。
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