JP2002033960A - X線装置 - Google Patents

X線装置

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JP2002033960A
JP2002033960A JP2000215350A JP2000215350A JP2002033960A JP 2002033960 A JP2002033960 A JP 2002033960A JP 2000215350 A JP2000215350 A JP 2000215350A JP 2000215350 A JP2000215350 A JP 2000215350A JP 2002033960 A JP2002033960 A JP 2002033960A
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JP2000215350A
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Yasuo Omi
康夫 尾見
Takeshi Ueda
健 植田
Masaru Shinohara
大 篠原
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2次元検出器の特性に係わる補正を正確に行
うことが可能なX線装置を提供すること。 【解決手段】 測定対象に放射状のX線ビームを照射す
るX線源と、該X線源と対向配置され前記測定対象を透
過したX線ビームから可視光像を生成する手段と該可視
光像を2次元投影像として撮像する手段とからなる2次
元検出手段と、予め撮像した基準となる2次元投影像か
ら生成された補正値テーブルに基づいて前記測定対象の
2次元投影像を補正する手段と、該補正後の2次元投影
像を表示する手段とを備えたX線装置において、前記2
次元投影像の撮像手段の視野内に映像される前記可視光
像の生成手段の視野位置に基づいて、前記基準となる2
次元投影像及び前記測定対象を撮像した2次元投影像に
映像される各可視光像の映像領域の位置ずれ量を演算
し、該可視光像の映像領域の位置ずれを補正する手段を
備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線装置に関し、
特に、X線イメージインテンシファイア(以下、X線
I.I.と記す)とテレビカメラとからなる2次元検出
器を備え、3次元像を再構成する3次元X線装置に適用
して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線I.I.とテレビカメラとからなる
2次元検出器を備える従来のX線CT装置は、例えば、
特開平7−200780号公報(以下、文献1と記す)
に記載されるように、X線I.I.の入力面が球状であ
ることに起因して投影画像が糸巻き状に歪むこととなる
ので、この画像歪みを補正する必要があった。
【0003】文献1に記載の方法では、まず、等間隔な
格子点上に穴(ピンホール)をあけた金属板(ホールチ
ャート)をX線I.I.の前面に固定し撮像した投影像
に映像されるピンホール位置と、金属板に設けたピンホ
ールの幾何学的な位置とから、各画素毎の補正量を記し
た歪み補正テーブルを作成する。次に、この歪み補正テ
ーブルに基づいて、被検体を撮像した各投影像毎に各画
素位置を補正することによって、X線I.I.に起因す
る糸巻き歪みを補正していた。
【0004】この後に、各投影像に含まれる暗電流バイ
アスや2次元検出器の感度むら等の補正及び対数変換が
行われる。次に、各投影角の投影像から例えばフェルド
カンプの方法と称されるコーンビーム再構成演算法によ
って、被検体の3次元再構成像が生成され、最終的に
は、この3次元再構成像に対してボリュームレンダンリ
グ処理あるいは最大値投影処理等の画像処理が施され、
表示画面上に2次元画像として表示される構成となって
いた。
【0005】また、従来のX線CT装置は、撮影系を形
成するX線源と2次元検出器との回転中心軸と、X線源
のX線焦点の回転軌道の載っている平面(以下、ミッド
プレーンと記す)上の直交座標とによって規定される座
標系、すなわち装置本体に固定された静止座標系を被検
体の3次元再構成像を演算する際の基準としていた。
【0006】この場合、2次元検出器の各画素で計測さ
れるX線ビームの位置は、X線焦点から回転中心軸とミ
ッドプレーン上の直交座標とが形成する座標系の原点を
通り2次元検出器に至る直線と、各投影像を撮像したと
きの投影角と、回転中心軸が2次元検出器の入射面にお
いた仮想的な平面(投影面)に投影された回転中心軸投
影と、ミッドプレーンと投影面との交点が描く直線であ
るミッドプレーン投影とによって特定されていた。すな
わち、被検体の3次元的なX線吸収係数分布の再構成を
行う場合の基準となる座標軸は、投影面上の回転中心軸
投影とミッドプレーン投影であった。現実の投影像の撮
像は、連続的なアナログ計測ではなく離散的なデジタル
計測を行うこととなるので、再構成演算を行うにあたっ
ては、投影面上におけるサンプリングピッチDPも必要
であった。さらには、X線焦点から回転中心軸に至る距
離SODと、X線焦点から回転中心軸投影に至る距離S
IDとが必要であった。ただし、以下の説明では、X線
焦点と2次元検出器と回転中心軸との相対的な位置関係
を計測系のジオメトリと称す。具体的には、計測系のジ
オメトリは、X線焦点から回転中心軸及び回転中心軸投
影までの距離SOD,SID、及び投影面上の回転中心
軸投影、並びにミッドプレーン投影によって定義されて
いた。
【0007】計測系のジオメトリを決定するパラメータ
の内で、回転中心軸投影、ミッドプレーン投影及びサン
プリングピッチDPは、X線焦点から回転中心軸及び回
転中心軸投影までの距離SOD,SIDに比較して高い
精度が必要とされることが周知である。たとえば、2次
元検出器の有効開口幅が30cm、解像度が512×5
12画素の場合、回転中心軸投影及びミッドプレーン投
影並びにサンプリングピッチDPの精度は、0.1画素
すなわちX線I.I.の入力面で0.05ミリ程度が要
求されていた。これは、回転中心軸投影及びミッドプレ
ーン投影の位置並びにサンプリングピッチDPに微少な
誤差があっても、再構成画像に画質低下をもたらすため
であった。回転中心軸投影及びミッドプレーン投影の位
置並びにサンプリングピッチDPの内でも特に回転中心
軸投影は重要であり、微少な誤差であっても再構成画像
に著しい偽像を発生させることが知られていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0009】従来のX線装置のテレビカメラは、1画素
当たりの大きさが15μm(15mm角に1024画素
の場合)あるいは30μm(15mm角に512画素の
場合)のCCD素子やCMOS素子等の固体撮像素子を
受光素子として用いていた。このために、従来のテレビ
カメラを用いた2次元検出器では、投影像の収集中にお
けるCCD素子の熱膨張等によって、X線I.I.の出
力面から出射されCCD素子に結像される投影像の映像
位置がずれてしまうという問題があった。このために、
X線I.I.の糸巻き状歪みの補正では、歪み補正テー
ブルを作成したときの投影像の映像位置と、被検体を撮
像した各投影像の映像位置とがずれてしまい、完全な歪
み補正を行うことができないという問題があった。
【0010】さらには、撮影系を被検体の周囲に回転さ
せる回転撮影では、撮影系を支持するガントリやアーム
が回転に伴う振動による計測系のジオメトリの変動や、
撮影系の振動に伴う受光素子の振動によるX線I.I.
の出力面から出射されCCD素子に結像される投影像の
映像位置のずれによって、3次元再構成に重要な回転中
心軸投影位置がずれてしまい、3次元再構成像の画質が
大きく低下してしまうという問題があった。
【0011】本発明の目的は、2次元検出器の特性に係
わる補正を正確に行うことが可能なX線装置を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、再構成像の画質を向
上することが可能なX線装置を提供することにある。本
発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明
細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろ
う。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0013】(1)測定対象に放射状のX線ビームを照
射するX線源と、該X線源と対向配置され前記測定対象
を透過したX線ビームから可視光像を生成する手段と該
可視光像を2次元投影像として撮像する手段とからなる
2次元検出手段と、予め撮像した基準となる2次元投影
像から生成された補正値テーブルに基づいて前記測定対
象の2次元投影像を補正する手段と、該補正後の2次元
投影像を表示する手段とを備えたX線装置において、前
記2次元投影像の撮像手段の視野内に映像される前記可
視光像の生成手段の視野位置に基づいて、前記基準とな
る2次元投影像及び前記測定対象を撮像した2次元投影
像に映像される各可視光像の映像領域の位置ずれ量を演
算し、該可視光像の映像領域の位置ずれを補正する手段
を備えた。
【0014】(2)測定対象に放射状のX線ビームを照
射するX線源と、該X線源と対向配置され前記測定対象
を透過したX線ビームから可視光像を生成する手段と該
可視光像を2次元投影像として撮像する手段とからなる
2次元検出手段と、予め撮像した基準となる2次元投影
像から生成された補正値テーブルに基づいて前記測定対
象の2次元投影像を補正する手段と、該補正後の2次元
投影像を表示する手段とを備えたX線装置において、前
記基準2次元投影像と前記測定対象を撮像した2次元投
影像に映像される前記生成手段の視野領域の位置から、
前記基準2次元投影像に対する前記測定対象を撮像した
2次元投影像のずれ量を演算し、該ずれ量に基づいて前
記補正値テーブルを補正する手段を備えた。
【0015】(3)前述した(1)もしくは(2)に記
載のX線装置において、前記前記X線源と前記2次元検
出手段とからなる撮影系を前記計測対象の周囲に回転す
る回転手段を備えた。
【0016】(4)前述した(1)乃至(3)の内の何
れかに記載のX線装置において、前記可視光像の生成手
段はX線イメージインテンシファイアからなり、前記撮
像手段は固定撮像素子を備えるテレビカメラからなる。
【0017】(5)前述した(1)乃至(4)の内の何
れかに記載のX線装置において、前記予め撮像した基準
となる2次元投影像は、金属体を複数個平面上に配置し
たホールチャートを前記可視光像の生成手段の入力面側
に配置して撮像した2次元投影像である。
【0018】(6)前述した(1)乃至(5)の内の何
れかに記載のX線装置において、前記可視光像の生成手
段は円形状の視野領域を有し、前記位置ずれの補正手段
は前記円形状の視野領域の中心位置を演算する手段を備
え、各2次元投影像の中心位置を比較し前記2次元投影
像に映像される各可視光像の位置ずれ量を演算し、該位
置ずれを補正する。
【0019】(7)前述した(1)乃至(6)の内の何
れかに記載のX線装置において、前記位置ずれの補正手
段は、前記可視光像の生成手段の視野領域の重心位置を
演算する手段を備え、各2次元投影像の重心位置を比較
し前記2次元投影像に映像される各可視光像の位置ずれ
量を演算し、該位置ずれを補正する。
【0020】(8)前述した(3)に記載のX線装置に
おいて、前記測定対象の周りから撮像した前記2次元投
影像から前記測定対象の断層像及び/又は三次元像を再
構成する手段を備えた。
【0021】前述した手段によれば、位置ずれの補正手
段が、2次元投影像の撮像手段の視野内に映像される可
視光像の生成手段の視野位置に基づいて、基準となる2
次元投影像及び測定対象を撮像した2次元投影像に映像
される各可視光像の位置ずれ量を演算し、該位置ずれを
補正する構成となっているので、2次元検出手段を構成
する可視光像の生成手段と可視光像の撮像手段との特性
を補正する補正手段における補正処理を正確に行うこと
ができる。その結果、2次元投影像の画質を向上するこ
とができ、検者の診断効率や診断精度を向上できる。
【0022】また、診断等に使用するために撮像した2
次元透過像に基づいた補正を行う構成となっているの
で、熱膨張等のように経時的に変化する視野ずれに対し
ても正確な視野ずれの補正ができるという効果もある。
【0023】さらには、2次元検出手段を構成する可視
光像の生成手段と可視光像の撮像手段との視野ずれを補
正するための2次元投影像の撮像を必要としない、すな
わち診断等に使用するために撮像した2次元透過像に基
づいた補正を行う構成となっているので、2次元投影像
の撮像の準備に要する負荷の増大を防止できる。
【0024】一方、再構成手段が測定対象の周りから撮
像した2次元投影像から測定対象の断層像及び/又は3
次元像を再構成する際に特に重要となる回転中心軸投影
位置のずれも正確に補正することができるので、再構成
手段により生成される断層像や3次元再構成像の画質を
向上することができ、検者の診断効率や診断精度さらに
は治療計画の精度等を向上できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図に
おいて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0026】(実施の形態1)図1は本願発明の実施の
形態1のX線装置の概略構成を説明するための図であ
り、図2は実施の形態1の画像処理装置の概略構成を説
明するための図である。
【0027】図1及び図2において、101はX線発生
装置(X線源)、102はX線イメージインテンシファ
イア(X線I.I.)、103はテレビカメラ、104
は2次元検出器、105は寝台、106は制御収集装
置、107は画像処理装置、108は被検体、201は
インターフェース(I/F)、202はメモリ、203
はCPU、204はハードディスク、205は入力デバ
イス、206は表示装置、207はバス信号線を示す。
ただし、画像処理装置107を構成するCPUで動作す
るプログラムによって実現される視野補正処理を除く他
の処理及び構成は周知のものとなるので、以下の説明で
は、画像処理装置107における投影像に対する視野補
正処理についてのみ詳細に説明する。
【0028】まず、図1及び図2に基づいて、本願発明
のX線装置の基本動作を説明する。実施の形態1のX線
装置は、寝台105に搭載される被検体108を介し
て、X線発生装置101と2次元検出器104とが対向
して配置される。X線発生装置101と2次元検出器1
04とから形成される撮影系は、図示しない周知の回転
機構によってそれぞれ支持されており、制御収集装置1
06からの制御信号に基づいて、被検体108の周囲に
回転可能に支持されている。ただし、回転機構として
は、例えば、X線発生装置101と2次元X線検出器1
04とが配置される回転板がガントリと称される箱体内
に収納された形式や、C字型アームの端部にX線発生装
置101と2次元X線検出器104とが配置された形式
の何れでもよい。
【0029】周知のキーボードとマウスとから構成され
る入力デバイス205からX線像の撮影が入力される
と、制御収集装置106からX線発生装置101に駆動
電力が供給され放射状のX線ビームが照射され、回転機
構の回転が開始される。この回転機構の回転動作に伴っ
て、X線発生装置101と2次元検出器104とは被検
体108の周囲に回転され、被検体108の全周方向か
らX線ビームが照射される。
【0030】被検体108を透過したX線は、まず2次
元検出器104を構成するX線I.I.102に入力面
に入射し、可視光像に変換された後に増幅され出力面に
出力される。出力面に出射された可視光像は、例えば受
光素子としてCCD素子を用いたテレビカメラ103に
よって予め設定された回転角毎に撮像され、投影像とし
て制御収集装置106に出力される。このとき、制御収
集装置106は、回転機構に設けた周知の図示しない回
転角センサから回転角を検出し、予め設定した位置から
の角度を投影角としてテレビカメラ103で撮像された
投影像と共に画像処理装置107に出力する。画像処理
装置107に入力された投影像及び投影角はI/F20
1に取り込まれた後に、CPU203の指示に基づい
て、バス信号線207を介してメモリ202あるいはハ
ードディスク204に格納される。
【0031】被検体108の全周分の投影像の撮影が終
了すると、CPU203で動作するプログラムによって
実現される視野補正処理を行う手段(以下、視野補正手
段と記す)によって、まず、2次元X線検出器を構成す
るX線I.I.102とテレビカメラ103とのずれや
CCDの熱膨張に起因する画素ずれの補正が全ての投影
像に対して順次なされ、X線発生装置101のX線焦点
及び2次元検出器104並びに撮影系すなわち回転機構
の回転中心軸との相対的な位置関係である計測系のジオ
メトリのずれが補正される。次に、CPU203で動作
するプログラムによって実現される画像補正処理を行う
手段(以下、画像補正手段と記す)によって、糸巻き状
歪み、暗電流バイアス、及び2次元検出器104の感度
むら等の補正が全ての投影像に対して順次なされる。こ
のとき、実施の形態1のX線装置では、糸巻き状歪み及
び感度むらの補正を行うためのテーブルデータである補
正データに対しても、視野補正手段が視野ずれに伴う画
素ずれを補正しているので、正確な画像補正を施すこと
が可能となる。
【0032】画像補正後の投影像に対して、入力デバイ
ス205から入力された画像処理指示に基づいて、断層
像あるいは3次元再構成像が生成され、表示装置206
の表示画面上に表示される。
【0033】次に、図3に実施の形態1の画像処理装置
での画像収集から画像表示までを説明するための動作フ
ローを示し、以下、図3に基づいて画像処理装置107
に取り込まれた投影像の処理動作を説明する。
【0034】まず、被検体108の撮像を行う前に、X
線I.I.102による糸巻き状歪み補正及び2次元検
出器104の感度補正を行うためのX線像であるホール
チャート像及びエアー像等が撮像され、キャリブレーシ
ョン用データが収集される(ステップ301)。制御収
集装置106に収集されたキャリブレーション用データ
は、I/F201を介してハードディスク204に格納
(保存)される(ステップ302)。キャリブレーショ
ンデータは、CPU203で動作するプログラムによっ
て実現されるテーブル生成手段によってハードディスク
204から読み出され、テーブル生成手段がこのキャリ
ブレーションデータに基づいて周知の手順により感度補
正テーブルや糸巻き状歪み補正テーブル等を生成する
(ステップ303)。生成された感度補正テーブル及び
糸巻き状歪み補正テーブル等は、ハードディスク204
に格納される(ステップ304)。
【0035】補正テーブルの生成が終了した後に、被検
体108のX線撮影が指示されると、2次元検出器10
4で撮像されたX線像が投影像として取り込まれる(ス
テップ305)。ここで、撮像後の表示が指示されてい
る場合には、取り込まれた投影像は、一旦、メモリ20
2に格納される(ステップ306)。一方、撮像後の表
示が指示されていない場合には、取り込まれた投影像
は、一旦、ハードディスク204に格納され(ステップ
307)、撮像後の表示が指示されたときにハードディ
スク204から読み出される(ステップ309)。
【0036】ここで、画像補正手段がハードディスク2
04を検索し、キャリブレーションに使用する感度補正
テーブルや糸巻き状歪み補正テーブル等を読み出すと共
に(ステップ308)、メモリ202から投影像を読み
出す(ステップ309)。次に、視野補正手段がメモリ
202から読み出した投影像の視野ずれ量を計算し(ス
テップ310)、視野ずれ量が予め設定された値以上で
あるかを判定する(ステップ311)。ステップ311
で視野ずれ量が所定値以上の場合には、視野補正手段が
投影像の視野ずれを補正した後に次のステップ313に
進み(ステップ312)、視野ずれ量が所定値以下の場
合には、視野補正手段は投影像の視野ずれを補正するこ
となく次のステップ313に進む。ステップ313で
は、画像補正手段がステップ308で読み出した補正テ
ーブルに基づいて、投影像の感度補正や糸巻き状歪み補
正を行う(ステップ313)。なお、視野補正手段によ
る投影像に対する視野ずれの補正の詳細については、後
述する。
【0037】ここで、予め設定された画像処理指示がX
線透視やX線撮影の場合には、画像補正手段から出力さ
れた投影像は、表示装置206に出力されその表示面上
に表示される(ステップ314)。一方、画像処理指示
が断層像表示や3次元再構成像表示の場合には、CPU
203で動作するプログラムによって実現される周知の
再構成手段によって、各投影角の投影像から例えばフェ
ルドカンプの方法と称されるコーンビーム再構成演算法
によって、被検体の3次元再構成像が生成される(ステ
ップ315)。3次元再構成像の表示が指示されている
場合には(ステップ)、再構成手段は、ステップ315
で生成された3次元再構成像に対して、周知のボリュー
ムレンダンリグ処理あるいは最大値投影処理等の画像処
理を施して表示用の3次元的2次元像を生成し、この3
次元的2次元像を3次元再構成像として表示装置206
に出力されその表示面上に表示される(ステップ31
4)。一方、断層像の表示が指示されている場合には、
ステップ315で生成された3次元再構成像から指示位
置の断層像が生成され、この断層像が表示装置206に
出力されその表示面上に表示される(ステップ31
4)。
【0038】図4は実施の形態1のX線装置における視
野ずれの補正動作を説明するための動作フローであり、
以下、図4に基づいて視野ずれの補正について詳細に説
明する。ただし、実施の形態1のX線装置では、被検体
108を撮像した投影像と共に、補正テーブルを作成す
るための投影像に対しても被検体108を撮像した投影
像に対する視野ずれの補正と同じ補正処理を行うことに
よって、視野ずれに起因する画質の低下等を補正する構
成となっているので、以下の説明では補正テーブルを作
成するための投影像に対する視野補正についてのみ詳細
に説明する。
【0039】まず、視野補正がなされていない投影像に
基づいて糸巻き状歪みの補正テーブルを生成した場合の
問題について説明した後に、視野ずれの補正動作を説明
する。
【0040】X線I.I.102に起因する糸巻き状歪
みを補正するための糸巻き状歪み補正テーブルは、文献
1に記載のように、投影像における各画素毎の糸巻き状
歪みに起因するシフト量をテーブルデータとして記した
ものである。この糸巻き状歪み補正テーブルのシフト量
は、図5に示すように、等間隔な格子点上にピンホール
をあけたホールチャートと称される金属板をX線I.
I.102の前面に固定し撮像した投影像に映像される
各ピンホール501の位置と、ホールチャートに設けた
ピンホールの幾何学的な位置とから、投影像における各
画素毎の糸巻き状歪みに起因するシフト量を演算するこ
とによって計算される。
【0041】具体的には、図6に示すように、テレビカ
メラ103の方形状をなす視野の左上を原点O(0,
0)、横方向をX軸、縦方向をY軸として、投影像中の
各画素位置を特定し、それぞれの画素に対する移動元の
画素位置を記載されたものが糸巻き状歪み補正テーブル
である。例えば、糸巻き状歪み補正テーブルにおけるX
座標がX1、Y座標がY1の任意の画素P(X,Y)の
位置に移動されることとなる画素は、投影像すなわち移
動元の画素でのX座標がX2、Y座標がY2というよう
に指定されている。従って、任意の画素P(X1,Y
1)は、X座標がX2、Y座標がY2の移動元の画素Q
(X2,Y2)によって、以下の式1にように示すこと
ができる。
【0042】 P(X1,Y1)=Q(X2,Y2) ・・・・(式1) しかしながら、ホールチャート像の撮像時におけるテレ
ビカメラ103の固体撮像素子の熱膨張、あるいは撮像
中における振動によるX線I.I.102とテレビカメ
ラ103との位置ずれ等が発生して撮像されたホールチ
ャート像に基づいて生成された糸巻き状歪み補正テーブ
ルでは、任意の画素P(X1,Y1)は、X座標がX
2’、Y座標がY2’の移動元の画素によって、以下の
式2となる。
【0043】 P(X1,Y1)=Q(X2’,Y2’) ・・・・(式2) ここで、ホールチャート像がX軸方向にΔX、Y軸方向
にΔYの視野ずれを有している場合には、X2’=X2
+ΔX、Y2’=Y2+ΔYと表すことができるので、
式2は以下の式3となる。
【0044】 P(X1,Y1)=Q(X2+ΔX,Y2+ΔY) ・・・・(式3) 従って、X2=X2’、Y2=Y2’とする、すなわち
テレビカメラ103の固体撮像素子の熱膨張、あるいは
撮像中における振動によるX線I.I.102とテレビ
カメラ103との位置ずれ等に起因する視野ずれを補正
するためには、糸巻き状歪み補正テーブルの生成の前
に、ホールチャート像におけるX軸方向の視野ずれ量Δ
Xと、Y軸方向の視野ずれ量ΔYとを演算し補正する必
要がある。
【0045】同様に、X線I.I.102やテレビカメ
ラ103の固体撮像素子に起因する感度むらの補正を行
うための感度補正テーブルについても、テレビカメラ1
03の固体撮像素子の熱膨張、あるいは撮像中における
振動によるX線I.I.102とテレビカメラ103と
の位置ずれ等が発生して撮像された基準画像であるエア
ー像に対しても、エアー像におけるX軸方向の視野ずれ
量ΔXと、Y軸方向の視野ずれ量ΔYとを演算し補正す
る必要がある。
【0046】次に、図7にX線I.I.の視野とテレビ
カメラの視野との位置関係を説明するための図を示し、
以下、図4及び図7に基づいて、実施の形態1のX線装
置における視野ずれの補正処理について説明する。ただ
し、以下の説明では、視野ずれの補正方向の一例とし
て、X線I.I.102の視野の特性に注目して、その
中心座標を基準として、各投影像の視野ずれを補正する
場合について説明する。また、以下の説明では、テレビ
カメラ103の有効画素数が512画素の場合について
説明するが、画素数は512画素に限定されることはな
い、前述するように、X線I.I.102の視野の横方
向をX軸、縦方向をY軸とした場合、有効画素数が51
2画素のテレビカメラ103では、X軸方向及びY軸方
向の画素数はそれぞれ512画素となり、このテレビカ
メラ103の正方視野内にX線I.I.102の出力面
から出射される投影像(以下、I.I.視野像と記す)
が円形に映像される。従って、実施の形態1では、補正
用に撮像したホールチャート像及びエアー像を含む全て
の投影像に対して、まず円形に映像されるI.I.視野
像の左端のX座標XL及び右端のX座標XRを検出し、
テレビカメラ103に映像されるI.I.視野像におけ
るX軸方向の中心座標X0を決定する。次に、円形に映
像されるI.I.視野像の上端のY座標YT及び下端の
Y座標YBを検出し、テレビカメラ103に映像される
I.I.視野像におけるY軸方向の中心座標Y0を決定
する。この後に、予め定めた投影像におけるI.I.視
野像の中心位置(中心座標)すなわち基準とした投影像
におけるI.I.視野像の中心位置と、他の投影像にお
けるI.I.視野像の中心位置とをそれぞれ比較するこ
とによって、基準とする投影像に対する他の投影像の
I.I.視野像のX軸方向及びY軸方向のずれ量(視野
ずれ量)を演算し、このずれ量に基づいて各投影像に映
像されるI.I.視野像の位置を補正する。
【0047】具体的には、まず、補正用に撮像したホー
ルチャート像及びエアー像を含む全ての投影像に対し
て、各画素の画素値が所定のしきい値以上であるかを判
定し、このしきい値以上の画素の画素値を予め設定した
画素値Mに置換し、しきい値よりも小さい画素の画素値
をNに置換する(ステップ401)。この2値化処理に
よって、テレビカメラ103で撮像された投影像におけ
る領域を、図7中の白抜きで示すI.I.視野像の領域
と、斜線で示すそれ以外の領域とに分ける。
【0048】次に、図7に示す座標系に対応する変数
X,Y,XL,XR,YT,TBと、X軸方向の各画素
の画素値を示す関数P[X]と、Y軸方向の各画素の画
素値を示す関数P[Y]とを確保し、変数Yを0(ゼ
ロ)に初期化すると共に、変数XLを511に初期化す
る(ステップ402)。次に、変数Yが511以下であ
るかを確認し(ステップ403)、511以下の場合に
は変数Y=0(ゼロ)の配列に対して変数Xを0(ゼ
ロ)に初期化する(ステップ404)。この後に、変数
Xが511以下であるかを確認し(ステップ405)、
511以下の場合には、変数Xに対応する画素の画素値
P[X]が画素値Mであるかを調べる(ステップ40
6)。このステップ406において、X番目の画素の画
素値P[X]が画素値Mでない場合には、変数Xに1を
加算し(ステップ407)、ステップ405に戻ること
によって、画素値がMとなる変数Xすなわち座標Xを検
出する。
【0049】ステップ406において画素値がMとなる
変数Xが特定されたならば、次に、その変数Xが変数X
L(ここではステップ401で設定した初期値である5
11)よりも小さいかを判定し(ステップ408)、小
さい場合には変数Xの値を変数XLに代入するすなわち
変数XLの値を変数Xの値で新たに定義し直す(ステッ
プ410)。一方、ステップ408において、変数Xの
値が変数XLの値よりも大きい場合には、変数Yに1を
加算した後に(ステップ409)、ステップ403に戻
り、前述したステップ403から410までを繰り返す
ことによって、I.I.視野像の円形視野の左端座標X
Lを特定する。
【0050】次に、変数Yを0(ゼロ)に初期化すると
共に、変数XRを0(ゼロ)に初期化する(ステップ4
11)。次に、変数Yが511以下であるかを確認し
(ステップ412)、511以下の場合には変数Yで決
定される配列であるY=0(ゼロ)の配列に対して変数
Xを511に初期化する(ステップ413)。この後
に、変数Xが0(ゼロ)以上であるかを確認し(ステッ
プ414)、0(ゼロ)以上の場合には、変数Xに対応
する画素の画素値P[X]が画素値Mであるかを調べる
(ステップ415)。このステップ415において、X
番目の画素の画素値P[X]が画素値Mでないすなわち
画素値がNである場合には、変数Xから1を減算し(ス
テップ416)、ステップ414に戻ることによって、
画素値がMとなる変数Xすなわち座標Xを検出する。
【0051】ステップ415において画素値がMとなる
変数Xが特定されたならば、次に、その変数Xが変数X
R(ここではステップ411で設定した初期値である0
(ゼロ))よりも大きいかを判定し(ステップ41
7)、大きい場合には変数Xの値を変数XRに代入する
すなわち変数XRの値を変数Xの値で新たに定義し直す
(ステップ419)。一方、ステップ417において、
変数Xの値が変数XRの値よりも小さい場合には、変数
Yに1を加算した後に(ステップ418)、ステップ4
12に戻り、前述したステップ412から419までを
繰り返すことによって、I.I.視野像の円形視野の左
端座標XRを特定する。
【0052】I.I.視野像の円形視野の左端座標XL
と右端座標XRとが特定されたら、次に、変数XLの値
と変数XRの値とを加算した後に2で除算することによ
って、円形視野のX軸方向の中心座標が計算されるの
で、得られた値を変数X0に代入しX軸方向の中心座標
値とする(ステップ420)。
【0053】前述するステップ401〜420で示した
処理と同様にして、Y軸方向の中心座標値Y0に得るこ
とができるので、詳細については省略する。
【0054】このようにして得られた補正用に撮像した
ホールチャート像及びエアー像を含む全ての投影像の円
形視野における中心座標(X0,Y0)に基づいて、予
め定めた投影像における円形視野の中心座標から、他の
投影像における円形視野の中心座標とをそれぞれ減算す
ることによって、基準とする投影像に対する他の投影像
の円形視野のX軸方向及びY軸方向のずれ量(ΔX,Δ
Y)が演算されるので、このずれ量(ΔX,ΔY)に基
づいて各投影像に映像される円形視野すなわちI.I.
視野像の位置を補正することによって、視野ずれの補正
処理が完了する。なお、ここで説明した処理では、特定
の透過像を基準の透過像とし、この基準とした透過像に
対するずれ量(ΔX,ΔY)を演算する構成としたが、
予め円形視野の中心位置を設定しておき、この中心位置
に対する全ての投影像の中心位置のずれを補正してもよ
いことはいうまでもない。
【0055】以上説明したように、実施の形態1のX線
装置では、画像処理装置107を構成するCPU203
で動作するプログラムによって実現される視野補正手段
が、補正用に撮像したホールチャート像及びエアー像を
含む全ての投影像に対して、まず円形に映像されるI.
I.視野像の左端のX座標XL及び右端のX座標XRを
検出し、テレビカメラ103に映像されるI.I.視野
像におけるX軸方向の中心座標X0を決定すると共に、
円形に映像されるI.I.視野像の上端のY座標YT及
び下端のY座標YBを検出し、テレビカメラ103に映
像されるI.I.視野像におけるY軸方向の中心座標Y
0を決定し、予め定めた投影像におけるI.I.視野像
の中心位置すなわち基準とした投影像におけるI.I.
視野像の中心位置と、他の投影像におけるI.I.視野
像の中心位置とをそれぞれ比較することによって、基準
とする投影像に対する他の投影像のI.I.視野像のX
軸方向及びY軸方向のずれ量すなわち視野ずれ量を演算
し、このずれ量に基づいて各投影像に映像されるI.
I.視野像の位置を補正する構成となっているので、2
次元検出器の特性に係わる補正を正確に行うことができ
る。その結果、断層像や3次元再構成像等の再構成像の
画質を向上することができ、検者の診断効率や診断精度
を向上できる。
【0056】特に、実施の形態1のX線装置では、診断
等に使用するために撮像した透過像に基づいた補正を行
う構成となっているので、熱膨張等のように経時的に変
化する視野ずれに対しても対応することができるという
効果がある。
【0057】このとき、実施の形態1のX線装置では、
X線I.I.102とテレビカメラ103とのずれ等の
2次元検出器104の特性を補正するための透過像等の
撮影を行うことなく視野ずれの補正を行うことができる
ので、X線撮影の準備に要する時間を増大させることを
防止しつつ、前述した効果を得ることができる。
【0058】(実施の形態2)図8は本発明の実施の形
態2のX線装置における視野ずれの補正動作を説明する
ための動作フローであり、図9はX線I.I.の視野と
テレビカメラの視野と位置関係を説明するための図であ
る。ただし、実施の形態2のX線装置では、画像処理装
置107を構成するCPU203で動作するプログラム
によって実現される視野補正手段での視野ずれの補正処
理におけるI.I.視野像となる円形視野の中心位置の
算出手順を除く他の構成は、実施の形態1のX線装置と
同様となるので、以下の説明では、視野補正手段におけ
る視野ずれの補正処理についてのみ詳細に説明する。
【0059】実施の形態2のX線装置では、図9に示す
ように、テレビカメラ103で撮像された正方形状をな
す投影像の隣接する2辺の内で、一方をX軸方向とし他
方をY軸方向すると共に、隣接位置の画素をX軸方向及
びY軸方向の画素の基準として0(ゼロ)番目の画素と
する。従って、実施の形態1と同様に、512×512
画素の固体撮像素子を受光素子とするとするテレビカメ
ラ103で撮像された投影像の各画素は、X軸方向の画
素位置を示す変数Xと、Y軸方向の画素位置を示す変数
Yとによって、例えば、(X,Y)のように表現可能と
なる。このとき、I.I.視野像の中心位置のX座標を
X0、Y座標をY0とした場合には、その中心位置の座
標である中心座標は(X0,Y0)として記すことがで
きる。
【0060】実施の形態2におけるI.I.視野像が映
像される円形視野の中心位置の算出処理は、まず、補正
用に撮像したホールチャート像及びエアー像を含む全て
の投影像に対して、各画素の画素値が所定のしきい値以
上であるかを判定し、このしきい値以上の画素の画素値
を予め設定した画素値Mに置換し、しきい値よりも小さ
い画素の画素値をNに置換する(ステップ801)。こ
の2値化処理によって、実施の形態1と同様に、テレビ
カメラ103で撮像された投影像における領域を、白抜
きで示すI.I.視野像の領域と、斜線で示すそれ以外
の領域とに分ける。
【0061】次に、キーボードやマウス等の入力デバイ
ス205によって指定されたY軸方向の座標値yをY軸
方向を示す変数Yに代入する(ステップ802)。次
に、座標値yに置き変えられた変数Yが0(ゼロ)以上
かつ511以下であるかを判定し(ステップ803)、
変数Yがこの範囲以外の場合にはステップ802の前に
戻り、Y軸方向の座標値yの入力待ちとなる。
【0062】ステップ803において、変数Yが範囲内
の値であった場合には、変数Xを0(ゼロ)に初期化す
る(ステップ804)。次に、変数Xが511以下であ
るかを判定し(ステップ805)、ここで変数Xが51
1よりも大きい場合にはステップ802の前に戻り、Y
軸方向の座標値yの入力待ちとなる。一方、ステップ8
05において、変数Xが511以下の場合には、変数X
で指定される画素(ここでは、画素の配列位置が変数X
と変数Yで指定される(X,Y)にある画素)の画素値
P[X]が画素値Mであるかを調べる(ステップ80
6)。このステップ806において、変数Xで指定され
るX番目の画素の画素値P[X]が画素値Mでない場合
には、変数Xに1を加算し(ステップ807)、ステッ
プ805に戻り、前述したステップ805から807ま
でを繰り返すことによって、画素値がMとなる変数X、
すなわち入力デバイス205から入力された座標値yで
指定される画素列と円形視野との交点位置の左端座標X
1を特定する。一方、ステップ806において、画素値
がMとなる変数Xが特定されたならば、変数Xの値を入
力デバイス205から入力された座標値yで指定される
画素列と円形視野との交点位置の左端座標を格納する変
数X1に代入する(ステップ808)。
【0063】次に、変数Xを511に初期化する(ステ
ップ809)。次に、変数Xが0(ゼロ)以上であるか
を判定し(ステップ810)、ここで変数Xが0(ゼ
ロ)よりも小さい場合にはステップ802の前に戻り、
Y軸方向の座標値yの入力待ちとなる。一方、ステップ
810において、変数Xが0(ゼロ)以上の場合には、
変数Xで指定される画素の画素値P[X]が画素値Mで
あるかを調べる(ステップ811)。このステップ81
1において、変数Xで指定されるX番目の画素の画素値
P[X]が画素値Mでない場合には、変数Xから1を減
算し(ステップ812)、ステップ810に戻り、前述
したステップ810から812までを繰り返すことによ
って、画素値がMとなる変数X、すなわち入力デバイス
205から入力された座標値yで指定される画素列と円
形視野との交点位置の右端座標X2を特定する。一方、
ステップ811において、画素値がMとなる変数Xが特
定されたならば、変数Xの値を入力デバイス205から
入力された座標値yで指定される画素列と円形視野との
交点位置の右端座標を格納する変数X2に代入する(ス
テップ813)。
【0064】I.I.視野像の円形視野と入力デバイス
205から入力された座標値yで指定される画素列とが
交差する交点の左端座標X1と右端座標X2とが特定さ
れたら、次に、変数X1の値と変数X2の値とを加算し
た後に2で除算することによって、円形視野のX軸方向
の中心座標が計算されるので、得られた値を変数X0に
代入しX軸方向の中心座標値とする(ステップ81
4)。
【0065】キーボードやマウス等の入力デバイス20
5によって指定されたX軸方向の座標値xに基づいて、
前述するステップ801〜814で示した処理と同様に
して、Y軸方向の中心座標値Y0に得ることができるの
で、詳細については省略する。
【0066】以降の処理は、前述した実施の形態1と同
様に、得られた補正用に撮像したホールチャート像及び
エアー像を含む全ての投影像の円形視野における中心座
標(X0,Y0)に基づいて、予め定めた投影像におけ
る円形視野の中心座標から、他の投影像における円形視
野の中心座標とをそれぞれ減算することによって、基準
とする投影像に対する他の投影像の円形視野のX軸方向
及びY軸方向のずれ量(ΔX,ΔY)が演算されるの
で、このずれ量(ΔX,ΔY)に基づいて各投影像に映
像される円形視野すなわちI.I.視野像の位置を補正
することによって、視野ずれの補正処理が完了する。な
お、実施の形態2の視野補正処理についても前述した実
施の形態1の視野補正処理と同様に、特定の透過像を基
準の透過像とし、この基準とした透過像に対するずれ量
(ΔX,ΔY)を演算する構成としたが、予め円形視野
の中心位置を設定しておき、この中心位置に対する全て
の投影像の中心位置のずれを補正してもよいことはいう
までもない。
【0067】以上説明したように、実施の形態2のX線
装置では、I.I.視野像となる円形視野の中心位置の
算出処理において、円形視野とこの円形視野を通るY軸
方向及びX軸方向の直線との交点の座標位置を特定し、
その座標位置から中心位置すなわち中心座標を算出する
構成としているので、前述した実施の形態1のX線装置
と同様の効果を得ることができる。
【0068】なお、実施の形態2のX線装置において、
円形視野と交差する直線はX軸方向あるいはY軸方向に
平行な直線に限定されることはなく、例えば、入力デバ
イス205のマウスによって指定されたX軸方向あるい
はY軸方向に平行でない任意の直線でもよいことはいう
までもない。特に、このような直線の場合であっても、
前述する場合と同様に手順によって、円形視野と直線と
が交差するX軸及びY軸の位置が1度の直線の指定でで
きるので、直線の指定に要する負荷を低減できるという
効果もある。
【0069】また、実施の形態2のX線装置では、X線
I.I.102から出射される可視光像であるI.I.
視野像がテレビカメラ103の視野範囲内に全て収まっ
ている場合について説明したが、これに限定されること
はなく、I.I.視野像の一部がテレビカメラ103の
視野範囲からはずれている場合であっても、テレビカメ
ラ103で撮像された投影像における領域がI.I.視
野像の領域とそれ以外の領域とに分けることが可能なら
ば、この領域に画素列を設定しこの画素列と円形視野と
の交点位置の左端座標X1及び右端座標X2並びに上端
座標Y1及び下端座標Y2を演算し、この座標位置から
中心位置すなわち中心座標を算出することができるの
で、前述した実施の形態1のX線装置と同様の効果を得
ることができる。
【0070】(実施の形態3)実施の形態3のX線装置
は、X線I.I.の視野の重心位置を各投影像の基準位
置とするものである。ただし、実施の形態3のX線装置
は、実施の形態2のX線装置と同様に、画像処理装置1
07を構成するCPU203で動作するプログラムによ
って実現される視野補正手段での視野ずれの補正処理に
おけるI.I.視野像となる円形視野の中心位置の算出
手順を除く他の構成は、実施の形態1のX線装置と同様
となるので、以下の説明では、視野補正手段における視
野ずれの補正処理についてのみ詳細に説明する。
【0071】実施の形態3のX線装置では、補正用に撮
像したホールチャート像及びエアー像を含む全ての投影
像に対して、各画素の画素値が所定のしきい値以上であ
るかを判定し、このしきい値以上の画素の画素値を予め
設定した画素値Mに置換し、しきい値よりも小さい画素
の画素値をNに置換する2値化処理によって、実施の形
態1,2と同様に、テレビカメラ103で撮像された投
影像における領域を、I.I.視野像の領域と、それ以
外の領域とに分ける。
【0072】次に、2値化した画像の重心を求める。重
心の計算方法としては、例えば、重心の座標を(Xg,
Yg)、画素座標(x,y)における画素値をP(x,
y)とした場合、下記の式4及び式5によって計算でき
る。
【0073】
【数1】 ここで、テレビカメラ103の固体撮像素子の視野が正
方形であり、I.I.視野像の形状が円形すなわちX線
I.I.102から出射される透過像映像が円形である
ならば、2値化された投影像におけるI.I.視野像の
領域とその他の領域の重心位置は、I.I.視野像の中
心となる。
【0074】すなわち、補正用に撮像したホールチャー
ト像及びエアー像を含む全ての投影像を2値化した画像
に対して、前述する式4及び式5に基づいて、重心位置
を計算することによって、I.I.視野像の中心位置
(X0,Y0)を特定することができる。
【0075】従って、前述した重心位置の計算によって
得られた全ての投影像に対して、各投影像の円形視野に
おける中心座標(X0,Y0)に基づいて、予め定めた
投影像における円形視野の中心座標から、他の投影像に
おける円形視野の中心座標とをそれぞれ減算することに
よって、基準とする投影像に対する他の投影像の円形視
野のX軸方向及びY軸方向のずれ量(ΔX,ΔY)が演
算されるので、このずれ量(ΔX,ΔY)に基づいて各
投影像に映像される円形視野すなわちI.I.視野像の
位置を補正することによって、視野ずれの補正処理が完
了する。なお、実施の形態1の視野補正処理についても
前述した実施の形態1の視野補正処理と同様に、特定の
透過像を基準の透過像とし、この基準とした透過像に対
するずれ量(ΔX,ΔY)を演算する構成としたが、予
め円形視野の中心位置を設定しておき、この中心位置に
対する全ての投影像の中心位置のずれを補正してもよい
ことはいうまでもない。
【0076】以上説明したように、実施の形態3のX線
装置では、I.I.視野像となる円形視野の基準とする
位置の算出処理において、全ての投影像に対して、テレ
ビカメラ103で撮像された投影像における領域を、
I.I.視野像の領域とそれ以外の領域とに分けるため
の2値化処理を行った後に、この2値化された全ての投
影像における重心位置をそれぞれ計算することによっ
て、I.I.視野像となる円形視野の中心位置を計算す
る構成としているので、前述した実施の形態1のX線装
置と同様の効果を得ることができる。
【0077】(実施の形態4)図10は本発明の実施の
形態4のX線装置における視野ずれの補正動作を説明す
るための動作フローであり、図11はX線I.I.の視
野とテレビカメラの視野との位置関係を説明するための
図である。ただし、実施の形態4のX線装置は、画像処
理装置107を構成するCPU203で動作するプログ
ラムによって実現される視野補正手段での視野ずれの補
正処理におけるI.I.視野像となる視野ずれの算出手
順を除く他の構成は、実施の形態1のX線装置と同様と
なるので、以下の説明では、視野補正手段における視野
ずれの算出処理についてのみ詳細に説明する。
【0078】実施の形態4のX線装置では、以上に説明
した実施の形態1〜3における視野ずれ補正のように、
I.I.視野像の領域から算出される基準位置の一例で
あるである中心位置から間接的に視野ずれを算出するも
のではなく、各投影像に映像されるI.I.視野像領域
を特定し、この特定されたI.I.視野像領域を比較す
ることによって、視野ずれを補正するものである。ただ
し、実施の形態4に示す視野ずれの補正は、X線I.
I.102の視野形状すなわちI.I.視野像の形状が
方形の場合に、特に精度の高い補正を可能とするもので
ある。
【0079】図11に示すように、実施の形態1のX線
装置における視野ずれ補正処理と同様に、隣接する2辺
の内で、一方をX軸方向とし他方をY軸方向すると共
に、隣接位置の画素をX軸方向及びY軸方向の画素の基
準として0(ゼロ)番目の画素とする。従って、512
×512画素の固体撮像素子を受光素子とするとするテ
レビカメラ103で撮像された投影像の各画素は、X軸
方向の画素位置を示す変数Xと、Y軸方向の画素位置を
示す変数Yとによって、例えば、(X,Y)のように表
現可能となる。
【0080】実施の形態4におけるI.I.視野像が映
像される視野ずれの算出処理は、まず、補正用に撮像し
たホールチャート像及びエアー像を含む全ての投影像に
対して、各画素の画素値が所定のしきい値以上であるか
を判定し、このしきい値以上の画素の画素値を予め設定
した画素値Mに置換し、しきい値よりも小さい画素の画
素値をNに置換する(ステップ1001)。この2値化
処理によって、実施の形態1と同様に、テレビカメラ1
03で撮像された投影像における領域を、I.I.視野
像の領域と、それ以外の領域とに分ける。
【0081】次に、予め設定されたあるいは入力デバイ
ス205を介して検者によって指定された2値化後の投
影像を基準投影像として、この基準投影像と他の2値化
後の投影像との画素値の差分を演算する(ステップ10
02)。この差分演算によって、2枚の投影像の内で、
I.I.視野像領域すなわち画素値がMに置換された領
域同士、あるいはその外部領域すなわち画素値がNに置
換された領域同士がそれぞれ重なる部分では差分値は0
(ゼロ)となる。一方、2枚の投影像の内で、I.I.
視野像領域とその外部領域とが重なる部分では差分値は
±(M−N)となる。この様子を示したのが図11であ
り、図11の斜線で示した領域が差分値±(M−N)と
なる領域である。
【0082】次に、キーボードやマウス等の入力デバイ
ス205によって指定されたY軸方向の座標値yをY軸
方向を示す変数Yに代入する(ステップ1003)。次
に、座標値yに置き変えられた変数Yが0(ゼロ)以上
かつ511以下であるかを判定し(ステップ100
4)、変数Yがこの範囲以外の場合にはステップ100
3の前に戻り、Y軸方向の座標値yの入力待ちとなる。
【0083】ステップ1004において、変数Yが範囲
内の値であった場合には、変数Xを0(ゼロ)に初期化
する(ステップ1005)。次に、変数Xが511以下
であるかを判定し(ステップ1006)、ここで変数X
が511よりも大きい場合にはステップ1003の前に
戻り、Y軸方向の座標値yの入力待ちとなる。一方、ス
テップ1006において、変数Xが511以下の場合に
は、変数Xで指定される画素(ここでは、画素の配列位
置が変数Xと変数Yで指定される(X,Y)にある画
素)の画素値P[X]が画素値±(M−N)であるかを
調べる(ステップ1007)。
【0084】このステップ1007において、変数Xで
指定されるX番目の画素の画素値P[X]が画素値±
(M−N)でない場合には、変数Xに1を加算した後
(ステップ1008)、ステップ1006に戻り、前述
したステップ1006から1008までを繰り返すこと
によって、画素値が±(M−N)となる変数X、すなわ
ち入力デバイス205から入力された座標値yで指定さ
れる画素列と図11の斜線で示す領域の左端外縁部との
交点位置の座標X1を特定する。一方、ステップ100
7において、画素値が±(M−N)となる変数Xが特定
されたならば、変数Xの値が入力デバイス205から入
力された座標値yで指定される画素列と、図11の斜線
で示す領域の左端外縁部との交点位置のX軸方向の座標
であるとして、この変数Xを交点位置の座標を格納する
変数X1に代入する(ステップ1009)。
【0085】次に、変数Xが511以下であるかを再び
判定し(ステップ1010)、ここで変数Xが511よ
りも大きい場合にはステップ1003の前に戻り、Y軸
方向の座標値yの入力待ちとなる。一方、ステップ10
10において、変数Xが511以下の場合には、変数X
で指定される画素の画素値P[X]が0(ゼロ)である
かを調べる(ステップ1011)。
【0086】このステップ1011において、変数Xで
指定されるX番目の画素の画素値P[X]が0(ゼロ)
でない場合には、変数Xに1を加算した後に(ステップ
1012)、ステップ1010に戻り、前述したステッ
プ1010から1012までを繰り返すことによって、
画素値が0(ゼロ)となる変数X、すなわち入力デバイ
ス205から入力された座標値yで指定される画素列と
図11の斜線で示す領域の左端内縁部との交点位置の座
標X2を特定する。一方、ステップ1011において、
画素値が0(ゼロ)となる変数Xが特定されたならば、
変数Xの値が入力デバイス205から入力された座標値
yで指定される画素列と、図11の斜線で示す領域の左
端内縁部との交点位置のX軸方向の座標であるとして、
この変数Xを交点位置の座標を格納する変数X2に代入
する(ステップ1013)。
【0087】以上に説明した処理によって、入力デバイ
ス205から入力された座標値yで指定される画素列
と、図11の斜線で示す領域の左端外縁部及び左端内縁
部との交点位置のX軸方向の座標X1,X2とが特定さ
れたら、次に、変数X2の値から変数X1の値を減算す
ることによって、基準投影像に対する差分演算した投影
像の円形視野のX軸方向のずれ量ΔXが演算される。
【0088】次に、キーボードやマウス等の入力デバイ
ス205によって指定されたX軸方向の座標値xに基づ
いて、前述するステップ1001〜1014で示した処
理と同様にして、Y軸方向のずれ量ΔYを得ることがで
きるので、詳細については省略する。
【0089】以降の処理は、前述した実施の形態1と同
様に、ずれ量(ΔX,ΔY)に基づいて各投影像に映像
される方形視野すなわちI.I.視野像の位置を補正す
ることによって、視野ずれの補正処理が完了する。な
お、実施の形態4の視野補正処理についても前述した実
施の形態1の視野補正処理と同様に、特定の透過像を基
準の透過像とし、この基準とした透過像に対するずれ量
(ΔX,ΔY)を演算する構成としたが、予め方形視野
を設定した投影像を生成しておき、この投影像に対する
計測によって得られた全ての投影像のずれを補正する構
成としてもよいことはいうまでもない。
【0090】以上説明したように、実施の形態4のX線
装置では、視野補正手段における視野ずれの算出処理に
おいて、各投影像に映像されるI.I.視野像領域を特
定した後に、特定されたI.I.視野像領域と基準投影
像のI.I.視野像領域とを差分演算処理することによ
って視野ずれに対応する画像を生成し、この画像に基づ
いて、X軸方向及びY軸方向の視野ずれを算出する構成
としているので、前述した実施の形態1のX線装置と同
様の効果を得ることができる。
【0091】なお、実施の形態2のX線装置と同様に、
実施の形態4のX線装置においても、方形視野と交差す
る直線はX軸方向あるいはY軸方向に平行な直線に限定
されることはなく、例えば、入力デバイス205のマウ
スによって指定されたX軸方向あるいはY軸方向に平行
でない任意の直線でもよいことはいうまでもない。特
に、このような直線の場合であっても、前述する場合と
同様に手順によって、差分演算により得られる視野ずれ
に対応する画像と直線とが交差するX軸及びY軸の位置
が1度の直線の指定でできるので、直線の指定に要する
負荷を低減できるという効果もある。
【0092】なお、以上の説明では、X線I.I.に起
因するX線像の歪みである糸巻き歪みの補正に本願発明
を適用した場合について詳細に説明したが、本願発明の
適用範囲は、これに限定されることはなく、例えば、テ
レビカメラ感度むらやX線源の照射むらを補正するため
のオフセット像とエア像とに基づく感度補正等にも適用
可能なことはいうまでもない。
【0093】また、本実施の形態では、キャリブレーシ
ョン補正用のX線画像を視野ブレの基準画像としたが、
これに限定されることはなく、複数枚撮像した内の何れ
のX線画像を基準画像としてもよいことはいうまでもな
い。
【0094】また、本実施の形態においては、被検体1
08の全周方向から撮像したX線像に基づいて、断層像
あるいは3次元再構成を生成する場合について説明した
が、本願発明をX線透視撮影台や循環器系のCアーム型
X線装置に適用した場合にも前述する効果を得ることが
できることはいうまでもない。
【0095】また、本実施の形態1,2,3のX線装置
では、テレビカメラ103の視野形状が正方形状で、X
線I.I.102の視野形状が円形の場合について説明
したが、テレビカメラ103及びX線I.I.102の
視野形状はこれに限定されることはなく、他の形状の場
合についても、前述する手順で視野ずれを検出できるこ
とはいうまでもない。その結果、カメラ103及びX線
I.I.102の視野形状によらず、前述した視野ずれ
の補正ができ、前述した効果を得ることができる。
【0096】また、実施の形態1,2のX線装置では、
I.I.視野像が映像される円形視野の視野ずれを算出
する際に、補正用に撮像したホールチャート像及びエア
ー像を含む全ての投影像に対して、各画素の画素値が所
定のしきい値以上であるかを判定し、この判定結果に基
づいて、投影像を2値化するいわゆる2値化処理を行う
構成としたが、実施の形態1,2のX線装置では、投影
像に対して2値化処理を行うことなく投影像の中心位置
を求めてもよいことはいうまでもない。ただし、2値化
処理を行うことによって、テレビカメラ103で撮像さ
れた投影像における領域を、I.I.視野像の領域と、
それ以外の領域とを容易に分けることができるので、演
算負荷を軽減することができ、視野ずれの補正に係わる
処理を効率的に行うことが可能となる。
【0097】さらには、本実施の形態では、測定対象が
人体すなわち被検体108となる診断用のX線装置に本
願発明を適用した場合について説明したが、これに限定
されることはなく、例えば、測定対象が人体以外の手荷
物検査用のX線装置等に適用可能なことはいうまでもな
く、さらには、X線発生装置101と2次元検出器10
4とが固定され、測定対象が移動する形式の3次元X線
装置にも適用可能である。すなわち、2次元検出器がX
線I.I.102のように測定対象を透過したX線ビー
ムを可視光に変換する手段と、テレビカメラ103のよ
うに可視光に変換された像を投影像として撮像する手段
とから構成される全てのX線装置に適用することが可能
である。
【0098】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0099】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。 (1)補正用の投影像を撮像する必要がないので、X線
撮影の準備に要する時間を増大させることなく補正を行
うことができる。 (2)撮像画像に基づいて補正を行うので、固体撮像素
子における熱膨張等のように経時的に変化する視野ずれ
に対しても正確な補正ができる。 (3)撮像画像に基づいて補正を行うので、2次元検出
器における感度むらを容易に補正することができる。 (4)2次元投影像から測定対象の断層像及び/又は3
次元像を再構成する際に特に重要となる回転中心軸投影
位置のずれも正確に補正することができるので、3次元
的再構成像の画質を向上することができる。 (5)診断画像の画質を向上することができるので、診
断効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態1のX線装置の概略構成
を説明するための図である。
【図2】実施の形態1の画像処理装置の概略構成を説明
するための図である。
【図3】実施の形態1の画像処理装置での画像収集から
画像表示までを説明するための動作フローである。
【図4】実施の形態1のX線装置における視野ずれの補
正動作を説明するための動作フローである。
【図5】ホールチャートを撮像した投影像の一例であ
る。
【図6】テレビカメラの視野とX線I.I.の視野との
関係を説明するための図である。
【図7】X線I.I.の視野とテレビカメラの視野との
位置関係を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態2のX線装置における視野
ずれの補正動作を説明するための動作フローである。
【図9】X線I.I.の視野とテレビカメラの視野と位
置関係を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態4のX線装置における視
野ずれの補正動作を説明するための動作フローである。
【図11】X線I.I.の視野とテレビカメラの視野と
の位置関係を説明するための図である。
【符号の説明】
101…X線発生装置、102…X線I.I.、103
…テレビカメラ、104…2次元検出器、105…寝
台、106…制御収集装置、107…画像処理装置、1
08…被検体、201…インターフェース、202…メ
モリ、203…CPU、204…ハードディスク、20
5…入力デバイス、206…表示装置、207…バス信
号線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 大 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 Fターム(参考) 4C093 AA05 CA05 EB02 FC18 FC27 FF02 FF42 5B057 AA08 BA03 CA08 CA12 CB08 CB13 CC01 CD12 CH07 DA07 DA16 DB02 DB09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象に放射状のX線ビームを照射す
    るX線源と、該X線源と対向配置され前記測定対象を透
    過したX線ビームから可視光像を生成する手段と該可視
    光像を2次元投影像として撮像する手段とからなる2次
    元検出手段と、予め撮像した基準となる2次元投影像か
    ら生成された補正値テーブルに基づいて前記測定対象の
    2次元投影像を補正する手段と、該補正後の2次元投影
    像を表示する手段とを備えたX線装置において、 前記2次元投影像の撮像手段の視野内に映像される前記
    可視光像の生成手段の視野位置に基づいて、前記基準と
    なる2次元投影像及び前記測定対象を撮像した2次元投
    影像に映像される各可視光像の映像領域の位置ずれ量を
    演算し、該可視光像の映像領域の位置ずれを補正する手
    段を備えたことを特徴とするX線装置。
  2. 【請求項2】 測定対象に放射状のX線ビームを照射す
    るX線源と、該X線源と対向配置され前記測定対象を透
    過したX線ビームから可視光像を生成する手段と該可視
    光像を2次元投影像として撮像する手段とからなる2次
    元検出手段と、予め撮像した基準となる2次元投影像か
    ら生成された補正値テーブルに基づいて前記測定対象の
    2次元投影像を補正する手段と、該補正後の2次元投影
    像を表示する手段とを備えたX線装置において、 前記基準2次元投影像と前記測定対象を撮像した2次元
    投影像に映像される前記生成手段の視野領域の位置か
    ら、前記基準2次元投影像に対する前記測定対象を撮像
    した2次元投影像のずれ量を演算し、該ずれ量に基づい
    て前記補正値テーブルを補正する手段を備えたことを特
    徴とするX線装置。
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