JP2007089674A - 外観形状計測装置およびx線ct装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体の複数方向の光学画像より、3次元外観形状情報を求める外観形状計測装置、または前記情報を用いて撮影条件の最適化および被検体と走査ガントリとの干渉制御を行える、または外観画像と内部断層像の位置合わせを行える、または時系列外観画像より被検体の生体信号を抽出できるX線CT装置を実現する。
【解決手段】被検体の複数方向の光学画像から被検体の輪郭情報を抽出し、3次元形状逆投影処理を行うことにより、3次元外観形状情報を得る外観形状計測装置を実現できる。また、前記情報を用いて部位の大きさ、z方向の部位の変化具合の情報に応じて、撮影条件の最適化を行い、また、被検体の大きさ、位置により走査ガントリとの干渉制御を行う、または穿刺などを行うなど、断層像による手術前の計画を立てる際に、被検体の表面位置と被検体内部の位置合わせを行う。または時系列外観画像より被検体の生体信号を抽出する。
【選択図】図13
【解決手段】被検体の複数方向の光学画像から被検体の輪郭情報を抽出し、3次元形状逆投影処理を行うことにより、3次元外観形状情報を得る外観形状計測装置を実現できる。また、前記情報を用いて部位の大きさ、z方向の部位の変化具合の情報に応じて、撮影条件の最適化を行い、また、被検体の大きさ、位置により走査ガントリとの干渉制御を行う、または穿刺などを行うなど、断層像による手術前の計画を立てる際に、被検体の表面位置と被検体内部の位置合わせを行う。または時系列外観画像より被検体の生体信号を抽出する。
【選択図】図13
Description
本発明は、被検体の光学画像から被検体の外観形状計測を行う外観形状計測装置に関する。また、医療用X線CT(Computed Tomography)装置、または産業用X線CT装置において、外観形状情報に基いて撮影条件の最適化をスカウト像を用いずに外観光学画像のみで被曝なしで行う、または外観形状情報に基いて被検体と走査ガントリの干渉制御を行う、または断層像の3次元表示画像の外観表面部に外観光学画像を貼り手術計画を行う、または外観光学画像より生体同期信号を取り出す技術に関する。
従来、多列X線検出器X線CT装置またはフラットパネルに代表されるマトリクス構造の2次元X線エリア検出器によるX線CT装置においては、スカウト画像により撮影条件の設定を行っていたが、被曝低減が望まれておりX線被曝の観点からは問題であった(たとえば、特許文献1参照)。
また、被検体の撮影条件設定時に被検体の大きさを考慮して、被検体と走査ガントリの干渉を確認しながら撮影計画を立てることはできず、被検体の安全上の観点からは問題であった。
また、穿刺などを行うなど、断層像による手術前の計画を立てる際に被検体内部の様子と被検体の体表面の外観光学画像との対応付けが難しく、手術計画上の観点で問題であった。
また、生体同期信号をかけるには従来は専用の生体信号抽出装置が必要でその専用装置の準備、調整などの手間がかかるなどの使用上の観点で問題があった。
しかし、多列X線検出器X線CT装置またはフラットパネルに代表される2次元X線エリア検出器によるX線CT装置においても、今後は被曝低減が要求される方向である。
そこで、本発明の目的は、X線CT装置の撮影条件の設定を、外観形状情報に基いて行うことを実現するX線CT装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、外観形状情報に基いて、被検体と走査ガントリの干渉制御を行うことを実現するX線CT装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、断層像の3次元表示画像の外観表面部分に外観光学画像を貼り、被検体の外観画像とX線断層像からわかる被検体の内部の様子とを対応付けやすいX線CT装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、X線CT装置に取付けられた外観光学画像入力用の光学カメラから得られる被検体の時系列外観光学画像から被検体の生体信号を抽出でき、X線CT撮影と生体信号の同期をかけたりすることのできるX線CT装置を提供することにある。
本発明は、外観形状情報に基いて、撮影条件の設定を行うこと、または外観形状情報に基いて、被検体と走査ガントリの干渉制御を行うことを特徴とするX線CT装置、またはX線CT撮影方法を提供する。
第1の観点では、本発明は、被検体の複数方向からの光学画像を収集する画像入力手段、画像入力手段から得られた被検体の複数方向からの光学画像を画像処理することにより、被検体の外観形状情報を画像再構成する外観形状再構成手段、外観形状情報を表示する外観形状情報表示手段とを有する外観形状計測装置を提供する。
上記第1の観点におけるX線CT装置では、複数方向の被検体の光学画像により、被検体の輪郭情報を抽出し、その被検体の存在する3次元的領域を絞り込んで行くことにより、被検体の存在している3次元空間領域を求めることができる。
第2の観点では、本発明は、第1の観点の外観形状計測装置において、外観形状再構成手段の被検体の外観形状情報を画像再構成する画像処理は、被検体輪郭抽出処理と形状逆投影処理とから構成される外観形状再構成手段を持つことを特徴とする外観形状計測装置を提供する。
上記第2の観点におけるX線CT装置では、複数方向の被検体の光学画像により、被検体の輪郭情報を抽出するには、各方向の被検体の光学画像において被検体輪郭抽出処理により、各方向の被検体の輪郭を抽出できる。各方向の被検体の輪郭を底面とし、光学視点を錐の頂点とした3次元領域を考える。これが、被検体のある方向の輪郭情報から得た被検体存在領域である。これを各々の方向について求め、3次元形状逆投影処理を行うことにより、被検体の存在する3次元空間領域を絞り込み、被検体の存在する3次元空間領域、つまり外観形状情報を求めることができる。
第3の観点では、本発明は、第1または第2の観点の外観形状計測装置において、外観形状再構成手段では、画素間論理積処理を含む形状逆投影処理から構成される外観形状再構成手段を持つことを特徴とする外観形状計測装置を提供する。
上記第3の観点におけるX線CT装置では、各々の方向の被検体の輪郭を2次元画像として求め、その2次元の輪郭を底面とし、光学視点を錐の頂点とした錐状の3次元領域を被検体のある方向の被検体存在領域とする。これを各々の方向について求め、各々の方向の被検体存在領域の3次元領域を3次元画像処理の画素間論理積処理により処理する。各々の被検体存在領域の3次元領域の3次元論理積を求めることにより、被検体存在領域は絞られて行く。360度分全周方向の被検体存在領域の3次元論理積を求めることにより、最終的な被検体存在領域が求められる。これが被検体の外観形状情報となり、外観形状が画像再構成できる。
第4の観点では、本発明は、第1から第3までの観点の外観形状計測装置において、外観形状再構成手段では、3次元画像処理を用いて画像処理を構成する外観形状再構成手段を持つことを特徴とする外観形状計測装置を提供する。
上記第4の観点におけるX線CT装置では、各々の方向の光学画像における被検体の2次元画像の輪郭情報を求め、3次元画像処理である3次元アフィン変換により、光学視点を錐の頂点とした錐状の3次元領域に変換する。錐状の3次元領域を光学視点方向である投影方向に3次元アフィン変換により3次元回転させ、各々の方向の錐状の3次元投影領域を求める。この各々方向の被検体存在領域である錐状の3次元投影領域を360度分全周方向分求め、各々の3次元領域の3次元画素間論理積を求める。この3次元論理積の領域が最終的な被検体存在領域となり、被検体の外観形状情報が得られ、外観形状が画像再構成できる。このように、3次元画像処理の基本画像処理を組合わせることで外観形状情報が得られる。
第5の観点では、本発明は、第1から第4までの観点の外観形状計測装置において、画像入力手段では、被検体の体軸方向であるz軸方向を中心軸とする回転運動により、被検体の複数方向からの光学画像を収集する画像入力手段を持つことを特徴とする外観形状計測装置を提供する。
上記第5の観点におけるX線CT装置では、各々の方向の被検体の光学画像を得る画像入力で、被検体の体軸方向であるz軸方向を中心軸とする回転運動を光学画像データ収集系に行わせ、各々の方向の被検体の光学画像を収集する。被検体が体軸方向に比較的連続に変化し、被検体が体軸を中心とする回転体に近い場合はこのデータ収集方法により効率良くデータ収集が行える。
第6の観点では、本発明は、被検体の複数方向からの光学画像を得て、被検体の外観形状を計測する外観形状計測手段、X線発生装置と、相対してX線を検出する多列X線検出器またはフラットパネルX線検出器に代表されるマトリクス構造の2次元X線エリア検出器とを、その間にある回転中心のまわりに回転運動をさせながら、その間にある被検体を透過したX線投影データを収集するX線データ収集手段、そのX線データ収集手段から収集された投影データを画像再構成する画像再構成手段、画像再構成された断層像を表示する画像表示手段、断層像撮影の各種撮影条件を設定する撮影条件設定手段、とからなるX線CT装置において、被検体の複数方向からの光学画像を収集する画像入力手段、画像入力手段から得られた被検体の複数方向からの光学画像を画像処理することにより、被検体の外観形状情報を画像再構成する外観形状再構成手段、外観形状情報を表示する外観形状情報表示手段、の3つの手段のうちの少なくとも1つの手段を持つ外観形状計測手段、外観形状計測手段によって得られる外観形状画像に基いて、被検体と走査ガントリの干渉制御を行う撮影条件設定手段、または同様に干渉制御を行うデータ収集手段、を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第6の観点におけるX線CT装置では、被検体の複数方向からの光学画像を収集する入力手段から得られた被検体の複数方向からの光学画像を画像処理して被検体の外観形状情報を画像再構成することにより、被検体は被曝せずに被検体外観形状情報を得られる。この外観形状情報表示し、操作者がこの外観形状情報を確認しながら、各z方向座標位置の断層像撮影の各種撮影条件を設定できる。またはこの外観形状情報を計測し、被検体のその部位に合った撮影条件を設定することもできる。
第7の観点では、本発明は、第6の観点のX線CT装置において、外観形状計測手段の外観形状再構成手段では、被検体の外観形状情報を画像再構成する画像処理は、被検体輪郭抽出処理と形状逆投影処理とから構成される外観形状計測手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第7の観点におけるX線CT装置では、複数方向の被検体の光学画像より、被検体の輪郭情報を抽出する。その輪郭を底面とし、光学視点を錐の頂点とした3次元領域を求める。これが被検体のある方向の輪郭情報から得た被検体存在領域である。この被検体存在領域を各々の方向について求め、3次元形状逆投影処理を行い、被検体の存在する3次元空間を絞り込み、被検体の存在する3次元空間領域、つまり外観形状情報を求めることができる。この外観形状情報に基いて、被検体の各部位に合った撮影条件を設定できる。
第8の観点では、本発明は、第6および第7の観点のX線CT装置において、外観形状計測手段の外観形状再構成手段では、画素間論理積処理を含む形状逆投影処理を持つ外観形状計測手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第8の観点におけるX線CT装置では、被検体の各々の方向からの光学画像を得て、その輪郭を2次元画像として求める。この2次元画像としての輪郭を底面とし、光学視点を錐の頂点とした錐状の3次元領域を被検体の存在領域として求める。この被検体の存在領域を3次元領域として各々の方向で求め、これらの3次元領域の3次元画像処理の画素間論理積処理を行う。各々の被検体存在領域としての3次元領域の3次元論理積を求めることにより、被検体存在領域は絞られ、360度分、全周方向の被検体存在領域の3次元論理積を求めることにより、最終的な被検体存在領域が求められる。これが被検体の外観形状情報となり、外観形状が画像再構成できる。このようにして得られた外観形状情報に基いて、被検体の各部位に合った撮影条件を設定できる。
第9の観点では、本発明は、第6および第8までの観点のX線CT装置において、外観形状計測手段の外観形状再構成手段では、3次元画像処理を用いて画像処理を行う外観形状計測手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第9の観点におけるX線CT装置では、各々の方向の光学画像における被検体の2次元画像の輪郭情報を求め、3次元画像処理の1つの3次元アフィン変換により、光学視点を錐の頂点とした錐状の3次元領域に変換する錐状の3次元領域を光学視点方向である投影方向に3次元アフィン変換を用いて3次元回転させ、各々の方向の錐状の3次元投影領域を求める。この各々の方向の被検体存在領域である錐状の3次元投影領域を360度分全周方向において求め、各々の3次元領域の3次元画素間論理積を求める。この3次元論理積領域が最終的な被検体存在領域となり、被検体の外観形状情報となり、外観形測情報が画像再構成できる。このように3次元画像処理の基本画像処理を組合わせることで外観形状情報が得られる。このようにして得られた外観形状情報に被検体の各部位に合った撮影条件を設定できる。
第10の観点では、本発明は、第6および第9までの観点のX線CT装置において、外観形状計測手段の被検体の複数方向からの光学画像を収集する画像入力手段では、被検体の体軸方向であるz軸方向を中心軸とする回転運動により、被検体の複数方向からの光学画像を収集する外観形状計測手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第10の観点におけるX線CT装置では、被検体が体軸方向であるz軸方向に比較的連続に変化し、被検体が体軸方向であるz軸方向を中心とする回転体に近い場合において、各々の方向の被検体の光学画像を得る画像入力は、被検体の体軸方向であるz軸方向を中心軸とする回転運動を光学画像データ収集系にさせて、各々の方向の被検体の光学画像を収集するのが効率が良い。この場合、X線CT装置のデータ収集系の回転と同じ回転で光学画像入力を行えるので、機構的にも、たやすくデータ収集系の回転が実現できる。
第11の観点では、本発明は、第6および第10までの観点のX線CT装置において、外観形状計測手段によって得られる外観形状情報に基いて、断層像撮影計画を立てて撮影条件を設定する撮影条件設定手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第11の観点におけるX線CT装置では、外観形状情報入力手段によって得られる外観形状画像は、被検体の大きさ、位置に関わる3次元情報を持っているため、撮影条件設定手段において、被検体の3次元的大きさから被検体の平均的なX線吸収度合いを予測して撮影条件を設定することができる。
第12の観点では、本発明は、第6および第11までの観点のX線CT装置において、外観形状計測手段によって得られる外観形状情報に基いて、被検体の位置を撮影視野内の最適位置になるように撮影条件を制御する撮影条件設定手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第12の観点におけるX線CT装置では、外観形状情報入力手段によって得られる外観形状画像は、被検体の大きさ、位置に関わる3次元情報を持っているため、撮影条件設定手段において、被検体の最適な撮影視野内の位置を設定することができる。
第13の観点では、本発明は、第6および第12までの観点のX線CT装置において、外観形状計測手段によって得られる時系列被検体外観形状情報から、生体信号情報を収集し、X線データ収集を制御できるX線データ収集手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第13の観点におけるX線CT装置では、外観形状情報入力手段によって得られる時系列被検体外観形状画像から、被検体の時間的変動を検出し、生体信号として検出する。このようにして得られた生体信号の各位相に同期させてX線データ収集を制御することができ、得られるX線CT装置の断層像としても生体信号の各位相に同期した断層像が得られる。
第14の観点では、本発明は、第13の観点のX線CT装置において、生体信号は呼吸信号であるとし、外観形状計測手段によって得られる時系列被検体外観形状情報から呼吸信号を収集し、X線データ収集を制御できるX線データ収集手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第14の観点におけるX線CT装置では、外観形状情報入力手段によって得られる胸部の時系列被検体外観形状画像からは、胸部の時間的変動を検出することにより呼吸信号が検出できる。このようにして得られた呼吸信号の吸気時、排気時などの各位相、および呼吸の有無に同期させてX線データ収集を制御することができ、呼吸同期したX線CT装置の断層像を得ることができる。
第15の観点では、本発明は、第6から第14までの観点のX線CT装置において、外観形状計測手段における画像入力手段の光学画像のz方向のデータ収集範囲は、X線データ収集手段のz方向範囲を含んで、より広い範囲の光学画像データ収集を行う外観形状計測手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第15の観点におけるX線CT装置では、外観形状計測手段の画像入力手段の入力できる画像のz軸方向(被検体体軸方向)のデータ収集範囲は、X線CT装置のX線検出器のz軸方向のデータ収集範囲よりも広いものとする。これにより外観形状計測手段の方が2次元X線エリア検出器のz軸方向範囲より先まで外観形状情報を先に入力することができる。外観形状情報をより先に入力することができれば、先に得た外観形状情報でX線CT装置の撮影条件を先にあらかじめ決められ、X線CT装置としてより適切な撮影条件制御が行える。
第16の観点では、本発明は、第6から第15までの観点のX線CT装置において、外観形状計測手段によって得られる外観形状情報に基いて、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンの撮影条件、および各z方向スキャン位置における被検体の撮影視野内の位置を最適化する撮影条件設定手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第16の観点におけるX線CT装置では、外観形状計測手段によって得られる外観形状画像に基いて、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンの撮影条件をスカウト像を用いるかのように、あらかじめ先に決めることができ、X線の被曝もなくX線CT装置としてより適切な撮影条件を予測して、その撮影条件にデータ収集を制御でき、およびz方向のX線管電流制御を行うX線データ収集制御ができる。また、被検体の撮影視野内における位置、およびz方向における位置も最適な位置になるように撮影条件設定が行われる。
第17の観点では、本発明は、第6から第16までの観点のX線CT装置において、外観形状計測手段によって得られる外観形状情報に基いて、ヘリカルスキャンの撮影条件を設定する撮影条件設定手段、あらかじめ得た外観形状情報に基くz方向のX線管電流制御を行うデータ収集手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第17の観点におけるX線CT装置では、外観形状計測手段によって得られる外観形状画像に基いて、ヘリカルスキャンの撮影条件設定をスカウト像を用いるかのようにあらかじめ先に決めることができ、X線の被曝もなくX線CT装置としてより適切な撮影条件を予測して、その撮影条件にデータ収集を制御でき、およびz方向のX線管電流制御を行うX線データ収集制御ができる。また、被検体の撮影視野内における位置、およびz方向における位置も最適な位置になるように撮影条件設定が行われる。
第18の観点では、本発明は、第6から第17までの観点のX線CT装置において、外観形状計測手段によって得られる外観形状情報に基いて、撮影条件の最適化は各z方向座標のX線管電流値について行われる撮影条件設定手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第18の観点におけるX線CT装置では、外観形状計測手段によって得られる外観形状画像に基いて、各z座標位置のプロファイルエリアなどの幾何学形状パラメータを求めることができ、それに基いて各z座標位置のX線管電流制御を行うデータ収集制御が行うことができる。
第19の観点では、本発明は、第6から第18までの観点のX線CT装置において、外観形状計測手段によって得られる外観形状情報に基いて、撮影条件の最適化はヘリカルスキャンまたは可変ピッチヘリカルスキャンにおける、各z方向座標のヘリカルピッチについて行われる撮影条件設定手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第19の観点におけるX線CT装置では、外観形状計測手段によって得られる外観形状画像に基いて、z方向の被検体の形状の変化、および部位の位置の予測が行える。その情報に基づき、ヘリカルスキャンまたは可変ピッチヘリカルスキャンにおいてz方向の各座標位置のヘリカルピッチがどのような値であるべきかを決められる。これに基づき、各z座標位置のヘリカルピッチを撮影条件設定手段に設定したり、X線データ収集手段でスキャン制御を行ったりすることができる。
第20の観点では、本発明は、第6から第19までの観点のX線CT装置において、3次元表示されたX線CT装置の断層像の外観表面部分に光学画像を付加した断層像3次元表示を行う画像表示手段を持つことを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第20の観点におけるX線CT装置では、外観形状計測手段によって得られた3次元外観形状領域またはX線CT装置から得られた断層像の3次元表示画像の外観表面部分に光学画像に基づいた体表面画像を貼りつけることにより、被検体をよりリアルに表現できる。特にX線CT装置から得られた断層像の3次元表示画像に光学画像に基づいた外観表面画像を貼りつけることにより、CTフルオロの穿刺前や手術前における被検体の体表面の印と臓器の位置関係を明らかにした後に、穿刺、手術を行うと確実性を増すことができる。
本発明のX線CT装置、またはX線CT画像再構成方法によれば、以下の効果がある。X線CT装置の撮影条件の設定を、外観形状情報に基いて行えるX線CT装置を実現する。
また、本発明の別の効果としては、外観形状情報に基いて、被検体と走査ガントリの干渉制御を行えるX線CT装置を実現する。
また、本発明の別の効果としては、断層像の3次元表示画像の外観表面部分に外観像を貼り、被検体の外観と内部の様子とを対応付けできるX線CT装置を実現する。
また、本発明の別の効果としては、被検体の時系列外観光学画像から被検体の生体信号を抽出できるX線CT装置を実現する。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、前処理、画像再構成処理、後処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で収集したX線検出器データを収集するデータ収集バッファ5と、X線検出器データを前処理して求められた投影データから画像再構成した断層像を表示するモニタ6と、プログラムやX線検出器データや投影データやX線断層像を記憶する記憶装置7とを具備している。
撮影条件の入力はこの入力装置2から入力され、記憶装置7に記憶される。
撮影テーブル10は、被検体を乗せて走査ガントリ20の開口部に入れ出しするクレードル12を具備している。クレードル12は撮影テーブル10に内蔵するモータで昇降およびテーブル直線移動される。
走査ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、X線ビーム形成フィルタ28と、多列X線検出器24と、DAS(Data Acquisition System)25と、被検体の体軸の回りに回転しているX線管21などを制御する回転部コントローラ26と、制御信号などを前記操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りする制御コントローラ29とを具備している。X線ビーム形成フィルタ28は、図2に示すように被検体の体表面の被曝を少なくするように撮影中心である回転中心でフィルタの厚さが最も薄く、周辺部に行くに従いフィルタの厚さが厚くなり、X線をより吸収するようになっているX線フィルタである。また、走査ガントリ傾斜コントローラ27により、走査ガントリ20はz方向の前方および後方に±約30度ほど傾斜できる。
図2は、X線管21と多列X線検出器24の幾何学的配置の説明図である。
X線管21と多列X線検出器24は、回転中心ICの回りを回転する。鉛直方向をy方向とし、水平方向をx方向とし、これらに垂直なテーブル進行方向をz方向とするとき、X線管21および多列X線検出器24の回転平面は、xy平面である。また、クレードル12の移動方向は、z方向である。
X線管21は、コーンビームCBと呼ばれるX線ビームを発生する。コーンビームCBの中心軸方向がy方向に平行なときを、ビュー角度0度とする。
多列X線検出器24は、例えば256列のX線検出器列を有する。また、各X線検出器列は例えば1024チャネルのX線検出器チャネルを有する。
X線が照射されて収集された投影データは、多列X線検出器24からDAS25でA/D変換され、スリップリング30を経由してデータ収集バッファ5に入力される。データ収集バッファ5に入力されたデータは、記憶装置7のプログラムにより中央処理装置3で処理され、断層像に画像再構成されてモニタ6に表示される。
光学カメラ40は、走査ガントリ20の回転部に取付けられ、一定間隔の時間で被検体の外観光学画像を収集し、スリップリング30を経由してデータ収集バッファ5に入力される。データ収集バッファ5に入力された光学画像は、記憶装置7のプログラムで中央処理装置3で処理され、光学画像再構成において光学逆投影されてモニタ6に表示される。
なお、光学カメラ40からの画像データ収集、画像転送、画像再構成の流れを図14に示す。
光学カメラ40は、走査ガントリ20の回転部15の一部に取り付けられ、その光学画像は収集された後にスリップリング30経由で画像転送され、データ収集バッファ5で画像データが受信される。光学カメラ40は、たとえば、CCD(Charge−Coupled Device)センサのように、マトリクス状に配列された複数の光電変換素子を含む撮像装置であり、光学像を撮像した後に、その撮像した光学像の光強度に応じた電気信号を光学像データとして出力する。
ステップCA1では、光学カメラ画像入力を行う。
ステップCA2では、光学画像信号A/D変換を行う。これにより画像信号はデジタル信号となる。
ステップCA3では、画像圧縮を行う。デジタル化された光学画像は一般的に知られる画像圧縮アルゴリズムなどにより圧縮され、データ量を小さくすることができる。
ステップCA4では、スリップリング経由で画像転送を行う。圧縮された画像データはシリアル転送などを用いてスリップリングにより高速に転送される。
ステップCA5では、データ収集バッファ5にてデータ収集を行う。
ステップCA6では、画像解凍を行う。圧縮された画像データは解凍されて、光学画像の画質は復元される。
ステップCA7では、光学画像再構成を行う。光学画像再構成については後述する。
このようにして、走査ガントリ20の回転部に取り付けられた光学カメラ40の画像を取り込み、光学画像再構成が行える。
図3は、本発明のX線CT装置100の断層像撮影およびスカウト像撮影の動作の概略を示すフロー図である。
ステップS1では、ヘリカルスキャンでは、X線管21と多列X線検出器24とを被検体の回りに回転させ、かつ撮影テーブル10上のクレードル12をテーブルを直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行ない、ビュー角度viewと、検出器列番号jと、チャネル番号iとで表わされるX線検出器データD0(view,j,i)にテーブル直線移動z方向位置Ztable(view)を付加させて、X線検出器データを収集する。また、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンでは撮影テーブル10上のクレードル12をあるz方向位置に固定させたまま、データ収集系を1回転または複数回転させてX線検出器データのデータ収集を行う。必要に応じて、次のz方向位置に移動した後に、再度データ収集系を1回転または複数回転させてX線検出器データのデータ収集を行う。
また、スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、撮影テーブル10上のクレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行うものとする。
ステップS2では、X線検出器データD0(view,j,i)に対して前処理を行い、投影データに変換する。前処理は図4のようにステップS21オフセット補正,ステップS22対数変換,ステップS23X線線量補正,ステップS24感度補正からなる。
スカウト像撮影の場合は、前処理されたX線検出器データをチャネル方向の画素サイズおよびクレードル直線移動方向であるz方向の画素サイズをモニタ6の表示画素サイズに合わせて表示すればスカウト像として完成である。
ステップS3では、前処理された投影データD1(view,j,i)に対して、ビームハードニング補正を行なう。ビームハードニング補正S3では前処理S2の感度補正S24が行なわれた投影データをD1(view,j,i)とし、ビームハードニング補正S3の後のデータをD11(view,j,i)とすると、ビームハードニング補正S3は以下のように、例えば、以下の数式(1)に示すような多項式形式で表わされる。
この時、検出器の各j列ごとに独立したビームハードニング補正を行なえるため、撮影条件で各データ収集系の管電圧が異なっていれば、各列ごとの検出器のX線エネルギー特性の違いを補正できる。
ステップS4では、ビームハードニング補正された投影データD11(view,j,i)に対して、z方向(列方向)のフィルタをかけるzフィルタ重畳処理を行なう。
すなわち、各ビュー角度、各データ収集系における前処理後、ビームハードニング補正された多列X線検出器D11(view,j,i) (i=1〜CH, j=1〜ROW)の投影データに対し、列方向に例えば下記の数式(2)に示すような列方向フィルタサイズが5列のフィルタをかける。
すなわち、各ビュー角度、各データ収集系における前処理後、ビームハードニング補正された多列X線検出器D11(view,j,i) (i=1〜CH, j=1〜ROW)の投影データに対し、列方向に例えば下記の数式(2)に示すような列方向フィルタサイズが5列のフィルタをかける。
(w1(i),w2(i),w3(i),w4(i),w5(i)) ・・・(2)、
ただし、以下の数式(3)とする。
補正された検出器データD12(view,j,i)は以下の数式(4)のようになる。
なお、チャネルの最大値はCH,列の最大値はROWとすると、以下の数式(5),(6)となる。
また、列方向フィルタ係数を各チャネルごとに変化させると画像再構成中心からの距離に応じてスライス厚を制御できる。一般的に断層像では再構成中心に比べ周辺部の方がスライス厚が厚くなるので、列方向フィルタ係数を中心部と周辺部で変化させて、列方向フィルタ係数を中心部チャネル近辺では列方向フィルタ係数の幅を広く変化させると、周辺部チャネル近辺では列方向フィルタ係数の幅をせまく変化させると、スライス厚は周辺部でも画像再構成中心部でも一様に近くすることもできる。
このように、多列X線検出器24の中心部チャネルと周辺部チャネルの列方向フィルタ係数を制御してやることにより、スライス厚も中心部と周辺部で制御できる。列方向フィルタでスライス厚を弱干厚くすると、アーチファクト、ノイズともに大幅に改善される。これによりアーチファクト改善具合、ノイズ改善具合も制御できる。つまり、3次元画像再構成された断層像つまり、xy平面内の画質が制御できる。また、その他の実施例として列方向(z方向)フィルタ係数を逆重畳(デコンボリューション)フィルタにすることにより、薄いスライス厚の断層像を実現することもできる。
ステップS5では、再構成関数重畳処理を行う。すなわち、フーリエ変換し、再構成関数を掛け、逆フーリエ変換する。再構成関数重畳処理S5では、zフィルタ重畳処理後のデータをD12とし、再構成関数重畳処理後のデータをD13、重畳する再構成関数をKernel(j)とすると、再構成関数重畳処理は以下の数式(7)のように表わされる。
つまり、再構成関数kernel(j)は検出器の各j列ごとに独立した再構成関数重畳処理を行なえるため、各列ごとのノイズ特性、分解能特性の違いを補正できる。
ステップS6では、再構成関数重畳処理した投影データD13(view,j,i)に対して、3次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(x,y)を求める。画像再構成される画像はz軸に垂直な面、xy平面に3次元画像再構成される。以下の再構成領域Pはxy平面に平行なものとする。この3次元逆投影処理については、図5を参照して後述する。
ステップS7では、逆投影データD3(x,y,z)に対して画像フィルタ重畳、CT値変換などの後処理を行い、断層像D31(x,y)を得る。
後処理の画像フィルタ重畳処理では、3次元逆投影後の断層像をD31(x,y,z)とし、画像フィルタ重畳後のデータをD32(x,y,z)、画像フィルタをFilter(z)とすると、以下の数式(8)のようになる。
つまり、検出器の各j列ごとに独立した画像フィルタ重畳処理を行なえるため、各列ごとのノイズ特性、分解能特性の違いを補正できる。
得られた断層像はモニタ6に表示される。
図5は、3次元逆投影処理(図4のステップS6)の詳細を示すフロー図である。
本発明では、画像再構成される画像はz軸に垂直な面、xy平面に3次元画像再構成される。以下の再構成領域Pはxy平面に平行なものとする。
ステップS61では、断層像の画像再構成に必要な全ビュー(すなわち、360度分のビュー又は「180度分+ファン角度分」のビュー)中の一つのビューに着目し、再構成領域Pの各画素に対応する投影データDrを抽出する。
図6(a)(b)に示すように、xy平面に平行な512×512画素の正方形の領域を再構成領域Pとし、y=0のx軸に平行な画素列L0,y=63の画素列L63,y=127の画素列L127,y=191の画素列L191,y=255の画素列L255,y=319の画素列L319,y=383の画素列L383,y=447の画素列L447,y=511の画素列L511を列にとると、これらの画素列L0〜L511をX線透過方向に多列X線検出器24の面に投影した図7に示す如きラインT0〜T511上の投影データを抽出すれば、それらが画素列L0〜L511の投影データDr(view,x,y)となる。ただし、x,yは断層像の各画素(x,y)に対応する。
X線透過方向は、X線管21のX線焦点と各画素と多列X線検出器24との幾何学的位置によって決まるが、X線検出器データD0(view,j,i)のz座標z(view)がテーブル直線移動z方向位置Ztable(view)としてX線検出器データに添付されて判っているため、加速・減速中のX線検出器データD0(view,j,i)でもX線焦点、多列X線検出器のデータ収集幾何学系の中において、X線透過方向を正確に求めることが出来る。
なお、例えば画素列L0をX線透過方向に多列X線検出器24の面に投影したラインT0のように、ラインの一部が多列X線検出器24のチャネル方向の外に出た場合は、対応する投影データDr(view,x,y)を「0」にする。また、z方向の外に出た場合は投影データDr(view,x,y)を補外して求める。
かくして、図8に示すように、再構成領域Pの各画素に対応する投影データDr(view,x,y)を抽出できる。
図5に戻り、ステップS62では、投影データDr(view,x,y)にコーンビーム再構成加重係数を乗算し、図9に示す如き投影データD2(view,x,y)を作成する。
ここで、コーンビーム再構成加重係数w(i,j)は以下の通りである。ファンビーム画像再構成の場合は、一般に、view=βaでX線管21の焦点と再構成領域P上(xy平面上)の画素g(x,y)とを結ぶ直線がX線ビームの中心軸Bcに対してなす角度をγとし、その対向ビューをview=βbとするとき、以下の数式(9)のようにな示される。
βb=βa+180°−2γ ・・・(9)
再構成領域P上の画素g(x,y)を通るX線ビームとその対向X線ビームが再構成平面Pとなす角度を、αa,αbとすると、これらに依存したコーンビーム再構成加重係数ωa,ωbを掛けて加算し、逆投影画素データD2(0,x,y)を求める。ここでは、以下の数式(10)のように示される。
D2(0,x,y)=ωa・D2(0,x,y)_ a+ωb・D2(0,x,y)_ b ・・・(10)
ただし、D2(0,x,y)_aはビューβaの投影データ、D2(0,x,y)_bはビューβbの投影データとする。
なお、コーンビーム再構成加重係数の対向ビーム同士の和は、以下の数式(11)で示される。
ωa+ωb=1 ・・・(11)
コーンビーム再構成加重係数ωa,ωbを掛けて加算することにより、コーン角アーチファクトを低減することが出来る。
例えば、コーンビーム再構成加重係数ωa,ωbは、次式により求めたものを用いることが出来る。
なお、gaはビューβaの加重係数、gbはビューβbの加重係数である。
ファンビーム角の1/2をγmaxとするとき、以下の数式(12)〜(17)のように示される。
ここでは、例えば、q=1とする。
また、例えば、ga,gbの1例として、max[ ]を値の大きい方を採る関数とすると、以下の数式(18),(19)のように示される。
また、ファンビーム画像再構成の場合は、更に距離係数を再構成領域P上の各画素に乗算する。距離係数はX線管21の焦点から投影データDrに対応する多列X線検出器24の検出器列j,チャネルiまでの距離をr0とし、X線管21の焦点から投影データDrに対応する再構成領域P上の画素までの距離をr1とするとき、(r1/r0)2である。
また、平行ビーム画像再構成の場合は、再構成領域P上の各画素にコーンビーム再構成加重係数w(i,j)のみを乗算すればよい。
ステップS63では、図10に示すように、予めクリアしておいた逆投影データD3(x,y)に、投影データD2(view,x,y)を画素対応に加算する。
ステップS64では、断層像の画像再構成に必要な全ビュー(すなわち、360度分のビュー又は「180度分+ファン角度分」のビュー)について、ステップS61〜S63を繰り返し、図10に示すように、逆投影データD3(x,y)を得る。
なお、図11(a),(b)に示すように、再構成領域Pを512×512画素の正方形の領域とせずに、直径512画素の円形の領域としてもよい。
以上に多列X線検出器またはフラットパネルX線検出器に代表されるマトリクス構造の2次元X線エリア検出器を用いたX線CT装置の構成、およびその動作を示した。また、光学カメラ40の取り付けられたX線CT装置の構成、およびその基本的な動作を示した。以下にはこれらの装置を用いた本発明のいくつかの実施例を示す。
実施例1 : X線CT装置の3次元表示断層像の外観表面に光学画像を貼る例。
実施例2 : 被検体外観形状情報に基いて、X線CT装置の被検体と走査ガントリの干渉制御を行う例。
実施例3 : 被検体外観形状情報に基いて、X線CT装置の撮影条件を最適化する例。
実施例4 : 時系列に変化する被検体外観形状情報に基いて、被検体の生体信号を抽出し、その生体信号に同期したX線CT装置の撮影を行う例。
実施例1においては、X線CT装置の3次元表示断層像の外観表面に光学画像を貼る例を示す。この実施例1の用途の1例としては、CT透視撮影(CTフルオロ撮影)を用いて穿刺などを行う際に、被検体の外観位置と被検体内部の腫瘍などの位置を確認した上で穿刺を行う例がある。実施例1により、CT透視撮影の穿刺の確実さが向上する。
この場合に、あらかじめ光学カメラ40を用いて得られた3次元の被検体領域に貼り付けた外観表面画像をX線CT装置による断層像の3次元表示画像に貼り付けることにより、被検体の外観位置と被検体内部の位置の確認が行える。つまり、穿刺の前に被検体表面に付けたマジックペンなどによる印と被検体内部の腫瘍の位置を確認しておいた後に穿刺を行える。これにより穿刺針を確実に目的の腫瘍の位置に導くことができる。
以下に、図12に示す外観形状計測の画像再構成のフロー図に従い、図13に示す実施例の概要図を説明する。
ステップB1では、ビュー番号をiとする。
ステップB2では、被検体の光学画像C(x,y)を入力する。走査ガントリ20に取り付けられた光学カメラ40により、あるビュー角度における光学視点におかれた光学カメラにより、光学画像を入力する。
ステップB3では、光学画像の幾何歪補正を行う。光学画像において、あらかじめ収集しておいた幾何歪較正データに基づいて幾何歪補正を行う。
ステップB4では、被検体の輪郭抽出を行う。幾何歪補正を行った光学画像から被検体の背景と被検体とクレードルを認識し、被検体の輪郭のみを抽出する。
ステップB5では、被検体の穴埋め処理を行う。被検体の存在する所を“1”、被検体の存在しない所を“0”とした2値画像の被検体存在領域2次元画像を作る。
ステップB6では、光学視点を頂点とした第iビュー方向の被検体存在領域を3次元アフィン変換で逆投影する。光学視点を錐の頂点とした被検体存在領域3次元画像を作る。
ステップB7では、3次元アフィン変換で回転し、光学視点方向に被検体存在領域の向きを合わせる。つまり、被検体存在領域3次元画像を光学視野方向に合わせるように3次元アフィン変換する。
ステップB8では、3次元画素間論理積演算により、光学逆投影を行う。各々光学視点方向に合った被検体存在領域3次元画像の3次元論理積を求めて、被検体存在領域を絞り込む。
ステップB9では、全ビューのデータ収集終了かを判断する。YESであればステップB11へ、NOであればステップB10へ行く。
ステップB10では、i=i+1とする。
以上の処理を全ビューに繰り返すことにより、外観画像による3次元の被検体領域を求めることができる。
ステップB11では、ステップB10までで得られた外観画像による3次元の被検体領域に外観表面画像を貼り付けるかを判断する。YESであればステップB12へ、NOであれば終了する。
ステップB12では、外観表面画像貼り付け処理を行う。
以下に、図16(c)に基づいて、幾何歪補正の説明を行う。
ステップG1では、画像入力を行う。
ステップG2では、2次元座標変換を行う。
光学カメラ40により入力される光学画像の幾何歪補正では、一般的に以下の数式(20)に示すような変換式となる。
通常、2次多項式の座標変換で光学カメラの幾何歪補正は充分である。
ステップG3では、画像出力を行う。
次に、図17に基づいて、輪郭抽出処理の説明を行う。
図17においては、ステップC1からステップC4までが図12のステップB4の被検体領域の輪郭抽出に当たり、ステップC5は図12のステップB5の被検体領域の穴埋め処理にあたる。
ステップC1では、幾何歪補正後、画像入力を行う。カラー画像としてはRGB成分に分解された画像を入力する。
ステップC2では、クレードル部、マイラ部、走査ガントリ部の認識を行う。カラー画像として入力された画像からクレードル部、マイラ部、走査ガントリ部の色相、彩度に相当し、照明のバラツキによる明度がある程度範囲を持った領域をRGB空間の領域に変換する。図18に示すように、明度、彩度、色相、空間は1対1でRGB空間に対応できる。
ステップC3では、クレードル部、マイラ部、走査ガントリ部の領域除去、被検体領域抽出を行う。カラー画像部分からクレードル部、マイラ部、走査ガントリ部を抽出し、残った領域が被検体領域の候補となる。
ステップC4では、被検体領域の輪郭ノイズ除去を行う。抽出されたカラー画像の被検体領域を白黒の2値画像化し、“0”と“1”の2値画像に変換する。またこの段階では輪郭がノイズにより輪郭が充分滑らかでないため、“1”を被検体領域とすると、収縮論理フィルタを数回走査後に膨張論理フィルタを数回走査し、被検体領域の輪郭のノイズを除去し、輪郭を滑らかにする。
ステップC5では、被検体領域の穴埋め処理を行う。
なお、ステップC5の輪郭領域の穴埋め処理は図19のような流れになる。
ステップF1では、輪郭の2値画像入力を行う。
ステップF2では、“1”,“0”反転(白黒反転)処理を行う。
ステップF3では、領域番号付け処理(ラベリング処理)を行う。
ステップF4では、背景部分の領域番号“1”のみ抽出を行う。
ステップF5では、“1”,“0”反軸(白黒反転)処理により穴埋め画像抽出を行う。
これにより、輪郭領域の穴埋め処理が行える。
図12のステップB6に戻ると、第iビューにおいて、光学視点を頂点とした錐状の形状をした被検体存在領域を3次元アフィン変換して作る。図22のフロー図に沿ってその処理を説明する。
まずステップA1においては、穴埋めされた輪郭領域は光学視点方向に対して垂直なxz平面にあるかを判断し、NOならばステップA2へ、YESならばステップA3へ行く。
ステップA2においては、穴埋めされた輪郭領域を光学視点方向に垂直なxz平面に射影する。図21(a)に示すように、光学視点方向をy軸方向に取る。この場合に、穴埋めされた輪郭領域がxz平面になるようにする。もし、穴埋めされた輪郭領域がxz平面にない場合は、図20のように、穴埋めされた輪郭領域の元の座標系をx’y’平面とし、穴埋めされた輪郭領域の射影された座標系をxz平面とし、光学視点の中心線がx’y’平面と交わる点を(x’0,z’0)、光学視点の中心線がxy平面と交わる点を(x0,z0)とすると、以下の数式(21)のように示される。
ただし、c1,c2は定数の係数とする。
ステップA3においては、被検体存在領域が光学視点を錐の頂点とした錐状の形状になるように、y軸方向に被検体存在領域を倍率変化させながら伸ばす。つまり、xz平面に平行なy軸座標の異なった平面に穴埋めされた輪郭領域を3次元アフィン変換してy軸方向に伸ばす。
図21(b)に示すように、平面xzである平面ynに存在する穴埋めされた輪郭領域をΔyだけy軸方向の上にあるxz平面と平行な平面yn−1に3次元アフィン変換する。
平面yn上の座標を(xn,zn)とし、平面yn−1上の座標を(xn−1,zn−1)とすると、以下の数式(22)のように示される。
平面yn上の座標を(xn,zn)とし、平面yn−1上の座標を(xn−1,zn−1)とすると、以下の数式(22)のように示される。
つまり、以下の数式(23)のように示される。
ただし、以下の数式(24)を満足するようにする。
またステップA4においては、y軸方向に錐状に伸ばされた穴埋めされた輪郭領域を被検体存在領域とし、X線データ収集系のxyz空間において、光学視点方向を本来の方向に合わせるように3次元アフィン変換する。つまり、ステップA3で求められた光学データ収集系座標系にある被検体存在領域をX線データ収集系座標系にして回転させる。
光学データ収集系座標系の点を(X,Y,Z)とし、X線データ収集系座標系の点を(x,y,z)とし、x軸からθ度傾いた光学視点方向に回転させるとすると、以下の数式(25)に示される。
上記の図22のステップA1からA3が図12のステップB6に相当し、図22のステップA4が図12のステップB7に相当する。
また、図12のステップB8は図25のようになる。
ステップBP1では、第iビューの光学視点方向に3次元アフィン変換された被検体存在領域を入力する。
ステップBP2では、第i−1ビューまでに光学逆投影された被検体存在領域を入力する。
ステップBP3では、第iビューの被検体存在領域と第i−1ビューまでに光学逆投影された被検体存在領域との3次元画素間論理積処理を行い、その結果を第iビューまでの被検体存在領域とする。
つまり、第i−1ビューまでの被検体存在領域をSi−1、第iビューまでの被検体存在領域をSi、第iビューにおける被検体存在領域をVi とすると、Si=Si−1∩Vi となる。ただし、∩は3次元論理積演算を示す。
つまり、Si−1の各画素値をsi−1(x,y,z)、Siの各画素値をsi(x,y,z)、Viの各画素値をvi(x,y,z)とすると、si(x,y,z)=si−1(x,y,z) AND vi(x,y,z)となる。ただし、ANDは論理積演算を示す。
ステップB9,B10では、上記のステップB1からステップB8までの光学逆投影処理を全ビューについて行い、被検体存在領域を3次元領域として絞り込む。
ステップB11において、外観表面画像を貼り付けると判断した場合は、ステップB12において、3次元領域の被検体存在領域に外観表面画像を貼り付ける。
図26に示すように、光学視点1,2,3の各光学視点において、光学画像の視野角βのうち、幾何歪の小さい中心部の視野角αの光学画像をz方向に同じ視野角α分を一定に抽出する。視野角α分だけ抽出された各光学視点の光学画像は図27のように、各z方向位置の被検体領域の輪郭部のうち、各光学視点の中心部の視野角αに相当する部分に外観表面画像を貼り付ける。これを全光学視点について行う。外観表面画像を貼り付ける各光学視点の中心部の視野角αは各z方向位置において、各々の視野角αで貼り付けられる被検体の輪郭部分の両端がオーバーラップするように選ぶ必要がある。被検体の輪郭線である表面部分において、各光学視点の外観表面画像を貼り付ける際にオーバーラップしてしまう部分については、図28で示すように、処理1または処理2が考えられる。
(処理1)後から貼り付ける光学視点の視野角α内の外観画像を優先して貼り付ける。
(処理2)各光学視点の外観光学画像のオーバーラップ部分は、以下の数式(26),(27),(28)に示すように、加重係数により加重加算してオーバーラップさせる。処理2において被検体の輪郭線上に沿った座標をsとし、第iビューの外観画像をR成分画像をRi(s,z)、G成分画像をGi(s,z)、B成分画像をBi(s,z)とし、第i+1ビューの外観画像をR成分画像をRi+1(s,z)、G成分画像をGi+1(s,z)、B成分画像をBi+1(s,z)とし、最終的な外観光学画像をR成分画像をR(s,z)、G成分画像をG(s,z)、B成分画像をB(s,z)とすると、第iビューの外観光学画像の加重係数Wi(s)、第i+1ビューの外観光学画像の加重係数Wi+1(s)に対し、以下のように加重係数をかけて、第iビューの外観画像から第i+1ビューの外観画像に滑らかに連続的に画像をつなげることができる。
R(s,z)=Wi(s)・Ri(s,z)+Wi+1(s)・Ri+1(s,z) ・・・(26)
G(s,z)=Wi(s)・Gi(s,z)+Wi+1(s)・Gi+1(s,z) ・・・(27)
B(s,z)=Wi(s)・Bi(s,z)+Wi+1(s)・Bi+1(s,z) ・・・(28)
ただし、Wi(s)+Wi+1(s)=1とする。これにより、外観画像のつなぎ目の不自然観は低減される。このようにして、3次元領域の被検体領域に外観光学画像を360度全周方向に貼り付けられる。
外観光学画像が貼り付けられた3次元被検体領域をX線CT装置の断層像から作られた3次元表示画像にオーバーラップまたは加算することで、X線CT装置の断層像の3次元表示に外観光学画像を貼り付けた3次元表示が実現できる。
なお、本発明では、被検体の外観画像を外観光学画像から光学逆投影された被検体の3次元領域に貼り付けているが、X線CT装置の断層像の3次元表示から求めた被検体の3次元領域に外観光学画像を貼り付けても同様な効果を出すことができる。
また通常、断層像の3次元表示の表面部分には、表面の凹凸に応じた陰影表示が行われている。外観光学画像を貼り付けた3次元表示の表面に陰影表示を加えることにより、よりリアルな表示感を出すこともできる。
例えば、従来、CT透視撮影(CTフルオロ撮影)においては、図48に示すように、あらかじめ被検体の体表面にz方向に沿っていくつかプラスチック片などのX線にも写る目印を貼っておき、z方向に連続して複数枚断層像を撮影し、穿刺したい位置とプラスチック片の位置関係を知りながら、体表面の穿刺位置をプラスチック片の位置から予測して穿刺を行っていた。このため、プラスチック片を貼る手間や目測でプラスチック片の位置関係から穿刺位置を予測する不正確さなどが問題であった。
本実施例によると、例えば初めにz方向に連続断層像を撮影しておき、穿刺位置を定める。その後にマジックなどで被検体の体表面に光学的に見える印を付けるだけで、体表面の外観光学画像を随時断層像の3次元画像の表面部分に貼り付けて行くと、体表面の外観光学画像と断層像が同時に見れて、その印が穿刺位置にふさわしいかがすぐ判定できる。このように、簡単なマーキングと体表面の外観光学画像と断層像の合成された画像をチェックするだけで、正しい穿刺位置がすぐ見つけられる。
実施例2においては、被検体の外観形状情報に基いてX線CT装置の被検体と走査ガントリの干渉制御を行う例を示す。
図29に示すように、被検体を走査ガントリ20の開口部に入れて行き、撮影位置を示すスライスライトにより被検体の位置決めを行う。
図30にその流れを示す。
ステップP1では、被検体の初期位置決めを行い、被検体を走査ガントリ20の開口部に入れ、おおまかに位置決めを行う。
ステップP2では、走査ガントリ回転部15の回転を行う。これにより、光学カメラ40もともに回転する。
ステップP3では、光学カメラ40により被検体の360度方向の光学画像入力を行う。
ステップP4では、被検体存在領域の3次元領域の計測を行う。この時、被検体存在領域の3次元領域を計測するには、実施例1の図12のフロー図のステップB1からステップB9までの処理と同様の処理を行うことにより、被検体存在領域を求めることができる。
ステップP5では、被検体のX線CT撮影位置への移動を行う。
ステップP6では、被検体と走査ガントリ20が干渉するかをチェックし、YESであればステップP7へ、NOであればステップP6を繰り返す。この時には、走査ガントリ20内の空間に存在する被検体の領域が光学画像から求められた3次元領域として把握されているので、撮影テーブル10およびクレードル12がy方向、z方向にどのくらいの距離を動いたかで、被検体存在領域が走査ガントリ20に干渉するか否かが実時間(リアルタイム)でチェックできる。
ステップP7では、被検体が走査ガントリ20に干渉したことをステップP6の処理で検知し、撮影テーブルの停止を行う。
ステップP8では、別の方向へ被検体を移動させて、新たなX線CT撮影位置へ移動させる。
ステップP9では、被検体位置決め完了をチェックし、YESであれば終了し、NOであればステップP6へ戻る。
以上により、被検体の位置決め時に被検体と走査ガントリ20の干渉チェックを行うことができる。
実施例3においては、被検体外観形状情報に基いて、X線CT装置の撮影条件を最適化する例を示す。
この場合は、被検体の撮影条件を設定する際に、あらかじめ光学カメラ40を用いて得られた3次元の被検体領域の3次元幾何学形状、および3次元位置に基いて下記に示す(1)から(6)の撮影条件を定めることができる。
(1)z方向の各位置の撮影表示視野サイズ
(2)z方向の各位置の撮影テーブル高さ
(3)z方向の各位置の撮影視野サイズ
(4)z方向の各位置のX線電力値またはX線管電流値
(5)z方向の各位置のヘリカルスキャンピッチ
(6)z方向の各位置の走査ガントリ回転速度
(2)z方向の各位置の撮影テーブル高さ
(3)z方向の各位置の撮影視野サイズ
(4)z方向の各位置のX線電力値またはX線管電流値
(5)z方向の各位置のヘリカルスキャンピッチ
(6)z方向の各位置の走査ガントリ回転速度
例えば、(1)z方向の各位置の表示視野サイズを最適化する場合で、あるz方向の位置の断層像を必ず表示視野サイズに入れて表示したいとする。外観光学画像から求められた3次元の被検体領域より図32に示すように、z方向座標の各位置における被検体のy座標の最大座標値ymax(z),y座標の最小座標値ymin(z)が求められる。同様にz方向座標の各位置における被検体のx座標の最大座標値xmax(z),x座標の最小座標値xmin(z)も求められる。これらの被検体の各x,y方向の最大座標値,最小座標値より、以下に示す(i),(ii)のように、(i),(ii)のいずれかの円形の撮影表示視野を各z方向位置の撮影条件として設定できる。
(i) (xmin(z),ymin(z)),(xmin(z),ymax(z)),(xmax(z),ymax(z)),(xmax(z),ymin(z))の4点で定まる矩形が入る大きさ、および位置の円形の撮影表示視野。
(ii) (ymin(z),ymax(z))を楕円の1つの長径または短径、(xmin(z),xmax(z))を楕円のもう1つの長径または短径とした楕円が入る大きさ、および位置の円形の撮影表示視野。
なお、z方向のある範囲に渡って断層像撮影を行う場合は、その範囲内のすべての矩形および楕円が入るように、撮影表示視野サイズおよびそのxy平面内の位置を決めれば良い。
また、図33に示すように、3次元の被検体領域のz方向の各位置における断面形状が入るように撮影表示視野サイズ、およびそのxy平面内の位置を決めてもよい。なお、z方向のある範囲に渡って断層像撮影を行う場合は、その範囲内のすべての断面形状が入るように表示視野サイズおよびその位置を決めれば良い。
このようにして、各z方向位置の撮影表示視野サイズが最適に定められる。
次に、(2)z方向の各位置の撮影テーブルの高さを最適化する場合は、被検体外観光学画像から求められた3次元の被検体領域の3次元幾何学形状および3次元位置に基いて、z方向の各部位を撮影する際に、撮影テーブルの高さを最適化して設定できる。これにより、被検体の被曝低減と断層像の画質の最適化が図れる。例えば図34に示すように、始めに被検体を位置決めした座標系をx,y,z軸とする。このx,y,z軸座標系で被検体の外観光学画像を用いて3次元の被検体領域を求め、各z座標位置における各部位の撮影位置の最適化、つまり、撮影テーブル10、クレードル12のy方向の高さを撮影視野内において最適化する。この場合の最適化は、被検体の被曝量と画質の最適化の観点から行われる。本実施例のX線CT装置では、図1,図2に示したように、X線管21で発生したX線はコリメータ23、X線ビーム形成フィルタ28を通って被検体を透過し、多列X線検出器24でX線が検出される。
ここで、X線ビーム形成フィルタ28は被検体の体表面の被曝を少なくするように撮影中心である回転中心でフィルタの厚さが最も薄く、周辺部に行くに従いフィルタの厚さが厚くなり、X線をより吸収するようになっているX線フィルタであるため、最適な画質にするには被検体を撮影視野の中心に置き、被検体のX線透過経路長の長い部分、つまり、断面形状の中心を撮影中心である回転中心に持って来ればよい。また、この場合にはX線ビーム形成フィルタ28が周辺部に行くに従いフィルタの厚さが厚くなり、X線をより吸収するようになっているため、被検体の体表面の被曝線量も押さえることができる。このため、図34に示すように、図のxyz軸に被検体が位置決めされた場合、頸部は頸部の断面の中心がほぼxy平面の原点付近にあるので好ましい撮影位置にあると言える。この場合は走査ガントリ20の座標系をXY平面とすると、回転中心であるXY平面の原点をxy平面の原点と合わせて撮影するように、撮影テーブル10、クレードル12を位置あわせするのが頸部にとっての最適な撮影位置となる。
しかし、図34の腹部の場合は、腹部の断面の中心がxy平面の原点付近になく、高さyABだけ上にずれた位置にある。このため、被検体の被曝低減および画質の最適化を考えると、走査ガントリ20の座標系XY平面の原点である走査ガントリの回転中心をxy平面の原点より高さyABだけ上に持ってくる必要がある。つまり、xy平面の原点より高さyABだけ上の位置に走査ガントリ20の回転中心であるXY平面の原点を持ってくるように、撮影テーブル10,クレードル12を位置合わせするのが最適な撮影位置となる。
このように、各部位をコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンまたはヘリカルスキャンする場合には、被検体の被曝低減および画質の最適化を考えると、各部位の断面の中心を走査ガントリ20の回転中心に持ってくるように撮影条件を設定すれば良い。
次に、(3)z方向の各位置の撮影視野サイズを最適化する場合は、被検体外観光学画像から求められた3次元の被検体領域の各z方向位置の断面積、およびその形状に基づいて撮影視野サイズが定められる。通常、X線CT装置には複数のX線ビーム形成フィルタ28があり、撮影視野サイズに対応したX線ビーム形成フィルタ28が選択できるようになっている。図35に示すように、撮影視野サイズに応じた適切なX線ビーム形成フィルタがあり、適切な撮影視野サイズを選択すると適切なX線ビーム形成フィルタ28が選択され、被検体の被曝低減と断層像の画質の最適化が図れる。
また、この撮影視野サイズの最適化、X線ビーム形成フィルタ28の最適化を行うとともに、前途の撮影テーブルの高さの最適化も行うことにより、被検体の被曝低減効果、断層像の画質改善効果は更に最適化される。
次に、z方向の各位置のX線電力値またはX線管電流値を最適化する場合は、被検体の外観光学画像から求められた3次元の被検体領域の各z方向位置の断面積、およびその幾何学的特徴パラメータにより、各z方向位置の最適なX線電力値またはX線管電流値が定まる。
図36のように最適管電流値テーブルを求め、それに従って最適なX線管電流値で撮影が行える。
ステップAM1では、被検体の外観光学画像を収集し、光学画像再構成して3次元被検体領域を画像再構成を行う。この時の被検体存在領域の3次元計測を行うには、実施例1の図12のフロー図のステップB1からステップB9までの処理と同様の処理を行い、3次元被検体存在領域を求めることができる。
ステップAM2では、スキャン撮影条件設定を行う。各部位に応じた撮影条件を設定する。この時に設定される撮影条件の1つに、「断層像のCT値の標準偏差の目標値であるノイズインデックスを設定する。
ステップAM3では、スカウト像の各z軸座標のプロファイル分布よりプロファイル面積、プロファイル楕円近似の長径/短径比率などの幾何学的特徴パラメータ測定を行う。図37にスカウト像のプロファイル分布の例を示す。X線によるスカウト像から得られるプロファイル分布の場合は、被検体の内部のX線吸収体の様子も反映したプロファイル分布になるが、本発明の場合は被検体の外観画像から得られた3次元被検体存在領域に基いたプロファイル分布である。このため、被検体内部のX線吸収体の様子は反映されていない。これによるプロファイル分布の誤差を小さくするために、あらかじめ各部位ごとの平均密度または平均X線線吸収係数の情報を知っておき、これによりプロファイル分布を補正する。例えば、被検体の外観画像から得られた3次元被検体存在領域に基いた胸部のプロファイル分布をProf(x,z)とし、胸部の平均X線線吸収係数に基いた補正係数をChest(z)とする。ただし、zは体軸方向、xは走査ガントリ20の水平面方向とする。この時に補正された胸部のプロファイル分布Corprof(x,z)は以下の数式(29)のように求められる。
なお、Chest(z)をx方向にも詳細にあらかじめ知っておき、Chest(x,z)としておき、プロファイル分布Prof(x,z)のx方向の広がりを考慮してChest(x,z)をx方向に広げたり、縮小したりして補正した後にProf(x,z)にかけることも考えられる。
ステップAM4では、断層像のCT値の標準偏差値の目標値であるノイズ・インデックスに依存し、ステップAM3のスカウト像の各z座標のプロファイル分布の幾何学的特徴パラメータにより、各z座標の管電流値テーブルを計算する。
ステップAM5では、ステップP5の管電流値テーブルに従いスキャンデータ収集を行う。ここでは、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)、シネスキャン、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャンなどのスキャンが可能である。
ステップAM6では、断層像画像再構成を行う。
ステップAM7では、断層像画像表示を行う。
従来はスカウト像を収集した後にスカウト像の各z方向位置のプロファイル分布から各z方向位置の最適なX線電力値またはX線管電流値を求めていた。しかし、本発明では、外観光学画像による3次元被検体領域画像を用いて、各z方向位置の最適なX線電力値またはX線管電流値を求められ、スカウト像データ収集がなくなる分の被検体の被曝低減が実現できる。
次に、ヘリカルスキャン時におけるz方向の各位置のヘリカルピッチを最適化する場合は、被検体の外観像から求められた3次元の被検体領域画像の各z方向位置の断面の形状のz方向の変化具合により、各z方向位置の最適なヘリカルピッチを求める。これにより、z方向に変化の著しい部分によるアーチファクトを低減できるようにヘリカルピッチを最適化する。
つまり、z方向に変化の大きい部位ではヘリカルピッチはより遅く、z方向に変化の小さい部位ではヘリカルピッチはより速くすることでより最適なヘリカルピッチを設定できる。
次に、z方向の各位置における走査ガントリ回転速度を最適化する場合は、被検体の外観像から求められた3次元の被検体領域画像を時系列に連続して求めておき、その時間的変化の度合により、各z方向位置の最適なスキャン速度である走査ガントリ回転速度を求める。
つまり、時間的に変化が大きい動きのある部位ではスキャン速度である走査ガントリ回転速度をより速く、時間的に変化が小さい動きの少ない部位ではスキャン速度である走査ガントリ回転速度はそれほど速くなくても良いというように制御することで、より最適な走査ガントリ回転速度を設定できる。
なお、X線管電流値、ヘリカルピッチで定まる撮影時間、走査ガントリ回転速度で定まる撮影時間は、X線管の性能により制限される場合もある。このため、X線管電流値、撮影時間は両方を考慮して最適化する必要がある場合もある。
このように、実施例3においては、被検体外観形状情報に基いてX線CT装置の撮影条件の最適化を行える。また、被検体の被曝も低減、最適化が行える。
実施例4においては、時系列に変化する被検体外観形状画像に基いて被検体の生体信号を抽出し、その生体信号に同期したX線CT装置の撮影を行う例を示す。
ここでは、胸部の時系列3次元被検体外観形状画像に基いて呼吸信号を求める例を示す。
図38には、被検体の時系列外観光学画像から求められた3次元領域画像による呼吸信号を求める場合の実施例を示す。
ステップR1では、被検体の時系列外観画像を収集を行う。これは実施例1の図12のステップB1からステップB2までの処理と同様の処理を行う。
ステップR2では、被検体外観画像を光学画像再構成を行う。これは実施例1の図12のステップB3からステップB8までの処理と同様の処理を行う。
ステップR3では、必要な時間分の時系列被検体外観画像を収集したかをチェックし、YESであればステップR3へ行き、NOであればステップR1へ戻る。
ステップR4では、時系列3次元被検体領域画像を入力を行う。上記ステップR1からR3までの処理で得られた時系列3次元被検体領域画像を入力する。
ステップR5では、各3次元被検体領域画像より胸部の体積測定を行う。被検体の胸部の3次元領域画像より、体積測定を行うための3次元画像処理は後述する。
ステップR6では、時系列の胸部体積測定値より呼吸信号を測定を行う。ステップR5で測定された被検体の胸部体積の時間変化を図41に示す。図41の被検体の胸部体積の時間変化こそが被検体の呼吸信号となる。図41では呼吸信号の周期がTRSとなり、吸気時の最大体積がVmax,排気時の最小体積がVminとなる。
以下には、ステップR5における被検体の胸部の3次元領域画像の体積測定を行うための3次元画像処理および計測について、図40のフロー図を用いて説明する。
ステップV1では、被検体胸部3次元領域の画像の時系列画像の入力を行う。
ステップV2では、3次元領域2値化を行う。
ステップV3では、3次元ラベリング(領域番号付)を行う。これにより、3次元連続領域ごとにラベル番号(領域番号)が付けられる。なお、3次元ラベリング装置およびその方法に関する3次元領域番号付の技術については、特許出願2001−323655、特許公開2003−141548、3次元ラベリング装置及びその方法を参照することができる。
ステップV4では、各ラベル番号(領域番号)の3次元ヒストグラム測定を行う。つまり、各3次元連続領域ごとの画素数であるヒストグラム頻度を測定することで、各3次元連続領域の体積測定が行える。図に示したラベル番号“1”,“3”,“4”の領域は被検体以外のノイズ領域を示している。
ステップV5では、最大ヒストグラム頻度の領域、つまり最も体積の大きい領域がノイズ領域ではなく、被検体胸部の体積であるとする。
以上に、被検体の時系列外観光学画像から求められた被検体の3次元領域画像による呼吸信号を求める実施例を説明した。
また、この実施例を応用し、臨床上により具体的な実施例とすると、X線CT装置では、呼吸信号に同期させた撮影を行う場合があり、上記の呼吸信号測定を用いた呼吸信号によるX線CT装置の同期撮影の実施例を図39のフロー図を用いて説明する。
ステップRS1では、呼吸同期したX線撮影条件の入力を行う。例えば、「最大呼気の何%から何%の範囲であればX線CT装置の撮影を行う。」などの条件設定で呼吸同期の条件設定とする。この設定をX線撮影条件入力に加えておく。
ステップRS2では、被検体の時系列外観画像を収集を行う。
ステップRS3では、被検体外観画像を光学画像再構成し、3次元被検体領域画像取得を行う。
ステップRS4では、3次元被検体領域画像より胸部の体積測定を行う。X線CT装置撮影前にあらかじめ呼吸信号を測定しておく。必要に応じて図42のように、X線CT装置撮影条件入力画面に呼吸信号をリアルタイム(実時間)で表示してもよい。なお、このためには走査ガントリ20の回転部15は回転し、光学カメラ40は画像入力を行うものとする。
ステップRS5では、撮影条件を満たした呼吸位相に来たかをチェックし、YESであればステップRS6へ行き、NOであればステップRS1へ戻る。ステップRS2からステップRS4までの処理で求めた呼吸信号で、あらかじめ数周期分の呼吸信号を測定しておき、図41のように呼吸信号の周期TRS,吸気時の最大体積Vmax,排気時の最小体積Vminを求めておく。
撮影条件設定において、「最大呼気のRA%からRB%の範囲であればX線CT装置の撮影を行う。」となっていた場合は、以下の数式(30),(31)に示されるように、「体積VAからVBの範囲であればX線CT装置の撮影を行う。」ということになる。
ステップRS6では、撮影条件で設定された呼吸信号の範囲内(呼吸位相範囲内)にあるとして、X線投影データの収集を行う。
ステップRS7では、X線投影データ収集中も撮影条件を満たした呼吸位相にあるかをチェックし続ける。YESであればステップRS8へ、NOであればステップRS1へ戻り、再び呼吸位相が条件を満たすまで待つ。
ステップRS8では、呼吸位相が条件を満たしているとして、X線投影データ収集を継続して行う。
ステップRS9では、収集したX線投影データを画像再構成する。
ステップRS10では、断層像画像表示を行う。
なお、ステップRS7において、X線投影データ収集中に呼吸位相が条件を満たさなくなり、X線投影データ収集を中断した場合は図43のように、X線投影データ収集開始したビュー角度をθ1、X線投影データ収集中断したビュー角度をθ2とすると、ビュー角度θ1からθ2の間のX線投影データが収集できており、ビュー角度θ2からθ1の間のX線投影データが収集できていない。
このため、X線データ収集を再開させるタイミングは、呼吸位相が条件を満たした後に、走査ガントリ20の回転部15がビュー角度θ2に来た時からにすると、無駄な投影データを収集せずに済んで被検体のX線被曝低減が行える。
以上のX線CT装置100によれば、X線CT装置の撮影条件の設定を、外観形状情報に基いて行えるX線CT装置を実現できる。
また、外観形状情報に基いて、被検体と走査ガントリの干渉制御を行えるX線CT装置を実現できる。
また、断層像の3次元表示画像の外観表面部分に外観像を貼り、被検体の外観と内部の様子とを対応付けできるX線CT装置を実現できる。
また、被検体の時系列外観光学画像から被検体の生体信号を抽出できるX線CT装置を実現できる。
上記のように、本発明にかかる各実施例のX線CT装置100においては、被検体の周囲を回転するようにX線を被検体へ放射し、その被検体を透過したX線を検出するスキャンを走査ガントリ20が実施することによって投影データを取得した後に、その走査ガントリ20によって実施されるスキャンにより得られる投影データに基づいて、被検体のスライス画像を中央処理装置3が画像再構成する。また、実施例のX線CT装置100において、走査ガントリ20は、被検体の周囲を囲う複数の位置のそれぞれにおいて、その被検体の光学像を受光して光電変換することにより光学像データを得る光学カメラ40を含む。そして、中央処理装置3は、被検体の周囲を囲う複数の位置のそれぞれにおいて光学カメラ40によって得られた光学像データに基づいて、被検体の3次元的な外観に対応する外観光学画像を、その被検体の外観情報として算出する。具体的には、中央処理装置3は、被検体の外観形状の輪郭を抽出する輪郭抽出処理を光学像データに対して実施して2次元の輪郭画像を複数得た後に、その複数の輪郭画像のそれぞれを逆投影処理することによって、被検体の外観を3次元的に示すように外観光学画像を求める。さらに、上記の実施例のX線CT装置100において、中央処理装置3は、上記のようにして求めたスライス画像と外観光学画像とを位置合わせして合成する。ここでは、スライス画像において外観光学画像が得られた被検体の外観に対応する位置に、外観光学画像を貼り付けるように、スライス画像と外観光学画像とを合成する。
また、上記の実施例のX線CT装置100において、被検体の外観情報と、被検体をX線でスキャンする際の撮影条件とを対応付けて記憶装置7が記憶しており、中央処理装置3は、その記憶装置7が外観情報と撮影条件とを対応付けて記憶している情報に基づいて、上記のようにして求めた被検体の外観情報から、被検体をX線でスキャンする際の管電流などの撮影条件を設定して制御する。
このため、本実施例のX線CT装置100は、操作性を向上することができると共に、被曝線量の低減を実現することができる。
なお、本発明の実施に際しては、上記した実施例に限定されるものではなく、種々の変形例を採用することができる。
たとえば、画像再構成法は、従来公知のフェルドカンプ法による3次元画像再構成法でもよい。さらに、他の3次元画像再構成方法でもよい。または2次元画像再構成でもよい。
また、本実施例では、各列ごとに係数の異なった列方向(z方向)フィルタを重畳することにより、画質のばらつきを調整し、各列において均一なスライス厚、アーチファクト、ノイズの画質を実現しているが、これには様々なフィルタ係数が考えられるが、いずれも同様の効果を出すことができる。
本実施例は、医用X線CT装置を元に書かれているが、産業用X線CT装置または他の装置と組合わせたX線CT−PET装置,X線CT−SPECT装置などで利用できる。
本実施例1では、光学カメラ40が図15(a)のように走査ガントリ20の回転部15に付いて回転して360度方向からの被検体の光学画像を収集するとしたが、図15(b)のように、複数の光学カメラを走査ガントリ20の固定部に配置して360度方向からの被検体の光学画像を収集しても良い。
また、本実施例1では、幾何歪補正において2次の多項式の幾何歪補正式を用いたが、もっと高次の多項式の幾何歪補正式、近似的な簡単な1次多項式の幾何歪補正式、3角関数を用いた幾何歪補正式を用いても良い。
また、本実施例1では、被検体の輪郭抽出処理、または被検体の領域抽出処理において、光学画像としてカラー画像を用いたが、カラーの光学カメラ40ではなく白黒の光学カメラ40または赤外線による光学カメラ40などによる白黒画像により、被検体の輪郭抽出処理または領域抽出処理を行っても良い。この場合は必ず同じ位置に見えるマイラ部は常にマスキング処理で除去し、走査ガントリの背景は照明を調整してある明るさの範囲内に収めることで、2値化処理で被検体の輪郭抽出処理、領域抽出処理が行える。
また、本実施例1では、被検体の輪郭のノイズ除去処理を行っているが、被検体の輪郭が充分滑らかに抽出できていれば、この被検体輪郭ノイズ除去処理は必ずしも存在しなくても良い。
また、本実施例1では、被検体存在領域をある平面を底面として、その底面に垂直な錘状の形状にして作り、その後、その錘状の形状を光学視点方向に3次元アフィン変換をしているが、始めから光学視点方向に向いた錘状の形状として被検体存在領域を作っても良い。
また実施例1においては、光学逆投影処理において論理積演算を用いたが、加算処理を用いても被検体存在領域は存在確率の大きな領域となって3次元被検体領域として抽出することができる。更にある適切な閾値で2値化してやることで、論理積演算の場合とほぼ同じ3次元領域が抽出できる場合もある。
また実施例1においては、外観光学像から求めた3次元被検体領域、またはX線断層像による3次元表示から求めた3次元被検体領域に外観光学像を貼り付ける際に、全方向からの外観光学像を用いて貼り付けているが、必ずしも全方向からの外観光学像を貼る必要はなく、例えば、X線CT装置の操作者または手術や穿刺を行う術者が被検体を見る方向のみを貼り付けるだけでも充分効果がある場合もある。
また実施例2においては、被検体領域と走査ガントリ20との干渉をチェックしながら制御すると、実際に被検体領域の精度次第で被検体が走査ガントリ20に衝突してしまう場合がある。更に安全にするために得られた3次元被検体領域を、図44,図45,図46に示すような3次元論理フィルタの入力論理条件と注目画素の出力値で定められた膨張用3次元論理フィルタで適切な画素数分膨張させて余裕を持たせた3次元被検体領域を用いて、走査ガントリ20との干渉チェックを行ってもよい。この時の膨張用論理フィルタの処理の流れを示したのが、図47のフロー図である。この時は入力画像を512×512×256の3次元2値画像としている。また、画素の存在しない512×512×256の外側の画素に3次元論理フィルタがアクセスした場合、注目画素の処理は入力画像の値を出力画像の値にする。そして、注目画素の近傍3×3×3の領域に1つでも“1”の画素があればその注目画素を“1”にする。以下、図47の流れを示す。
ステップL1では、入力2値画像G(i,j,k)を入力する。
ステップL2では、k=0とし、z方向座標位置kを初期化する。
ステップL3では、j=0とし、y方向座標位置jを初期化する。
ステップL4では、i=0とし、x方向座標位置iを初期化する。
ステップL5では、注目画素をG(i,j,k)とした時に、注目画素を中心とした3×3×3の3次元論理フィルタは入力画像の外の画素にアクセスするかを判断し、YESであればステップL6へ進み、NOであればステップL7へ進む。
ステップL6では、注目画素の出力画素値は注目画素の入力画素値のままとする。そしてステップL10へ進む。
ステップL7では、その3×3×3の論理フィルタのアクセスする入力2値画像G(i,j,k)の近傍3×3×3の領域に“1”の画素があるかを判断し、YESであればステップL9へ進み、NOであればステップL8へ進む。
ステップL8では、注目画素の出力画素値は“0”とする。そして、ステップL10へ進む。
ステップL9では、注目画素の出力画素値は“1”とする。そして、ステップL10へ進む。
ステップL10では、i=511かを判断し、YESであればステップL12へ進み、NOであればステップL11へ進む。
ステップL11では、i=i+1とする。そしてステップL5へ戻る。
ステップL12では、j=511かを判断し、YESであればステップL14へ進み、NOであればステップL13へ進む。
ステップL13では、j=j+1とする。そしてステップL4へ戻る。
ステップL14では、k=255かを判断し、YESであれば終了し、NOであればステップL15へ進む。
ステップL15では、k=k+1とする。そしてステップL3へ戻る。
なお、図44,図45,図46には3×3×3の膨張用3次元論理フィルタを用いたが、4×4×4または5×5×5またはその以上のサイズの膨張用3次元論理フィルタ、または膨張用モフォロジフィルタを用いてもよい。
また、実施例4においては、胸部の3次元被検体領域の体積V(t)の増減を持って、実際の呼気R(t)の増減としているが、正確にはある相関関数f(x)により、以下の数式(32)とするのが、より正確であるかもしれない。このような相関関数を用いて、呼気R(t)を推定して呼吸信号を作り、呼吸信号同期をかけても良い。
また、実施例4においては、3次元画像処理に基いて体積測定を行っているが、各z座標位置における3次元被検体領域の断面を求め、胸部の断面を2次元画像処理で抽出して、その胸部断面積とS(z,t)と断面間隔dzまたはΔzを用いて、以下の数式(33)または数式(34)により被検体胸部の体積V(t)を求めてもよい。ただし、zs:胸部のz座標始点,ze:胸部のz座標終点とする。
また、実施例4においては、撮影条件で設定する呼吸信号の同期範囲を呼気の体積または胸部の体積として閾値を設定したが、吸気Tsi,排気Teiのx min%からx max%の範囲でX線CT装置の同期撮影をしたとすると、撮影開始時間Ss,撮影終了時間Seは以下の数式(35),(36)のように定まる。
このように、呼吸信号の開始,終了のタイミングを撮影条件で設定してもよい。
1…操作コンソール、
2…入力装置、
3…中央処理装置、
5…データ収集バッファ、
6…モニタ、
7…記憶装置、
10…撮影テーブル、
12…クレードル、
15…回転部、
20…走査ガントリ、
21…X線管、
22…X線コントローラ、
23…コリメータ、
24…多列X線検出器、
25…DAS(データ収集装置)、
26…回転部コントローラ、
27…走査ガントリ傾斜コントローラ、
28…X線ビーム形成フィルタ、
29…制御コントローラ、
30…スリップリング、
40…光学カメラ、
dp…X線検出器面、
P…再構成領域、
pp…投影面、
IC…回転中心(ISO)
2…入力装置、
3…中央処理装置、
5…データ収集バッファ、
6…モニタ、
7…記憶装置、
10…撮影テーブル、
12…クレードル、
15…回転部、
20…走査ガントリ、
21…X線管、
22…X線コントローラ、
23…コリメータ、
24…多列X線検出器、
25…DAS(データ収集装置)、
26…回転部コントローラ、
27…走査ガントリ傾斜コントローラ、
28…X線ビーム形成フィルタ、
29…制御コントローラ、
30…スリップリング、
40…光学カメラ、
dp…X線検出器面、
P…再構成領域、
pp…投影面、
IC…回転中心(ISO)
Claims (20)
- 被検体の複数方向からの光学画像を収集する画像入力手段、
画像入力手段から得られた被検体の複数方向からの光学画像を画像処理することにより、被検体の外観形状情報を画像再構成する外観形状再構成手段、
外観形状情報を表示する外観形状情報表示手段
とを有する外観形状計測装置。 - 請求項1に記載の外観形状計測装置において、
外観形状再構成手段の被検体の外観形状情報を画像再構成する画像処理は、被検体輪郭抽出処理と形状逆投影処理とから構成される外観形状再構成手段
を持つことを特徴とする外観形状計測装置。 - 請求項1または請求項2に記載の外観形状計測装置において、
外観形状再構成手段では、画素間論理積処理を含む形状逆投影処理から構成される外観形状再構成手段
を持つことを特徴とする外観形状計測装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の外観形状計測装置において、
外観形状再構成手段では、3次元画像処理を用いて画像処理を構成する外観形状再構成手段
を持つことを特徴とする外観形状計測装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の外観形状計測装置において、
画像入力手段では、被検体の体軸方向であるz軸方向を中心軸とする回転運動により、被検体の複数方向からの光学画像を収集する画像入力手段
を持つことを特徴とする外観形状計測装置。 - 被検体の複数方向からの光学画像を得て、被検体の外観形状を計測する外観形状計測手段、
X線発生装置と、相対してX線を検出する多列X線検出器またはフラットパネルX線検出器に代表されるマトリクス構造の2次元X線エリア検出器とを、その間にある回転中心のまわりに回転運動をさせながら、その間にある被検体を透過したX線投影データを収集するX線データ収集手段、
そのX線データ収集手段から収集された投影データを画像再構成する画像再構成手段、
画像再構成された断層像を表示する画像表示手段、
断層像撮影の各種撮影条件を設定する撮影条件設定手段、
とからなるX線CT装置において、
被検体の複数方向からの光学画像を収集する画像入力手段、
画像入力手段から得られた被検体の複数方向からの光学画像を画像処理することにより、被検体の外観形状情報を画像再構成する外観形状再構成手段、
外観形状情報を表示する外観形状情報表示手段、
の3つの手段のうちの少なくとも1つの手段を持つ外観形状計測手段、
外観形状計測手段によって得られる外観形状画像に基いて、被検体と走査ガントリの干渉制御を行う撮影条件設定手段、
または同様に干渉制御を行うデータ収集手段、
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6のX線CT装置において、
外観形状計測手段の外観形状再構成手段では、被検体の外観形状情報を画像再構成する画像処理は、被検体輪郭抽出処理と形状逆投影処理とから構成される外観形状計測手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6または請求項7に記載のX線CT装置において、
外観形状計測手段の外観形状再構成手段では、画素間論理積処理を含む形状逆投影処理を持つ外観形状計測手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6から請求項8のいずれかに記載のX線CT装置において、
外観形状計測手段の外観形状再構成手段では、3次元画像処理を用いて画像処理を行う外観形状計測手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6から請求項9のいずれかに記載のX線CT装置において、
外観形状計測手段の被検体の複数方向からの光学画像を収集する画像入力手段では、被検体の体軸方向であるz軸方向を中心軸とする回転運動により、被検体の複数方向からの光学画像を収集する外観形状計測手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6から請求項10のいずれかに記載のX線CT装置において、
外観形状計測手段によって得られる外観形状情報に基いて、断層像撮影計画を立てて撮影条件を設定する撮影条件設定手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6から請求項11のいずれかに記載のX線CT装置において、
外観形状計測手段によって得られる外観形状情報に基いて、被検体の位置を撮影視野内の最適位置になるように撮影条件を制御する撮影条件設定手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6から請求項12のいずれかに記載のX線CT装置において、
外観形状計測手段によって得られる時系列被検体外観形状情報から、生体信号情報を収集し、X線データ収集を制御できるX線データ収集手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項13に記載のX線CT装置において、
生体信号は呼吸信号であるとし、外観形状計測手段によって得られる時系列被検体外観形状情報から呼吸信号を収集し、X線データ収集を制御できるX線データ収集手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6から請求項14のいずれかに記載のX線CT装置において、
外観形状計測手段における画像入力手段の光学画像のz方向のデータ収集範囲は、X線データ収集手段のz方向範囲を含んで、より広い範囲の光学画像データ収集を行う外観形状計測手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6から請求項15のいずれかに記載のX線CT装置において、
外観形状計測手段によって得られる外観形状情報に基いて、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンの撮影条件、および各z方向スキャン位置における被検体の撮影視野内の位置を最適化する撮影条件設定手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6から請求項16のいずれかに記載のX線CT装置において、
外観形状計測手段によって得られる外観形状情報に基いて、ヘリカルスキャンの撮影条件を設定する撮影条件設定手段、
あらかじめ得た外観形状情報に基くz方向のX線管電流制御を行うデータ収集手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6から請求項17のいずれかに記載のX線CT装置において、
外観形状計測手段によって得られる外観形状情報に基いて、撮影条件の最適化は各z方向座標のX線管電流値について行われる撮影条件設定手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6から請求項18のいずれかに記載のX線CT装置において、
外観形状計測手段によって得られる外観形状情報に基いて、撮影条件の最適化はヘリカルスキャンまたは可変ピッチヘリカルスキャンにおける、各z方向座標のヘリカルピッチについて行われる撮影条件設定手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項6から請求項19のいずれかに記載のX線CT装置において、
3次元表示されたX線CT装置の断層像の外観表面部分に光学画像を付加した断層像3次元表示を行う画像表示手段
を持つことを特徴とするX線CT装置。
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JP2005280513A JP2007089674A (ja) | 2005-09-27 | 2005-09-27 | 外観形状計測装置およびx線ct装置 |
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