JP2002033701A - 偏波モード分散補償方法および偏波モード分散補償装置 - Google Patents

偏波モード分散補償方法および偏波モード分散補償装置

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JP2002033701A JP2000213266A JP2000213266A JP2002033701A JP 2002033701 A JP2002033701 A JP 2002033701A JP 2000213266 A JP2000213266 A JP 2000213266A JP 2000213266 A JP2000213266 A JP 2000213266A JP 2002033701 A JP2002033701 A JP 2002033701A
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    • H04B10/2507Arrangements specific to fibre transmission for the reduction or elimination of distortion or dispersion
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Abstract

(57)【要約】 【課題】信号光に生じた偏波モード分散(PMD)を広
い範囲に亘って高い精度で補償できるようにしたPMD
補償方法およびPMD補償装置を提供する。 【解決手段】本発明のPMD補償装置1Aは、伝送路L
から入力される信号光について、2つの偏波モードへの
光強度の分岐比γを設定する偏波制御部10と、2つの
偏波モード間に光遅延差ΔτCを与える可変PMD補償
部11と、該可変PMD補償部11から出力される信号
光について、周波数f1成分の強度を検出するPMDモ
ニタ13Aと、周波数f2(<f1)成分の強度を検出す
るPMDモニタ13Bと、PMDモニタ13A,13B
の各モニタ強度が検出感度の不確定幅に応じて決まる最
大値収束範囲内になるように、偏波制御部10および可
変PMD補償部11をフィードバック制御する制御回路
14とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝送路の偏波モー
ド分散による信号光への影響を補償する技術に関し、特
に、信号光におけるベースバンドスペクトル中の特定周
波数成分の強度を検出して偏波モード分散の補償を行う
偏波モード分散補償方法および偏波モード分散補償装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、日本国内や国外において、伝送速
度10Gb/s(ギガビット/秒)の光伝送システムの
商用化が進められている。また、今後のインターネット
等による伝送容量需要の急速な増大に対応し、安価で周
波数利用効率の高い通信サービスを提供するために、例
えば、伝送速度が40Gb/sなどの超高速光伝送シス
テムの実現が求められている。
【0003】しかしながら、上記のような超高速光伝送
システムにおいては、伝送路で生じる偏波モード分散
(Polarization-mode Dispersion:以下、PMDとす
る)などの影響により信号光の伝送波形が劣化してしま
うため、信号光の伝送距離が制限されるという課題があ
る。このPMDは、信号光における偏波成分(例えばT
EモードおよびTMモードのような2つのモード光)の
伝播遅延時間が異なることによって生じる分散であり、
あらゆる光ファイバに対して起こり得るものである。
【0004】したがって、超高速の長距離光伝送を実現
するためには、PMD補償技術の適用が必須となる。ま
た、PMDは、温度やストレス等の伝送路環境の変化に
よっても経時的に変動するため、システム運用中にPM
Dの状態をモニタし、フィードバック制御を行う自動P
MD補償技術が必要とされる。
【0005】従来の自動PMD補償技術としては、例え
ば、光領域での補償方式(例えば、T. Takahashi et a
l., Electron. Lett. 30, pp.348-349, 1994.や、F. He
ismann et al., ECOC'98 Technical Digest, pp.529-53
0.や、特開平11−196046号公報等参照)および電気段で
の補償方式(例えばH. Bulow, NOC'97 Technical Diges
t, pp.65-72.等参照)の報告がなされている。
【0006】また、本発明者らは、簡易な構成、変調方
式や他の波形劣化要因(波長分散、非線形効果)に無依
存、高速化に有利、といった観点から、光領域における
補償方式を採用した自動PMD補償技術を提案している
(特願平11-515959号や、H.Ooi et al., OFC'99, Techn
ical Digest WE5 pp.86-88, 1999.等参照)。この補償
技術は、大規模な測定器を不要とする簡易な構成のPM
Dモニタ方式を採用して、伝送光信号におけるベースバ
ンドスペクトル中の特定周波数成分の強度(例えば、4
0Gb/s信号光における20GHz成分の強度など)
を検出し、該検出強度が極大になるように補償量をフィ
ードバック制御する技術である。この補償技術を適用す
ることにより、信号光の伝送距離が4倍以上に拡大され
るようになる。
【0007】しかし、上記のような補償技術において
は、補償可能なPMDの上限が伝送光の1タイムスロッ
トに制約されてしまうという課題があった。すなわち、
特定周波数成分の強度は、伝送路のPMDによる偏波モ
ード間の光遅延量ΔτT(以下、PMD量ΔτTとする)
に対して図12に示すように変化し、PMD量ΔτT
伝送光の1タイムスロット(例えば40Gb/s信号光
の場合25ps)になると、特定周波数成分の強度が零
(または極小)になる。このため、PMD量Δτ Tが1
タイムスロットを超える場合に、特定周波数成分の強度
が極大になるように補償量をフィードバック制御する
と、制御後のPMD量ΔτTは増加するようになり伝送
光波形の劣化が大きくなってしまう。
【0008】このような課題に対して、PMDの補償可
能範囲を拡大する技術としては、例えば、伝送速度Bb
/sの伝送光信号におけるベースバントスペクトル中の
周波数B/2Hz成分、B/4Hz成分およびB/8H
z成分などをバンドパスフィルタ(BPF)で抽出して
各々の強度を検出する方式が提案されている(例えばD.
Sandel et al., Electron. Lett. 34, pp.2258-2259, 1
998等参照)。
【0009】図13は、上記のPMD補償技術を説明す
る図である。ただし、横軸はPMD量ΔτTを伝送光の
1タイムスロットTで規格化した値(ΔτT/T)を示
し、縦軸は各BPFで抽出した周波数成分の強度を示し
ている。なお、(BPF0.5/T)で示される曲線は
B/2Hz成分の強度を表し、(BPF0.25/T)
で示される曲線はB/4Hz成分の強度を表し、(BP
F0.125/T)で示される曲線はB/8Hz成分の
強度を表している。また、LPFで示された曲線は、ロ
ーパスフィルタ(LPF)で抽出されたB/8Hz成分
の強度を表すものである。
【0010】図13に示すように、BPFで抽出される
周波数が低くなるほど、各々の成分の強度が零になるP
MD量ΔτTが大きくなるため、補償可能範囲は拡大さ
れる。しかしながら、PMD量ΔτTが小さい領域で
は、検出される強度(モニタ強度)の変化が小さくなる
(各々の曲線が平坦に近くなる)ため、モニタ強度が極
大になるようにPMDの補償量をフィードバック制御し
た場合、該フィードバック制御の収束が悪くなってしま
う。また、モニタ系の感度には不確定幅があることか
ら、経時的に不安定な制御となる可能性もある。そこ
で、上記のPMD補償技術では、各々の周波数成分の強
度を検出する3つのPMDモニタを順次切り替えて用い
るようにしている。このPMDモニタの切り替えは、モ
ニタ強度に対してしきい値Th1,Th2が予め設定さ
れ、例えば、モニタ強度が増大する場合には、B/8H
z成分の強度を検出するPMDモニタの検出値(曲線B
PF0.125/T)が、図13で上側のしきい値Th
1まで増加すると、B/4Hz成分の強度を検出するP
MDモニタに切り替えられ、その後、該PMDモニタの
検出値(曲線BPF0.25/T)がしきい値Th1ま
で増加すると、B/2Hz成分の強度を検出するPMD
モニタに切り替えられる。また例えば、モニタ強度が減
少する場合には、図13で下側のしきい値Th2を基準
として、B/2Hz成分の強度を検出するPMDモニ
タ、B/4Hz成分の強度を検出するPMDモニタ、B
/8Hz成分の強度を検出するPMDモニタへと順次切
り替えられる。
【0011】このように、モニタ強度に対して予め設定
したしきい値Th1,Th2に従って、複数のPMDモ
ニタを順次切り替え制御することにより、PMDの補償
可能範囲を1タイムスロット以上に拡大することができ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような複数のPMDモニタを切り替え制御する従来のP
MD補償技術では、PMDモニタを切り替えるために予
め設定されるしきい値として絶対的な値が用いられるた
め、PMD補償を高い精度で行うことが難しいという問
題点があった。すなわち、各PMDモニタで検出される
各々の周波数成分の強度は、伝送路のPMD以外にも、
例えば、温度変動等による波長分散や、偏波モード間の
光強度の分岐比等のパラメータの経時的変化に従って変
動することが知られている。PMDモニタの切り替え制
御の基準となるしきい値を、相対的な値ではなく絶対的
な値を用いて予め設定してしまうと、上記のようなPM
D以外の要因による強度変動に対して、しきい値の設定
が不適切なものとなり、精度の高いPMD補償の実現が
難しくなってしまう。
【0013】また、複数のPMDモニタを用いる従来の
補償技術では、強度検出する周波数成分として、信号光
の伝送速度Bの1/2倍、1/4倍、1/8倍などとい
った特定の周波数にしなければならないという制約があ
る。この制約は、信号光の伝送速度が変化するようなシ
ステムへの適用を難しくするとともに、補償範囲をより
広くするためには、数多くの周波数成分をモニタしなけ
ればならないという欠点がある。
【0014】本発明は上記の点に着目してなされたもの
で、信号光に生じた偏波モード分散(PMD)を広い範
囲に亘って高い精度で補償できるようにした偏波モード
分散補償方法および偏波モード分散補償装置を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明によるPMD補償方法は、まず、伝送路を介
して入力される信号光に生じたPMDを補償する。そし
て、補償後の信号光におけるベースバンドスペクトル中
の複数の特定周波数成分を抽出した後に、該各特定周波
数成分の強度をそれぞれ検出する。次に、検出したすべ
ての特定周波数成分の強度が、検出感度の不確定幅に応
じて決まる最大値収束範囲内になるように、前述したP
MDの補償量をフィードバック制御する。また、PMD
の補償量をフィードバック制御する際には、相対的に低
周波側の特定周波数成分の強度が最大値収束範囲内にな
った後に、相対的に高周波側の特定周波数成分の強度が
最大値収束範囲内になるように、PMD補償量のフィー
ドバック制御に用いる特定周波数成分の強度の切り替え
を順次行うようにしてもよい。
【0016】このようなPMD補償方法では、複数の特
定周波数成分の強度が各々の最大値に収束するようにP
MD補償量を制御することで、信号光のPMD量の変化
に正確に追随したフィードバック制御が可能になる。ま
た、フィードバック制御に用いる特定周波数成分の強度
を、低周波側から高周波側に順次切り替えるようにする
ことで、従来のような絶対的なしきい値を基準とするの
ではなく、強度の最大値収束状態を基準にしてPMDモ
ニタの切り替えが行われるため、高い精度のPMD補償
が実現できるようになる。
【0017】本発明によるPMD補償装置は、伝送路の
PMDによる信号光への影響を補償するPMD補償装置
において、伝送路を介して入力される信号光に生じたP
MDを補償する偏波モード分散補償手段と、該偏波モー
ド分散補償手段から出力される信号光におけるベースバ
ンドスペクトル中の複数の特定周波数成分を抽出する特
定周波数成分抽出手段と、該特定周波数成分抽出手段で
抽出された各特定周波数成分の強度をそれぞれ検出する
強度検出手段と、該強度検出手段で検出されるすべての
特定周波数成分の強度が、検出感度の不確定幅に応じて
決まる最大値収束範囲内になるように、偏波モード分散
補償手段におけるPMD補償量をフィードバック制御す
る補償量制御手段と、を備えて構成されるものである。
また、上記の補償量制御手段については、相対的に低周
波側の特定周波数成分の強度が最大値収束範囲内になっ
た後に、相対的に高周波側の特定周波数成分の強度が最
大値収束範囲内になるように、偏波モード分散補償手段
におけるPMD補償量のフィードバック制御に用いる特
定周波数成分の強度の切り替えを順次行うようにしても
よい。
【0018】かかる構成では、偏波モード分散補償手段
で補償された信号光について、複数の特定周波数成分の
強度が特定周波数成分抽出手段および強度検出手段によ
って検出される。補償量制御手段では、検出された各特
定周波数成分の強度を用いて、各々の強度が最大値に収
束するように、偏波モード分散補償手段におけるPMD
補償量の制御が行われる。これにより、信号光のPMD
量の変化に正確に追随したフィードバック制御が可能に
なる。また、補償量制御手段において、フィードバック
制御に用いる特定周波数成分の強度を、低周波側から高
周波側に順次切り替えるような制御を行うことで、従来
のような絶対的なしきい値を基準とするのではなく、強
度の最大値収束状態を基準にしてPMDモニタの切り替
えが行われるため、高い精度のPMD補償が実現できる
ようになる。
【0019】さらに、上記PMD補償装置について、特
定周波数成分抽出手段の具体的な構成としては、特定周
波数成分に対応した透過中心周波数を持つバンドパスフ
ィルタを有し、該バンドパスフィルタを用いて特定周波
数成分の抽出を行うようにしてもよい。または、特定周
波数成分に対応したカットオフ周波数を持つローパスフ
ィルタを有し、該ローパスフィルタを用いて特定周波数
成分の抽出を行うようにしても構わない。
【0020】このような具体的な構成によれば、信号光
におけるベースバンドスペクトル中の複数の特定周波数
成分がバンドパスフィルタまたはローパスフィルタによ
って抽出されるようになる。特に、ローパスフィルタを
用いて抽出する場合には、広範囲の周波数成分の強度を
積分した値が得られるため、より安定したPMD補償を
実現することが可能になる。
【0021】また、前述したPMD補償装置の偏波モー
ド分散補償手段は、信号光について、2つの偏波モード
への光強度の分岐比を決定する偏波制御部と、2つの偏
波モード間に光遅延差を与える光遅延部とを有し、偏波
制御部の分岐比および光遅延部の光遅延差の組み合わせ
に応じて偏波モード分散補償量が設定されるようにして
もよい。
【0022】かかる構成では、伝送路を介して入力され
る信号光の偏波状態が偏波制御部によって調整されるこ
とで、信号光の2つの偏波モードへの光強度の分岐比が
設定されると共に、その信号光が光遅延部を通過するこ
とで2つの偏波モード間に光遅延差が与えられ、PMD
の補償量が所要の値に設定されるようになる。
【0023】さらに、上記PMD補償装置の具体的な構
成として、偏波モード分散補償手段は、光遅延差を変え
ることが可能な可変光遅延素子と、該可変光遅延素子へ
の入力光の偏波方向を変える波長板とを有し、補償量制
御手段は、可変光遅延素子の光遅延量および波長板の位
置の少なくとも一方をフィードバック制御するようにし
てもよい。あるいは、偏波モード分散補償手段は、直列
に接続された複数の偏波モード分散補償ユニットを有
し、該各偏波モード分散補償ユニットは、予め設定した
光遅延差を与える固定光遅延素子と、該固定光遅延素子
への入力光の偏波方向を変える波長板とを含み、補償量
制御手段は、前記各偏波モード分散補償ユニットの波長
板の位置をそれぞれフィードバック制御するようにして
も構わない。
【0024】上述したような本発明によるPMD補償装
置は、各種光伝送システムへの適用が可能である。この
場合、偏波モード分散補償装置は、光送信機と光受信機
の間を接続する伝送路の途中に設けられる。このような
光伝送システムでは、伝送路を伝搬する信号光のPMD
が広い範囲で確実に補償されるため、高速信号光を長距
離に亘って伝送することが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。まず、本発明による偏波モード分散
(PMD)の補償技術を理解するうえで有用と思われる
ので、PMDによる伝送光波形劣化について説明する。
ここでは、例えば40Gb/sの光伝送システムについ
て行った実験結果を用いてPMDによる伝送光波形劣化
を概説することにする。なお、この実験結果は、H.Ooi
et al., OFC'99, Technical Digest WE5 pp.86-88, 199
9.で報告されているので、詳しい内容については上記の
文献を参照されたい。
【0026】図14は、PMDによる伝送光波形劣化を
測定するための実験系の概要を示す図である。図14の
実験系では、光送信機OSから送出された伝送速度40
Gb/sのNRZ(Non-Return-to-Zero)信号光に対し
て、偏波制御器100にて各偏波モード間の光強度の分
岐比γ(0≦γ≦1)が変えられ、さらに、PMDエミ
ュレータ(PMD emulator)200によってPMDが加え
られ、そして、光受信機ORにおいて復調される。ここ
で、PMDエミュレータ200は、伝送路で生じるPM
Dを模擬するためのものであって、偏波ビームスプリッ
タ(PBS)で分離した直交する偏波モード間に、光遅
延差ΔτTを与える一般的な装置である。
【0027】図15は、光遅延差ΔτTを変化させたと
きのパワーペナルティ(受信感度劣化)を示す図であ
る。また、図16は、図15の場合における伝送光波形
の変化を示した図である。なお、伝送光波形の劣化が最
大となるように、ここでは偏波制御器100において光
強度の分岐比γが0.5に設定されている。
【0028】各図に示すように、PMDエミュレータ2
00による光遅延差ΔτTが大きくなる、すなわち、伝
送路で生じるPMDが増大するほど、伝送光波形の劣化
が著しくなる。例えば、伝送後のパワーペナルティが1
dB以下を伝送可能の基準とした場合には、PMD耐力
(PMDの許容値)は約11psとなる(図15)。
【0029】上記のようなパワーペナルティの値につい
て考察すると、既設の比較的古いファイバには、単位長
さ当たり0.5〜2ps/km1/2を超える大きなPM
D値をもつと言われているものもあり、上記のPMD耐
力から計算すると、40Gb/sでの伝送距離は、3〜
50km程度に制限されることになる。ただし、最悪の
PMD値を平均(許容値)の3倍と仮定している。この
ような既設の伝送路環境において、超高速の長距離光伝
送を実現するためには、PMD補償技術の適用が必須と
なる。また、伝送路のPMDは、温度やストレス等の伝
送路環境の変化によっても経時的に変動するため、シス
テム運用中にPMDの状態をモニタし、フィードバック
制御を行う自動PMD補償技術が必要とされる。
【0030】そこで、本発明者らは、上述したように、
例えば40Gb/s信号光について、受信ベースバンド
信号中の20GHz成分強度をモニタし、該モニタ強度
に基づいてPMD補償器をフィードバック制御する自動
PMD補償技術を提案した(特願平11-515959号や、H.
Ooi et al., OFC'99, Technical Digest WE5 pp.86-88,
1999.等参照)。この補償技術は、本発明によるPMD
補償の基本となる技術であるので、ここで具体的に説明
しておく。
【0031】図17は、上記の補償技術に用いられるP
MDモニタ系の一例を示す図である。なお、ここでも伝
送速度40Gb/sのNRZ信号光が伝送されるものと
する。
【0032】図17のPMDモニタ系では、光送信機O
Sで生成された40Gb/sのNRZ信号光に対して、
偏波制御器100により各偏波モード間の光強度の分岐
比γが変えられ、PMDエミュレータにより光遅延差Δ
τTが与えられ、該信号光が受信端のPMDモニタ30
0に送られる。このPMDモニタ300では、例えば、
光プリアンプ301で所要のレベルまで増幅された信号
光が、受光器(PD)302で電気信号に変換され、狭
帯域バンドバスフィルタ(BPF)303で20GHz
成分が抽出されて、パワーメータ304で20GHz成
分の強度が検出される。
【0033】図18は、図17のPMDモニタ系を用
い、光強度の分岐比γ=0.5および0.25にそれぞ
れ設定して測定した20GHz成分強度のΔτT依存性
を示す図である。また、図19は、光遅延差ΔτT=1
0psおよび20psにそれぞれ設定して測定した20
GHz成分強度のγ依存性を示す図である。
【0034】図18に示すように、20GHz成分強度
は、光遅延差ΔτT=0のときに最大で、ΔτTが25p
sまで増大するに従って単調減少することが分かる。ま
た、図19に示すように、20GHz成分強度は、PM
Dによる波形劣化が最悪となるγ=0.5において最小
となることが分かる。これらの20GHz成分強度の実
測値は、一般に知られている理論式のK(fe=20G
Hz)=1−4γ(1−γ)sin2(πfeΔτT)に
よく一致する。この結果から、20GHz成分強度が最
大になるようにPMDの補償量をフィードバック制御す
ることで、波形劣化を補償できることが分かる。
【0035】図20は、40Gb/s光伝送システムに
ついて上記の補償技術を適用したときの実験系を示す図
である。なお、この実験系の構成は、前述のH. Ooi et
al.,OFC'99, Technical Digest WE5 pp.86-88, 1999.に
記載されたものと同様である。
【0036】図20に示す実験系では、伝送路のPMD
(ここではPMDエミュレータ200によって光遅延差
ΔτTを与えている)を補償するためのPMD補償ユニ
ット400として、偏波制御器401と偏波保持ファイ
バ(polarization-maintaining fiber:以下、PMFと
する)402が用いられる。なお、PMF402では、
偏波モード間に光遅延差ΔτCが与えられる。PMD補
償ユニット400の出力端に接続したPMDモニタ30
0では、検出した20GHz成分の強度情報が図示しな
いA/Dコンバータを介してパソコン(PC)に記録さ
れ、このパソコンのソフトウェア処理によって、20G
Hz成分の強度が最大となるように、偏波制御器401
内のλ/4波長板(QWP)およびλ/2波長板(HW
P)がフィードバック制御される。
【0037】図21および図22は、上記図20の実験
系を用いてPMD補償を行った場合とPMD補償を行わ
ない場合の双方について測定した、伝送路のPMDに相
当する光遅延差ΔτTに対するパワーペナルティおよび
伝送光波形を示すものである。なお、偏波モード間の光
強度の分岐比γは、PMDによる波形劣化が最悪となる
0.5に設定した。
【0038】各図に示すように、20GHz成分の強度
情報を基に偏波制御器401をフィードバック制御して
PMDの補償を行うことで、伝送特性が改善されること
が分かる。具体的には、図21にあるように、パワーペ
ナルティが1dB以下となるPMD耐力の値がPMD補
償無しの場合には約11psであったが、PMD補償を
行うことによって約23psまで拡大されていることが
分かる。実際の伝送路ファイバで生じるPMD量は伝送
距離の平方根に比例するため、PMD耐力の2倍以上の
拡大は、PMDによる伝送制限距離の4倍以上の拡大に
相当する。例えば、伝送路の平均PMD係数を0.5p
s/km1/2とすると、上記のようなPMD補償を行う
ことによって、伝送制限距離が54kmから240km
に拡大されることになる。ただし、ここでは最悪条件で
のPMDの値が平均値(許容値)の3倍である仮定して
いる。この仮定は、一般に、敷設伝送路におけるPMD
がマックスウェル分布をしていることに基づくものであ
る。
【0039】しかし、このようなPMDの補償技術にお
いては、上述したようにPMDの補償可能範囲の上限が
信号光の1タイムスロット(40Gb/sでは25p
s)に制限されてしまうという課題がある。例えば、古
い既存の伝送路の平均PMD係数として2ps/km
1/2を例にとって具体的に考えてみる。最大の伝送路距
離として現行の10Gb/s光伝送システムと同等の約
600kmを想定した場合、最悪条件でのPMDの値が
平均値(許容値)の3倍である仮定して算出した、伝送
路で発生するPMDの最悪値は、2ps/km1/2×
(600km)1/2×3≒150psまで大きくなるこ
とがあり得る。この値は、上記の補償技術における補償
可能範囲の上限値、例えば40Gb/s信号光について
25psという値よりも遥かに大きい。したがって、P
MDの補償可能範囲の拡大が必要となるのである。そこ
で、本発明は、複数のPMDモニタを組み合わせること
で、補償可能範囲の拡大を図ると共に、上述の図13で
説明したような公知技術とは異なる手法に従って各PM
Dモニタを切り替え制御することで、高い精度のPMD
補償を実現しようとするものである。
【0040】以下、本発明によるPMD補償技術につい
て詳しく説明していく。図1は、本発明によるPMD補
償装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
なお、図1には、第1実施形態のPMD補償装置を用い
て構成した光伝送システムの要部も示してあり、以下の
他の実施形態における構成図においても同様とする。
【0041】図1において、PMD補償装置1Aは、伝
送路LのPMDによる信号光への影響を補償するもので
あって、ここでは、光受信機OR前段の伝送路Lの途中
に設けられる。伝送路Lは、光送信機OSと光受信機O
Rの間を接続する一般的な光ファイバである。なお、こ
の伝送路Lの途中には、例えば光中継器や波長分散補償
器等の各種光デバイスが接続されていてもよい。光送信
機OSは、伝送速度B(b/s)の信号光(例えば、4
0Gb/sのNRZ信号光など)を生成して伝送路Lに
送出する公知の光送信機である。光受信機ORは、PM
D補償装置1Aから出力されるPMD補償後の信号光を
受信処理可能な公知の光受信機である。
【0042】PMD補償装置1Aは、偏波制御部10、
可変PMD補償部11、光カプラ12A,12B、PM
Dモニタ13A,13Bおよび制御回路14を有する。
偏波制御部10は、伝送路Lから送られる任意の偏波状
態の信号光について、後段の可変PMD補償部11に入
力する際の偏波方向の調整(軸合わせ)を行うものであ
り、例えば、1/4波長板(λ/4板)10aおよび1
/2波長板(λ/2板)10bを有する。1/4波長板
10aおよび1/2波長板10bは、図示しないがアク
チュエータをそれぞれ備えており、制御回路14から送
られる制御信号に従って外部から駆動できるようになっ
ている。
【0043】可変PMD補償部11は、例えば、偏波ビ
ームスプリッタ(PBS)11a,11cおよび光遅延
器11bを有する。PBS11aは、入力側に位置する
分岐型光導波路の分岐部に設けられ、偏波制御部10か
らの信号光を2つの直交する偏波成分に分離する。この
PBS11aで分離された一方の偏波成分は、光遅延器
11bを介してPBS11cに送られ、他方の偏波成分
はPBS11cに送られる。光遅延器11bは、通過す
る光を遅延させるものであって、その遅延量が外部から
の制御信号により可変である公知の光デバイスである。
具体的には、例えば、可変光遅延線(Variable optical
delay line)等を使用することができる。この光遅延
器11bによって、2つの偏波成分間に光遅延差ΔτC
が与えられる。PBS11cは、出力側に位置する分岐
型光導波路の分岐部に設けられ、PBS11aおよび光
遅延器11bから出力される各偏波成分を、直交状態の
まま合波して光カプラ12Aに送る。
【0044】光カプラ12Aは、可変PMD補償部11
からの出力される信号光を2分岐して、一方の分岐光を
光受信機ORに送り、他方の分岐光を光カプラ12Bに
送る。光カプラ12Bは、光カプラ12Bからの分岐光
をさらに2分岐して、各分岐光をPMDモニタ13A,
13Bにそれぞれ送る。
【0045】各PMDモニタ13A,13Bは、例えば
図2のブロック図に示すように、受光器(PD)13
a、バンドパスフィルタ(BPF)13bおよび強度検
出器13cをそれぞれ有する。PD13aは、光カプラ
12Bからの分岐光を電気信号に変換して出力する。B
PF13bは、PD13aで変換された電気信号に含ま
れる特定周波数成分を抽出する狭帯域のバンドパスフィ
ルタである。ここでは、PMDモニタ13Aに用いられ
るBPF13bの通過帯の中心周波数をf1とし、PM
Dモニタ13Bに用いられるBPF13bの通過帯の中
心周波数をf2(<f1)とする。なお、各周波数f1
2の設定については後述することにする。強度検出器
13cは、BPF13bで抽出された周波数成分の強度
を検出し、その検出結果を示す強度検出信号を制御回路
14に送る。
【0046】制御回路14は、各PMDモニタ13A,
13Bから出力される各強度検出信号に基づいて、可変
PMD補償部11から出力される信号光のPMD量を判
断し、PMDの補償量が最適となるように、偏波制御部
10および可変PMD補償部11をフィードバック制御
する。なお、制御回路14で行われる具体的な処理動作
については後述する。
【0047】次に、第1実施形態の動作について説明す
る。まず、本発明によるPMD補償技術の基本原理を、
第1実施形態の構成に対応させて詳しく説明する。
【0048】図3は、2つのPMDモニタ13A,13
Bを用いた場合の基本原理を示す図である。なお、横軸
は、信号光のPMD量ΔτTを表し、縦軸は、各PMD
モニタ13A,13Bで検出される周波数f1,f2成分
の強度(モニタ強度)を表している。
【0049】図3に示すように、各PMDモニタ13
A,13Bで検出されるモニタ強度は、PMD量ΔτT
の変化に対し、BPF13bで抽出される周波数f1
2成分(f1>f2)に対応して周期的に変化する。具
体的には、周波数の高いPMDモニタ13Aで検出され
るモニタ強度の周期の方が、周波数の低いPMDモニタ
13Bで検出されるモニタ強度の周期よりも小さくな
る。ここでは、PMD量Δτ Tの増加に伴い、PMDモ
ニタ13Aのモニタ強度が最初に零(または極小)にな
るPMD量をT1とし、PMDモニタ13Bのモニタ強
度が最初に零(または極小)になるPMD量をT2とす
る。
【0050】ここで、まず、初期状態(PMD補償無
し)における伝送後の信号光に生じるPMD量がΔτT1
(>T1)であるときに、モニタ強度を最大化するフィ
ードバック制御を行った場合を考える。この場合、PM
Dモニタ13Aのモニタ強度を用いてフィードバック制
御を行うと、図3のA1点に示すように補償後のPMD
量ΔτTが大きくなる方向に自動制御されるため、波形
劣化が大きくなり、正常な補償動作が行われなくなる。
これに対して、PMDモニタ13Bのモニタ強度を用い
て制御を行うと、A2点に示すように補償後のPMD量
ΔτTが小さくなる方向に自動制御されるため、波形劣
化が改善されるようになる。よって、上記のような状況
においては、抽出周波数の低い側のPMDモニタ13B
を用いてPMD補償量のフィードバック制御を行うよう
にする。
【0051】ここで、図3の縦軸付近に示すように、各
PMDモニタは、検出感度の不確定幅を有することが知
られている。この検出感度不確定幅は、PMDモニタに
固有であって、PMD以外の要因や偏波モード間の光強
度の分岐比γ等による短時間内での不確定幅分を含むも
のである。このようなPMDモニタの検出感度不確定幅
を考慮すると、PMDモニタ13Bのモニタ強度を用い
たフィードバック制御の動作点は、図のD点およびE2
点の間(例えばB2点)に収束するようになる。本発明
では、このフィードバック制御が収束するタイミングに
着目してPMDモニタの切り替えが行われる。すなわ
ち、PMDモニタ13Bのモニタ強度がD〜E2の間で
安定した後に、PMDモニタ13Aのモニタ強度を用い
たフィードバック制御に切り替えられる。具体的には、
例えば、フィードバック制御が収束するのに要する所要
の収束時間を経過したこと、あるいは、所定の時間内に
おけるモニタ強度の変動量が所定の値以下になったこと
などを基準として、PMDモニタの切り替えを行うこと
が可能である。PMDモニタ13BからPMDモニタ1
3Aへの切り替えを行った結果、フィードバック制御の
動作点はB2点からB1点に移る。その後は、PMD量Δ
τTが小さくなる方向に自動制御されるため、最終的に
は、PMDモニタの検出感度不確定幅に対応したD点お
よびE1点の間(例えばC1点)に動作点は収束し、PM
D量はΔτT2まで補償されるようになる。
【0052】ここで、許容PMD量(PMD耐力)が、
例えば図3の横軸付近に示される範囲である場合、PM
Dモニタ13Bのモニタ強度のみを用いてフィードバッ
ク制御を行ったとすると、PMD量不確定幅a2に示す
ように、補償後のPMD量が許容PMD変動量を超えて
しまう可能性がある。しかし、PMDモニタ13Aを併
用することで、PMD不確定幅a1に示すように許容P
MD量以下に補償後のPMD量を抑えることができる。
【0053】このように、本発明によるPMD補償技術
では、複数のPMDモニタの切り替えを、従来のような
しきい値(絶対的な値として予め設定される)を基準と
して行うのではなく、PMDモニタの検出感度不確定幅
に対応したフィードバック制御の収束状態を基準とし
て、すなわち、モニタ強度が最大値収束範囲内に安定し
たことに基づいて行うようにしたことで、高い精度の自
動PMD補償が実現されるようになる。
【0054】PMDモニタ13Aで抽出される周波数f
1成分の設定範囲としては、PMDモニタの検出感度不
確定幅に応じて決まるPMD量不確定幅a1が許容PM
D量に一致する場合が下限となる。また、PMDモニタ
13Bで抽出される周波数f 2成分の設定範囲として
は、PMDモニタ13BのPMD量不確定幅a2が、P
MDモニタ13Aのモニタ強度が零(または極小)にな
るPMD量T1に一致する点が下限となる。したがっ
て、周波数f1,f2を両方とも下限に設定した場合に、
PMDモニタ13Bのモニタ強度が零(または極小)に
なるPMD量T2が、PMDの補償可能範囲の上限とな
る。
【0055】次に、PMD補償装置1Aの具体的な動作
について説明する。PMD補償装置1Aでは、伝送路L
のPMDにより偏波モード間に光遅延差ΔτTの生じた
伝送速度B(b/s)の信号光に対して、偏波制御部1
0の1/4波長板10aおよび1/2波長板10bによ
って与えられる方位角に従って偏波方向の調整(軸合わ
せ)が行われる。この偏波制御部10で調整される信号
光の偏波方向に対応して、可変PMD補償部11のPB
S11aで分離される2つの偏波モード間の光強度の分
岐比γが決定される。可変PMD補償部11では、PB
S11aで分離された一方の偏波成分が光遅延器11b
で遅延されてPBS11cに送られ、他方の偏波成分は
遅延されることなくPBS11cに送られて、各偏波成
分がPBS11cで合波される。これにより、信号光の
直交する2つの偏波モード間に光遅延差ΔτCが与えら
れる。この光遅延差ΔτCが伝送路LでのPMD量ΔτT
に対して逆符号で絶対値がほぼ一致するように、偏波制
御部10の方位角および光遅延器11bの光遅延量がフ
ィードバック制御されることで、PMDの補償が行われ
る。
【0056】このフィードバック制御は、可変PMD補
償部11から出力される信号光の一部を用いて行われ
る。具体的には、可変PMD補償部11からの出力光の
一部が光カプラ12Aで分岐され、さらに光カプラ12
Bで2分岐されて、各PMDモニタ13A,13Bに送
られる。PMDモニタ13Aでは、光カプラ12Bから
の分岐光がPD13aで光電変換され、電気信号に含ま
れる周波数f1成分がBPF13bで抽出された後に、
その周波数f1成分の強度が強度検出器13cで検出さ
れる。また、PMDモニタ13Bでも同様にして、周波
数f2成分の強度が検出される。そして、PMDモニタ
13A,13Bで検出された周波数f1,f2成分の各モ
ニタ強度が制御回路14に送られ、制御回路14では、
各周波数f1,f2成分のモニタ強度に基づいたフィード
バック制御が実施される。
【0057】図4は、PMD補償装置1Aを用いてPM
D補償を行った場合における、PMD量ΔτTに対する
パワーペナルティの変化を示す図である。図4に示すよ
うに、信号光のPMD量ΔτTに応じて、偏波制御部1
0の方位角および光遅延器11bの光遅延量をフィード
バック制御し、PMD補償量を最適化することで、PM
Dの補償可能範囲にわたってパワーペナルティがほぼ零
になることが分かる。
【0058】ここで、制御回路14の具体的な処理動作
について説明する。ここでは、システム運用開始時など
における初期設定モードと、システム運用中におけるト
ラッキングモードとに分けて、制御回路14の処理動作
を考えることにする。
【0059】初期設定モードでは、偏波制御部10およ
び可変PMD補償部11の設定を最適値にして、運用開
始後のフィードバック制御が正しく行われるようにして
おく必要がある。
【0060】初期設定モードにおけるアルゴリズムとし
ては、例えば、抽出周波数の低い側のPMDモニタ13
Bのモニタ強度のみを用いた制御方法が可能である。具
体的には、まず、光送信機OSから初期設定用のテスト
信号光を送出し、偏波制御部10の1/4波長板10a
および1/2波長板10bをそれぞれスキャンしなが
ら、PMDモニタ13Bのモニタ強度を測定する。そし
て、該モニタ強度の測定結果を基に、PMDモニタ13
Bのモニタ強度が最大となる状態を判断し、その状態が
実現されるように1/4波長板10aおよび1/2波長
板10bの位置を設定する。次に、可変PMD補償部1
1の光遅延器11bの光遅延量ΔτCをスキャンしなが
ら、PMDモニタ13Bのモニタ強度を測定する。そし
て、該モニタ強度の測定結果を基に、PMDモニタ13
Bのモニタ強度が最大となる状態を判断し、その状態が
実現されるように光遅延量ΔτCを設定する。このよう
なアルゴリズムによって、偏波制御部10および可変P
MD補償部11がフィードバック制御に適した状態に設
定される。
【0061】また、初期設定モードにおける別のアルゴ
リズムとしては、例えば、PMDモニタ13A,13B
の両方のモニタ強度を用いた制御も可能である。具体的
には、まず、光送信機OSから初期設定用のテスト信号
光を送出し、偏波制御部10の1/4波長板10aおよ
び1/2波長板10bをそれぞれスキャンしながら、P
MDモニタ13AおよびPMDモニタ13Bの各モニタ
強度を測定する。そして、該モニタ強度の測定結果を基
に、PMDモニタ13Bのモニタ強度が最大となる1/
4波長板10aおよび1/2波長板10bの位置を基準
として、予め設定した±α°のスキャン範囲内につい
て、PMDモニタ13Aのモニタ強度が最大になる状態
を判断し、その状態が実現されるように1/4波長板1
0aおよび1/2波長板10bの位置を設定する。次
に、光遅延器11bの光遅延量ΔτCをスキャンしなが
ら、PMDモニタ13AおよびPMDモニタ13Bの各
モニタ強度を測定する。そして、該モニタ強度の測定結
果を基に、PMDモニタ13Bのモニタ強度が最大とな
る1/4波長板10aおよび1/2波長板10bの位置
を基準として、予め設定した±β°のスキャン範囲内に
ついて、PMDモニタ13Aのモニタ強度が最大になる
状態を判断し、その状態が実現されるように光遅延量Δ
τCを設定する。このようなアルゴリズムによって、偏
波制御部10および可変PMD補償部11がフィードバ
ック制御により適した状態に設定される。
【0062】上記のようにして初期設定が完了した後に
システムの運用が開始されると、前述の図3を用いて説
明したPMD補償の基本原理に従って、2つのPMDモ
ニタ13A,13Bを切り替えながら、各々のモニタ強
度が最大になるようにPMDの補償量がフィードバック
制御される。システム運用中においては、温度等の環境
変化によるPMDの変動に追随して常に最適なPMD補
償が実現されるように、偏波制御部10および可変PM
D補償部11の設定をトラッキング制御する必要がある
(トラッキングモード)。このトラッキング制御の一例
としては、PMD補償のフィードバック制御について、
モニタ強度が最大となる設定の周辺で光遅延量ΔτC
影響を及ぼすパラメータを微小変化させて(ディザリン
グさせて)、新しい最大点を自動的に検出する制御が可
能である。
【0063】トラッキングモードにおける具体的なアル
ゴリズムとしては、例えば、通常は1/4波長板10a
および1/2波長板10bに対するディザリングを行
い、一定時間毎に光遅延器11bの光遅延量ΔτCに対
するディザリングを差し挟み、各PMDモニタ13A,
13Bのモニタ強度が最大になるように各々の設定パラ
メータを最適化する制御が可能である。
【0064】また、トラッキングモードにおける別のア
ルゴリズムとしては、1/4波長板10a、1/2波長
板10bおよび光遅延量ΔτCに対するディザリングを
順次行うようにする制御も可能である。例えば、1/4
波長板10a→1/2波長板10b→光遅延量ΔτC
1/4波長板10a→…の順にディザリングを繰り返
し、各PMDモニタ13A,13Bのモニタ強度が最大
になるように各々の設定パラメータを最適化する制御と
してもよい。
【0065】上記のようなトラッキングモードの各アル
ゴリズムにおいて、制御回路14は、各PMDモニタ1
3A,13Bからの強度検出信号をそれぞれ受信し、各
々のモニタ強度に応じてフィードバック制御に用いる一
方のPMDモニタを判断することになる。この際、通常
は設定パラメータが初期設定モードで最適化されている
ので、ディザリングを実施してもPMD量ΔτTの変化
は、高周波側のPMDモニタ13Aのモニタ強度が最小
になるまでの範囲(図3においてΔτTがT1を超えない
範囲)で収まるものと考えられるので、このような場合
には高周波側のPMDモニタ13Aのモニタ強度を選択
すればよい。しかし、突発的な温度等の環境変化により
伝送路PMD量ΔτTが大きく変化してT1を超えてしま
う可能性もある。このような場合、各PMDモニタ13
A,13Bのモニタ強度は、例えば図3のA1点、A2
に示すように、モニタ強度を最大にするフィードバック
制御を行うことで、PMD量の変化方向に対する各モニ
タ強度の変化方向(各点の移動方向)が相反するように
なることが分かる。そこで、このようなときには、低周
波側のPMDモニタ13Bのモニタ強度を優先的に選択
してフィードバック制御を行うというアルゴリズムを制
御回路14に加えておくことが有効である。
【0066】上述したように第1実施形態のPMD補償
装置1Aによれば、2つのPMDモニタ13A,13B
の切り替えを、絶対値として予め設定したしきい値を基
準にして行うのではなく、モニタ強度が最大値に収束し
た状態を基準にして行うようにしたことで、伝送路Lに
おけるPMDの変化に正確に追随したフィードバック制
御が行われるようになるため、高い精度のPMD補償を
実現することができる。また、各PMDモニタ13A,
13Bで抽出する周波数f1,f2成分の設定は、従来の
ように伝送速度の1/2倍、1/4倍といった特定の周
波数に制約されることなく、PMDモニタの検出感度不
確定幅に応じて決めることができるため、例えば、信号
光の伝送速度が変化するようなシステムへの適用が可能
であり、かつ、各PMDモニタの周波数差を最大限に確
保できるため、2つのPMDモニタでも広い補償可能範
囲を実現することができる。これにより、40Gb/s
等の超高速信号光を長距離に亘って伝送できる光伝送シ
ステムの実現が可能になる。
【0067】次に、第1実施形態の変形例について説明
する。図5は、第1実施形態の変形例にかかるPMD補
償装置の構成を示すブロック図である。
【0068】図5において、本PMD補償装置1Bは、
上述した第1実施形態のPMD補償装置1Aの構成につ
いて、制御回路14に相当する機能を偏波制御部10お
よび可変11に内蔵させたものである。具体的には、1
/4波長板10aおよび1/2波長板10bを制御する
制御回路10cを備えた偏波制御部10’を設けると共
に、光遅延器11bを制御する制御回路11dを備えた
可変PMD補償部11’を設け、PMDモニタ13A,
13Bから出力される各強度検出信号が、偏波制御部1
0’の制御回路10cおよび可変PMD補償部11’の
制御回路11dにそれぞれ送られるようにする。上記以
外の他の部分の構成および本PMD補償装置1Bが適用
される光伝送システムの構成は、第1実施形態の場合と
同様であるため説明を省略する。
【0069】上記のような構成のPMD補償装置1Bで
は、PMDモニタ13A,13Bの各モニタ強度を用い
たフィードバック制御が、偏波制御部10’および可変
PMD補償部11’の各制御回路10cおよび11dに
よりそれぞれ行われるようになる。各々の制御回路10
c,11dの制御動作は、上述した第1実施形態の制御
回路14の制御動作と基本的に同様であって、フィード
バック制御の対象となる設定パラメータが、偏波制御部
10’の制御回路10cは1/4波長板10aおよび1
/2波長板10bの各位置となり、可変PMD補償部1
1’の制御回路11dは光遅延器の光遅延量ΔτCの位
置となる点が異なるだけである。
【0070】このように、偏波制御部10’および可変
PMD補償部11’が制御回路をそれぞれ備えること
で、第1実施形態の場合に比べて、例えば偏波制御部1
0’または可変PMD補償部11’の交換やアップグレ
ード等を容易に行うことが可能になる。
【0071】次に、第1実施形態の別の変形例について
説明する。図6は、第1実施形態の別の変形例にかかる
PMD補償装置の構成を示すブロック図である。
【0072】図6において、本PMD補償装置1Cは、
上述の図5に示した変形例の構成について、抽出周波数
の高い側のPMDモニタ13Aからの検出強度信号のみ
が偏波制御部10’の制御回路10cに対して送られ、
抽出周波数の低い側のPMDモニタ13Bからの検出強
度信号のみが可変PMD補償部11’の制御回路11d
に対して送られるようにしたものである。上記以外の他
の部分の構成および本PMD補償装置1Bが適用される
光伝送システムの構成は、図5の変形例の場合と同様で
あるため説明を省略する。
【0073】上記のような構成のPMD補償装置1Cで
は、PMDモニタ13Aの周波数f 1成分のモニタ強度
を用いて、1/4波長板10aおよび1/2波長板10
bの各位置がフィードバック制御され、PMDモニタ1
3Bの周波数f2成分のモニタ強度を用いて、光遅延器
11bの光遅延量ΔτCがフィードバック制御されるよ
うになる。
【0074】このように、抽出周波数の高い側のモニタ
強度を用いて偏波制御部10’を制御し、抽出周波数の
低い側のモニタ強度を用いて可変PMD補償部11’を
制御することによって、より高速に応答するPMD補償
が可能になる。すなわち、偏波制御部10’に要求され
る応答速度は、可変PMD補償部11’への入射光の軸
合わせを高速に行う必要があるため、可変PMD補償部
11’に要求される応答速度に比べて速くなるものと考
えられる。このため、フィードバック制御の収束性がよ
り速い高周波側のモニタ強度のみを用いて偏波制御部1
0’を制御すれば、偏波制御部10’の応答速度を下げ
ることなく設定パラメータを最適化することができるの
である。
【0075】次に、本発明によるPMD補償装置の第2
実施形態について説明する。図7は、本発明によるPM
D補償装置の第2実施形態を示すブロック図である。
【0076】図7において、本PMD補償装置2Aは、
光送信機(図示は省略)から伝送路Lを介して送られて
くる伝送速度B(b/s)の信号光(例えば、40Gb
/sのNRZ信号光など)が順次入力される多段接続さ
れたPMD補償ユニット20 1〜20Nと、N段のPMD
補償ユニット201〜20Nを通過して光受信機ORに送
られる信号光の一部を分岐する光カプラ23Aと、その
光カプラ23Aの分岐光をさらに2分岐する光カプラ2
3Bと、光カプラ23Bの一方の分岐光から周波数f1
成分を抽出してその強度を検出するPMDモニタ24A
と、光カプラ23Bの他方の分岐光から周波数f2成分
を抽出してその強度を検出するPMDモニタ24Bと、
PMDモニタ24A,24Bで検出された各モニタ強度
を用いて、各々のPMD補償ユニット201〜20Nをフ
ィードバック制御する制御回路25と、から構成され
る。ここでは、上記の光カプラ23A,23Bが、第1
実施形態における光カプラ12A,12Bと同様であ
り、また、PMDモニタ24A,24Bが、第1実施形
態におけるPMDモニタ13A,13Bと同様である。
【0077】各PMD補償ユニット201〜20Nは、偏
波制御部21および固定遅延素子22をそれぞれ有す
る。偏波制御部21は、後段の固定遅延素子22への入
力光の偏波方向を調整(軸合わせ)するものであり、例
えば、1/4波長板(λ/4板)21aおよび1/2波
長板(λ/2板)21bを有する。1/4波長板21a
および1/2波長板21bは、図示しないがアクチュエ
ータをそれぞれ備えており、制御回路25から送られる
制御信号に従って外部から駆動できるようになってい
る。固定遅延素子22は、例えば、偏波保持ファイバ
(PMF)等を用いて、偏波制御部21から出力される
信号光の偏波モード間に固定の光遅延量を与えらるもの
である。ここでは、各PMD補償ユニット201〜20N
で与えられる各々の光遅延量をΔτC1〜ΔτCNとする。
【0078】制御回路25は、各PMDモニタ24A,
24Bからのモニタ強度に基づいて、PMD補償ユニッ
ト20Nから出力される信号光のPMD量を判断し、P
MD補償量が最適となるように、各PMD補償ユニット
201〜20Nをフィードバック制御する。
【0079】次に、第2実施形態の動作について説明す
る。図8は、上記のような構成のPMD補償装置2Aを
用いてPMD補償を行った場合における、PMD量Δτ
Tに対するパワーペナルティの変化を示す図である。
【0080】図8に示すように、例えば、伝送速度Bが
40Gb/sのNRZ信号光に対して、PMDによる許
容ペナルティを1dBとすると、PMD補償無しの場合
のPMD耐力は約10psとなる。そこで、本PMD補
償装置2Aでは、各PMD補償ユニット201〜20N
固定遅延素子22における光遅延量ΔτC1〜ΔτCNを、
例えば20ps等にそれぞれ設定する。そして、制御回
路25によって、PMDモニタ24A,24Bのモニタ
強度が最大になるように、各固定遅延素子22の前段に
配置した偏波制御部21が、上述の図3で説明した基本
原理に従ってフィードバック制御される。
【0081】具体的には、信号光のPMD量ΔτTが、
例えば20ps,40ps,…,20×Npsとなると
き、図8の横軸下方に対応させて示したような、PMD
補償ユニット201〜20Nにおける光遅延量の組み合わ
せ(ΔτC1,ΔτC2,…,ΔτCN)が実現されるよう
に、各PMD補償ユニット201〜20Nの偏波制御部2
1を制御することで、補償後のPMD量を零にすること
が可能となり、PMD補償後のパワーペナルティが零に
なる。なお、図8には、伝送路Lで発生するPMD量Δ
τTの値を正とし、それを補償する光遅延量ΔτC1〜Δ
τCNの値を負として表記したが、これとは逆の符号設定
も可能である。
【0082】例えば、信号光のPMD量ΔτT=20p
sを補償する場合を考えると、1段目のPMD補償ユニ
ット201の固定遅延素子22に入力される信号光の偏
波方向が、固定遅延素子22で最大の光遅延が生じる方
向に一致するように、偏波制御部21によって制御さ
れ、他のPMD補償ユニット202〜20Nの各固定遅延
素子22に入力される信号光の偏波方向が、固定遅延素
子22での光遅延量が零となる方向に一致するように、
各々の偏波制御部21によって制御されることで、光遅
延量の組み合わせ(ΔτC1,ΔτC2,…,ΔτCN)=
(−20,0,…,0)が実現される。
【0083】上記のような設定例の場合、光遅延量が2
0psの固定遅延素子22をN段接続することで、補償
可能なPMD量ΔτTとしては、20ps×N+10p
sまで拡大できることになる。例えば、伝送路LのPM
D量ΔτT=150psをPMD補償装置2Aで補償す
るためには、7段のPMD補償ユニットを用いればよい
ことになる。上記の内容を一般化した場合、許容PMD
量をΔτmaxとすると、光遅延量2Δτmaxの固定遅延素
子22をN段接続することで、PMDの補償可能範囲の
上限が(2N+1)Δτmaxとなる。
【0084】なお、ここでは、固定遅延素子22の光遅
延量を許容PMD量の2倍に設定するようにしたが、本
発明はこれに限られるものではない。図8に示したよう
に、伝送路LのPMD量ΔτTがPMD補償ユニット2
1〜20Nの組み合わせによってちょうど相殺される場
合(ΔτT=20ps,40ps,…,20×Nps)
には、パワーペナルティの値がほぼ零となるが、伝送路
LのPMD量ΔτTがそれらの値から離れてしまうと、
パワーペナルティの値が上昇することが分かる。このよ
うな場合でも、PMDによる許容ペナルティ(例えば1
dB等)を超えないようにする必要があり、そのために
は、各段のPMD補償ユニット201〜20Nにおける固
定の光遅延量の値を小さく設定するのが望ましい。ただ
し、これは、所要のPMD補償可能範囲を確保しようと
すると、PMD補償ユニットの段装を増やすことになる
ため、伝送特性とシステム全体の大きさとのトレードオ
フを考慮して、各段の光遅延量とPMD補償ユニットの
数とを決める必要がある。
【0085】このように第2実施形態のPMD補償器に
よれば、偏波制御部21および固定遅延素子22からな
るPMD補償ユニットを多段接続し、PMDモニタ24
A,24Bのモニタ強度が最大となるように、各PMD
補償ユニットの偏波制御部21をフィードバック制御す
ることによっても、第1実施形態の場合と同様の効果を
得ることが可能である。また、固定遅延素子22は、第
1実施形態で用いた可変PMD補償部11に比べてデバ
イスの実現が比較的簡単であるため、本PMD補償装置
2Aを容易に構成することができるという利点もある。
【0086】次に、第2実施形態の変形例について説明
する。図9は、第2実施形態の変形例にかかるPMD補
償装置の構成を示すブロック図である。
【0087】図9において、本PMD補償装置2Bは、
上述した第2実施形態のPMD補償装置2Aの構成につ
いて、制御回路25に相当する機能を各PMD補償ユニ
ット201〜20Nに内蔵させたものである。具体的に
は、1/4波長板21aおよび1/2波長板21bを制
御する制御回路25’が各PMD補償ユニット201
20Nに設けられ、PMDモニタ24A,24Bから出
力される各強度検出信号が、各々のPMD補償ユニット
201〜20Nの制御回路25’にそれぞれ送られるよう
にする。上記以外の他の部分の構成および本PMD補償
装置2Bが適用される光伝送システムの構成は、第2実
施形態の場合と同様である。
【0088】上記のような構成のPMD補償装置2Bで
は、PMDモニタ24A,24Bの各モニタ強度を用い
たフィードバック制御が、PMD補償ユニット201
20Nの各制御回路25’によりそれぞれ行われるよう
になる。各々の制御回路25’の制御動作は、上述した
第2実施形態の制御回路25の制御動作と基本的に同様
であって、フィードバック制御の対象となる設定パラメ
ータが、それぞれのユニット内にある1/4波長板21
aおよび1/2波長板21bの各位置となる点が異なる
だけである。
【0089】このように、各PMD補償ユニット201
〜20Nが制御回路25’をそれぞれ備えるようにした
ことで、第2実施形態の場合に比べて、例えば、個々の
PMD補償ユニット201〜20Nの交換やアップグレー
ド等を容易に行うことが可能になる。
【0090】次に、本発明によるPMD補償装置の第3
実施形態について説明する。上述した第1実施形態およ
び第2実施形態では、抽出周波数の異なる2つのPMD
モニタのモニタ強度を用いて、PMDの補償量のフィー
ドバック制御を行うようにした場合を説明した。第3実
施形態では、PMDの補償可能範囲をさらに拡大させる
場合について考える。第1、2実施形態における補償可
能範囲をさらに拡大させるためには、PMDモニタの検
出感度を上げて不確定幅を狭くするか、若しくは、PM
Dモニタの数を増やせばよい。PMDモニタの検出感度
不確定幅を狭くするのには一定の限界があるため、ここ
では、PMDモニタの数を3つに増やして補償可能範囲
のさらなる拡大を図ることを考える。
【0091】図10は、本発明によるPMD補償装置の
第3実施形態を示すブロック図である。図10におい
て、本PMD補償装置3の構成が上述した第1実施形態
のPMD補償装置1Aの構成と異なる点は、周波数f3
成分の強度を検出するPMDモニタ13Cを新たに設け
ると共に、光カプラ12Bに代えて、光カプラ12Aの
分岐光を3分岐して各PMDモニタ13A,13B,1
3Cにそれぞれ送る光カプラ12B’を設けた点であ
る。上記以外の他のPMD補償装置3の構成および該P
MD補償装置3を用いた光伝送システムの構成は第1実
施形態の場合と同様である。
【0092】PMDモニタ13Cは、上述の図2に示し
たPMDモニタ13A,13Bの構成と同様に、受光器
(PD)13a、バンドパスフィルタ(BPF)13b
および強度検出器13cからなる。PMDモニタ13C
のBPF13bは、中心周波数がf3(<f2<f1)の
通過帯を持つものとする。このPMDモニタ13Cで検
出されたモニタ強度は、他のPMDモニタ13A,13
Bの各モニタ強度と共に制御回路14’に伝えられて、
PMD補償量のフィードバック制御に用いられる。
【0093】ここで、3つのPMDモニタを用いたPM
D補償量のフィードバック制御について説明する。図1
1は、PMDモニタを3つに増やすことによるPMD補
償範囲の拡大の効果を説明する図である。なお、横軸
は、伝送路Lにより信号光に生じるPMD量ΔτTを表
し、縦軸は、各PMDモニタ13A〜13Cで検出され
る周波数f1〜f3成分の強度(モニタ強度)を表してい
る。また、PMDモニタ13Cのモニタ強度が最初に零
(または極小)になるPMD量をT3とする。さらに、
ここでは、PMDモニタ13A〜13Cでそれぞれ抽出
される各周波数f1〜f3は、許容PMD量およびPMD
モニタの検出感度不確定幅から決まる最小値に設定して
ある。
【0094】図11に示すような3つのPMDモニタ1
3A〜13Cを用いたPMD補償では、まず、PMDモ
ニタ13Cのモニタ強度(周波数f3成分)を用いたフ
ィードバック制御が最大値収束範囲内に安定してPMD
量がT2以下になった後に、PMDモニタ13Bのモニ
タ強度(周波数f2成分)を用いたフィードバック制御
に切り替えられる。そして、PMDモニタ13Bによる
フィードバック制御が最大値収束範囲内に安定してPM
D量がT1以下になった後に、PMDモニタ13Aのモ
ニタ強度(周波数f1成分)を用いたフィードバック制
御に切り替えられ、PMD量ΔτTが許容PMD量以下
にされる。このように、モニタ強度が最大になる状態を
基準としてPMDモニタの切り替えを行う方式は、上述
の図3で説明した本発明の基本原理と同様であり、ここ
では、PMDモニタを3系統に増やしたことによって、
PMDの補償可能範囲の上限が、2系統のときのT2
らT3に大幅に拡大されることになる。
【0095】ここで、上記のようなPMDの補償可能範
囲の拡大効果を定量的に説明しておく。一般に、PMD
モニタで抽出される周波数feに対するモニタ強度を表
す、図11に示したような特性曲線K(fe)は、光強
度分岐比γを0.5とした場合、次の(1)式で表すこ
とができる。
【0096】 K(fe)=1−4γ(1−γ)sin2(πfeΔτT) ={1+cos(2πfeΔτT)}/2 …(1) PMDモニタの検出感度不確定幅をピーク(モニタ強度
の最大値)のΔI倍、許容PMD量をΔτmaxとする
と、PMDモニタ13Aに対応した特性曲線(fe
1)に関して、次のような関係が成り立つことにな
る。
【0097】 {1+cos(2πf1Δτmax)}/2=1−ΔI ∴f1=cos-1(1−2ΔI)/2πΔτmax ∴T1=1/(2f1)=πΔτmax/cos-1(1−2
ΔI) また、これと同様にして他のPMDモニタについても次
のような関係が成り立つことになる。
【0098】T2=πT1/cos-1(1−2ΔI) T3=πT2/cos-1(1−2ΔI) 上記の関係をn系統のPMDモニタにまで拡張して一般
化すると、次のようになる。
【0099】 Tn={π/cos-1(1−2ΔI)}n・Δτmax このように本発明によるPMDの補償可能範囲は、PM
Dモニタの系統数に応じて指数関数的に拡大することが
分かる。例えば、Δτmax=0.2T(Tは1タイムス
ロット)、ΔI=0.1とすると、PMDの補償可能範
囲の上限値は、T1=0.98T,T2=4.8T,T3
=23T,…,Tn=4.88n×0.2Tなどになる。
【0100】上記のようにして、第3実施形態のPMD
補償装置3では、3つのPMDモニタを用いたPMD補
償量のフィードバック制御が制御回路14’によって実
行される。なお、1/4波長板10a、1/2波長板1
0bおよび光遅延器11bに対する制御回路14’の具
体的な処理動作は、第1実施形態の場合に説明した、初
期設定モードおよびトラッキングモードにおけるそれぞ
れのアルゴリズムと同様であるため説明を省略する。
【0101】このように第3実施形態のPMD補償装置
3によれば、3つのPMDモニタ13A〜13Bを用い
ることで、PMDの補償可能範囲をさらに拡大すること
ができ、一般化すると、n個のPMDモニタを用いるこ
とで、PMDの補償可能範囲を指数関数的に拡大するこ
とが可能である。本発明によるPMD補償技術では、複
数のPMDモニタの周波数差を最大限に確保できるた
め、従来の補償技術に比べて、PMDモニタの数を最小
限にすることが可能になる。
【0102】なお、上記の第3実施形態では、第1実施
形態の構成についてPMDモニタを追加する場合を説明
したが、これと同様にして、第1実施形態の各変形例、
並びに、第2実施形態およびその変形例についても、3
つまたはそれ以上のPMDモニタを追加することが可能
である。
【0103】また、上述した第1〜第3実施形態では、
各PMDモニタがバンドパスフィルタ(BPF)を使用
して抽出した周波数成分の強度を検出する構成について
説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、BPFに
代えてローパスフィルタ(LPF)を使用して抽出した
周波数成分の強度を検出するようにしても構わない。L
PFを使用する方式は、例えば、信号光が経時的にスペ
クトルの変動する符号形式である場合に、広範囲の周波
数成分の強度を積分した値が得られるため、単一周波数
を抽出するBPFを用いた方式に比べて、より安定した
PMD補償を実現することが可能である。さらに、BP
FとLPFを併用することも考えられる。例えば、高周
波側のPMDモニタとしてBPFを用い、低周波側のP
MDモニタとしてLPFを用いてもよい。これは、信号
光のベースバンド信号が高周波側の成分を時間的に安定
して持っているのに対して、低周波側に相当する長いビ
ットパターンに関しては、検出頻度が時間変動しやすい
ことが考えられるため、低周波側にLPFを用いること
でモニタ強度の安定化を図ることができるという利点が
ある。
【0104】(付記1)伝送路の偏波モード分散による
信号光への影響を補償する偏波モード分散補償方法にお
いて、伝送路を介して入力される信号光に生じた偏波モ
ード分散を補償する偏波モード分散補償ステップと、該
偏波モード分散補償ステップで補償された信号光におけ
るベースバンドスペクトル中の複数の特定周波数成分を
抽出する特定周波数成分抽出ステップと、該特定周波数
成分抽出ステップで抽出された各特定周波数成分の強度
をそれぞれ検出する強度検出ステップと、該強度検出ス
テップで検出されるすべての特定周波数成分の強度が、
検出感度の不確定幅に応じて決まる最大値収束範囲内に
なるように、前記偏波モード分散補償ステップにおける
偏波モード分散補償量をフィードバック制御する補償量
制御ステップと、を含んでなることを特徴とする偏波モ
ード分散補償方法。
【0105】(付記2)前記補償量制御ステップは、相
対的に低周波側の特定周波数成分の強度が前記最大値収
束範囲内になった後に、相対的に高周波側の特定周波数
成分の強度が前記最大値収束範囲内になるように、偏波
モード分散補償量のフィードバック制御に用いる特定周
波数成分の強度の切り替えを順次行うことを特徴とする
付記2に記載の偏波モード分散補償方法。
【0106】(付記3)伝送路の偏波モード分散による
信号光への影響を補償する偏波モード分散補償装置にお
いて、伝送路を介して入力される信号光に生じた偏波モ
ード分散を補償する偏波モード分散補償手段と、該偏波
モード分散補償手段から出力される信号光におけるベー
スバンドスペクトル中の複数の特定周波数成分を抽出す
る特定周波数成分抽出手段と、該特定周波数成分抽出手
段で抽出された各特定周波数成分の強度をそれぞれ検出
する強度検出手段と、該強度検出手段で検出されるすべ
ての特定周波数成分の強度が、検出感度の不確定幅に応
じて決まる最大値収束範囲内になるように、前記偏波モ
ード分散補償手段における偏波モード分散補償量をフィ
ードバック制御する補償量制御手段と、を備えて構成さ
れたことを特徴とする偏波モード分散補償装置。
【0107】(付記4)前記補償量制御手段は、相対的
に低周波側の特定周波数成分の強度が前記最大値収束範
囲内になった後に、相対的に高周波側の特定周波数成分
の強度が前記最大値収束範囲内になるように、前記偏波
モード分散補償手段における偏波モード分散補償量のフ
ィードバック制御に用いる特定周波数成分の強度の切り
替えを順次行うことを特徴とする付記3に記載の偏波モ
ード分散補償装置。
【0108】(付記5)前記特定周波数成分抽出手段
は、前記特定周波数成分に対応した通過中心周波数を持
つバンドパスフィルタを有し、該バンドパスフィルタを
用いて当該特定周波数成分の抽出を行うことを特徴とす
る付記3に記載の偏波モード分散補償装置。
【0109】(付記6)前記特定周波数成分抽出手段
は、前記特定周波数成分に対応したカットオフ周波数を
持つローパスフィルタを有し、該ローパスフィルタを用
いて当該特定周波数成分の抽出を行うことを特徴とする
付記3に記載の偏波モード分散補償装置。
【0110】(付記7)前記偏波モード分散補償手段
は、前記信号光について、2つの偏波モードへの光強度
の分岐比を決定する偏波制御部と、2つの偏波モード間
に光遅延差を与える光遅延部とを有し、前記偏波制御部
の分岐比および前記光遅延部の光遅延差の組み合わせに
応じて偏波モード分散補償量が設定されることを特徴と
する付記3に記載の偏波モード分散補償装置。
【0111】(付記8)前記偏波モード分散補償手段
は、光遅延差を変えることが可能な可変光遅延素子と、
該可変光遅延素子への入力光の偏波方向を変える波長板
とを有し、前記補償量制御手段は、前記可変光遅延素子
の光遅延量および前記波長板の位置の少なくとも一方を
フィードバック制御することを特徴とする付記7に記載
の偏波モード分散補償装置。
【0112】(付記9)前記偏波モード分散補償手段
は、直列に接続された複数の偏波モード分散補償ユニッ
トを有し、該各偏波モード分散補償ユニットは、予め設
定した光遅延差を与える固定光遅延素子と、該固定光遅
延素子への入力光の偏波方向を変える波長板とを含み、
前記補償量制御手段は、前記各偏波モード分散補償ユニ
ットの波長板の位置をそれぞれフィードバック制御する
ことを特徴とする付記7に記載の偏波モード分散補償装
置。
【0113】(付記10)付記3に記載の偏波モード分
散補償装置を用いた光伝送システムであって、前記偏波
モード分散補償装置が、光送信機と光受信機の間を接続
する伝送路の途中に設けられたことを特徴とする光伝送
システム。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるPM
D補償技術によれば、複数の特定周波数成分の強度が各
々の最大値に収束するようにPMD補償量を制御するこ
とで、信号光のPMD量の変化に正確に追随したフィー
ドバック制御が可能になり、高い精度のPMD補償が実
現できる。このようなPMD補償技術を適用して光伝送
システムを構築すれば、伝送路を伝搬する信号光のPM
Dが広い範囲で確実に補償されるため、高速信号光を長
距離に亘って伝送することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の構成を示すブロック図
である。
【図2】本発明に用いられるPMDモニタの構成例を示
すブロック図である。
【図3】本発明によるPMD補償の基本原理を説明する
ための図であって、2つのPMDモニタを用いた場合に
対応する図である。
【図4】本発明の第1実施形態におけるPMD量に対す
るパワーペナルティの変化を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例を示すブロック
図である。
【図6】本発明の第1実施形態の別の変形例を示すブロ
ック図である。
【図7】本発明の第2実施形態の構成を示すブロック図
である。
【図8】同上第2実施形態の動作を説明する図である。
【図9】本発明の第2実施形態の変形例を示すブロック
図である。
【図10】本発明の第3実施形態の構成を示すブロック
図である。
【図11】本発明によるPMD補償の基本原理を説明す
るための図であって、3つのPMDモニタを用いた場合
に対応する図である。
【図12】従来のPMD補償技術について補償可能範囲
が1タイムスロットに制約されてしまうことを説明する
図である。
【図13】複数のPMDモニタを用いた従来のPMD補
償技術を説明するための図である。
【図14】PMDによる伝送光波形劣化を測定するため
の実験系の概要を示す図である。
【図15】図14の実験系において、光遅延差ΔτT
変化させたときのパワーペナルティを示す図である。
【図16】図15の場合における伝送光波形の変化を示
す図である。
【図17】公知のPMD補償技術に用いられるPMDモ
ニタ系の一例を示す図である。
【図18】図17のPMDモニタ系を用いて測定した2
0GHz成分強度のΔτT依存性を示す図である。
【図19】図17のPMDモニタ系を用いて測定した2
0GHz成分強度のγ依存性を示す図である。
【図20】公知のPMD補償技術を40Gb/s光伝送
システムに適用したときの実験系を示す図である。
【図21】図20の実験系を用いて測定した光遅延差Δ
τTに対するパワーペナルティを示す図である。
【図22】図20の実験系を用いて測定した光遅延差Δ
τTに対する伝送光波形を示す図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C,2A,2B,3 PMD補償装置 10,10’,21 偏波制御部 10a,21a 1/4波長板 10b,21b 1/2波長板 11,11’ 可変PMD補償部 11a,11c 偏波ビームスプリッタ(PBS) 11b 光遅延器 12A,12B,12B’,12C,23A,23B
光カプラ 13A,13B,13C,24A,24B PMDモ
ニタ 14,10c,11d,25,25’ 制御回路 201〜20N,201’〜20N’ PMD補償ユニッ
ト 22 固定遅延素子(PMF) OS 光送信機 OR 光受信機 L 伝送路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】伝送路の偏波モード分散による信号光への
    影響を補償する偏波モード分散補償方法において、 伝送路を介して入力される信号光に生じた偏波モード分
    散を補償する偏波モード分散補償ステップと、 該偏波モード分散補償ステップで補償された信号光にお
    けるベースバンドスペクトル中の複数の特定周波数成分
    を抽出する特定周波数成分抽出ステップと、 該特定周波数成分抽出ステップで抽出された各特定周波
    数成分の強度をそれぞれ検出する強度検出ステップと、 該強度検出ステップで検出されるすべての特定周波数成
    分の強度が、検出感度の不確定幅に応じて決まる最大値
    収束範囲内になるように、前記偏波モード分散補償ステ
    ップにおける偏波モード分散補償量をフィードバック制
    御する補償量制御ステップと、 を含んでなることを特徴とする偏波モード分散補償方
    法。
  2. 【請求項2】前記補償量制御ステップは、相対的に低周
    波側の特定周波数成分の強度が前記最大値収束範囲内に
    なった後に、相対的に高周波側の特定周波数成分の強度
    が前記最大値収束範囲内になるように、偏波モード分散
    補償量のフィードバック制御に用いる特定周波数成分の
    強度の切り替えを順次行うことを特徴とする請求項1に
    記載の偏波モード分散補償方法。
  3. 【請求項3】伝送路の偏波モード分散による信号光への
    影響を補償する偏波モード分散補償装置において、 伝送路を介して入力される信号光に生じた偏波モード分
    散を補償する偏波モード分散補償手段と、 該偏波モード分散補償手段から出力される信号光におけ
    るベースバンドスペクトル中の複数の特定周波数成分を
    抽出する特定周波数成分抽出手段と、 該特定周波数成分抽出手段で抽出された各特定周波数成
    分の強度をそれぞれ検出する強度検出手段と、 該強度検出手段で検出されるすべての特定周波数成分の
    強度が、検出感度の不確定幅に応じて決まる最大値収束
    範囲内になるように、前記偏波モード分散補償手段にお
    ける偏波モード分散補償量をフィードバック制御する補
    償量制御手段と、 を備えて構成されたことを特徴とする偏波モード分散補
    償装置。
  4. 【請求項4】前記補償量制御手段は、相対的に低周波側
    の特定周波数成分の強度が前記最大値収束範囲内になっ
    た後に、相対的に高周波側の特定周波数成分の強度が前
    記最大値収束範囲内になるように、前記偏波モード分散
    補償手段における偏波モード分散補償量のフィードバッ
    ク制御に用いる特定周波数成分の強度の切り替えを順次
    行うことを特徴とする請求項3に記載の偏波モード分散
    補償装置。
  5. 【請求項5】前記偏波モード分散補償手段は、前記信号
    光について、2つの偏波モードへの光強度の分岐比を決
    定する偏波制御部と、2つの偏波モード間に光遅延差を
    与える光遅延部とを有し、前記偏波制御部の分岐比およ
    び前記光遅延部の光遅延差の組み合わせに応じて偏波モ
    ード分散補償量が設定されることを特徴とする請求項3
    に記載の偏波モード分散補償装置。
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