JP2002033645A - パルス信号発生装置 - Google Patents
パルス信号発生装置Info
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Abstract
の角度制御をより精密に行う。 【解決手段】 パルス信号発生装置は、大バルクハウゼ
ンジャンプを起こしうる少なくとも2つの磁性素子と、
それらに関連して配置された検出手段と、磁性素子を間
に置き且つ磁極の向きが互いに反対となるように配置さ
れた永久磁石と30,40とヨーク60,70とからな
る1対の磁界発生手段とを備え、1対の磁界発生手段の
同じ側の磁極は、被検知物体の順次の接近に応答して、
磁性素子に印加される磁界を変化させて、磁性素子に大
バルクハウゼンジャンプを生ぜしめ、検出手段に大バル
クハウゼンジャンプに応じたパルス信号を発生する検出
部を構成し、磁性素子は、互いに間隔を置いて且つ検出
部の側に偏って配置され、1対の磁界発生手段の永久磁
石30,40とヨーク60,70との接続体には、その
磁軸にそって位置調整される調整ヨーク80A,80B
が関連付けられる。
Description
置に関するものである。
に応じたパルス信号を得たり、種々な操作に応じたパル
ス信号を発生したりすることは、自動制御の分野や、電
気および電子機器等の各種の分野において必要とされて
いる。
としては、種々なものが開発され使用されてきている
が、それらの代表的なものうちの一つとして、電磁/光
ピックアップ、ホール/磁気抵抗素子による回転検出装
置がある。しかし、電磁式では、停止から低速回転では
出力が小さいという問題がある。光ピックアップ式で
は、広帯域直流増幅器が必要となり、また、防塵構造と
する必要があった。また、ホール/磁気抵抗式では、複
数の素子と増幅器が必要とされていた。さらにまた、光
ピックアップ/ホール/磁気抵抗式は、素子が温度に敏
感であり、温度変化の激しい環境で使用するには適して
いない。
では、例えば、自動車の分野においてエンジンのクラン
クシャフト、カムシャフトの回転速度や位置を検出する
目的で使用しようとする場合において、極低速から高速
回転までに亘る検出ができないという問題があった。
回転までに亘る検出素子として適したものとして、例え
ば、特開2000−101401号公報に開示されてい
るような大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素
子ワイヤを使用したパルス信号発生装置が開発され種々
な分野における用途を見つけ出し始めている。この種の
パルス信号発生装置は、前述したような従来技術の問題
点を解消することのできるものではあるが、実用化にお
いては、なおも種々の問題を解決するための工夫も必要
である。
報に開示された技術では、より良い大バルクハウゼンジ
ャンプを引き起こすに適切な磁界を容易に発生させるよ
うな工夫として、セット状態とリセット状態との間の磁
性素子ワイヤに印加される磁界の変化幅をできるだけ大
きくするという観点から、調整ヨークを磁石の後端面に
付加したり、磁性素子ワイヤの長さを磁石+ヨークの長
さの半分以下にするとか、1対の磁石の強さに強弱を付
けるために磁石の強さや体積や形状等を異ならせると
か、1対の磁石に対する磁性素子ワイヤの相対的な位置
関係を異ならせるとか、1対の磁石の一方の側縁から磁
性素子ワイヤまでの距離と他方の側縁からの磁性素子ワ
イヤまでの距離とを異ならせるとか、1対の磁石の軸方
向における相対的位置または磁軸の平行度を可変とする
とか、1対の磁石に対する磁性素子ワイヤの置き方を変
えるとか、等の種々な方法を提案している。
実用化においては、如何にすれば個品単価を極限まで安
くできるか、如何にすれば装置サイズを極限まで小さく
できるか、如何にすれば短時間で容易に組立て調整でき
るか、如何にすれば製品性能のバラツキを小さくできる
か、如何にすれば製品歩留まりを良くすることができる
か、等が問われるところである。しかし、特開2000
−101401号公報に開示された技術は、それらの種
々な手段を被検知物体の形状や、大きさ等に応じて適宜
組み合わせることで所与の効果を達成することができる
とするにとどまるもので、前述したような実用化に際し
て要求される課題に対する解決策を示すものではない。
また、前述したような自動車の分野等においては回転体
の角度制御を微細に行うという要求も多く、このような
要求に応えるためには、被検知物体に応じてより高い分
解能でもってパルス信号を発生しうるようなパルス信号
発生装置が要求されてきている。
際して要求される課題に充分に応えうるようなパルス信
号発生装置を提供することである。
発生装置は、大バルクハウゼンジャンプを起こしうる少
なくとも2つの磁性素子と、該磁性素子のそれぞれに関
連して配置された検出手段と、前記磁性素子を間に置き
且つ磁極の向きが互いに反対となるようにして配置され
た磁石とヨークとからなる1対の磁界発生手段とを備え
ており、前記1対の磁界発生手段の同じ側の磁極は、被
検知物体の順次の接近に応答して、前記磁性素子に印加
される磁界を変化させて、前記磁性素子に大バルクハウ
ゼンジャンプを生ぜしめて、前記検出手段に該大バルク
ハウゼンジャンプに応じたパルス信号を発生せしめるよ
うにする検出部を構成し、前記磁性素子は、互いに間隔
を置いて且つ前記検出部の側に偏って配置され、前記1
対の磁界発生手段のうちの一方の磁石とヨークとの接続
体には、前記磁性素子のうちの一方に対応する位置にお
いて該接続体の磁軸にそって位置調整されうる調整ヨー
クが関連付けられており、前記1対の磁界発生手段のう
ちの他方の磁石とヨークとの接続体には、前記磁性素子
のうちの他方に対応する位置において該接続体の磁軸に
そって位置調整されうる調整ヨークが関連付けられてい
ることを特徴とする。
磁性素子は、前記磁石と前記ヨークとの接続体の長さ以
下で且つ該長さの半分以上の長さを有している。
性素子のうちの一方の配置位置は、前記1対の磁界発生
手段のうちの一方の磁石とヨークとの接続体の方へ片寄
った位置とされ、前記磁性素子のうちの他方の配置位置
は、前記1対の磁界発生手段のうちの他方の磁石とヨー
クとの接続体の方へ片寄った位置とされている。
前記磁石およびヨークは、実質的の同一の磁石およびヨ
ークの接続体の2つを、互いに側面同志を接合してなる
ものであり、前記調整ヨークおよび磁性素子は、それぞ
れ前記磁石およびヨークの接続体のうちの対応するもの
に対して配置されている。
ス信号発生装置は、前述のようなパルス信号発生装置の
少なくとも2つを、被検知物体に対して、前記検出部が
該被検知物体の移動方向において若干ずれるようにして
配置してなる。
明の実施の形態および実施例について、本発明をより詳
細に説明する。
ゼンジャンプを起こしうる磁性素子を使用したパルス信
号発生装置の動作原理を説明するための図である。図1
および図2に示す原理的なパルス信号発生装置は、ワイ
ヤ状素子である磁性素子1と、この複合磁性素子1の周
りに巻回された検出コイル2と、磁性素子1を間に置き
且つ磁極の向きが互いに反対となるようにして配置され
た1対の永久磁石3および4と、一方の永久磁石3の一
方の磁極側、すなわち、S極側に接続された磁性体で形
成されたヨーク6と、他方の永久磁石4の一方の磁極
側、すなわち、N極側に接続された磁性体で形成された
ヨーク7と、一方の永久磁石3とヨーク6とに対して位
置調整しうるように配置された磁性体で形成された調整
ヨーク8とを備えている。これら1対の磁石3および4
の他方の側の磁極3Aおよび4Aは、例えば、歯車5の
歯部5A、5B、……5Xである被検知物体の順次の接
近に応答して、磁性素子1に印加される磁界を変化させ
て、磁性素子1に大バルクハウゼンジャンプを生ぜしめ
て、検出手段としての検出コイル2に該大バルクハウゼ
ンジャンプに応じたパルス信号を発生せしめるようにす
る検出部を構成している。なお、ここで使用している磁
性素子1の詳細構造および動作については、前述の特開
2000−101401号公報等に開示されたように公
知のことであるので、ここではこれ以上詳述しない。
および4並びにヨーク6および7は、磁性素子1の延在
方向と一致した方向に磁軸を有しており、磁性素子1の
長さL0は、(磁石+ヨーク)の長さL以下でL/2以
上としている。調整ヨーク8は、長さLに比べて短い磁
性体のブロック片にて形成されていて、後述するような
磁性素子1に作用する磁界を調整するため、磁軸にそっ
て位置調整されうるものとされている。この原理的な装
置では、調整ヨーク8は、磁性体ブロックとしたのであ
るが、永久磁石のブロック片の場合もある。
のような構成を有する原理的なパルス信号発生装置の動
作原理について説明する。先ず、動作原理を分かり易く
するために、調整ヨーク8が設けられていない場合につ
いて説明しておく。図1の状態においては、歯車5の歯
部5Aが一方の永久磁石3のN極3Aに丁度対面した位
置にあり、先行する歯部5Xは、他方の永久磁石4のS
極4Aとの対面位置から既に外れた位置にあり、この状
態で、このパルス信号発生装置は、セット状態になって
いる。歯車5は、矢印方向に移動しているとし、図2
は、歯車5が移動して、歯車5の歯部5Aが他方の永久
磁石4のS極4Aと丁度対面する位置にきて、後続の歯
部5Bが一方の永久磁石3のN極3Aに未だ対面した位
置とはなっていない状態を示している。図2の状態で、
このパルス信号発生装置は、リセット状態となり、磁性
素子1に大バルクハウゼンジャンプを生ぜしめて、検出
コイル2に1つのパルス信号を発生せしめる。以後、歯
車5の歯部が1対の永久磁石3および4の同じ側の磁極
3Aおよび4Aの近傍を通過する毎に、そのことを示す
パルス信号が検出コイル2に発生されていく。
装置によれば、磁性素子1において発生する大バルクハ
ウゼンジャンプによる磁化状態の変化を、検出コイル2
にて電磁誘導作用によるパルス電圧として検出するもの
である。したがって、被検知物体である歯車5の歯部5
A、5B等の速度に関係なく、その歯部の存在、不存在
に応じて磁性素子1に大バルクハウゼンジャンプが確実
に起こされ、それに応じて確実にパルス信号を発生させ
ることができるのである。このように、この原理的なパ
ルス信号発生装置によれば、被検知物体の速度が極めて
遅い場合でも、検出が可能である。パルス信号として発
生されるパルス電圧は、常に、一定の電圧、位相関係を
保つ。すなわち、この原理的なパルス信号発生装置によ
って発生されるパルス電圧の振幅は、被検知物体の速度
に関係なく、所定の一定レベルを保ち得るのである。
がないとしてパルス信号発生装置の動作原理について、
概略的に前述したのであるが、次に、その動作原理につ
いて、より詳細に説明する。図3から図6は、このよう
な動作原理を説明するための概略図であり、図3は、歯
車の歯部のような被検知物体が無い時における、1対の
永久磁石3および4並びにヨーク6および7の間に配置
された磁性素子1に及ぼされる磁界を矢印を用いて示し
ている。図3に示す状態において、上側の永久磁石3と
下側の永久磁石4との間に挟まれた磁性素子1が2つの
永久磁石の丁度中心に配置されていて、且つ上側と下側
の永久磁石の大きさ、強さが同じである場合には、磁性
素子1上の磁界は0(零)になる。何故ならば、図3に
矢印で示す上側の永久磁石3によって磁性素子1に及ぼ
される正方向磁界と、下側の永久磁石4によって磁性素
子1に及ぼされる負方向磁界とは、大きさが同じであ
り、互いに相殺し合うからである。
ており、被検知物体である歯車5の歯部5Aが上側の永
久磁石3のN極3Aに丁度対面している時における、1
対の永久磁石3および4並びにヨーク6および7の間に
配置された磁性素子1に及ぼされる磁界を矢印を用いて
示している。図4のセット状態においては、上側の永久
磁石3によって磁性素子1に及ぼされる正方向磁界の大
きさは、永久磁石3からの磁束の相当部分が磁性体であ
る被検知物体である歯部5Aの方へと流れて分路されて
しまうことにより、矢印で示すように小さくなる。一
方、下側の永久磁石4のS極4Aには、被検知物体であ
る歯部5Xは対面した状態となっていないので、永久磁
石4によって磁性素子1に及ぼされる負方向磁界の大き
さは、図3に示した状態と実質的に変わらない。したが
って、図4に示すセット状態においては、磁性素子1に
は、全体として負方向磁界が印加されていることにな
る。この負方向磁界を、ここでは、第二磁界という。
しており、被検知物体である歯車5の歯部5Aが上側の
永久磁石3のN極3Aとの対面状態から外れ、下側の永
久磁石4のS極4Aに丁度対面するようになった時にお
ける、1対の永久磁石3および4並びにヨーク6および
7の間に配置された磁性素子1に及ぼされる磁界を矢印
を用いて示している。図5のリセット状態においては、
下側の永久磁石4によって磁性素子1に及ぼされる負方
向磁界の大きさは、永久磁石4からの磁束の相当部分が
磁性体である被検知物体である歯部5Aの方へと流れて
分路されてしまうことにより、矢印で示すように小さく
なる。一方、上側の永久磁石3のN極3Aには、被検知
物体である歯部5Bは対面した状態から外れているの
で、永久磁石3によって磁性素子1に及ぼされる正方向
磁界の大きさは、図3に示した状態の場合と実質的に変
わらない。したがって、図5に示すリセット状態におい
ては、磁性素子1には、全体として正方向磁界が印加さ
れることになる。この正方向磁界を、ここでは、第一磁
界という。
した状態において、磁性素子に印加される磁界をグラフ
で示すと、図6のようになる。このように第二磁界、第
一磁界の順で磁性素子に磁界を与えることにより、磁性
素子に大バルクハウゼンジャンプが起きて、パルス信号
を発生させることができるのである。図6のように第一
磁界、第二磁界を設定する(調整ヨーク8が無い場合)
と、第一磁界:第二磁界=1:1であり、より良い大バ
ルクハウゼンジャンプを起こすためには、この関係を
N:1とすることが必要である(ここで、Nは1以外の
数)。このような関係を作り出すために、前述の原理的
なパルス信号発生装置では、調整ヨーク8と磁性素子1
の位置を限定し、また、調整ヨーク8の位置変更を行え
るようにしている。この原理的なパルス信号発生装置の
如く、調整ヨーク8を、永久磁石3とヨーク6との接続
体の長手側面にそって位置変更できるようにすると、磁
性素子1に及ぼす磁界の変化を大きくすることができる
(調整部材を磁石の後端に付けるより調整幅が広い)の
で、調整時間を短縮でき、ひいては製作時間を短くで
き、製品の歩留まりも向上させることができる。
に、前述の特開2000−101401号公報に開示さ
れた技術においては、磁性素子1を永久磁石の前側(被
検知物体側に偏らせて配置するのがより良い大バルクハ
ウゼンジャンプを起こさせるために好ましいとしてい
る。その理由付けについて、図7、図8および図9を参
照して説明するに、先ず、この型のパルス信号発生装置
においては、正負の交番磁界が必要である。図7および
図8に略示するように、被検知物体が移動すると、磁石
の中心に置かれた磁性素子上の磁界は、図9に示すよう
に変化する。図7、図8の磁性素子の長さは異なってい
るが、図9の磁界分布は、図7のように置いた時のもの
である。また、図9において、0点の磁界幅がL点に比
べて大きいのは、被検知物体に近いためである。磁性素
子を図7のように置くと、0〜L/2までは、正負の交
番磁界を使うことができるが、L/2〜Lの部分は、負
正の交番磁界を使うことになり、磁性素子内で磁界がぶ
つかり合う状況となる。前方か後方のどちらか半分に磁
性素子を図8のように置くと磁界がぶつかり合うという
ことはなくなり、また、前方に置いた方が交番磁界の幅
が大きくなるので、より良い大バルクハウゼンジャンプ
を得ることができる。これを数値で説明すると、前方の
磁界の大きさ(絶対値)を5、後方の磁界の大きさ(絶
対値)を2とすると、前方だけに磁性素子を置いた場合
は±5の交番磁界、後方だけに磁性素子を置いた場合は
±2の交番磁界、全体においた場合には、前方−後方で
±3の交番磁界を受けることになる。したがって、磁性
素子は、前方(被検知物体側)に偏らせる方が有利であ
る。
が上がることと、被検知物体に作用する部分が増えるこ
とになり、図10に矢印で示すように磁界の大きさ(絶
対値)が大きくなる。すなわち、交番磁界の幅が広がる
ので、さらに良い大バルクハウゼンジャンプを得ること
ができるようになる。
石+ヨーク)の長さ以下、該長さの半分以上に置くこと
により、より良い大バルクハウゼンジャンプを起こしう
るものとすることができ、そのため、製品の大きさを小
さくでき、個品単価を下げることが可能となる。
て、図11を参照して詳述すると、図11の上側に示す
ように、磁石とヨークをつなぐと、ヨークの開放端に極
が現われ、一本の磁石のようになる。したがって、磁石
とヨークの接続体の側面にそって点線の矢印で示すよう
な側面磁界が発生する。次に、図11の下側に示すよう
に、短めの磁石とヨークをつなぐと、同じように側面の
磁界が得られるが、極同志が接近しているため、実線の
矢印で示すようにより強い磁界を得ることができる。こ
こで、磁性素子の体積は、そのままパワー源と考えてよ
く、またその最適値もある。換言すると、磁性素子の長
さは一定ということになる。これらのことを図12を参
照して説明する。図12において、点線で示す曲線は、
長い磁石が作った交番磁界を示し、実線で示す曲線は、
短い磁石が作った交番磁界を示している。図12のよう
に配置された磁性素子は、点線で示す交番磁界について
はその磁界を有効に使っているということができ、実線
で示す交番磁界についてはその強い磁界を使っていると
いうことができる。点線で示す交番磁界の絶対値を3と
1と置き、実線で示す交番磁界の絶対値を5と2と置く
と、磁性素子は、点線で示す交番磁界については3−0
で3の交番磁界を利用し、実線で示す交番磁界について
は5−2で3の交番磁界を利用するということになり、
どちらも変わらないことになる。
置では、永久磁石3およびヨーク6と永久磁石4および
ヨーク7との間の離間距離Dは、固定のものとして説明
したが、この離間距離Dは、可変のものとしておくこと
もできる。離間距離Dを可変としておくことにより、例
えば、歯車の歯部のピッチ等が異なる被検知物体にも容
易に対応させて、それらに応じたパルス信号を正確に発
生することができるように調整することができる。
置では、磁性素子1としてワイヤ状素子を使用したので
あるが、これに限らず、種々な形の磁性素子を使用する
ことができ、例えば、薄膜状、厚膜状または板状の磁性
素子を使用することもできる。このように、磁性素子と
して薄膜状、厚膜状または板状素子を使用した場合に
は、検出コイル2も平面コイルとすることも考えられ
る。さらにまた、前述したような磁性素子に代えて、単
層の磁性素子を使用することもできる。
発生装置では、検出手段は、コイルとしたのであるが、
これは、ホール素子、MR素子、共振回路等、他の同様
の手段に置き換えることができる。
子に良好な大バルクハウゼンジャンプを引き起こせしめ
るに適切な磁界を作用させるために、調整ヨークを用い
たのであるが、これに限らず、次のような手段にて同様
の効果を得ることができる。
びヨーク7とに対する磁性素子1の相対的な位置関係を
異ならせる。すなわち、図13に示すように、磁石3か
ら磁性素子1までの距離Aと磁石4から磁性素子1まで
の距離Bとを異ならせ、しかも、これらAおよびBを可
変なものとできるようにしておく。
置では、例えば、歯車の歯部を検知する場合において、
図14に示すように、歯車の歯部の一周期(1ピッチ)
を基準に、1つのパルス信号を発生する。したがって、
歯車の歯部の数が円周に36個あるとすると、歯車の1
回転当たり10個のパルス信号が発生され、すなわち、
歯車が10度回転する毎に1つのパルス信号が発生され
るので、10度の分解能での制御しかできない。
の分解能をより高いものとする構成を提供せんとするも
ので、その原理について、特に、図15から図17を参
照して説明する。図15に略示するように、前述したよ
うな原理的なパルス信号発生装置において、予め磁性素
子ワイヤを上側の磁石の方へと片寄らせて配置し、上側
磁石の側に調整ヨークを配置する構成とすることによ
り、第1磁界が大きく、第2磁界が小さく、非対称磁界
を得ることができる。一方、図16に略示するように、
前述したような原理的なパルス信号発生装置において、
予め磁性素子ワイヤを下側の磁石の方へと片寄らせて配
置し、下側磁石の側に調整ヨークを配置する構成とする
ことにより、第1磁界が小さく、第2磁界が大きい、非
対称磁界を得ることができる。図15と図16とを対比
すると分かるように、図15の構成のパルス信号発生装
置と図16の構成のパルス信号発生装置とでは、第1磁
界と第2磁界とが入れ替わった形となっており、このよ
うな2つのパルス信号発生装置を並置する構成をとれ
ば、二つの位相が180度づれた磁界が得られ、この各
々を利用して、被検知物体である歯車の歯部の移動に対
して約180度づれた位置でそれぞれパルス信号を発生
するようにすることができる。この様子を図17に示し
ている。
パルス信号発生装置の一つの実施例の構成を略示してい
る。この実施例のパルス信号発生装置は、所定の間隔を
置いて且つ磁極の向きが互いに反対となるようにして配
置された1対の永久磁石30および40と、一方の永久
磁石30の一方の磁極側、すなわち、S極側に接続され
たヨーク60と、他方の永久磁石40の一方の磁極側、
すなわち、N極側に接続されたヨーク70と、これら1
対の永久磁石30およびヨーク60、および永久磁石4
0およびヨーク70の間に配置された第1の磁性素子ワ
イヤ10Aおよび第2の磁性素子ワイヤ10Bと、これ
ら第1および第2の磁性素子ワイヤ10Aおよび10B
のそれぞれの周りに巻回された検出コイル(図示してい
ない)と、第1の磁性素子ワイヤ10Aに対向する位置
にあって永久磁石30とヨーク60とに対して位置調整
しうるように配置された第1の調整ヨーク80Aと、第
2の磁性素子ワイヤ10Bに対向する位置にあって永久
磁石40とヨーク70とに対して位置調整しうるように
配置された第2の調整ヨーク80Bとを備えている。第
1の磁性素子ワイヤ10Aは、永久磁石30およびヨー
ク60の方に近い位置に片寄らせて配置されており、一
方、第2の磁性素子ワイヤ10Bは、永久磁石40およ
びヨーク70の方に近い位置に片寄らせて配置されてい
る。そして、これら1対の磁石30および40の他方の
側の磁極30Aおよび40Aは、例えば、歯車5の歯部
5A、5B、……5Xである被検知物体の順次の接近に
応答して、磁性素子10Aおよび10Bに印加される磁
界を変化させて、磁性素子10Aおよび10Bに大バル
クハウゼンジャンプを生ぜしめて、検出手段としてのそ
れぞれの検出コイルに該大バルクハウゼンジャンプに応
じたパルス信号を発生せしめるようにする検出部を構成
している。
装置によれば、図15から図17を参照して前述したよ
うな本発明の原理にしたがって、歯車5の歯部5A、5
B、……5Xの1つの歯部の通過毎に2つのパルス信号
が発生されることは容易に理解されよう。したがって、
この実施例のパルス信号発生装置によれば、2倍の分解
能を達成することが可能であることも理解されよう。
の概略図である。この実施例のパルス信号発生装置は、
図1および図2に原理的に示したパルス信号発生装置を
2個並置して相互に接着剤等を用いて一体化してなるよ
うなものであるので、対応する構成部分には同じ参照符
号を付して説明する。
したように2つのパルス信号発生組立体からなり、図1
9において左右のパルス信号発生組立体の各々は、所定
の間隔を置いて且つ磁極の向きが互いに反対となるよう
にして配置された1対の永久磁石3および4と、一方の
永久磁石3の一方の磁極側、すなわち、S極側に接続さ
れたヨーク6と、他方の永久磁石4の一方の磁極側、す
なわち、N極側に接続されたヨーク7と、これら1対の
永久磁石3およびヨーク6、および永久磁石4およびヨ
ーク7の間に配置された磁性素子ワイヤ1と、磁性素子
ワイヤ1の周りに巻回された検出コイル(図示していな
い)とを備えている。そして、図19において右側のパ
ルス信号発生組立体においては、調整ヨーク8は、永久
磁石3とヨーク6とに対して位置調整しうるように配置
されており、一方、左側のパルス信号発生組立体におい
ては、調整ヨーク8は、永久磁石4とヨーク7とに対し
て位置調整しうるように配置されている。また、図19
において右側のパルス信号発生組立体における磁性素子
ワイヤ1は、永久磁石3およびヨーク6の方に近い位置
に片寄らせて配置されており、一方、左側のパルス信号
発生組立体における磁性素子ワイヤ1は、永久磁石4お
よびヨーク7の方に近い位置に片寄らせて配置されてい
る。そして、左右のパルス信号発生組立体は、参照符号
11にて示すように、永久磁石およびヨークの側面を互
いに接着剤等を用いて接合することによって一体化され
ている。
磁極3Aおよび4Aは、例えば、歯車5の歯部5A、5
B、……5Xである被検知物体の順次の接近に応答し
て、磁性素子1に印加される磁界を変化させて、磁性素
子1に大バルクハウゼンジャンプを生ぜしめて、検出手
段としてのそれぞれの検出コイルに該大バルクハウゼン
ジャンプに応じたパルス信号を発生せしめるようにする
検出部を構成している。
装置によれば、図15から図17を参照して前述したよ
うな本発明の原理にしたがって、歯車5の歯部5A、5
B、……5Xの1つの歯部の通過毎に2つのパルス信号
が発生されることは容易に理解されよう。したがって、
この実施例のパルス信号発生装置によれば、2倍の分解
能を達成することが可能であることも理解されよう。ま
た、このような装置構成は、同じパルス信号発生組立体
を用意しておき、分解能を上げる必要のある場合に、そ
れらの2つを並置一体化するだけでよいので、コスト的
にも低減できるものである。
である。この実施例のパルス信号発生装置は、図19の
パルス信号発生装置と同様の構成のパルス信号発生組立
体を、被検知物体である歯車5の歯部5A、5B、……
5Xの各側に1つ配置し、しかも、両パルス信号発生組
立体の検出部が、歯車の移動方向において(図において
縦方向)互いに歯部ピッチの、例えば、2分の1程度ず
れるようにしている。この図20のような構成のパルス
信号発生装置によれば、図15から図17を参照して前
述したような本発明の原理にしたがって、歯車5の歯部
5A、5B、……5Xの1つの歯部の通過毎に4つのパ
ルス信号が発生されることは容易に理解されよう。した
がって、この実施例のパルス信号発生装置によれば、4
倍の分解能を達成することが可能であることも理解され
よう。
装置の個品単価を安くでき、装置サイズを小さくでき、
短時間で容易に組立て調整でき、製品性能のバラツキを
小さくでき、製品歩留まりを良くすることができる等の
効果を得ることができる。
とが容易であるので、回転体等の角度制御をより精密に
行うような分野に適用して効果を上げることもできる。
る磁性素子を使用したパルス信号発生装置の動作原理を
説明するための図である。
る磁性素子を使用したパルス信号発生装置の動作原理を
説明するための図である。
ークがないものとして説明するための原理図である。
ークがないものとして説明するための図1に対応する原
理図である。
ークがないものとして説明するための図2に対応する原
理図である。
磁性素子に印加される磁界を示す図である。
るに好ましい磁性素子の配置位置について説明するため
の図である。
るに好ましい磁性素子の配置位置について説明するため
の図である。
図である。
大きくなることを説明するための図である。
側面磁界の強さについて説明するための図である。
じる側面磁界を示す図である。
整手段を説明するための図である。
パルスが発生される態様を説明するための図である。
分解能を上げるための原理を説明するための図である。
分解能を上げるための原理を説明するための図である。
分解能を上げるための原理を説明するための図である。
の構成を概略的に示す図である。
例の構成を概略的に示す図である。
の実施例の構成を概略的に示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 大バルクハウゼンジャンプを起こしうる
少なくとも2つの磁性素子と、該磁性素子のそれぞれに
関連して配置された検出手段と、前記磁性素子を間に置
き且つ磁極の向きが互いに反対となるようにして配置さ
れた磁石とヨークとからなる1対の磁界発生手段とを備
えており、前記1対の磁界発生手段の同じ側の磁極は、
被検知物体の順次の接近に応答して、前記磁性素子に印
加される磁界を変化させて、前記磁性素子に大バルクハ
ウゼンジャンプを生ぜしめて、前記検出手段に該大バル
クハウゼンジャンプに応じたパルス信号を発生せしめる
ようにする検出部を構成し、前記磁性素子は、互いに間
隔を置いて且つ前記検出部の側に偏って配置され、前記
1対の磁界発生手段のうちの一方の磁石とヨークとの接
続体には、前記磁性素子のうちの一方に対応する位置に
おいて該接続体の磁軸にそって位置調整されうる調整ヨ
ークが関連付けられており、前記1対の磁界発生手段の
うちの他方の磁石とヨークとの接続体には、前記磁性素
子のうちの他方に対応する位置において該接続体の磁軸
にそって位置調整されうる調整ヨークが関連付けられて
いることを特徴とするパルス信号発生装置。 - 【請求項2】 前記磁性素子は、前記磁石と前記ヨーク
との接続体の長さ以下で且つ該長さの半分以上の長さを
有している請求項1に記載のパルス信号発生装置。 - 【請求項3】 前記磁性素子のうちの一方の配置位置
は、前記1対の磁界発生手段のうちの一方の磁石とヨー
クとの接続体の方へ片寄った位置とされ、前記磁性素子
のうちの他方の配置位置は、前記1対の磁界発生手段の
うちの他方の磁石とヨークとの接続体の方へ片寄った位
置とされている請求項1または2に記載のパルス信号発
生装置。 - 【請求項4】 前記磁石およびヨークは、実質的の同一
の磁石およびヨークの接続体の2つを、互いに側面同志
を接合してなるものであり、前記調整ヨークおよび磁性
素子は、それぞれ前記磁石およびヨークの接続体のうち
の対応するものに対して配置されている請求項1または
2または3に記載のパルス信号発生装置。 - 【請求項5】 請求項1または2または3または4に記
載のパルス信号発生装置の少なくとも2つを、被検知物
体に対して、前記検出部が該被検知物体の移動方向にお
いて若干ずれるようにして配置したことを特徴とするパ
ルス信号発生装置。
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