JP2002033465A - 半導体薄膜の形成方法 - Google Patents

半導体薄膜の形成方法

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JP2002033465A
JP2002033465A JP2000398760A JP2000398760A JP2002033465A JP 2002033465 A JP2002033465 A JP 2002033465A JP 2000398760 A JP2000398760 A JP 2000398760A JP 2000398760 A JP2000398760 A JP 2000398760A JP 2002033465 A JP2002033465 A JP 2002033465A
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淳 工藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程の簡略化が図られ高いスループット
で独立した半導体薄膜を形成することが可能な半導体薄
膜の形成方法を提供することである。 【解決手段】 SiCウエハ1の所定深さの領域に水素
イオンを注入し水素イオン注入領域2を形成する。この
ように水素イオンを注入すると同時に、SiCウエハ1
にXeClエキシマレーザ光を照射する。それにより、
切断面3において表面層4が剥離してSiC薄膜が形成
される。形成されたSiC薄膜は、レーザ光によりアニ
ールされているため、イオン注入時に受けた損傷が十分
に回復され良好な結晶性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子、マイ
クロマシン等に用いられる独立した半導体薄膜および薄
膜トランジスタ等の薄膜半導体素子用の半導体薄膜の形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Si基板を備える半導体素子において、
高速動作化のために、サファイア等の絶縁基板上に単結
晶のSiを形成するSOI(sillicon on insulator )
技術が利用されている。
【0003】一方、耐環境素子または高温素子として、
SiC基板を備える半導体素子に対する期待が高まって
いる。このようなSiC基板を備える半導体素子におい
ても、SOIと同様の技術を適用することにより、半導
体素子の高速動作が可能となる。
【0004】ところで、このような半導体素子に用いら
れる単結晶のSiC基板は高価である。また、半導体素
子の作製には例えば厚さ300μmのSiC基板が用い
られるが、実際に必要とされるのは表面の厚さ1μm程
度の領域のみであり、大部分の残りの領域は無駄とな
る。
【0005】以上のことから、独立したSiC薄膜を半
導体素子の基板として用いる試みがなされている。この
場合、SiC薄膜は以下の方法により形成されている。
【0006】SiC薄膜の形成時には、まず、単結晶S
iCからなるSiCウエハに水素イオンを注入する。そ
れにより、水素イオンが高濃度で注入された水素イオン
注入領域がSiCウエハ中に形成される。その後、電気
炉またはランプ炉中においてSiCウエハを少なくとも
500℃以上の高温で加熱する。それにより、SiCウ
エハの表面層が水素イオン注入領域において剥離する。
【0007】また、液晶表示素子等に用いられる薄膜ト
ランジスタ用半導体薄膜においては、一般に、ガラス等
の基板上にCVD法(化学気相成長法)等により堆積さ
せたアモルファスSi薄膜または微結晶Si薄膜が用い
られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の独立したSiC
薄膜の形成方法においては、2段階の工程、すなわちイ
オン注入工程と加熱工程とを行う必要がある。これらの
工程は別の装置内において行うことから、上記のSiC
薄膜の形成方法においては製造工程が複雑となる。
【0009】また、上記の加熱工程は500℃以上の高
温で行うので、このような高温まで加熱するのに長時間
を要する。
【0010】以上のことから、上記のSiC薄膜の形成
方法においては、製造効率(スループット)が低下す
る。
【0011】一方、SiCウエハを加熱すると、SiC
結晶が熱アニールされる。しかしながら、SiC結晶に
おいては、熱アニールを行ってもイオン注入時に受けた
損傷が十分に回復されない。このため、剥離した表面
層、すなわち形成されたSiC薄膜の結晶性が劣化す
る。
【0012】良好な結晶性を有するSiC薄膜を形成す
るためには、上記の加熱工程において、イオンを注入し
たSiCウエハを1500℃以上の高温に加熱して熱ア
ニールを行う必要がある。この場合、加熱にさらに長時
間を要するため、半導体薄膜の製造効率(スループッ
ト)がさらに低下する。
【0013】そこで、SiC薄膜の製造工程の簡略化お
よびイオン注入時に受けた半導体結晶の損傷の回復を目
的として、高温に保持した状態でSiC結晶中に水素イ
オンを注入する方法が試みられている。しかしながら、
この場合においては、水素イオンが拡散してしまうた
め、SiC結晶中にイオン注入領域が形成されない。し
たがって、表面層が剥離せず、SiC薄膜を形成するこ
とができない。
【0014】また、液晶表示素子等に用いられる薄膜ト
ランジスタ用半導体薄膜として、CVD法等によりガラ
ス基板等に堆積させたSi薄膜を用いる場合、このSi
薄膜はアモルファス状態または微結晶状態であるため、
キャリアの移動度が小さい。キャリアの移動度が小さい
と、半導体薄膜に形成された薄膜トランジスタの応答速
度が遅くなるため、そのような半導体薄膜を液晶表示素
子等に用いた場合に、動画の表示品質が悪くなるという
問題が生じる。
【0015】そこで、前記のCVD法等により堆積させ
たSi薄膜のキャリアの移動度を大きくするため、レー
ザ等を用いたアニールによりCVD法等により堆積させ
たSi薄膜の結晶粒径を拡大する試みがなされている。
【0016】しかし、このような試みによっても薄膜ト
ランジスタのサイズより小さい結晶粒しか得られておら
ず、薄膜トランジスタの応答速度を速くするには至って
いない。逆に、薄膜トランジスタ内に結晶粒界が形成さ
れてしまい、薄膜トランジスタごとに結晶粒界の数が異
なることにより、薄膜トランジスタの特性にばらつきが
生じるという問題が生じる。
【0017】上記のイオン注入工程および電気炉等によ
る加熱工程により独立した単結晶Si薄膜または単結晶
SiC薄膜を形成し、その単結晶Si薄膜または単結晶
SiC薄膜をガラス基板上に貼り付けることも考えられ
る。
【0018】しかしながら、このような方法では、加熱
工程に時間を要するだけでなく、任意の形状の単結晶S
i薄膜または単結晶SiC薄膜をウエハから剥離させる
ことができない。そのため、任意形状の単結晶Si薄膜
または単結晶SiC薄膜をガラス基板に形成するために
は、ガラス基板への貼り付け後、余分な領域をエッチン
グ等により除去する必要があり、特にガラス基板のサイ
ズが大きい場合には、極めて効率が悪く、現実的ではな
い。
【0019】本発明の目的は、製造工程の簡略化が図ら
れ高いスループットで独立した半導体薄膜を形成するこ
とが可能な半導体薄膜の形成方法を提供することであ
る。
【0020】本発明の他の目的は、基板上の必要とする
領域に、スループットが高く低コストな工程により半導
体薄膜を形成することが可能な単結晶半導体薄膜の形成
方法を提供することである。
【0021】本発明のさらに他の目的は、イオン注入に
よる損傷が十分に回復されて良好な結晶性を有する独立
した半導体薄膜または基板上の半導体薄膜を形成するこ
とが可能な半導体薄膜の形成方法を提供することであ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明に係る半導体薄膜の形成方法は、半導体結晶の表面
から所定深さの領域に所定の元素をイオン注入してイオ
ン注入領域を形成する工程と、半導体結晶に連続的また
は断続的にレーザ光を照射することにより半導体結晶の
表面層をイオン注入領域において剥離させて半導体薄膜
を形成する工程とを備えたものである。
【0023】本発明に係る半導体薄膜の形成方法におい
ては、レーザ光の照射により、半導体結晶中の価電子が
励起されて結晶中の結合が切断される。また、レーザ光
の照射による局所的瞬間的加熱効果によっても結晶中の
結合が切断される。ここで、イオン注入により形成した
イオン注入領域においては、切断された結晶中の結合を
イオンが終端して凝集する。このため、イオン注入領域
に歪みが集中し、この領域が脆化する。それにより、イ
オン注入領域において平面的に結晶格子が切れる。
【0024】以上のように、上記の半導体薄膜の形成方
法によれば、イオン注入領域において表面層を剥離さ
せ、半導体薄膜を形成することができる。
【0025】上記の半導体薄膜の形成方法においては、
高温加熱に代わって、レーザ光の照射により表面層を剥
離させる。このため、上記の方法によれば、加熱に時間
を要することなく半導体薄膜を形成することが可能とな
る。
【0026】また、イオン注入工程とレーザ光の照射工
程とは同一の装置内において行うことができるため、半
導体薄膜の製造工程が簡略化される。
【0027】以上のことから、上記の半導体薄膜の形成
方法によれば、半導体薄膜の製造効率(スループット)
の向上を図ることが可能となる。
【0028】さらに、上記の方法においては、イオンの
注入に起因して発生した半導体結晶中の結晶欠陥(照射
損傷)がレーザ光によりアニールされる。このようなレ
ーザ光によるアニールによれば、熱アニールでは十分に
回復させることが困難な結晶欠陥であってもを十分に回
復させることが可能となる。したがって、上記の方法に
よれば、良好な結晶性を有する半導体薄膜を形成するこ
とが可能となる。
【0029】レーザ光を照射する工程は、イオン注入の
工程の後、イオン注入の工程と同時、またはイオン注入
の工程と交互に行ってもよい。
【0030】特に、レーザ光を照射する工程をイオン注
入の工程と同時に行う場合、およびレーザ光を照射する
工程とイオン注入工程と交互に行う場合においては、レ
ーザ光の照射とイオン注入とを同一の工程において行う
ことができる。このため、半導体薄膜の製造工程がさら
に簡略化され、製造効率の向上がさらに図られる。
【0031】所定の元素は水素であってもよい。この場
合、半導体結晶中に、水素イオンが高濃度で注入された
イオン注入領域が形成される。このイオン注入領域にお
いては、水素が、レーザ光の照射により切断された半導
体結晶中の結合を終端して凝集する。それにより、イオ
ン注入領域において表面層が剥離する。
【0032】レーザ光の波長は、半導体結晶のバンドギ
ャップのエネルギーに相当する波長にほぼ等しいか、ま
たは半導体結晶のバンドギャップのエネルギーに相当す
る波長よりも短いことが好ましい。このような波長のレ
ーザ光を照射することにより、半導体結晶中の価電子を
効果的に励起させることが可能となる。その結果、結晶
中の結合が効率よく切断され、この切断された結合を水
素が終端して凝集する。したがって、表面層を効率よく
剥離させることが可能となる。
【0033】半導体結晶は、ケイ素、炭化ケイ素、ダイ
ヤモンドまたは窒化ガリウムであってもよい。特に、炭
化ケイ素、ダイヤモンドおよび窒化ガリウムにおいて
は、イオン注入時に半導体結晶が受けた損傷を熱アニー
ルにより回復させることが困難である。これに対して、
上記の方法においては、レーザ光によりアニールを行う
ため、半導体結晶が受けた損傷が十分に回復される。し
たがって、このような半導体結晶からなる半導体薄膜に
おいても良好な結晶性が実現される。
【0034】剥離した半導体薄膜の剥離側の面を酸化さ
せる工程をさらに備えてもよい。この場合、半導体薄膜
の剥離側の面はイオン注入による損傷を受けているた
め、イオン注入による損傷を受けておらず良好な結晶性
を有する領域に比べて容易に酸化される。このような半
導体薄膜の剥離側の面は、通常の温度よりも低い温度で
酸化することが可能である。
【0035】以上のことから、結晶性が劣化した剥離側
の面を選択的に酸化するとともにこの酸化された領域を
選択的に除去することにより、半導体薄膜において結晶
性が劣化した領域を除去することが可能となる。それに
より、良好な結晶性の領域のみから構成される半導体薄
膜を形成することが可能となる。
【0036】第2の発明に係る半導体薄膜の形成方法
は、半導体結晶の表面から所定深さの領域に所定の元素
をイオン注入してイオン注入領域を形成する工程と、半
導体結晶に第1のレーザ光を照射することにより半導体
結晶の表面層をイオン注入領域において剥離させて半導
体薄膜を形成する工程と、半導体結晶の表面層を基板に
接触させつつ第1のレーザ光と同じかまたは異なる第2
のレーザ光を照射することにより半導体結晶の表面層を
基板に接着させる工程とを備えたものである。
【0037】本発明に係る半導体薄膜の形成方法におい
ては、第1のレーザ光の照射により、半導体結晶中の価
電子が励起されて結晶中の結合が切断される。また、第
1のレーザ光の照射による局所的瞬間的加熱効果によっ
ても結晶中の結合が切断される。ここで、イオン注入に
より形成したイオン注入領域においては、切断された結
晶中の結合をイオンが終端して凝集する。このため、イ
オン注入領域に歪みが集中し、この領域が脆化する。そ
れにより、イオン注入領域において平面的に結晶格子が
切れる。
【0038】また、半導体結晶の表面層を基板に接触さ
せつつ第2のレーザ光を照射することによって第2のレ
ーザ光による熱により半導体結晶の表面層と基板とが融
着する。
【0039】このような半導体結晶の表面層の剥離工程
および基板への表面層の接着工程により、基板上の必要
な領域に半導体薄膜を形成することができる。
【0040】上記の半導体薄膜の形成方法においては、
高温加熱に代わって、第1のレーザ光の照射により表面
層を剥離させる。このため、上記の方法によれば、加熱
に時間を要することなく半導体薄膜を形成することが可
能となる。
【0041】また、イオン注入工程と第1または第2の
レーザ光の照射工程とは同一の装置内において行うこと
ができるため、半導体薄膜の製造工程が簡略化される。
【0042】以上のことから、上記の半導体薄膜の形成
方法によれば、半導体薄膜のスループットの向上を図る
ことが可能となる。
【0043】さらに、上記の方法においては、イオンの
注入に起因して発生した半導体結晶中の結晶欠陥(照射
損傷)が第1または第2のレーザ光によりアニールされ
る。このような第1または第2のレーザ光によるアニー
ルによれば、熱アニールでは十分に回復させることが困
難な結晶欠陥であっても十分に回復させることが可能と
なる。したがって、上記の方法によれば、良好な結晶性
を有する半導体薄膜を形成することが可能となる。
【0044】第1または第2のレーザ光を照射する工程
は、イオン注入の工程の後、イオン注入の工程と同時、
またはイオン注入の工程と交互に行ってもよい。
【0045】特に、第1または第2のレーザ光を照射す
る工程をイオン注入の工程と同時に行う場合、および第
1または第2のレーザ光を照射する工程とイオン注入工
程と交互に行う場合においては、第1または第2のレー
ザ光の照射とイオン注入とを同一の工程において行うこ
とができる。このため、半導体薄膜の製造工程がさらに
簡略化され、製造効率の向上がさらに図られる。
【0046】ここで、第1のレーザ光と第2のレーザ光
とが異なる場合、第2のレーザ光を照射する工程は、第
1のレーザ光を照射する工程と同時、第1のレーザ光を
照射する工程後、第1のレーザ光を照射する工程前、ま
たは第1のレーザ光を照射する工程と交互に行ってもよ
い。
【0047】第1のレーザ光と第2のレーザ光とが同じ
場合には、半導体結晶と基板を接触させつつ、第1のレ
ーザ光のみを照射することにより、半導体結晶の表面層
をイオン注入領域において剥離させると同時に、基板に
接着させてもよい。
【0048】この場合においては、1つのレーザ光によ
り剥離と接着とを同一の工程において行うことができ
る。このため、半導体薄膜の製造工程がさらに簡略化さ
れ、スループットの向上を図ることができる。
【0049】また、基板に接着させる半導体薄膜の領域
は、半導体結晶と基板を接触させた領域全域である必要
はなく、第1および第2のレーザ光を半導体結晶の表面
層の一部領域に照射して照射された領域の半導体結晶の
表面層を剥離させるとともに基板に接着させてもよい。
【0050】これにより、基板の任意の領域のみに半導
体薄膜を形成することが可能となり、基板の大きさの制
約を受けず、かつスループットが高く低コストな工程に
よる半導体薄膜を形成することが可能である。
【0051】第1のレーザ光の波長は、半導体結晶のバ
ンドギャップのエネルギーに相当する波長にほぼ等しい
か、または半導体結晶のバンドギャップのエネルギーに
相当する波長よりも短くてもよい。このような波長の第
1のレーザ光を照射することにより、半導体結晶中の価
電子を効果的に励起させることが可能となる。また、局
所的瞬間的加熱効果も生じる。その結果、結晶中の結合
が効率よく切断され、この切断された結合を水素が終端
して凝集する。したがって、表面層を効率よく剥離する
ことが可能となる。
【0052】第2のレーザ光の波長は、半導体結晶のバ
ンドギャップのエネルギーに相当する波長にほぼ等しい
か、または半導体結晶のバンドギャップのエネルギーに
相当する波長よりも短くてもよい。このような波長の第
2のレーザ光を照射することにより、第2のレーザ光が
半導体結晶に十分に吸収され、半導体結晶の表面層と基
板とが強固に接着される。
【0053】半導体結晶は、バンドギャップのエネルギ
ーに相当する波長より長い所定の波長に光吸収ピークを
有し、第1のレーザ光の波長は、光吸収ピークの波長で
あってもよい。このような波長の第1のレーザ光を照射
することにより、半導体結晶中の価電子を効果的に励起
させることが可能となる。また、局所的瞬間的加熱効果
も生じる。その結果、結晶中の結合が効率よく切断さ
れ、この切断された結合を水素が終端して凝集する。し
たがって、表面層を効率よく剥離させることが可能とな
る。
【0054】半導体結晶は、バンドギャップのエネルギ
ーに相当する波長より長い所定の波長に光吸収ピークを
有し、第2のレーザ光の波長は、光吸収ピークの波長で
あってもよい。このような波長の第2のレーザ光を照射
することにより、第2のレーザ光が半導体結晶に十分に
吸収され、半導体結晶の表面層と基板とが強固に接着さ
れる。
【0055】基板は第1および第2のレーザ光のうち一
方または両方のレーザ光を透過し、第1および第2のレ
ーザ光のうち一方または両方のレーザ光を基板側から照
射してもよい。
【0056】この場合、第1または第2のレーザ光が基
板を透過して半導体結晶で吸収される。それにより、半
導体結晶の表面層の剥離または接着が行われる。
【0057】第1または第2のレーザ光を基板側から照
射する場合は、基板を透過する光の波長域が基板を透過
する光の波長域よりも短波長であることが好ましい。す
なわち、基板のバンドギャップのエネルギーは、接着さ
せる半導体結晶のバンドギャップのエネルギーよりも大
きいことが好ましい。照射される第1または第2のレー
ザ光が基板を透過し、半導体結晶で十分に吸収される。
これにより、基板側からレーザ光を照射した場合におい
て半導体結晶のイオン注入領域における剥離および半導
体結晶の表面層と基板との接着が可能である。
【0058】基板は第1および第2のレーザ光のうち一
方または両方のレーザ光を吸収し、半導体結晶は第1お
よび第2のレーザ光のうち一方または両方のレーザ光を
透過し、第1および第2のレーザ光のうち一方または両
方のレーザ光を半導体結晶側から照射してもよい。
【0059】この場合、第1または第2のレーザ光が半
導体結晶を透過して基板で吸収される。それにより、基
板で熱が発生し、その熱により半導体結晶の表面層の剥
離または接着が行われる。
【0060】第1または第2のレーザ光を半導体結晶側
から照射する場合は、半導体結晶を透過する光の波長域
が基板を透過する光の波長域よりも短波長であることが
好ましい。すなわち、半導体結晶のバンドギャップのエ
ネルギーが、基板のバンドギャップのエネルギーよりも
大きいことが好ましい。この場合、第1または第2のレ
ーザ光が半導体結晶を透過し、基板で十分に吸収されて
半導体結晶のイオン注入領域における剥離および半導体
結晶の表面層と基板との接着が可能である。
【0061】所定の元素は水素であってもよい。この場
合、半導体結晶中に水素イオンが高濃度で注入されたイ
オン注入領域が形成される。このイオン注入領域におい
ては、水素が第1のレーザ光の照射により切断された半
導体結晶中の結合を終端して凝集する。それにより、イ
オン注入領域において表面層が剥離する。
【0062】半導体結晶は、ケイ素、炭化ケイ素、ダイ
ヤモンドまたは窒化ガリウムであってもよい。特に、炭
化ケイ素、ダイヤモンドおよび窒化ガリウムにおいて
は、イオン注入時に半導体結晶が受けた損傷を熱アニー
ルにより回復させることが困難である。これに対して、
上記の方法においては、第1または第2のレーザ光によ
りアニールを行うため、半導体結晶が受けた損傷が十分
に回復される。したがって、このような半導体結晶から
なる半導体薄膜においても良好な結晶性が実現される。
【0063】剥離した半導体薄膜の剥離側の面を酸化さ
せる工程をさらに備えてもよい。この場合、半導体薄膜
の剥離側の面はイオン注入による損傷を受けているた
め、イオン注入による損傷を受けておらず良好な結晶性
を有する領域に比べて容易に酸化される。このような半
導体薄膜の剥離側の面は、通常の温度よりも低い温度で
酸化することが可能である。
【0064】以上のことから、結晶性が劣化した剥離側
の面を選択的に酸化するとともにこの酸化された領域を
選択的に除去することにより、半導体薄膜において、結
晶性が劣化した領域を除去することが可能となる。ま
た、基板上の必要とする領域に、スループットが高く低
コストな工程により結晶性の良い半導体薄膜を形成する
ことが可能となる。
【0065】第3の発明に係る半導体薄膜の形成方法
は、半導体結晶の表面から所定深さの領域に所定の元素
をイオン注入してイオン注入領域を形成する工程と、半
導体結晶にエネルギーを供給することにより半導体結晶
の表面層をイオン注入領域において剥離させて半導体薄
膜を形成する工程と、剥離した半導体薄膜の剥離側の面
を酸化させる工程とを備えたものである。
【0066】なお、半導体結晶にエネルギーを供給して
表面層を剥離させる工程において、半導体結晶にエネル
ギーを供給する方法としては、例えば半導体結晶を加熱
して熱エネルギーを供給する方法や、半導体結晶にレー
ザ光を照射して光エネルギーを供給する方法がある。
【0067】本発明に係る半導体薄膜の形成方法におい
ては、半導体結晶中にイオン注入を行う。このため、半
導体結晶から剥離した半導体薄膜の剥離側の面は、イオ
ン注入による損傷を受けており結晶性が劣化している。
【0068】ここで、結晶性が劣化した半導体薄膜の剥
離側の面は、イオン注入による損傷を受けておらず良好
な結晶性を有する領域に比べて容易に酸化される。この
ような半導体薄膜の剥離側の面は、通常の温度よりも低
い温度で酸化することが可能である。
【0069】以上のことから、結晶性が劣化した剥離側
の面を選択的に酸化するとともにこの酸化された領域を
選択的に除去することにより、半導体薄膜において、結
晶性が劣化した領域を除去することが可能となる。それ
により、良好な結晶性の領域のみから構成される半導体
薄膜を形成することが可能となる。
【0070】
【発明の実施の形態】(1)第1の実施の形態 以下に、本発明の第1の実施の形態における半導体薄膜
の形成方法について説明する。
【0071】本実施の形態においては、SiCウエハの
所定深さの領域に水素イオンを注入する。それにより、
SiCウエハにおいて、水素イオンが高濃度で注入され
た水素イオン注入領域が形成される。
【0072】ここで、本実施の形態においては、上記の
ようにSiCウエハに水素イオンを注入すると同時に、
SiCウエハに波長308nmのXeClエキシマレー
ザ光を照射する。
【0073】なお、XeClエキシマレーザ光の光強度
が1J/cm2 より大きい場合にはSiCの蒸発(昇
華)または分解が生じる。したがって、XeClエキシ
マレーザ光の光強度は1J/cm2 以下とすることが好
ましい。
【0074】上記においては、レーザ光の照射によりS
iC結晶に光エネルギーを供給する。それにより、Si
C結晶中の最外殻の価電子が励起され、結晶中の結合が
切断される。
【0075】ここで、水素イオン注入領域においては、
結晶中に注入された水素が、上記の切断された結合を終
端して凝集する。このため、水素イオン注入領域に歪み
が集中し、この領域が脆化する。それにより、水素イオ
ン注入領域において、平面的に結晶格子が切れる。
【0076】以上のようにして、水素イオン注入領域に
おいて表面層が剥離し、SiC薄膜が形成される。
【0077】ここで、上記の方法においては、SiCウ
エハにレーザ光を照射するため、SiCウエハがレーザ
光によりアニールされる。したがって、剥離した表面層
すなわち形成されたSiC薄膜においては、イオン注入
時にSiC結晶が受けた損傷がレーザアニールにより十
分に回復され、良好な結晶性が実現される。
【0078】図1は、上記のSiC薄膜の形成方法に用
いられる半導体薄膜製造装置の例を示す模式図である。
【0079】図1に示すように、半導体薄膜製造装置
は、エキシマレーザ装置50、ミラー51、イオンビー
ム装置60、Qレンズボックス52、偏向電磁石53、
試料室56、およびコントロールパネル57が設けられ
た制御装置58から構成される。
【0080】この場合、エキシマレーザ装置50はXe
Clレーザ光を出射する。一方、イオンビーム装置60
はイオン源61に水素イオンを備えており、水素イオン
ビームを出射する。イオンビーム装置60は、制御装置
58により制御される。コントロールパネル57を操作
することにより、イオンビーム装置60の加速電圧の設
定および真空バルブの開閉を行う。
【0081】上記の方法によるSiC薄膜の形成時に
は、試料としてSiCウエハを試料室56に配置する。
次に、エキシマレーザ装置50からXeClレーザ光を
出射させ、レーザ光をミラー51およびレーザ入射窓5
4を介して試料室56に導入する。それにより、試料室
56に配置されたSiCウエハにレーザ光を照射する。
【0082】ここで、上記の方法においては、試料にレ
ーザ光を照射すると同時に、試料に水素イオンを注入す
る。
【0083】すなわち、エキシマレーザ装置50からレ
ーザ光を出射させると同時に、イオンビーム装置60か
ら水素イオンビームを出射させる。この水素イオンビー
ムをQレンズボックス52を介して集光させ、さらに、
偏向電磁石53を介して試料室56に導入する。このよ
うにして、試料室56に配置されたSiCウエハの所定
深さの領域に水素イオンを注入し、水素イオン注入領域
を形成する。
【0084】なお、この場合においては、水素イオンビ
ームとレーザ光とが同軸で試料に入射している。
【0085】上記のSiC薄膜の形成方法においては、
一つの装置、すなわち図1に示す装置内において、イオ
ン注入とレーザ光照射とを同時に行ってSiC薄膜を形
成することができる。このため、SiC薄膜の製造工程
が簡略化される。
【0086】また、上記の方法においては、従来のよう
な高温加熱に代わってレーザ光照射を行う。このため、
加熱に時間を要することがない。
【0087】以上のことから、上記のSiC薄膜の形成
方法によれば、SiC薄膜の製造効率(スループット)
の向上を図ることが可能となる。
【0088】さらに、上記の方法においては、水素イオ
ンの注入に起因して発生したSiC結晶中の結晶欠陥
(照射損傷)がレーザ光によりアニールされる。このよ
うなレーザ光によるアニールによれば、熱アニールでは
十分に回復させることが困難であった結晶欠陥を十分に
回復させることが可能となる。したがって、上記の方法
により形成されたSiC薄膜においては、良好な結晶性
が実現される。
【0089】例えば、上記の方法により形成した独立の
SiC薄膜を用いて、前述のSOI技術と同様の技術を
適用することにより、高速動作が可能な半導体素子を形
成することができる。この場合、SiCを有効に利用す
ることが可能となり、半導体素子の製造コストを低減す
ることが可能となる。また、SiC薄膜は良好な結晶性
を有することから、この半導体素子においては、良好な
素子特性が実現される。
【0090】さらに、上記の方法により形成したSiC
薄膜を半導体素子以外に用いてもよい。例えば、上記の
方法により形成した独立のSiC薄膜をマイクロマシン
に利用してもよい。
【0091】なお、上記においてはイオン注入と同時に
レーザ光照射を行っているが、イオン注入の後でレーザ
光照射を行ってもよい。また、イオン注入とレーザ光照
射とを交互に行ってもよい。
【0092】なお、イオン注入と同時にレーザ光照射を
行う場合、およびイオン注入と交互にレーザ光照射を行
う場合においては、イオン注入とレーザ光照射とを同一
の工程において行うことが可能となる。このため、Si
C薄膜の製造効率がより向上する。
【0093】また、上記においてはSiCウエハにXe
Clレーザ光を照射する場合について説明したが、これ
以外のレーザ光をSiCウエハに照射することも可能で
ある。
【0094】ここで、SiCウエハに照射するレーザ光
の波長は、SiC結晶の有するバンドギャップエネルギ
ーに相当する波長と同じであるか、またはこれよりも短
波長であることが好ましい。このような波長のレーザ光
を照射することにより、SiC結晶中の価電子を効率よ
く励起させることが可能となる。その結果、SiC結晶
中の結合が効率よく切断され、この切断された結合を水
素が終端して凝集する。それにより、より効率よくSi
Cウエハの表面層を剥離させることが可能となる。
【0095】また、上記においては水素イオンを注入す
る場合について説明したが、水素イオン以外のイオンを
注入することも可能である。
【0096】上記においては、本発明に係る半導体薄膜
の形成方法によりSiC薄膜を形成する場合について説
明したが、本発明に係る半導体薄膜の形成方法を用い
て、Siからなる薄膜、ダイヤモンドからなる薄膜また
はGaNからなる薄膜を形成することも可能である。こ
の場合においても、SiC薄膜を形成する場合と同様の
効果が得られる。
【0097】なお、Si、ダイヤモンドまたはGaNか
らなる薄膜を形成する場合、SiCの場合と同様、半導
体ウエハに照射するレーザ光の波長は、ウエハを構成す
る半導体の有するバンドギャップエネルギーに相当する
波長と同じであるか、またはこれよりも短波長であるこ
が好ましい。
【0098】例えば、ダイヤモンドからなる薄膜を形成
する場合においては、波長193nmのArFエキシマ
レーザ光を照射する。なお、この場合のArFエキシマ
レーザ光の光強度は1J/cm2 以下とする。一方、G
aNからなる薄膜を形成する場合においては、波長30
8nmのXeClエキシマレーザ光を照射する。なお、
この場合のXeClエキシマレーザ光の光強度は1J/
cm2 以下とする。
【0099】次に、上記の方法により作製したSiC薄
膜の結晶性をさらに向上させるための方法について説明
する。
【0100】上記の方法により例えば厚さ約250nm
のSiC薄膜を形成した後、このSiC薄膜を酸素雰囲
気中において高温、例えば1050℃で1時間加熱して
酸化処理を行う。
【0101】ここで、SiC薄膜の剥離面側の領域にお
いては、イオン注入によりSiC結晶が損傷を受けてい
る。このため、SiC薄膜において、剥離面側の領域
は、他の領域と比較して結晶性が劣化しており、歪みが
集中して脆化している。このことから、上記のSiC薄
膜の酸化処理においては、剥離面側の領域における酸化
速度が他の領域における酸化速度に比べて大きくなる。
【0102】通常、1050℃でSiCの酸化処理を行
った場合、SiCは表面から深さ5nm程度の領域まで
しか酸化されない。例えば、上記のようにしてSiC薄
膜を酸化する場合、剥離面側と反対側の領域において
は、表面から5nmの深さまでしか酸化されない。この
ように、結晶が損傷を受けていないSiC薄膜の領域は
ほとんど酸化されない。
【0103】一方、SiC薄膜の剥離面側の領域におい
ては、結晶性が劣化しているため、SiCが全て酸化さ
れてSiO2 に変化する。例えば、この場合、剥離面か
ら約120nmの深さの領域までが酸化され、SiCが
SiO2 に変化する。
【0104】上記のようにしてSiC薄膜の酸化処理を
行った後、SiC薄膜をフッ化水素酸水溶液で処理す
る。それにより、SiO2 に変化した領域を溶解させ、
選択的に除去することができる。
【0105】以上のような方法によれば、SiC薄膜に
おいて結晶性の劣化した領域を選択的に除去することが
可能となり、結晶性の良好なSiC薄膜を形成すること
が可能となる。例えば、この場合においては、良好な結
晶性を有する厚さ約125nmのSiC薄膜が形成され
る。
【0106】ここで、本実施の形態の方法により形成さ
れたSiC薄膜においては、イオン注入により損傷を受
けて結晶性が劣化した領域と、損傷を受けず結晶性が良
好である領域との境界が明瞭である。このため、損傷を
受けた領域のみを選択的に酸化し、この領域を除去する
ことが可能となる。それにより、結晶性が良好なSiC
のみから構成されるSiC薄膜が容易に得られる。
【0107】なお、上記においてはSiC薄膜の結晶性
を向上させる場合について説明したが、SiC以外の半
導体薄膜に上記の方法を適用してもよい。例えば、S
i、ダイヤモンドまたはGaNからなる薄膜に上記の方
法を適用してもよい。それにより、より良好な結晶性を
有するSi、ダイヤモンドまたはGaNからなる薄膜を
形成することが可能となる。
【0108】さらに、酸化処理により半導体薄膜の結晶
性の向上を図る上記の方法は、本実施の形態における方
法以外の方法により形成された半導体薄膜にも適用可能
である。
【0109】例えば、イオン注入後に加熱を行う従来の
方法により形成された半導体薄膜に酸化処理を行っても
よい。この場合においても、上記の場合と同様、結晶性
の劣化した領域を選択的に酸化して除去することができ
る。したがって、半導体薄膜の結晶性を向上させること
が可能となる。
【0110】(2)第2の実施の形態 以下に、本発明の第2の実施の形態における半導体薄膜
の形成方法について説明する。
【0111】本実施の形態においては、Siウエハまた
はSiCウエハの所定深さの領域に水素イオンを注入す
る。それにより、SiウエハまたはSiCウエハにおい
て水素イオンが高濃度に注入された水素イオン注入領域
が形成される。
【0112】ここで、本実施の形態においては、上記の
水素イオンを注入したSiウエハまたはSiCウエハに
ガラス基板を密着させた状態で、ガラス基板を通してガ
ラス基板と接触しているSiウエハまたはSiCウエハ
に波長308nmのXeClエキシマレーザ光を照射す
る。
【0113】なお、XeClエキシマレーザ光の光強度
が0.8J/cm2 より大きい場合にはSiの蒸発(昇
華)または融解が生じ、XeClエキシマレーザ光の光
強度が1.0J/cm2 より大きい場合にはSiCの蒸
発(昇華)または分解が生じる。したがって、XeCl
エキシマレーザ光の光強度はSiウエハについては0.
8J/cm2 以下、SiCウエハについては1.0J/
cm2 以下とすることが好ましい。
【0114】上記においては、レーザ光の照射によりS
iウエハ表面またはSiCウエハ表面が加熱され、レー
ザ光が照射された領域のSiウエハまたはSiCウエハ
とガラス基板が接着される。
【0115】また、レーザ光の照射によりSi結晶中ま
たはSiC結晶中の最外殻の価電子が励起され、結晶中
の結合が切断される。
【0116】ここで、水素イオン注入領域においては、
結晶中に注入された水素が切断された結合を終端して凝
集する。このため、水素イオン注入領域に歪みが集中
し、この領域が脆化する。それにより、水素イオン注入
領域において、平面的に結晶格子が切れる。
【0117】以上のようにして、SiウエハまたはSi
Cウエハがガラス基板に接着されるとともに、水素イオ
ン注入領域において表面層が剥離し、ガラス基板上に任
意の形状のSi薄膜またはSiC薄膜が形成される。す
なわち、ガラス基板上にSiウエハまたはSiCウエハ
の表面層がSi薄膜またはSiC薄膜として転写され
る。
【0118】上記のガラス基板上への半導体薄膜の形成
方法においては、レーザ光が照射された領域のみガラス
基板上にSi薄膜またはSiC薄膜が転写されるので、
ガラス基板上の任意の場所に任意の形状の半導体薄膜を
形成することが可能である。
【0119】また、上記においては、Siウエハまたは
SiCウエハが単結晶である場合、ガラス基板上の任意
の場所に任意の形状の単結晶Si薄膜または単結晶Si
C薄膜を形成することが可能となる。電気炉またはラン
プ炉での加熱による従来の方法と異なり、本実施の形態
の方法では必要とする場所にレーザ光を照射すればよい
ので、低コストかつ高いスループットでの単結晶Si薄
膜または単結晶SiC薄膜の形成が可能となる。
【0120】さらに、本実施の形態の方法によるガラス
基板上への半導体薄膜の転写では、SiウエハまたはS
iCウエハの広い領域に水素イオンの注入を行った後、
水素イオンが注入されたSiウエハまたはSiCウエハ
上のガラス基板の任意の複数箇所にレーザ照射を行うこ
とにより、1回の水素イオン注入工程を施したSiウエ
ハまたはSiCウエハを用いてガラス基板上の任意の複
数箇所に半導体薄膜の形成を行うことも可能である。
【0121】なお、上記においては、イオン注入領域を
形成する工程において、加速されたビーム状の水素イオ
ンを用いてもよく、あるいはプラズマ中で高電界を印加
することにより形成されるシース部分で加速された水素
イオンを用いてもよい。
【0122】また、上記においては、XeClエキシマ
レーザ光を用いたが、使用するレーザ光は必ずしも可干
渉性を持つ光に限定されず、強度が強く波長が制御され
た電磁波であれば他の光を用いてもよい。例えば、レー
ザ光に相当するフラッシュランプ光のような他の光を用
いてもよい。
【0123】また、上記においては、同一のレーザ照射
により、ガラス基板へのSiまたはSiCの接着とSi
ウエハまたはSiCウエハの表面層の剥離とを行ってい
るが、ガラス基板へのSiまたはSiCの接着とSiウ
エハまたはSiCウエハの表面層の剥離とを個別のレー
ザ照射により行ってもよい。その場合には、ガラス基板
へのSiまたはSiCの接着とSiウエハまたはSiC
ウエハの表面層の剥離のために照射するレーザ光の波長
や強度等の照射条件は同一である必要はない。
【0124】また、ガラス基板へのSiまたはSiCの
接着に効果的な照射条件のレーザ光とSiウエハまたは
SiCウエハの表面層の剥離に効果的な照射条件のレー
ザ光の2種類をそれぞれ同時に照射してもよい。
【0125】また、ガラス基板へのSiウエハまたはS
iCウエハの接着を行った後、SiウエハまたはSiC
ウエハの表面層の剥離を行ってもよいし、Siウエハま
たはSiCウエハの表面層の剥離を行った後、ガラス基
板へのSi薄膜またはSiC薄膜の接着を行ってもよ
い。
【0126】また、上記においては、任意の形状にレー
ザ光を照射することにより任意の形状の半導体薄膜を形
成する場合について説明したが、レーザ光の照射と同じ
形状に水素イオン注入を行うことによって、半導体薄膜
をより厳密な形状に形成することが可能である。さら
に、剥離される半導体薄膜の外形の輪郭をより高精度に
するために、レーザ光を照射する前にSiウエハまたは
SiCウエハにおいて所望の形状の溝を予めエッチング
により形成しておくことも可能である。
【0127】上記においては、SiウエハおよびSiC
ウエハの表面層をガラス基板上に転写する場合について
説明したが、SiウエハまたはSiCウエハの表面にS
iO 2 層が存在してもよい。
【0128】基板としては、通常のガラス基板に限ら
ず、レーザ光を透過する材料であれば、石英等の他のガ
ラス、サファイア(またはアルミナ)等の誘電体結晶、
SiまたはSiCよりも大きなバンドギャップを有する
半導体結晶、ポリカーボネート樹脂やPET(ポリエチ
レンテレフタレート)樹脂等のプラスチックからなる基
板を用いてもよい。
【0129】特に、基板が石英等のガラスである場合
に、半導体結晶としてSiやSiCを用いると、レーザ
光を照射することにより、両者の間で融着が起こり、容
易に接着される。
【0130】また、上記においては、SiまたはSiC
のバンドギャップエネルギーに相当する波長と同じ波長
であるか、それより短波長のレーザ光をガラス基板の側
から照射する場合について説明したが、基板が例えば金
属のようにレーザ光を吸収する場合には、Siウエハま
たはSiCウエハ側からSiまたはSiCのバンドギャ
ップエネルギーに相当する波長より長波長のレーザ光を
照射することも可能である。
【0131】この場合、レーザ光はSiウエハまたはS
iCウエハを透過してSiウエハまたはSiCウエハを
密着させた基板の接触面で吸収される。基板にレーザ光
が吸収されることにより、基板が加熱され、この熱によ
り基板表面にSiまたはSiCが接着される。また、こ
の熱がSiウエハまたはSiCウエハに伝導し、Siウ
エハまたはSiCウエハの温度を上昇させることによ
り、SiウエハまたはSiCウエハの表面層の剥離が起
こる。
【0132】上記においては、本発明に係る半導体薄膜
の形成方法によりSiC薄膜を形成する場合について説
明したが、本発明に係る半導体薄膜の形成方法を用い
て、Siからなる薄膜、ダイヤモンドからなる薄膜また
はGaNからなる薄膜を形成することも可能である。こ
の場合においても、SiC薄膜を形成する場合と同様の
効果が得られる。
【0133】なお、Si、ダイヤモンドまたはGaNか
らなる薄膜を形成する場合、SiCの場合と同様、半導
体ウエハに照射するレーザ光の波長は、ウエハを構成す
る半導体の有するバンドギャップエネルギーに相当する
波長と同じであるか、またはこれよりも短波長であるこ
とが好ましい。
【0134】さらに、半導体結晶と基板とを接触させる
際に、スピンオンガラス(SOG)等の低融点ガラスや
レーザ照射により化学的変化を生じ接着力を生じる材料
を挿入してもよい。
【0135】その場合には、半導体結晶表面および基板
表面のいずれか一方または両方にこの材料をコーティン
グしてもよく、半導体結晶および基板とは独立してこの
材料を挿入してもよい。
【0136】これにより、基板と半導体薄膜との接着を
より容易に行うことができ、スループットの向上を図る
ことができる。
【0137】
【実施例】(1)第1の実施例 第1の実施例においては、厚さ10μmのn型6H−S
iCエピタキシャル成長膜が表面に形成されてなるn型
6H−SiCウエハ(以下、SiCウエハ1と呼ぶ)を
試料として用いた。この試料に、波長308nmのXe
Clレーザ光を照射しかつ同時に水素イオンを注入し
た。
【0138】なお、レーザ光の光強度は0.5J/cm
2 とし、照射周波数は100Hzとした。また、イオン
注入においては加速電圧を60keVとし、イオン電流
を12mAとした。この場合のレーザ光照射およびイオ
ン注入の時間は4時間36分とした。ここでは、図2の
半導体薄膜製造装置を用いてレーザ光照射およびイオン
注入を行った。
【0139】上記のようにしてイオン注入およびレーザ
光照射を行った試料の断面の透過型電子顕微鏡写真を図
1に示す。図1に示すように、試料のSiCウエハ1に
おいて、水素イオンが高濃度で注入された水素イオン注
入領域2が形成される。
【0140】この水素イオン注入領域2において、脆化
および歪みの集中により、平面的に結晶格子が切れる。
それにより、切断面3において、水素イオン注入領域2
および表面層4がSiC薄膜として剥離する。
【0141】続いて、水素イオンの注入およびレーザ光
の照射を行った上記の試料について、RBS(ラザフォ
ード後方散乱分光)法により、結晶性の評価を行った。
【0142】RBS法においては、2MeVに加速した
Heイオンビームを試料に入射させ、170°散乱した
Heイオンを半導体検出器を用いて検出するとともにパ
ルス高分析器を用いて計数した。この場合、アラインス
ペクトルの測定に当たっては、HeイオンビームをSi
Cの<0001>軸に沿って入射させた。
【0143】一方、比較のため、厚さ10μmのn型6
H−SiCエピタキシャル成長膜が表面に形成されてな
るn型6H−SiCウエハに水素イオンの注入のみを行
った試料を用意し、これを第1の比較例とした。本比較
例についても、RBS法により、結晶性の評価を行っ
た。なお、本比較例における水素イオンの注入およびR
BSの測定は、本実施例の方法と同様の方法により行っ
た。
【0144】図3は、本実施例および本比較例のRBS
スペクトルを示す図である。図3においては、本実施例
のアラインスペクトルを太い実線で示すとともに、本実
施例のランダムスペクトルを太い破線で示している。一
方、本比較例のアラインスペクトルを細い実線で示すと
ともに、本比較例のランダムスペクトルを細い破線で示
している。なお、図中の矢印は、横軸のエネルギーの値
に対応する試料表面からの深さを示している。
【0145】次に、図3に示す結果から、本実施例およ
び本比較例の各々についてアラインスペクトルの収量と
ランダムスペクトルの収量との比を求め、アラインスペ
クトルの収量をランダムスペクトルの収量で規格化した
値(以下、規格化収量χと呼ぶ)を求めた。その結果を
図4に示す。
【0146】なお、規格化収量χは、本実施例および本
比較例の試料の結晶性を示すものである。規格化収量χ
が小さい程、試料の結晶性が良好であることを示す。
【0147】図4においては、本実施例の規格化収量χ
を実線で示し、本比較例の規格化収量χを破線で示して
いる。また、図中の矢印は、横軸のエネルギーの値に対
応する試料表面からの深さを示している。
【0148】図4に示すように、水素イオンの注入のみ
を行った本比較例の試料においては、表面付近において
規格化収量χの値が約10%で最小となる。また、この
規格化収量χの値が最小となる表面付近からエネルギー
が約0.97MeVの領域、すなわち試料表面からの深
さが約244nmに相当する領域にかけて、規格化収量
χの値が徐々に増加する。この場合、試料表面からの深
さが約244nmである領域は、水素イオン注入領域に
相当する。なお、1.13MeV付近の規格化収量χの
ピークはサーフェスピークであり、結晶性に特に由来す
るものではない。
【0149】以上のことから、本比較例においては、試
料表面から水素イオン注入領域までの領域、すなわち表
面層全体がイオン注入により照射損傷を受けており、結
晶性が劣化していることがわかる。
【0150】これに対して、イオン注入と同時にレーザ
光の照射を行った本実施例の試料においては、エネルギ
ーが約1.1〜1.05MeVの領域、すなわち試料表
面からの深さが約130nmに相当する領域全体にわた
って規格化収量χの値が3〜4%と小さくなっている。
なお、1.13MeV付近の規格化収量χのピークはサ
ーフェスピークであり、結晶性に特に由来するものでは
ない。この場合、試料表面からイオン注入領域までの領
域、すなわち表面層4全体において、結晶性が劣化して
いるのは水素イオン注入領域2付近に限られている。
【0151】以上のことから、本実施例の表面層4にお
いては、水素イオン注入領域2付近を除く領域がイオン
注入による照射損傷をほとんど受けていないことがわか
る。したがって、表面層4は全体として良好な結晶性を
有することがわかる。
【0152】一方、本実施例において、規格化収量χが
最大となる領域すなわちエネルギーが約0.97MeV
である領域は、試料表面からの深さが約244nmに相
当している。したがって、図1の透過型電子顕微鏡写真
で確認された表面層4の切断面3の位置と規格化収量χ
が最大となる領域とがほぼ一致していることがわかる。
【0153】(2)第2の実施例 第2の実施例においては、単結晶Siウエハおよび単結
晶SiCウエハを試料として用いた。この試料に、水素
イオンを注入した後、石英ガラス基板に密着させつつ石
英ガラス基板側から波長308nmのXeClレーザ光
を照射した。
【0154】本実施例においては、図1の半導体薄膜製
造装置を用いてイオン注入のみを行い、図5に示すレー
ザ照射装置を用いて基板への試料の接着と試料の表面層
の剥離とを行った。
【0155】イオン注入においては、イオン種としてH
2 +イオンを用いた。単結晶Siウエハについては、イオ
ンの加速電圧を100keVとし、水素イオン注入量
は、1つの単結晶Siウエハ(以下、SiウエハAと呼
ぶ)については、1×1017cm-2、他の1つの単結晶
Siウエハ(以下、SiウエハBと呼ぶ)については、
2×1016cm-2とした。SiC単結晶ウエハ(以下、
SiCウエハCと呼ぶ)については、イオンの加速電圧
を60keVとし、水素イオン注入量を1×10 17cm
-2とした。ここでは、図1の半導体薄膜製造装置を用い
てイオン注入のみを行った。
【0156】図5は本実施例で用いたレーザ照射装置の
模式図である。図5に示すように、レーザ照射装置は、
XeClレーザ装置70、レンズ75および真空容器7
3から構成される。
【0157】イオン注入を行った上記試料71を真空容
器73内で石英ガラス基板72に密着させた状態で固定
し、XeClレーザ装置70から出射されたXeClレ
ーザ光をレンズ75およびレーザ入射窓76を介して石
英ガラス基板72と接する上記試料71の表面に照射し
た。
【0158】レーザ光の照射は、レーザ発振周波数10
0Hzで5分間から60分間の範囲で行った。なお、レ
ーザ光の1パルス当たりの光強度は0.4J/cm2
ある。
【0159】図6はSiCウエハCと密着させ、10分
間のレーザ照射を行った石英ガラス基板の光学顕微鏡写
真である。
【0160】図6に示されるように、均一な単結晶Si
C薄膜81が石英ガラス基板80上に形成されている。
図6では部分的に単結晶SiC薄膜が剥がれているが、
SiCウエハCと石英ガラス基板80の密着が不十分で
あることに起因している。SiウエハAおよびSiウエ
ハBにおいても同様に均一な単結晶Si薄膜が石英ガラ
ス基板上に形成された。
【0161】比較例として、水素イオン注入を行ってい
ないSiウエハまたはSiCウエハに石英ガラス基板を
密着させ、レーザ光を照射した。この場合、Siウエハ
またはSiCウエハと石英ガラス基板の接着は生じた
が、SiウエハまたはSiCウエハの表面層の剥離は一
切起こらず、Si薄膜およびSiC薄膜は形成されなか
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における半導体薄膜
製造装置の例を示す図である。
【図2】第1の実施例試料の断面の透過型電子顕微鏡写
真である。
【図3】第1の実施例および第1の比較例のRBSスペ
クトルを示す図である。
【図4】第1の実施例および第1の比較例のRBSスペ
クトルの規格化収量を示す図である。
【図5】第2の実施例で用いたレーザ照射装置の模式図
である。
【図6】SiCウエハと密着させ、10分間のレーザ照
射を行った石英ガラス基板の光学顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 SiCウエハ 2 水素イオン注入領域 3 切断面 4 表面層 50 エキシマレーザ装置 51 ミラー 52 Qレンズボックス 53 偏向電磁石 54 レーザ入射窓 55 XeClレーザ光 56 試料室 57 コントロールパネル 58 制御装置 60 イオンビーム装置 61 イオン源

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体結晶の表面から所定深さの領域に
    所定の元素をイオン注入してイオン注入領域を形成する
    工程と、前記半導体結晶に連続的または断続的にレーザ
    光を照射することにより前記半導体結晶の表面層を前記
    イオン注入領域において剥離させて半導体薄膜を形成す
    る工程とを備えたことを特徴とする半導体薄膜の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記レーザ光を照射する工程は、前記イ
    オン注入の工程の後、前記イオン注入の工程と同時、ま
    たは前記イオン注入の工程と交互に行うことを特徴とす
    る請求項1記載の半導体薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザ光の波長は、前記半導体結晶
    のバンドギャップのエネルギーに相当する波長にほぼ等
    しいか、または前記半導体結晶のバンドギャップのエネ
    ルギーに相当する波長よりも短いことを特徴とする請求
    項1または2記載の半導体薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 半導体結晶の表面から所定深さの領域に
    所定の元素をイオン注入してイオン注入領域を形成する
    工程と、前記半導体結晶に第1のレーザ光を照射するこ
    とにより前記半導体結晶の表面層を前記イオン注入領域
    において剥離させて半導体薄膜を形成する工程と、前記
    半導体結晶の前記表面層を基板に接触させつつ前記第1
    のレーザ光と同じかまたは異なる第2のレーザ光を照射
    することにより前記半導体結晶の前記表面層を基板に接
    着させる工程とを備えたことを特徴とする半導体薄膜の
    形成方法。
  5. 【請求項5】 前記第2のレーザ光を照射する工程は、
    前記第1のレーザ光を照射する工程と同時、前記第1の
    レーザ光を照射する工程後、前記第1のレーザ光を照射
    する工程前、または前記第1のレーザ光を照射する工程
    と交互に行うことを特徴とする請求項4記載の半導体薄
    膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2のレーザ光を前記半
    導体結晶の前記表面層の一部領域に照射して照射された
    領域の前記半導体結晶の前記表面層を剥離させるととも
    に前記基板に接着させることを特徴とする請求項4また
    は5記載の半導体薄膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記第1のレーザ光の波長は、前記半導
    体結晶のバンドギャップのエネルギーに相当する波長に
    ほぼ等しいか、または前記半導体結晶のバンドギャップ
    のエネルギーに相当する波長よりも短いことを特徴とす
    る請求項4〜6のいずれかに記載の半導体薄膜の形成方
    法。
  8. 【請求項8】 前記第2のレーザ光の波長は、前記半導
    体結晶のバンドギャップのエネルギーに相当する波長に
    ほぼ等しいか、または前記半導体結晶のバンドギャップ
    のエネルギーに相当する波長よりも短いことを特徴とす
    る請求項4〜7のいずれかに記載の半導体薄膜の形成方
    法。
  9. 【請求項9】 前記半導体結晶は、バンドギャップのエ
    ネルギーに相当する波長より長い所定の波長に光吸収ピ
    ークを有し、前記第1のレーザ光の波長は、前記光吸収
    ピークの波長であることを特徴とする請求項4〜6のい
    ずれかに記載の半導体薄膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 前記半導体結晶は、バンドギャップの
    エネルギーに相当する波長より長い所定の波長に光吸収
    ピークを有し、前記第2のレーザ光の波長は、前記光吸
    収ピークの波長にあることを特徴とする請求項4〜6お
    よび9のいずれかに記載の半導体薄膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 前記基板は前記第1および第2のレー
    ザ光のうち一方または両方のレーザ光を透過し、前記第
    1および第2のレーザ光のうち一方または両方のレーザ
    光を前記基板側から照射することを特徴とする請求項4
    〜10のいずれかに記載の半導体薄膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 前記基板は前記第1および第2のレー
    ザ光のうち一方または両方のレーザ光を吸収し、前記半
    導体結晶は前記第1および第2のレーザ光のうち一方ま
    たは両方のレーザ光を透過し、前記第1および第2のレ
    ーザ光のうち一方または両方のレーザ光を前記半導体結
    晶側から照射することを特徴とする請求項4〜6のいず
    れかに記載の半導体薄膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 前記所定の元素は水素であることを特
    徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の半導体薄膜
    の形成方法。
  14. 【請求項14】 前記半導体結晶は、ケイ素、炭化ケイ
    素、ダイヤモンドまたは窒化ガリウムであることを特徴
    とする請求項1〜13のいずれかに記載の半導体薄膜の
    形成方法。
  15. 【請求項15】 前記剥離した半導体薄膜の剥離側の面
    を酸化させる工程をさらに備えたことを特徴とする請求
    項1〜14のいずれかに記載の半導体薄膜の形成方法。
  16. 【請求項16】 前記半導体結晶の表面から所定深さの
    領域に所定の元素をイオン注入してイオン注入領域を形
    成する工程と、前記半導体結晶にエネルギーを供給する
    ことにより前記半導体結晶の表面層を前記イオン注入領
    域において剥離させて半導体薄膜を形成する工程と、前
    記剥離した半導体薄膜の剥離側の面を酸化させる工程と
    を備えたことを特徴とする半導体薄膜の形成方法。
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