JP2002031915A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

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JP2002031915A
JP2002031915A JP2001218328A JP2001218328A JP2002031915A JP 2002031915 A JP2002031915 A JP 2002031915A JP 2001218328 A JP2001218328 A JP 2001218328A JP 2001218328 A JP2001218328 A JP 2001218328A JP 2002031915 A JP2002031915 A JP 2002031915A
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寛明 竹原
Kazuhiro Noguchi
和裕 野口
Toru Takahashi
徹 高橋
Masazumi Okuto
正純 奥戸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温定着性や耐オフセット性を損なうことな
く、保存性の優れたトナー用樹脂組成物及びそれを用い
たトナーを提供する。 【解決手段】 スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸
エステル系単量体とを構成単位とするビニル系共重合体
と、長鎖アルキルアルコールとを主成分とするトナー用
樹脂組成物であって、上記ビニル系共重合体が、重量平
均分子量(Mw)=3千〜5万の低分子量重合体成分と
重量平均分子量(Mw)=10万〜500万の高分子量
重合体成分とからなり、低分子量重合体成分及び/又は
高分子量重合体成分中には、水酸基、アミノ基、チオー
ル基、アルデヒド基、スルホン基、シアノ基、ニトロ
基、及び、ハロゲン基からなる群より選ばれる少なくと
も1種の極性基を有する成分が1〜30重量%含有さ
れ、上記樹脂組成物中に、上記長鎖アルキルアルコール
が1〜30重量%含有されているトナー用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー用樹脂組成
物及びそれを用いたトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、乾式現像方式におけるトナー
の定着の方法として、加熱ローラー法が一般に用いられ
ているが、消費電力等の節減による経済性の向上、複写
速度の高速化などを目的として、低温で定着の可能なト
ナーが求められている。そのため、トナー組成物中に低
融点の結晶性化合物を添加することにより、より低温で
定着を可能にすることが行われている。しかし、低融点
の結晶性化合物は、その粘度の低さからブリードアウト
が起こるため、トナーの保存性に悪影響を与えるという
問題点があった。
【0003】上記トナーの保存性を解決するために、例
えば、特開平6−295097号公報には、ビニル系共
重合体とポリオレフィンを結着樹脂として含有し、相溶
化剤としてポリオレフィンとビニルポリマーのグラフト
ポリマーを用いる方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法では、グラフト部分が、ランダムに結着樹
脂に組み込まれているため、その効果を得るためには多
くの側鎖を必要とするという問題点があった。
【0004】さらに、トナーの保存性を解決するため
に、例えば、特開平7−64323号公報や特開平5−
323664号公報では、低融点結晶性化合物を化学的
にグラフトあるいは微架橋する方法が開示されている。
しかしながら、これらの系は結着樹脂に化学的に低融点
結晶性化合物が結合しているため、結着樹脂のTgが低
下し、トナーの保存性が悪くなるという問題点があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温定着性
や耐オフセット性を損なうことなく、保存性の優れたト
ナー用樹脂組成物及びそれを用いたトナーを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のトナー用樹脂組
成物は、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体とを構成単位とするビニル系共重合体と、長
鎖アルキルアルコールとを主成分とするトナー用樹脂組
成物であって、上記ビニル系共重合体が、重量平均分子
量(Mw)=3千〜5万の低分子量重合体成分と重量平
均分子量(Mw)=10万〜500万の高分子量重合体
成分とからなり、低分子量重合体成分及び/又は高分子
量重合体成分中には、水酸基、アミノ基、チオール基、
アルデヒド基、スルホン基、シアノ基、ニトロ基、及
び、ハロゲン基からなる群より選ばれる少なくとも1種
の極性基を有する成分が1〜30重量%含有され、上記
樹脂組成物中に、上記長鎖アルキルアルコールが1〜3
0重量%含有されていることを特徴とする。
【0007】本発明のトナー用樹脂組成物は、ビニル系
共重合体と長鎖アルキルアルコールとを主成分とし、該
ビニル系共重合体は、低分子量重合体成分と高分子量重
合体成分とからなる。
【0008】上記低分子量重合体成分の重量平均分子量
(Mw)は、小さくなるとトナー用樹脂組成物のガラス
転移点(Tg)が低下して保存性が損なわれ、大きくな
ると該樹脂組成物の低温定着性が低下するため、3千〜
5万に限定される。
【0009】上記高分子量重合体成分の重量平均分子量
(Mw)は、小さくなるとトナー用樹脂組成物の溶融粘
度が低下して耐オフセット性が低下し、大きくなると該
樹脂組成物の低温定着性が低下するため、10万〜50
0万に限定される。
【0010】上記ビニル系共重合体は、スチレン系単量
体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを構成単位
とする。
【0011】上記スチレン系単量体としては、例えば、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘ
キシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−
ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニ
ルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルス
チレン等が挙げられる。
【0012】上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体
としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)
アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキル
エステルの他、アクリル酸2−クロルエチル、(メタ)
アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、
メタクリル酸グリシジル、ビスグリシジルメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、メタク
リロキシエチルホスフェートなどが挙げられ、これらの
中で、特に、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸メチルが好ましい。
【0013】上記ビニル系共重合体中には、極性基を有
する成分が含有されている。この極性基を有する成分の
含有量が、少なくなると後述の長鎖アルキルアルコール
との相互作用が低下して該長鎖アルキルアルコールがブ
リードアウトするため樹脂組成物の保存性が低下し、極
性基を有する成分の含有量が、多くなるとビニル系共重
合体間の凝集力が増加して樹脂組成物の低温定着性が低
下するため、ビニル系共重合体中に1〜30重量%含有
される。
【0014】上記極性基を有する成分は、低分子量重合
体成分又は高分子量重合体成分のいずれか一方に含有さ
れていてもよいし、双方に含有されていてもよい。上記
極性基を有する成分は、極性基を有する単量体を、例え
ば、ラジカルの分解温度が2つある重合開始剤を用い
て、単量体を2段階で重合させる方法等により得られ
る。
【0015】上記重合開始剤としては、例えば、パーヘ
キサメチルセルロース、ポリ(ヘキサメチレンアゾビス
シアノペンタン酸エステル)、テトラエチルチウラムジ
スルフィド等が挙げられる。
【0016】上記ビニル系共重合体中に含有される極性
基は、水酸基、アミノ基、チオール基、アルデヒド基、
スルホン酸基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基から選
ばれる。
【0017】上記極性基を有する単量体としては、例え
ば、クロロエチレン、フルオロエチレン等のハロゲン化
エチレン類;p−クロロメチルスチレン、p−クロルス
チレン等のハロゲン化物スチレン誘導体;p−ヒドロキ
シメチルスチレン、2ー(p−ビニルフェニル)エタノ
ール等のヒドロキシル化スチレン誘導体;p−ニトロス
チレン、p−(2−ニトロエチル)スチレン等のニトロ
化スチレン誘導体;p−シアノスチレン、m−シアノス
チレン等のシアノ化スチレン誘導体;p−アミノスチレ
ン、3,4ージアミノスチレン等のアミノ(N含有も含
む)スチレン誘導体;クロロエチルアクリレート、2ー
ヒドロキシエチルアクリレート、2ーアミノエチルアク
リレートなどのアクリル酸誘導体;さらにクロロエチル
アクリレート、2ーヒドロキシエチルアクリレート、2
ーアミノエチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸あ
るいは(メタ)アクリル酸エステル誘導体;アクリルア
ミド、Nー(2ーヒドロキシエチル)アクリルアミド等
の(メタ)アクリルアミド誘導体;アクリロニトリル、
クロロアクリロニトリル等の(メタ)アクリロニトリル
誘導体、4ービニルピリジン、2ービニルテトラヒドロ
フラン等の複素環を持つビニル系単量体等が挙げられ
る。
【0018】上記長鎖アルキルアルコールは、炭素数1
8〜22のものが好ましく、このような長鎖アルキルア
ルコールとしては、例えば、1−ドコサノール、1−オ
クタデカノール等が挙げられる。
【0019】上記樹脂組成物中、上記長鎖アルキルアル
コールの含有量は、少なくなると樹脂組成物の結晶性が
低下して低温定着性が悪くなり、多くなるとブリードア
ウトするので、1〜30重量%が好ましい。
【0020】上記トナー用樹脂組成物からトナーを得る
方法としては、例えば、トナー用樹脂組成物に、着色
剤、その他の添加剤を混合した後、これをロールミル、
ニーダー、押出機等で溶融混練し、次いで、冷却後、ジ
ェットミル等の粉砕機を用いて微粉砕し、さらに必要に
応じて分級して、粒径5〜20μmのトナー粒子を得る
方法などが挙げられる。
【0021】上記着色剤としては、例えば、カーボンブ
ラック、クロムイエロー、アニリンブルー、フタロシア
ニンブルー、ウルトラマリンブルー等が挙げられる。
【0022】上記その他の添加剤としては、必要に応じ
て添加されるものであって、例えば、帯電制御剤、離型
剤、磁性微粒子等が挙げられる。
【0023】上記帯電制御剤としては、例えば、ニグロ
シン染料、スピロンブラック染料、フタロシアニン顔料
等が挙げられる。上記離型剤としては、例えば、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合
体等が挙げられる。上記磁性微粒子としては、例えば、
ニッケル、マンガン、鉄、コバルト、クロム等の金属;
各種フェライト;各種合金などの微粉末が挙げられる。
【0024】上記で得られたトナーには、粉体としての
流動性を高めるために流動化剤が後添加されてもよい。
流動化剤としては、例えば、疎水性シリカ粉末、アクリ
ル系樹脂粉末、フッ素系樹脂粉末、高級脂肪酸の金属塩
粉末などが挙げられる。
【0025】
【作用】本発明のトナー用樹脂組成物において、長鎖ア
ルキルアルコールがその末端に有する水酸基の効果で部
分的に分子間力でビニル系共重合体成分と相互作用し疑
似的にグラフト化された凝集構造をとることができる。
このような構造により長鎖アルキルアルコールのブリー
ドアウトを防ぎ、且つトナー用樹脂のガラス転移点(T
g)を低下させることがない上に、良好な保存性を維持
した状態で定着性(特により低温の範囲に於いて)及び
耐オフセット性の優れたトナーを提供することができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。 (実施例1)3Lセパラブルフラスコにトルエン720
gを入れ、アクリル酸n−ブチル−メチルメタクリレー
ト(BA−MMA)共重合体(Mw100万、Tg60
℃)120g、ベヘニルアルコール60gを投入し、溶
解した。気相を窒素ガスにて置換したのち、この系をト
ルエンの還流温度まで昇温した。トルエンの還流が起き
た状態で撹拌しながら、スチレン360g、クロロメチ
ルスチレン60g、重合開始剤として、t−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキシノエート(日本油脂社製「パ
ーブチル−O」)24gを溶解した混合物を、2. 5時
間かけて滴下しながら、溶液重合を行なった。滴下終了
後、さらにトルエンの還流温度にて撹拌しながら、30
分熟成した。その後、オイルバス温度を150℃まで徐
々に上げながら、減圧下でトルエンを脱溶剤して重合体
を得た後冷却、粉砕して、トナー用樹脂組成物を調製し
た。
【0027】上記樹脂組成物につき下記の評価を行い、
その結果を表1に示した。 (1)重量平均分子量(Mw) GPCを使用して得られた分子量分布上の2つのピーク
を谷の部分で分け、それぞれのピークの重量平均分子量
(Mw)を算出した。GPCは装置として、日本ミリポ
アリミテッド社製「HTR−C」を、カラムには昭和電
工社製「KF−800P」(1本)、「KF−806
M」(2本)、「KF−802.5」(1本)を直列に
つないで使用した。測定条件は温度40℃、試料濃度
0.2重量%テトラヒドロフラン溶液(0.45μmの
フィルターを通過したもの)とし、注入量100μlを
打ち込んだ。また、更正試料としては標準ポリスチレン
を用いた。
【0028】(2)ガラス転移温度(Tg)及び融点
(Tm) (株)セイコー電子工業社製「DSC220C」を用
い、昇温速度10℃/分の測定条件から得られるDSC
曲線(図1に示す)を作成し、Tgは、図1に示す接線
との交点から、Tmについてはピーク温度をそれぞれ採
った。尚、Tg及びTmの測定の際に、図2から同時に
吸熱量(ΔH)を求めた。
【0029】(3)フロー軟化点(Tf) (株)島津製作所製のフローテスター「CFT−500
A」を用い、測定条件はノズルの直径1.0mm、負荷
20kgf、測定温度が昇温法で80〜200℃、昇温
速度6℃/min、予熱300secで測定を行い、図
3に示すように流出量の中点を軟化点(Tf)とした。
【0030】〔トナーの調製〕上記樹脂組成物(a)1
00重量部、着色剤としてカーボンブラック(三菱化成
社製「MA−100」)5重量部、電荷制御剤としてス
ピロンブラック「TRH」1重量部及び離型剤としてP
Pワックス(三洋化成社製「ビスコール660P」)3
重量部をメルトブレンドし、冷却後粗粉砕しさらにジェ
トミル(日本ニューマチック工業社製ラボジェット)で
微粉砕して約8〜12μmの平均粒度を有するトナー粉
末を得た、この粉末を分級機(日本ニューマチック工業
社製「MDS−2」)で分級することにより、平均粒径
10μmのトナーを作製した。
【0031】上記トナーにつき、下記の評価を行いその
結果を表1に示した。 (4)保存性 トナー10gを100mlサンプルビンにとり、50℃
の高温槽中に8時間放置した後、目視によりケーキング
状態を観察し、凝集の起こらないものを○、凝集の起こ
ったものを×とした。 (5)コールドオフセットの発生温度 トナー6.5重量部を粒径約50〜80μmの鉄粉キャ
リアー93.5重量部と混合して現像剤を作り、この現
像剤を用いて下記の評価を行った。電子複写機の熱ロー
ラーの設定温度を、トナーの定着温度より低い温度から
定着温度を含む200℃程度の高い温度までの各温度で
画像テストを行う。そのとき定着温度より低い温度で
は、二重画像となるが定着温度付近になると二重画像は
解消される。この二重画像が発生する温度をコールドオ
フセットの発生温度とした。 (6)定着温度 上記(5)において、二重画像が解消されてから、さら
に温度を上げてゆくと画像の定着が強固になり、摩擦し
ても画像の低下が85%になる温度が観測される。この
温度を定着温度とした。 (7)オフセットの発生温度 上記(6)において、さらに温度を上げてゆくと再び二
重画像となる。この温度をオフセットの発生温度とし
た。尚、上記(5)〜(7)において使用した電子写真
複写機は、富士ゼロックス社製「Vivace300」
を改造したものである。
【0032】(実施例2)3Lセパラブルフラスコにト
ルエン720gを入れ、BA−MMA共重合体(Mw1
00万、Tg60℃)120g、ベヘニルアルコール6
0gを投入し溶解した。気相を窒素ガスにて置換したの
ち、この系をトルエンの還流温度まで昇温した。トルエ
ンの還流が起きた状態で撹拌しながら、スチレン360
g、アクリルアミド60g、重合開始剤としてパーブチ
ル−O24gを溶解した混合物を、2.5時間かけて滴
下しながら溶液重合を行なった。滴下終了後、さらにト
ルエンの還流温度にて撹拌しながら、30分熟成した。
その後、オイルバス温度を150℃まで徐々に昇温しな
がら、減圧下でトルエンを脱溶剤して重合体を得た後冷
却、粉砕して、トナー用樹脂組成物を調製した。
【0033】(実施例3)3Lセパラブルフラスコにト
ルエン720gを入れ、BA−MMA共重合体(Mw1
00万、Tg60℃)120g、ベヘニルアルコール6
0gを投入し溶解した。気相を窒素ガスにて置換したの
ち、この系をトルエンの還流温度まで昇温した。トルエ
ンの還流が起きた状態で撹拌しながら、スチレン360
g、4ービニルピリジン60g、重合開始剤としてパー
ブチル−O24gを溶解した混合物を、2. 5時間かけ
て滴下しながら、溶液重合を行なった。滴下終了後、さ
らにトルエンの還流温度にて撹拌しながら30分熟成し
た。その後、オイルバス温度を150℃まで徐々に昇温
しながら、減圧下でトルエンを脱溶剤して重合体を得た
後冷却、粉砕して、トナー用樹脂組成物(i)を調製し
た。
【0034】(実施例4)3Lセパラブルフラスコにト
ルエン720gを入れ、BA−MMA−クロロメチルス
チレン共重合体(Mw100万、Tg60℃)120
g、ベヘニルアルコール60gを投入し、溶解した。気
相を窒素ガスにて置換したのち、この系をトルエンの還
流温度まで昇温した。トルエンの還流が起きた状態で撹
拌しながら、スチレン420g、重合開始剤としてパー
ブチル−O24gを溶解した混合物を、2. 5時間かけ
て滴下しながら、溶液重合を行なった。滴下終了後、さ
らにトルエンの還流温度にて撹拌しながら30分熟成し
た。その後、オイルバス温度を150℃まで徐々に昇温
しながら、減圧下でトルエンを脱溶剤して重合体を得た
後冷却、粉砕して、トナー用樹脂組成物を調製した。
【0035】(比較例1)3Lセパラブルフラスコにト
ルエン720gを入れ、BA−MMA共重合体(Mw1
00万、Tg60℃)120g、ベヘニルアルコール6
0gを投入し溶解した。気相を窒素ガスにて置換したの
ち、この系をトルエンの還流温度まで昇温した。トルエ
ンの還流が起きた状態で撹拌しながら、スチレン420
g、重合開始剤としてパーブチル−O24gを溶解した
混合物を、2.5時間かけて滴下しながら溶液重合を行
なった。滴下終了後、さらにトルエンの還流温度にて撹
拌しながら30分熟成した。その後、オイルバス温度を
150℃まで徐々に昇温しながら、減圧下でトルエンを
脱溶剤して重合体を得た後冷却、粉砕して、トナー用樹
脂組成物を調製した。
【0036】(比較例2)3Lセパラブルフラスコにト
ルエン720gを入れ、BA−MMA共重合体(Mw1
00万、Tg60℃)120gを投入し溶解した。気相
を窒素ガスにて置換したのち、この系をトルエンの還流
温度まで昇温した。トルエンの還流が起きた状態で撹拌
しながら、スチレン420g、クロロメチルスチレン6
0g、重合開始剤としてパーブチル−O24gを溶解し
た混合物を、2. 5時間かけて滴下しながら溶液重合を
行なった。滴下終了後、さらにトルエンの還流温度にて
撹拌しながら、30分熟成した。その後、オイルバス温
度を150℃まで徐々に昇温しながら、減圧下でトルエ
ンを脱溶剤して重合体を得た後冷却、粉砕して、トナー
用樹脂組成物を調製した。
【0037】上記実施例及び比較例で得られたトナー用
樹脂組成物につき実施例1と同様の評価を行いその結果
を表1に示した。また、実施例1と同様の方法でトナー
化し平均粒径10μmのトナーを作製した後、実施例1
と同様の方法でトナーの評価を行い、その結果を表1に
示した。
【0038】
【表1】
【0039】(実施例5)3Lセパラブルフラスコにト
ルエン720gを入れ、重量平均分子量が100万のス
チレン−n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレー
ト(St−BA−MMA)共重合体120g、ベヘニル
アルコール60gを投入して溶解した。気相を窒素ガス
にて置換したのち、この系をトルエンの還流温度まで加
温した。トルエンの還流が起きた状態で、撹拌しなが
ら、β−ヒドロキシエチルメタクリレート60g、重合
開始剤としてパーヘキサMC(2段分解型重合開始剤;
日本油脂社製)30gを溶解した混合物を、1 時間かけ
て滴下した後、スチレン360g、ブチルアクリレート
36g及びメチルメタクリレート24gを、1.5時間
かけて滴下しながら溶液重合を行った。
【0040】滴下終了後、さらにトルエンの還流温度に
て撹拌しながら、30分熟成した。その後、オイルバス
温度を150℃まで徐々に上げながら、減圧下でトルエ
ンを脱溶剤して樹脂を得た。この樹脂を冷却し、粉砕し
て、β−ヒドロキシエチルメタクリレートをブロック的
に共重合したトナー用樹脂組成物を得た。
【0041】(実施例6)重合開始剤として過酸化ベン
ゾイル30gを用いた以外は、実施例5と同様にして、
β−ヒドロキシエチルメタクリレートをランダムに共重
合したトナー用樹脂組成物を得た。
【0042】(実施例7)極性基を有している単量体と
してクロロメチルスチレン60gを用いた以外は実施例
5と同様にして、クロロメチルスチレンをブロック的に
共重合したトナー用樹脂組成物を得た。
【0043】(実施例8)極性基を有している単量体と
してβ−ヒドロキシエチルメタクリレート120gを用
い、他の単量体としてスチレン360gを用いた以外は
実施例5と同様にして、トナー用樹脂組成物を得た。
【0044】(実施例9)長鎖アルキルアルコールとし
てベヘニルアルコール120gを用いた以外は実施例5
と同様にして、トナー用樹脂組成物を得た。
【0045】(実施例10)重合開始剤としてパーヘキ
サMCを15g用いた以外は実施例5と同様にしてトナ
ー用樹脂組成物を得た。
【0046】(実施例11)Mwが200万のSt−B
A−MMA共重合体120gを用いた以外は実施例5と
同様にしてトナー用樹脂組成物を得た。
【0047】(比較例3)単量体として、スチレン36
0g、ブチルアクリレート50g、MMA70gを用い
た以外は実施例6と同様にしてトナー用樹脂組成物を得
た。
【0048】(比較例4)長鎖アルキルアルコールのベ
ヘニルアルコールを添加しなかった以外は、実施例5と
同様にしてトナー用樹脂組成物を得た。
【0049】(比較例5)極性基を有している単量体と
してβ−ヒドロキシエチルメタクリレート240gを用
い、他の単量体としてスチレン240gを用いた以外
は、実施例5と同様にしてトナー用樹脂組成物を得た。
【0050】(比較例6)長鎖アルキルアルコールとし
てベヘニルアルコール240gを用い、Mwが9万のS
t−BA−MMA共重合体120gを用いた以外は、実
施例5と同様にしてトナー用樹脂組成物を得た。
【0051】上記実施例5〜11及び比較例3〜6で得
られたトナー用樹脂組成物につき、実施例1と同様の性
能評価を行い、その結果を表2に示した。また、これら
のトナー用樹脂組成物から、実施例1と同様にして、ト
ナーを作製した後、実施例1と同様にして、定着温度及
び保存性の評価を行ない、さらに下記の方法によってオ
フセット非発生温度域の評価を行い、その結果を表2に
示した。尚、非オフセット幅は、上記(5)の測定にお
いて、電子複写機の熱ローラーの設定温度を種々変え
て、オフセットの発生しない温度域を観察した。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明のトナー用樹脂組成物は、上述の
構成であり、低分子量のビニル系共重合体及び/又は高
分子量のビニル系共重合体と長鎖アルキルアルコール
が、その側鎖の影響により凝集構造をとることにより、
長鎖アルキルアルコールのブリードアウトが防止され
る。従って、上記トナー用樹脂組成物から得られるトナ
ーは、良好な保存性を有すると共に、低温での定着性及
び耐オフセット性が優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナー用樹脂組成物のGPC曲線を示すグラフ
である。
【図2】トナー用樹脂組成物のDSC曲線を示すグラフ
である。
【図3】トナー用樹脂組成物のフロー曲線を示すグラフ
である。
【符号の説明】
Tg ガラス転移点 Tm 融点 ΔH 吸熱量 Tf 軟化点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥戸 正純 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 CA04 EA06 EA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸
    エステル系単量体とを構成単位とするビニル系共重合体
    と、長鎖アルキルアルコールとを主成分とするトナー用
    樹脂組成物であって、上記ビニル系共重合体が、重量平
    均分子量(Mw)=3千〜5万の低分子量重合体成分と
    重量平均分子量(Mw)=10万〜500万の高分子量
    重合体成分とからなり、低分子量重合体成分及び/又は
    高分子量重合体成分中には、水酸基、アミノ基、チオー
    ル基、アルデヒド基、スルホン酸基、シアノ基、ニトロ
    基、及び、ハロゲン基からなる群より選ばれる少なくと
    も1種の極性基を有する成分が1〜30重量%含有さ
    れ、上記樹脂組成物中に、上記長鎖アルキルアルコール
    が1〜30重量%含有されていることを特徴とするトナ
    ー用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 長鎖アルキルアルコールは、炭素数18
    〜22のものであることを特徴とする請求項1記載のト
    ナー用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 長鎖アルキルアルコールは、1−ドコサ
    ノール、及び/又は、1−オクタデカノールであること
    を特徴とする請求項1又は2記載のトナー用樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載のうちいずれか1項の
    トナー用樹脂組成物が用いられていることを特徴とする
    トナー。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2019045524A (ja) * 2017-08-29 2019-03-22 キヤノン株式会社 トナー

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