JP2002031139A - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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JP2002031139A
JP2002031139A JP2000276144A JP2000276144A JP2002031139A JP 2002031139 A JP2002031139 A JP 2002031139A JP 2000276144 A JP2000276144 A JP 2000276144A JP 2000276144 A JP2000276144 A JP 2000276144A JP 2002031139 A JP2002031139 A JP 2002031139A
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Masamichi Hayakawa
正通 早川
Masayoshi Seichi
正義 齋地
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受周辺に十分な量の潤滑油を保有させて軸
受装置の寿命を延ばす一方、潤滑油が軸受部から外部に
飛散することを防止して、周辺を潤滑油で汚染すること
のないようにした軸受装置を得る。 【解決手段】 軸16と、この軸を相対回転可能に支持
するラジアル軸受5と、これら軸と軸受との間に介在す
る潤滑油とにより、軸16を相対回転可能に支持した軸
受装置。ラジアル軸受5の軸方向一方側に、軸16の周
面との間隔が軸方向外側に向かって徐々に広がる傾斜部
21を有するテーパーシール部材20をラジアル軸受5
と間隔をあけて設け、ラジアル軸受5から軸受外に飛散
する潤滑油をテーパーシール部材20でシールする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油を用いた軸
受装置、例えば潤滑油を含浸させた焼結含油軸受あるい
は流体動圧軸受などに関するもので、特にその潤滑油の
飛散防止を図った軸受装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4に、焼結含油軸受を用いたモータの
従来例を示す。図4において、モータの基板62には円
筒状軸受ホルダ64の下端部が嵌合され、かしめ等の適
宜の手段で固定されて基板62から直角に立ち上がって
いる。軸受ホルダ64の外周にはステータコア70の内
周孔が嵌合され、適宜の手段で固定されている。ステー
タコア70は適宜数の突極を有し、各突極には駆動コイ
ル72が巻かれている。
【0003】軸受ホルダ64の内周下端部には端板66
が嵌められて固定され、軸受ホルダ64の下端が塞がれ
るとともに、端板66の上面にはスラスト受け67が配
置されて固定されている。軸受ホルダ64の内周側には
焼結含油軸受68が嵌められ、焼結含油軸受68の中心
軸孔には軸65が嵌められている。軸受68はラジアル
軸受であって、軸65を回転自在に支持している。軸6
5のスラスト荷重は、軸65の下端がスラスト受け67
に当接することによって支持されている。軸受ホルダ6
4の上端内周部にはリング状のプレート78が嵌められ
ている。焼結含油軸受68の上端外周縁部には環状突起
が形成され、この環状突起の上にプレート78が当たる
ことによって、焼結含油軸受68の上端面とプレート7
8との間に油溜め空間が形成されている。
【0004】ラジアル軸受68、軸受ホルダ64の上端
から上方に突出した軸65には、カップを伏せた形のロ
ータケース74の中芯部に形成されたバーリング部が圧
入され、ロータケース74が軸65と一体化されてい
る。ロータケース74の周壁内面にはロータマグネット
76が固着され、ロータマグネット76の内周面はステ
ータコア70の各突極の外周面に所定の間隙をおいて対
向している。したがって、ロータマグネット76の回転
位置に応じて各駆動コイル72への通電を制御すること
により、電磁的吸引反発力によってロータマグネット7
6およびこれと一体のロータケース74および軸65を
回転させることができる。特開2000−32703号
公報に記載されている例は、上に説明したような図4に
示す従来例に相当する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例のように、
軸受として焼結含油軸受を用いた場合、モータの寿命は
焼結含油軸受の周囲にある潤滑油の量によって決まる。
モータの寿命を延ばすには、焼結含油軸受周辺の潤滑油
の量を増やす必要がある。しかし、潤滑油の量を増やす
と、焼結含油軸受によって吸収しきれない潤滑油が軸6
5などを伝ってモータ内部はもちろん、モータ外部にま
で潤滑油を飛散させる結果となる。このモータが例えば
ハードディスクドライブ用モータであるとすれば、飛散
した潤滑油がハードディスクに付着し、記録再生不能と
なってしまう。
【0006】上記従来例は、焼結含油軸受68の上端面
とプレート78との間に油溜め空間を形成することによ
り、できるだけ多くの潤滑油を焼結含油軸受周辺に保有
することができるように考慮されているが、特別な潤滑
油飛散防止手段を設けたものではないから、上に述べた
ように潤滑油が飛散することを防止することができな
い。
【0007】本発明は以上のような従来技術の問題点を
解消するためになされたもので、軸受部に潤滑油を用い
た軸受装置において、軸受周辺に十分な量の潤滑油を保
有することができるようにして軸受装置の寿命を延ばす
ことができる一方、潤滑油が軸受部から外部に飛散する
ことを防止して、周辺を潤滑油で汚染することのないよ
うにした軸受装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、請求項1記載の発明のように、軸と、こ
の軸を相対回転可能に支持するラジアル軸受と、これら
軸と軸受との間に介在する潤滑油とにより、軸を相対回
転可能に支持した軸受装置であって、ラジアル軸受の軸
方向一方側に、軸の周面との間隔が徐々に広がる傾斜部
を有するテーパーシール部材をラジアル軸受と間隔をあ
けて設け、ラジアル軸受から軸受外に飛散する潤滑油を
上記テーパーシール部材でシールすることを特徴とす
る。
【0009】上記軸には、請求項2記載の発明のよう
に、テーパーシール部材より軸方向外側に、油切り溝を
周方向に形成するとよい。請求項3記載の発明のよう
に、ラジアル軸受が焼結含油軸受の場合、ラジアル軸受
とテーパーシール部材との間隔を、このラジアル軸受と
テーパーシール部材との間で生じる毛細管力よりも、焼
結含油軸受のポーラスによって生じる毛細管力の方が大
きくなるように設定するとよい。
【0010】請求項4記載の発明のように、ラジアル軸
受の軸方向他方側が、スラスト軸受を有する密閉構造と
なっている場合、この密閉構造に対する開口側にテーパ
ーシール部材を設け、ラジアル軸受には、軸の挿入時に
おける空気抜き孔を形成するとよい。請求項5記載の発
明のように、テーパーシール部材の内周孔は、軸の外周
に対して偏心しているとよい。この偏心によってテーパ
ーシール部材の内周と軸の外周との間隔が連続的に変化
し、間隔が狭い部分において潤滑油を捉えることができ
るとともに、間隔が最も広い部分を含むその近辺に空気
抜きの孔が生じる。
【0011】請求項6記載の発明のように、テーパーシ
ール部材のラジアル軸受との対向面を傾斜面として、テ
ーパーシール部材とラジアル軸受との間隔が半径方向外
側に向かって徐々に狭まるようにするとよい。請求項7
記載の発明のように、ラジアル軸受が空気抜き孔を有す
る場合、傾斜面の底が空気抜き孔の底と半径方向におい
て同じ位置か、または空気抜き孔の底より半径方向外側
にあるようにするとよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
にかかる軸受装置の実施の形態について説明する。図3
において、モータの基板2の略中央部にはバーリング加
工によって円筒部4が形成されており、この円筒部4の
内周側に略円筒状の軸受ホルダ6の下側約半分が圧入に
よって固定され、軸受ホルダ6が基板4から直角に立ち
上がっている。軸受ホルダ6の外周側にはステータコア
8の中心孔が嵌合され、接着、あるいは溶着、その他適
宜の手段によってステータコア8が軸受ホルダ6に固定
されている。ステータコア8は複数枚のコア素体を重ね
た積層コアであって、適宜数の突極を放射状に有し、各
突極には駆動コイル10が巻かれている。駆動コイル1
0と基板2との間には僅かな空間があり、この空間に
は、絶縁シート、あるいは各駆動コイル10の端末を外
部回路に接続するためのフレキシブル回路基板などが介
在している。
【0013】軸受ホルダ6の内周側下端部にはキャップ
12が嵌め込まれて固定され、軸受ホルダ6の下端部は
密閉構造となっている。キャップ12は円形の凹部を同
心円状に有し、この凹部にはスラスト受け14が嵌め込
まれている。軸受ホルダ6の内周側にはまた円筒状の焼
結含油軸受5が嵌められ、焼結含油軸受5の中心軸孔に
は軸16が嵌められている。焼結含油軸受5はラジアル
軸受を構成していて、軸16を回転自在に支持してい
る。また、軸16にかかるスラスト方向の荷重は、軸1
6の下端がスラスト受け14に当接することによりスラ
スト受け14によって支持されるようになっている。
【0014】軸受ホルダ6の上端面よりも焼結含油軸受
5の上端面は低くなっており、軸受ホルダ6の上端面と
焼結含油軸受5の上端面との段差部分にテーパーシール
部材20が配置され、テーパーシール部材20は、その
外周面が軸受ホルダ6の内周面に圧入されて固定されて
いる。テーパーシール部材20の下端面と焼結含油軸受
5の上端面との間にはある程度の隙間が形成されてい
る。この点については後で詳細に説明する。
【0015】テーパーシール部材20よりも上側に突出
した軸16の上端部外周には、偏平なカップを伏せた形
のロータケース22の円筒状中心孔が圧入され、軸16
とロータケース22とが一体に結合されている。ロータ
ケース22の上記円筒状中心孔はバーリング加工によっ
て形成されている。ロータケース22の上部は段状に形
成されてディスク40の載置部28となっており、この
載置部28の外周側下部は円筒状周壁24となってい
る。この周壁内面にはロータマグネット30が固着され
ている。上記周壁24の下端に続き外方に折り曲げられ
て鍔部26が形成され、この鍔部26の上方直近には、
基板2の一部を切り起こして形成されたストッパ27が
位置し、軸16、ロータケース22、ロータマグネット
30を含むロータが軸受5から抜け出るのを防止してい
る。
【0016】ロータケース22の上記ディスク載置部2
8よりも内周側には、ロータケース22の内方(天井
部)においてリング32が配置されている。リング32
は適宜数の上向きの突起34を有し、各突起34は、ロ
ータケース22に形成された孔を貫通するとともに、ロ
ータケース22の上に重ねられたクランパー36の孔も
貫通している。各突起34の頭部は直径が大きくなって
いて、上記クランパー36の孔は、突起34の頭部の直
径よりも僅かに径が大きい部分と、この径が大きい部分
に続いて径が突起34の頭部の直径よりも小さく、か
つ、上記突起34の頭部以外の直径よりも僅かに大きい
部分とからなり、この径が大きい部分と小さい部分とか
らなる孔が、ロータの回転中心と同心の円に沿って形成
されて、突起34によりクランパー36を押えることが
できるようになっている。
【0017】クランパー36を取付けるときは、ディス
ク40を上記ディスク載置部28の上に載せた後、クラ
ンパー36をその弾力に抗し押し下げながら、クランパ
ー36の上記径の大きい孔部に突起34の頭部を嵌めて
クランパー36の上面側に突出させ、この状態でクラン
パー36をロータの回転中心を中心としてロータケース
22に対し相対回転させる。この相対回転によって、突
起34がクランパー36の上記孔部の、径の小さい部分
と対向し、上記突起34の顎部とリング32の本体とに
よってロータケース22とクランパー36とを引き付
け、突起34がクランパー36をロータケース22上に
掛け止めるようになっている。クランパー36は弾性材
によってリング状に形成され、その外周縁部が、ロータ
ケース22の上記載置部28に載置されたハードディス
ク40を弾性力で押え、ハードディスク40をロータケ
ース22と実質一体化する。
【0018】なお、上記突起34の外周に雄ネジを切
り、この雄ネジにクランパー36の上からナットをねじ
込んでクランパー36を取付けるようにしてもよい。リ
ング32の内周側には、ロータケース22の天井面との
間に微小な空間35が形成されている。この空間35
は、後で詳細に説明するように、飛散しようとする潤滑
油を捕捉する役目を持っている。
【0019】前記テーパーシール部材20とその周辺部
分の詳細を図1、図2に示す。図1において、テーパー
シール部材20の下面と焼結含油軸受5の上端面との間
には、間隔Gなる隙間23が形成されている。この隙間
23は、焼結含油軸受5に含浸された潤滑油が外部に飛
散するのを阻止するために設けられている。上記間隔G
の目安としては、ラジアル軸受である焼結含油軸受5と
テーパーシール部材20との間の上記隙間23で生じる
毛細管力よりも、上記焼結含油軸受5のポーラスによっ
て生じる毛細管力の方が大きくなるように設定するとよ
い。こうすれば、焼結含油軸受5のポーラスによる潤滑
油の吸引力の方が、上記隙間23による毛細管力よりも
大きくなって上記間隔23に潤滑油が介在しにくくな
り、潤滑油の飛散を有効に防止することができる。
【0020】テーパーシール部材20の内周側、すなわ
ち軸16の外周面との対向面は、焼結含油軸受5側から
外方に向かって徐々に内径が大きくなるテーパー面から
なる傾斜部21を有している。この傾斜部21の最下端
部すなわち軸16の外周面に最も近い部分と、この軸1
6の外周面との間にも隙間27がある。ただし、図2に
示すように、テーパーシール部材20の内周部、特に上
記傾斜部21の、軸16の外周面に最も近い部分の内周
部61と軸16の外周は、それぞれの中心O2、O1が
互いにずれて偏心しており、上記隙間27の間隔は連続
的に変化している。この隙間27の間隔が最も大きい部
分とその近辺の所定の間隔までの範囲では、潤滑油の表
面張力によっても潤滑油が介在することができない、あ
るいは油膜の薄い空気流通部29が形成され、それ以外
の上記隙間27には潤滑油がその表面張力によって介在
している。
【0021】上記表面張力によって隙間27に介在して
いる潤滑油は、隙間27の大きさが一定の範囲までに限
られ、テーパーシール部材20の軸16との対向面はテ
ーパー状の傾斜面である傾斜部21となっているため、
表面張力によってテーパーシール部材20と軸16との
間に介在する潤滑油は、上記傾斜部21の最下端部に限
られる。したがって、焼結含油軸受5に含浸された潤滑
油は、上記表面張力が働く部分まで存在することができ
るが、これよりも外側に進出することはできず、潤滑油
が外方に進出しにくい構造になっている。
【0022】軸16には、油切り溝18が軸16の周方
向に形成されている。図1に示す例では、油切り溝18
の下端がテーパーシール部材20の上端面と略同じ高さ
位置にあり、油切り溝18全体としてはテーパーシール
部材20よりも軸方向外側に形成されている。上記のよ
うに、軸16とテーパーシール部材20との隙間27に
介在する潤滑油の表面張力によって、潤滑油が外部に飛
散することを防止する構造になっているが、それでも軸
16の表面を伝って潤滑油が外部に進出することもあり
えるので、この潤滑油を油切り溝18で捕捉し、外部に
飛散することを防止している。
【0023】それでもなお、ロータの回転による遠心力
で、潤滑油が図3に示すロータケース22の天井面を伝
って外部に飛散することも考えられるので、図3につい
て説明した通り、リング32の内周側の、ロータケース
22の天井面との間に微小な空間35を形成し、この空
間35で、飛散しようとする潤滑油を捕捉するようにな
っている。このように、図示の実施形態では、潤滑油の
飛散防止手段を幾重にも設けてあるため、焼結含油軸受
5に含浸させてある潤滑油の外部への飛散を皆無といっ
てよいほど防止することができる。換言すれば、軸受の
寿命を延ばすために焼結含油軸受に十分な量の潤滑油を
含浸させても潤滑油の外部への飛散を防止することがで
きることになる。
【0024】ところで、軸受ホルダ6の底部は、前述の
ようにキャップ12によって密閉され、袋状になってい
る。したがって、焼結含油軸受5の中心軸孔に軸16を
挿入するとき、焼結含油軸受5の中心軸受孔内に閉じ込
められた空気が圧縮され、焼結含油軸受5に含浸された
潤滑油が押し出され、外部に飛散するおそれがある。そ
こで、図示の実施形態においては、焼結含油軸受5の外
周に、軸と平行に溝状の空気通路51が形成されてい
る。この空気通路51は、前述の軸受5の上端面とテー
パーシール部材20の下面との隙間23に連通し、さら
に、軸16の外周面とテーパーシール部材20の内周と
の間の前記隙間27に連通している。したがって、軸1
6を軸受5に挿入するときのポンプ作用で圧力を受けた
空気は、上記空気通路51、隙間23、隙間27を経て
外部に抜けていく。
【0025】このとき、上記隙間27全体に表面張力で
潤滑油が介在していると、この潤滑油の膜が空気の圧力
で破裂し、潤滑油が周辺に飛散して周辺を汚染すること
になる。しかし、図示の実施形態では、図2について説
明したように、テーパーシール部材20の内周部、特に
傾斜部21の、軸16の外周面に最も近い部分の内周部
61と、軸16の外周とを偏心させ、潤滑油の表面張力
によっても潤滑油が介在することができない空気流通部
29を形成したため、圧縮された空気が上記空気流通部
29から抜け、潤滑油の膜を破裂させることを防止する
ことができる。仮に、潤滑油の膜が破裂したとしても、
前述のように潤滑油飛散防止手段が幾重にも設けられて
いるため、潤滑油が外部に飛散することを防止すること
ができる。
【0026】本発明は、ラジアル軸受と軸との間に潤滑
油が存在する形式の軸受装置であれば、どのような形式
の軸受装置にも適用することができる。例えば、回転軸
とその外周に配置されたスリーブとの間に微小な間隙が
形成されるとともに、回転軸外周面とスリーブ内周面の
うちの少なくとも一方にヘリングボーン状の動圧発生溝
を形成し、回転軸の外周面とスリーブの内周面との間に
潤滑油を介在させた流体動圧軸受にも適用することがで
き、これによって、前述の作用効果と同じ作用効果を得
ることができる。
【0027】軸受ホルダ5は、プレスによる一体加工品
としてもよい。その場合、下端部が密閉された袋状の軸
受ホルダとしてもよいし、両端が開放した円筒状の軸受
ホルダとしてもよい。図2に示した空気流通部29は、
テーパーシール部材20の内周部と軸16の外周部とを
偏心させることによって形成してもよいし、テーパーシ
ール部材20の内周部と軸16の外周部との間隔を、毛
細管力の働く範囲内で均一にし、テーパーシール部材2
0の内周部または軸16の外周部の一部分に切り欠きを
いれて、油膜のシール力をアンバランスにし、この部分
に空気流通路を形成してもよい。
【0028】図4に、テーパーシール部材の焼結含油軸
受との対向面を傾斜面とした他の実施形態を示す。この
実施形態は、図3に示す前述の実施形態と同じように、
軸受ホルダ106の内周側下端部はキャップ112によ
って密閉されている。また、軸受ホルダ106の内周側
には円筒状の焼結含油軸受105が嵌められ、焼結含油
軸受105の中心軸孔には軸116が嵌められている。
焼結含油軸受105はラジアル軸受を構成していて、軸
116を回転自在に支持している。さらに軸受ホルダ1
06の上端面と焼結含油軸受105の上端面とで生じた
段差部分にテーパーシール部材120が配置されてい
る。テーパーシール部材120は、その外周面が軸受ホ
ルダ106の内周面に圧入されて固定され、テーパーシ
ール部材120の下面と焼結含油軸受105の上端面と
の間には隙間が形成されている。但し、図3に示す前述
の実施形態とは異なり、テーパーシール部材120の焼
結含油軸受105との対向面は傾斜面124となってい
る。
【0029】図5は、上記の実施形態におけるテーパー
シール部材120とその周辺部の詳細を示している。テ
ーパーシール部材120の下面と焼結含油軸受105の
上端面との間にはG2なる隙間123が形成されてい
る。テーパーシール部材120は、その下面、すなわち
焼結含油軸受105との対向面が、軸受116側から半
径方向外側に向かって徐々に隙間123が狭くなるよう
な傾斜面124となっている。
【0030】テーパーシール部材120の焼結含油軸受
105との対向面を傾斜面124とすることで、隙間1
23の半径方向内側の毛細管力は、半径方向外側の毛細
管力より強くすることができ、焼結含油軸受105より
染み出た潤滑油は、隙間123の半径方向外側に溜ま
り、再び焼結含油軸受105に吸収されやすくなる。
【0031】また、潤滑油を隙間123の半径方向外側
に誘導することで、たとえ隙間123に生じる毛細管力
が、焼結含油軸受105のポーラスによって生じる毛細
管力より強くなるような位置にテーパーシール部材12
0が配置された場合でも、焼結含油軸受105に隣接し
た状態で油溜まりがあるのと同じ状態となるので、焼結
含油軸受105にたいていの潤滑油を戻すことができ
る。
【0032】上記のように、テーパーシール部材120
の焼結含油軸受105との対向面を傾斜面124とする
と、潤滑油を焼結含油軸受105に戻す効果が高まるの
で、テーパーシール部材120と焼結含油軸受105と
の間の隙間は、テーパーシール部材120の焼結含油軸
受105との対向面を傾斜面124としない場合と比べ
て狭くすることができる。これにより、軸の長さを短く
できるので、モータの薄型化(扁平化)に対する要求な
どに応えることが可能となる。
【0033】次に、焼結含油軸受が、その外周に軸と平
行に溝状の空気抜き孔を形成した場合の、空気抜き孔か
ら吐出する空気の抜け道を確保する方法について説明す
る。軸受ホルダ106の底部は、キャップ112によっ
て密閉され、袋状になっているため、軸116を焼結含
油軸受105に挿入する際は、焼結含油軸受105内に
閉じ込められる空気を外部に抜く必要がある。そこで、
上記他の実施形態では、空気の抜け道を以下の方法で確
保している。
【0034】傾斜面124の最下端部で焼結含油軸受1
05の上端面と最も近い部分を、傾斜面の底125とす
る。また、空気抜き孔151の内壁で軸116と最も近
い部分を、空気抜き孔の底152とする。ここで、傾斜
面の底125は、図6に示すように、空気抜き孔の底1
52よりも半径方向外側とする。その結果、空気抜き孔
151から吐出した空気は、傾斜面124に誘導され、
傾斜面124に案内され、隙間127を経て外部に抜け
ていく。つまり、傾斜面の底125を空気抜き孔の底1
52よりも半径方向外側とすることで、空気抜き孔15
1から隙間123、隙間127に連通する空気の抜け道
が確保できる。
【0035】本発明にかかる軸受装置は、ハードディス
クドライブ用スピンドルモータに適用することができる
し、その他各種モータ、あるいは回転機器に適用するこ
とができる。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ラジアル
軸受の軸方向一方側に、軸の周面との間隔が徐々に広が
る傾斜部を有するテーパーシール部材を、ラジアル軸受
と間隔をあけて設け、ラジアル軸受から軸受外に飛散す
る潤滑油をテーパーシール部材でシールするようにした
ため、テーパーシール部材とラジアル軸受との間に生じ
る毛細管力によって、潤滑油が軸受外部に飛散するのを
防止することができる。
【0037】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、上記テーパーシール部材を設けると
ともに、上記軸には、テーパーシール部材より軸方向外
側に、油切り溝を周方向に形成したため、軸を伝って外
部に飛散しようとする潤滑油を、上記油切り溝によって
阻止することができる。
【0038】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、ラジアル軸受は焼結含油軸受とし、
ラジアル軸受とテーパーシール部材との間隔は、このラ
ジアル軸受とテーパーシール部材との間で生じる毛細管
力よりも、上記焼結含油軸受のポーラスによって生じる
毛細管力の方が大きくなるように設定したため、焼結含
油軸受から染み出た潤滑油は、外部に漏れることなく焼
結含油軸受の毛細管力により再び焼結含油軸受に吸収さ
れ、潤滑油が外部に飛散しにくい構成になっている。
【0039】請求項4記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、ラジアル軸受の軸方向他方側は、ス
ラスト軸受を有する密閉構造とし、この密閉構造に対す
る開口側にテーパーシール部材を設け、上記ラジアル軸
受には、軸の挿入時における空気抜き孔が形成されてい
るため、軸受に軸を挿入するときに圧縮された空気が上
記空気抜き孔から抜けていき、潤滑油が圧縮された空気
によって外部に漏れ出すことを防止することができる。
【0040】請求項5記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、テーパーシール部材の内周孔を、軸
の外周に対して偏心させたため、テーパーシール部材の
内周孔と、軸の外周との間の間隙が連続的に変化し、間
隙が最も広いところを中心として毛細管力が働かない部
分または毛細管力の弱い部分が生じ、この部分が空気流
通路となる。したがって、軸受に軸を挿入して軸受内部
と外部との空気圧力に差が生じたとき、テーパーシール
部材の内周孔と軸の外周との間の油膜を破裂させること
なく空気を通過させることができ、潤滑油の外部への飛
散を防止することができる。
【0041】請求項6記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、テーパーシール部材のラジアル軸受
との対向面を傾斜面とし、この傾斜面は、テーパーシー
ル部材とラジアル軸受との間隔が半径方向外側に向かっ
て徐々に狭まる向きとしたため、潤滑油をラジアル軸受
に戻す効果が高められ、テーパーシール部材とラジアル
軸受との間の間隔を狭くできる。また、この結果、軸受
の軸方向の長さを短くできる。
【0042】請求項7記載の発明によれば、請求項6記
載の発明において、ラジアル軸受が軸方向に空気抜き孔
を有した場合、傾斜面の底を空気抜き孔の底よりも半径
方向外側とすることで、空気抜き孔から吐出する空気の
抜け道を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる軸受装置の実施形態の要部を示
す拡大断面図である。
【図2】上記実施形態の軸と軸受との関係を示す平面図
である。
【図3】上記実施形態の半体を示す断面図である。
【図4】本発明にかかる軸受装置の他の実施形態の半体
を示す断面図である。
【図5】上記他の実施形態の軸受装置の要部を示す拡大
断面図である。
【図6】上記他の実施形態の軸受とテーパーシールとの
関係を示す平面図である。
【図7】従来の軸受の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
5 焼結含油軸受 16 軸 18 油切り溝 20 テーパーシール部材 21 傾斜部 51 空気抜き孔 105 焼結含油軸受 106 軸受ホルダ 112 キャップ 116 軸 120 テーパーシール部材 124 傾斜面 125 傾斜面の底 151 空気抜き孔 152 空気抜き孔の底
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 5/167 H02K 5/167 A Fターム(参考) 3J011 AA07 BA02 BA08 KA02 KA03 LA01 MA24 3J016 AA02 AA03 BB01 BB05 BB22 5H605 AA00 BB05 BB14 BB19 CC04 EB06 EB12 EB13 EB21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸と、この軸を相対回転可能に支持する
    ラジアル軸受と、これら軸と軸受との間に介在する潤滑
    油とにより、上記軸を相対回転可能に支持した軸受装置
    であって、 上記ラジアル軸受の軸方向一方側に、上記軸の周面との
    間隔が軸方向外側に向かって徐々に広がる傾斜部を有す
    るテーパーシール部材が上記ラジアル軸受と間隔をあけ
    て設けられ、上記ラジアル軸受から軸受外に飛散する潤
    滑油を上記テーパーシール部材がシールすることを特徴
    とする軸受装置。
  2. 【請求項2】 上記軸には、テーパーシール部材より軸
    方向外側に、油切り溝が周方向に形成されている請求項
    1記載の軸受装置。
  3. 【請求項3】 ラジアル軸受は焼結含油軸受であり、ラ
    ジアル軸受とテーパーシール部材との間隔は、このラジ
    アル軸受とテーパーシール部材との間で生じる毛細管力
    よりも、上記焼結含油軸受のポーラスによって生じる毛
    細管力の方が大きくなるように設定されている請求項1
    記載の軸受装置。
  4. 【請求項4】 ラジアル軸受の軸方向他方側は、スラス
    ト軸受を有する密閉構造となっていて、この密閉構造に
    対する開口側にテーパーシール部材が設けられ、上記ラ
    ジアル軸受には、軸の挿入時における空気抜き孔が形成
    されている請求項1記載の軸受装置。
  5. 【請求項5】 テーパーシール部材の内周孔は、軸の外
    周に対して偏心している請求項1記載の軸受装置。
  6. 【請求項6】 上記テーパーシール部材の上記ラジアル
    軸受との対向面が傾斜面になっており、上記傾斜面は、
    上記テーパーシール部材と上記ラジアル軸受との間隔が
    半径方向外側に向かって徐々に狭まる向きであることを
    特徴とする請求項1記載の軸受装置。
  7. 【請求項7】 上記ラジアル軸受が軸方向に空気抜き孔
    を有し、上記傾斜面の底は、上記空気抜き孔の底と半径
    方向において上記空気抜き孔の底よりも半径方向外側に
    あることを特徴とする請求項6記載の軸受装置。
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