JP2002030222A - 摺動部材用組成物およびミシン用摺動部品 - Google Patents

摺動部材用組成物およびミシン用摺動部品

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JP2002030222A JP2000216859A JP2000216859A JP2002030222A JP 2002030222 A JP2002030222 A JP 2002030222A JP 2000216859 A JP2000216859 A JP 2000216859A JP 2000216859 A JP2000216859 A JP 2000216859A JP 2002030222 A JP2002030222 A JP 2002030222A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性に優れ、かつ、低価格化を容易に図る
ことのできる多孔性炭素材を用いた摺動部材用組成物、
および、これを用いたミシンの摺動部位に好適なミシン
用摺動部品を提供すること。 【解決手段】 少なくとも摺動面1aが熱可塑性樹脂に
多孔性炭素材の粉末を含有させてなる摺動部材用組成物
により形成されていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摺動部位の摩耗や
焼付損傷を無潤滑で長期間に亘り防止することのできる
摺動部材用組成物およびミシン用摺動部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から麩糠類にフェノール樹脂などの
熱硬化性樹脂を配合して原料組成物とし、これを成型金
型を用いて成型した後に500℃以上の温度で焼成する
ことにより形成される多孔性炭素材が知られている。こ
の多孔性炭素材は、硬質で、無潤滑下における摩擦抵抗
を低くすることができるなどの理由により、摺動部位を
支持する軸受などの摺動部品としての用途が提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の多孔性炭素材においては、原料組成物の成型品
に焼成を施すと大幅な寸法変化をもたらすため、摺動部
品を直接製造する場合には、摺動部品の寸法精度を確保
することができないという問題点があった。
【0004】また、このような問題点に対処するため、
原料組成物の成型体に焼成を施して得た成型品に対して
切削加工などの加工を後から施すことにより、円筒形状
などの所定形状の摺動部品を形成することが考えられる
が、このような摺動部品は、多孔質の成型品を加工する
ことになり、加工に多大な労力と時間とを必要とし低価
格化を阻害するとともに、小さくて薄いものを形成する
のが困難で小型化を阻害するという問題点がある。
【0005】さらに、従来の多孔性炭素材により形成し
た摺動部品は、摺動部品として用いるには脆いという特
性を有している問題点もあった。
【0006】そこで、生産性に優れ、かつ、低価格化を
容易に図ることのできる多孔性炭素材を用いた摺動部材
用組成物、および、これを用いたミシンの摺動部位に好
適なミシン用摺動部品が望まれている。
【0007】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、生産性に優れ、かつ、低価格化を容易に図るこ
とのできる多孔性炭素材を用いた摺動部材用組成物およ
びこれを用いたミシン用摺動部品を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため特許請求の範囲の請求項1に係る本発明の摺動部材
用組成物の特徴は、熱可塑性樹脂に多孔性炭素材の粉末
を含有させてなる点にある。そして、このような構成を
採用したことにより、摺動部材用組成物を成形加工する
と、摺動部位の摩耗や焼付損傷を無潤滑下で長期間に亘
り確実に防止することのできる摺動部材を、任意の形状
にて容易に得ることができる。したがって、生産性に優
れ、かつ、低価格化な多孔性炭素材を用いた摺動部材を
容易に得ることができる。
【0009】また、請求項2に係る本発明の摺動部材用
組成物の特徴は、請求項1において、熱可塑性樹脂の含
有量が50〜90重量%であり、多孔性炭素材の粉末の
含有量が10〜50重量%である点にある。そして、こ
のような構成を採用したことにより、摺動部材用組成物
を成形加工する際の流動性を損なうことがなく、かつ、
摺動部位の摩耗や焼付損傷を無潤滑下で長期間に亘り確
実に防止するために必要な最も好ましい含有量を得るこ
とができる。
【0010】また、請求項3に係る本発明の摺動部材用
組成物の特徴は、請求項1または請求項2において、多
孔性炭素材の粒度が2〜100μmである点にある。そ
して、このような構成を採用したことにより、摺動部材
用組成物を成形加工する際の流動性を損なうことがな
く、かつ、摺動部位の摩耗や焼付損傷を無潤滑下で長期
間に亘り確実に防止するために必要な最も好ましい粒度
を得ることができる。
【0011】また、請求項4に係る本発明の摺動部材用
組成物の特徴は、請求項1ないし請求項3のいずれか1
項において、多孔性炭素材の粉末にふっ素系樹脂の溶液
を含浸させた点にある。そして、このような構成を採用
したことにより、低摩擦化をより図ることができる。
【0012】また、請求項5に係る本発明の摺動部材用
組成物の特徴は、請求項1ないし請求項3のいずれか1
項に記載の摺動部材用組成物にふっ素系樹脂の溶液を含
浸させた点にある。そして、このような構成を採用した
ことにより、低摩擦化をより図ることができる。
【0013】また、請求項6に係る本発明の摺動部材用
組成物の特徴は、請求項1ないし請求項5のいずれか1
項において、熱可塑性樹脂がポリアセタールである点に
ある。そして、このような構成を採用したことにより、
ポリアセタールは、金属代替樹脂としての安価な汎用エ
ンプラとして安定供給されるため、低価格化をより確実
に図ることができる。
【0014】また、請求項7に係る本発明のミシン用摺
動部品の特徴は、少なくとも摺動面が請求項1ないし請
求項6のいずれか1項に記載の摺動部材用組成物により
形成されている点にある。そして、このような構成を採
用したことにより、摺動部位の摩耗や焼付損傷を無潤滑
下で長期間に亘り確実に防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態により説明する。
【0016】図1は、本発明に係る摺動部材用組成物を
用いたミシン用摺動部品の実施形態の断面図である。
【0017】図1に示すように、本実施形態の摺動部材
としてのミシン用摺動部品1は、熱可塑性樹脂に多孔性
炭素材の粉末を含有させた摺動部材用組成物により形成
されている。このミシン用摺動部品1は、例えば厚さが
1〜2mm程度のパイプ状に形成されており、その内周
面が、他の部材2と摺接する摺動面1aとされている。
この摺動面1aには、曲率のある凹凸を設けてもよい。
そして、摺動面1aに凹凸を設けると、他の部品2と摺
接する部位の接触面積を少なくすることができるととも
に、摩耗粉を凹部に逃がすことができるので、摺動特性
をより向上させることができる。
【0018】前記摺動部材用組成物を構成する熱可塑性
樹脂としては、ポリアセタール(ポリオキシメチレン:
POM)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(ナイロ
ン:PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテ
ルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(P
C)、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリブ
チレンテレフタート(PBT)、ポリエチレンテレフタ
ート(PET)、ポリスルホン(PSO)ポリエーテル
スルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PP
S)、ポリアリレート、ポリエーテルイミド(PE
I)、ポリエチルエーテルケトン、熱可塑性ふっ素樹脂
などを例示できる。これらの熱可塑性樹脂のうち、ポリ
アセタール(POM)、ポリイミド(PI)、ポリアミ
ド(PA、ナイロン)、ポリアミドイミド(PAI)、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が摺動性が優
れているという意味で好ましく、特にポリアセタール
(POM)が金属代替樹脂としての安価な汎用エンプラ
として安定供給されるため、価格が安価で安定供給が容
易であるとともに、射出成形による効率的な生産を行う
ことができるという意味で最も好ましい。本実施形態に
おいては、ポリアセタールが用いられている。
【0019】前記摺動部材用組成物を構成する多孔性炭
素材は、いわゆるRB(RiceBran)セラミック
スと称されるものであり、米糠にフェノール樹脂を配合
した原料組成物を500℃以上の高温で焼成することに
より形成したものが一般的に用いられる。そして、原料
組成物は、焼成により、フェノール樹脂の炭化物により
形成されるガラス状炭素成分(ガラス状黒鉛)となると
ともに、ガラス状炭素成分の殻に空隙が包まれた多孔質
な部位と、空隙のないガラス状炭素成分の微細で緻密な
部位とが形成される。なお、多孔性炭素材の原料組成物
としては、米糠にかえて、麩、籾殻、大豆殻などの麩糠
類を単独で用いたり、米糠、麩、籾殻、大豆殻などの麩
糠類を組み合わせたものなどを用いることができる。ま
た、熱硬化性樹脂としては、フラン樹脂、メラミン樹脂
などの熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0020】本実施形態の摺動部材用組成物には、前記
多孔性炭素材を粉末としたものが用いられる。この多孔
性炭素材の粉末は、多孔性炭素材を、従来公知の粉砕機
により粉砕した後で篩を用いて分級することなどにより
容易に得ることができる。
【0021】前記摺動部材用組成物における熱可塑性樹
脂と多孔性炭素材の粉末との配合量としては、多孔性炭
素材の粉末の含有量を10〜50重量%程度、好ましく
は30〜50重量%程度とし、その残りを熱可塑性樹脂
とすることがよい。
【0022】言い換えると、摺動部材用組成物は、熱可
塑性樹脂に多孔性炭素材の粉末を含有させてなり、熱可
塑性樹脂および多孔性炭素材の粉末の割合がこれらの総
重量に対して、熱可塑性樹脂が50〜90重量%、多孔
性炭素材の粉末が10〜50重量%の範囲にあるとよ
い。
【0023】この範囲より多孔性炭素材の粉末の含有量
が少ないと、硬質で、無潤滑下における摩擦抵抗を低く
することができるという多孔性炭素材の機能が発揮でき
ない傾向があり、ミシン用摺動部品1としたときに、摺
動面1aの摩擦係数の低下や、耐摩耗性の向上を図るこ
とができず、摺動部位の摩耗や、焼付損傷を無潤滑下で
長期間に亘り確実に防止することが困難になる。また、
この範囲より多孔性炭素材の粉末の含有量が多くなる
と、熱可塑性樹脂に多孔性炭素材の粉末を配合すること
が困難になる傾向があるとともに、摺動部材用組成物を
成形加工する際の成形加工に必要な流動性を確保するこ
とができない傾向がある。
【0024】したがって、熱可塑性樹脂の含有量を50
〜90重量%とし、多孔性炭素材の粉末の含有量を10
〜50重量%とすることにより、摺動部材用組成物を成
形加工する際の流動性を損なうことがなく、かつ、摺動
部位の摩耗や焼付損傷を無潤滑下で長期間に亘り確実に
防止するために必要な最も好ましい含有量を得ることが
できる。
【0025】前記多孔性炭素材の粉末の粒度としては、
2〜100μmとすることが好ましい。この多孔性炭素
材の粉末の粒度が2μm未満になると、粉末が凝集を生
じやすくなる傾向がある。また、多孔性炭素材の粉末の
粒度が100μmを越えると、熱可塑性樹脂に対して多
孔性炭素材の粉末を混ぜにくくなるとともに、摺動部材
用組成物を成形加工する際の成形加工に必要な流動性を
確保することができない傾向がある。
【0026】したがって、多孔性炭素材の粒度を2〜1
00μmとすることにより、摺動部材用組成物を成形加
工する際の流動性を損なうことがなく、かつ、摺動部位
の摩耗や焼付損傷を無潤滑下で長期間に亘り確実に防止
するために必要な最も好ましい粒度を得ることができ
る。
【0027】なお、多孔性炭素材の粉末には、ふっ素系
樹脂の溶液を含浸させてもよい。そして、このような構
成を採用すると、多孔性炭素材の粉末にふっ素系樹脂を
保持させることができるので、摺動部材たるミシン用摺
動部品1の低摩擦化をより図ることができる。すなわ
ち、摺動面1aの低摩擦化を長期間に亘り保持させるこ
とができる。また、多孔性炭素材の粉末に、ふっ素系樹
脂の溶液を含浸させる場合には、減圧下で行うことが、
多孔性炭素材の粉末にふっ素系樹脂を短時間で効率よく
含浸させることができるという点で好ましい。さらに、
ふっ素系樹脂にかえて、ふっ素オイルなどの耐熱性を有
する潤滑部材を用いてもよい。このような潤滑部材の耐
熱性は、潤滑部材が製造工程における熱によって気体と
なって揮散するのを防止することができるものであれば
よい。すなわち、後述する摺動部材用組成物をペレット
にする場合、および ペレットを成形加工してミシン用
摺動部品1に成形する場合においては、摺動部材用組成
物を例えば190℃程度に加熱して流動化することにな
るので、この時の温度に耐えるものであることが肝要で
ある。
【0028】また、本実施形態の摺動部材用組成物とし
ては、黒色顔料などの各種の配合材を機能に影響を及ぼ
さない範囲で加えてもよい。
【0029】ここで、本実施形態のミシン用摺動部品1
の製造方法について説明する。
【0030】本実施形態のミシン用摺動部品1は、熱可
塑性樹脂としてのポリアセタールに多孔性炭素材の粉末
を含有させてなる摺動部材用組成物のペレットを材料と
し、この材料を成形加工することにより製造される。
【0031】前記ペレットは、例えば、2軸押出機を用
いて、熱可塑性樹脂としてのポリアセタールと、多孔性
炭素材の粉末とを、180℃程度の温度下で、ポリアセ
タールを流動化して混合し、その後冷却することで、例
えば直径2mm程度の棒状の成形品を成形する。つい
で、切断機を用いて、棒状の成形品の先端部を、例えば
長さ2mm程度に連続的に切断することにより容易に得
ることができる。
【0032】前記ミシン用摺動部品1は、射出成型機を
用いて、前記ペレットを190℃程度の温度化で流動化
し、この流動化した材料を成形金型のキャビティに射出
し、キャビティ内で流動化した材料を固化する成形加工
を施した後、固化した材料を成形金型から離型すること
により、容易かつ効率的に得ることができる。また、ミ
シン用摺動部品1の形状と寸法は、成形金型のキャビテ
ィの形状と寸法によって決定される。
【0033】したがって、摺動部材用組成物を流動化し
て成形加工するという簡単な工程で、摺動部材としての
ミシン用摺動部品1を任意の形状にて容易かつ効率的に
得ることができる。
【0034】また、完成したミシン用摺動部品1に対し
て、ふっ素系樹脂の溶液を含浸させてもよい。そして、
このような構成を採用すると、摺動面1aに露出してい
る多孔質な部位4に、ふっ素系樹脂を保持させることが
できるので、摺動部材たるミシン用摺動部品1の摺動面
1aの低摩擦化をより図ることができる。すなわち、摺
動面1aの低摩擦化を長期間に亘り保持させることがで
きる。また、ミシン用摺動部品1に、ふっ素系樹脂の溶
液を含浸させる場合には、減圧下で行うことが、摺動面
1aに露出している多孔性炭素材の粉末の多孔質な部位
4にふっ素系樹脂を短時間で効率よく含浸させることが
できるという点で好ましい。
【0035】なお、ふっ素系樹脂にかえて、ふっ素オイ
ルなどの各種の潤滑油、グリースなどの潤滑部材を用い
てもよい。
【0036】つぎに、前述した構成からなる本実施形態
の作用について説明する。
【0037】図2は、本発明に係る摺動部材用組成物を
用いたミシン用摺動部品の実施形態における摺動面近傍
の構造を示す模式図である。
【0038】図2に示すように、本実施形態のミシン用
摺動部品1は、ポリアセタールの樹脂3中に、最大10
0μmに形成されたガラス状黒鉛の比較的大きな多孔質
な部位4と、最小2μmに形成されたガラス状黒鉛の微
細で緻密な部位5とが分散する構造となり、これらの部
位4,5の一部が摺動面1aに露出する構成となる。す
なわち、摺動面1aが、ポリアセタールの樹脂1と、こ
のポリアセタール中に分散したガラス状黒鉛の多孔質な
部位4、および、ガラス状黒鉛により形成された微細で
緻密な部位5で構成されることになる。
【0039】したがって、本実施形態のミシン用摺動部
品1の少なくとも摺動面1aは、ポリアセタールの有す
る引張り強度や曲げ強度などの優れた機械的強度と、ポ
リアセタールの有する優れたすべり摩耗と、多孔性炭素
材の有する硬質なことによる優れた耐摩耗性および自己
潤滑性による低い摩擦係数とを合わせ持つ構成となる。
【0040】このように、本実施形態の摺動部材用組成
物によれば、摺動部材として必要な、低い摩擦係数、お
よび荷重変動に対する摩擦係数の変動を小さくする機能
と、金属代替樹脂としての優れた機械的強度を合わせ持
たせることができるため、摺動部位の摩耗や焼付損傷を
無潤滑下で長期間に亘り確実に防止することができる。
【0041】また、本実施形態の摺動部材用組成物によ
れば、ポリアセタールに多孔性炭素材の粉末を含有させ
た摺動部材用組成物をペレットとし、このペレットを射
出成形することにより摺動部材としてのミシン用摺動部
品1を形成することができるため、成形後に寸法変化を
生じない。よって、後加工を施す必要がないので加工に
要する労力と時間とを少なくできるので、生産性に優
れ、かつ、低価格化を容易に図ることができる。
【0042】またさらに、本実施形態の摺動部材用組成
物によれば、ポリアセタールに多孔性炭素材の粉末を含
有させて形成されているため、成形加工時に、流動化で
きるので、任意の形状のものを容易に得ることができ
る。さらには、成形後の製品を再加熱することにより再
度流動化することができるので、ミシン用摺動部品1の
材料として再利用をすることが容易にできる。すなわ
ち、リサイクルを容易にできる。
【0043】さらに、本実施形態の摺動部材用組成物に
よれば、摺動部材用組成物の一部を構成する熱可塑性樹
脂としてポリアセタールを用いており、ポリアセタール
は、金属代替樹脂としての安価な汎用エンプラとして安
定供給されるため、低価格化をより確実に図ることがで
きる。
【0044】さらにまた、本実施形態の摺動部材用組成
物によれば、摺動部材用組成物の一部を構成する多孔性
炭素材の粉末がガラス状炭素(黒鉛)により形成されて
いるため、摺動部材用組成物により形成された摺動部材
としてのミシン用摺動部品1の全体の熱伝導率を高くす
ることができる。そして、ミシン用摺動部品1の熱伝導
率を高くすることにより、摺動時におけるミシン用摺動
部品1の発熱および蓄熱を少なくすることができる。つ
まり、樹脂の弱点である熱伝導率の悪さを容易に改善す
ることができる。
【0045】また、本実施形態の摺動部材用組成物を用
いた摺動部材の曲げ強度と多孔性炭素材の粉末の含有量
(配合量)との関係について調査した結果を図3に示
す。
【0046】この試験結果から明白なように、本実施形
態の摺動部材用組成物を用いた摺動部材は、多孔性炭素
材の粉末の含有量が多くなると曲げ強度が低下する傾向
があるとともに、多孔性炭素材の粉末の含有量が30〜
50重量%の範囲においては曲げ強度がほぼ同一水準に
なることが確認できた。この曲げ強度は、実用上問題の
ない水準である。
【0047】さらに、本実施形態の摺動部材用組成物を
用いた摺動部材の摩擦係数と荷重と多孔性炭素材の粉末
の含有量(配合量)との関係について調査した結果を図
4に示す。なお、図4中に、摺動部材に対してあとから
ふっ素系樹脂の溶液を含浸させたものを合わせて示す。
なお、試験装置としては、ジャーナル軸受型摩耗試験機
を用いた。
【0048】この試験結果から明白なように、本実施形
態の摺動部材用組成物を用いた摺動部材は、多孔性炭素
材の粉末の含有量を増加させることにより、摩擦係数が
低下するとともに、荷重に対する摩擦係数の変動が小さ
くなることが確認できた。そして、多孔性炭素材の粉末
の含有量を30〜50重量%とすることにより、荷重に
対する摩擦係数の変動を最も少ない範囲にできるととも
に、摩擦係数を0.2以下にすることができる。つま
り、摩擦係数を容易に下げることができる。なお、ふっ
素系樹脂の溶液を含浸させた場合には、低荷重領域にお
ける荷重に対する摩擦係数の変動をより少なくすること
ができることが確認できた。
【0049】さらにまた、本実施形態の摺動部材用組成
物を用いた摺動部材の発熱温度と多孔性炭素材の粉末の
含有量との関係について、荷重を39Nとして調査した
結果を図5に示す。なお、図5の縦軸に示す発熱温度と
は、計測した温度から室温を減算した変化温度を示して
いる。
【0050】この試験結果から明白なように、本実施形
態の摺動部材用組成物を用いた摺動部材は、多孔性炭素
材の粉末の含有量を増加させることにより、発熱温度が
低下することが確認できた。
【0051】したがって、本実施形態の摺動部材用組成
物を用いた摺動部材としてのミシン用摺動部品1によれ
ば、摺動部位の摩耗や焼付損傷を無潤滑下で長期間に亘
り確実に防止することができるとともに、生産性に優
れ、かつ、低価格化を容易に図ることができる。
【0052】なお、本発明の摺動部材用組成物を用いた
ミシン用摺動部品の構成としては、摺動部材用組成物の
みにより構成したものに限らず、金属あるいは樹脂によ
り所定形状に形成された基体の少なくとも摺動面を摺動
部材用組成物により被覆して一体化した構成のものや、
金属あるいは樹脂により所定形状に形成された基体の摺
動面に、所定形状に形成された摺動部材用組成物を接
合、嵌合、締結などにより一体化した構成のものなどの
多種多様の構成のものから、設計コンセプト、使用部位
などの必要に応じて選択することができる。
【0053】また、本発明の摺動部材用組成物を用いた
ミシン用摺動部品の成形方法としては、射出成形に限ら
ず、押出し成形、圧縮成形、ブロー成形、注型、粉末成
形などの多種多様のものから設計コンセプトなどの必要
に応じて選択使用することができる。そして、基体と一
体形成する方法としては、インサート成形、コーティン
グなどの製造方法を用いることができる。
【0054】さらに、本発明に係る摺動部材用組成物を
用いたミシン用摺動部品としては、針棒や押え棒などの
往復軸、この往復軸を支持する軸受メタル、上ルーパ抱
き、この上ルーパ抱きを支持する上ルーパ抱きメタル、
角駒、この角駒を支持する角駒案内ガイドの案内溝、回
転運動を行う上軸・下軸・針振り軸・縦軸などの回転
軸、これらの回転軸を支持する軸受メタル、揺動運動を
行う天秤支え軸・針棒揺動軸・針送り軸などの揺動軸、
これらの揺動軸を支持する軸受メタル、作動送り機構の
送りカム、ルーパ糸天秤などの多種多様のミシンの摺動
部位の部品に適用することができる。
【0055】なお、本発明の摺動部材用組成物を用いた
ミシン用摺動部品を、ミシンの針棒を支持する軸受メタ
ルに用いた場合には、針棒とこのを針棒を支持する軸受
メタルとの摺動部位を無潤滑化することができるので、
ミシンの面部内に位置する摺動部位に低粘度の潤滑油を
供給する場合の摺動部からの潤滑材の漏洩による縫製物
の汚染を防止することができるなどの効果を奏する。
【0056】さらに、本発明の摺動部材用組成物を用い
たミシン用摺動部品を、ミシンの針棒に用いた場合に
は、針棒の軽量化を図ることができるので、針棒の制振
性を向上させることができるなどの効果を奏する。
【0057】なお、本発明は、前記実施形態に限定され
るものではなく、必要に応じて種々変更することができ
る。例えば、本発明のミシン用摺動部品を従来の給油機
構を備えたミシンに用いてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る本発
明の摺動部材用組成物によれば、摺動部材用組成物を成
形加工すると、摺動部位の摩耗や焼付損傷を無潤滑下で
長期間に亘り確実に防止することのできる摺動部材を、
任意の形状にて容易に得ることができる。したがって、
生産性に優れ、かつ、低価格化な多孔性炭素材を用いた
摺動部材を容易に得ることができなどの極めて優れた効
果を奏する。
【0059】また、請求項2に係る本発明の摺動部材用
組成物によれば、摺動部材用組成物を成形加工する際の
流動性を損なうことがなく、かつ、摺動部位の摩耗や焼
付損傷を無潤滑下で長期間に亘り確実に防止するために
必要な最も好ましい含有量を得ることができるなどの極
めて優れた効果を奏する。
【0060】また、請求項3に係る本発明の摺動部材用
組成物によれば、摺動部材用組成物を成形加工する際の
流動性を損なうことがなく、かつ、摺動部位の摩耗や焼
付損傷を無潤滑下で長期間に亘り確実に防止するために
必要な最も好ましい粒度を得ることができるなどの極め
て優れた効果を奏する。
【0061】また、請求項4に係る本発明の摺動部材用
組成物によれば、低摩擦化をより図ることができるなど
の極めて優れた効果を奏する。
【0062】また、請求項5に係る本発明の摺動部材用
組成物によれば、低摩擦化をより図ることができるなど
の極めて優れた効果を奏する。
【0063】また、請求項6に係る本発明の摺動部材用
組成物によれば、ポリアセタールは、金属代替樹脂とし
ての安価な汎用エンプラとして安定供給されるため、低
価格化をより確実に図ることができるなどの極めて優れ
た効果を奏する。
【0064】また、請求項7に係る本発明のミシン用摺
動部品によれば、摺動部位の摩耗や焼付損傷を無潤滑下
で長期間に亘り確実に防止することができるなどの極め
て優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る摺動部材用組成物を用いたミシ
ン用摺動部品の実施形態の断面図
【図2】 本発明に係る摺動部材用組成物を用いたミシ
ン用摺動部品の実施形態における摺動面近傍の構造を示
す模式図
【図3】 本発明に係る摺動部材用組成物を用いた摺動
部材の曲げ強度と多孔性炭素材の粉末の含有量との関係
を示す図
【図4】 本発明に係る摺動部材用組成物を用いた摺動
部材の摩擦係数と荷重と多孔性炭素材の粉末の含有量と
の関係を示す線図
【図5】 本発明に係る摺動部材用組成物を用いた摺動
部材の発熱温度と多孔性炭素材の粉末の含有量との関係
を示す図
【符号の説明】
1 ミシン用摺動部品 1a 摺動面 2 他の部品 3 ポリアセタールの樹脂 4 (多孔性炭素材の粉末のうちの多孔質な)部位 5 (多孔性炭素材の粉末のうちの微細で緻密な)部位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 107/32 C10M 107/32 107/38 107/38 107/44 107/44 107/46 107/46 125/02 125/02 147/02 147/02 D05B 55/00 D05B 55/00 F16C 33/20 F16C 33/20 A // C10N 20:06 C10N 20:06 Z 30:06 30:06 40:02 40:02 Fターム(参考) 3B150 CE08 CE23 CE26 CE27 DA08 DB08 DF08 DG16 EA13 HA05 HA18 JA36 3J011 BA02 LA01 QA05 SC01 SC04 SC13 SE02 4H104 AA04A AA04C CB08A CB13A CB14A CB15A CD01A CD01C CE13A CH03A EA08A EA08C LA03 PA01 QA21 4J002 CB001 CF061 CF071 CF161 CG001 CH071 CH091 CL001 CM041 CN031 DA016 DA026 FA096 FD016

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂に多孔性炭素材の粉末を含
    有させてなることを特徴とする摺動部材用組成物。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂の含有量が50〜90
    重量%であり、前記多孔性炭素材の粉末の含有量が10
    〜50重量%であることを特徴とする請求項1に記載の
    摺動部材用組成物。
  3. 【請求項3】 前記多孔性炭素材の粉末の粒度が2〜1
    00μmであることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の摺動部材用組成物。
  4. 【請求項4】 前記多孔性炭素材の粉末にふっ素系樹脂
    の溶液を含浸させたことを特徴とする請求項1ないし請
    求項3のいずれか1項に記載の摺動部材用組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    に記載の摺動部材用組成物にふっ素系樹脂の溶液を含浸
    させたことを特徴とする摺動部材用組成物。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂がポリアセタールであ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか
    1項に記載の摺動部材用組成物。
  7. 【請求項7】 ミシンの摺動部位に用いられるミシン用
    摺動部品において、少なくとも摺動面が請求項1ないし
    請求項6のいずれか1項に記載の摺動部材用組成物によ
    り形成されていることを特徴とするミシン用摺動部品。
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