JP2002029983A - アルギナーゼ活性促進剤およびそれを含有する皮膚外用剤 - Google Patents

アルギナーゼ活性促進剤およびそれを含有する皮膚外用剤

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JP2002029983A JP2000218129A JP2000218129A JP2002029983A JP 2002029983 A JP2002029983 A JP 2002029983A JP 2000218129 A JP2000218129 A JP 2000218129A JP 2000218129 A JP2000218129 A JP 2000218129A JP 2002029983 A JP2002029983 A JP 2002029983A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量でも皮膚中のアルギナーゼ活性を調節し
て皮膚に継続的に保湿効果を与えることができ、しかも
安全性および安定性に優れたアルギナーゼ活性促進剤を
提供する。 【解決手段】 桔梗(キキョウ)の抽出エキスを有効成
分として含有するアルギナーゼ活性促進剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルギナーゼ活性促
進剤およびそれを含有する皮膚外用剤に関し、更に詳し
くは、保湿作用を発揮させる効果に優れ、しかも安全性
に優れたアルギナーゼ活性促進剤およびそれを含有する
化粧料、医薬品等の皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、人の皮膚表面は皮脂膜に覆われて
いて水分の蒸散が適度に抑制されている。そして、皮膚
の水分を適切な範囲に保つことは皮膚の健康の面から見
て非常に大切なことであり、水分が不足すると肌荒れ等
を生じやすくなる。そこで、化粧料、医薬品等のいわゆ
る外皮に適応される「皮膚外用剤」においては肌荒れ防
止、改善の為にグリセリン、1,3−ブチレングリコー
ル、ソルビトール等の多価アルコール、ピロリドンカル
ボン酸塩、ヒアルロン酸等の酸性ムコ多糖類、キチン、
キトサンおよびそれらの誘導体、蛋白加水分解物、植物
抽出物、尿素等の保湿成分の配合が行われてきた。しか
しながらこれらの保湿成分を用いた手法は皮膚表面にお
いてその物質の物理化学的な保湿の性質を利用している
だけであり、その物質の皮膚細胞におよぼす生理的な機
能に基づくものではない。また、多く配合すると不快な
べたつきを有することとなり感触が好まれないことがあ
る。さらに、これらの保湿成分は皮膚より除去されると
効果は消失するため、その効果は一過性であると言わざ
るを得ない。そのため、皮膚細胞に働きかけ保湿成分の
産生を促す薬剤の開発が望まれていた。アルギナーゼは
アルギニンをオルニチンと尿素に加水分解する尿素サイ
クル中の酵素であり、脊椎動物の肝臓、腎臓などをはじ
め生物界に広く分布している。ヒト皮膚においてもその
存在は古くから知られており、表皮細胞の増殖に関連し
たポリアミン生合成やプロリン生合成のためのオルニチ
ン供給酵素として知られている。
【0003】特開平10−7581号公報においてはこ
のアルギナーゼの皮膚中での生理機能を皮膚の天然保湿
因子(NMF)成分である“尿素”の産生に関連づけて
おり、特定の生薬エキスとして“木通”の抽出エキスが
皮膚中のアルギナーゼ活性を調節して皮膚に継続的に保
湿効果を与えることが報告されている。“尿素”は高い
保湿能を有するだけでなく、角質溶解剥離作用や角質柔
軟化作用を有する皮膚にとって重要な成分であり、昔か
ら化粧料や医薬品等の皮膚外用剤に多く配合されている
成分である。しかし、水と反応して分解し易く、分解す
るとアンモニアと炭酸ガスを生じることから、臭気や安
全性に問題を生じ易かった。さらに、尿素を配合した皮
膚外用剤は特有の刺激感を有する為、使用部位が限定さ
れるという欠点を有していた。一方、このアルギナーゼ
活性促進剤を使用すると“尿素”の皮膚内生成を高める
ことにより、これらの問題を解決しながら“尿素”自体
の有効性を発揮することが可能であり、さらにはその効
果の持続性が期待できることから、非常に有用な手段と
考えられる。そのため、より少量でより高い効果を発揮
でき、しかも安全性および安定性に優れたアルギナーゼ
活性促進剤の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決し、少量でも皮膚中のアルギナーゼ活性を調節して皮
膚に継続的に保湿効果を与えることができ、しかも安全
性および安定性に優れたアルギナーゼ活性促進剤を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(1)a.桔梗(キキョウ)の抽出エキスを有効成分と
して含有するアルギナーゼ活性促進剤、(2)a.
(1)記載のアルギナーゼ活性促進剤を乾燥残留物とし
て0.0001〜5重量%、b.炭素数6〜22のカル
ボン酸またはその誘導体を0.01〜50重量%含有す
ることを特徴とする皮膚外用剤、(3)b.炭素数6〜
22のカルボン酸またはその誘導体としてcis−9−
オクタデセン酸が80重量%以上でありかつcis−9
−不飽和脂肪酸が85重量%以上である脂肪酸またはそ
の誘導体を含有する(2)記載の皮膚外用剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる桔梗の抽出エ
キスとは、キキョウ科キキョウ属「桔梗(キキョウ)」
学名:Platycodon grandifloru
m A.D.C.の茎を刈り取り掘り起こした根を水洗
し、そのまま陽乾するか、皮を剥いで乾燥したもの(生
薬名:キキョウ、キキョウコン)から各種溶媒で抽出し
たエキスである。なお、この桔梗にはプラチコジンD,
A,C、ポリガラシンDなどのサポニン、α−スピナス
テロールおよびその配糖体、イヌリン、ベツリンなどの
成分が含まれており、漢方では咳止め、去痰および化膿
性疾患や扁桃炎、咽喉炎、蓄膿症に適用されている(日
本薬草全書 新日本法規出版)。桔梗エキスの抽出方法
としては、炭化水素、エステル、ケトン、エーテル、ハ
ロゲン化炭化水素、アルコールおよび水から選ばれる1
種または2種以上の溶媒と共に加熱還流あるいは浸漬し
て抽出するが、好ましくは水またはエタノール、プロピ
レングリコール、イソプロピルアルコール、1,3−ブ
チレングリコールの1種または2種以上の溶媒で抽出し
たものであり、更に好ましくは水で抽出したものであ
る。なお、本発明の桔梗の抽出エキスとは抽出溶液その
もの、もしくはその濃縮物をいう。
【0007】本発明の皮膚外用剤においてaである桔梗
抽出エキスの配合量は、組成物全量中に乾燥残留物とし
て0.0001〜5重量%であることが好ましく、0.
0005〜3重量%であることが更に好ましい。0.0
001重量%未満では保湿効果、肌荒れ改善効果および
臭気安定性改善効果が発揮され難く、5重量%を超える
と経時安定性に問題を生じたり、コスト的に不利にな
る。ただし、本発明でいう乾燥残留物とは通常抽出エキ
スを105℃で乾燥するかまたは減圧乾固して溶媒を除
去した時の残留物である溶質を指すが、抽出溶媒が不揮
発性の場合にはガスクロマトグラフィー、高速液体クロ
マトグラフィー等により溶媒量を定量した値から溶質量
を計算値として求め、乾燥残留物量と見なす。
【0008】b成分である炭素数6〜22のカルボン酸
またはその誘導体において、炭素数6〜22のカルボン
酸は、炭素数6〜22の直鎖または分岐の1価または多
価カルボン酸であり、例えば、ヘキサン酸、オクタン
酸、1,8−オクタンジカルボン酸、デカン酸、ドデカ
ン酸、テトラデカン酸、cis−9−オクタデセン酸、
cis−9,cis−12−オクタデカジエン酸、エイ
コサン酸、ドコサン酸等が挙げられ、その誘導体として
は、1価または多価アルコールとのエステル、アンモニ
アや有機アミンとの脱水縮合物であるアミド等がある。
さらに、これらカルボン酸を還元して得られるアルコー
ルおよびそのアルコールと1価または多価アルコールと
のエーテルや無機酸、有機酸とのエステル等が挙げられ
る。ただし、本発明においてはb.成分は上記成分の中
で特に親油性の成分であり、具体的にはHLBが8以下
の非イオン性界面活性剤または油性成分である。b成分
として好ましいものは、炭素数6〜22のカルボン酸ま
たはその誘導体がcis−9−オクタデセン酸80重量
%でありかつcis−9−不飽和脂肪酸85重量%であ
る脂肪酸またはその誘導体であり、更に好ましいものは
cis−9−オクタデセン酸85重量%でありかつci
s−9−不飽和脂肪酸90重量%である脂肪酸またはそ
の誘導体である。cis−9−不飽和脂肪酸とは脂肪酸
骨格にcis−9−の二重結合を含むものである。ただ
し、脂肪酸組成はガスクロマトグラフ測定による面積比
により求めることとする。
【0009】本発明の皮膚外用剤においてb.成分であ
る炭素数6〜22のカルボン酸またはその誘導体の配合
量は組成物全量中に0.01〜50重量%であり、好ま
しくは0.1〜30重量%である。0.01重量%未満
では十分な保湿効果の持続性、肌荒れ防止および肌荒れ
の改善効果が得られなく、50重量%を超えると感触が
悪くなったり刺激を有することがあり好ましくない。
【0010】本発明のアルギナーゼ活性促進剤は、皮膚
外用剤に配合して好適に使用することができ、化粧料、
医薬品等に使用することができる。なお、本発明におい
ては、化粧料や医薬品等の皮膚外用剤に常用されている
添加剤を本発明の性能を損なわない範囲で配合すること
も可能である。例えば、流動パラフィン、流動イソパラ
フィン、スクワラン、ワセリン、固形パラフィン等の炭
化水素系油、牛脂、豚脂、魚油等の天然油脂、エステル
油、ロウ、直鎖および環状のジメチルポリシロキサン、
ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性
ジメチルポリシロキサン等のシリコーン誘導体、セラミ
ド、コレステロール、蛋白誘導体、ラノリン、ラノリン
誘導体、レシチン等の油性基剤、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステ
ル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリプロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸
エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、アルキルポ
リグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンブロックポリマー、アルカノールアミド等の非イオン
性界面活性剤、せっけん、アルキル硫酸エステル塩、ア
ルキルエーテル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホ
ン酸塩、アシルメチルタウリン塩、アシルグルタミン酸
塩、アシルグリシン塩、アシルザルコシン塩、アシルイ
セチオン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミド
エーテル硫酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等の
陰イオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベ
タイン、アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、
アミドアミノ酸塩、アルキルイミノジ酢酸塩等の両性界
面活性剤、アルキルアミンオキシド、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミンオキシド等の半極性界面活性剤、塩化
アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメ
チルアンモニウム等の陽イオン性界面活性剤、アルキル
アミン、アミドアミン等の塩酸塩または酢酸塩、無機顔
料、パール顔料、金属粉末顔料、有機顔料、ジルコニウ
ム等の顔料、クロロフィル、β−カロチン等の天然色
素、アルギン酸、カルボキシビニルポリマー、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、
ヒアルロン酸等の水溶性高分子、硫酸マグネシウム、塩
化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ピロリドンカルボ
ン酸ナトリウム等の無機塩または有機塩、pH調製剤で
ある酸およびアルカリ、殺菌剤、キレート剤、抗酸化
剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、動植物由来の天然エキ
ス、香料等を配合できる。
【0011】
【実施例】次に実施例によって本発明を更に詳細に説明
する。 (桔梗抽出エキスの調製) 1.水抽出エキス 乾燥後粉砕した30gの桔梗に300mlの水を加え7
0℃で3時間加熱し、その後、濾過により抽出液から不
溶物を除去し、得られた濾液を減圧乾固して桔梗水抽出
エキスを得た。 2.エタノール抽出エキス 乾燥後粉砕した30gの桔梗に300mlのエタノール
を加え、70℃で3時間加熱し、その後、濾過により抽
出液から不溶物を除去し、得られた濾液を減圧乾固して
桔梗エタノール抽出エキスを得た。 (木通抽出エキスの調整) 1.水抽出エキス 乾燥後粉砕した30gの木通に300mlの水を加えて
70℃で3時間加熱し、その後、濾過により抽出液から
不溶液を除去し、得られた濾液を減圧乾固して得られた
木通抽出エキスを得た。
【0012】実施例1:培養細胞によるアルギナーゼ活
性促進効果 マウス表皮細胞(PAM212)を直径10cmの培養
皿内に蒔き、培養皿内が細胞で完全に覆われる程度まで
培養を継続した(培地:ダルベッコ変法イーグル培地+
牛胎児血清10%)。その後、各植物の抽出エキスを培
地(ダルベッコ変法イーグル培地+牛胎児血清1%)中
濃度が抽出エキス乾燥残留物として0〜0.05重量%
となるように添加し、3日間培養した。培養後、その培
地と細胞を回収し、培地中のアルギナーゼの反応により
生じた尿素量と、細胞中のアルギナーゼ活性量を測定し
た。各濃度ポイントはすべて5点づつ行った。細胞中の
アルギナーゼ活性量の測定は細胞を1mLの25mMト
リス−塩酸緩衝液(pH=7.5)中でホモジナイズし
たホモジネートを用いて測定した。ホモジネート0.0
5mlを1.5mLの栓付きのマイクロチューブに移し
取り、0.04mLの0.1M L−アルギニン溶液を
添加し37℃にて3時間インキュベートした。インキュ
ベート終了後0.01mLの60%過塩素酸を添加、混
和し酵素反応を停止させ10000Gで遠心分離を行い
得られた上清の尿素量を培地中の尿素量と同様の方法に
て測定し、1時間当たり1マイクロモルの尿素を産生す
る量をアルギナーゼ1ユニットとした。培地中の尿素
量、細胞内のアルギナーゼ活性とも無添加の場合を10
0として5点の平均値を算出した。結果を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】表1より桔梗の抽出エキスは培養細胞レベ
ルにおいてアルギナーゼ活性の促進作用に優れており、
特に低濃度における効果は木通抽出物より明らかに優れ
ていた。
【0015】実施例2および比較例1:ヘアレスマウス
塗布試験によるアルギナーゼ活性促進剤の効果 次に動物を使用した試験においても同様の作用を示すか
どうかを調べるために、次のような試験を行った。星野
実験動物より購入した6週齢の雄性ヘアレスマウス(各
群10匹)を用い0.01%の桔梗の水抽出エキスを含
む50%エタノール溶液200μLを塗布し、その後こ
の塗布を1日2回の頻度で30日間連続して行った。塗
布期間終了後、SKICON−200(IBS社製)を
用いて皮表角層水分含量を測定した後、マウス皮膚を採
取し0.24M塩化アンモニウム(pH=9.4)中に
0℃で30分間浸した後、ピンセットを用いて真皮より
剥離し表皮のみを採取した。採取した表皮を湿重量の1
9倍量の生理緩衝食塩水でホモジナイズした後、遠心分
離を行い、その上清の尿素量とアルギナーゼ活性量を測
定した。尿素量は和光純薬工業株式会社製の尿素窒素−
テストワコーを用い取り扱い説明書通りに使用した。培
地0.02mLと発色試液(発色原液Aと発色原液Bを
5:1で混合したもの)5mLを混和し沸騰水浴中で2
5分間加熱後、流水中で冷却し分光光度計を用い530
nmの吸光度を測定し、別に求めた尿素の検量線より培
地中の尿素量を算出した。アルギナーゼ活性量の測定は
培養細胞のアルギナーゼ活性の測定と同様の方法で行っ
た。同様に0.01%の桔梗エタノール抽出エキスを含
む50%エタノール溶液の塗布群も試験した。さらに、
抽出エキスを含まない50%エタノールのみの塗布群と
疑似操作だけ群を比較例として用い、疑似塗布群を10
0として各群の皮表角層水分含量と表皮ホモジネート中
の尿素量とアルギナーゼ活性量をもとめた。結果を表2
に示す。
【0016】
【表2】
【0017】表2の結果から明らかなように本発明の桔
梗の抽出エキスはヘアレスマウス表皮のアルギナーゼ活
性を上昇させて尿素量を増やし、角層水分量を増大させ
た。また、本試験において呉茱萸の抽出エキスを塗布し
た部位に、たとえば炎症性の過敏反応の発生、例えば紅
斑の発生等の副作用は全く見られなかった。そのことか
ら桔梗の抽出エキスが副作用を呈さない範囲内で有効に
アルギナーゼ活性を促進し、尿素量の産生を増大させて
角層水分含量を増大させることが確認された。
【0018】実施例3〜5および比較例2 表3に示すクリームである皮膚外用剤を調製し、下記の
方法により評価を行った。結果を表3に示す。 (1)保湿効果の持続性 20名の女性(21才〜35才)をパネラーとし、洗顔
した後に皮膚外用剤を使用し、2時間後の肌のうるおい
について下記のように判定し、20名の平均値を求め
て、平均値1.5点以上を保湿効果の持続性の良好な化
粧料であると評価した。 2点:使用直後と変わらず肌が十分うるおっていると感
じた場合。 1点:使用直後と比べてやや肌のうるおいが足りないと
感じた場合。 0点:使用直後と比べて肌のうるおいが足りないと感じ
た場合。 (2)肌荒れ改善効果 肌荒れを生じた10名の女性(25才〜35才)をパネ
ラーとし、皮膚外用剤を一日2回ずつ連続2週間使用し
た時の肌の状態について下記のように判定し、10名の
平均値を求めて、平均値1.5点以上を肌荒れ改善効果
のある化粧料であると評価した。 2点:肌荒れが明らかに治ってきたと感じた場合。 1点:肌荒れがやや治ってきたと感じた場合。 0点:肌荒れ改善効果が全くないと感じた場合。 (3)経時安定性 皮膚外用剤を透明ガラス容器に密封して−5℃、25℃
および40℃で3ヶ月間保存したときの状態を調査し、
下に示す3段階で評価した。 ○:安定性良好(いずれの温度においても外観の変化が
なくブツ等も生じない。) △:安定性やや不良(いずれかの温度において僅かに沈
殿を生じるか僅かに分離が見られる。または僅かにブ
ツ、ダマを生じている。) ×:安定性不良(いずれの温度においても明らかに沈殿
を生じるか分離する。またはブツやダマを生じる。) (4)臭気安定性 皮膚外用剤を透明ガラス容器に密封して−5℃、25℃
および40℃で3ヶ月間保存したときの臭気変化を調査
し、下記に示す3段階で評価を行った。 ○:安定性良好(臭気の変化がほとんどない。) △:安定性やや不良(やや臭気が変化し、若干異臭が発
生している。) ×:安定性不良(明らかに臭気が変化し、異臭が発生し
ている。)
【0019】
【表3】
【0020】注1;EXTRA OS−85(日本油脂
(株)製)<脂肪酸組成:cis−9−ヘキサデセン酸
1重量%、cis−9−オクタデセン酸87重量%、c
is−9、cis−12−オクタデセン酸3重量%、ヘ
キサデカン酸3重量%、オクタデカン酸6重量%> 注2;NOFABLE EO−85S(日本油脂(株)
製)<脂肪酸組成:cis−9−ヘキサデセン酸1重量
%、cis−9−オクタデセン酸88重量%、cis−
9、cis−12−オクタデセン酸2重量%、ヘキサデ
カン酸4重量%、オクタデカン酸5重量%> 実施例3〜5より、本発明の皮膚外用剤は肌の保湿効果
の持続性および肌荒れ改善効果に優れるとともに安定性
にも優れていた。比較例2では桔梗抽出エキスの代わり
に木通抽出エキスを配合していることから肌荒れ改善効
果、経時安定性および臭気安定性が悪くなっている。
【0021】実施例6〜8および比較例3 表4に示す化粧水である皮膚外用剤を調製し、評価
(1)、(2)および(4)は実施例3〜5の方法によ
り、そして(3)経時安定性については下記の方法によ
り評価を行なった。結果を表4に示す。 (3)経時安定性 皮膚外用剤を透明ガラス容器に密封して0℃、25℃お
よび40℃で3ヶ月間保存し、その外観を観察して、下
記に示す3段階で評価した。 ○:安定性良好(いずれの温度でも外観の変化がな
い。) △:安定性やや不良(いずれかの温度において若干お
り、沈殿を生じるかまたは若干着色を生じる。) ×:安定性不良(いずれかの温度においてもおり、沈殿
を生じるかまたは分離する。もしくは着色が著しい。)
【0022】
【表4】
【0023】注1;EXTRA OS−85(日本油脂
(株)製)<脂肪酸組成:cis−9−ヘキサデセン酸
1重量%、cis−9−オクタデセン酸87重量%、c
is−9、cis−12−オクタデセン酸3重量%、ヘ
キサデカン酸3重量%、オクタデカン酸6重量%> 注2;NOFABLE EO−85S(日本油脂(株)
製)<脂肪酸組成:cis−9−ヘキサデセン酸1重量
%、cis−9−オクタデセン酸88重量%、cis−
9、cis−12−オクタデセン酸2重量%、ヘキサデ
カン酸4重量%、オクタデカン酸5重量%> 実施例6〜8より、本発明の皮膚用外用剤は肌の保湿効
果の持続性および肌荒れ改善効果に優れるとともに安定
性に優れていた。比較例3では桔梗抽出エキスの代わり
に木通抽出エキスを配合していることから、肌荒れ改善
効果と臭気安定性が悪くなっている。
【0024】
【発明の効果】本発明のアルギナーゼ活性促進剤は、少
量でも皮膚中のアルギナーゼ活性を調節して皮膚に継続
的に保湿効果を与えることができ、しかも安全性および
安定性にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/12 A61K 47/12 A61P 17/16 A61P 17/16 43/00 111 43/00 111 Fターム(参考) 4C076 AA12 AA17 BB31 CC29 DD34A DD37E DD38X DD41E DD47E EE27Y EE53A FF15 4C083 AA082 AA111 AA112 AA122 AC022 AC082 AC102 AC122 AC241 AC251 AC252 AC352 AC402 AC422 AC432 AC442 AC482 AD152 AD662 CC02 CC04 CC05 DD23 DD31 EE12 4C088 AB30 AC11 BA08 CA03 MA63 ZA89 ZC19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a.桔梗(キキョウ)の抽出エキスを有
    効成分として含有するアルギナーゼ活性促進剤。
  2. 【請求項2】 a.請求項1記載のアルギナーゼ活性促
    進剤を乾燥残留物として0.0001〜5重量%、b.
    炭素数6〜22のカルボン酸またはその誘導体を0.0
    1〜50重量%含有することを特徴とする皮膚外用剤。
  3. 【請求項3】 b.炭素数6〜22のカルボン酸または
    その誘導体としてcis−9−オクタデセン酸が80重
    量%以上でありかつcis−9−不飽和脂肪酸が85重
    量%以上である脂肪酸またはその誘導体を含有する請求
    項2記載の皮膚外用剤。
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