JP2002028042A - トーションバーによって前方に付勢される、ピボット運動する背もたれを含む乗物用シート - Google Patents

トーションバーによって前方に付勢される、ピボット運動する背もたれを含む乗物用シート

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗物用シートに使用するトーションバーによ
る戻りトルクを大きくする。 【解決手段】 乗物用シート１は、ロック機構６によっ
てシート本体にピボット運動するように取り付けられ、
背もたれ４とシート本体にそれぞれ固定されている２つ
の端部９、１０を有する金属ワイヤによって形成されて
いるトーションバー８によって前方に付勢される背もた
れを有する。トーションバー８を構成する金属ワイヤ
は、複数の隣接する巻線１５を有する少なくとも１つの
螺旋部１４を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、トーションバーに
よって前方に付勢される、ピボット運動する背もたれを
含む乗物用シートに関する。
【０００２】本発明は、特に、向かい合う２つの側部を
有する乗物用シートを提供するものであり、該シート
は、ロック機構によって背もたれをシート本体に対して
動かないようにするロック位置と、ロック機構によって
背もたれをシート本体に対してピボット軸線を中心とし
て自由にピボット運動できるようにするロック解除位置
との間を移動可能なロック機構によって、横方向の水平
なピボット軸線を中心としてピボット運動するようにシ
ート本体に取り付けられており、また、２つの端部がそ
れぞれ背もたれとシート本体にシートの向かい合う側部
で固定されている金属のワイヤによって構成されるトー
ションバーによって前方に付勢された背もたれを有して
いる。
【０００３】
【従来の技術】特開平１０−１５７５００号には、その
ようなシートの例が記載されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】この文献のシートに使
用されている種類のトーションバーには、それにも関わ
らず、背もたれの比較的小さな角度ストロークでしか十
分な戻りトルクを生じないという欠点がある。
【０００５】本発明の具体的な目的は、この欠点を緩和
することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】このために、本発明によ
れば、トーションバーを構成する金属ワイヤが、複数の
隣接する巻線を含む少なくとも１つの螺旋部を形成する
ことを特徴とする当該種類の乗物用シートを提供する。
【０００７】この構成によって、トーションバーの等価
長さが増加し、それにより背もたれの広範囲な角度位置
にわたって十分な戻りトルクをトーションバーに生じさ
せることができる。
【０００８】本発明の好適な実施態様では、１つまたは
複数の下記の特徴を任意に使用できる。
【０００９】トーションバーが、ピボット軸線に対して
ほぼ直角な大体の方向に各々が延びている第１と第２の
レバーアームの間に、ピボット軸線とほぼ平行に延びる
中央部を有し、螺旋部が中央部と第１のレバーアームと
の間に形成され、螺旋部の中心軸線がトーションバーの
中央部に対して垂直で、トーションバーの中央部からゼ
ロ以外のある距離だけずれている。
【００１０】トーションバーの巻線はいずれも、螺旋部
の中心軸線とトーションバーの中央部との間の前記ずれ
距離の２倍にほぼ等しい同じ直径を有する。
【００１１】螺旋部が、トーションバーの中央部と一直
線をなす水平な接線を有する部分と、垂直な接線を有す
る部分との間の９０°にわたって上方に延びている最初
の部分を含む最初の巻線と、水平な接線を有する部分
と、ほぼ垂直な接線を有し、第１のレバーアームと一直
線をなす部分との間の９０°にわたって上方に延びてい
る最後の部分を含む最後の巻線とを有している。
【００１２】螺旋部は、トーションバーの中央部に隣接
し、巻線が互いに接触している部分と、トーションバー
の中央部から離れた位置にあり、巻線が互いに離れて配
置されている部分とを有する。
【００１３】螺旋部が３つの巻線を有する。
【００１４】螺旋部が、トーションバーの中央部の長さ
の３０％〜６０％の範囲にある展開長さを有する。
【００１５】背もたれは、１２０°〜１８０°の範囲の
大きさの角度ストロークでシート本体に対してピボット
運動するようになっている。
【００１６】背もたれは、背もたれをシート本体の上に
ほぼ水平に折り畳んだ「テーブル」位置と、背もたれを
後方にほぼ水平位置まで傾斜させた「寝台」位置との間
でシート本体に対してピボット運動するようになってい
る。
【００１７】金属ワイヤは、６ミリメートル（ｍｍ）〜
９ｍｍの範囲にある直径を有するスチールワイヤであ
り、トーションバーの中央部は４０ｃｍ〜５０ｃｍの範
囲にある長さを有し、螺旋部は、１５ｃｍ〜２５ｃｍの
範囲にある展開長さを呈する。
【００１８】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【００１９】種々の図面中、全く同じまたは同様の構成
要素を示すために同一の参照符号が使用されている。
【００２０】図１は、自動車のフロア３の上に取り付け
られ、背もたれ４を支持するシート本体２を有する自動
車用シート１を示している。
【００２１】背もたれ４は、取っ手７によって操作され
るロック機構６によって、横方向の水平軸線Ｘを中心と
して両矢印５の両方向にピボット運動するように取り付
けられている。
【００２２】特に、ＥＰＯ特許出願公開明細書第０ ５
０２ ７７４号に開示されているタイプのものであって
もよいロック機構６は、ロック機構６が背もたれ４をシ
ート本体２に対してピボット運動しないようにするロッ
ク位置と、ロック機構６が背もたれ５をシート本体２に
対して自由にピボット運動できるようにするロック解除
位置との間を取っ手７によって移動できる。
【００２３】したがって、取っ手７によってロック機構
６を解除し、以下に説明するトーションバーによって背
もたれ４を前方に付勢させた状態で、背もたれ４に直接
力を及ぼすことによって、背もたれ４の通常の使用位置
を調節することができる。
【００２４】また、図２に示されているように、背もた
れ４は、背もたれ４がシート本体２の上に覆い被さるま
で、例えば、背もたれ４がほぼ水平になる「テーブル」
位置を取るまで、前方向にたたむことができる。
【００２５】図３に示されるように、背もたれ４は後方
に、例えば背もたれ４がシート本体２を延ばしたほぼ水
平な「寝台」位置に達するまで、傾けることができる。
【００２６】このように背もたれ４は、１２０°〜１８
０°の範囲、例えば約１５０°の角度の大きさのストロ
ークでシート本体２に対してピボット運動できる。
【００２７】図４で分かるように、背もたれ４を弾性的
に前方に付勢するトーションバー８は、シート１の一方
の側で背もたれ４のフレーム構造４ａと、シート１の他
方の側でシート本体２のフレーム構造２ａとにそれぞれ
に剛に固定されている２つの端部９と１０との間に延び
る１本の金属ワイヤ、一般的にはスチールワイヤで構成
されている。
【００２８】より詳細には、トーションバー８は、前述
の端部９および１０まで中央部１１に対してほぼ直角の
方向に各々が延びている２つのレバーアーム１２と１３
の間に、シート１のほぼ全幅にわたってピボット軸線Ｘ
とほぼ平行に延びる中央部１１を有する。
【００２９】また、トーションバー８は、ピボット軸線
Ｘに直角な軸線Ｙを中心とする複数の連続する巻線１５
を有する螺旋部１４を、中央部１１とレバーアーム１２
との間に形成している。
【００３０】巻線１５は、背もたれ４がピボット運動さ
せられるときに、実質的に引張りばね（ｔｒａｃｔｉｏ
ｎ ｓｐｒｉｎｇ）として作用するように配置されてい
ることが有利である。特に、巻線１５は、トーションバ
ー８の中央部１１から最も遠い部分１４ｂが互いに遠ざ
かったり近づいたりし（図５と６参照）、中央部１１に
最も近い部分１４ａ（この場合は、巻線１５の底領域）
においてトーショーンバー８の中央部１１と接したまま
になっていることが好ましい。
【００３１】巻線１５の軸線Ｙは、トーションバー８の
中央部１１からずれていることが好ましく、この例で
は、上方向にずれている。ずれは、巻線１５の直径Ｄの
半分にほぼ等しいことが有利である。
【００３２】図５に示されているように、螺旋部１４
は、水平な接線を有し、トーションバー８の中央部１１
と一直線をなす部分１５ａと、垂直な接線を有する部分
１５ｂとの間の９０°にわたって、上方向に延びている
最初の部分を有する最初の巻線１５を含んでいる。
【００３３】同様に、螺旋部１４は、水平な接線を有す
る部分１５ｃと、レバーアーム１２の底部と一直線をな
すほぼ垂直な接線を有する部分１５ｄとの間の９０°に
わたって、上方向に延びている最後の部分を有する、図
６に見える最後の巻線１５を含んでいる。
【００３４】螺旋部１４が、トーションバー８の中央部
１１の長さの３０％〜６０％の範囲にある展開長さを有
することが有利である。
【００３５】ある特別の実施形態では、トーションバー
８を構成する金属ワイヤの直径を６ｍｍ〜９ｍｍにする
ことができ、トーションバー８の中央部１１は、４０ｃ
ｍ〜５０ｃｍの範囲にある長さを有し、螺旋部１４は、
１５ｃｍ〜２５ｃｍの範囲にある展開長さを有し、それ
により、例えば、１２０°〜１８０°の範囲にある大き
さを有する背もたれ４の位置の角度ストロークにわたっ
て背もたれ４に１５メートル・デカニュートン（ｍ．ｄ
ａＮ）〜２０ｍ．ｄａＮの範囲の戻りトルクを生じさせ
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】通常の使用位置にある本発明の実施形態を構成
する乗物用シートの概略図である。
【図２】”テーブル”位置にあるシートを示す、図１と
同様の図である。
【図３】”寝台”位置にあるシートを示す、図１と同様
の図である。
【図４】図１〜３のシートのフレーム構造の斜視図であ
る。
【図５】図４の矢印Ｖに沿ってシート前部に向かって見
たときの、図４のシートに取り付けられたトーションバ
ーの詳細図である。
【図６】図５と反対方向から見たときの、図４のシート
に取り付けられたトーションバーの詳細図である。
【符号の説明】
１ シート ２ シート本体 ３ フロア ４ 背もたれ ５ 矢印 ６ ロック機構 ７ 取っ手 ８ トーションバー ９ トーションバーの端部 １０ トーションバーの端部 １１ トーションバーの中央部 １２ レバーアーム １３ レバーアーム １４ 螺旋部 １５ 巻線 １５ａ，１５ｂ，１５ｃ 部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3B087 BD01 BD03 CB01 CB12 DE10 3B099 AA05 BA04 CA00 CB06 DA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 向かい合う２つの側部を有し、ロック機
    構（６）によって背もたれ（４）をシート本体（２）に
    対して動かないようにするロック位置と、前記ロック機
    構によって前記背もたれ（４）を前記シート本体（２）
    に対してピボット軸線（Ｘ）を中心として自由にピボッ
    ト運動できるようにするロック解除位置との間を移動可
    能なロック機構（６）によって横方向の水平なピボット
    軸線（Ｘ）を中心としてピボット運動するように前記シ
    ート本体（２）に取り付けられており、シートの向かい
    合う前記側部の各々に、それぞれ背もたれ（４）とシー
    ト本体（２）に固定されている２つの端部（９、１０）
    を有する金属のワイヤによって構成されるトーションバ
    ー（８）によって前方に付勢された背もたれ（４）を有
    している乗物用シートにおいて、 前記トーションバー（８）を構成する前記金属ワイヤ
    が、複数の隣接する巻線（１５）を含む少なくとも１つ
    の螺旋部（１４）を形成していることを特徴とする乗物
    用シート。
  2. 【請求項２】 前記トーションバー（８）が、前記ピボ
    ット軸線（Ｘ）に対してほぼ直角な大体の方向に各々が
    延びている第１と第２のレバーアーム（１２、１３）の
    間に、前記ピボット軸線とほぼ平行に延びる中央部（１
    １）を有し、前記螺旋部（１４）が、前記中央部（１
    １）と前記第１のレバーアーム（１２）との間に形成さ
    れ、前記螺旋部の中心軸線（Ｙ）が、前記トーションバ
    ーの前記中央部（１１）に対して垂直で、前記トーショ
    ンバーの前記中央部（１１）から、ゼロ以外のある距離
    （Ｄ／２）だけずれている、請求項１に記載のシート。
  3. 【請求項３】 前記トーションバー（８）の巻線（１
    ５）はいずれも、前記螺旋部の中心軸線（Ｙ）と前記ト
    ーションバーの中央部（１１）との間の前記ずれ距離
    （Ｄ／２）の２倍にほぼ等しい同じ直径（Ｄ）を有す
    る、請求項１または請求項２に記載のシート。
  4. 【請求項４】 前記螺旋部が、 前記トーションバーの中央部（１１）と一直線をなす水
    平な接線を有する部分（１５ａ）と、垂直な接線を有す
    る部分（１５ｂ）との間の９０°にわたって上方に延び
    ている最初の部分を含む最初の巻線（１５）と、 水平な接線を有する部分（１５ｃ）と、ほぼ垂直な接線
    を有し、前記第１のレバーアーム（１２）と一直線をな
    す部分（１５ｄ）との間の９０°にわたって上方に延び
    ている最後の部分を含む最後の巻線とを有する、請求項
    １から３のいずれか１項に記載のシート。
  5. 【請求項５】 前記螺旋部（１４）が、前記トーション
    バーの中央部（１１）に隣接し、前記巻線（１５）が互
    いに接触している部分（１４ａ）と、前記トーションバ
    ーの前記中央部から離れた位置にあり、前記巻線（１
    ５）が互いに離れて位置している部分（１４ｂ）とを有
    する、請求項１から４のいずれか１項に記載のシート。
  6. 【請求項６】 前記螺旋部（１４）が３つの巻線（１
    ５）を有する、請求項１から５のいずれか１項に記載の
    シート。
  7. 【請求項７】 前記螺旋部（１４）が、前記トーション
    バーの中央部（１１）の長さの３０％〜６０％の範囲に
    ある展開長さを有する、請求項１から６のいずれか１項
    に記載のシート。
  8. 【請求項８】 前記背もたれ（４）は、１２０°〜１８
    ０°の範囲の大きさの角度ストロークで前記シート本体
    （２）に対してピボット運動するようになっている、請
    求項１から７のいずれか１項に記載のシート。
  9. 【請求項９】 前記背もたれ（４）が、前記背もたれを
    前記シート本体の上にほぼ水平に折り畳んだ「テーブ
    ル」位置と、前記背もたれを後方にほぼ水平位置まで傾
    斜させた「寝台」位置との間で前記座部に対してピボッ
    ト運動するようになっている、請求項８に記載のシー
    ト。
  10. 【請求項１０】． 前記金属ワイヤ（８）が、６ミリメ
    ートル（ｍｍ）〜９ｍｍの範囲にある直径を有するスチ
    ールワイヤであり、前記トーションバーの中央部（１
    １）が、４０ｃｍ〜５０ｃｍの範囲にある長さを有し、
    前記螺旋部（１４）が、１５ｃｍ〜２５ｃｍの範囲にあ
    る展開長さを有する、請求項１から９のうちのいずれか
    １項に記載のシート。
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