JP2002026696A - 同期式発振回路及び発振回路ネットワーク - Google Patents

同期式発振回路及び発振回路ネットワーク

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JP2002026696A
JP2002026696A JP2001114181A JP2001114181A JP2002026696A JP 2002026696 A JP2002026696 A JP 2002026696A JP 2001114181 A JP2001114181 A JP 2001114181A JP 2001114181 A JP2001114181 A JP 2001114181A JP 2002026696 A JP2002026696 A JP 2002026696A
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  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の発振回路が同期しながらクロック信号
を発生する。 【構成】 同期式発振回路410では、A側発振用論理
ゲート401a、A側発振用コンデンサ404a、B側
発振用論理ゲート401b及びB側発振用コンデンサ4
04bが環状に接続され、A側発振用論理ゲート401
a及びB側発振用論理ゲート401bの出力と入力がそ
れぞれA側発振用抵抗403a及びB側発振用抵抗40
3bを用いて接続される。またA側同期用ラッチ回路4
05aとA側同期用論理ゲート406a、及びB側同期
用ラッチ回路405bとB側同期用論理ゲート406b
がそれぞれA側発振用論理ゲート401a及びB側発振
用論理ゲート401bを制御する。初期化用論理ゲート
402が、A側発振用論理ゲート401aを制御するこ
とにより、電源投入時における同期式発振回路410の
位相を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、外部から入力し
た同期信号に同期して自励発振する同期式発振回路に関
し、詳しくは、複数の論理ゲート、複数の抵抗及び複数
のコンデンサから構成される同期式発振回路、及び複数
の同期式発振回路を接続したネットワークに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から三次元LSI技術を用いたデバ
イスが多数開発されてきた(例えば、特開昭63−17
4356、特開平2−35425、特開平7−1352
93参照)が、一般のLSIに比べて三次元LSIの製
造コストは非常に高かった。しかしながら、近年ウェハ
ーを張り合わせることにより三次元LSIを製造する技
術(Koyanagi,M., Kurino,H.,
Lee,K−W.,Sakuma,K., Miya
kawa,N., Itani,H.,’Future
System−on−Silicon LSI Ch
ips’, IEEE MICRO, 1998, V
ol.18, No.4, pages17−22参
照)が開発されているので、LSI製造者は従来の三次
元LSI技術に比べて容易に三次元LSIを製造するこ
とができるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また一方、従来からデ
ジタル回路の同期を取るために、水晶振動子を用いたク
ロック信号が用いられてきた。しかしながら、近年、デ
ジタル回路の高速化に従いクロック周波数が高くなり、
LSI(Large Scale Integrate
d Circuit)の設計上、信号の伝搬遅延時間が
問題になってきており、LSI全体の同期性を保つこと
が困難になってきた。この問題を根本的に解決するため
に、LSIの設計者はクロック信号の遅延時間を最小に
しなければならない。さらにLSIの高集積化に伴い、
LSI中の多数のデジタル回路を同期させなければなら
なくなってきた。このような高動作周波数かつ高集積度
のLSIを設計及び製造するために、LSI設計者は、
現在、分周回路及び非同期回路を用いてこの同期問題を
回避している。しかしながら、根本解決とは程遠く、い
まだ十分なものとはいえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、外部からの
同期信号の位相と周期に合わせて自励発振する同期式発
振回路を着想することによって、前記課題を解決できる
ことを見出した。
【0005】即ち、請求項1の発明は、複数のクロック
信号を出力する発振部分、複数の同期信号を入出力する
同期部分、及び、初期化部分を含む同期式発振回路であ
って、前記発振部分は、環状に接続された第1の発振用
論理ゲート、第2の発振用論理ゲート、第1の発振用コ
ンデンサ、及び第2の発振用コンデンサを備え、更に、
いずれか1つの前記発振用論理ゲートの少なくとも1つ
の入力と1つの出力とを接続する発振用抵抗を備え、前
記同期部分は、いずれか1つの前記発振用論理ゲートの
出力を制御し、前記初期化部分は、前記第1及び第2の
発振用論理ゲートの前記出力を入力して、少なくとも1
つの前記発振用論理ゲートの前記出力を制御する初期化
用論理ゲートを備えることを特徴とする同期式発振回路
である。これにより、前記発振部分は自励発振し、外部
から入力される複数の同期信号によって発振部分の自励
振動を制御することができる。したがって、発振回路の
前記自励振動に関する諸問題が好適に解決される。クロ
ック信号自体が同期する多数の発振回路がLSI全体に
配置されれば、前記課題が好適に解決できる。三次元L
SI技術を用いると、LSI設計者は、例え多数の発振
回路をLSI全体に配置したとしても、他のデジタル回
路を適当な場所に配置することができるばかりか、これ
らのデジタル回路は最短距離にある発振回路からクロッ
ク信号を入力することができる。しかもLSI設計者は
クロック信号以外の信号線の総配線長も短くすることが
できるので、結果としてLSI設計者は容易にLSIを
設計することができるようになる。これらのことを考慮
すると、複数の発振回路が互いに同期するような機構が
存在すれば、これらの発振回路が生成する全てのクロッ
ク信号は同期することができるので、三次元LSI技術
を用いることにより、これらのクロック信号の伝搬遅延
時間を最小にすることができる。請求項2の発明は、2
つの発振用論理ゲートと、2つの発振用抵抗と、2つの
発振用コンデンサと、2つの同期用ラッチ回路と、2つ
の同期用論理ゲートと、初期化用論理ゲートと、を含む
同期式発振回路であって、2つの前記発振用論理ゲート
及び2つの前記発振用コンデンサが環状に接続されるこ
とと、2つの前記発振用抵抗の各々が、いずれか1つの
前記発振用論理ゲートの少なくとも1つの入力と1つの
出力を接続することと、1つの前記同期用ラッチ回路及
び1つの前記同期用論理ゲートからなる2つの論理回路
の各々が、いずれか1つの前記発振用論理ゲートの前記
出力を制御することと、前記初期化用論理ゲートが、2
つの前記発振用論理ゲートの前記出力を入力して、少な
くとも1つの前記発振用論理ゲートの前記出力を制御す
ることと、を特徴とする同期式発振回路である。本発明
の発振部分では、2つの前記発振用論理ゲートと2つの
前記発振用コンデンサとが環状に接続され、前記発振用
抵抗を用いて前記発振用論理ゲートの前記出力と前記入
力が接続される。これにより、前記発振部分は自励発振
する。前記発振部分はA側とB側の2つに分割される。
本発明の同期部分は前記発振部分に対応して前記A側と
前記B側の2つに分割される。前記同期部分の前記A側
及び前記B側のいずれでも、前記同期用論理ゲートが外
部から入力される複数の同期信号を統合した後、前記同
期用ラッチ回路が統合結果を記憶する。前記同期用ラッ
チ回路は前記統合結果に従い前記発振用論理ゲートを制
御して、前記同期式発振回路の同期信号の位相及び周期
を前記外部から入力される複数の前記同期信号の前記位
相及び前記周期に合わせる。電源投入時など前記同期式
発振回路の前記同期信号、及び前記外部から入力される
複数の前記同期信号が不規則な場合に、前記初期化用論
理ゲートは少なくとも1つの前記発振用論理ゲートの前
記出力をLowレベル又はHighレベルのいずれかに
固定して、前記同期発振回路の前記同期信号の前記位相
を決定する。本発明は、前記外部から入力される複数の
前記同期信号によって前記発振部分の前記自励振動を制
御することができる。したがって、発振回路の前記自励
振動に関する諸問題が好適に解決される。
【0006】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
同期式発振回路に対して、2つの前記発振用論理ゲート
の各々が少なくとも1つの入力抵抗を備えたことを特徴
とする同期式発振回路である。前記発振用論理ゲートが
CMOS(相補形金属酸化膜半導体)によって作成され
る場合、前記発振用論理ゲートの入力に前記発振用コン
デンサに蓄えられた電流が直接流れると前記CMOSが
壊れてしまうことがある。本発明はA側及びB側の各々
の発振部分に前記入力抵抗を追加することにより、前記
発振用論理ゲートの前記CMOSを保護する。したがっ
て、前記CMOSを用いたデジタル回路の同期に関する
諸問題が好適に解決される。
【0007】請求項4の発明は、請求項1ないし3いず
れかに記載の同期式発振回路に対して、2つの前記発振
用コンデンサのうち少なくとも1つの代りに水晶振動子
を用いることを特徴とする同期式発振回路である。請求
項1及び2記載の同期式発振回路では、前記発振用抵抗
及び前記発振用コンデンサの性能のばらつきにより、利
用者が同期信号の周期を正確に設定することは困難であ
る。発信周波数が一定である前記水晶振動子を用いるこ
とにより、本発明は利用者が前記同期信号の周期を正確
に設定できるようにする。したがって、デジタル回路の
同期に関する諸問題が好適に解決される。
【0008】請求項5の発明は、請求項1ないし4いず
れかに記載の複数の同期式発振回路を正方格子状又は六
角格子状に配列した発振回路ネットワークであって、各
々の前記同期式発振回路のいずれか1つの前記発振用コ
ンデンサから出力される同期信号が隣接する前記同期式
発振回路のクロック信号の位相をずらすことにより、全
ての前記同期式発振回路の前記クロック信号の位相が揃
うことを特徴とする発振回路ネットワークである。本発
明では、複数の前記同期式発振回路が前記正方格子状又
は前記六角格子状に配列されるので、隣接する前記同期
式発振回路間の距離は等しくなる。したがって、各々の
前記同期式発振回路が隣接する前記同期式発振回路から
入力する、複数の同期信号の伝搬遅延時間も等しくな
る。本発明の発振部分では、2つの前記発振用論理ゲー
トと2つの前記発振用コンデンサとが環状に接続され、
前記発振用抵抗を用いて前記発振用論理ゲートの前記出
力と前記入力が接続される。これにより前記発振部分は
自励発振する。前記発振部分はA側とB側の2つに分割
される。本発明の同期部分は前記発振部分に対応して前
記A側と前記B側の2つに分割される。前記同期部分の
前記A側及び前記B側のいずれでも、前記同期用論理ゲ
ートが、隣接する前記同期式発振回路から入力される複
数の前記同期信号を統合した後、前記同期用ラッチ回路
が統合結果を記憶する。前記同期用ラッチ回路は、前記
統合結果に従い前記発振用論理ゲートを制御して、前記
同期式発振回路の同期信号の位相及び周期を、隣接する
前記同期式発振回路から入力される複数の前記同期信号
の前記位相及び前記周期に合わせる。つまり本発明は、
複数の前記同期式発振回路を相互に接続することによ
り、全ての前記同期式発振回路が生成する前記クロック
信号を同期させることができる。一般に、1つのクロッ
ク信号をLSI(Large Scale Integ
rated Circuit)全体に分配する際に、前
記クロック信号の周波数が高くなればなるほど、前記ク
ロック信号の伝搬遅延時間が問題となる。しかしながら
前記同期式発振回路を前記LSIに分散配置することに
より、前記LSI全体のデジタル回路に同期した前記ク
ロック信号を分配することができる。したがって、前記
デジタル回路の同期に関する諸問題が好適に解決され
る。
【0009】請求項6の発明は、請求項4記載の発振回
路ネットワークを、格子が重なるように積層したことを
特徴とする発振回路ネットワークである。本発明では、
前記正方格子状又は前記六角格子状に配列された複数の
前記同期式発振回路からなる前記発振回路ネットワーク
が、三次元LSI技術を用いて積層される。その際に、
各層において前記正方格子状又は前記六角格子状に配列
された各々の前記同期式発振回路は、垂直方向に重なり
合うように配置され、さらに、重なり合った前記同期式
発振回路のうち隣接するものから前記同期信号を入力す
るように、各々の前記同期式発振回路の前記同期信号の
信号線が配線される。これにより、各々の前記同期信号
の前記信号線の配線長は前記垂直方向に対して最短とな
る。本発明では、前記垂直方向の前記同期信号の遅延時
間が水平方向の前記同期信号の前記遅延時間と等しくな
るように、前記三次元LSI技術において、LSI設計
者が垂直配線の断面積及び材料を変更したり、又はディ
レイラインを加えることにより、全ての前記同期式発振
回路は前記クロック信号を同期させることができる。し
たがって、前記三次元LSIの同期に関する諸問題が好
適に解決される。
【0010】請求項7の発明は、複数のデジタル回路又
は複数のアナログ回路からなる第一の電子回路と、請求
項5又は6記載の1個以上の発振回路ネットワークを含
む第二の電子回路と、が複数の層に積層され、前記第一
の電子回路が、前記1個以上の発振回路ネットワークの
うち少なくとも1個の前記同期式発振回路からクロック
信号を入力することを特徴とする発振回路ネットワーク
である。本発明は、三次元LSI技術を用いて、複数の
前記デジタル回路、複数の前記アナログ回路及び1個以
上の前記発振回路ネットワークを積層する。1個の前記
発振ネットワークに含まれる全ての前記同期式発振回路
の前記クロック信号は同期している。これにより、複数
の前記デジタル回路及び複数の前記アナログ回路は、1
個の前記発振ネットワークに含まれるいずれの前記同期
式発振回路から前記クロック信号を入力しても、同期す
ることができる。そこで複数の前記デジタル回路及び複
数の前記アナログ回路は、1個の前記発振ネットワーク
に含まれる全ての前記同期式発振回路のうち、最も近い
ものから前記クロック信号を入力することにより、前記
クロック信号の信号線の配線長及び伝搬遅延時間を最小
にすることができる。本発明は前記三次元LSI技術を
用いているので、複数の前記デジタル回路及び複数の前
記アナログ回路の配置が容易になる。したがって、前記
クロック信号の分配に関する諸問題が好適に解決され
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の同期式発振回路4
10の実施形態を挙げ、図面を参照して説明する。
【0012】まず、図1に示すように、請求項1、2に
対応する本実施形態の同期式発振回路410は、A側発
振用論理ゲート401a、A側発振用コンデンサ404
a、B側発振用論理ゲート401b及びB側発振用コン
デンサ404bから構成される発振部分、A側同期用ラ
ッチ回路405a、A側同期用論理ゲート406a、B
側同期用ラッチ回路405b及びB側同期用論理ゲート
406bから構成される同期部分、及び初期化用論理ゲ
ート402から構成され、発振部分と同期部分はそれぞ
れA側とB側の2つに分割される。また図1では、同期
式発振回路410が他の4つの同期式発振回路410か
ら同期信号SyncA1’、SyncA2’、Sync
A3’、SyncA4’、SyncB1’、SyncB
2’、SyncB3’及びSyncB4’を入力するも
のとする。なお図1において、A側発振用論理ゲート4
01a、B側発振用論理ゲート401b、A側同期用ラ
ッチ回路405a、A側同期用論理ゲート406a、B
側同期用ラッチ回路405b、B側同期用論理ゲート4
06b及び初期化用論理ゲート402には、全てNOR
ゲートが用いられているが、勿論NANDゲートなど他
の論理ゲートが用いられても良い。
【0013】発振部分では、A側発振用論理ゲート40
1a、A側発振用コンデンサ404a、B側発振用論理
ゲート401b及びB側発振用コンデンサ404bが環
状に配線され、さらにA側発振用論理ゲート401a及
びB側発振用論理ゲート401bの出力と入力が、それ
ぞれA側発振用抵抗403a及びB側発振用抵抗403
bを用いて配線される。すなわち、A側発振用論理ゲー
ト401aは複数(ここでは3つ)の入力端子を備え、
各々の入力端子が、A側発振用コンデンサ404aの1
つの端子、初期化用論理ゲート402の出力端子及びA
側同期用ラッチ回路405aの出力端子に配線される。
さらにA側発振用抵抗403aが、A側発振用コンデン
サ404aに接続されたA側発振用論理ゲート401a
の入力端子と、A側発振用論理ゲート401aの出力端
子との間を接続する。同様に、B側発振用論理ゲート4
01bは複数(ここでは2つ)の入力端子を備え、各々
の入力端子が、B側発振用コンデンサ404bの1つの
端子、初期化用論理ゲート402の出力端子及びB側同
期用ラッチ回路405bの出力端子に配線される。さら
にB側発振用抵抗403bが、B側発振用コンデンサ4
04bに接続されたB側発振用論理ゲート401bの入
力端子と、B側発振用論理ゲート401bの出力端子と
の間を接続する。最後に、A側発振用コンデンサ404
a及びB側発振用コンデンサ404bの開放端子が、そ
れぞれB側発振用論理ゲート401b及びA側発振用論
理ゲート401aの出力端子に接続される。
【0014】さて、A側発振用論理ゲート401aの出
力端子の電圧がHighレベルである場合、分岐点Eの
電圧もHighレベルになる。したがってクロック信号
ClockAもHighレベルになる。また分岐点E及
びFにおいて、A側発振用論理ゲート401aの出力端
子から供給される電流は、クロック信号ClockA、
A側発振用抵抗403a、B側発振用コンデンサ404
b及び初期化用論理ゲート402に分配される。A側発
振用抵抗403aに分配された電流は、分岐点Gにおい
て、A側発振用論理ゲート401a及びA側発振用コン
デンサ404aに分配される。分岐点Gの電圧が分岐点
E及びFの電圧と等しくなるまで、A側発振用コンデン
サ404aは、分配された電流を入力する。分岐点Gの
電圧がHighレベルになると、分岐点Hの電圧もHi
ghレベルになるので、同期信号SynchA0’もH
ighレベルになる。さらにA側発振用論理ゲート40
1aの1つの入力端子の電圧がHighレベルになるの
で、A側発振用論理ゲート401aの出力端子の電圧が
Lowレベルになる。一方で、A側発振用論理ゲート4
01aの出力端子の電圧がLowレベルの場合、分岐点
Gの電圧が分岐点E及びFの電圧と等しくなるまで、A
側発振用コンデンサ404aは電流を出力する。この電
流は、分岐点Gにおいて、A側発振用論理ゲート401
a及びA側発振用抵抗403aに分配される。A側発振
用抵抗403aに分配された電流は、分岐点Eにおい
て、B側発振用コンデンサ404bからの電流と合流
し、A側発振用論理ゲート401aの出力端子に流入す
る。分岐点Gの電圧がLowレベルになると、分岐点H
の電圧もLowレベルになるので、同期信号Synch
A0’もLowレベルになる。さらにA側発振用論理ゲ
ート401aの他の入力端子の電圧もLowレベルにな
ると、A側発振用論理ゲート401aの出力端子の電圧
がHighレベルになる。
【0015】同様に、B側発振用論理ゲート401bの
出力端子の電圧がHighレベルである場合、分岐点I
の電圧もHighレベルになる。したがってクロック信
号ClockBもHighレベルになる。また分岐点
I、J及びKにおいて、B側発振用論理ゲート401b
の出力端子から供給される電流は、クロック信号Clo
ckB、B側発振用抵抗403b、A側発振用コンデン
サ404a及び初期化用論理ゲート402に分配され
る。B側発振用抵抗403bに分配された電流は、分岐
点Lにおいて、B側発振用論理ゲート401b及びB側
発振用コンデンサ404bに分配される。分岐点Lの電
圧が分岐点I、J及びKの電圧と等しくなるまで、B側
発振用コンデンサ404bは、分配された電流を入力す
る。分岐点Lの電圧がHighレベルになると、分岐点
Mの電圧もHighレベルになるので、同期信号Syn
chB0’もHighレベルになる。さらにB側発振用
論理ゲート401bの1つの入力端子の電圧がHigh
レベルになるので、B側発振用論理ゲート401bの出
力端子の電圧がLowレベルになる。一方で、B側発振
用論理ゲート401bの出力端子の電圧がLowレベル
の場合、分岐点Lの電圧が分岐点I、J及びKの電圧と
等しくなるまで、B側発振用コンデンサ404bは電流
を出力する。この電流は、分岐点Lにおいて、B側発振
用論理ゲート401b及びB側発振用抵抗403bに分
配される。B側発振用抵抗403bに分配された電流
は、分岐点Jにおいて、A側発振用コンデンサ404a
からの電流と合流し、B側発振用論理ゲート401bの
出力端子に流入する。分岐点Lの電圧がLowレベルに
なると、分岐点Mの電圧もLowレベルになるので、同
期信号SynchB0’もLowレベルになる。さらに
B側発振用論理ゲート401bの他の入力端子の電圧も
Lowレベルになると、B側発振用論理ゲート401b
の出力端子の電圧がHighレベルになる。
【0016】なお、A側発振用コンデンサ404a及び
B側発振用コンデンサ404bに蓄えられる電荷量は、
A側発振用論理ゲート401a及びB側発振用論理ゲー
ト401bの出力端子の電圧の差に依存する。
【0017】ここでA側発振用抵抗403a及びB側発
振用抵抗403bの抵抗値を共にRオームとし、A側発
振用コンデンサ404a及びB側発振用コンデンサ40
4bの容量を共にCファラッドとすると、発振部分は、
時定数RCに応じて自励発振をすることにより、2つの
クロック信号ClockA及びClockBと、2つの
同期信号SyncA0’及びSyncB0’を生成する
ことができる。
【0018】同期部分では、同期信号SyncA1’、
SyncA2’、SyncA3’、SyncA4’、S
yncB1’、SyncB2’、SyncB3’及びS
yncB4’に応じて、A側同期用ラッチ回路405a
とA側同期用論理ゲート406a、及びB側同期用ラッ
チ回路405bとB側同期用論理ゲート406bが、そ
れぞれA側発振用論理ゲート401a及びB側発振用論
理ゲート401bを制御する。
【0019】すなわち、A側同期用論理ゲート406a
の複数の入力端子(ここでは4つ)に、それぞれ同期信
号SyncA1’、SyncA2’、SyncA3’及
びSyncA4’が入力され、A側同期用論理ゲート4
06aの出力端子がA側同期用ラッチ回路405aの1
つの入力端子に配線される。またA側同期用ラッチ回路
405aのもう1つの入力端子に同期信号SyncA
O’が入力される。したがって、同期信号SyncA
1’、SyncA2’、SyncA3’及びSyncA
4’の全てがLowレベルである場合、A側同期用ラッ
チ回路405aの出力信号QA’はLowレベルにな
る。さらに同期信号SyncA0’がLowレベルであ
れば、A側発振用論理ゲート401aの出力端子はHi
ghレベルになることができる。ただし、同期信号Sy
ncA1’、SyncA2’、SyncA3’及びSy
ncA4’のうちいずれか1つでもHighレベルであ
る場合、同期信号SyncA0’がHighレベルにな
れば、A側同期用ラッチ回路405aの出力信号QA’
はHighレベルになる。しかも同期信号SyncA
0’が再度Lowレベルになっても、A側同期用ラッチ
回路405aの出力信号QA’はHighレベルのまま
である。したがって同期信号SyncA0’、Sync
A1’、SyncA2’、SyncA3’及びSync
A4’の全てがLowレベルにならなければ、A側発振
用論理ゲート401aの出力端子はHighレベルにな
ることができない。
【0020】同様に、B側同期用論理ゲート406bの
複数の入力端子(ここでは4つ)に、それぞれ同期信号
SyncB1’、SyncB2’、SyncB3’及び
SyncB4’が入力され、B側同期用論理ゲート40
6bの出力端子がB側同期用ラッチ回路405bの1つ
の入力端子に配線される。またB側同期用ラッチ回路4
05bのもう1つの入力端子に同期信号SyncBO’
が入力される。したがって、同期信号SyncB1’、
SyncB2’、SyncB3’及びSyncB4’の
全てがLowレベルである場合、B側同期用ラッチ回路
405bの出力信号QB’はLowレベルになる。さら
に同期信号SyncB0’がLowレベルであれば、B
側発振用論理ゲート401bの出力端子はHighレベ
ルになることができる。ただし、同期信号SyncB
1’、SyncB2’、SyncB3’及びSyncB
4’のうちいずれか1つでもHighレベルである場
合、同期信号SyncB0’がHighレベルになれ
ば、B側同期用ラッチ回路405bの出力信号QB’は
Highレベルになる。しかも同期信号SyncB0’
が再度Lowレベルになっても、B側同期用ラッチ回路
405bの出力信号QB’はHighレベルのままであ
る。したがって同期信号SyncB0’、SyncB
1’、SyncB2’、SyncB3’及びSyncB
4’の全てがLowレベルにならなければ、B側発振用
論理ゲート401bの出力端子はHighレベルになる
ことができない。
【0021】これにより同期部分は、同期信号Sync
A0’及びSyncB0’の位相と周期を、同期信号S
yncA1’、SyncA2’、SyncA3’、Sy
ncA4’、SyncB1’、SyncB2’、Syn
cB3’及びSyncB4’の位相と周期に合わせるこ
とができる。
【0022】初期化用論理ゲート402は、電源投入時
などにA側発振用論理ゲート401a及びB側発振用論
理ゲート401bを制御することにより、同期信号Sy
ncA0’及びSyncB0’の位相を決定するもので
ある。図1の場合、初期化用論理ゲート402として2
入力NORゲートが用いられている。この初期化用論理
ゲート402の2つの入力端子が、それぞれA側発振用
論理ゲート401a及びB側発振用論理ゲート401b
の出力端子に配線され、しかも初期化用論理ゲート40
2の出力信号Osc’がA側発振用論理ゲート401a
の入力端子のうちの1つに入力されているので、A側発
振用論理ゲート401a及びB側発振用論理ゲート40
1bの出力端子の電圧が共にLowレベルの時だけ、出
力信号Osc’はHighレベルになる。このような状
態は、A側発振用論理ゲート401a、A側発振用抵抗
403a、A側発振用コンデンサ404a、A側同期用
ラッチ回路405a、A側同期用論理ゲート406a、
B側発振用論理ゲート401b、B側発振用抵抗403
b、B側発振用コンデンサ404b、B側同期用ラッチ
回路405b、B側同期用論理ゲート406b及び初期
化用論理ゲート402の低品質及び故障が原因である場
合、及びノイズにより同期式発振回路410が誤動作し
た場合を除いて、電源投入時に限られる。したがって初
期化用論理ゲート402は、電源投入時にA側発振用論
理ゲート401aの出力端子の電圧をLowレベルに固
定することができる。これにより、B側発振用論理ゲー
ト401bの出力端子の電圧がHighレベルになるの
で、同期信号SyncA0’及びSyncB0’の位相
が電源投入時に決定される。
【0023】なお、図1では同期式発振回路410が他
の4つの同期式発振回路410から同期信号を入力する
場合を示したが、接続される同期式発振回路410の数
に応じてA側同期用論理ゲート406a及びB側同期用
論理ゲート406bの入力数を変更するか、さもなくば
A側同期用論理ゲート406a及びB側同期用論理ゲー
ト406bの入力端子のうち不必要なものをプルダウン
すれば良い。
【0024】図1の同期式発振回路410は、TTL
(Transistor−Transistor Lo
gic)及びECL(エミッタ結合論理回路)など多く
の半導体技術を用いて実装することができる。ただしC
MOS(相補形金属酸化膜半導体)のようなFET(電
界効果型トランジスタ)を用いた場合には、A側発振用
コンデンサ404a及びB側発振用コンデンサ404b
に蓄えられた電荷がA側発振用論理ゲート401a、A
側同期用ラッチ回路405a、B側発振用論理ゲート4
01b及びB側同期用ラッチ回路405bの入力端子に
一斉に流れた場合、A側発振用論理ゲート401a、A
側同期用ラッチ回路405a、B側発振用論理ゲート4
01b及びB側同期用ラッチ回路405bのいずれかが
破壊される恐れがある。図2に示すように、請求項3記
載の発明に対応する実施形態では、この問題を回避する
ためにA側入力抵抗407a及びB側入力抵抗407b
が用いられる。これにより、A側発振用コンデンサ40
4a及びB側発振用コンデンサ404bに蓄えられた電
荷が、A側発振用論理ゲート401a、A側同期用ラッ
チ回路405a、B側発振用論理ゲート401b及びB
側同期用ラッチ回路405bの入力端子に一斉に流れる
ことはない。またA側入力抵抗407a及びB側入力抵
抗407bにより、A側発振用論理ゲート401a及び
B側発振用論理ゲート401bの入力端子に流れる電流
が減少するので、A側入力抵抗407aとA側発振用コ
ンデンサ404a、及びB側入力抵抗407bとB側発
振用コンデンサ404bから求められる時定数の精度も
上がる。なおA側入力抵抗407a及びB側入力抵抗4
07bの抵抗値を共にR0オームとする。抵抗値R0は
電源電圧、A側発振用論理ゲート401a、A側同期用
ラッチ回路405a、B側発振用論理ゲート401b及
びB側同期用ラッチ回路405bの入力特性、及び容量
Cなどを参考にして決定する。
【0025】さて、LSI技術を用いて論理ゲートのみ
ならず抵抗及びコンデンサを実現したとしても、図1及
び2の個々の部品の性能にはばらつきが生じる。まして
同期式発振回路410に望み通りのクロック周波数を発
生させることは困難である。そこで図3に示すように、
請求項4記載の発明に対応する実施形態では、A側発振
用コンデンサ404aの代りに水晶振動子408を用い
ることにより、同期式発振回路410が水晶振動子40
8の振動数に合わせて自励発振することができる。ただ
しB側発振用コンデンサ404bの容量Cは、同期式発
振回路410がおおよそ水晶振動子408の振動数で自
励発振するような値に設定する必要がある。
【0026】ここまでは同期式発振回路410単体の回
路構成について説明してきた。以下では、複数(ここで
は3個)の同期式発振回路410a〜410cが接続さ
れた場合に、同期式発振回路410a〜410cがお互
いにどのように同期を取るのか、タイミングチャートを
用いて説明する。なおCMOSの場合、入力インピーダ
ンスが高い上、入力電圧のしきい値が電源電圧と接地電
圧の中央に設定され得るので、以下のタイミングチャー
トはCMOSを念頭に作成されている。ただしTTL及
びECLなどの場合でも、タイミングチャートは同様の
波形となる。
【0027】まず図4に示すように、3つの同期式発振
回路410a〜410cが接続された場合を考える。な
お、図4において、同期式発振回路410a〜410c
をSOUと略記する。各々の同期式発振回路410a〜
410cの同期信号SyncA0’及びSyncB0’
は、それぞれ残りの同期式発振回路410a〜410c
のA側同期用論理ゲート406a及びB側同期用論理ゲ
ート406bに入力される。したがってA側同期用論理
ゲート406a及びB側同期用論理ゲート406bは2
入力論理ゲートであれば良い。これら3つの同期式発振
回路410a〜410cが安定して自励発振していると
き、同期式発振回路410aのタイミングチャートを図
5に示す。なお、全ての同期式発振回路410a〜41
0cは対称的なので、同期式発振回路410b及び41
0cのタイミングチャートも同様である。
【0028】図5から明らかなように、同期式発振回路
410a〜410cが自励発振している場合には、クロ
ック信号ClockA及びClockBが同時にHig
hレベル(Hレベル)になることはない。そのため初期
化用論理ゲート402の出力は常にLowレベル(Lレ
ベル)となる。またA側発振用論理ゲート401a及び
B側発振用論理ゲート401bの真理値表の非対称性に
従い、A側発振用コンデンサ404a及びB側発振用コ
ンデンサ404bの電圧が放電によりA側発振用論理ゲ
ート401a及びB側発振用論理ゲート401bの入力
電圧のしきい値に到達した時点を起点として同期式発振
回路410a〜410cが自励発振する。
【0029】図6に示すように、同期信号SyncA
1’及びSyncB1’の波形が何らかの理由により短
くなった場合、同期式発振回路410は同期信号Syn
cA1’及びSyncB1’に関係なく動作する。した
がってクロック信号ClockA及びClockBに対
して影響はない。なお、同期信号SyncA1’及びS
yncB1’を生成する同期式発振回路410は、同期
信号SyncA1’及びSyncB1’を同期信号Sy
ncA0’、SyncA2’、SyncB0’及びSy
ncB2’の位相に合わせるように動作する。
【0030】図7に示すように、同期信号SyncA
2’及びSyncB2’の波形が何らかの理由により長
くなった場合、同期式発振回路410aは、同期信号S
yncB0’(又はSyncA0’)の位相を同期信号
SyncB2’(又はSyncA2’)の位相に合わせ
るように動作する。したがってクロック信号Clock
A及びClockBの周期は同期信号SyncB2’
(又はSyncA2’)の周期に合わせて長くなる。
【0031】図8に示すように、同期信号SyncA
1’及びSyncB1’の波形が何らかの理由により短
くなり、同期信号SyncA2’及びSyncB2’の
波形が何らかの理由により長くなった場合、同期式発振
回路410aは同期信号SyncB0’(又はSync
A0’)の位相を同期信号SyncB2’(又はSyn
cA2’)の位相に合わせるように動作する。したがっ
てクロック信号ClockA及びClockBの周期は
同期信号SyncB2’(又はSyncA2’)の周期
に合わせて長くなる。
【0032】上記より、3つの同期式発振回路410a
〜410cは、これらのうち最も周期が長いものに同期
することが判る。このことは、時定数が微妙に異なる同
期式発振回路410が接続された場合にも成り立つ。
【0033】図9に示すように、電源投入時に全ての信
号の電圧は0ボルトとなるので、A側発振用論理ゲート
401a及びB側発振用論理ゲート401bの出力、つ
まりクロック信号ClockA及びClockBはLレ
ベルと見なされる。したがって初期化用論理ゲート40
2の出力、つまり信号Osc’は直ちにHレベルに変化
する。同時にクロック信号ClockA及びClock
BもHレベルに変化する。しかしながら信号Osc’が
Hレベルになると、クロック信号ClockAは強制的
にLレベルに変更されるので、結果としてクロック信号
ClockBのみがHレベルとなる。このとき信号Os
c’はLレベルになり、その後Lレベルを持続する。こ
れにより電源投入後、同期信号SyncA0’及びSy
ncB0’の位相が一意に決定される。
【0034】ここまでは請求項1ないし3記載の発明に
対応した実施形態の同期式発振回路410を3つ接続し
た場合のタイミングチャートについて説明したが、3つ
の同期式発振回路410のうち少なくとも1つに、請求
項4記載の発明に対応した実施形態の同期式発振回路4
10を用いた場合も同様の動作をする。ただし水晶振動
子408の周期は一定であると見なせるので、水晶振動
子408を含まない同期式発振回路410の位相が、水
晶振動子408を含む同期式発振回路410の位相に合
うように、水晶振動子408を含まない同期式発振回路
410の波形の長さが優先的に変化する。したがって、
同期式発振回路410のネットワークにおいて、水晶振
動子408を含む同期式発振回路410が少なくとも1
つあれば、ネットワーク全体のクロック周波数を一定に
保つことができる。
【0035】さて、請求項1、2、又は3記載の発明に
対応した実施形態は、必ずしも図4のように他の全ての
同期式発振回路410と接続される必要はない。そこで
以下では、同期式発振回路410が規則的に配列された
場合について説明する。
【0036】図10に示すように、請求項5記載の発明
に対応した実施形態は、正方格子状に配列された同期式
発振回路410を隣接同士接続したネットワークであ
る。この場合、A側同期用論理ゲート406a及びB側
同期用論理ゲート406bの入力数は4となる。なお、
辺縁の同期式発振回路410において、接続先のないA
側同期用論理ゲート406a及びB側同期用論理ゲート
406bの入力はプルアップ又はプルダウンされるもの
とする。同期式発振回路410を正方格子状に配列する
代りに、図11に示すように同期式発振回路410を六
角格子状に配列して隣接同士を接続することもできる。
このように同期式発振回路410が規則的に配置される
ことにより、全ての同期信号用信号線の長さがほぼ等し
くなるので、同期式発振回路410は互いに同期し易く
なる。したがって、パイプライン処理装置、DSP(D
igital Signal Processor)、
シストリックアレイ、データフロープロセッサ、及び並
列画像処理装置のように大規模で規則的なデジタル回路
に対して、これらの二次元ネットワークは、外部からの
クロック信号を分配する場合に比べて、クロック信号を
容易に供給することができる。
【0037】図12に示すように、請求項6記載の発明
に対応した実施形態は、上述の正方格子状(又は六角格
子状)に配列された同期式発振回路410を、三次元L
SI技術を用いて複数重ね合わせたネットワークであ
る。同期式発振回路410が正方格子状に配列された場
合には、A側同期用論理ゲート406a及びB側同期用
論理ゲート406bの入力数は6となり、同期式発振回
路410が六角格子状に配列された場合には、A側同期
用論理ゲート406a及びB側同期用論理ゲート406
bの入力数は8となる。図12の場合、正方格子状に配
列された同期式発振回路410のネットワークが3個積
層されており、各々の同期式発振回路410の同期信号
が実線で表されている。なお、各々の同期式発振回路4
10のA側同期用論理ゲート406a及びB側同期用論
理ゲート406bの入力端子のうち、隣接する同期式発
振回路410と接続されていないものは、プルアップ又
はプルダウンされているものとする。図12から明らか
なように、各層の同期式発振回路410が重なり合うこ
とにより、層間の同期信号の信号線の長さは等しく、し
かも最短になる。したがって層間の配線材料を変更した
り、又はディレイラインなどを用いることにより、層を
跨ぐ同期信号の伝搬遅延時間は、層内の同期信号の伝搬
遅延時間と等しくなるように容易に調整され得るので、
異なる層の同期式発振回路410は互いに同期すること
ができる。
【0038】さらに、図13に示すように、請求項7記
載の発明に対応した実施形態は、正方格子状(又は六角
格子状)に配列された同期式発振回路410のネットワ
ークと、プロセッサ及び演算回路などのデジタル回路4
31と、フォトダイオード及びA/D変換回路などのア
ナログ回路432と、を三次元LSIの異なる層に実装
する。図13の場合、正方格子状に配列された同期式発
振回路410が第2層及び第5層に実装され、デジタル
回路431が第1層、第3層及び第4層に実装され、ア
ナログ回路432が第6層に実装されている。図13に
おいて、実線は同期信号を表し、破線はクロック信号を
表す。またクロック信号及び同期信号以外の信号線は省
略されている。第2層及び第5層に実装された同期式発
振回路410のうち、重なり合ったもの同士は互いの同
期信号を入力するので、第2層及び第5層にある全ての
同期式発振回路410は同じ位相と周期のクロック信号
を生成することができる。さらに同期式発振回路410
のネットワークがデジタル回路431及びアナログ回路
432と異なる層に実装され得るで、デジタル回路43
1及びアナログ回路432の配置によって同期式発振回
路410の配置がずれることもなく、しかも同期信号の
信号線が迂回することもない。さらに三次元LSIの各
層の間にノイズ対策を施すことにより、同期式発振回路
410はデジタル回路431及びアナログ回路432の
ノイズに影響されないので、同期式発振回路410は安
定に動作する。同様に、デジタル回路431及びアナロ
グ回路432は、これらの配置場所に関係なく、最短距
離の同期式発振回路410からクロック信号を入力する
ことができる。このことは、LSI設計者がデジタル回
路431及びアナログ回路432の実装層内でクロック
信号の信号線を引き回す必要がないことを意味するの
で、このLSI設計者は、デジタル回路431及びアナ
ログ回路432を任意の場所に配置しても、クロック信
号の伝搬遅延時間を一定範囲内に収めることができる。
したがって、デジタル回路431及びアナログ回路43
2の設計も容易になる。特に、図13に示すような同期
式発振回路410のネットワークは、正方格子状又は六
角格子状に配列されたプロセッサが一斉に処理したデー
タを垂直方向に向かってパイプライン処理するような、
シストリックアレイ及び並列画像処理装置に対して効率
よくクロック信号を供給することができる。
【0039】以上、本実施形態を説明したが、本発明は
上述の実施形態には限定されることはなく、当業者であ
れば種々なる態様を実施可能であり、本発明の技術的思
想を逸脱しない範囲において本発明の構成を適宜改変で
きることは当然であり、このような改変も、本発明の技
術的範囲に属するものである。
【0040】
【発明の効果】請求項1、2及び3記載の発明によれ
ば、TTL(Transistor−Transist
or Logic)及びECL(エミッタ結合論理回
路)のようなバイポーラ半導体、及びCMOS(相補形
金属酸化膜半導体)などの半導体製造技術に関係なく、
簡単な回路を追加するだけでLSI(Large Sc
ale Integrated Circuit)全体
のデジタル回路431を同期させることができる。本発
明を用いることにより、半導体メーカは高速動作が必要
なプロセッサ及び計測機器を容易に設計することができ
るようになる。
【0041】請求項4記載の発明によれば、利用者は水
晶振動子を用いて同期式発振回路のクロック周波数を正
確に設定できるので、請求項1ないし3記載の同期式発
振回路と接続することにより、全ての同期式発振回路の
クロック周波数を水晶振動子の振動数に合わせることが
できる。
【0042】請求項5記載の発明によれば、正方格子状
又は六角格子状に配列された同期式発振回路の各々は、
隣接する同期式発振回路間の距離に関わらず、クロック
信号の位相及び周期を等しくすることができる。つま
り、求められるクロック信号の周波数が同期式発振回路
自体の動作周波数の範囲内であれば、LSI設計者は、
隣接する同期式発振回路間の同期信号の伝搬遅延時間を
計算して、隣接する同期式発振回路間の距離を変更する
ことにより、求められるクロック信号をLSI全体に分
配することができる。
【0043】請求項6記載の発明によれば、同期式発振
回路のネットワークが三次元LSIの複数の層に実装さ
れても、全ての同期式発振回路は、位相及び周期が等し
いクロック信号を生成することができる。したがって、
例え三次元LSIの層数が増えたとしても、LSI設計
者は、求められるクロック信号を三次元LSI全体に分
配することができる。
【0044】請求項7記載の発明によれば、同期式発振
回路の配置が容易になるので、同期式発振回路のネット
ワークは、プロセッサ及び演算回路などのデジタル回路
にクロック信号を安定的に供給することができる。しか
もこれらのデジタル回路はどの同期式発振回路からでも
クロック信号を入力することができるので、LSI設計
者はデジタル回路を自由に配置することができる。した
がって、高速プロセッサの開発で問題となるクロック信
号の伝搬遅延時間及びクロックスキューが容易に解決さ
れる。また、パイプライン処理装置、DSP(Digi
tal Signal Processor)、シスト
リックアレイ、データフロープロセッサ、及び並列画像
処理装置など大規模になればなるほど性能が向上する並
列システムの場合、デジタル回路431全体に同期した
クロック信号を供給することができるので、LSI設計
者はクロック信号の遅延時間の問題を回避しながら大規
模な並列システムを設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】NORゲートを用いた基本的な同期式発振回路
の回路図である。
【図2】入力抵抗を用いた同期式発振回路の回路図であ
る。
【図3】水晶振動子を用いた場合の同期式発振回路の回
路図である。
【図4】3つの同期式発振回路から構成されるネットワ
ークのブロック図である。
【図5】3つの同期式発振回路が同期した場合のタイミ
ングチャートである。
【図6】3つの同期式発振回路のうち1つの位相が進ん
だ場合のタイミングチャートである。
【図7】3つの同期式発振回路のうち1つの位相が遅れ
た場合のタイミングチャートである。
【図8】3つの同期式発振回路の位相が異なる場合のタ
イミングチャートである。
【図9】3つの同期式発振回路に電源が投入された場合
のタイミングチャートである。
【図10】正方格子状に配列された同期式発振回路から
構成されるネットワークのブロック図である。
【図11】六角格子状に配列された同期式発振回路から
構成されるネットワークのブロック図である。
【図12】格子が重なるように同期式発振回路を積層し
た場合の説明図である。
【図13】同期式発振回路、デジタル回路及びアナログ
回路を積層した場合の説明図である。
【符号の説明】
401a A側発振用論理ゲート 401b B側発振用論理ゲート 402 初期化用論理ゲート 403a A側発振用抵抗 403b B側発振用抵抗 404a A側発振用コンデンサ 404b B側発振用コンデンサ 405a A側同期用ラッチ回路 405b B側同期用ラッチ回路 406a A側同期用論理ゲート 406b B側同期用論理ゲート 407a A側入力抵抗 407b B側入力抵抗 408 水晶振動子 410 同期式発振回路 431 デジタル回路 432 アナログ回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のクロック信号を出力する発振部
    分、複数の同期信号を入出力する同期部分、及び、初期
    化部分を含む同期式発振回路であって、 前記発振部分は、環状に接続された第1の発振用論理ゲ
    ート、第2の発振用論理ゲート、第1の発振用コンデン
    サ、及び第2の発振用コンデンサを備え、更に、いずれ
    か1つの前記発振用論理ゲートの少なくとも1つの入力
    と1つの出力とを接続する発振用抵抗を備え、 前記同期部分は、いずれか1つの前記発振用論理ゲート
    の出力を制御し、 前記初期化部分は、前記第1及び第2の発振用論理ゲー
    トの前記出力を入力して、少なくとも1つの前記発振用
    論理ゲートの前記出力を制御する初期化用論理ゲートを
    備えることを特徴とする同期式発振回路。
  2. 【請求項2】 2つの発振用論理ゲートと、2つの発振
    用抵抗と、2つの発振用コンデンサと、2つの同期用ラ
    ッチ回路と、2つの同期用論理ゲートと、初期化用論理
    ゲートと、を含む同期式発振回路であって、 前記2つの発振用論理ゲート及び前記2つの発振用コン
    デンサが環状に接続されること、 前記2つの発振用抵抗の各々が、いずれか1つの前記発
    振用論理ゲートの少なくとも1つの入力と1つの出力を
    接続すること、 1つの前記同期用ラッチ回路及び1つの前記同期用論理
    ゲートからなる2つの論理回路の各々が、いずれか1つ
    の前記発振用論理ゲートの前記出力を制御すること、 前記初期化用論理ゲートが、前記2つの発振用論理ゲー
    トの前記出力を入力して、少なくとも1つの前記発振用
    論理ゲートの前記出力を制御すること、 を特徴とする同期式発振回路。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の同期式発振回路に
    対して、前記2つの発振用論理ゲートの各々が少なくと
    も1つの入力抵抗を備えたことを特徴とする同期式発振
    回路。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれかに記載の同期
    式発振回路に対して、前記2つの発振用コンデンサのう
    ち、少なくとも1つの代りに水晶振動子を用いることを
    特徴とする同期式発振回路。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれかに記載の複数
    の同期式発振回路を正方格子状又は六角格子状に配列し
    た発振回路ネットワークであって、 各々の前記同期式発振回路のいずれか1つの前記発振用
    コンデンサから出力される同期信号が隣接する前記同期
    式発振回路のクロック信号の位相をずらすことにより、
    全ての前記同期式発振回路の前記クロック信号の位相が
    揃うことを特徴とする発振回路ネットワーク。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の発振回路ネットワーク
    を、格子が重なるように積層したことを特徴とする発振
    回路ネットワーク。
  7. 【請求項7】 複数のデジタル回路又は複数のアナログ
    回路からなる第一の電子回路と、 請求項5又は6記載の1個以上の発振回路ネットワーク
    を含む第二の電子回路と、が複数の層に積層され、 前記第一の電子回路が、前記1個以上の発振回路ネット
    ワークのうち、少なくとも1個の前記同期式発振回路か
    らクロック信号を入力することを特徴とする発振回路ネ
    ットワーク。
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