JP2002025872A - アルミ電解コンデンサの寿命推定方法 - Google Patents

アルミ電解コンデンサの寿命推定方法

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JP2002025872A
JP2002025872A JP2000209412A JP2000209412A JP2002025872A JP 2002025872 A JP2002025872 A JP 2002025872A JP 2000209412 A JP2000209412 A JP 2000209412A JP 2000209412 A JP2000209412 A JP 2000209412A JP 2002025872 A JP2002025872 A JP 2002025872A
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JP
Japan
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electrolytic capacitor
aluminum electrolytic
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temperature
driving electrolyte
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JP2000209412A
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Inventor
Masami Naito
真佐美 内藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実使用環境では温度差により駆動用電解液の
蒸発が速くなり、寿命推定の精度が悪いという課題を解
決し、実使用環境を想定して高精度の寿命推定を行うこ
とができるアルミ電解コンデンサの寿命推定方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 少なくとも2水準の加熱温度環境下にお
ける駆動用電解液の平均蒸発速度を求め、この駆動用電
解液の平均蒸発速度とアルミ電解コンデンサに加わる温
度との関係から製品の寿命を推定するようにしたことに
より、実使用環境に合った精度の高い寿命推定を行うこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種電子機器に使用
されるアルミ電解コンデンサの寿命推定方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミ電解コンデンサは粗面化
したアルミニウム製の陽極箔に誘電体酸化皮膜を形成し
た後、その間にセパレータを介在させて陰極箔と共に巻
回することによりコンデンサ素子を形成し、このコンデ
ンサ素子に駆動用電解液を含浸して有底筒状のアルミニ
ウムケースに収納した後、このアルミニウムケースの開
放端をゴム等の弾性体からなる封口部材で封止すること
によって構成されているものである。
【0003】また、このように構成された従来のアルミ
電解コンデンサでは、駆動用電解液が含浸されたコンデ
ンサ素子を収納したアルミニウムケースの封止をゴム等
の弾性体からなる封口部材で行うようにしているために
完全に密封することが困難であり、このために時間の経
過と共に駆動用電解液が徐々に蒸発し、静電容量の減
少、tanδの増加等に代表されるアルミ電解コンデン
サとしての重要な電気特性が劣化するという問題を有し
ていた。
【0004】従って、従来のアルミ電解コンデンサの寿
命を推定するに当たっては、アレニウスモデル式に従
い、駆動用電解液の蒸発速度は温度が10℃上昇する毎
に2倍になると近似されることから、使用温度が10℃
上昇する毎に寿命は半減するという計算によって行われ
ているものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のアルミ電解コンデンサの寿命推定方法では、一定温度
下における駆動用電解液の蒸発速度に基づいて計算を行
う方法であるため、アルミ電解コンデンサを実際に使用
する環境で温度が変動する(温度差が加わる)場合に
は、一定温度下による電解液の蒸発よりも蒸発が速くな
り、このために上記計算によって求めたアルミ電解コン
デンサの寿命よりも短くなり、計算値と現実が合致しな
いという課題を有したものであった。
【0006】本発明はこのような従来の課題を解決し、
より実使用環境に適合した精度の高い寿命推定を行うこ
とができるアルミ電解コンデンサの寿命推定方法を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の請求項1に記載の発明は、コンデンサ素子に
含浸されてアルミニウムケース内に収納された駆動用電
解液の蒸発によって生ずる静電容量の減少、tanδの
増加の設定値を故障判断基準として製品の寿命を予測す
るアルミ電解コンデンサの寿命推定方法において、少な
くとも2水準の加熱温度環境下における駆動用電解液の
平均蒸発速度を求め、この駆動用電解液の平均蒸発速度
とアルミ電解コンデンサに加わる温度との関係から製品
の寿命を推定するようにしたアルミ電解コンデンサの寿
命推定方法というものであり、この方法により、駆動用
電解液の平均蒸発速度に与える使用温度環境に応じた寿
命推定が精度良く行えると共に、加速試験条件に対する
温度加速係数を精度良く算出することができるという作
用効果が得られる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、駆動用電解液の平均蒸発速度とアルミ
電解コンデンサに加わる温度との関係に代えて、駆動用
電解液の平均蒸発速度とアルミ電解コンデンサに加わる
温度変化の幅との関係から製品の寿命を推定するように
したアルミ電解コンデンサの寿命推定方法というもので
あり、この方法により、アルミ電解コンデンサの発熱・
放熱といった実使用環境に対応した寿命推定が精度良く
行えるという作用効果が得られる。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、駆動用電解液の平均蒸発速度とアルミ
電解コンデンサに加わる温度との関係に代えて、駆動用
電解液の平均蒸発速度とアルミ電解コンデンサに加わる
温度ならびに温度変化の幅との関係から製品の寿命を推
定するようにしたアルミ電解コンデンサの寿命推定方法
というものであり、この方法により、請求項1ならびに
2に記載の発明により得られる作用効果を同時に得ら
れ、より精度の高い寿命推定を行うことができるという
作用効果が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて説明する。
【0011】本発明では従来の同方法と同じく、特性変
化によって特性値が設定の値に達した時の電解液の蒸発
量を蒸発速度で除することにより寿命推定を行ってお
り、まず、一定温度下での駆動用電解液の蒸発速度と温
度との相関を改めて検証したところ、両者の関係はアレ
ニウスモデル式に従い、(数1)のように表される。
【0012】
【数1】
【0013】図1はアルミ電解コンデンサに所定の熱衝
撃(温度差)を加えた時のアルミ電解コンデンサの温度
変化を示したものであるが、上記(数1)を用いてこの
アルミ電解コンデンサの温度変化を図2に示すように駆
動用電解液の蒸発速度に置き換えると高温環境下におけ
る駆動用電解液の蒸発速度の時間変化が得られる。これ
を時間平均すると、駆動用電解液の平均蒸発速度は(数
2)のように表される。
【0014】
【数2】
【0015】次に、(表1)に示す条件で行った熱衝撃
(温度差)試験時の駆動用電解液の蒸発量を図3に示す
が、この結果には温度・温度変化の幅の両方の影響が含
まれているため、上記(数2)を用いて試験条件間で温
度ストレスが同一になるように補正した結果を図4に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】この蒸発量の差異は温度変化が起こること
によって生じた封止性能の低下によるものと考えられる
ため、アイリングの熱衝撃モデル式を展開して(数3)
に示す実験式を求めた。
【0018】
【数3】
【0019】このようにして求めた(数2)、(数3)
を掛け合わせることにより、従来の方法では使用温度し
か考慮していないのに対し、温度変化が加わった場合の
影響も加味した駆動用電解液の蒸発速度の推定、すなわ
ち、精度の高いアルミ電解コンデンサの寿命推定を行う
ことが可能になるものである。
【0020】このようにして得られた方法により、一例
としてJIS692形(φ25×25mm)、JIS04
形(φ16×31.5mm)で105℃保証のアルミ電解
コンデンサを使用した場合に、使用温度および温度変化
の幅によって保証寿命の何倍の寿命が期待されるかを求
めた結果を図5に示す。(数2)より平均温度ストレス
が25〜105℃の範囲で使用した場合、温度ストレス
の軽減によって寿命は延び、推定寿命は保証時間にJI
S692形で1〜約180、JIS04形で1〜約45
0を乗じた時間となる。また(数3)より温度変化の幅
が0〜140℃の範囲で使用した場合、温度変化が加わ
ることによって寿命は短くなり、推定寿命は保証時間に
JIS692形で約0.53〜1、JIS04形で約
0.63〜1を乗じた時間となるものである。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、アルミ電
解コンデンサからの駆動用電解液の蒸発を加速する要因
としての温度および温度変化の幅の両方の影響を個別評
価しているため、使用環境に適合した精度の高い寿命推
定を行うことが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱衝撃試験時のアルミ電解コンデ
ンサの温度変化を示す特性図
【図2】同熱衝撃試験時の電解液の蒸発速度の変化を示
す特性図
【図3】同熱衝撃試験時の電解液の蒸発量を示す特性図
【図4】同温度変化の幅と電解液の蒸発量との関係を示
す特性図
【図5】同温度・温度変化の幅とアルミ電解コンデンサ
の推定寿命との関係を示す特性図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンデンサ素子に含浸されてアルミニウ
    ムケース内に収納された駆動用電解液の蒸発によって生
    ずる静電容量の減少、tanδの増加の設定値を故障判
    断基準として製品の寿命を予測するアルミ電解コンデン
    サの寿命推定方法において、少なくとも2水準の加熱温
    度環境下における駆動用電解液の平均蒸発速度を求め、
    この駆動用電解液の平均蒸発速度とアルミ電解コンデン
    サに加わる温度との関係から製品の寿命を推定するよう
    にしたアルミ電解コンデンサの寿命推定方法。
  2. 【請求項2】 駆動用電解液の平均蒸発速度とアルミ電
    解コンデンサに加わる温度との関係に代えて、駆動用電
    解液の平均蒸発速度とアルミ電解コンデンサに加わる温
    度変化の幅との関係から製品の寿命を推定するようにし
    た請求項1に記載のアルミ電解コンデンサの寿命推定方
    法。
  3. 【請求項3】 駆動用電解液の平均蒸発速度とアルミ電
    解コンデンサに加わる温度との関係に代えて、駆動用電
    解液の平均蒸発速度とアルミ電解コンデンサに加わる温
    度ならびに温度変化の幅との関係から製品の寿命を推定
    するようにした請求項1に記載のアルミ電解コンデンサ
    の寿命推定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006284294A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Kansai Electric Power Co Inc:The 電解コンデンサの劣化診断装置および劣化診断方法
KR100797368B1 (ko) * 2001-11-12 2008-01-22 주식회사 포스코 조질압연기의 롤 간격조정장치
US9397593B2 (en) 2012-06-05 2016-07-19 Mitsubishi Electric Corporation Motor control device

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