JP7069593B2 - 電池状態推定装置及び電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電池状態推定装置及び電源装置に関する。
二次電池では、充放電可能な電池容量は、正極及び負極における電極容量に依存する。そして、両電極が劣化すると正極及び負極における電極容量が低下し、充放電可能な電池容量が低下することとなる。このような二次電池の劣化による充電状態の推定装置として、特許文献1には、電極ごとに電極容量と開放電圧との関係を示すOCV曲線を予め取得しておくとともに、各電極が劣化した場合には、電極ごとにOCV曲線が全体の形状を保ちつつ縮小するように変化するものとして、すなわち相似的に変化するものとして、かかる電極の劣化を反映することにより、二次電池の充電状態の推定を行う構成が開示されている。
特開2010-60384号公報
しかしながら、二次電池における劣化による電極のOCV曲線の形状変化は、必ずしも相似的に変化するものではない。従って、特許文献1に開示の構成では、OCV曲線の形状変化が相似的に変化しない場合は、二次電池の充電状態の推定精度が低下することから、推定精度の向上に改善の余地がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、リチウムイオン二次電池の充電状態を高い精度で推定することができる電池状態推定装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、リチウムイオン二次電池(60)の充電状態を推定するための電池状態推定装置(1)であって、
上記リチウムイオン二次電池に関する特定情報を上記リチウムイオン二次電池から取得する特定情報取得部(10)と、
上記リチウムイオン二次電池の開放電圧を取得する電池OCV取得部(20)と、
上記リチウムイオン二次電池の正極における活物質量及び容量密度を含む正極情報を取得する正極情報取得部(30)と、
上記リチウムイオン二次電池の負極における活物質量及び容量密度を含む負極情報を取得する負極情報取得部(40)と、
上記正極情報と上記特定情報とに対応付けられた状態で、上記正極における電極容量と電極開放電圧との関係を示す正極OCV曲線の形状変化情報が記憶された形状変化情報記憶部(31)と、
上記正極情報取得部によって取得された上記正極情報と上記特定情報取得部によって取得された上記特定情報とに基づいて、上記形状変化情報記憶部から上記正極OCV曲線の形状変化情報を抽出する形状変化情報抽出部(32)と、
上記形状変化情報抽出部によって取得された上記正極OCV曲線の形状変化情報に基づいて、上記正極OCV曲線を特定する正極OCV曲線特定部(33)と、
上記負極情報取得部によって取得された上記負極情報に基づいて、上記負極における電極容量と電極開放電圧との関係を示す負極OCV曲線を特定する負極OCV曲線特定部(41)と、
上記正極OCV曲線特定部によって特定された上記正極OCV曲線と、上記負極OCV曲線特定部によって特定された上記負極OCV曲線とから、上記リチウムイオン二次電池における充電状態と開放電圧との関係を示す電池OCV曲線を算出する電池OCV曲線算出部(50)と、
上記電池OCV取得部によって取得された上記リチウムイオン二次電池の開放電圧と、上記電池OCV曲線算出部によって算出された上記電池OCV曲線とから、上記リチウムイオン二次電池における充電状態を推定する充電状態推定部(51)と、
を有し、
上記リチウムイオン二次電池に関する特定情報は、上記リチウムイオン二次電池の使用履歴及び電池特性の少なくとも一つであり、
上記電池特性は、電池抵抗及び区間電池容量の少なくとも一つであり、
上記正極の活物質量及び容量密度は、上記リチウムイオン二次電池の開放電圧、電池電流及び電池温度を取得したうえで、あらかじめ記憶されている上記正極の活物質量及び容量密度と上記リチウムイオン二次電池の開放電圧、電池電流及び電池温度との対応関係に基づいて算出することにより取得し、
上記負極の活物質量及び容量密度は、上記リチウムイオン二次電池の開放電圧、電池電流及び電池温度を取得したうえで、あらかじめ記憶されている上記負極の活物質量及び容量密度と上記リチウムイオン二次電池の開放電圧、電池電流及び電池温度との対応関係に基づいて算出することにより取得する、電池状態推定装置にある。
本発明者らは、鋭意検討の末、二次電池における劣化による電極のOCV曲線の形状変化は特に正極において顕著であって、正極におけるOCV曲線の形状変化が充電状態の推定精度に強く影響することを見い出した。そして、上記電池状態推定装置においては、形状変化情報記憶部に正極OCV曲線の形状変化情報が記憶されている。さらに、形状変化情報抽出部により、正極における活物質量及び容量密度を含む正極情報とリチウムイオン二次電池に関する特定情報とに基づいて、形状変化情報記憶部から正極OCV曲線の形状変化情報を抽出し、正極OCV曲線特定部により正極OCV曲線を特定する。充電状態推定部において、正極OCV曲線と負極OCV曲線とにより算出された電池OCV曲線と、リチウムイオン二次電池の開放電圧とから充電状態を推定する。以上のように、電池OCV曲線は正極OCV曲線の形状変化情報が反映されているため、高精度に充電状態を推定することができる。
以上のごとく、本発明によれば、リチウムイオン二次電池の充電状態を高い精度で推定することができる電池状態推定装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、電池状態推定装置及び電源装置の構成を表すブロック図。 実施形態1における、正極OCV曲線の形状変化を説明するための概念図。 実施形態1における、使用態様を示すフロー図。 図4(a)は試験例1における確認試験の結果を示す図、図4(b)は試験例2における確認試験の結果を示す図。 図5(a)は試験例3における確認試験の結果を示す図、図5(b)は試験例2における確認試験の結果を示す図。 実施形態4における、確認試験の結果を示す図。
(実施形態1)
上記電池状態推定装置及び電源装置の実施形態について、図1~図3を用いて説明する。
図1に示す本実施形態の電池状態推定装置1は、リチウムイオン二次電池60の充電状態を推定するためのものである。電池状態推定装置1は、特定情報取得部10、電池OCV取得部20、正極情報取得部30、負極情報取得部40、形状変化情報記憶部31、形状変化情報抽出部32、正極OCV曲線特定部33、負極OCV曲線特定部41、電池OCV曲線算出部50、充電状態推定部51を有する。
特定情報取得部10は、リチウムイオン二次電池60に関する特定情報を取得する。
電池OCV取得部20、リチウムイオン二次電池60の開放電圧を取得する。
正極情報取得部30は、リチウムイオン二次電池60の正極における活物質量及び容量密度を含む正極情報を取得する。
負極情報取得部40は、リチウムイオン二次電池60の負極における活物質量及び容量密度を含む負極情報を取得する。
形状変化情報記憶部31には、正極情報と特定情報とに対応付けられた状態で、正極における電極容量と電極開放電圧との関係を示す正極OCV曲線の形状変化情報が記憶されている。
形状変化情報抽出部32は、正極情報取得部30によって取得された正極情報と特定情報取得部10によって取得された特定情報とに基づいて、形状変化情報記憶部31から正極OCV曲線の形状変化情報を抽出する。
正極OCV曲線特定部33は、形状変化情報抽出部32によって取得された正極OCV曲線の形状変化情報に基づいて、正極OCV曲線を特定する。
負極OCV曲線特定部41は、負極情報取得部40によって取得された負極情報に基づいて、負極における電極容量と電極開放電圧との関係を示す負極OCV曲線を特定する。
電池OCV曲線算出部50は、正極OCV曲線特定部によって特定された正極OCV曲線と、負極OCV曲線特定部41によって特定された負極OCV曲線とから、リチウムイオン二次電池60における充電状態と開放電圧との関係を示す電池OCV曲線を算出する。
充電状態推定部51は、電池OCV取得部20によって取得されたリチウムイオン二次電池60の開放電圧と、電池OCV曲線算出部50によって算出された電池OCV曲線とから、リチウムイオン二次電池60における充電状態を推定する。
以下、本実施形態の電池状態推定装置1及び電源装置100について、詳述する。
図1に示す電源装置100は、電池状態推定装置1とリチウムイオン二次電池60(以下、二次電池60ともいう)とを含む。電源装置100は、例えば、電気自動車等の電源装置として利用することができる。二次電池60は正極及び負極を備える。二次電池60における正極材料は、特に限定されないが、例えば、マンガン酸リチウムLiMn2O4、ニッケル-マンガン-コバルト酸リチウムLiNiMnCoO2とすることができる。二次電池60における負極材料は、特に限定されないが、例えば、黒鉛、チタン酸リチウムLi4Ti5O12とすることができる。
図1に示す特定情報取得部10は、取得対象となる特定情報を検出可能な所定のセンサ、又は所定のセンサにより検出された値に基づいて特定情報を導出する演算装置からなる。特定情報取得部10が取得する特定情報は、二次電池60の使用履歴及び電池特性の少なくとも一つとすることができる。二次電池60の使用履歴としては、充電状態、電流値、電圧値及び電池温度の少なくとも一つに関する履歴情報を採用することができる。また、二次電池60の電池特性としては、電池抵抗、区間電池容量、及び出力抵抗と入力抵抗との比率の少なくとも一つとすることができる。例えば、二次電池60の特定情報として充電状態や電池特性を取得する場合は、予めこれらの特定情報と二次電池60から検出可能な所定のパラメータとの対応関係を記憶しておく。そして、特定情報を取得する際に二次電池60から検出した所定のパラメータと当該対応関係とから特定情報を算出することができる。当該対応関係は、理論モデル、数式、マップなどの形式とすることができる。なお、特定情報取得部10により取得された特定情報は、図示しない書き換え可能なメモリからなる特定情報格納部に格納される。
図1に示す電池OCV取得部20は、二次電池60の開放電圧を取得するための電圧センサからなる。電池OCV取得部20による二次電池60の開放電圧の取得は、常時行っても良いし、充電状態を推定するタイミングに応じて行っても良い。なお、電池OCV取得部20により取得された二次電池60の開放電圧は、図示しない書き換え可能なメモリからなる電池OCV格納部に格納される。
図1に示す正極情報取得部30は、取得対象となる正極情報を取得可能な装置からなる。正極情報には、二次電池60の正極の活物質量及び容量密度が含まれる。正極情報取得部30には、予めモデル二次電池から取得した、正極の活物質量及び容量密度と、二次電池60の開放電圧、電池電流及び電池温度との対応関係が記憶されている。そして、正極情報取得部30は、二次電池60の開放電圧、電池電流及び電池温度を取得して上記対応関係に基づいて、正極の活物質量及び容量密度を算出し取得する。なお、正極の活物質量とは正極におけるリチウムの受け取り能力を示す。また、容量密度とは電解液中のリチウムイオンの濃度を示す。
図1に示す形状変化情報記憶部31は、書き換え不能なメモリからなり、正極OCV曲線の形状変化情報が予め記憶されている。正極OCV曲線とは、正極における容量と電極開放電圧との対応関係を示すものであって、図2に示すように、正極における容量と電極開放電圧との2次元グラフにおいて曲線で示される。そして、正極OCV曲線の形状変化情報とは、正極の劣化によって正極OCV曲線の形状がどのような形状に変化するかを示す情報である。かかる形状変化情報により、図2に示すように、劣化前の正極OCV曲線から、劣化後の正極OCV曲線の形状を算出することができる。形状変化情報は、モデル正極の加速試験により得られた多数の正極OCV曲線の形状から作成したマップとしたり、近似式で表した関数などとすることができる。
図1に示す形状変化情報抽出部32は演算装置からなる。形状変化情報抽出部32により抽出された形状変化情報は、図示しない形状変化情報格納部に格納することができる。また、正極OCV曲線特定部33も演算装置からなる。正極OCV曲線特定部33により特定された正極OCV曲線は、図示しない正極OCV曲線格納部に格納することができる。
図1に示す負極情報取得部40は、取得対象となる負極情報を取得可能な装置からなる。負極情報には、二次電池60の負極の活物質量及び容量密度が含まれる。負極情報取得部40は、上述の正極情報取得部30と同様の構成を有する。また、負極OCV曲線特定部41は演算装置からなる。図2に示すように、負極OCV曲線特定部41により劣化後の負極OCV曲線が特定される。負極OCV曲線特定部41により特定された負極OCV曲線は、図示しない負極OCV曲線格納部に格納することができる。
図1に示す電池OCV曲線算出部50は演算装置からなり、正極OCV曲線特定部33により特定された正極OCV曲線と負極OCV曲線特定部41により特定された負極OCV曲線との差分から電池OCV曲線を算出する。電池OCV曲線算出部50により算出された電池OCV曲線は、図示しない電池OCV曲線格納部に格納することができる。
図1に示す充電状態推定部51は演算装置からなり、電池OCV曲線と二次電池60のOCVとから充電状態を推定する。なお、図示しないが、電池状態推定装置1は充電状態推定部51による推定結果を表示する推定結果表示部を備えていてもよい。
次に、電池状態推定装置1の使用態様について、図4に示すフロー図を用いて説明する。まず、図3に示すように、ステップS1において、特定情報取得部10において、二次電池60の特定情報を取得する。本実施形態では、特定情報として、二次電池60の履歴情報である、SOC(State Of Charge、充電状態)履歴を取得する。
その後、図3に示すステップS2に進み、正極情報取得部30により正極情報としての正極の活物質量及び容量密度を取得する。また、負極情報取得部40により負極情報としての負極の活物質量及び容量密度を取得する。
そして、図3に示すステップS3において、形状変化情報抽出部32において、正極情報取得部30において取得した正極情報と、特定情報取得部10において取得した特定情報とに基づいて、形状変化情報記憶部31から形状変化情報を抽出する。
その後、図3に示すステップS4において、正極OCV曲線特定部33により、形状変化情報抽出部32によって取得された正極OCV曲線の形状変化情報に基づいて、正極OCV曲線を特定する。また、負極OCV曲線特定部41により、負極情報取得部40によって取得された負極情報に基づいて、負極における電極容量と電極開放電圧との関係を示す負極OCV曲線を特定する。
そして、図3に示すステップS5において、電池OCV曲線算出部50により正極OCV曲線と負極OCV曲線とから電池OCV曲線を算出する。さらに、ステップS6において、電池OCV取得部20により、二次電池60の開放電圧を取得する。その後、ステップS7に進み、充電状態推定部51により、電池OCV取得部20によって取得された二次電池60の開放電圧と、電池OCV曲線算出部50によって算出された電池OCV曲線とから、二次電池60における充電状態を推定する。
次に、本実施形態の電池状態推定装置1によるSOCの推定精度についての確認試験を行った。なお、二次電池60の正極材料はLMO(マンガン酸リチウム)とし、負極材料はLTO(チタン酸リチウム)とし、電解液は、1M LiPF6 EC:DEC=1:1とした。本確認試験では、二次電池60の特定情報として、SOC履歴を使用した。そして、試験例1では、初期状態及び第1の劣化状態におけるSOCを推定した。第1の劣化状態は、第1のSOC履歴としてSOCが30%、保存温度が75℃で、容量劣化率が15%になるまで保存した状態とした。試験例2では、初期状態及び第2の劣化状態におけるSOCを推定した。第2の劣化状態は、第2のSOC履歴としてSOCが90%、保存温度が75℃で、容量劣化率が15%になるまで保存した状態とした。なお、容量劣化率とは、初期状態における満充電容量に対する劣化状態における満充電容量の割合を示す。そして、図3に示すフロー図に従って、二次電池60の開放電圧が2.5VのときのSOCを推定し、推定結果を図4(a)、図4(b)に示した。図4(a)、図4(b)では、初期状態における満充電時のSOC及び各劣化状態における満充電時のSOCをそれぞれ100%として表した。
図4(a)に示すように、試験例1において、初期状態では二次電池60の開放電圧が2.5VのときのSOCの推定値は62%であり、第1の劣化状態での推定値は50%であった。また、図4(b)に示すように、試験例2において、初期状態及び第2の劣化状態でのSOCの推定値はともに62%であった。試験例2では、初期状態と第2の劣化状態において、推定値の差はなかったが、試験例1では初期状態と第1の劣化状態とで12%もの差が生じていた。そして、従来技術のように、SOC履歴に基づいて正極OCV曲線の形状変化を考慮しなければ、第1の劣化状態における推定値は初期状態と同じとなり、12%もの誤差を含むものとなる。従って、本実施形態1の電池状態推定装置1では、SOC履歴の違いによる正極OCV曲線の形状変化を考慮することにより、従来よりもSOCの推定精度が向上されることが確認できた。
次に、本実施形態の電池状態推定装置1における作用効果について、詳述する。
本実施形態の電池状態推定装置1では、形状変化情報記憶部31に正極OCV曲線の形状変化情報が記憶されている。そして、形状変化情報抽出部32により、正極における活物質量及び容量密度を含む正極情報とリチウムイオン二次電池60に関する特定情報とに基づいて、形状変化情報記憶部31から正極OCV曲線の形状変化情報を抽出し、正極OCV曲線特定部33により正極OCV曲線を特定する。そして、電池OCV曲線算出部50により、正極OCV曲線と負極OCV曲線とにより電池OCV曲線を算出する。その後、充電状態推定部51において、電池OCV曲線と、リチウムイオン二次電池60の開放電圧とから充電状態を推定する。以上のように、電池OCV曲線は正極OCV曲線の形状変化情報が反映されているため、高精度に充電状態を推定することができる。
本実施形態の電池状態推定装置1では、リチウムイオン二次電池60に関する特定情報は、リチウムイオン二次電池60の使用履歴とした。これにより、正極OCV曲線の形状変化情報にリチウムイオン二次電池60の使用履歴を反映させることができるため、リチウムイオン二次電池60の充電状態を一層高精度に推定することができる。
さらに、上記使用履歴を、充電状態、電池温度、電流値及び電圧値の少なくとも一つに関する履歴情報とすることができ、本実施形態の電池状態推定装置1では、使用履歴として充電状態を採用している。充電状態、電池温度、電流値及び電圧値の履歴情報は、正極の劣化に影響を与える要素であるため、これらの少なくとも一つが上記使用履歴として使用することにより、リチウムイオン二次電池60の充電状態を一層高精度に推定することができる。なお、使用履歴として、充電状態、電池温度、電流値及び電圧値の中から任意の組み合わせを選択することができる。
また、本実施形態における電源装置100は、電池状態推定装置1と、電池状態推定装置1によって充電状態が推定されるリチウムイオン二次電池60とを備え、リチウムイオン二次電池60の正極材料を、マンガン酸リチウム又はニッケル-マンガン-コバルト酸リチウムとすることができる。かかる正極材料では、劣化による正極OCV曲線の形状変化が顕著であるため、電池状態推定装置1により、従来よりも高い精度で充電状態を推定することができる。
なお、本実施形態では、負極材料として黒鉛又はLTOは採用している。そのため、劣化に伴う負極OCV曲線の形状変化が非常に小さいことから、当該劣化に伴う負極OCV曲線の形状変化を考慮する必要がない。それ故、本実施形態では、負極OCV曲線特定部41において、負極情報取得部40で取得した負極情報に基づいて負極OCV曲線を特定している。なお、負極材料として他の材料を採用するなどした場合には、必要に応じて、負極についても本実施形態における正極と同様に、負極OCV曲線の形状変化を積極的に考慮するように構成してもよい。
(実施形態2)
実施形態1では、二次電池60の特定情報である使用履歴としてSOC履歴を用いたが、実施形態2ではこれに替えて、使用履歴として温度履歴を用いた。なお、実施形態2におけるその他の構成は実施形態1と同一である、そして、実施形態2においても実施形態1と同等の作用効果を奏する。
そして、実施形態2における電池状態推定装置1によるSOCの推定精度について、確認試験を行った。なお、二次電池60の正極材料はNMC(ニッケル-マンガン-コバルト酸リチウム)とし、負極材料はLi(リチウム)とし、電解液は、1M LiPF6 EC:DEC=1:1とした。本確認試験では、二次電池60の特定情報として、温度履歴を使用した。そして、試験例3では、初期状態及び第3の劣化状態におけるSOCを推定した。第3の劣化状態では、第1の温度履歴として、温度が55℃、充放電レートが1Cで容量劣化率が22%となるまで使用した状態とした。試験例4では、初期状態及び第4の劣化状態におけるSOCを推定した。第4の劣化状態は、第2の温度履歴として、温度が25℃、充放電レートが1Cの状態で容量劣化率が22%になるまで使用した状態とした。そして、図3に示すフローに従って、二次電池60の開放電圧が3.9VのときのSOCを推定し、推定結果を図5(a)、図5(b)に示した。
図5(a)に示すように、試験例3において、初期状態では二次電池60の開放電圧が3.9VのときのSOCの推定値は61%であり、第3の劣化状態での推定値は41%であり、推定値に20%もの差があった。また、図5(b)に示すように、試験例4において、初期状態では二次電池60の開放電圧が3.9VのときのSOCの推定値は41%であり、第4の劣化状態での推定値は48%であり、推定値に7%の差があった。従って、本実施形態においても実施形態1の場合と同様に、温度履歴の違いによる正極OCV曲線の形状変化を考慮することにより、従来よりもSOCの推定精度が向上されることが確認できた。
(実施形態3)
実施形態1及び2では、二次電池60の特定情報として使用履歴を用いたが、実施形態3ではこれに替えて、二次電池60の特定情報として電池特性を用いた。なお、実施形態3におけるその他の構成は実施形態1と同一である。そして、実施形態3においても実施形態1と同等の作用効果を奏する。
二次電池60の電池特性も正極の劣化に影響を与える要素であるため、当該電池特性を上記特定情報として使用することにより、二次電池60の充電状態を高精度に推定することができる。なお、二次電池60の特定情報である電池特性として、電池抵抗、区間容量、及び出力抵抗と入力抵抗との比率の少なくとも一つを採用することができる。そして、当該電池特性は、電池抵抗、区間容量、及び出力抵抗と入力抵抗との比率の中から任意の組み合わせで選択することができる。
実施形態3では、二次電池60の電池特性として区間容量を用いた。区間容量とは、所定範囲における二次電池60の電池容量を指す。当該区間容量の範囲は、OCV曲線の変化の大きい範囲とすることが好ましい。かかる範囲を二次電池60の特定情報として使用することにより、区間容量とOCV曲線の形状変化との対応関係に基づいて、区間容量を取得することによりOCV曲線の形状変化を高精度に予測することができる。
例えば、実施形態2における確認試験における二次電池60の開放電圧が3.7~3.8Vの容量を区間容量として採用することができる。図5(a)及び図5(b)に示すように、かかる範囲では、劣化前後における容量の変化が大きくなっているため、かかる範囲を区間容量とすることにより、実施形態2の場合と同様に、高精度でSOCを推定することができる。よって、実施形態3においても実施形態1と同等の作用効果を奏する。
(実施形態4)
実施形態3では、二次電池60の電池特性として区間容量を用いたが、実施形態4ではこれに替えて二次電池60の電池抵抗を用いた。電池抵抗の変化とOCV曲線の形状変化との間には相関関係が存在するため、当該電池抵抗とOCV曲線の形状変化との対応関係に基づいて、電池抵抗を取得することによりOCV曲線の形状変化を高精度に予測することができる。特に、OCV曲線の形状変化の大きい劣化では、低周波数の抵抗成分が特異的に増加する。そのため、低周波数の抵抗成分とOCV曲線の形状変化との対応関係に基づいて、低周波数の抵抗成分を取得することによりOCV曲線の形状変化を一層高精度に予測することができる。上記低周波数としては、例えば、10Hz以下とすることができる。
本実施形態の電池状態推定装置1において、実施形態2における試験と同様の試験条件において、インピーダンス法に基づいて、第3の劣化状態及び第4の劣化状態におけるCole-Coleプロット図を作成した。図6に示すように、10Hzの抵抗成分が特異的に増加している。そのため、二次電池60の電池抵抗における10Hzの抵抗成分とOCV曲線の形状変化との対応関係から、OCV曲線の形状変化を予測して二次電池60のSOCを高精度に推定することができる。よって、実施形態4においても実施形態1と同等の作用効果を奏する。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 電池状態推定装置
10 特定情報取得部
20 電池OCV取得部
30 正極情報取得部
40 負極情報取得部
31 形状変化情報記憶部
32 形状変化情報抽出部
33 正極OCV曲線特定部
41 負極OCV曲線特定部
50 電池OCV曲線算出部
51 充電状態推定部
100 電源装置

Claims (3)

  1. リチウムイオン二次電池(60)の充電状態を推定するための電池状態推定装置(1)であって、
    上記リチウムイオン二次電池に関する特定情報を上記リチウムイオン二次電池から取得する特定情報取得部(10)と、
    上記リチウムイオン二次電池の開放電圧を取得する電池OCV取得部(20)と、
    上記リチウムイオン二次電池の正極における活物質量及び容量密度を含む正極情報を取得する正極情報取得部(30)と、
    上記リチウムイオン二次電池の負極における活物質量及び容量密度を含む負極情報を取得する負極情報取得部(40)と、
    上記正極情報と上記特定情報とに対応付けられた状態で、上記正極における電極容量と電極開放電圧との関係を示す正極OCV曲線の形状変化情報が記憶された形状変化情報記憶部(31)と、
    上記正極情報取得部によって取得された上記正極情報と上記特定情報取得部によって取得された上記特定情報とに基づいて、上記形状変化情報記憶部から上記正極OCV曲線の形状変化情報を抽出する形状変化情報抽出部(32)と、
    上記形状変化情報抽出部によって取得された上記正極OCV曲線の形状変化情報に基づいて、上記正極OCV曲線を特定する正極OCV曲線特定部(33)と、
    上記負極情報取得部によって取得された上記負極情報に基づいて、上記負極における電極容量と電極開放電圧との関係を示す負極OCV曲線を特定する負極OCV曲線特定部(41)と、
    上記正極OCV曲線特定部によって特定された上記正極OCV曲線と、上記負極OCV曲線特定部によって特定された上記負極OCV曲線とから、上記リチウムイオン二次電池における充電状態と開放電圧との関係を示す電池OCV曲線を算出する電池OCV曲線算出部(50)と、
    上記電池OCV取得部によって取得された上記リチウムイオン二次電池の開放電圧と、上記電池OCV曲線算出部によって算出された上記電池OCV曲線とから、上記リチウムイオン二次電池における充電状態を推定する充電状態推定部(51)と、
    を有し、
    上記リチウムイオン二次電池に関する特定情報は、上記リチウムイオン二次電池の使用履歴及び電池特性の少なくとも一つであり、
    上記電池特性は、電池抵抗及び区間電池容量の少なくとも一つであり、
    上記正極の活物質量及び容量密度は、上記リチウムイオン二次電池の開放電圧、電池電流及び電池温度を取得したうえで、あらかじめ記憶されている上記正極の活物質量及び容量密度と上記リチウムイオン二次電池の開放電圧、電池電流及び電池温度との対応関係に基づいて算出することにより取得し、
    上記負極の活物質量及び容量密度は、上記リチウムイオン二次電池の開放電圧、電池電流及び電池温度を取得したうえで、あらかじめ記憶されている上記負極の活物質量及び容量密度と上記リチウムイオン二次電池の開放電圧、電池電流及び電池温度との対応関係に基づいて算出することにより取得する、電池状態推定装置。
  2. 上記使用履歴が、充電状態、電池温度、電流値及び電圧値の少なくとも一つに関する履歴情報である、請求項1に記載の電池状態推定装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電池状態推定装置と、該電池状態推定装置によって充電状態が推定されるリチウムイオン二次電池とを備える電源装置(100)であって、
    上記リチウムイオン二次電池の正極材料が、マンガン酸リチウム又はニッケル-マンガン-コバルト酸リチウムである、電源装置。
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