JP2002025112A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2002025112A
JP2002025112A JP2000207372A JP2000207372A JP2002025112A JP 2002025112 A JP2002025112 A JP 2002025112A JP 2000207372 A JP2000207372 A JP 2000207372A JP 2000207372 A JP2000207372 A JP 2000207372A JP 2002025112 A JP2002025112 A JP 2002025112A
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optical disk
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JP2000207372A
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Nobutake Kagami
信武 加賀美
Kunitomo Nagato
邦倫 長門
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主に記録再生装置の媒体支持手段に起因する
保護層の損傷を防ぎ、記録及び/又は再生が安定して行
われる。 【解決手段】 少なくとも中心孔を有する基板2と、上
記基板2の上方に形成された保護層7とを有し、上記保
護層7の少なくともインフォメーションエリアの最内周
側に対応する領域は、印刷層8によって被覆されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも基板と
保護層とを有し、記録及び/又は再生が行われる際に、
内周側を媒体支持手段によってクランピングされる光記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光を記録再生に用いた光記録
媒体としては、ポリカーボネート等の合成樹脂を成形し
てなる基板を用いる光ディスクが知られている。この光
ディスクには、予め記録された信号が再生される再生専
用型のもの、単数回のみ記録を行うことができる追記型
のもの及び複数回の記録が可能である書換型のものがあ
る。
【0003】これらの再生専用、追記型及び書換型の光
ディスクは、基板の一主面上に情報の記録及び/又は再
生にかかわる層が積層され、さらにその上に保護層が形
成されている。この保護層は、光ディスクに形成された
ピット、グルーブ、ランド、記録層、誘電体層、反射層
等を、外部からの物理的な損傷から保護するための層で
ある。
【0004】また、保護層上には、UVインキ等を用い
て、シルク印刷、オフセット印刷等の手法により、レー
ベル印刷が施されていることがある。このレーベル印刷
は、視覚的なインパクトを消費者に与え、また、光ディ
スクの記録内容を消費者に識別させるために、タイトル
やメーカーごとに多種多様なデザインとされている。
【0005】ところで、再生専用型、追記型及び書換型
の光ディスク(以下、まとめて単に光ディスクと呼
ぶ。)は、以下のようにして、記録再生装置にて記録及
び/又は再生が行われる。
【0006】記録再生装置内では、先ず、光ディスクの
センターホール及び基板を金属製のディスククランプ部
が突き上げるとともに、光ディスクの保護層側から円盤
状の圧着プーリーが保護層の内周部分を押さえつける。
圧着プーリーには磁石が内蔵されており、これにより、
光ディスクは、ディスククランプ部と圧着プーリーとに
より厚さ方向に挟まれて支持される(以下、クランピン
グと称する。)。
【0007】次に、支持された光ディスクが回転され、
記録及び/又は再生を行う。再生専用型の光ディスクに
おいては、信号を再生する際、基板側から再生光が照射
され、そしてこの再生光が反射層で反射した反射光を検
出することによって、ピットパターンとして記録された
信号を再生することができる。また、追記型及び書換型
の光ディスクに記録する際には、ランド及び/又はグル
ーブ上に形成された記録層に対して、基板側から記録光
が照射され、記録層に記録マークが形成される。また、
追記型及び書換型の光ディスクを再生する際には、上述
した再生専用の光ディスクと同様にして再生光が照射さ
れ、その反射光が検出される。
【0008】最後に、記録再生装置は、記録及び/又は
再生を終了した後に、光ディスクの回転を停止し、光デ
ィスクのクランピングを開放する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、記録再
生装置は、光ディスクに対して記録及び/又は再生を行
うために、必然的にある程度の圧力にて光ディスクをク
ランピングする。そして、このクランピングが行われる
際に、何らかの原因により限度以上の衝撃や摩擦が発生
すると、光ディスクの保護層側を損傷してしまう場合が
ある。
【0010】中でも、圧着プーリーが光ディスクをクラ
ンピングする、保護層の内周部分の領域(以下、単にク
ランピングエリアと称する。)は、クランピングの際の
ミス、圧着プーリーと光ディスクとの間への異物混入、
圧着プーリーのばり等の原因により、摩耗、スクラッチ
状の傷、打痕等の損傷を特に受けやすい。
【0011】この保護層は、通常の使用条件において
は、その下方に位置する各層を保護するのに十分な耐久
性を有している。このため、傷の深さが保護層の厚さを
超過しない範囲であれば、反射層、記録層、誘電体層及
び基板等に物理的な影響を及ぼすことはない。
【0012】しかし、保護層がひどいダメージをうけた
場合、物理的な傷がその下方に位置する各層に到達しな
かったとしても、この保護層の傷が記録層、反射層等に
投影されてしまう。そして、この部分の反射率が変化し
てしまうため、記録光及び/又は再生光に影響を及ぼ
し、保護層に形成された当該傷の存在が光ディスクの記
録及び/又は再生時にトラッキング信号やRF信号に漏
れこむ場合がある。
【0013】このため、光ディスクは、圧着プーリーが
光ディスクを押さえつけるクランピングエリアと、信号
の記録再生が行われるインフォメーションエリアとが互
いに重なり合わないように分離して設計されている。具
体的には、クランピングエリアは直径26mm〜直径3
3mmの範囲であり、インフォメーションエリアは直径
44.7mm〜直径118mmの範囲とされている。
【0014】しかしながら、記録及び/又は再生動作の
終了時に、回転している光ディスクが完全に停止しない
うちに圧着プーリーが光ディスクから離れた場合、記録
再生装置の内部で光ディスクが空回りして暴れ、光ディ
スクのクランピングエリアのみならず、クランピングエ
リア近傍のインフォメーションエリアに対応する領域が
圧着プーリーに衝突し、衝突した部分の保護層に傷を生
じる虞がある。そして、当該傷の存在が信号に漏れこ
み、光ディスクの記録再生に影響を及ぼす可能性があ
る。
【0015】再生専用の光ディスクにおいて、上述のよ
うな信号の記録再生に影響を及ぼすような傷がインフォ
メーションエリアに対応する保護層に発生した場合、ト
ラッキングサーボエラー、アンリカバードエラー等が発
生し、再生が不可能になる虞がある。
【0016】また、追記型及び書換型の光ディスクの場
合、クランピングエリア近傍のインフォメーションエリ
アに対応する領域は、記録光の最適強度を決定するため
の試し書き領域(以下、キャリブレーションエリアと称
する。)に相当する。したがって、追記型及び書換型の
光ディスクにおいて、上述のような信号の記録再生に影
響を及ぼすような傷がキャリブレーションエリアに発生
した場合、キャリブレーションに失敗し、記録不可能と
なる虞がある。
【0017】このような、保護層上の傷の存在が信号に
漏れこむことによる不具合は、保護層上にレーベル印刷
が施された部分においては、レーベル印刷が保護層に類
似した役割を果たすため、ある程度回避することができ
る。
【0018】しかし、レーベル印刷は、デザイン上の目
的で光ディスクに付与される場合がほとんどである。そ
して、視覚的な効果を得るために、わざと未印刷部分を
残したようなレーベル印刷のデザインが非常に多くなっ
ている。その結果、保護層上の傷の存在がトラッキング
信号やRF信号に漏れこむような不具合を防ぐことがで
きなかった。
【0019】そこで本発明はこのような従来の実状に鑑
みて提案されたものであり、主に記録再生装置の媒体支
持手段に起因する保護層の損傷を防ぎ、記録及び/又は
再生が安定して行われる光記録媒体を提供することを目
的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明にかかる光記録媒体は、少なくとも中心孔
を有する基板と、上記基板の上方に形成された保護層と
を有し、少なくとも上記保護層のインフォメーションエ
リアの最内周側に対応する領域は、印刷層によって被覆
されていることを特徴とする。
【0021】以上のように構成された光記録媒体では、
保護層のインフォメーションエリアの最内周側に対応す
る領域が印刷層によって被覆されているため、光ディス
クが圧着プーリーに衝突することに起因する保護層の損
傷が防止される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる光記録媒体
の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳
細に説明する。
【0023】なお、以下の説明で用いる図面は、各部の
特徴をわかりやすく図示するために特徴となる部分を拡
大して示している場合があり、各部材の寸法の比率が実
際と同じであるとは限らない。
【0024】まず、本発明にかかる光記録媒体として、
図1に示すような書換型の光ディスクを例に挙げて説明
する。
【0025】この光ディスク1は、図1に示すように、
一主面に同心円状又はスパイラル状に形成されたグルー
ブ及びグルーブ間に形成されるランドが形成されてなる
基板2と、この一主面上に積層された第1の誘電体層3
と、この第1の誘電体層3上に積層された記録層4と、
この記録層4上に積層された第2の誘電体層5と、この
第2の誘電体層5上に積層された反射放熱層6と、この
反射放熱層6上に積層された保護層7と、この保護層7
上に印刷された印刷層8とを有している。
【0026】この光ディスク1において、第1の誘電体
層3、記録層4、第2の誘電体層5及び反射放熱層6
は、基板2上に形成されるため、基板2上に形成された
凹凸パターンに従った形状を呈する。また、この光記録
媒体において、保護層7は、基板2に形成された凹凸パ
ターンを覆うように形成され、その一主面が平坦面とさ
れる。すなわち、この光ディスク1では、基板2の他主
面と印刷層8の一主面とが平坦面とされて両表面を構成
している。
【0027】図2に、書換型の光ディスク1の半径を示
す。この書換型の光ディスク1は、直径120mmの円
盤状となされている。そして、光ディスク1は、内周側
から、直径15mmまでの領域がセンターホール10と
され、直径26mm〜直径33mmの領域がクランピン
グエリア11とされ、直径44.7mm〜直径118m
mの領域がインフォメーションエリア12とされてい
る。
【0028】なお、クランピングエリア11は、図3に
示すように、光ディスク1がメタル部18を有するディ
スククランプ部19とマグネット20を有する圧着プー
リー21とではさまれたときに、光ディスク1の印刷層
8側が圧着プーリー21により押さえつけられる領域の
ことを示すこととする。
【0029】また、図4に示すように、インフォメーシ
ョンエリア12は、さらに、以下に述べるように分割さ
れている。具体的には、直径45mm〜直径46mmの
領域が、内周側から順にキャリブレーションエリア1
3、プログラムメモリーエリア14とされ、直径46m
m〜直径50mmの領域がリードインエリア15とさ
れ、直径50mm〜直径116mmの領域がプログラム
エリア16とされ、直径116mm〜直径118mmの
領域がリードアウトエリア17とされている。
【0030】キャリブレーションエリア13は、記録再
生装置が試し書きを行い、最適記録パワーを決定するた
めの領域である。プログラムメモリーエリア14は、リ
ードインエリア15に記録データ情報が記録されるま
で、リードインエリア15に書き込むべき情報を一時的
に保持するための領域である。リードインエリア15
は、当該光ディスク1の情報及びプログラムエリア16
に記録されたデータの情報を記録するための領域であ
る。プログラムエリア16は、ユーザーが使用するデー
タを記録及び/又は再生するための領域である。リード
アウトエリア17は、プログラムエリア16終了を認識
するための領域である。なお、キャリブレーションエリ
ア13とプログラムメモリーエリア14との境界線は、
可変とされている。
【0031】そして、本発明にかかる光ディスク1にお
いては、少なくともインフォメーションエリア12の最
内周側に対応する領域の保護層7の一主面が、印刷層8
によって被覆されている。印刷層8は、例えば紫外線硬
化性樹脂インキ等を用いて、シルク印刷、オフセット印
刷等の手法により保護層7上に形成される。また、印刷
層8は、光ディスク1のレーベルとして機能し、多種多
様なデザインが施されている。
【0032】このように、インフォメーションエリア1
2のうち、最も損傷を受け易い領域である最内周側の領
域の保護層7が、レーベルとしての機能を兼ねる印刷層
8によって被覆されているため、印刷層8がひどいダメ
ージを受けたとしても、保護層7が受けるダメージは印
刷層8によって緩衝され、低減される。すなわち、回転
中の光ディスク1が圧着プーリー21から外れ、記録再
生装置の内部で空回りした光ディスク1が圧着プーリー
21に衝突し、インフォメーションエリア12に対応す
る領域の印刷層8が損傷を受けたとしても、記録層4、
反射放熱層6等の反射率に影響を及ぼすようなことがな
くなり、当該傷の存在が信号に漏れこむようなことが防
止される。したがって、光ディスク1は、記録及び/又
は再生が安定して行われる。
【0033】特に、書換型の光ディスク1においては、
上述したようなインフォメーションエリア12のうち、
最も損傷を受けやすい最内周側の領域は、いわゆるキャ
リブレーションエリア13に対応する領域と略一致して
いる。このため、印刷層8が少なくともインフォメーシ
ョンエリア12のうち、最も損傷を受けやすい最内周側
の領域を被覆することは、すなわち印刷層8が少なくと
もキャリブレーションエリア13に対応する領域を被覆
することを意味する。したがって、キャリブレーション
エリア13に対応する領域の保護層7が圧着プーリー2
1に起因する損傷を受け難くなる。これにより、誤った
信号が漏れこむことによるキャリブレーションを行う際
のエラーが減少し、光ディスク1は確実に記録が行われ
る。
【0034】また、印刷層8は、キャリブレーションエ
リア13に対応する保護層7のみならず、光ディスク1
の保護層7の一主面を全て被覆することが好ましい。こ
の場合、プログラムエリア16等に対応する領域も全て
被覆されるため、当該エリアにおけるエラーが減少し、
光ディスク1は記録及び/又は再生が確実に行われる。
【0035】また、印刷層8の厚さは、3μm〜30μ
mが好ましく、特に5μm〜25μmであることが好ま
しい。印刷層8の厚さが上記の範囲内であることで、圧
着プーリー21に起因する傷を光ディスク1が受けたと
しても、当該傷は印刷層8の厚さ範囲内でおさまり、記
録及び/又は再生信号に影響を与えない。印刷層8の厚
さが3μm未満であると、印刷層8が受けた傷が保護層
7に到達し、記録及び/又は再生信号に当該傷の存在が
漏れこむ場合がある。一方、印刷層8の厚さが30μm
を上回ると、基板の反りが増大し、ドライブでの記録或
いは再生に影響が出る虞がある。
【0036】また、印刷層8は、鉛筆硬度試験でHB以
上の硬度を有することが好ましく、特にH以上であるこ
とが好ましい。印刷層8が鉛筆硬度試験でHB以上の硬
度を有することで、印刷層8が損傷を受けたとしても、
保護層7を確実に保護することができる。一方、印刷層
8が鉛筆硬度試験でHB未満の硬度である場合、光ディ
スク1の印刷層8が損傷を受けたときに、損傷が保護層
7まで到達する虞がある。
【0037】なお、光ディスク1の基板2、第1の誘電
体層3、記録層4、第2の誘電体層5、反射放熱層6及
び保護層7は、以下に示すような構成になっている。
【0038】基板2は、ポリカーボネートやガラス等、
レーザ光を透過しうる材料からなる。
【0039】第1の誘電体層3及び第2の誘電体層5と
しては、例えば、Al、Si等の金属や半金族元素の窒
化物、酸化物、硫化物等が用いられる。この第1の誘電
体層3の厚さとしては、60nm〜130nmが好まし
く、具体的には、例えば120nmである。また、第2
の誘電体層5の厚さとしては10nm〜35nmが好ま
しく、具体的には、例えば20nmである。
【0040】記録層4としては、Ag、In、Sb、T
eを含む4元系の相変化材料を主体とする、一般的な相
変化材料を用いることができる。例えば、カルコゲナイ
ト、すなわち、カルコゲン化合物或いは単体のカルコゲ
ンが挙げられる。例示すれば、Te、Seの単体又はこ
れらのカルコゲナイトであるGeSbTe、GeTe、
InSbTeAg、Bi2Te3、BiSe、Sb2
3、Sb2Te3等のカルコゲナイト系材料を挙げるこ
とができる。このような記録層4は、上述の材料を含有
する相変化材料をターゲットとし、CO2ガスとArガ
スとの混合ガスをスパッタガスとして用いたスパッタリ
ングによって形成される。この記録層4の厚さとして
は、15nm〜35nmが好ましく、具体的には、例え
ば30nmである。
【0041】反射放熱層6は、例えばアルミニウム等か
らなる。この反射放熱層6の厚さとしては60nm〜1
50nmが好ましく、具体的には、例えば120nmで
ある。
【0042】保護層7は、例えば紫外線硬化型樹脂等か
らなる。この保護層7の厚さとしては、5nm〜30n
mであることが好ましく、特に10nm〜20nmであ
ることが好ましい。
【0043】なお、上述の説明では、記録層4として相
変化材料を用いた書換型の光ディスク1を例に挙げた
が、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
本発明は、記録層として光磁気記録方式を利用した光記
録媒体、有機色素を利用した光記録媒体等、記録方式等
の異なる他の光記録媒体に適用することも可能である。
【0044】また、上述の説明では、書換型の光ディス
クを例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。例えば、本発明は、再生専用の光ディスクや、追
記型の光ディスクに適用することも可能である。
【0045】具体的には、再生専用の光ディスクでは、
基板上に微少な凹部(ピットと呼ぶ。)パターンがトラ
ック方向に形成されている。そして、このピットパター
ンが形成された面上に、スパッタリング又は蒸着等の手
法により、反射層が形成される。さらに、その反射層上
に、紫外線硬化樹脂からなる保護層がスピンコートによ
り形成される。また、再生専用の光ディスクは、内周側
から順にリードインエリア、プログラムエリア、リード
アウトとされる。
【0046】そして、この再生専用の光ディスクは、保
護層の少なくともリードインエリアに対応する領域が、
印刷層によって被覆されている。したがって、リードイ
ンエリアに対応する領域の保護層が圧着プーリーに起因
する損傷を受けにくくなり、これにより、誤った信号が
漏れこむことによるTOC(Table of contents)情報
の損失が減少し、光ディスクは確実に再生が行われる。
【0047】また、具体的には、追記型の光ディスク
は、基板上に同心円状又はスパイラル状に形成された凹
溝(グルーブと呼ぶ。)及びグルーブ間に形成される凸
条部(ランドと呼ぶ。)が形成されている。そして、こ
のグルーブ及び/又はランドが形成された面上に、色素
記録層がスピンコートにより形成される。さらに、その
色素記録層上に、スパッタリングにより反射層が形成さ
れる。さらに、その反射層上に、紫外線硬化樹脂からな
る保護層がスピンコートにより形成される。また、追記
型の光ディスクは、内周側から順にキャリブレーション
エリア、プログラムメモリーエリア、リードインエリ
ア、プログラムエリア、リードアウトエリアとされる。
【0048】そして、この追記型の光ディスクは、保護
層上の少なくともキャリブレーションエリアに対応する
領域を、印刷層によって被覆されている。したがって、
キャリブレーションエリアに対応する領域の保護層が圧
着プーリーに起因する損傷を受け難くなり、これによ
り、誤った信号が漏れこむことによるキャリブレーショ
ンを行う際のエラーが減少し、光ディスクは確実に記録
が行われる。
【0049】なお、上述の説明では、光記録媒体とし
て、略円盤状に形成されてなるいわゆる光ディスクを例
に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明は、例えば名刺型、シート状、星型、花型、ハー
ト型等のいかなる形状の光記録媒体に適用することも可
能である。
【0050】
【実施例】つぎに、少なくとも保護層のインフォメーシ
ョンエリアの最内周側の領域を印刷層によって被覆する
ことによる効果について、実際に光記録媒体を作製し、
試験結果に基づいて説明する。
【0051】先ず、本発明を適用した実施例として、図
1に示すような、基板2と、第1の誘電体層3と、記録
層4と、第2の誘電体層5と、反射放熱層6と、保護層
7とがこの順に積層されてなり、さらに、保護層7上の
直径26mm〜直径118mmの領域が印刷層8によっ
て被覆されている直径120mmの書換型光ディスクを
作製した。
【0052】また、比較例として、図5に示すように、
基板100と、第1の誘電体層101と、記録層102
と、第2の誘電体層103と、反射放熱層104と、保
護層105とがこの順に積層されてなり、印刷層が形成
されていない直径120mmの書換型光ディスクを作製
した。
【0053】これらの光ディスクに対し、以下の手順に
てロード/アンロード試験を行った。 (1)光ディスクを記録再生装置のトレー上に置く。 (2)記録再生装置がトレーを内部に引き込む。 (3)記録再生装置内で、センターピンが基板側から光
ディスクのセンターホールを突き上げるとともに、圧着
プーリーが印刷層又は保護層のクランピングエリアを押
さえつけて、光ディスクをクランピングする。(スピン
アップ) (4)光ディスクの回転を開始する。 (5)光ディスクのキャリブレーションエリアに記録を
行い、最適記録パワーを決定する。 (6)最適記録パワーで、光ディスクのプログラムエリ
アにデータを記録する。 (7)光ディスクのプログラムエリアに記録されたデー
タを再生する。 (8)光ディスクの回転を停止する。 (9)光ディスクのクランピングを開放する。(スピン
ダウン) (10)記録再生装置からトレーをイジェクトする。
【0054】以上の(1)〜(10)までの操作を1サ
イクルとし、これを48時間繰り返した。
【0055】なお、通常の記録再生装置に搭載される圧
着プーリーは、光ディスクを抑える面に鏡面仕上げが施
され、且つエッジが面取りされている。しかし、本試験
においては、短時間で本発明の効果が明らかとなるよう
に、意図的に悪い条件を備えた圧着プーリーを記録再生
装置に搭載した。具体的には、光ディスクを抑える面に
高さ数十μmの凹凸パターンを設け、且つエッジが面取
りされていない圧着プーリーを用いた。
【0056】以上のようなロード/アンロード試験の結
果、保護層を印刷層によって被覆した実施例の光ディス
クは、スピンアップ時又はスピンダウン時に光ディスク
が圧着プーリーに衝突することに起因するスクラッチ状
の傷が、クランピングエリアに対応する領域及びキャリ
ブレーションエリアに対応する領域の印刷層に多数発生
した。しかし、当該傷は、印刷層の下方に位置する保護
層には到達しなかった。したがって、実施例の光ディス
クは、キャリブレーションエリアに記録した信号に印刷
層の傷が漏れこむことがなく、キャリブレーションエラ
ー、ライトエラー、リードエラー等の不具合が発生せ
ず、安定して記録及び再生が行われた。
【0057】一方、印刷層が形成されていない比較例の
光ディスクは、スピンアップ時又はスピンダウン時に光
ディスクが圧着プーリーに衝突することに起因するスク
ラッチ状の傷が、クランピングエリアに対応する領域及
びキャリブレーションエリアに対応する領域の保護層に
多数発生した。そして、記録再生装置が光ディスクに対
してキャリブレーションを行う際に、キャリブレーショ
ン用書き込み信号に当該傷に起因するスパイクが漏れこ
み、キャリブレーションエラーが発生した。この結果、
光ディスクが置かれたトレーが記録再生装置からイジェ
クトされ、比較例の光ディスクに対して所定のデータの
記録を行うことができなかった。なお、比較例の光ディ
スクにおいて、リードインエリア、ユーザーエリアには
上記の原因による傷が発生しなかったため、データの再
生動作には支障がなかった。
【0058】以上の結果から、最も損傷を受けやすい領
域である、保護層のインフォメーションエリアの最内周
側に対応する領域を印刷層で被覆することによって、光
ディスクは、記録及び/又は再生が安定して行われるこ
とが明らかとなった。
【0059】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明にかかる光記録媒体は、保護層のインフォメーション
エリアの最内周側に対応する領域が印刷層によって被覆
されているため、圧着プーリーに起因する保護層の損傷
が防止される。したがって、本発明によれば、保護層に
発生した傷が信号に漏れこむことに起因するエラーが防
止され、記録及び/又は再生が安定して行われる光記録
媒体を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した書換型の光ディスクの一構成
例を示す断面図である。
【図2】図1に示す書換型光ディスクの半径方向のデー
タ割り当てを示す概念図である。
【図3】光ディスクと圧着プーリーとの位置関係を示す
斜視図である。
【図4】書換型光ディスクのインフォメーションエリア
を拡大して示す概念図である。
【図5】従来の書換型の光ディスクを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 光ディスク、2 基板、3 第1の誘電体層、4
記録層、5 第2の誘電体層、6 反射放熱層、7 保
護層、8 印刷層、10 センターホール、11クラン
ピングエリア、12 インフォメーションエリア、13
キャリブレーションエリア、14 プログラムメモリ
ーエリア、15 リードインエリア、16 プログラム
エリア、17 リードアウトエリア

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも中心孔を有する基板と、 上記基板の上方に形成された保護層とを有し、 少なくとも上記保護層のインフォメーションエリアの最
    内周側に対応する領域は、印刷層によって被覆されてい
    ることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記印刷層は、上記保護層の全面を被覆
    することを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記基板は、トラック方向にピットパタ
    ーンが形成されるとともに、 内周側から順にリードインエリアと、プログラムエリア
    と、リードアウトエリアとされ、 上記印刷層は、少なくとも上記保護層の、リードインエ
    リアに対応する領域を被覆することを特徴とする請求項
    1記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 少なくとも上記基板と、記録層と、上記
    保護層とがこの順に形成され、 内周側から順にキャリブレーションエリアと、プログラ
    ムメモリーエリアと、リードインエリアと、プログラム
    エリアと、リードアウトエリアとされ、 上記印刷層は、少なくとも上記保護層のキャリブレーシ
    ョンエリアに対応する領域を被覆することを特徴とする
    請求項1記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記記録層は、相変化型記録層、光磁気
    記録層、有機色素型記録層のうちのいずれかであること
    を特徴とする請求項4記載の光記録媒体。
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