JP2002025011A - 磁気ヘッドおよび磁気記録装置 - Google Patents

磁気ヘッドおよび磁気記録装置

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JP2002025011A
JP2002025011A JP2000215879A JP2000215879A JP2002025011A JP 2002025011 A JP2002025011 A JP 2002025011A JP 2000215879 A JP2000215879 A JP 2000215879A JP 2000215879 A JP2000215879 A JP 2000215879A JP 2002025011 A JP2002025011 A JP 2002025011A
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head
coil
recording
coils
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JP2000215879A
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Kimio Nakamura
公夫 中村
Yoshio Suzuki
良夫 鈴木
Ko Totsuka
香 戸塚
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速の磁気記録に適したヘッドを実現する。 【解決手段】 磁気記録に用いる記録ヘッドであって、
記録媒体に対向する部位に設けられた磁気ギャップと上
部磁気コアと下部磁気コアからなる磁路の、少なくとも
2箇所以上の異なる場所にインダクタンスが異なるコイ
ルを設けることで、記録ヘッドの記録磁界の反転時間を
短縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
の磁気ヘッドに関る。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置に用いられている従来
構造の薄膜磁気ヘッドの模式図を図7に示す。最近の磁
気ディスク装置においては、記録ヘッド5と再生ヘッド
4が複合された記録再生分離型磁気ヘッドが用いられる
場合が多い。記録再生分離型磁気ヘッドは、基板1上
に、下部シールド層2を形成し、下部シールド層上に電
磁変換素子3を形成し、電磁変換素子上に下部磁気コア
を兼用する上部シールド層13を形成する。更に、上部
磁気シールド上に磁気ギャップ7および絶縁層14を形
成し、該磁気ギャップおよび絶縁層上に上部磁気コア1
2を形成する。上部磁気コア先端部は上部磁極8を構成
している。記録磁極の狭小化の要請から、上部磁極は上
部磁気コアとは別に形成されることが多く、ポールティ
ップと称されることもある。この場合、ポールティップ
先端部が上部磁極をなす。下部磁気コアの記録媒体対向
面側先端部はやはり下部磁極6を形成する。上部磁気コ
アと下部磁気コアの接合部はバックコンタクト部15と
称される。
【0003】前記の上部磁気コア、下部磁気コアおよび
磁気ギャップは磁路を形成しており、磁路はコイル20
により励磁される。コイルは、絶縁層14内に形成され
ており、製造上の容易さから、コイルは下部磁気コアあ
るいは上部磁気コアと平行な面内に配置され、前記バッ
クコンタクト部付近に巻回される。励磁により発生した
磁束は、磁路を伝わり磁気ギャップに達する。磁気ギャ
ップで、磁束は漏洩磁束となって磁路外に放出され、磁
気記録媒体を磁束の方向に磁化する記録磁界となる。磁
気記録に際して、記録磁界方向の反転はコイルを通電さ
れる電流の方向切り替えにより行われる。磁気記録の速
度は、コイルを流れる電流の反転時間と、コイルにより
励磁され磁路中を伝わり磁気ギャップから放出される磁
束の反転時間により決定される。
【0004】一方、磁気ディスクの記録密度の増加と共
に磁気記録の高周波数化が進められており、そのために
記録ヘッドの高速化が必要となっている。 記録周波数
の限界は、記録ヘッドからの記録磁界の反転時間により
決まる。このことは、記録周波数が記録磁界の反転時間
の2倍の逆数に相当する周波数よりも高くなると、磁界
強度が低下し記録に必要な磁界強度が得られなくなるこ
とや、記録の位相ずれが顕著になり、記録不能となるこ
とによる。例えば、記録周波数500MHzで記録を行
うためには、磁界立ち上がり時間が1ns以下である必
要がある。
【0005】記録磁界の反転時間を短縮するためには、
コイルのインダクタンスを低減することでコイルに流れ
る電流の反転時間を短縮することと、磁束の反転を遅ら
せる要因となる磁路中の渦電流を抑えることが必要であ
る。このため、図7に示すような従来の構成の記録ヘッ
ドでは、コイルの巻き線の間隔を狭めてコイル面積を縮
小することでコイルのインダクタンスを低減すること、
また、磁路長の短縮や磁路材料への高抵抗率材料の使用
により渦電流を抑えることが行われてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】必要な通電量を確保す
るためのコイルの最少断面積、および製造上の最少加工
寸法の制限から、コイル間隔の縮小には限界があり、こ
れにより磁路長の短縮も制限される。また、磁路材料の
高抵抗率化にも限界がある。また、従来の記録ヘッドに
比べ構成が異なる記録ヘッドが、特開平10-2552
39で示されている。この中では、磁極層と垂直な面内
にソレノイド状のコイルを形成し、上部磁気コアあるい
は下部磁気コアに対してコイルを巻回すことで、従来の
記録ヘッドに比べさらなるコイル面積の低減を図り、磁
界の反転時間を短縮するとしている。
【0007】しかしながら、上記のいずれの場合も、コ
イル面積の縮小や磁路長の短縮は、製造上の限界により
制限される。また、コイルに通電する電流供給回路の電
圧もヘッド設計上の制約から上限がある。このため、コ
イル面積の縮小や磁路長の短縮によらず、磁界反転時間
を短縮する記録ヘッドの実現が、本発明の課題となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ため、本願発明は以下のような構成上の特徴を有する。
1)磁路に巻き回すコイルを分割して複数にし、複数に
したコイルを電気的に並列に接続した点。
【0009】コイルを分割し、分割された複数のコイル
を電気的に並列となるよう配置することにより、コイル
全体のインダクタンスが低減され、記録磁界の反転時間
が短縮される。コイルへは外部の電流供給回路から電流
供給端子を介して通電する。電流供給回路は磁気ヘッド
が搭載されるスライダに設けても良いし、磁気ヘッドが
組み込まれる磁気記録装置内に設けても良い。記録ヘッ
ドのコイルは電流供給回路に接続されて初めて電気的に
並列接続されることになるので、電流供給回路が磁気ヘ
ッド外部に設けてある場合は、磁気ヘッド内部ではコイ
ルは回路的にオープンとなっているが、1つのコイルに
対して電流供給端子が2つ設けてあれば、電流供給回路
が接続されれば、コイルは並列接続されることになる。
【0010】2)コイルに通電するための電流供給回路
を、分割したコイル毎に接続する点。
【0011】複数にしたコイルごとに電流供給回路を接
続することによりコイルに個別の励磁電流波形を与える
ことができるので、起磁力波形を制御する上で好都合で
ある。
【0012】3)磁路に巻き回すコイルを上部磁気コア
の磁気ギャップ側先端付近に巻き回した点。
【0013】前述したとおり、記録ヘッドのコイルは、
通常、バックコンタクト部の付近に巻き回されている
が、記録磁界は磁気ギャップに発生させる必要がある。
現行の記録ヘッドにおいては、磁路の途中で漏れる磁束
の量が非常に大きい。したがって、磁路の励磁箇所が磁
気ギャップに近い方が磁路の途中でロスする磁束量が少
なくてすみ、したがって、発生した磁束をより効率的に
磁気ギャップに集中させることができる。
【0014】設計により適宜決められる事項であり磁気
ヘッドにより異なるが、上部磁気コアの形状は、一般
に、図7に示されるように磁気ギャップ7側から湾曲し
ながらバックコンタクト部13に向けて延びる形状をな
す場合が多い。上部磁気コアは絶縁層上に形成されるの
で、上部磁気コアの形状は、絶縁層表面の形状が転写さ
れたものとなる。絶縁層は、図7の11に示されるよう
に、磁気ギャップ側に斜面部が形成されることが多く、
したがって上部磁気コアにも斜面部が形成される。コイ
ルを巻き回す位置としては、理論上、磁気ギャップに近
ければ近い位置であるほど磁束の漏れが少なくなるが、
実際の製造を考えた場合、コイルを巻き回す位置は、斜
面部付近になると考えられる。
【0015】4)磁路に巻き回したコイルを分割して複
数とし、複数のコイルの一つを上部磁気コアのうち前記
斜面部に巻き回し、残りのコイルの少なくとも一つを前
記バックコンタクト部付近に巻き回し、更に、前記斜面
部に巻き回したコイルのインダクタンスをバックコンタ
クト部付近に巻き回したコイルのインダクタンスよりも
小さくした点。
【0016】通常、上部磁気コアによって構成される磁
路の断面積は磁気ギャップ側に近づくにつれ小さくなっ
ている。したがって、この箇所にコイルを巻き回せばバ
ックコンタクト部付近にコイルを巻き回すよりもインダ
クタンスが小さくなり記録磁界の立ち上がりは早くなる
が、発生する磁束量が少なく十分な記録磁界が得られな
い場合があり得る。
【0017】そこで、本願では、上部磁気コアの斜面部
付近とバックコンタクト部付近の両方にコイルを巻き回
す構成とした。上部磁気コアの斜面部付近に巻き回した
コイルはインダクタンスが小さく、起磁力の立ち上がり
が早い。また、バックコンタクト部付近に巻き回したコ
イルはインダクタンスが大きく、起磁力の立ち上がりは
遅いが、発生する磁束の量は多い。これによって、十分
な記録磁界強度を確保しつつ記録磁界の反転時間短縮を
実現する。
【0018】磁気ギャップに近い磁路を励磁した方が記
録磁界の立ち上がりが早くなることは、以下のことから
も分かる。図7、図8は共にバックコンタクト部付近に
巻き回されたコイルを有するヘッドであるが、図8に示
すヘッドにおいては、ギャップ側でのコイルの間隔が密
になるように巻き回されており、上部磁気コアのギャッ
プ側先端部へ磁束の漏れやすい構造となっている。計算
の結果、図7の磁気ヘッドの磁界反転時間が1.3ns
であったのに対して、図8の磁気ヘッドでは0.9ns
であった。このことから、磁路のギャップ先端部に近い
部位を励磁した方が記録磁界の反転時間は短縮されるこ
とが分かる。
【0019】更に、コイルのインダクタンスに差を付
け、コイル毎に電流供給回路を電流供給回路を接続し、
各々のコイルに個別に通電することで、更に大きな記録
磁界の反転時間の短縮効果が得られる。
【0020】コイルのインダクタンスは、周知の通り、
磁路の断面積を変えるだけではなく、コイルの巻回す回
数(ターン数)、磁路の透磁率等を変えることにより変
えることが可能である。
【0021】複数のコイルの配置方法としては、複数化
されたコイルを、上部磁気コアあるいは下部磁気コアと
平行な面内に巻回すように配置すれば、従来の製造工程
をそのまま用いることができ、好都合であるが、コイル
を磁極層に対して平行面内に巻き回すのではなく、磁極
層に対して垂直な方向にコイルが積層されるように配置
しても良い。
【0022】また、記録ヘッドの磁路に複数の分岐を設
けて、分岐の磁路それぞれにコイルを巻き回すことも可
能である。この場合、コイルで励磁された磁束は、磁路
の分岐で合流し、磁路の磁気ギャップから漏洩して、記
録磁界となる。分岐した磁路は分岐部分よりも断面積が
小さいため励磁されやすく、高速の磁界反転に向いてい
る。また、それぞれのコイルで励磁された磁束は分岐で
合流されるため、記録に必要な記録磁界強度は確保され
る。
【0023】以上の特徴を有する記録ヘッドをスライダ
に搭載する。図12に本願発明の磁気ヘッドを搭載した
磁気ヘッドスライダの一例を記録媒体対向面側から見た
斜視図を示した。スライダは、浮上力を発生するための
正圧発生レール22が設けられており、記録ヘッド2
3、再生ヘッド24はスライダの後端付近に形成されて
いる。スライダはジンバル25によって支えられてお
り、更にサスペンション26によってアクチュエータの
アームに接続される。図示されていないが、スライダ後
端部には電流供給端子が設けられており、電流供給端子
を介して配線が外部へ引き回されている。コイルへ通電
する電流供給回路はスライダに搭載することもできる。
【0024】図13には本願の磁気ヘッドを用いた磁気
記録装置の一例を示した。記録装置は、磁気ヘッドスラ
イダ27、磁気記録媒体28、磁気記録媒体を高速回転
駆動するモータ29、磁気ヘッドを磁気記録媒体上の所
定に位置な高速位置決めさせるアクチュエータ30、磁
気ヘッドへ供給する信号を増幅するための記録再生アン
プ(電流供給回路)32、磁気ヘッドが情報を読取り又
は書込みをするための情報を制御する信号処理回路3
3,アクチュエータの移動を制御する制御回路34、モ
ータの回転駆動を制御する制御手段35等からなる。電
流供給回路からの電流はフラットケーブル31を介して
磁気ヘッドへ供給される。このように磁気記録装置を構
成することで、記録周波数が1GHz以上での磁気記録
装置が実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】(実施例1)実施例1を説明する
記録ヘッドの構成図を、断面図として図1に、平面図と
して図2に示す。この磁気記録ヘッドはアルミナ-チタ
ンカーバイト系セラミック基板1上に、再生ヘッド部4
と記録ヘッド部5とが順に形成された録再分離型磁気ヘ
ッドである。
【0026】記録ヘッド部5はパーマロイ系合金で形成
されABS面(媒体対向面)側先端部が下部磁極6をな
す下部磁気コア13、同じくABS面側先端部が上部磁
極8をなす上部磁気コア12と、磁気ギャップ7を形成
するアルミナ層と、銅製のコイル9,10により形成さ
れている。コイルの周囲は絶縁材料で覆われており、絶
縁層14を形成している。磁路長は30μmである。記
録ヘッド部は、上部磁気コアのうち絶縁層14の斜面部
11上に形成された部分に巻き回されたコイル9と、バ
ックコンタクト部15付近に巻き回されたコイル10の
2つのコイルを有している。これらのコイルは下部磁気
コア13と平行な面内に配置されており、製造工程は既
存の磁気ヘッドの製造プロセスを用いて作製されてい
る。コイルの巻き数とインダクタンスは、それぞれ、コ
イル9では3ターン、10nH、コイル10で6ター
ン、30nHである。それぞれのコイルは個別の電流供
給回路10に接続されている。これら2台の電流供給回
路は同じ回路構成であり、電流振幅40mAの電流波形
をそれぞれのコイルに供給している。コイルに印可する
励磁電流とコイルのインダクタンスとを掛けた値である
起磁力波形を図3に示す。図3中、コイルaと示されて
いるコイルは図1,図2で引出番号9に示されるコイル
を、コイルbと示されているコイルは、引出番号10で
示されるコイルを意味している。ここで、起磁力波形と
は、最大振幅、反転時間、オーバーシュートの大きさで
特徴付けられ、最大振幅はコイルに印加された起磁力波
形が定常値に達した時の起磁力の大きさ、反転時間は前
述の通り起磁力波形の正負の反転時に波形が正負の最大
振幅の和の10%から90%まで変化するのにかかる時
間、オーバーシュートの大きさは起磁力が最大振幅を越
えてオーバーシュートした最大値と起磁力の最大振幅と
の差で定義される。記録磁界を高速反転させるためには
起磁力波形のオーバーシュートの大きさを大きくし反転
時間を小さくすることが必要であり、記録磁界を増大す
るためには最大振幅を大きくすることが必要である。
【0027】コイルaではインダクタンスが低いため起
磁力波形の反転時間が短く、オーバーシュートの大きさ
が大きくなっている。コイルbではインダクタンスが大
きいため起磁力波形の反転時間はコイルaよりも長く、
ターン数が多いので起磁力振幅が大きくなっている。こ
のヘッド構成では、それぞれのコイルのインダクタンス
を変えることで起磁力波形を変えたが、電流供給回路か
らの供給電流波形を回路毎に変えることで、それぞれの
コイルの起磁力波形を変えることもできる。また、コイ
ルのインダクタンスが異なる場合は、コイルを並列に接
続し、一つの電流供給回路から電流を通電することで
も、コイル毎の起磁力波形を変えることが可能である。
【0028】図4には記録ヘッドからの記録磁界波形を
示す。記録磁界波形は、電子線トモグラフィー法(IE
EE Trans.Magn.、28、1017(19
92))により測定できる。電子線トモグラフィー装置
は、細く絞った電子線を磁気ギャップ近傍に通過させ、
記録磁界により曲げられる電子線の変位量から磁界強度
を求めるもので、これにより記録磁界波形を得ることが
できる。図4中の波形aが本実施例における記録磁界波
形であり、波形bは上部磁気コアと下部磁気コアの接合
部位のみに9ターンのコイルが巻回された従来構造の磁
気ヘッドの記録磁界波形であり、構造は図7に示した磁
気ヘッドと同様である。従来構造のコイルへの通電電流
値は40mAであり、複数のコイルを有する本実施例の
ヘッドでの電流値と同じである。磁界立ち上がり時間は
本実施例の磁気ヘッドで0.5ns、従来構造の磁気ヘ
ッドで0.8nsであり、磁界の立ち上がり時間が短縮
されていた。さらに、このヘッドを用いて磁気記録装置
を構成することで周波数が1GHz以上での記録が可能
となる。
【0029】(実施例2)実施例2では、実施例1と比
べ、複数のコイルの位置が異なっている。図5に、実施
例2を説明する記録ヘッドの断面と平面の概略図を示
す。コイルは、バックコンタクト部付近に巻かれ、更に
コイル15とコイル16に分割されている。それぞれの
コイルのターン数とコイルが巻回す磁路の断面積が異な
るため、それぞれのコイルのインダクタンスは異ってお
り、コイル15で12nH、コイル16で30nHであ
る。それぞれのコイルは個別の電流供給回路に接続され
ている。これら2台の電流供給回路は回路構成が異な
り、35mAの電流をコイル15へ、40mAの電流を
コイル16へ、それぞれ供給している。記録磁界の磁界
立ち上がり時間は、図7に示す従来型ヘッドの0.8n
sに対し0.6nsであり、記録ヘッドの記録磁界の反
転時間が短縮されていた。 (実施例3)実施例3を説明する概略図を図6に断面図
と平面図で示す。記録ヘッドの磁路に分岐を有し、分岐
の磁路それぞれに巻回すコイルが設けられている。これ
ら2つのコイルは電気的に並列に接続されており、それ
ぞれのコイルのインダクタンスは同じである。また、2
つのコイルには同じ電流供給回路が接続されている。磁
界立ち上がり時間は、従来ヘッドの0.8nsに対し
0.65nsとなり、記録ヘッドの記録磁界の反転時間
が短縮されていた。
【0030】(実施例4)実施例4では、コイルを複数
に分割して該複数のコイルを電気的に並列に接続した磁
気ヘッドにおいて、コイルに接続する電流供給回路を共
通にした場合でも記録磁界の反転時間が短縮されること
を示した。図9にはインダクタンスの大きなコイルと小
さなコイル2つのコイルが磁路に巻き回された構造の記
録ヘッドの起磁力波形を示している。磁気ヘッドの構造
は図1、図2に示したものと同様であるが、この場合、
コイルには同一の電流供給回路が接続されている。図9
より、コイルのインダクタンスが変わることにより起磁
力波形の反転時間やオーバーシュートが大きく変わり、
インダクタンスが小さいコイルでは反転時間が短縮され
ていることが分かる。
【0031】比較のため、インダクタンスが同じ2つの
コイルが磁路に巻き回され2つのコイルそれぞれに個別
の電流供給回路が接続された記録ヘッドの起磁力波形を
図10に示した。コイルの配置は図1に示した磁気ヘッ
ドと同様であるが、この場合、2つのコイルのインダク
タンスは等しくなっている。電流供給回路の出力を変え
ることにより、インダクタンスが同じであっても、起磁
力波形の振幅が変わることが分かる。
【0032】更に、図11にはインダクタンスが異なる
2つのコイルが磁路に巻き回され、かつ2つのコイルに
個別の電流供給回路が接続された記録ヘッドの起磁力波
形を示した。インダクタンスの異なるコイルを個別に駆
動することにより、起磁力波形の反転時間、オーバーシ
ュートの大きさ、振幅が大きく変わり、図9、図10に
示した起磁力波形と比較して更に大きな反転時間の短縮
効果が得られていることが分かる。
【0033】
【発明の効果】本発明の記録ヘッドの構成では、磁路の
複数箇所にインダクタンスの異なる複数のコイルを設け
ることにより、製造上の限界により制限されるコイル面
積の縮小や磁路長の短縮によらず、磁界反転時間を短縮
することができ、高周波での記録が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の磁気記録ヘッドの構成を示す断面
図。
【図2】実施例1の磁気記録ヘッドの構成を示す平面
図。
【図3】実施例1の磁気記録ヘッドの起磁力波形。
【図4】実施例1の磁気記録ヘッドの記録磁界波形。
【図5】実施例2の磁気記録ヘッドの構成を示す断面図
および平面図。
【図6】実施例3の磁気記録ヘッドの構成を示す断面図
および平面図。
【図7】従来の磁気記録ヘッドの構成を示す断面図。
【図8】コイルの位置と磁界反転時間の関係を計算する
ために用いたヘッド構成の断面図。
【図9】インダクタンスの違いによる起磁力波形の違い
を示す図。
【図10】電流供給回路出力の違いによる起磁力波形の
違いを示す図。
【図11】インダクタンスと電流供給回路出力の違いに
よる起磁力波形の違いを示す図。
【図12】本願発明の磁気ヘッドを搭載した磁気ヘッド
スライダの一例を示す図。
【図13】本願発明の磁気ヘッドを用いた磁気記録装置
の構成例。
【符号の説明】
1基板、2下部シールド層、3電磁変換素子部、4再生
ヘッド部、5記録ヘッド部、6下部磁極、7磁気ギャッ
プ、8上部磁極、9、10コイル、11斜面部、12上
部磁気コア、13下部磁気コア、14絶縁層、15バッ
クコンタクト部、16電流供給回路、17,18,1
9、20,21コイル、22スライダレール、23記録
ヘッド、24再生ヘッド、25ジンバル、26サスペン
ション、27スライダ、28磁気記録媒体、29モー
タ、30アクチュエータ手段、31フラットケーブル、
32記録再生アンプ、33記録再生信号処理回路、34
アクチュエータの移動を制御する制御回路、35回転駆
動制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸塚 香 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5D033 BA07 BA32 BA36 BA39 BB14 BB43

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁路に巻き回された複数のコイルを有し、
    該複数のコイルは電気的に並列に接続されていることを
    特徴とする記録ヘッドを有する磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】磁路に巻き回された複数のコイルを有し、
    該複数のコイルの各々は対応する2つの電流供給端子を
    備えたことを特徴とする記録ヘッドを有する磁気ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】磁路に巻き回された複数のコイルを有する
    記録ヘッドを有し、該複数のコイルの各々には異なる電
    流供給回路が接続されていることを特徴とする磁気ヘッ
    ドスライダ。
  4. 【請求項4】上部磁気コアと、磁気ギャップと、下部磁
    気コアとを有し、該上部磁気コアの磁気ギャップ側先端
    部付近に巻き回されたコイルを有することを特徴とする
    記録ヘッドを備えた磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】基板上に形成された薄膜を積層して製造さ
    れた磁気ヘッドであって、下部磁気コアと、該下部磁気
    コア上に形成された絶縁層と、該絶縁層上に形成された
    上部磁気コアとを有し、前記絶縁層は、記録媒体対向面
    側に斜面部を有し、前記上部磁気コアのうち該斜面部上
    に形成された部分に巻き回された第1のコイルを有する
    ことを特徴とする磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の磁気ヘッドにおいて、前
    記上部磁気コアと下部磁気コアとは磁路を形成し、前記
    斜面部上に形成された上部磁気コアの部分は磁束に対し
    て垂直な方向の磁路の断面積が前記上部磁極に向かって
    小さくなる部分を有し、前記第1のコイルは該磁路の断
    面積が該上部磁極に向かって小さくなる部分に巻き回さ
    れていることを特徴とする磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】請求項5または6に記載の磁気ヘッドにお
    いて、前記磁気ヘッドは、前記上部磁気コアと下部磁気
    コアとが接合するバックコンタクト部を有し、該バック
    コンタクト部分と前記上部磁気コアの最上層との間に形
    成された部分の磁路に巻き回された第2のコイルとを有
    し、前記第2のコイルのインダクタンスは前記第1のコ
    イルのインダクタンスよりも大きいことを特徴とする磁
    気ヘッド。
  8. 【請求項8】磁束が環流する磁路を有し、該磁路は、磁
    束が複数の磁路に分岐する第1の部分と、分岐した複数
    の磁束が合流する第2の部分を有し、該磁路のうち前記
    第1の部分と第2の部分の間に位置する磁路の分岐部分
    の各々にはコイルが巻き回され、該分岐部分に巻き回さ
    れたコイルには各々2つの電流供給端子が設けられてい
    ることを特徴とする記録ヘッドを備えた磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】磁気ギャップと上部磁気コアと下部磁気コ
    アとを有し、該上部磁気コアと下部磁気コアとは接合部
    を有し、該接合部付近には複数のコイルが巻き回され、
    該複数のコイルは各々のコイルに対応した2つの電流供
    給端子を有することを特徴とする記録ヘッドを備えた磁
    気ヘッド。
  10. 【請求項10】磁路を形成する上部磁気コアと磁気ギャ
    ップと下部磁気コアと、該磁路に巻かれた複数のコイル
    とを有し、前記複数のコイルが励磁された場合に現れる
    コイルの起磁力波形の反転時間、オーバーシュートの大
    きさ、振幅のいずれか1つ以上がコイル毎に異なること
    を特徴とする記録ヘッドを含む磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】磁路に巻き回された複数のコイルを有す
    る記録ヘッドと再生素子を有する再生ヘッドを備えた磁
    気ヘッドと、該磁気ヘッドが搭載された磁気ヘッドスラ
    イダを有し、該複数のコイルの各々は2つの電流供給端
    子を備えていることを特徴とするヘッド・アッセンブ
    リ。
  12. 【請求項12】磁気記録媒体と、複数のコイルを有する
    記録ヘッドおよび前記記録媒体に記録された磁気情報を
    読み出す再生素子を有する再生ヘッドとを備えた磁気ヘ
    ッドと、前記複数のコイルへ電流を通電する電流供給回
    路と、前記磁気ヘッドに供給される記録信号および再生
    ヘッドからの再生信号を処理する信号処理回路とを有
    し、前記複数のコイルは各々電気的に並列に接続されて
    いることを特徴とする磁気記録装置。
  13. 【請求項13】磁気記録媒体と、複数のコイルを有する
    記録ヘッドおよび前記記録媒体に記録された磁気情報を
    読み出す再生素子を有する再生ヘッドとを備えた磁気ヘ
    ッドと、前記複数のコイルへ電流を通電する電流供給回
    路と、前記磁気ヘッドに供給される記録信号および再生
    ヘッドからの再生信号を処理する信号処理回路とを有
    し、前記複数のコイルには各々異なる電流供給回路が接
    続されていることを特徴とする磁気記録装置。
  14. 【請求項14】請求項12または13に記載の磁気記録
    装置において、前記複数のコイルに供給される励磁電流
    波形はコイル毎に異なることを特徴とする磁気記録装
    置。
  15. 【請求項15】磁気記録媒体と、複数のコイルを有する
    記録ヘッドと前記記録媒体に記録された磁気情報を読み
    出す再生素子を有する再生ヘッドとを備えた磁気ヘッド
    と、前記磁気ヘッドに供給される記録信号および再生ヘ
    ッドからの再生信号を処理する信号処理回路とを有する
    磁気記録装置において、前記記録ヘッドは、磁路を形成
    する上部磁気コアと、磁気ギャップと、下部磁気コア
    と、該上部磁気コアと下部磁気コアとが接合するバック
    コンタクト部と、該上部磁気コアの磁気ギャップ側先端
    部と該上部磁気コアの最上層との間に形成された部分の
    磁路に巻き回された第1のコイルと、該バックコンタク
    ト部分と前記上部磁気コアの最上層との間に形成された
    部分の磁路に巻き回された第2のコイルとを有し、前記
    第1のコイルのインダクタンスは前記第2のコイルのイ
    ンダクタンスよりも小さいことを特徴とする磁気記録装
    置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7280298B2 (en) 2002-08-09 2007-10-09 Fujitsu Limited Thin film magnetic head fit to recordation of higher frequency
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