JP2002023865A - 安定化電源装置及びそれを備えた電子機器 - Google Patents

安定化電源装置及びそれを備えた電子機器

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篤雄 小西
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謙次 増井
Yasuhisa Nakazawa
保寿 中澤
Mitsuru Hosoki
満 細木
Tatsuzo Yamamoto
辰三 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 システムを制御するマイコンの負担を増加す
ることなく、しかも、コストアップを招来することもな
く、各電源電圧の起動順序を内部で自ら能動的に制御す
る安定化電源装置を提供する。 【解決手段】 本発明の安定化電源装置は、入力電圧V
inを所要の電圧に変換し、これを出力電圧Voutと
して負荷15に供給するものであって、内部に、他系統
の電源電圧2を入力し、この電圧値に基づいて他系統の
電源電圧2が起動されたことを確認する確認手段である
トランジスタ5乃至7を備え、該確認手段により上記他
系統の電源電圧2が起動されたことが確認されるまでは
上記出力電圧Voutを上記負荷15に供給しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各電源電圧の起動
順序を内部で自ら能動的に制御する安定化電源装置及び
それを備えた電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器を構成するLSI等の素
子は、非常に種類が多く、これらを動作させるための電
源電圧は一定ではなく、複雑を極めている。
【0003】例えば、24V、12V、9V、5V、
3.3V、2.5V、1.8V等で動作する素子があ
る。このような電子機器を安定に動作させるためには、
各電子機器に所要の電圧を印加する以外に、各素子に対
して電圧を供給する順序およびタイミングがある。
【0004】例えば、3.3Vと2.5Vの電圧を供給
する必要のあるLSIに対し、先に、3.3Vを供給し
た後に2.5Vを供給しないと、LSIを含めた電子機
器全体が誤動作してしまう場合がある。
【0005】また、3.3Vと2.5Vの電圧を供給す
る必要のあるLSIにおいて、一方の電圧のみ供給され
た状態が所定時間以上継続すると、素子が破壊する場合
もある。
【0006】更に、一部のメモリ素子等においては、1
2Vと5Vの2種類の電圧が供給されることが必要であ
り、この場合、先に5Vを供給してから12Vを供給し
ないと、素子が破壊する場合がある。
【0007】従来、どのようにして複数の電源電圧の立
ち上げを行っていたかについて、図11および図12を
参照しながら、以下に説明する。
【0008】図11は、従来の電源起動シーケンス例を
示す説明図である。図11の電源起動シーケンスによれ
ば、まず、5Vの電源が立ち上げられる。それから、所
定時間Td1後に3.3Vの電源が立ち上げられる。さ
らに、所定時間Td2後に2.5Vの電源が立ち上げら
れる。このように、複数の電源を所定の順序で立ち上げ
ることによって、電子機器が正常に動作する。
【0009】図12は、図11に示す電源起動シーケン
スを実現するための回路構成例を示す。図12の構成例
によれば、3.3Vの電圧を供給する第2電源52、及
び2.5Vの電圧を供給する第3電源53の2つの電源
の立ち上げタイミングをマイクロコンピュータ(以下、
単に、マイコンと称す。)51が制御し、これにより、
図11の電源起動シーケンスにしたがって、各電圧が供
給先であるCPU54に供給されるようになっている。
なお、上記マイコン51は、電源監視機能を有してい
る。
【0010】つまり、図12の構成例によれば、5Vの
電圧を供給する第1電源50が立ち上がると、この5V
の電圧が、上記マイコン51、第2及び第3電源52及
び53に動作電圧として供給され、それぞれ動作可能状
態になる。この時点では、未だ、マイコン51からは、
オフ指令が第2及び第3電源52及び53にそれぞれ供
給されているので、これらの電源からは電圧は出力され
ない。
【0011】第1電源50が立ち上がってから、時間T
d1が経過すると、上記マイコン51は上記第2電源5
2に対してオン指令が供給される(このとき、第3電源
53に対しては、オフ指令が供給されたままであ
る。)。このオン指令を受領すると、上記第2電源52
は、3.3Vの電圧を上記CPU54に供給する。
【0012】それから、更に、時間Td2が経過する
と、上記マイコン51は上記第3電源53に対してオン
指令が供給される(このとき、第2電源53に対して
も、オン指令が供給されたままである。)。このオン指
令を受領すると、上記第3電源53は、2.5Vの電圧
を上記CPU54に供給する。
【0013】以上のように、図12の構成例によれば、
図11の電源起動シーケンスが実現でき、第1電源50
が立ち上がってから、時間(Td1+Td2)が経過し
た時点で、3.3V、及び2.5Vの2種類の電圧が共
に上記CPU54に供給されることになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術は、次のような問題点を有している。すなわ
ち、前述のように、電子機器を構成するLSI等の素子
の電源電圧は複雑を極めており、電子機器を安定に動作
させるためには、各電子機器に所要電圧を供給する以外
に、各素子に所要電圧を所要のタイミングで供給しない
と、正常に動作しない。
【0015】したがって、システムを制御するマイコン
に要求される電源監視機能は複雑化しており、その結
果、上記マイコンはコストアップを招来している。
【0016】しかも、システムを制御する上記マイコン
を使用して電源監視機能を果たす限り、必ず、最初に、
このマイコン自体を起動する必要があり、そのために、
上記マイコン用の電源を別途用意する必要がある(図1
2の場合、第1電源50を別途用意する必要があ
る。)。
【0017】例えば、システムを制御するマイコンの動
作電圧を5Vとし、このマイコンを含む電子機器には5
Vで動作する他の負荷があるとする。さらに、この電子
機器の安定動作のためには、5Vよりも先に他の電源電
圧を立ち上げる必要があるとする。このような場合、上
記他の負荷と区別して、上記マイコン用の5Vの電源電
圧を別途用意する必要があり、これは大きなコストアッ
プの要因となる。
【0018】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的は、システムを制御するマイコンの負
担を増加することなく、しかも、コストアップを招来す
ることもなく、各電源電圧の起動順序を内部で自ら能動
的に制御する安定化電源装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明に係る安定化電源
装置は、上記課題を解決するために、入力電圧を所要の
電圧に変換し、これを出力電圧として負荷に供給する安
定化電源装置において、以下の措置を講じたことを特徴
としている。
【0020】即ち、上記安定化電源装置は、内部に、他
系統の電源電圧を入力し、この電圧値に基づいて他系統
の電源電圧が起動されたことを確認する確認手段を備
え、該確認手段により上記他系統の電源電圧が起動され
たことが確認されるまでは上記出力電圧を上記負荷に供
給しないことを特徴としている。
【0021】上記の発明によれば、入力電圧が所要の電
圧に変換され、これが出力電圧として負荷に供給され
る。
【0022】従来は、安定化電源装置外に設けられ、シ
ステムを制御するマイコンによって、他系統の電源が監
視され、各素子に所要電圧が所要のタイミングで供給さ
れていた。そのためには、必ず、最初に、このマイコン
自体を起動する必要があり、上記マイコン用の電源を別
途用意する必要があった。これは、安定化電源装置のコ
スト高を招来する。
【0023】そこで、上記の発明によれば、他系統の電
源電圧を入力し、この電圧値に基づいて他系統の電源電
圧が起動されたことを確認する確認手段が安定化電源装
置の内部に設けられており、この確認手段によって他系
統の電源が起動されたことが確認されるまでは、出力電
圧が負荷に供給されないようになっている。
【0024】つまり、従来のように、安定化電源装置の
外部に設けられたシステム制御用のマイコンが安定化電
源装置のオン及びオフを制御するのではなくて、安定化
電源装置が、自ら、内部で、確認手段を介して他系統の
電源が起動されたか否かを確認しているので、システム
制御用のマイコンの負担を増加することなく、しかも、
従来上記マイコン用に別途設けることが必要であった電
源が不要となるので、コストアップを招来することもな
く、各電源電圧の起動順序を内部で自ら能動的に制御す
ることが可能となる。
【0025】なお、供給された他系統の電源電圧が所定
の電圧値未満(供給先の素子が正常に動作する動作電圧
の許容範囲外の電圧)であれば、出力電圧が負荷に供給
されない。これにより、信頼性の高い安定化電源装置を
提供できる。
【0026】上記確認手段は、上記他系統の電源電圧が
基準電圧値より大きいか否かを比較する比較手段を有
し、該比較手段による比較の結果、基準電圧値よりも大
きい場合に上記他系統の電源電圧が起動されたことを確
認することが好ましい。
【0027】この場合、基準電圧値を適当に決めること
によって、他系統の電源電圧の起動の確認に幅を持たせ
ることができる。したがって、多種多様な用途に適用で
き、汎用性に優れた安定化電源装置を提供できる。
【0028】本発明に係る他の安定化電源装置は、上記
課題を解決するために、入力電圧を所要の電圧に変換
し、これを出力電圧として負荷に供給する安定化電源装
置において、以下の措置を講じたことを特徴としてい
る。
【0029】即ち、上記安定化電源装置は、内部に、他
系統の電源電圧を受け、この電源電圧を所定時間だけ遅
延させる遅延手段と、この遅延手段の出力電圧が所定値
以上の場合に上記他系統の電源電圧が起動されたことを
確認する確認手段とを備え、上記確認手段により上記他
系統の電源電圧が起動されたことが確認されるまでは上
記出力電圧を上記負荷に供給しないことを特徴としてい
る。
【0030】上記の発明によれば、安定化電源装置の内
部に遅延手段と確認手段とが設けられている。この遅延
手段は、他系統の電源電圧を入力すると、これを所定時
間だけ遅延させて出力する。確認手段は、この遅延手段
の出力電圧が所定値以上の場合に上記他系統の電源電圧
が起動されたことを確認する。
【0031】本安定化電源装置によれば、他系統の電源
電圧が、入力されてから所定時間が経過し、且つ、その
ときの電圧値が所定値以上に達しているときに、確認手
段によって他系統の電源が起動されたことが確認され
る。この確認がなされるまでは、出力電圧が負荷に供給
されないようになっている。これにより、他系統の電源
電圧が何らかの原因で所定時間内(上記遅延手段による
遅延時間)に所定電圧値まで上昇しない場合には、負荷
に出力電圧が供給されないので、非常に信頼性の高い安
定化電源装置を供給できる。
【0032】以上より、従来のように、安定化電源装置
の外部に設けられたシステム制御用のマイコンが安定化
電源装置のオン及びオフを制御するのではなくて、安定
化電源装置が、自ら、内部で、確認手段を介して他系統
の電源が起動されたか否かを確認しているので、システ
ム制御用のマイコンの負担を増加することなく、しか
も、従来上記マイコン用に別途設けることが必要であっ
た電源が不要となるので、コストアップを招来すること
もなく、各電源電圧の起動順序を内部で自ら能動的に制
御することが可能となる。
【0033】上記確認手段は、上記遅延手段の出力電圧
が基準電圧値より大きいか否かを比較する比較手段を有
し、該比較手段による比較の結果、基準電圧値よりも大
きい場合に上記他系統の電源電圧が起動されたことを確
認することが好ましい。
【0034】この場合、基準電圧値を適当に決めること
によって、他系統の電源電圧の起動の確認に幅を持たせ
ることができる。したがって、多種多様な用途に適用で
き、汎用性に優れた安定化電源装置を提供できる。
【0035】上記確認手段は、上記出力電圧を負荷に出
力する指令が外部から更に入力された場合に、上記他系
統の電源電圧が起動されたことを確認することが好まし
い。
【0036】この場合、上述の各起動確認の条件を満足
するだけでは、出力電圧が負荷に供給されることはな
く、更に、出力電圧を負荷に出力する指令が外部から供
給されるという条件を満足して、はじめて安定化電源装
置が立ち上がる。これにより、緊急の場合、上記外部か
らの上記指令をオフすることによって、安定化電源装置
を確実にオフ(遮断)することができ、出力電圧の上記
負荷への不要な供給を回避できる。それゆえ、信頼性が
著しく向上する。この場合、上記遅延機能は動作しな
い。したがって、上記緊急遮断の後、再度、出力電圧を
負荷に出力する指令が外部から安定化電源装置に入力さ
れると、遅滞なく(遅延機能を経ることなく)、該安定
化電源装置が再起動される。
【0037】上記遅延手段は、時定数に応じて充電され
るコンデンサを有し、上記他系統の電源電圧の供給停止
時に上記コンデンサを放電する放電手段が更に設けられ
ていることが好ましい。
【0038】この場合、安定化電源装置の再起動や、起
動指令のオフ期間が短い場合にも、確実に必要な遅延時
間を確保し、信頼性を著しく向上することが可能とな
る。
【0039】安定化電源装置を再起動する場合、コンデ
ンサに電荷が残存していないときは、問題なく再起動が
可能である。しかし、コンデンサに電荷が残存している
場合、その分だけ、安定化電源装置が起動されるまでの
時間が短くなってしまう(遅延手段の遅延時間が短くな
ってしまう)。これは、安定化電源装置を頻繁にオン、
オフする際、起動指令のオフ期間が短い場合にもあては
まる。
【0040】そこで、上記の構成によれば、他系統の電
源電圧の供給が停止されると、コンデンサの充電電荷が
増加することはない。このとき、このコンデンサが放電
手段によって放電されるので、コンデンサに残存する電
荷は存在しなくなり、初期の状態になるので、通常の再
起動が高精度に行われる。
【0041】なお、安定化電源装置の起動時及び起動中
は、コンデンサは放電手段によって放電されないので、
安定化電源装置の動作に影響を与えることはない。
【0042】以上のように、他系統の電源電圧が一旦オ
フした後、再起動されたり、起動指令のオフ期間が短い
場合に再起動されても、コンデンサの残存電荷が放電手
段を介して放電されるので、通常の起動が安定且つ高精
度に実施できる。しかも、上記安定化電源装置は、シス
テムを制御するマイコンの負担を増加することなく、し
かも、コストアップを招来することもなく、内部で自ら
起動順序を能動的に制御することを可能としている。
【0043】上記確認手段により上記他系統の電源電圧
が起動されたことの確認を保持する起動確認保持手段を
更に備えることが好ましい。
【0044】この場合、確認手段により上記他系統の電
源電圧が起動されたことの確認が起動確認保持手段によ
って保持されるので、安定化電源装置の起動後、他系統
の電源電圧が何らかの原因によってダウン或いは許容値
以下に低下しても、安定化電源装置からは安定して目標
の出力電圧が負荷に対して供給されることになる。
【0045】以上のように、安定化電源装置の動作中に
他系統の電源電圧がダウン又は低下しても、起動確認保
持手段は、他系統の電源電圧が起動されたことの確認を
保持するので、安定化電源装置に影響を与えることを未
然に回避できる。しかも、上記安定化電源装置は、シス
テムを制御するマイコンの負担を増加することなく、し
かも、コストアップを招来することもなく、内部で自ら
起動順序を能動的に制御することを可能としている。
【0046】上記比較手段は、ヒステリシス特性を備え
ていることが好ましい。この場合、他系統の電源電圧の
上昇時の閾値と、下降時の閾値とを異ならせることが可
能となる。
【0047】つまり、比較手段は、他系統の電源電圧が
下降する際、上昇時の閾値よりも低下しても、その出力
は変化せず、下降時の閾値よりも低くなったときに、そ
の出力は変化する。この状態から、他系統の電源電圧が
上昇する際、下降時の閾値に達しても、その出力は変化
せず、上昇時の閾値以上になったときに、その出力は変
化する。このように、2つの閾値付近のレベルで他系統
の電源電圧が変動(例えば、ノイズによる変動)して
も、その変動に伴って逐一ヒステリシス特性を備えた比
較手段の出力が変化しないので、安定化電源装置の出力
は著しく安定する。
【0048】上記確認手段により上記他系統の電源電圧
が起動されたことが確認されると、その起動確認信号を
生成して外部へ出力する起動確認信号生成手段を更に備
えていることが好ましい。
【0049】この場合、他系統の電源電圧が立ち上がっ
たことを確認した後、安定化電源装置の起動が行われる
ので、信頼性が著しく向上する。加えて、安定化電源装
置が起動したことを示す起動確認信号を外部へ出力する
ことができ、外部回路はこの起動確認信号に同期して所
望の動作(例えば、外部機器のリセット動作等)を行う
ことが可能となる。
【0050】以上のように、本発明に係る安定化電源装
置は、入力電圧を所要の電圧に変換し、これを出力電圧
として負荷に供給する安定化電源装置において、内部
で、他系統の電源が起動したことを確認した後、上記出
力電圧を上記負荷に供給することを特徴としている。こ
のような特徴を備えた安定化電源装置を電子機器に組み
込めば、その信頼性が著しく向上することになる。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0052】本実施の形態に係る安定化電源装置は、図
1に示すように、入力電源1から入力電圧Vinが入力
されると、出力トランジスタ9を介して、出力電圧Vo
utを負荷15に供給する。この出力トランジスタ9
は、負荷15の状態に応じて、オン又はオフする。これ
により、安定した出力電圧Voutが上記負荷15に供
給される。なお、コンデンサ14は、出力電圧Vout
を安定化するために設けられたものである。
【0053】上記出力トランジスタ9のオン又はオフ
は、次のように制御される。すなわち、負荷15の両端
の電圧(以下、負荷電圧と称す。)は、抵抗12と抵抗
13とで分圧されてコンパレータ10のマイナス入力端
子に印加される。このコンパレータ10のプラス入力端
子には、基準電圧Vref1が印加される。この基準電
圧Vref1は、基準電圧発生回路11によって生成さ
れる。上記コンパレータ10及び上記基準電圧発生回路
11は、トランジスタ6を介して、動作電圧として上記
入力電圧Vinが供給されることによって、それぞれ動
作を開始する。
【0054】例えば、負荷電圧が目標の出力電圧Vou
tよりも小さい場合、それに伴って、上記コンパレータ
10のマイナス入力端子に印加される電圧は小さくな
る。この電圧が上記基準電圧Vref1よりも小さくな
り、コンパレータ10の出力はほぼ入力電圧Vinとな
る。これに伴って、コンパレータ10の出力端子に接続
されているトランジスタ8はオンするので、出力トラン
ジスタ9がオンする。これにより、負荷電圧が大きくな
る。
【0055】これに対して、負荷電圧が目標の出力電圧
Voutよりも大きい場合、それに伴って、上記コンパ
レータ10のマイナス入力端子に印加される電圧は大き
くなる。この電圧が上記基準電圧Vref1よりも大き
くなり、コンパレータ10の出力はほぼグランドレベル
となる。これに伴って、トランジスタ8はオフするの
で、出力トランジスタ9もオフする。これにより、負荷
電圧が低下する。
【0056】以上のように、出力トランジスタ9のオ
ン、オフにより、目標の出力電圧Voutが負荷15に
供給されることになる。
【0057】ここで、他系統の電源電圧2が起動された
ことを確認した後に本安定化電源装置が起動されること
について、図1を参照しながら以下に説明する。
【0058】この場合、他系統の電源電圧2が本安定化
電源装置に供給される。この他系統の電源電圧2は、抵
抗3及び4の両端に供給される。その結果、抵抗3及び
4によって分圧された電圧がトランジスタ7のベースに
供給される。抵抗3及び4の抵抗値は、他系統の電源電
圧2(定格値)が供給された場合に、上記の分圧電圧が
トランジスタ7のベース−エミッタ間の電圧よりも大き
くなるように設定されている。それゆえ、上記他系統の
電源電圧2が上記抵抗3及び4を介してベースに供給さ
れた場合に、トランジスタ7はオンする。トランジスタ
7がオンすることによって、他系統の電源電圧2が起動
されたことが確認される。
【0059】なお、供給された他系統の電源電圧2が所
定の電圧値未満(供給先の素子が正常に動作する動作電
圧の許容範囲外の電圧)であれば、抵抗3及び4によっ
て分圧された電圧はトランジスタ7をオンさせないよう
に抵抗3及び4の抵抗値が設定されており、これによ
り、信頼性の高い安定化電源装置を提供できる。
【0060】トランジスタ7がオンすると、このトラン
ジスタ7に接続されたトランジスタ5がオンする。これ
は、トランジスタ5のベースに入力電圧Vinが供給さ
れていると共に、コレクタ及びベースがトランジスタ7
のコレクタに接続されているからである。
【0061】このように、トランジスタ5のオンに伴っ
て、ベース同士接続されているトランジスタ6もオンす
る。これにより、入力電圧Vinが、トランジスタ6を
介して上記コンパレータ10及び上記基準電圧発生回路
11の動作電圧として供給され、これらが動作を開始す
る。そして、前述のように、出力電圧Voutの安定化
が行われる。
【0062】以上のように、トランジスタ7がオンする
ことによって、他系統の電源電圧2が起動されたことを
確認し、その後、トランジスタ6がオンすることによっ
て、コンパレータ10及び基準電圧発生回路11等のフ
ィードバック系が動作し、これにより、安定化電源装置
が起動する。なお、他系統の電源電圧2が起動されない
限り、たとえ入力電圧Vinが供給されていても、出力
電圧Voutは出力されることはない。これは、コンパ
レータ10及び基準電圧発生回路11等のフィードバッ
ク系が動作しておらず、したがって、出力トランジスタ
9がオフしたままであるからである。
【0063】このように、上記安定化電源装置は、シス
テムを制御するマイコンの負担を増加することなく、し
かも、コストアップを招来することもなく、内部で自ら
起動順序を能動的に制御することを可能としている。
【0064】ここで、図2を参照しながら、本発明の他
の安定化電源装置について説明する。図1と同じ機能を
有する部材については同じ参照符号を付記し、詳細な説
明を省略する。
【0065】図2に示す安定化電源装置は、他系統の電
源電圧2が供給された後、所定時間経過したことが確認
された場合に安定化電源装置を起動させる例である。図
2においては、図1の抵抗3及び4の代わりに、定電流
源16及びコンデンサ17が設けられ、その接続点がト
ランジスタ7のベースに接続されている。この点で、図
1の構成と異なっている。
【0066】この場合、他系統の電源電圧2が本安定化
電源装置に供給される。この他系統の電源電圧2は、定
電流源16及びコンデンサ17を直列接続したものに対
して供給される。その結果、定電流源16が定電流をコ
ンデンサ17に向かって流す。これに伴って、コンデン
サ17の両端の電圧が上昇し、トランジスタ7のベース
−エミッタ間電圧よりも大きくなると、トランジスタ7
はオンする。つまり、他系統の電源電圧2が供給されて
から所定時間経過後にトランジスタ7がオンすることに
なる。
【0067】このように、トランジスタ7がオンするこ
とによって、他系統の電源電圧2が起動されたことが確
認される。トランジスタ7がオンすると、このトランジ
スタ7に接続されたトランジスタ5がオンする。これ
は、トランジスタ5のベースに入力電圧Vinが供給さ
れていると共に、コレクタ及びベースがトランジスタ7
のコレクタに接続されているからである。
【0068】このように、トランジスタ5のオンに伴っ
て、ベース同士接続されているトランジスタ6もオンす
る。これにより、入力電圧Vinが、トランジスタ6を
介して上記コンパレータ10及び上記基準電圧発生回路
11の動作電圧として供給され、これらが動作を開始す
る。そして、前述のように、出力電圧Voutの安定化
が行われる。
【0069】以上のように、他系統の電源電圧2が供給
されたから所定時間経過後にトランジスタ7がオンする
ことによって、他系統の電源電圧2が起動されたことを
確認し、それからトランジスタ6がオンすることによっ
て、コンパレータ10及び基準電圧発生回路11等のフ
ィードバック系が動作する。これにより、安定化電源装
置が起動する。
【0070】なお、他系統の電源電圧2が起動されない
限り、たとえ入力電圧Vinが供給されていても、出力
電圧Voutは出力されることはない。これは、コンパ
レータ10及び基準電圧発生回路11等のフィードバッ
ク系が動作しておらず、したがって、出力トランジスタ
9がオフしたままであるからである。
【0071】このように、上記安定化電源装置は、シス
テムを制御するマイコンの負担を増加することなく、し
かも、コストアップを招来することもなく、内部で自ら
起動順序を能動的に制御することを可能としている。
【0072】ここで、図3を参照しながら、本発明の他
の安定化電源装置について説明する。図1と同じ機能を
有する部材については同じ参照符号を付記し、詳細な説
明を省略する。
【0073】図3に示す安定化電源装置は、他系統の電
源電圧2が供給され、その電圧値が所定値に達したこと
を確認した後、安定化電源装置を起動させる例である。
図3においては、図1の抵抗3及び4の接続点と、トラ
ンジスタ7のベースとの間に判定回路40が設けられて
いる。この点で、図1の構成と異なっている。
【0074】この判定回路40は、共に入力電源1の入
力電圧Vinが供給されている、基準電圧発生回路18
及びコンパレータ19から構成されている。上記コンパ
レータ19において、プラス入力端子には抵抗3及び4
の接続点の電圧が印加されており、マイナス入力端子に
は基準電圧発生回路18からの基準電圧Vref2が印
加されている。上記接続点の電圧が基準電圧Vref2
よりも大きい場合にトランジスタ7はオンする一方、上
記接続点の電圧が基準電圧Vref2以下の場合にトラ
ンジスタ7はオフする。
【0075】この場合、入力電圧Vinが基準電圧発生
回路18及びコンパレータ19に供給されているので、
これらは動作可能状態にある。この状態で、他系統の電
源電圧2が供給される。他系統の電源電圧2は、所定電
圧(供給先の素子を正常に動作させ得る電圧)であれば
よいが、何らかの理由で、定格電圧より小さい電圧の場
合もあるし、直ぐに所定電圧まで立ち上がるのではなく
て、遅延を伴って立ち上がる場合もある。
【0076】そこで、他系統の電源電圧2が所定電圧値
に立ち上がったことを確認した後、安定化電源装置の起
動を行えば、信頼性が著しく向上する。そのために、図
3の構成によれば、他系統の電源電圧2は抵抗3及び4
に印加され、その接続点の電圧が基準電圧Vref2以
上であるときに、コンパレータ19の出力がほぼ入力電
圧Vinに変化するので、トランジスタ7がオンする。
これにより、供給された他系統の電源電圧2が所定電圧
値に立ち上がったことが確認される。
【0077】トランジスタ7がオンすると、このトラン
ジスタ7に接続されたトランジスタ5がオンする。これ
は、トランジスタ5のベースに入力電圧Vinが供給さ
れていると共に、コレクタ及びベースがトランジスタ7
のコレクタに接続されているからである。
【0078】このように、トランジスタ5のオンに伴っ
て、ベース同士接続されているトランジスタ6もオンす
る。これにより、入力電圧Vinが、トランジスタ6を
介して上記コンパレータ10及び上記基準電圧発生回路
11の動作電圧として供給され、これらが動作を開始す
る。そして、前述のように、出力電圧Voutの安定化
が行われる。
【0079】以上のように、トランジスタ7がオンする
ことによって、供給された他系統の電源電圧2が所定電
圧値に立ち上がったことを確認し、その後、トランジス
タ6がオンすることによって、コンパレータ10及び基
準電圧発生回路11等のフィードバック系が動作し、こ
れにより、安定化電源装置が起動する。
【0080】なお、他系統の電源電圧2が供給されない
限り、たとえ入力電圧Vinが供給されていても、出力
電圧Voutは出力されることはない。これは、コンパ
レータ10及び基準電圧発生回路11等のフィードバッ
ク系が動作しておらず、したがって、出力トランジスタ
9がオフしたままであるからである。
【0081】このように、上記安定化電源装置は、シス
テムを制御するマイコンの負担を増加することなく、し
かも、コストアップを招来することもなく、内部で自ら
起動順序を能動的に制御することを可能としている。ま
た、基準電圧値Vref2を適当に決めることによっ
て、他系統の電源電圧2の起動の確認に幅を持たせるこ
とができる。したがって、多種多様な用途に適用でき、
汎用性に優れた安定化電源装置を提供できる。
【0082】ここで、図4を参照しながら、本発明の他
の安定化電源装置について説明する。図3と同じ機能を
有する部材については同じ参照符号を付記し、詳細な説
明を省略する。
【0083】図4に示す安定化電源装置は、他系統の電
源電圧2が供給されてから所定時間経過後であって、定
電流源16及びコンデンサ17の接続点の電圧が所定値
に達したことを確認した後に、安定化電源装置を起動さ
せる例である。図4においては、図3の抵抗3及び4の
代わりに、定電流源16及びコンデンサ17が設けら
れ、その接続点がコンパレータ19のプラス入力端子に
接続されている。この点で、図3の構成と異なってい
る。
【0084】判定回路40は、共に入力電源1の入力電
圧Vinが供給されている、基準電圧発生回路18及び
コンパレータ19から構成されている。上記コンパレー
タ19において、プラス入力端子には定電流源16及び
コンデンサ17の接続点の電圧が印加されており、マイ
ナス入力端子には基準電圧発生回路18からの基準電圧
Vref2が印加されている。他系統の電源電圧2の供
給とともに上記接続点の電圧が上昇していき、基準電圧
Vref2以上に大きくなった場合にトランジスタ7は
オンする一方、上記接続点の電圧が基準電圧Vref2
より小さい場合にトランジスタ7はオフする。
【0085】この場合、入力電圧Vinが基準電圧発生
回路18及びコンパレータ19に供給されているので、
これらは動作可能状態にある。この状態で、他系統の電
源電圧2が供給される。安定化電源装置は、供給先の素
子の都合で、他系統の電源電圧2が瞬時に供給されても
らっては困る場合もある。
【0086】そこで、他系統の電源電圧2の供給から所
定時間経過後に所定電圧値に立ち上がったことを確認し
た後、安定化電源装置の起動を行えば、上記のような素
子に対しても対応でき、信頼性が著しく向上する。
【0087】そのために、図4の構成によれば、他系統
の電源電圧2は定電流源16及びコンデンサ17に印加
され、その接続点はその時定数に基づいて変化する。上
記接続点の電圧が基準電圧Vref2より小さい場合に
は、コンパレータ19の出力はグランドレベルとなり、
トランジスタ7はオフ状態にあるので、安定化電源装置
は起動されない。これに対して、上記接続点の電圧が基
準電圧Vref2以上の場合には、コンパレータ19の
出力はほぼ入力電圧Vinに変化するので、トランジス
タ7がオンする。これにより、供給された他系統の電源
電圧2が所定時間経過後に所定電圧値に立ち上がったこ
とが確認される。
【0088】トランジスタ7がオンすると、このトラン
ジスタ7に接続されたトランジスタ5がオンする。これ
は、トランジスタ5のベースに入力電圧Vinが供給さ
れていると共に、コレクタ及びベースがトランジスタ7
のコレクタに接続されているからである。
【0089】このように、トランジスタ5のオンに伴っ
て、ベース同士接続されているトランジスタ6もオンす
る。これにより、入力電圧Vinが、上記コンパレータ
10及び上記基準電圧発生回路11の動作電圧として供
給され、これらが動作を開始する。そして、前述のよう
に、出力電圧Voutの安定化が行われる。
【0090】以上のように、トランジスタ7がオンする
ことによって、供給された他系統の電源電圧2が所定時
間経過後に所定電圧値に立ち上がったことを確認し、そ
の後、トランジスタ6がオンすることによって、コンパ
レータ10及び基準電圧発生回路11等のフィードバッ
ク系が動作し、これにより、安定化電源装置が起動す
る。
【0091】このように、上記安定化電源装置は、シス
テムを制御するマイコンの負担を増加することなく、し
かも、コストアップを招来することもなく、内部で自ら
起動順序を能動的に制御することを可能としている。
【0092】ここで、図5を参照しながら、本発明の他
の安定化電源装置について説明する。図4と同じ機能を
有する部材については同じ参照符号を付記し、詳細な説
明を省略する。
【0093】図5に示す安定化電源装置は、外部端子2
1を介して外部から安定化電源装置の起動指令が入力さ
れたこと、且つ、他系統の電源電圧2が起動されから所
定時間経過後であって、定電流源16及びコンデンサ1
7の接続点の電圧が所定値に達したことを確認した後
に、安定化電源装置を起動させる例である。つまり、外
部からの起動指令に基づいて安定化電源装置を起動させ
る場合であっても、他系統電源の監視が可能となる。
【0094】図5においては、図4のトランジスタ6と
入力電圧Vinのラインとの間にトランジスタ20が更
に設けられており、このトランジスタ20のベースが上
記外部端子21に引き出されている。この点で、図4の
構成と異なっている。
【0095】判定回路40は、共に入力電源1の入力電
圧Vinが供給されている、基準電圧発生回路18及び
コンパレータ19から構成されている。上記コンパレー
タ19において、プラス入力端子には定電流源16及び
コンデンサ17の接続点の電圧が印加されており、マイ
ナス入力端子には基準電圧発生回路18からの基準電圧
Vref2が印加されている。他系統の電源電圧2の供
給とともに上記接続点の電圧が上昇していき、基準電圧
Vref2以上に大きくなった場合にトランジスタ7は
オンする一方、上記接続点の電圧が基準電圧Vref2
より小さい場合にトランジスタ7はオフする。
【0096】この場合、入力電圧Vinが基準電圧発生
回路18及びコンパレータ19に供給されているので、
これらは動作可能状態にある。この状態で、他系統の電
源電圧2が供給される。安定化電源装置の起動は、上記
他系統の電源電圧2が、供給先の素子の都合で、所定時
間経過後に所定電圧に達しているだけ、或いは外部から
の起動指令だけでは不十分で、外部の所定の条件が整う
ことが必要な場合もある。
【0097】そこで、他系統の電源電圧2の供給から所
定時間経過後に所定電圧値に立ち上がったこと、及び外
部から起動指令を受領したことの双方を確認した後、安
定化電源装置の起動を行えば、上記のような素子に対し
ても対応でき、信頼性が著しく向上する。
【0098】そのために、図5の構成によれば、他系統
の電源電圧2は定電流源16及びコンデンサ17に印加
され、その接続点はその時定数に基づいて変化する。上
記接続点の電圧が基準電圧Vref2より小さい場合に
は、コンパレータ19の出力はグランドレベルとなり、
トランジスタ7はオフ状態にあるので、安定化電源装置
は起動されない。これに対して、上記接続点の電圧が基
準電圧Vref2以上の場合には、コンパレータ19の
出力はほぼ入力電圧Vinに変化するので、トランジス
タ7がオンする。これに伴って、トランジスタ5・6は
オン状態になるが、起動指令を受領しない限りトランジ
スタ20はオンすることはない。したがって、図5の構
成では、トランジスタ6及び20がオンしたときに、安
定化電源装置の起動条件の全てが整ったことが確認され
る。
【0099】このように、トランジスタ6及び20のオ
ンに伴って、入力電圧Vinが、上記コンパレータ10
及び上記基準電圧発生回路11の動作電圧として供給さ
れ、これらが動作を開始する。そして、前述のように、
出力電圧Voutの安定化が行われる。
【0100】以上のように、トランジスタ6及び20が
オンすることによって、全ての起動条件が整ったことを
確認し、その後、コンパレータ10及び基準電圧発生回
路11に入力電圧Vinが動作電圧として供給され、上
記フィードバック系が動作し、これにより、安定化電源
装置が起動する。
【0101】このように、上記安定化電源装置は、シス
テムを制御するマイコンの負担を増加することなく、し
かも、コストアップを招来することもなく、内部で自ら
起動順序を能動的に制御することを可能としている。
【0102】図5の上記構成において、トランジスタ6
と入力電圧Vinのラインとの間にトランジスタ20を
設ける以外に、図6に示すように、トランジスタ5と入
力電圧Vinのラインとの間にトランジスタ30を設け
る構成であっても、図5と同様の作用、効果を奏する。
【0103】つまり、他系統の電源電圧2が供給されて
から所定時間経過後に、定電流源16及びコンデンサ1
7の接続点の電圧が所定値に達していた場合、コンパレ
ータ19の出力はほぼ入力電圧Vinに変化するが、ト
ランジスタ30がオンしない限り、トランジスタ5はオ
ンすることはない。これ以外の動作は、図5の説明と重
複するので、ここでは、説明を省略する。
【0104】以上のように、図5及び図6の構成によれ
ば、上述の各起動確認の条件を満足するだけでは、出力
電圧Voutが負荷15に供給されることはなく、更
に、出力電圧を負荷に出力する指令が外部端子21から
供給されるという条件を満足して、はじめて安定化電源
装置が立ち上がる。
【0105】これにより、緊急の場合、上記外部端子2
1からの上記指令をオフすることによって、安定化電源
装置を確実にオフ(遮断)することができ、出力電圧V
outの上記負荷15への不要な供給を回避できる。そ
れゆえ、信頼性が著しく向上する。この場合、上記定電
流源16及びコンデンサ17に係る遅延機能は動作しな
い。したがって、上記緊急遮断の後、再度、上記外部端
子21を介して、外部から安定化電源装置の起動指令が
入力されると、遅滞なく(遅延機能を経ることなく)、
該安定化電源装置が再起動される。
【0106】ここで、図7を参照しながら、本発明の他
の安定化電源装置について説明する。図6と同じ機能を
有する部材については同じ参照符号を付記し、詳細な説
明を省略する。
【0107】図7に示す安定化電源装置は、コンデンサ
17に蓄積された電荷を放電する機能を更に備え、これ
により、安定化電源装置の再起動や、起動指令のオフ期
間が短い場合にも、確実に必要な遅延時間を確保し、信
頼性を著しく向上するものである。
【0108】図7においては、他系統の電源電圧2とグ
ランドラインとの間に抵抗23及び24をこの順に直列
に接続したものが設けられていると共に、定電流源16
及びコンデンサ17の接続点と、抵抗23及び24の接
続点との間にダイオード22が設けられている。この点
で、図6の構成と異なっている。
【0109】図5や図6の構成においては、一旦オフ
(他系統の電源電圧2もオフされる。)した後、安定化
電源装置を再起動する場合、コンデンサ17に電荷が残
存していないときは、問題なく再起動が可能である。し
かし、コンデンサ17に電荷が残存している場合、その
分だけ、安定化電源装置が起動されるまでの時間が短く
なってしまう(遅延時間が短くなってしまう)。これ
は、安定化電源装置を頻繁にオン、オフする際、起動指
令のオフ期間が短い場合にもあてはまる。
【0110】そこで、図7の構成によれば、他系統の電
源電圧2及び安定化電源装置がオフされると、定電流源
16からは電流が出力されなくなるので、コンデンサ1
7の蓄積電荷は増加することはない。このとき、抵抗2
3及び24の接続点の電圧も0になるので、ダイオード
22が導通し、上記オフ直前までに蓄積された電荷は、
ダイオード22、及び抵抗24を介して放電される。そ
の結果、コンデンサの蓄積電荷は存在しなくなり、初期
の状態になるので、通常の再起動が高精度に行われる。
【0111】なお、安定化電源装置の起動時及び起動中
には、抵抗23及び24の接続点の電圧がコンデンサ1
7の両端の電圧よりも大きくなるように、上記抵抗23
及び24の抵抗値が設定されている。その結果、ダイオ
ード22は非導通状態となり、コンデンサ17から抵抗
24に向かって電荷は移動しない。それゆえ、抵抗23
及び24、並びにダイオード22は、起動時及び起動中
の安定化電源装置に影響を与えることはない。
【0112】以上のように、安定化電源装置及び他系統
の電源電圧2が一旦オフした後、再起動されたり、起動
指令のオフ期間が短い場合に再起動されても、コンデン
サ17の残存電荷がダイオード22及び抵抗24を介し
て放電されるので、通常の起動が安定且つ高精度に実施
される。しかも、上記安定化電源装置は、システムを制
御するマイコンの負担を増加することなく、しかも、コ
ストアップを招来することもなく、内部で自ら起動順序
を能動的に制御することを可能としている。
【0113】上記例示した安定化電源装置は、何れも、
動作中は他系統の電源電圧2が供給されていることが前
提であり、この他系統の電源電圧2が動作途中におい
て、オフされると、コンパレータ19の出力がグランド
レベルになるので、入力電圧Vinを供給しているトラ
ンジスタ6がオフしてしまい、これにより、基準電圧発
生回路11やコンパレータ10に電源電圧が供給されな
くなり、安定化電源装置の出力はオフ状態になってしま
う。この不具合を解決する安定化電源装置について、図
8を参照しながら、以下に説明する。なお、図7の構成
と同じ機能を有する部材については同じ参照符号を付記
し、詳細な説明を省略する。
【0114】図8の構成によれば、図7のトランジスタ
5・30の代わりに、セットリセット型のフリップフロ
ップ25が設けられ、セット入力端子はトランジスタ7
のコレクタに接続されている(このフリップフロップ2
5の電源電圧は、入力電源1から供給されている。)。
【0115】他系統の電源電圧2が供給されると、定電
流源16はコンデンサ17を充電し、コンデンサ17の
両端の電圧は上昇する。この電圧が基準電圧Vref2
より小さい場合は、コンパレータ19の出力はグランド
レベルであるので、トランジスタ7はオフ状態となり、
フリップフロップ25のセット入力端子にはローレベル
が入力されない。
【0116】これに対して、コンデンサ17の両端の電
圧が基準電圧Vref以上に大きくなると、コンパレー
タ19の出力はグランドレベルから入力電圧Vinに変
化するので、トランジスタ7がオンする。これに伴っ
て、フリップフロップ25のセット入力端子には、トラ
ンジスタ7を介してローレベル(グランドレベル)が供
給され、フリップフロップ25の出力端子Qからはハイ
レベル(入力電圧Vin)が出力される。この状態は、
フリップフロップ25のリセット入力端子にローレベル
の信号が入力されないので、維持される。
【0117】フリップフロップ25の出力端子Qからハ
イレベルの信号が出力されると、トランジスタ6がオン
する。このとき、外部入力端子21を介して外部から起
動指令が入力されていれば、トランジスタ20がオンす
るので、入力電圧Vinがトランジスタ20及び6を介
して、基準電圧発生回路11及びコンパレータ10に供
給される。以降は、前述と同様な動作が行われ、負荷1
5に目標の出力電圧Voutが安定的に印加される。
【0118】なお、外部入力端子21を介して外部から
起動指令が入力されていなければ、トランジスタ20は
オフ状態になるので、たとえトランジスタ6がオン状態
にあっても、入力電圧Vinが基準電圧発生回路11及
びコンパレータ10に供給されることはない。
【0119】安定化電源装置の起動後、他系統の電源電
圧2が何らかの原因によってダウン或いは許容値以下に
低下したとする。このとき、定電流源16はコンデンサ
17に対して充電しなくなり、コンパレータ19の出力
が変化することがあるが、このような場合であっても、
フリップフロップ25の出力端子Qはハイレベルに維持
されるので、安定化電源装置からは安定して目標の出力
電圧Voutが負荷15に対して出力されることにな
る。
【0120】なお、外部端子21を介して起動解除の指
令が入力されると、トランジスタ6はオン状態が維持さ
れるが、トランジスタ20はオフ状態になるので、基準
電圧発生回路11及びコンパレータ10に入力電圧Vi
nが供給されなくなり、安定化電源装置の出力はオフさ
れる。
【0121】以上のように、安定化電源装置の動作中に
他系統の電源電圧2がダウン又は低下しても、上記フリ
ップフロップ25の出力は維持されるので、安定化電源
装置に影響を与えることを未然に回避できる。しかも、
上記安定化電源装置は、システムを制御するマイコンの
負担を増加することなく、しかも、コストアップを招来
することもなく、内部で自ら起動順序を能動的に制御す
ることを可能としている。
【0122】ここで、他系統の電源電圧2が低下(ダウ
ンも含む)したり復帰したりした場合について図9を参
照しながら、以下に説明する。
【0123】図9の構成は、図3の構成においてコンパ
レータ19の代わりにヒステリシス機能を備えたヒステ
リシスコンパレータ26を設けた点において異なってい
る。このようにヒステリシスコンパレータ26を設ける
ことによって、他系統の電源電圧2の上昇時の閾値と、
下降時の閾値とを異ならせることが可能となる。
【0124】つまり、ヒステリシスコンパレータ26
は、他系統の電源電圧2が下降する際、上昇時の閾値よ
りも低下しても、その出力は変化せず、下降時の閾値よ
りも低くなったときに、その出力は変化する。この状態
から、他系統の電源電圧2が上昇する際、下降時の閾値
に達しても、その出力は変化せず、上昇時の閾値以上に
なったときに、その出力は変化する。このように、2つ
の閾値付近のレベルで他系統の電源電圧2が変動(例え
ば、ノイズによる変動)しても、その変動に伴って逐一
ヒステリシスコンパレータ26の出力が変化しないの
で、安定化電源装置の出力は著しく安定する。
【0125】コンパレータ19の代わりにヒステリシス
コンパレータ26を設けることは、図3の場合に限ら
ず、図4乃至図8、及び後述する図10においても、コ
ンパレータ19の代わりにヒステリシスコンパレータ2
6を設けてもよい。
【0126】ここで、図3の機能に加えて、リセット信
号発生機能を備えた構成例を図10を参照しながら、以
下に説明する。なお、図3と同じ機能を有する部材につ
いては同じ参照符号を付記し、詳細な説明を省略する。
【0127】図10に示す安定化電源装置は、他系統の
電源電圧2が起動され、その電圧値が所定値に達したこ
とを確認した後、安定化電源装置を起動させると共に、
リセット信号(安定化電源装置が起動したことを示す信
号)を生成する例である。図10においては、図3の構
成において、トランジスタ27及び28が更に設けられ
ている。このトランジスタ27は、ベースにコンパレー
タ19の出力が供給され、エミッタはグランドに接続さ
れ、コレクタには他系統の電源電圧2が供給されてい
る。また、上記トランジスタ28は、ベースに他系統の
電源電圧2が供給され、コレクタはグランドに接続さ
れ、エミッタは外部端子29に接続されている。
【0128】コンパレータ19において、プラス入力端
子には抵抗3及び4の接続点の電圧が印加されており、
マイナス入力端子には基準電圧発生回路18からの基準
電圧Vref2が印加されている。上記接続点の電圧が
基準電圧Vref2よりも大きい場合にトランジスタ2
7はオンし、これに伴って、トランジスタ28がオンす
る。このトランジスタ28がオンすることによって、外
部端子を介して、ローレベルのリセット信号が外部へ出
力される。一方、上記接続点の電圧が基準電圧Vref
2以下の場合にトランジスタ27・28はオフし、上記
リセット信号は外部へ出力されることはない。
【0129】図10の構成によれば、トランジスタ7が
オンすることによって、供給された他系統の電源電圧2
が所定電圧値に立ち上がったことを確認し、その後、ト
ランジスタ6がオンすることによって、コンパレータ1
0及び基準電圧発生回路11等のフィードバック系が動
作し、これにより、安定化電源装置が起動する。なお、
他系統の電源電圧2が起動されない限り、たとえ入力電
圧Vinが供給されていても、出力電圧Voutは出力
されることはない。これは、コンパレータ10及び基準
電圧発生回路11等のフィードバック系が動作しておら
ず、したがって、出力トランジスタ9がオフしたままで
あるからである。
【0130】つまり、他系統の電源電圧2が所定電圧値
に立ち上がったことを確認した後、安定化電源装置の起
動が行われるので、信頼性が著しく向上する。加えて、
安定化電源装置が起動したことを示すリセット信号を外
部へ出力することができ、外部回路はこのリセット信号
に同期して所望の動作を行うことが可能となる。
【0131】以上のように、上記安定化電源装置は、シ
ステムを制御するマイコンの負担を増加することなく、
しかも、コストアップを招来することもなく、内部で自
ら起動順序を能動的に制御すると共に、外部へリセット
信号を供給することを可能としている。
【0132】上記説明において、図5、図6乃至図8に
外部端子21を設けた構成例を示したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、これらの図面以外の図面で
示す構成においても、上記外部端子21を設けてもよ
い。
【0133】また、上記基準電圧発生回路18及びコン
パレータ19は、動作電圧として入力電圧Vinが供給
される場合について説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、これらの動作電圧として他系統の電
源電圧2が供給される構成でもよい。
【0134】なお、上記安定化電源装置においては、出
力トランジスタ9としてPNPトランジスタを使用した
場合を例示しているが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、NPNトランジスタを使用した場合にも本発
明は適用できる。また、本発明は、スイッチング方式の
安定化電源装置にも適用できる。
【0135】本発明に係る第1安定化電源装置は、以上
のように、入力電圧を所要の電圧に変換し、その出力電
圧を負荷に供給する安定化電源装置において、他の電源
が起動したことを確認した後にその出力電圧を供給する
ことを特徴としている。
【0136】本発明に係る第2安定化電源装置は、上記
第1安定化電源装置において、起動したことを確認した
後、一定期間の遅延の後に出力電圧を供給することを特
徴としている。
【0137】本発明に係る第3安定化電源装置は、上記
第1安定化電源装置において、他の電源が所定の電圧に
なったことを確認した後、その出力電圧を供給すること
を特徴としている。
【0138】本発明に係る第4安定化電源装置、上記第
1安定化電源装置において、他の電源が所定の電圧にな
ったことを確認した後に、一定期間の遅延の後に出力電
圧を供給することを特徴としている。
【0139】本発明に係る第5安定化電源装置は、上記
第1乃至第4安定化電源装置のいずれか一つにおいて、
外部からの制御信号による出力電圧のオン/オフ機能を
備えたことを特徴としている。
【0140】本発明に係る第6安定化電源装置は、上記
第5安定化電源装置において、外部からの制御信号によ
る出力電圧のオン/オフ機能を備え、その外部からの制
御信号によるオン/オフの場合には、遅延機能を動作さ
せないことを特徴としている。
【0141】本発明に係る第7安定化電源装置は、上記
第1、第2、又は6安定化電源装置において、停止時に
遅延時間を設定するコンデンサを放電することを特徴と
している。
【0142】本発明に係る第8安定化電源装置は、上記
第3又は第4安定化電源装置において、他系統の電源の
電圧低下時には、出力電圧がオフしないことを特徴とし
ている。
【0143】本発明に係る第9安定化電源装置は、上記
第3又は第4安定化電源装置において、他系統の電源の
電圧上昇時の出力電圧がオンする閾値と、他系統の電源
の電圧低下時の出力電圧がオフする閾値とが異なること
を特徴としている。
【0144】本発明に係る第10安定化電源装置は、上
記第3又は第4安定化電源装置において、電圧検出機能
とリセット信号発生機能を兼ね備えたことを特徴として
いる。
【0145】本発明に係る電子機器は、上記第1乃至第
10安定化電源装置の何れかひとつを備えたことを特徴
としている。
【0146】上記の安定化電源装置によれば、他系統の
電源電圧の起動を監視して、能動的に起動することがで
き、システムコントロールマイコンの簡素化、若しくは
システムコントロールマイコンを設けることが不要とな
り、コストダウン効果が非常に高い。
【0147】又、上記の安定化電源装置によれば、遅延
機能や、オン/オフ機能、リセット信号出力機能の集約
で非常に効果の高い安定化電源装置の提供が可能とな
る。
【0148】
【発明の効果】本発明に係る安定化電源装置は、以上の
ように、内部に、他系統の電源電圧を入力し、この電圧
値に基づいて他系統の電源電圧が起動されたことを確認
する確認手段を備え、該確認手段により上記他系統の電
源電圧が起動されたことが確認されるまでは上記出力電
圧を上記負荷に供給しないことを特徴としている。
【0149】従来は、安定化電源装置外に設けられ、シ
ステムを制御するマイコンによって、他系統の電源が監
視され、各素子に所要電圧が所要のタイミングで供給さ
れていた。そのためには、必ず、最初に、このマイコン
自体を起動する必要があり、上記マイコン用の電源を別
途用意する必要があった。これは、安定化電源装置のコ
スト高を招来する。
【0150】そこで、上記の発明によれば、他系統の電
源電圧を入力し、この電圧値に基づいて他系統の電源電
圧が起動されたことを確認する確認手段が安定化電源装
置の内部に設けられており、この確認手段によって他系
統の電源が起動されたことが確認されるまでは、出力電
圧が負荷に供給されないようになっている。
【0151】つまり、従来のように、安定化電源装置の
外部に設けられたシステム制御用のマイコンが安定化電
源装置のオン及びオフを制御するのではなくて、安定化
電源装置が、自ら、内部で、確認手段を介して他系統の
電源が起動されたか否かを確認しているので、システム
制御用のマイコンの負担を増加することなく、しかも、
従来上記マイコン用に別途設けることが必要であった電
源が不要となるので、コストアップを招来することもな
く、各電源電圧の起動順序を内部で自ら能動的に制御す
ることが可能となる。
【0152】供給された他系統の電源電圧が所定の電圧
値未満(供給先の素子が正常に動作する動作電圧の許容
範囲外の電圧)であれば、出力電圧が負荷に供給されな
い。これにより、信頼性の高い安定化電源装置を提供で
きるという効果を併せて奏する。
【0153】上記確認手段は、上記他系統の電源電圧が
基準電圧値より大きいか否かを比較する比較手段を有
し、該比較手段による比較の結果、基準電圧値よりも大
きい場合に上記他系統の電源電圧が起動されたことを確
認することが好ましい。
【0154】この場合、基準電圧値を適当に決めること
によって、他系統の電源電圧の起動の確認に幅を持たせ
ることができる。したがって、多種多様な用途に適用で
き、汎用性に優れた安定化電源装置を提供できるという
効果を併せて奏する。
【0155】本発明に係る他の安定化電源装置は、以上
のように、内部に、他系統の電源電圧を受け、この電源
電圧を所定時間だけ遅延させる遅延手段と、この遅延手
段の出力電圧が所定値以上の場合に上記他系統の電源電
圧が起動されたことを確認する確認手段とを備え、上記
確認手段により上記他系統の電源電圧が起動されたこと
が確認されるまでは上記出力電圧を上記負荷に供給しな
いことを特徴としている。
【0156】上記の発明によれば、安定化電源装置の内
部に遅延手段と確認手段とが設けられている。この遅延
手段は、他系統の電源電圧を入力すると、これを所定時
間だけ遅延させて出力する。確認手段は、この遅延手段
の出力電圧が所定値以上の場合に上記他系統の電源電圧
が起動されたことを確認する。
【0157】したがって、他系統の電源電圧が、入力さ
れてから所定時間が 経過し、且つ、そのときの電圧値
が所定値以上に達しているときに、確認手段によって他
系統の電源が起動されたことが確認される。この確認が
なされるまでは、出力電圧が負荷に供給されないように
なっている。これにより、他系統の電源電圧が何らかの
原因で所定時間内(上記遅延手段による遅延時間)に所
定電圧値まで上昇しない場合には、負荷に出力電圧が供
給されないので、非常に信頼性の高い安定化電源装置を
供給できる。
【0158】以上より、従来のように、安定化電源装置
の外部に設けられたシステム制御用のマイコンが安定化
電源装置のオン及びオフを制御するのではなくて、安定
化電源装置が、自ら、内部で、確認手段を介して他系統
の電源が起動されたか否かを確認しているので、システ
ム制御用のマイコンの負担を増加することなく、しか
も、従来上記マイコン用に別途設けることが必要であっ
た電源が不要となるので、コストアップを招来すること
もなく、各電源電圧の起動順序を内部で自ら能動的に制
御することが可能となるという効果を併せて奏する。
【0159】上記確認手段は、上記遅延手段の出力電圧
が基準電圧値より大きいか否かを比較する比較手段を有
し、該比較手段による比較の結果、基準電圧値よりも大
きい場合に上記他系統の電源電圧が起動されたことを確
認することが好ましい。
【0160】この場合、基準電圧値を適当に決めること
によって、他系統の電源電圧の起動の確認に幅を持たせ
ることができる。したがって、多種多様な用途に適用で
き、汎用性に優れた安定化電源装置を提供できるという
効果を併せて奏する。
【0161】上記確認手段は、上記出力電圧を負荷に出
力する指令が外部から更に入力された場合に、上記他系
統の電源電圧が起動されたことを確認することが好まし
い。
【0162】この場合、上述の各起動確認の条件を満足
するだけでは、出力電圧が負荷に供給されることはな
く、更に、出力電圧を負荷に出力する指令が外部から供
給されるという条件を満足して、はじめて安定化電源装
置が立ち上がる。これにより、緊急の場合、上記外部か
らの上記指令をオフすることによって、安定化電源装置
を確実にオフ(遮断)することができ、出力電圧の上記
負荷への不要な供給を回避できる。それゆえ、信頼性が
著しく向上する。この場合、上記遅延機能は動作しな
い。したがって、上記緊急遮断の後、再度、出力電圧を
負荷に出力する指令が外部から安定化電源装置に入力さ
れると、遅滞なく(遅延機能を経ることなく)、該安定
化電源装置を再起動できるという効果を併せて奏する。
【0163】上記遅延手段は、時定数に応じて充電され
るコンデンサを有し、上記他系統の電源電圧の供給停止
時に上記コンデンサを放電する放電手段が更に設けられ
ていることが好ましい。
【0164】この場合、安定化電源装置の再起動や、起
動指令のオフ期間が短い場合にも、確実に必要な遅延時
間を確保し、信頼性を著しく向上することが可能とな
る。
【0165】安定化電源装置を再起動する場合、コンデ
ンサに電荷が残存していないときは、問題なく再起動が
可能である。しかし、コンデンサに電荷が残存している
場合、その分だけ、安定化電源装置が起動されるまでの
時間が短くなってしまう(遅延手段の遅延時間が短くな
ってしまう)。これは、安定化電源装置を頻繁にオン、
オフする際、起動指令のオフ期間が短い場合にもあては
まる。
【0166】そこで、上記の構成によれば、他系統の電
源電圧の供給が停止されると、コンデンサの充電電荷が
増加することはない。このとき、このコンデンサが放電
手段によって放電されるので、コンデンサに残存する電
荷は存在しなくなり、初期の状態になるので、通常の再
起動を高精度に行うことが可能となる。
【0167】安定化電源装置の起動時及び起動中は、コ
ンデンサは放電手段によって放電されないので、安定化
電源装置の動作に影響を与えることはない。
【0168】以上のように、他系統の電源電圧が一旦オ
フした後、再起動されたり、起動指令のオフ期間が短い
場合に再起動されても、コンデンサの残存電荷が放電手
段を介して放電されるので、通常の起動が安定且つ高精
度に実施できる。しかも、上記安定化電源装置は、シス
テムを制御するマイコンの負担を増加することなく、し
かも、コストアップを招来することもなく、内部で自ら
起動順序を能動的に制御できるという効果を併せて奏す
る。
【0169】上記確認手段により上記他系統の電源電圧
が起動されたことの確認を保持する起動確認保持手段を
更に備えることが好ましい。
【0170】この場合、確認手段により上記他系統の電
源電圧が起動されたことの確認が起動確認保持手段によ
って保持されるので、安定化電源装置の起動後、他系統
の電源電圧が何らかの原因によってダウン或いは許容値
以下に低下しても、安定化電源装置からは安定して目標
の出力電圧が負荷に対して供給されることになる。
【0171】以上のように、安定化電源装置の動作中に
他系統の電源電圧がダウン又は低下しても、起動確認保
持手段は、他系統の電源電圧が起動されたことの確認を
保持するので、安定化電源装置に影響を与えることを未
然に回避できる。しかも、上記安定化電源装置は、シス
テムを制御するマイコンの負担を増加することなく、し
かも、コストアップを招来することもなく、内部で自ら
起動順序を能動的に制御できるという効果を併せて奏す
る。
【0172】上記比較手段は、ヒステリシス特性を備え
ていることが好ましい。この場合、他系統の電源電圧の
上昇時の閾値と、下降時の閾値とを異ならせることが可
能となる。
【0173】つまり、比較手段は、他系統の電源電圧が
下降する際、上昇時の閾値よりも低下しても、その出力
は変化せず、下降時の閾値よりも低くなったときに、そ
の出力は変化する。この状態から、他系統の電源電圧が
上昇する際、下降時の閾値に達しても、その出力は変化
せず、上昇時の閾値以上になったときに、その出力は変
化する。このように、2つの閾値付近のレベルで他系統
の電源電圧が変動(例えば、ノイズによる変動)して
も、その変動に伴って逐一ヒステリシス特性を備えた比
較手段の出力が変化しないので、安定化電源装置の出力
を著しく安定化できるという効果を併せて奏する。
【0174】上記確認手段により上記他系統の電源電圧
が起動されたことが確認されると、その起動確認信号を
生成して外部へ出力する起動確認信号生成手段を更に備
えていることが好ましい。
【0175】この場合、他系統の電源電圧が立ち上がっ
たことを確認した後、安定化電源装置の起動が行われる
ので、信頼性が著しく向上する。加えて、安定化電源装
置が起動したことを示す起動確認信号を外部へ出力する
ことができ、外部回路はこの起動確認信号に同期して所
望の動作(例えば、外部機器のリセット動作等)を行う
ことが可能となるという効果を併せて奏する。
【0176】以上のように、本発明に係る安定化電源装
置は、入力電圧を所要の電圧に変換し、これを出力電圧
として負荷に供給する安定化電源装置において、内部
で、他系統の電源が起動したことを確認した後、上記出
力電圧を上記負荷に供給することを特徴としている。こ
のような特徴を備えた安定化電源装置を電子機器に組み
込めば、その信頼性が著しく向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る安定化電源装置の構成例を示す回
路図である。
【図2】図1の構成に遅延機能を持たせた場合の安定化
電源装置の構成例を示す回路図である。
【図3】図1の構成に電圧比較機能を持たせた場合の安
定化電源装置の構成例を示す回路図である。
【図4】図2の構成に電圧比較機能を持たせた場合の安
定化電源装置の構成例を示す回路図である。
【図5】図4の構成に外部起動機能を持たせた場合の安
定化電源装置の構成例を示す回路図である。
【図6】図4の構成に外部起動機能を持たせた場合の安
定化電源装置の他の構成例を示す回路図である。
【図7】安定化電源装置の再起動や、起動指令のオフ期
間が短い場合にも、確実に必要な遅延時間を確保し得る
安定化電源装置の構成例を示す回路図である。
【図8】動作中に他系統の電源電圧がダウン又は低下し
ても、出力が維持できる安定化電源装置の構成例を示す
回路図である。
【図9】他系統の電源電圧が変動しても、これに影響を
受けない安定化電源装置の構成例を示す回路図である。
【図10】図3の機能に加えて、リセット信号発生機能
を備えた安定化電源装置の構成例を示す回路図である。
【図11】従来の電源起動シーケンス例を示す説明図で
ある。
【図12】図11に示す電源起動シーケンスを実現する
ための構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
1 入力電源 2 他系統の電源電圧 5 トランジスタ(確認手段) 6 トランジスタ(確認手段) 7 トランジスタ(確認手段) 10 コンパレータ 11 基準電圧発生回路 15 負荷 16 定電流源 18 基準電圧発生回路 19 コンパレータ(比較手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増井 謙次 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 中澤 保寿 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 細木 満 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 山本 辰三 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5G065 DA07 EA04 HA05 JA02 LA01 5H430 BB01 BB09 BB11 EE03 FF02 FF12 FF13 GG08 HH03 KK04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力電圧を所要の電圧に変換し、これを出
    力電圧として負荷に供給する安定化電源装置において、 内部に、他系統の電源電圧を入力し、この電圧値に基づ
    いて他系統の電源電圧が起動されたことを確認する確認
    手段を備え、該確認手段により上記他系統の電源電圧が
    起動されたことが確認されるまでは上記出力電圧を上記
    負荷に供給しないことを特徴とする安定化電源装置。
  2. 【請求項2】入力電圧を所要の電圧に変換し、これを出
    力電圧として負荷に供給する安定化電源装置において、 内部に、他系統の電源電圧を受け、この電源電圧を所定
    時間だけ遅延させる遅延手段と、この遅延手段の出力電
    圧が所定値以上の場合に上記他系統の電源電圧が起動さ
    れたことを確認する確認手段とを備え、 上記確認手段により上記他系統の電源電圧が起動された
    ことが確認されるまでは上記出力電圧を上記負荷に供給
    しないことを特徴とする安定化電源装置。
  3. 【請求項3】上記確認手段は、上記他系統の電源電圧が
    基準電圧値より大きいか否かを比較する比較手段を有
    し、該比較手段による比較の結果、基準電圧値よりも大
    きい場合に上記他系統の電源電圧が起動されたことを確
    認することを特徴とする請求項1に記載の安定化電源装
    置。
  4. 【請求項4】上記確認手段は、上記遅延手段の出力電圧
    が基準電圧値より大きいか否かを比較する比較手段を有
    し、該比較手段による比較の結果、基準電圧値よりも大
    きい場合に上記他系統の電源電圧が起動されたことを確
    認することを特徴とする請求項2に記載の安定化電源装
    置。
  5. 【請求項5】上記確認手段は、上記出力電圧を負荷に出
    力する指令が外部から更に入力された場合に、上記他系
    統の電源電圧が起動されたことを確認することを特徴と
    する請求項1、2、3、又は4に記載の安定化電源装
    置。
  6. 【請求項6】上記遅延手段は、時定数に応じて充電され
    るコンデンサを有し、上記他系統の電源電圧の供給停止
    時に上記コンデンサを放電する放電手段が更に設けられ
    たことを特徴とする請求項2又は4に記載の安定化電源
    装置。
  7. 【請求項7】上記確認手段により上記他系統の電源電圧
    が起動されたことの確認を保持する起動確認保持手段を
    更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の安定化電
    源装置。
  8. 【請求項8】上記比較手段は、ヒステリシス特性を備え
    ていることを特徴とする請求項3又は4に記載の安定化
    電源装置。
  9. 【請求項9】上記確認手段により上記他系統の電源電圧
    が起動されたことが確認されると、その起動確認信号を
    生成して外部へ出力する起動確認信号生成手段を更に備
    えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに
    記載の安定化電源装置。
  10. 【請求項10】請求項1乃至8のいずれか一つに記載の
    安定化電源装置を備えた電子機器。
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JP2008059141A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Seiko Epson Corp 複合型システム電源回路
JP2010160720A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Denso Corp 電源回路装置
KR101731652B1 (ko) 2010-05-28 2017-04-28 에스아이아이 세미컨덕터 가부시키가이샤 볼티지 레귤레이터

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