JP2002022735A - 血液分離剤および血液分離管 - Google Patents

血液分離剤および血液分離管

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JP2002022735A JP2000206559A JP2000206559A JP2002022735A JP 2002022735 A JP2002022735 A JP 2002022735A JP 2000206559 A JP2000206559 A JP 2000206559A JP 2000206559 A JP2000206559 A JP 2000206559A JP 2002022735 A JP2002022735 A JP 2002022735A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温、例えば50℃以上の温度に晒されても、
採血管の底部に収納された血液分離剤の形態が崩れず、
流れ出すことのない血液分離剤の提供。 【解決手段】油状の層形成材料と、粘着付与剤と、チキ
ソトロピー性付与剤よりなるチキソトロピー性ゲル状血
液分離剤において、前記粘着付与剤のガラス転移点の温
度が55℃以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、採血管に用いる血
液分離剤に関する。詳しくは、採血管の底部に収納さ
れ、血漿成分と血球成分の中間の比重、または血清成分
と血餅成分の中間の比重を持つことにより、前記両者を
分離する血液分離剤であって、製品の輸送時または保管
時に高温に晒された場合でも、血液分離剤に含まれる粘
着付与剤が軟化せず、そのため採血管底部に収納された
血液分離剤の形態が崩れず、流れ出すことのない血液分
離剤、および該血液分離剤を有底管の底部に収納してな
る血液分離管を提供する。
【0002】
【従来の技術】従来、採血管に用いる血液分離剤には、
血液中の血漿成分と血球成分の中間、若しくは血清成分
と血餅成分の中間の比重を有し、かつチキソトロピー性
を有するゲル状の血液分離剤(以下、本明細書におい
て、「チキソトロピー性ゲル状血液分離剤」とす
る。)、すなわち、常温常圧でゲル状をなし、遠心分離
時には液状となるいわゆるチキソトロピー性ゲル状血液
分離剤が使用されている。このようなチキソトロピー性
ゲル状血液分離剤は、一般に油状の分離層形成材料に対
し、チキソトロピー性を与えるため、親油性の層状無機
系化合物よりなるチキソトロピー性付与剤を加え、増粘
剤として、常温で固形の樹脂系粘着付与剤を添加する。
しかし、樹脂系の粘着付与剤は、一般に高温になると軟
化し、本来の性状を発揮しなくなるという問題を有す
る。そのため、樹脂系の粘着付与剤が添加された血液分
離剤は、輸送時または保存時に、高温例えば50℃以上
の温度に晒されると、血液分離剤に含まれている粘着付
与剤が軟化し、それにより血液分離剤の形状が崩れ、流
れ出してしまうという欠点を有する。このような状態に
なっている血液分離剤が入った採血管に採血した場合、
遠心分離の際に血清または血漿中に血液分離剤の一部が
ちぎれて浮遊したり、得られた血清または血漿を用いて
血液の自動検査を行った際に、ちぎれたものが自動検査
機のノズルに付着するという問題があった。この現象
は、血液分離剤が管口部近くまで流れ出した場合に特に
顕著に起こる。けれども、このような血液分離剤が保管
時、または輸送時に高温に晒される状況は避けがたく、
特に夏季にはこのような状況が発生すると考えられる。
そのため、夏季の輸送または保存時等、血液分離剤が、
高温例えば50℃以上の温度に晒された場合でも、血液
分離剤に含まれる粘着付与剤が軟化せず、そのため血液
分離剤の形態が崩れず、流れ出すことがない血液分離剤
が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、血液分離剤が、高温例えば50℃以上の温度に晒
された場合でも、血液分離剤に含まれる粘着付与剤が軟
化せず、そのため血液分離剤の形態が崩れず、流れ出す
ことがない血液分離剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の血液分離剤は、
油状の分離層形成材料と、粘着付与剤と、チキソトロピ
ー付与剤よりなるチキソトロピー性ゲル状血液分離剤に
おいて、前記粘着付与剤のガラス転移点の温度が55℃
以上であることを特徴とする。
【0005】本発明の血液分離剤に用いる粘着付与剤
は、ガラス転移点の温度が55〜80℃であることがよ
り好ましい。また、本発明の血液分離剤の粘着付与剤
は、式1または式2に示すスチレン系モノマーと脂肪族
炭化水素系モノマーの共重合体、若しくは式3に示すス
チレン系ホモポリマーよりなる群から選定される少なく
とも1つである血液分離剤である。
【化4】 (式中、nは6〜10であり、lは0.3〜1.0であ
る。R1 は水素、または炭素原子数1〜6のアルキル基
である。)
【化5】 (式中、nは1〜5であり、mは1〜6であり、lは、
0.3〜1.0である。R1 、R2 は、各々独立に水
素、または炭素原子数1〜6のアルキル基である。)
【化6】 (式中、pは3〜10であり、R1 は、水素、または炭
素原子数1〜6のアルキル基である。)
【0006】本発明の血液分離剤は、上記ガラス転移点
の温度が55℃以上の粘着付与剤を、分離層形成材料1
00重量部に対し、0.1〜60重量部、好ましくは1
〜30重量部添加するのが望ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の血液分離剤につい
て詳細に説明する。本発明の血液分離剤は、油状の分離
層形成材料と、粘着付与剤と、チキソトロピー性付与剤
よりなるチキソトロピー性ゲル状血液分離剤において、
前記粘着付与剤のガラス転移点の温度が55℃以上であ
ることを特徴とする。
【0008】本発明において、血液分離剤の主成分をな
す油状の分離層形成材料は、その比重が血清成分と血球
成分の中間領域、または血漿成分と血餅成分の中間領域
とすることができるものであれば低粘度の各種有機溶剤
や可塑剤から高粘度の高分子油状物まで使用することが
できる。実用上安定で適度な流動性およびゲル化性を与
える点で、好ましくは温度25℃での粘度は200〜6
00, 000cpの範囲の高分子油状物が適している。
かかる油状物としては、シリコーン、塩素化ポリブテ
ン、塩素化ポリブタジエン、ポリ(メタ)アクリル酸エ
ステル、ポリイソブテン、α−オレフィンまたはスチレ
ンとα, β−不飽和ジカルボン酸アルキルエステルとの
共重合体などが挙げられる。特に良好なのは、粘度50
00〜200, 000cp(25℃)、比重1.00〜
1.038(25℃)のα−オレフィンとα,β−不飽
和ジカルボン酸ジアルキルエステルとの共重合体であ
る。この共重合体は、淡黄色で透明・無臭であって血液
に対して不活性であり、血液の吸着、溶出等の現象を生
じさせるおそれがなく、経時的にも安定である。α−オ
レフィンとα,β−不飽和ジカルボン酸ジアルキルエス
テルとの共重合体の好適な例としては、炭素原子数6〜
22のα−オレフィンと、α,β−不飽和ジカルボン酸
の炭素原子数1〜4のジアルキルエステルとの共重合体
が挙げられる。また、α,β−不飽和ジカルボン酸とし
てはマレイン酸が特に好適である。α−オレフィン・マ
レイン酸ジアルキルエステル共重合体の好適な例として
は、α−オレフィン成分が炭素原子数12と14の組合
わせからなるn−α−オレフィン・マレイン酸ジメチル
エステル共重合体[平均分子量2000〜5000、比
重1.00〜1.035(25℃)、粘度10000〜
120000cp(25℃)]、α−オレフィン成分が
炭素原子数6と8の組合わせからなるn−α−オレフィ
ン・マレイン酸ジメチルエステル共重合体[平均分子量
2000〜4000、比重1.035(25℃)、粘度
10000〜120000cp(25℃)]、α−オレ
フィン成分が炭素原子数16と18の組合わせからなる
n−α−オレフィン・マレイン酸ジエチルエステル共重
合体[平均分子量3000〜4000、比重0.995
(28℃)、粘度10000cp(25℃)]等が挙げ
られる。本発明の油状の分離層形成材料は、これらの共
重合体を所望により適宜混合して使用することもでき
る。
【0009】本発明の粘着付与剤は、熱可塑性であり、
常温で固形で、30℃〜150℃程度の軟化点を有し、
分子量が約300〜2500程度であり、最も重要な点
としてガラス転移点の温度が55℃以上の樹脂性の粘着
付与剤である。本発明の粘着付与剤は、ガラス転移点の
温度が55〜80℃であることがより好ましい。ガラス
転移点の温度が55℃未満であると、後述する比較例に
示すように、高温、例えば、50℃以上の温度に晒され
た場合に、血液分離剤の形状が崩れ、海島状の流れが生
じる。一方、ガラス転移点の温度が80℃以上である
と、常温近辺の使用温度領域で所望の粘着効果が得られ
ず、また、製造工程での作業性が悪化する。これら粘着
付与剤は、高分子油状物中に配合することにより、粘弾
性的、界面的に作用し、被着体との接着性、濡れ性を飛
躍的に向上させる。本目的に使用される樹脂系接着付与
剤は、大きく天然樹脂系粘着付与剤と合成樹脂系粘着付
与剤に分かれ、従来、天然樹脂系粘着付与剤としては、
例えばロジン、ダンマル、重合ロジン、部分水添ロジ
ン、グリセリンエステルロジン、グリセリンエステルロ
ジン部分水添物、グリセリンエステルロジン完全水添
物、重合グリセリンエステルロジン、ペンタエリスリッ
トエステルロジン、部分水添ペンタエリスリットエステ
ルロジン、重合ペンタエリスリットエステルロジン、α
−ピネン、β−ピネンの重合体、ジペンテン重合体など
のポリテルペン系樹脂、ポリテルペン系樹脂の水添物、
テルペンフェノール等が使用されており、合成樹脂系粘
着付与剤としては、オレフィンおよびジオレフィン重合
体、シクロペンタジエン樹脂、芳香族系石油樹脂、芳香
族系樹脂の水添物、フェノール樹脂、アルキルフェノー
ル−アセチレン系樹脂、スチレン系樹脂、キシレン系樹
脂、クマロンインデン樹脂、ビニルトルエン−α−メチ
ルスチレン共重合体樹脂、およびスチレン系モノマー脂
肪族炭化水素系モノマーの共重合体等が挙げられる。特
開平5−80044号公報等に記載されるように、従来
使用されている粘着性付与剤は、ポリマーに添加され、
粘着性(タッキネス)を付与する配合剤であるが、ガラ
ス転移点、 軟化点が共に低く、 流動性を与えるものが多
かった。本発明の粘着付与剤は、上記例示されたものの
うちいずれであってもよいが、ガラス転移点の温度が5
5℃以上であることを必須の構成要件とする。より好ま
しくは55〜80℃の範囲内である。ただし、本発明の
粘着付与剤は、式1および式2に示すようなスチレン系
モノマーと脂肪族炭化水素系モノマーの共重合体、また
は式3に示すスチレン系モノマーのホモポリマーである
ことが好ましく、このような共重合体またはホモポリマ
ーの具体例としては、スチレン系モノマーと脂肪族系モ
ノマーの共重合体の具体例として三井化学株式会社製の
商品名FTR6125およびFTR7125が挙げら
れ、スチレン系モノマーのホモポリマーの具体例とし
て、同じく三井化学株式会社製の商品名FTR8120
が挙げられる。本発明の粘着付与剤は、分離層形成材料
100重量部に対して、0.1〜60重量部、好ましく
は1〜30重量部添加するのが好ましい。粘着付与剤の
添加量が少なすぎると、後述する親油性層状無機系化合
物に対する吸油量が少なく、充分なチキソトロピー性が
得られない。また該添加量が多すぎると、相溶性が悪く
なり、分離に至ったり、粘度が上昇して遠心分離に弊害
を及ぼす。
【化7】 (式中、nは6〜10であり、lは0.3〜1.0であ
る。R1 は水素、または炭素原子数1〜6のアルキル基
である。好ましくは、式中、nは7〜9であり、lは
0.4〜0.6である。R1 は水素、またはメチル、エ
チル等のアルキル基である。
【化8】 (式中、nは、1〜5であり、mは1〜6であり、l
は、0.3〜1.0である。R1 、R2 は、各々独立に
水素、または炭素原子数1〜6のアルキル基である。好
ましくは、式中、mは2〜4であり、nは、2.5〜
4.5であり、lは、0.4〜0.6である。R1 、R
2 は、水素、またはメチル、エチル等のアルキル基であ
る。)
【化9】 (式中、pは3〜10であり、R1 は、水素、または炭
素原子数1〜6のアルキル基である。好ましくは、式
中、pは4〜8であり、R1 は、水素、またはメチル、
エチル等のアルキル基である。)
【0010】本発明の血液分離剤に用いるチキソトロピ
ー性付与剤とは、親油性層状無機系化合物よりなり、天
然、合成のマイカ、雲母、ベントナイト、スメクタイト
等の粘土鉱物の層間にある金属イオンを、アルキルアン
モニウム塩などの親油基を持つオニウム塩に置換したも
のである。これら親油性層状無機系化合物は、低、中分
子状の有機化合物を層間に取り込み、容易に膨潤する。
これにより、高いチキソトロピー性をもたせることがで
きる。さらに、温度変化により、吸油性が変わり、温度
変化によるチキソトロピー性の変化を小さくすることが
可能である。より具体的には、シリカ微粉末(商品名ア
エロジル、日本アエロジル株式会社)、スメクタイト粘
土の脂肪族第1アミン、脂肪族第2アミン、脂肪族第3
アミン、脂肪族第4アミンの各誘導体を用いることがで
きる。スメクタイト粘土としては、その脂肪族第4アミ
ン誘導体が特に好ましく、具体例としては、商品名ベン
トン34、ベントン38、ベントン27、(エレメンテ
ィス・スぺシャリティーズ社製のスメクタイト粘土の第
4アンモニウム塩による誘導体)などのスメクタイト粘
土のC8 〜C24の脂肪族アミン誘導体などを使用するこ
とができる。これら親油性層状無機系化合物は、分離剤
の粘度、比重を考慮して、分離層形成材料100重量部
に対して、0.1〜5重量部添加する。親油性層状無機
系化合物の添加量が少なすぎると、充分なチキソトロピ
ー性を付与できず、流れの原因となる。また該添加量が
多すぎると、粘度や比重が上昇し、実用に即さない。
【0011】本発明の血液分離剤はこの他、必要に応じ
てシリカ、タルク、アルミナ等の無機粉末、ワックス、
可塑剤、ゲル化剤などの有機添加物、血液抗凝固剤等を
適宜添加してもよい。また、増量剤として、スチレン、
ABS樹脂、AS樹脂、またはこれらの樹脂を疎水化処
理したものなどを配合することもできる。
【0012】本発明の血液分離剤の製造方法は、血液分
離剤の製造において公知の方法であってよい。例えば、
分離層形成材料を適当な温度、例えば80〜200℃に
加熱し(従来値)、これに粘着付与剤を所定量添加し、
数時間攪拌するか、または3本ロール等で混練してもよ
い。
【0013】本発明の血液分離剤は、25℃で測定した
動粘度で好ましくは1,000〜1500, 000cp
の範囲内であることが好ましい。また、25℃で測定し
た比重が1.028〜1.060の範囲内であるのが好
ましい。
【0014】本発明の血液分離剤を特開平5−9991
7号明細書に示されているような有底管に充填すること
により、本発明の血液分離管が製造される。有底管は内
部を減圧状態に維持するためにガスバリアー性が高いも
のが好ましく、例えば、ガラス、アクリロニトリル性樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リメタアクリレート、ポリエステル樹脂等を用いること
が好ましい。また、有底管をガスバリアー性の低い材質
(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレ
ン等)で形成し、有底管の外面にポリビニルアルコー
ル、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のガスバリ
アー性を有する被膜をコーティングしてもよい。有底管
を疎水性合成樹脂により形成した場合には、内面を親水
化処理し、有底管の内面に血球が付着しないようにする
ことが好ましい。親水化処理としては、有底管の内面に
親水性物質、例えば、水溶性シリコーン、PVA、PV
Pなどをコーティングすることにより行うことができ
る。さらに、有底管には、ヘパリン粉末、ヘパリンリチ
ウム、ヘパリンナトリウム、クエン酸ナトリウム、ED
TA−2K、EDTA−3K、EDTA−2Na等の血
液抗凝固剤を有底管の内面に付着または収納してもよ
い。また、逆に、血液凝固促進剤を付着あるいは含侵さ
せたものを有底管内に封入してもよい。凝固促進剤とし
ては、例えば、大きさ0.4〜20μmの珪砂の他、大
きさ5μm以下で平均粒径1.1μmの結晶シリカ(例
えば、ペンシルバニア・グラスサンド社製、商品名Mi
n−USil)、珪藻土、ガラス微粉末、カオリン、ベ
ントナイト、硫酸プロタミンおよびトロンビンなどであ
る。また、解糖阻止剤として、フッ化ナトリウムを有底
管の内面に付着または収納してもよい。
【0015】そして、有底管上部の開口部の封止部材に
は、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴ
ム等のゴム材質、スチレン−ブタジエン−スチレン(S
BS)ブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーなど
の樹脂またはアルミフィルムと樹脂を積層したフィルム
を用いることができる。さらに、血液分離剤の充填量
は、上清と沈降物との間の隔壁として遠心分離中に両者
が混ざらないように分離するのに十分な量であればよ
い。通常はこの充填量は、血液分離管の容積の5〜40
%程度が適当である。充填法では加圧注入法が挙げられ
る。血液分離剤を充填後、 開口部を封止すると共に、 採
血管内部を減圧とし、 採血時にはこの陰圧を利用して採
血が行われる。採血した後、700〜1000Gの遠心
力により10分程度遠心分離を行う。本発明の血液分離
剤を用いた本発明の血液分離管では、 血清、血餅層間を
安定に分離することができる。血清はデカンテーション
により分離管から取り出すことができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。また、実施例
中、特に記載がない限り、「部」は「重量部」を表す。 (実施例1)4つ口フラスコに炭素数12および14の
混合α−オレフィンとマレイン酸ジメチルエステル共重
合体100部、FTR6125(式1の芳香族/脂肪族
炭化水素共重合樹脂、n=8、 l=0.5、R1 =メチ
ル基、Mn=1150、ガラス転移点の温度65℃、三
井化学株式会社製)10部を仕込み、100℃1時間攪
拌混合した。これをベントン38(有機変性ヘクトライ
トクレイ、エレメンティス・スぺシャリティーズ社製)
2.5部とともに3本ロールにより混練し血液分離剤を
得た。得られた分離剤は、10ml容量のポリエステル
樹脂製試験管の管底に1.6ml入れ、室温下で24時
間管口を上方に直立状態で保存し後、横倒しにして50
℃で3日間放置したところ、分離剤において海島状の流
れは発生しなかった。 (実施例2)FTR6125をFTR7125(式2の
芳香族/脂肪族炭化水素共重合樹脂、n=3、 m=3.
5、l=0.5、R1 =メチル基、R2 =水素、Mn=
1290、ガラス転移点の温度60℃、三井化学株式会
社製)に代えた以外は、前記実施例1と同様の血液分離
剤を製造し、前記実施例1と同様の評価をしたところ、
前記実施例1と同様の結果が得られた。 (実施例3)FTR6125をFTR8120(式3の
芳香族炭化水素重合樹脂、R1 =メチル基、Mn=11
90、ガラス転移点の温度60℃、三井化学株式会社
製)に代えた以外は、前記実施例1と同様の血液分離剤
を製造し、前記実施例1と同様の評価をしたところ、前
記実施例1と同様の結果が得られた。 (実施例4)ベントン38を2.5部から3.0部に代
えた以外は、前記実施例1と同様の血液分離剤を製造
し、前記実施例1と同様の評価をしたところ、前記実施
例1と同様の結果が得られた。
【0017】(比較例1)FTR6125をFTR61
10(芳香族/脂肪族炭化水素共重合樹脂、ガラス転移
点の温度50℃、三井化学株式会社製)に代えた以外
は、前記実施例1と同様の血液分離剤を製造し、前記実
施例1と同様の評価をしたところ、分離剤において海島
状の流れが発生した。 (比較例2)FTR6125をFTR7100(芳香族
/脂肪族炭化水素共重合樹脂、ガラス転移点の温度50
℃、三井化学株式会社製)に代えた以外は、前記実施例
1と同様の血液分離剤を製造し、前記実施例1と同様の
評価をしたところ、分離剤において海島状の流れが発生
した。 (比較例3)FTR6125をFTR8100(芳香族
炭化水素重合樹脂、ガラス転移点の温度35℃、三井化
学株式会社製)に代えた以外は、前記実施例1と同様の
血液分離剤を製造し、前記実施例1と同様の評価をした
ところ、分離剤において海島状の流れが発生した。 (比較例4)FTR6125をペンタリンH(水添ロジ
ンのペンタエリスリトールエステル、ガラス転移点の温
度42℃、理化ファインテック株式会社製)に代えた以
外は、前記実施例1と同様の血液分離剤を製造し、前記
実施例1と同様の評価をしたところ、分離剤において海
島状の流れが発生した。 (比較例5)FTR6125をステベライトエステル1
0(水添ロジンのグリセリンエステル、ガラス転移点の
温度25℃、理化ファインテック株式会社製)に代えた
以外は、前記実施例1と同様の血液分離剤を製造し、前
記実施例1と同様の評価をしたところ、分離剤において
海島状の流れが発生した。 (比較例6)ベントン38(有機変性ヘクトライトクレ
イ、エレメンティス・スペシャリティーズ社製)2.5
部を3.0部に代えた以外は、前記比較例1〜5と同様
の血液分離剤を製造し、前記実施例1と同様の評価をし
たところ、何れも分離剤において海島状の流れが発生し
た。
【0018】実施例と比較例の比較から明らかなよう
に、本発明の血液分離剤は、粘着付与剤にガラス転移点
の温度が55℃以上の粘着付与剤を使用することによ
り、50℃で3日間放置しても、血液分離剤の形態が崩
れず、流れ出すことがない。
【0019】
【発明の効果】本発明の血液分離剤は、高温、例えば、
50℃以上の温度に晒されても血液分離剤の形態が崩れ
ず、流れ出すことがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25/04 C08L 101/12 101/12 A61B 5/14 300C // A61J 1/05 A61J 1/00 351B Fターム(参考) 2G045 BA08 BB03 BB10 CA25 FA05 HA04 HA14 HB13 HB15 HB16 HB17 4C038 TA01 UA06 UC04 4J002 AC121 AF022 BA002 BA012 BB002 BB161 BB181 BB241 BC022 BC071 BC082 BC092 BG041 BG051 BK002 CC032 CC072 CE002 CP031 DJ036 DJ056 FD010 FD206 FD342 GB01 4J100 AB03P AB03R AB04P AB04R AR03Q CA01 CA04 CA05 JA51

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油状の分離層形成材料、粘着付与剤、およ
    びチキソトロピー性付与剤よりなるチキソトロピー性ゲ
    ル状血液分離剤において、前記粘着付与剤のガラス転移
    点の温度が55℃以上であることを特徴とする血液分離
    剤。
  2. 【請求項2】前記粘着性付与剤が式1または式2に示す
    スチレン系モノマーと脂肪族炭化水素系モノマーの共重
    合体、若しくは式3に示すスチレン系モノマーのホモポ
    リマーよりなる群から選定される少なくとも1つである
    請求項1に記載の血液分離剤。 【化1】 (式中、nは6〜10であり、lは0.3〜1.0であ
    る。R1 は水素、または炭素原子数1〜6のアルキル基
    である。) 【化2】 (式中、nは1〜5であり、mは1〜6であり、lは、
    0.3〜1.0である。R1 、R2 は、各々独立に水
    素、または炭素原子数1〜6のアルキル基である。) 【化3】 (式中、pは3〜10であり、R1 は、水素、または炭
    素原子数1〜6のアルキル基である。)
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の血液分離剤を有
    底管の底部に有する血液分離管。
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