JP2002022111A - 触媒燃焼装置 - Google Patents

触媒燃焼装置

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JP2002022111A
JP2002022111A JP2000211265A JP2000211265A JP2002022111A JP 2002022111 A JP2002022111 A JP 2002022111A JP 2000211265 A JP2000211265 A JP 2000211265A JP 2000211265 A JP2000211265 A JP 2000211265A JP 2002022111 A JP2002022111 A JP 2002022111A
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Japan
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plate
catalytic combustion
combustion
catalyst
combustion plate
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Application number
JP2000211265A
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English (en)
Inventor
Yasusada Higuchi
保定 樋口
Mitsunori Kobayashi
光則 小林
Shoichi Muraoka
正一 村岡
Yoshihiro Suzuki
美博 鈴木
Satoshi Osawa
敏 大沢
Atsushi Nishino
西野  敦
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Orion Machinery Co Ltd
Original Assignee
Orion Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 面積の大きな触媒燃焼プレートを用いた触媒
燃焼装置において、より安定した触媒燃焼が行える触媒
燃焼装置を提供すること。 【解決手段】 気化した燃料71を触媒燃焼する触媒燃
焼プレート20と、この触媒燃焼プレート20の後方に
配置され、液体燃料70を気化して供給する気化室12
とが設けられた触媒燃焼装置5において、触媒燃焼プレ
ート20の前面20aと後面20bを被うように多孔性
の金網60および61を設ける。これらの金網60およ
び61は、抵抗体となるため燃焼用のガス71を整流で
き、燃焼用のガス71は均等に触媒燃焼プレート20を
通過し、触媒燃焼プレート20に対する負荷が均等にな
り燃焼が安定するようになる。さらに、触媒燃焼プレー
ト20の前面20aに金網60を設けることで、外界か
らの影響を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気化した液体燃料
を触媒燃焼する触媒燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火炎燃焼に比べて燃焼温度が低く、無炎
で燃焼する触媒燃焼が知られている。触媒燃焼は、NO
xなどの有害な排ガスの発生が少なく、希薄混合気の燃
焼が可能で、燃焼量の調整範囲が広く放射熱量が大きい
等の様々なメリットを有している。このため、触媒燃焼
を温風あるいは赤外線を放出する暖房機器などに用いる
ことが検討されている。その1つとして、ハウジングの
前方に触媒プレートを設け、この触媒プレートの後方
に、噴霧された液体燃料を気化する気化室が配置された
触媒燃焼装置が検討されている。この触媒燃焼装置で
は、触媒燃焼により温度が上がった触媒プレートの熱
(輻射熱)で気化室が加熱され、液体燃料を気化するこ
とができる。このため、気化した液体燃料と空気が混合
された状態で触媒プレートに供給されて、触媒燃焼が継
続される。したがって、気化用のヒータなどが不要なの
で、簡易な構成で触媒燃焼を安定して継続できる触媒燃
焼装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このタイプの触媒燃焼
装置において、発熱量の大きなものを提供するために
は、触媒燃焼プレートの面積を大きくする必要がある。
このため、単位面積が限られた触媒プレートを2次元方
向で並べて面積の大きな触媒燃焼プレートを設けるよう
にしているが、面積が大きくなると、均等に気化した燃
料ガスを供給するのが難しくなる。すなわち、触媒燃焼
プレートの中央付近の燃焼用のガスの流速が周囲より速
くなり、触媒との接触時間が短くなる傾向がある。そし
て、この傾向は触媒プレートの面積が広がると大きくな
る。このため、触媒による燃焼効率が低下する要因とな
る。また、触媒燃焼プレートを通過する燃焼用のガスの
速度あるいは密度にムラがあると、完全燃焼されない燃
料ガス(未燃焼の有害な成分)が系外へ放出されること
があり、匂いや煙が出るなどの要因となる。
【0004】また、触媒燃焼プレートの面積が大きくな
ると、外界からの影響も受けやすい。特に、触媒燃焼プ
レートから出る赤外線を利用する燃焼装置、例えば、ヒ
ータや乾燥機などとして利用される燃焼装置においては
影響を受けやすい。例えば、触媒燃焼プレートに強い風
が当たると、一時的に燃焼用のガスの流れが止まり、燃
焼用のガスによる冷却効果が得られないので、触媒燃焼
プレートの気化室側、すなわち後面が過熱して逆火現象
を生じる。一方、風などによって触媒が活性温度以下に
冷却されて不完全燃焼の要因となることがある。
【0005】さらに、外界から異物が触媒燃焼プレート
にあたることで、触媒燃焼プレートを損傷することがあ
る。また、異物により触媒燃焼プレートの孔が塞がれ燃
焼用のガスの流れが阻害され異常高温になることがあ
る。
【0006】そこで、本発明においては、面積の大きな
触媒燃焼プレートを用いた触媒燃焼装置において、より
燃焼を安定して行うことができる触媒燃焼装置を提供す
ることを目的としている。このため、触媒燃焼プレート
の後方から供給される燃焼用のガスの分布を均一化し、
燃焼を安定させることを目的としている。また、触媒燃
焼中の逆火現象を防止し、安全な燃焼を行うことも目的
としている。これらにより燃焼効率を上げるとともに、
不完全燃焼による有害な成分の放出をなくし、触媒燃焼
のメリットを活かした安全でクリーンで静かな触媒燃焼
装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、触媒燃焼プレートの前後に多孔性の板材を設ける
ことにより、気化室から供給される燃焼用のガスを整流
し、また外界からの影響を抑制することにより、大面積
の触媒燃焼プレートにおける触媒燃焼をより安定化する
ようにしている。すなわち、本発明の触媒燃焼装置は、
液体燃料を気化して供給する気化室と、この気化室の前
方に気化した燃料を触媒燃焼する触媒燃焼プレートと、
触媒燃焼プレートの前面または後面を被う多孔性の板材
を有している。多孔性の板材を触媒燃焼プレートの前面
または/および後面(すなわち、片面または両面)を被
うように設けることにより、多孔性の板材が抵抗体とし
て機能し、気化されたガス(燃焼用のガス)の流速を制
御できる。したがって、気化室から供給される液体燃料
と空気の混合ガス(燃焼用のガス)の流量分布が均一に
なるように整流できる。すなわち、燃焼用のガスは均等
に触媒燃焼プレートを通過し、触媒燃焼プレートに対す
る負荷が均等になる。このため、燃焼用のガスが触媒燃
焼プレートにほぼ均等に接するので、中央と周囲との条
件の差が小さくなり燃焼が安定するようになる。したが
って、触媒燃焼プレートの中央における温度が高くな
り、触媒燃焼プレート全体の燃焼効率が向上する。した
がって、燃え切りが良くなり、より完全燃焼されるの
で、未燃焼の有害な成分を含んだ未燃焼ガスが少なくな
り、それによる匂いや煙が出ることを未然に防止でき
る。
【0008】また、触媒燃焼プレートが均等に発熱する
ようになるので、熱歪みが少なくなり、触媒燃焼プレー
ト全体の寿命を長くすることができる。
【0009】特に、この多孔性の板材を触媒燃焼プレー
トの後方側に設けておくことで、効果的に気化した燃料
と空気の混合ガス(燃焼用のガス)の流速を制御でき、
燃焼効率を上げやすい。
【0010】一方、触媒燃焼プレートの前方側に多孔性
の板材を設けた場合には、この板材により外界からの風
の抑制ができるので、気化室側が過熱して生じる逆火現
象を回避できる。さらに、この多孔性の板材を設けるこ
とで、触媒燃焼プレートは外気により冷やされることな
く保温され、触媒が活性温度以下に冷却されることを防
ぐことができ燃焼を安定させることができる。
【0011】また、多孔性の板材を触媒燃焼プレートの
前面側に設けることで、外界に対してのガードの役割を
果たすことができ、触媒燃焼プレートの物理的なキズを
防止し、外界から入る異物が触媒燃焼プレートに付着し
て、触媒作用を低下させるなどのトラブルを防止でき
る。したがって、保護材としての機能も兼ね備えること
ができ、触媒燃焼プレートの劣化を防ぐことができる。
【0012】このため、本発明では、面積の大きな触媒
燃焼プレートを用いて、より安定した燃焼が行える触媒
燃焼装置が提供できる。そして、触媒燃焼のメリットを
活かした安全でクリーンで静かな触媒燃焼装置を実際に
提供できる。
【0013】本発明における多孔性の板材としては、例
えば金網などを用いることができる。また、多孔性の板
材(金網)は、5〜500メッシュ程度のものが望まし
い。メッシュが荒すぎると、すなわち開口が大き過ぎ、
抵抗体としての効果が得られない。一方、メッシュが細
か過ぎると(開口が小さ過ぎると)、空気抵抗が高くな
りすぎて触媒燃焼プレートでの燃焼状態が悪化する。
【0014】さらに、多孔性の板材としての金網は、耐
熱材、例えば、SUS、Fe−Cr系の金属材などで構
成することが望ましい。これにより、熱を効果的に蓄え
ることも可能であり、触媒燃焼プレートを保温すること
ができ、触媒の活性温度を容易に維持でき、触媒燃焼を
安定して行うことができる。このため、不完全燃焼を防
止でき、この点でも匂いや煙の発生を抑えることができ
る。さらに、この板材を触媒燃焼プレートの前方側に設
けておくことで、触媒燃焼プレートを通過した未燃焼用
のガスが、赤熱している板材(金網)と接触するので2
次酸化が促進される。したがって、匂いや煙の発生をさ
らに低減できる。
【0015】さらに、未燃焼ガスと多孔性の板材との接
触性をあげて2次酸化を促進するためには、触媒燃焼プ
レートの前方側に設ける多孔性の板材は、比較的メッシ
ュの細かいものが望ましい。一方、触媒燃焼プレートの
後方側にも設ける場合の多孔性の板材は、燃焼用のガス
を整流する役割を担っているので、上述したように、比
較的粗めのものが望ましい。
【0016】また、多孔性の板材は、金網などに限ら
ず、平織り以外の金網として、打抜き金網(パンチング
メタル)、エキスパンドメタル、メタルラス、シリグラ
スなどの耐火繊維網、発泡金属、および焼結金属など、
あるいはハニカム状のセラミックであっても良い。さら
に、これらの多孔性の板材の表面に、金属系の板材であ
れば触媒作用を持たすように、例えば、Ni−Alなど
のアルミ基合金などを用いて溶射やほうろう引き等の表
面処理を施すことも可能である。したがって、コーティ
ングされた触媒作用により未燃焼分の二次酸化がさらに
促進され、燃焼効率を向上できるとともに未燃焼用のガ
スにおける不具合を防止できる。あるいは、セラミック
など触媒燃焼プレートと同様の素材を薄くした触媒機能
を備えた素材を用いることも可能であり、同様の効果を
得ることができる。
【0017】さらに、本発明の多孔性の板材を、例えば
パネル状に形成された大面積である触媒燃焼プレートの
全面に被せた状態で、一体となるように触媒燃焼装置本
体に取り付けることも可能である。このような場合に
は、多孔性の板材(金網)を補強する格子状などのリブ
を設けることが望ましい。これにより、金網の変形およ
び歪みを無くすことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1に、本発明に係る触媒燃焼プ
レートを採用した触媒燃焼装置の概略構成を模式的に示
してある。本例の触媒燃焼装置5は、水平方向に延びた
筒状の気化室12を備えており、この気化室12の前方
に外界に面して触媒燃焼プレート20が設けられてい
る。この触媒燃焼プレート20は、白金等の触媒を担体
(例えば、アルミン酸石灰―溶解シリカ―酸化チタン等
のセラミック)に担持させた複数の触媒プレート22
と、これら触媒プレート22を保持するフレームアセン
ブリ40とを備えている。したがって、気化室12から
供給される気化された液体燃料71が、触媒燃焼プレー
ト20の触媒プレート22で触媒に接して触媒燃焼し、
高温となり赤外線73が外部に放出される。
【0019】触媒燃焼プレート20の前方20aには、
多孔性の板材である金網60が設けられており、触媒燃
焼プレート20の後方20bにも、同様の多孔性の板材
である金網61が設けられている。これらの金網60お
よび61は、触媒燃焼プレート20の全面に被せた状態
で、すなわち、前面および後面の全てを覆った状態で、
本体(ハウジング)10の側に固定金具(不図示)など
で取り付けられている。外部とともに触媒燃焼プレート
20の後方20bにも、輻射熱74が放出され、気化室
12の内部で液体燃料70が加熱され気化状態になる。
気化室12は、SUS430あるいはアルミ含有のフェ
ライト系などの金属製で耐熱性の外殻11からなる中空
のスペースである。気化室12の後方には、燃料噴霧部
13が配置され、燃料タンク2から燃料配管8および燃
料ポンプ7により供給された液体燃料70が気化室12
に噴霧される。燃料噴霧部13は、気化室12および触
媒燃焼プレート20を予熱するとき(予備燃焼)はバー
ナとして機能し、噴霧された液体燃料にイグナイター1
31により着火できる。さらに、気化室12の後方に
は、燃焼用の空気を送るブロワ15が配置されている。
また、気化室12には、触媒燃焼プレート20の後面2
0bに面し、触媒燃焼プレート20とほぼ平行に対峙す
るようにセラミック製で多孔性の輻射板19が配置され
ている。この輻射板19は、触媒燃焼プレート20の輻
射熱74を受けて温度が維持されるようになっており、
気化室12から触媒プレート20に供給される燃料の気
化を促進させ、触媒燃焼を安定して維持する役割を担っ
ている。
【0020】この触媒燃焼装置5では、触媒燃焼プレー
ト20で触媒燃焼を行うために、触媒燃焼に先立って、
燃料噴霧部13をバーナとして用いて予備燃焼を行い、
気化室12、輻射板19さらに触媒燃焼プレート20を
加熱する。触媒燃焼プレート20の温度が300〜40
0℃程度の活性化温度になり、気化室12の温度も上昇
すると、一旦、燃料の供給をストップし燃焼を止める。
その後、再び燃料噴霧部13に燃料を供給し加熱された
気化室12に霧状の液体燃料を噴出すると、液体燃料7
0が気化し、その気化状態の燃料と空気が混合した気体
71が触媒燃焼プレート20の触媒の作用によって酸化
(触媒燃焼)され、触媒燃焼プレート20の放出面20
aから赤外線73が放出される。触媒燃焼プレート20
は複数の触媒プレート22が並べて配置され表面積が大
きくなっており、このため、本例の触媒燃焼装置5は大
容量の赤外線ヒータとしての機能を備えている。
【0021】図2に、触媒燃焼プレート20の前面20
aおよび後面20bに設けられた本例の多孔性の板材
(金網)60および61を示してある。本例の多孔性の
板材60および61は、耐熱材、例えば、SUS、Fe
−Cr系の平織りの金網であり、金網60および61は
400メッシュ程度の網目が用いられている。また、本
例の金網60および61は、触媒燃焼プレート20の全
面を被っており大面積となっている。したがって、金網
60および61は、縦方向および横方向に格子状のリブ
68でサポートされている。このリブ68により、十分
な強度を備えることができ、変形および熱歪みを防ぐこ
とができる。したがって、金網全体の剛性を高めなくて
も良くなる。そして、本例の金網60および61は、触
媒燃焼プレート20の前面22aおよび後面22bをそ
れぞれ被うようにセットされ、触媒燃焼装置5の本体
(ハウジング)10に固定金具(不図示)により一緒に
取り付けられている。本実施例のリブ68はフレーム3
0と同じ位置に設けてあり、視覚的にも違和感を与えな
いようにしている。
【0022】触媒燃焼プレート20の前後に設けられた
金網60および61は、メッシュが400ぐらいで十分
に細かく、金網60および61を通過する気体(燃焼用
のガス71)に対して抵抗となり圧力損失が発生する。
したがって、流速が比較的速く流量が多くなる触媒燃焼
プレート20の中央の近傍では、圧力損失が大きくな
る。一方、流速が比較的遅く流量の少ない周辺部では、
圧力損失がそれほど大きくならない。
【0023】また、5〜500メッシュ程度であれば、
十分な圧力損失を発生させるが、燃焼用のガス71の流
れを阻害して、流量が著しく減少して触媒燃焼が不安定
になることはない。したがって、供給される燃焼用のガ
ス71の流量分布が均一になるように整流でき、燃焼用
のガス71はほぼ均等に触媒燃焼プレート20を通過さ
せることができる。このため、触媒燃焼プレート20で
は、燃焼負荷が均等になり、面積の大きな触媒燃焼プレ
ート20の全面でほぼ均等に燃焼が進行されるので、ほ
ぼ完全燃焼できる。このため、未燃焼の有害な成分によ
る匂いや煙が出ることを未然に防止できる。特に、後方
(気化室12側)に金網61を設けることで、金網61
で整流されたガス71が触媒燃焼プレート20が抵抗体
となって再び整流されるので、より均等に触媒燃焼プレ
ート20に燃焼用のガス71を供給できる。もちろん、
前方に配置した金網60も触媒燃焼プレート20とあわ
せて抵抗体となるため、燃焼用のガス71の整流に十分
に寄与する。
【0024】また、金網60および61を設けることで
燃焼用のガス71の流速が制御されるので、大面積の触
媒燃焼プレート20あっても、プレート全体がほぼ均等
に発熱するようになる。したがって、熱歪みが少なくな
り、触媒燃焼プレート20の全体の寿命を長くすること
ができる。
【0025】触媒燃焼プレート20の前方(赤外線が出
力される側)にセットした金網60は、図1に示すよう
に、外界に面するようになり、この金網60により外界
からの風などの外気77の影響を遮ぎることができる。
すなわち、風に対して金網60が抵抗体となるため、外
気77が触媒燃焼プレート20に吹き込んで、一時的に
燃焼用のガス71の流れが止まり、燃焼用のガス71に
よる冷却効果が得られないために、触媒燃焼プレート2
0の後方側の気化室12などで過熱により引き起こる逆
火現象を未然に防止できる。
【0026】また、前方に設けた金網60によって、風
の影響を抑制することで、触媒燃焼プレート20が外気
77に晒されて、触媒が活性温度以下に冷却される心配
もなくなる。したがって、風などの外界の影響をそれほ
ど受けることなく、どのような環境でも、適切な条件下
で触媒燃焼を行うことができ、安定した燃焼を行うこと
ができる触媒燃焼装置5を提供できる。
【0027】また、触媒燃焼プレート20の前方に設け
た金網60は、外界からの異物に対するガードにもな
る。したがって、屋外で本例の触媒燃焼装置5を使用す
る場合には、外界から入るゴミなどの異物が触媒燃焼プ
レート20に付着して、触媒にダメージを与え、部分的
に触媒作用が低下する等のトラブルを防止できる。すな
わち、前方の金網60により触媒燃焼プレート20が物
理的なキズを受けることを回避できる。したがって、金
網60は保護材としての機能も果たし、触媒燃焼プレー
ト20が劣化するのを防ぐことができる。
【0028】さらに、このような構成であれば、触媒燃
焼プレート20をアセンブリした後でも、簡単に金網6
0および61を取り付けることができ、組立てが簡単で
ある。また、出荷済の触媒燃焼装置5などに対してもオ
プションとして本例の金網60および61を取り付ける
ことができる。
【0029】なお、上記では、金網60および61とし
ては、400メッシュ程度の同じ金網を使用した例に説
明しているが、これに限らず、金網は前方と後方では、
網目の粗さ(メッシュ)の異なる金網を用いることもで
きる。例えば、触媒燃焼プレート20の前面20aの側
に設ける金網60には、未燃焼ガスの接触性を上げるた
めに比較的メッシュの細かいものを用いることが望まし
い。一方、触媒燃焼プレート20の後面20bの側に設
ける金網61には、主に燃焼用のガス71を整流する役
割を担っているので、比較的粗めのものを用いることが
望ましい。
【0030】また、前後の金網に共通するのが抵抗体と
なるような多孔性の板材(金網)とすることは、上述し
たように、メッシュが荒すぎると開口が大き過ぎるの
で、抵抗体としての効果が得られない。一方、メッシュ
が細か過ぎると開口が小さ過ぎるので、空気抵抗が高く
触媒燃焼プレートでの燃焼状態が悪化する。したがっ
て、これらの条件を考慮すると前面および後面とも5〜
500メッシュ程度の金網が望ましい。
【0031】また、上述した金網60および61の表面
には、触媒として機能するアルミを含む金属(アルミ基
合金)、たとえば、Ni−Al金属、Cr−Al金属な
どを用いてアーク溶射またはホーロ引き等の表面処理を
施しても良い。これらのコーティングされた触媒作用に
より、触媒燃焼プレート20から漏れ出した未燃成分の
2次酸化をさらに促進できる。
【0032】さらに、図2では金網60および61は、
1枚あるいは組立てられた状態で、触媒燃焼プレート2
0の全体をカバーしているが、これに限らず触媒燃焼プ
レート20を構成する触媒プレート22に個別に金網な
どによりカバーしても良い。この例を図3〜図6を参照
しながら説明する。図3に示すように、本例では、個々
の触媒プレート22の前面に金網62を設置し、それを
各フレーム30によりパネル状に形成している。大容量
の触媒燃焼装置5では、複数の小サイズの触媒プレート
22を各フレーム30で保持し、これらを2次元に並べ
て、1つの大きなパネル状のフレームアセンブリ40と
して組み立てられた触媒燃焼プレート20が形成できる
ようになっている。このため、図4〜図6に示すよう
に、各フレーム30は、触媒プレート22の前面を押さ
える縁押さえ31と、触媒プレート22の後面を押さえ
る爪32を備えている。そして、本例では、前面側の金
網62が、触媒プレート22の前面と縁押さえ31に挟
まれて、触媒プレート22の前面を覆っている。また、
後面側の金網63は、触媒プレート22の後面と爪32
に挟まれて触媒プレート22の後面を覆っている。
【0033】また、フレーム30の側面33と触媒プレ
ート22との間を塞ぐために熱膨張性ガスケット50が
セットされ、フレーム30が直に触媒プレート22に接
しなくても、隙間は生じるようになっている。この熱膨
張性ガスケット50は、加熱されると厚さ方向に3〜4
倍程度に膨張するものである。したがって、触媒燃焼プ
レート20を加熱した際に、シール孔35から熱膨張性
ガスケット50が飛び出してフレーム30同士の隙間を
塞ぐためにも利用されている。
【0034】このように、本例では、各フレーム30に
より前側の金網62および後側の金網63を保持でき、
これらにより触媒プレート22の前面と後面をそれぞれ
金網62および63でカバーしている。したがって、触
媒燃焼プレート20の前面20aと後面20bの全面を
金網62および63でカバーできる構造となっている。
このため、金網62および63が抵抗体となるため、本
例の触媒燃焼プレート20を備えた触媒燃焼装置も上記
で説明した触媒燃焼装置5と同様の効果を得ることがで
きる。
【0035】さらに、この構造では、金網62および6
3を触媒プレート22と同じ、すなわち共通のフレーム
30(フレームアセンブリ40)で保持している。した
がって、本体(ハウジング)10への取付けが簡単であ
り、さらに部品点数を少なくすることができる。また、
リブなどの補強材なしでも面積の大きな触媒燃焼プレー
ト20を被うことができる。
【0036】なお、上記では、抵抗体となる多孔性の板
材(金網)60、61、62および63を触媒燃焼プレ
ート20の前面20aおよび後面20bを被うにように
それぞれ設けているが、これに限らず、片側(片面)で
あっても良い。さらに、触媒燃焼プレート20の前方
(外界に面する側)に設けておけば、上述したような抵
抗体となる効果に加え、外界の影響を抑えるという効果
も得ることができる。
【0037】さらに、上記では、多孔性の板材(金網)
は、触媒燃焼プレート20に対してほぼ密着するような
位置に配置した例を示しているが、これに限らず、抵抗
体として作用する程度の間隔を設けて配置しても良い。
【0038】さらに、上記では多孔性の板材として平織
り金網60、61、62および63を例に説明している
がこれに限らない。例えば、打抜き金網(パンチングメ
タル)、エキスパンドメタル(例えば、JIS G 3
351)、メタルラス(例えば、JIS A550
5)、シリグラスなどの耐火繊維網、発泡金属(例え
ば、住友電気工業製の多孔率が最大約98%である「セ
ルメット」などがある。)、および焼結金属などであっ
ても良く、同様の効果を得ることができる。さらに、ハ
ニカム状のセラミック、すなわち、触媒燃焼プレートと
同様の素材を薄くしたものを用いることもできる。
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の触媒燃
焼装置では、触媒燃焼プレートの周囲に多孔性の板材を
設けることにより、燃焼用のガスの流速を制御でき、気
化室から供給される燃焼用のガスの流量分布が均一にな
るように整流できる。このため、燃焼用のガスが触媒燃
焼プレートにほぼ均等に対流し燃焼が安定するようにな
る。したがって、燃焼効率が向上することで、完全燃焼
され、未燃焼による有害な成分による匂いや煙の発生を
未然に防止できる。さらに、触媒燃焼プレートが全体的
にほぼ均等に発熱するようになるので、熱歪みが少なく
なり触媒燃焼プレートの耐久性を向上できる。
【0040】また、触媒燃焼プレートの前面を被うよう
に多孔性の板材を設けることで、外界からの影響を抑制
でき、気化室が過熱して生じる逆火現象を回避できる。
さらに、外気により触媒燃焼プレートが冷やされること
なく保温され、触媒が活性温度以下になることを防ぐこ
とができ、触媒燃焼を安定させることができる。また、
外界からゴミが入り、触媒燃焼プレートにダメージを与
えることを防ぐことができ、触媒作用を低下させずに、
安定した触媒燃焼を継続できる。このように金網などの
多孔性の板材を触媒燃焼プレートの前面または後面に設
けることにより、触媒燃焼プレートの面積が大きくな
り、大容量の装置においても触媒燃焼を安定化でき、本
格的にヒータなどに利用できる触媒燃焼装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多孔性の板材(金網)が触媒燃焼
プレートの前後に設けられた触媒燃焼装置の概略構成を
示す模式図である。
【図2】図1に示す金網が触媒燃焼プレートの前方およ
び後方に取り付けられる様子を示す模式図である。
【図3】図2に示した例と異なる構成であり、金網がパ
ネル状のフレームに触媒プレートともにセットされた触
媒燃焼プレートを示す平面図である。
【図4】図3に示した金網の一部を示す断面図である。
【図5】図4に示した断面図の一部を拡大して示す図で
ある。
【図6】図3に示した触媒燃焼プレートの一部を拡大し
て示す図であり、図6(a)は表面図であり、図6
(b)は裏側から見た図であり、図6(c)は側面図で
ある。
【符号の説明】
5 触媒燃焼装置 10 ハウジング(本体) 11 気化室の外殻 12 気化室 13 燃料噴霧部 15 ブロワ 19 輻射板 20 触媒燃焼プレート 22 触媒プレート 30 フレーム、40 フレームアセンブリ 60、61、62、63 金網(多孔性の板材) 68 リブ 70 液体燃料(灯油)、71 燃焼用のガス 73 外部に照射される赤外線、74 輻射熱、
77 外気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村岡 正一 長野県須坂市大字幸高246番地 オリオン 機械株式会社内 (72)発明者 鈴木 美博 長野県須坂市大字幸高246番地 オリオン 機械株式会社内 (72)発明者 大沢 敏 長野県須坂市大字幸高246番地 オリオン 機械株式会社内 (72)発明者 西野 敦 長野県須坂市大字幸高246番地 オリオン 機械株式会社内 Fターム(参考) 3K052 AA04 AA05 AB10 AC01 FA01 FA06 FA07 FA08 3K055 AA04 AA07 AB10 BA07 BA11 BD10 3K065 TA06 TA08 TB01 TB13 TD04 TK02 TK04 TK06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体燃料を気化して供給する気化室と、
    この気化室の前方に前記気化した燃料が触媒燃焼する触
    媒燃焼プレートと、前記触媒燃焼プレートの前面または
    /および後面を被う多孔性の板材とを有する触媒燃焼装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記多孔性の板材は
    金網である触媒燃焼装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記金網を補強する
    リブを有する触媒燃焼装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記多孔性の板材は
    5から500メッシュ程度である触媒燃焼装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記板材の表面に触
    媒特性を備えた材質がコーティングされている触媒燃焼
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102767825A (zh) * 2012-07-03 2012-11-07 上海大学 一种无焰可调温的催化燃烧装置
JP2012220135A (ja) * 2011-04-12 2012-11-12 Corona Corp 燃焼装置
KR101318523B1 (ko) * 2008-12-26 2013-10-16 지에이치티 글로벌 히팅 테크놀로지스 게엠베하 제트 캐비티 촉매 히터

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