JP2001349510A - フレームアセンブリ、触媒燃焼プレート、触媒燃焼プレートの製造方法、および触媒燃焼装置 - Google Patents

フレームアセンブリ、触媒燃焼プレート、触媒燃焼プレートの製造方法、および触媒燃焼装置

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JP2001349510A
JP2001349510A JP2000172871A JP2000172871A JP2001349510A JP 2001349510 A JP2001349510 A JP 2001349510A JP 2000172871 A JP2000172871 A JP 2000172871A JP 2000172871 A JP2000172871 A JP 2000172871A JP 2001349510 A JP2001349510 A JP 2001349510A
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Japan
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catalytic combustion
catalytic
combustion
frames
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JP2000172871A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Suzuki
美博 鈴木
Shoichi Muraoka
正一 村岡
Yasusada Higuchi
保定 樋口
Mitsunori Kobayashi
光則 小林
Satoshi Osawa
敏 大沢
Atsushi Nishino
西野  敦
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Orion Machinery Co Ltd
Original Assignee
Orion Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼効率の低下あるいは不安定要素がなく、
所望の大発熱量の出力を保証できる触媒燃焼プレートを
提供する。 【解決手段】 本例の触媒燃焼プレート20は、ほぼ正
方形状の複数の金属製のフレーム30をパネル状に組み
立てたフレームアセンブリ40に、これらを構成する各
フレーム30で保持する各触媒プレート22が熱膨張性
ガスケット50を介してセットされる。さらに、本例の
フレームアセンブリ40は、各フレーム30をスポット
溶接し組み立てた後に、外側40a(赤外線73の出力
側)を全体的にアルミ基合金などの溶射材90を用いて
アーク溶射を施す。従って、各フレーム30の間の隙間
が溶射材90で埋められ、大面積の触媒プレートを実現
できると共に、隙間から燃焼ガスが漏出するのを防止
し、燃焼効率を向上でき、不完全燃焼による匂いや煙の
発生などのトラブルも防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気化した液体燃料
を触媒燃焼する触媒燃焼プレート、その製造方法および
触媒燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火炎燃焼に比べて燃焼温度が低く、無炎
で燃焼する触媒燃焼が知られている。触媒燃焼は、NO
xなどの有害な排ガスの発生が少なく、希薄混合気の燃
焼が可能で、燃焼量の調整範囲が広く放射熱量が大きい
等の様々なメリットを有している。このため、触媒燃焼
を温風あるいは赤外線を放出する暖房機器などに用いる
ことが検討されている。その1つとして、前方に触媒プ
レートを設け、この触媒プレートの後方に、噴霧された
液体燃料を気化する気化室が配置された触媒燃焼装置が
検討されている。この触媒燃焼装置では、触媒燃焼によ
り温度が上がった触媒プレートの熱(輻射熱)で気化室
が加熱される。このため、触媒燃焼の熱で液体燃料を気
化することができ、気化した液体燃料と空気が混合され
た状態で触媒プレートに供給され、触媒燃焼が継続され
る。したがって、気化用のヒータなどが不要なので、簡
易な構成で触媒燃焼を安定して継続できる触媒燃焼装置
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような触媒燃焼装
置の触媒プレートは、ヒータなどの目的および用途によ
る熱負荷に基づいて大きさ(面積)が選択される。さら
に、触媒プレートは白金またはパラジウムなどの触媒を
担持した多孔製のセラミックプレートで構成されること
が多いので、適当なコストでセラミックプレートを製造
するためには1枚の大きさが限定される。このため、大
発熱量を出力する暖房器具(燃焼器)等において、触媒
プレートが1枚では不十分であり、例えば、約100m
m角程度の触媒プレートを複数枚用いて放熱面を形成す
る必要がある。
【0004】複数枚の触媒プレートを並べて用いる場
合、触媒プレートは熱膨張するので直に接続するとその
熱膨張を吸収できない。このため、膨張および収縮の繰
り返しにより割れる恐れがある。また、セラミック製の
触媒プレート同士を直に繋げることは難しいという問題
もある。
【0005】このため、個々の触媒プレートを金属製の
フレームに入れた状態で多数枚の触媒プレートを接合す
ることが考えられている。例えば、複数の金属フレーム
を繋ぎ合わせてフレームアセンブリを組み立て、このフ
レームアセンブリにそれぞれ触媒プレートを嵌め込み大
面積の触媒燃焼プレートとする。
【0006】しかしながら、このようなフレームアセン
ブリは、歪みや変形が生じないように、各フレーム同士
をスポット溶接などにより接合するため、溶接箇所から
離れた部分などでは隙間が生じ易い。スポット溶接を熱
歪みの影響が出にくいフレームの中央付近に施すと、各
フレームの角(コーナ)部分は隙間が生じ易い。したが
って、フレームアセンブリに触媒プレートをセットした
触媒燃焼プレートでは、気化した燃料がフレーム同士の
隙間から漏れてしまい、燃焼効率が下がったり、触媒プ
レートの表面、すなわち外側で燃料が燃焼したり、未燃
焼の有害な成分が系外に放出され、匂いや煙が発生する
などの問題の要因となる。
【0007】そこで、本発明においては、多数枚の触媒
プレートを用いた場合でも、燃焼中に隙間から未燃成分
が漏れないようにすることにより、燃焼効率の低下ある
いは不安定要素がなく、所望の大発熱量の出力を保証で
きる触媒燃焼プレートおよびその製造方法を提供するこ
とを目的としている。さらに、不完全燃焼による有害な
成分の放出をなくし、触媒燃焼のメリットを活かした、
燃焼効率が高く、安全、クリーンで静かな触媒燃焼装置
を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、複数のフレームを接合してフレームアセンブリに
組み立てた後に、さらに溶射を施すことで、各フレーム
同士の隙間を埋めるようにしている。すなわち、本発明
は、気化した燃料を触媒燃焼する触媒プレートを保持可
能な複数の金属製のフレームを組み立てたフレームアセ
ンブリであって、少なくともフレームを繋ぎ合わせる部
分に溶射が施されていることを特徴としている。さら
に、本発明のフレームアセンブリの製造方法は、気化し
た燃料を触媒燃焼する触媒プレートが保持可能な複数の
金属製のフレームでフレームアセンブリを組み立て、さ
らに、このフレームアセンブリの少なくも各フレームを
それぞれ接続する部分を溶射する工程を設けている。し
たがって、複数のフレームをアレイ状あるいは2次元な
どに配置して、スポット溶接などにより各フレームを繋
ぎ合わせてパネル状などのフレームアセンブリに組み立
てた後に、さらに、溶射、例えば電気式溶射(アーク溶
射、プラズマ溶射)などを施すことによって、各フレー
ムが接合する部分の隙間が埋められる。特に、各フレー
ムの角(コーナ)が隣接する部分においても、溶射を施
すことで溶射材により隙間を埋めるまたは小さくするこ
とができる。
【0009】このような本発明のフレームアセンブリを
用いて、フレームアセンブリの各フレームにそれぞれ、
触媒プレートをセットして触媒燃焼プレートとすること
により、大面積の触媒燃焼プレートを実現できると共
に、各フレームの接続部分に溶射材により隙間が埋めら
れているので、触媒燃焼プレートから漏出する燃焼ガス
を大幅に少なくできる。したがって、本発明の触媒燃焼
プレートであれば、触媒プレートの触媒と気化した燃料
の接触効率が上がり燃焼効率が向上する。それととも
に、漏れ出した未燃分に起因する匂いや煙が発生するな
どのトラブルも防止できる。
【0010】さらに、気化された燃料の漏出がなくなり
気化した燃料が触媒燃焼プレート上に一様に燃焼するよ
うになる。したがって、この面でも燃焼効率が向上す
る。そして、各触媒プレートが均等に発熱するようにな
るので、触媒燃焼プレート中の熱歪みが少なくなり、触
媒プレートおよび触媒燃焼プレート全体の寿命を長くす
ることができる。
【0011】本発明において、溶射は、粉末ガラス等の
無機物を金属にコーティングする、ほうろう等を行って
も良いが、電気式溶射、例えばアーク溶射やプラズマ溶
射などが望ましく、触媒特性を備えた材料を溶射材とし
て、特に、アルマイトなどアルミ基合金が好ましい。そ
の他には、金属系ではクロム、ニッケルなど、さらに、
非金属系のセラミックではシリカなどを用いることが望
ましい。このような触媒作用をもつ成分でフレームアセ
ンブリを溶射することで、隙間を埋めるとともに、触媒
燃焼効果も得られ、溶射材の隙間から未燃焼ガスが漏れ
ることがあっても、これらと接触するので未燃焼ガスを
燃焼させることができる。また、触媒燃焼プレートを通
過した未燃分の2次酸化を促進することもできる。
【0012】さらに、本発明のフレームアセンブリを構
成するフレームにそれぞれ触媒プレートをセットする際
に、高温に曝されると膨らむ特性のある熱膨張性ガスケ
ットを採用し、これを介して触媒プレートをフレームに
嵌め込むことが望ましい。したがって、試運転などの機
会に熱膨張性ガスケットを熱膨張させることで、フレー
ムと触媒プレートとの隙間を塞ぎ、この間から燃焼ガス
が漏れ出すのを防止できる。同時に、弾性のあるガスケ
ットで密閉できるので、触媒プレートが熱膨張する際の
損傷も防止できる。したがって、熱膨張性ガスケットに
よって、各フレームと触媒プレートの隙間をなくすこと
ができ、この点においても燃焼効率を向上させることが
できる。
【0013】そして、本発明のフレームアセンブリを備
えた触媒燃焼プレートを採用し、この触媒燃焼プレート
に対し液体燃料を気化して供給する気化室を設けた触媒
燃焼装置では、燃焼ガスの漏れを少なくし、燃焼効率が
高く、安全で、有害な排気も少ないなどの触媒燃焼のメ
リットを活かすことができる。したがって、複数の触媒
燃焼プレートを用いて所望の大出力(大発熱量)の触媒
燃焼装置を得ることができ、さらに、クリーンで安全な
触媒燃焼の特性を活かした燃焼装置を実際に提供するこ
と可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1に、本発明に係る触媒燃焼プ
レートを採用した触媒燃焼装置の概略構成を模式図で示
してある。本例の触媒燃焼装置5は、水平方向に延びた
筒状の気化室12を備えており、この気化室12の前方
12aに外界に面して触媒燃焼プレート20が設けられ
ている。この触媒燃焼プレート20は、白金等の触媒を
担体(例えば、アルミン酸石灰―溶解シリカ―酸化チタ
ン等のセラミック)に担持させた複数の触媒プレート2
2と、これらを保持するフレームアセンブリ40とを備
えている。したがって、気化室12から供給される気化
された液体燃料71が触媒燃焼プレート20の触媒プレ
ート22で触媒に接して触媒燃焼し、高温となり赤外線
73が外部に放出される。
【0015】一方、触媒燃焼プレート20の後方にも、
輻射熱74が放出され、気化室12の内部で液体燃料7
0が加熱され気化状態になる。気化室12は、SUS4
03あるいはアルミ含有のフェライト系などの耐熱性の
外殻11からなる中空のスペースである。気化室12の
後方には、燃料噴霧部13が配置され、燃料タンク2か
ら燃料配管8および燃料ポンプ7により供給された液体
燃料70が気化室12に噴霧される。さらに、気化室1
2には、燃焼用の空気を送るブロワ15が配置されてい
る。燃料噴霧部13には、気化室12および触媒燃焼プ
レート20を予熱するとき(予備燃焼)はバーナとして
機能し、噴霧された液体燃料にイグナイター131によ
り着火できる。また、気化室12には、触媒燃焼プレー
ト20の後面20bに面し、触媒燃焼プレート20とほ
ぼ平行に対峙するようにセラミック製で多孔性の輻射板
19が配置されている。この輻射板19は、触媒燃焼プ
レート20の輻射熱74を受けて温度が維持されるた
め、気化室12から触媒プレート20に供給される燃料
の気化を促進させることが可能であり、触媒燃焼を安定
して維持する役割を担っている。
【0016】この触媒燃焼装置5では、触媒燃焼プレー
ト20で触媒燃焼を行うために、触媒燃焼に先立って、
燃料噴霧部13をバーナとして用いて予備燃焼を行い、
気化室12、輻射板19さらに触媒燃焼プレート20を
加熱する。触媒燃焼プレート20の温度が300〜40
0℃程度の活性化温度になり、気化室12の温度も上昇
すると、一旦、燃料の供給をストップし燃焼を止める。
その後、再び燃料噴霧部13に燃料を供給し加熱された
気化室12に霧状の液体燃料を噴出すると、液体燃料7
0が気化し、その気化状態の燃料と空気が混合した気体
71が触媒燃焼プレート20の触媒の作用によって酸化
(触媒燃焼)され、触媒燃焼プレート20の放出面20
aから赤外線73が放出される。このため、本例の触媒
燃焼装置5は大容量の赤外線ヒータとしての機能を備え
ている。
【0017】触媒燃焼プレート20は、ヒータとして要
求される熱負荷に基づいて大きさ(サイズ、特に面積)
が選択され、工場などの広いスペースを暖房する目的な
どで使用される場合は大きな発熱量が望まれる。このた
め、気化した燃料71との接触面積を十分に確保する必
要があり、面積の大きな触媒燃焼プレートを備えること
が要求される。しかしながら、触媒プレート22は、そ
れ自体は上述したようにセラミック製であることがほと
んどであり、面積の大きな触媒プレート22を一枚で構
成することは歩留まりなどの点で困難である。
【0018】そこで、図2に示すように、本例の触媒燃
焼プレート20は、ほぼ正方形状の複数(本例では15
個)の金属製のフレーム30を2次元でアレイ状に配置
して組み立てたパネル状のフレームアセンブリ40を用
いており、各フレーム30で触媒燃焼プレート20を保
持し、多数枚の触媒プレート22からなる1枚の面積的
に大きな触媒燃焼プレート20を形成している。さら
に、各フレーム30には、各触媒プレート22が熱膨張
性ガスケット50を介してセットされている。
【0019】本例のフレームアセンブリ40は、フレー
ム30の各辺の中央付近がスポット溶接され、2次元の
アレイ状に組み立てた後に、外側20a(赤外線73が
放出される側)が全体的に、あるいは少なくとも各フレ
ーム30を繋ぎ合わせる部分に溶射が施されている。本
例では、電気式溶射であるアーク溶射、すなわち、熱源
に電気を使用し、2本の金属ワイヤを電極としてアーク
放電させ、溶融した霧状の微粒子金属を、高速で被対象
物に吹き付けて皮膜を形成される溶射方法により行われ
ている。溶射材90は、例えば、Ni−Al、Cr−N
i−Alのようにアルミを含んだ金属などが用いられて
いる。この溶射材90により、各フレーム30の間の隙
間が溶射材90で埋められている。特に、各フレーム3
0の角(コーナ)30aが隣接する部分おいても、溶射
を施すことでこれら隣接するコーナ30aの隙間を埋め
ることができる。したがって、本例のフレームアセンブ
リ40を用いた触媒燃焼プレート20により、大面積の
触媒燃焼プレートを実現できると共に、フレーム30同
士の隙間が埋まることで、この部分からの燃焼ガス71
の流出を少なくできる。このため、本例の触媒燃焼プレ
ート20は、触媒プレート22の触媒と気化した燃料7
1の接触効率が上がり燃焼効率が向上する。それととも
に、漏れ出した未燃分に起因する匂いや煙が発生するな
どのトラブルも防止できる。
【0020】さらに、溶射を施すことによりフレーム3
0の間の隙間が埋まり、燃焼ガス71の漏出が殆どなく
なるので、それぞれの触媒燃焼プレート22の抵抗が低
くなり、気化した燃料71が触媒燃焼プレート20上
で、ほぼ均一に燃焼することができる。したがって、こ
の点においても燃焼効率が向上する共に、各触媒プレー
ト22が均等に発熱するようになるので、触媒燃焼プレ
ート20における部分的な熱歪みが少なくなり、触媒プ
レート22および触媒燃焼プレート20全体の寿命を長
くすることができ、耐久性を向上できる。
【0021】図3から図7を参照しながら、本例の触媒
燃焼プレート20が製造される様子について詳しく説明
する。図3に概略の工程を示してある。ステップ1で、
図2に示したように、個々のフレーム30を所定の数、
たとえば15個並べる。金属(SUS403)製の各フ
レーム30は、図4(a)〜図4(d)に示すように、
触媒プレート22の側面をカバーする部分33と、触媒
プレート22の前方(赤外線73を出力する側20a)
をその面の縁に沿って支持する額状の前面押さえ31
と、後方(気化室12に向いた側20b)の面を断続的
に支持する爪状の部分32とを備えている。したがっ
て、前面押さえ31と爪32で、各々のフレーム30が
触媒プレート22の前面および後面を個別に支持でき
る。フレーム30の側面の部分33は、触媒プレート2
2の側面を支持すると共に、他のフレーム30と隣接す
る部分であり、本例のフレーム30では、四方の側面の
それぞれに、フレーム30に沿って長孔状のシール孔3
5が形成されている。フレーム30の側面33と触媒プ
レート22との間を塞ぐために熱膨張性ガスケット50
をいれて加熱したときに、シール孔35から熱膨張性ガ
スケット50が飛び出してフレーム30同士の隙間を塞
ぐようにしている。
【0022】次に、ステップ2で、隣接する各フレーム
30を、図4(a)に示すように、各辺の中央でスポッ
ト溶接39を行って、アレイ状に2次元に配置された状
態で固定しパネル状に形成する。各フレーム30の側面
の部分33に設けられたシール孔35は各辺毎に2つに
分かれ、スポット溶接39を行う各側面の部分33の中
央33aにシール孔35はなく、溶接強度が得られるよ
うになっている。フレーム30は、薄い金属板で形成さ
れているので、溶接による歪みなどにより変形しやす
い。このため、本例では各辺の中央をスポット溶接する
ことにより、フレーム30が歪んだり、変形したりする
ことにより各フレーム30の間に隙間が発生することを
できる限り防いでいる。このようにして、15枚のフレ
ーム30を隣接させ接続して1つの大きな面積のフレー
ムアセンブリ40が形成される。
【0023】しかしながら、このように、フレーム30
が変形しないようにフレームアセンブリ40を形成して
も、フレーム30の形状の個体差、さらには、燃焼した
ときの温度による歪みなどにより、各フレーム30の間
に若干の隙間が生じる。特に、各フレームのコーナ
(角)30aが隣接する部分は、溶接ポイント39から
離れており隙間が生じ易い。
【0024】そこで、本例では、ステップ3で、組み立
てられたフレームアセンブリ40の片面40aをアーク
溶射する。本例では、溶射を施す面40aは、最終的に
触媒燃焼プレート20を触媒燃焼装置5に取付けた際に
前方となる側20a、すなわち、赤外線73などを出力
する側の面20aである。この溶射した面40a(20
a)が、触媒プレート22と接して逆に隙間があく等、
溶射した面の凹凸により応力が集中しないようにしてい
る。
【0025】さらに、溶射材90として、触媒としても
機能するCr−Ni−Al金属(アルミ基合金)をアー
ク溶射して、各フレーム30の間の隙間を埋める。隙間
を埋めることで燃焼ガス71の漏出を防止するととも
に、隙間があって、燃焼ガス71が漏れるときでも、そ
れを触媒燃焼させることができる。したがって、触媒作
用を持つ溶射材90により触媒燃焼プレート20の外側
の面20aにアーク溶射を施すことで、少なくとも各触
媒プレート22から漏れ出した未燃成分の2次酸化を行
うこともできる。
【0026】さらに、ステップ4で、アーク溶射された
フレームアセンブリ40の各フレーム30に、触媒プレ
ート22をセットする。図5(a)〜(c)に一部を拡
大して示してある。図5(b)に示すように、熱膨張性
ガスケット50を触媒プレート22とフレーム30との
間の隙間に入れ、触媒燃焼プレート20の後方から各フ
レーム30に触媒プレート22をセットする。グラスウ
ール、セラミックウール等は、燃焼熱によって高温に曝
されると、痩せて変形する傾向があるが、本例では、ガ
スケット50として熱膨張性のガスケットを採用してい
る。この熱膨張性ガスケット50は、加熱されると厚さ
方向に3〜4倍程度に膨張する過熱膨張材を含んだ素材
であり、住友3M社のインタラム・マットなどがある。
このため、熱膨張性ガスケット50を介してそれぞれの
触媒プレート22を各フレーム30にセットした後に、
試運転などのタイミングで熱膨張性ガスケット50を熱
膨張させることで、フレーム30と触媒プレート22と
の隙間を塞ぎ、この間から燃焼ガスが漏れ出すのを防止
できる。同時に、弾性のあるガスケット50で密閉でき
るので、触媒プレート22が熱膨張する際の損傷も防止
できる。したがって、熱膨張性ガスケット50によっ
て、各フレーム30と触媒プレート22の隙間をなくす
ことができ、この点においても燃焼効率を向上させるこ
とができる。
【0027】フレーム30の爪32を内側に曲げると、
図5(a)に示すように、触媒プレート22および熱膨
張性ガスケット50の前面23の側は、フレーム30の
前押さえ31で抑えられ、それを後面25の側は、爪3
2によりそれぞれ押さえられる。したがって、フレーム
30を用いた複数の触媒プレート22より大面積の触媒
燃焼プレート20として組み立てることが出来上がる。
さらに、図5(c)に示すように、フレームアセンブリ
40の前面40aには、溶射材90が溶射されているの
で、各々のフレーム30の間の隙間が埋まり、触媒燃焼
プレート20から漏出する燃焼ガス(気化された液体燃
料)71を大幅に少なくできる。したがって、本例の触
媒燃焼プレート20であれば、触媒プレートの触媒と気
化した燃料の接触効率が上がり燃焼効率が向上する。そ
れとともに、漏れ出した未燃分に起因する匂いや煙が出
るなどのトラブルも防止できる。
【0028】さらに、上述したように、アーク溶射を施
し、隙間を埋めることで、燃焼ガス71の漏出がなくな
る、または少なくなるので触媒燃焼プレート20の抵抗
が低くなり、気化した燃料が触媒燃焼プレート上にほぼ
均等に燃焼するようになり、高い燃焼効率を維持でき
る。さらに、各触媒プレートが均等に発熱するようにな
るので、触媒燃焼プレート中の熱歪みが少なくなり、触
媒プレートおよび触媒燃焼プレート全体の耐久性を向上
できる。
【0029】このようにして、組み立てられた触媒燃焼
プレート20を、ステップ5で、触媒燃焼装置5に取付
ける。さらに、触媒燃焼装置5の出荷前には、実際に燃
料を供給して燃焼試験が行われ、熱膨張ガスケット50
が膨張して触媒プレート22とフレーム30との間の隙
間を塞ぐ。
【0030】図6および図7に、燃焼試験を行った後の
触媒燃焼プレート20のフレーム30同士が隣接する部
分を拡大して示してある。ステップ3で行ったアーク溶
射により、フレームアセンブリ40の表面40a側の一
部が溶射材90で覆われ、隣接する各々のフレーム30
の間に隙間が生じないようなっている。さらに、熱膨張
性ガスケット50が約3〜5倍程度に膨張するので、触
媒プレート22とフレーム30との隙間が埋まる。さら
に、シール孔35を通しても熱膨張ガスケット50が膨
張するので、フレーム30の間の隙間が埋められる。し
たがって、フレーム同士の接続強度が上がり触媒燃焼プ
レート20としての強度も向上する。
【0031】図7に拡大して示すように、フレーム30
同士が接続されるコーナ(角部分)30aでは、シール
孔35がないため、この部分におけるの隙間Cがガスケ
ット50の熱膨張では埋まらない。本例では、溶射材9
0によって覆うことにより、隙間Cも埋められている。
したがって、本例の触媒燃焼装置5では、組み立てた後
にアーク溶射することで、平面方向に並べられたフレー
ム30同士の隙間全体を確実にシールできる。さらに、
膨張させたガスケット50によって複数の触媒プレート
22と各フレーム30の隙間もシールできる。
【0032】したがって、本例の触媒燃焼プレート20
を搭載した触媒燃焼装置5であれば、触媒燃焼時に触媒
プレートの部分で、未燃焼ガスが漏れ出さずに、効率良
く燃焼させることができる。このため、燃焼効率が良
く、排出ガスもクリーンな触媒燃焼本来のメリットを十
分に活かした状態で、安定して燃料を触媒燃焼させるこ
とができる。そして、燃焼効率の低下あるいは不安定要
素がなく、所望の大熱発生量の出力を保証できる触媒燃
焼プレート20を提供できる。したがって、大きな発熱
量が要求される大型の触媒燃焼装置を実際に供給するこ
とが可能となり、燃焼効率が高く、安全で有害な排気も
少ないなどの触媒燃焼のメリットを活かした大容量の触
媒燃焼装置5を提供できる。
【0033】なお、上記では、フレームアセンブリ40
における隙間を埋めるために、溶射する際に、アーク溶
射を施した例を説明しているが、これに限らず、プラズ
マ溶射などであっても良い。さらに、溶射する際に用い
る溶射材は、上記のようなアルミ基合金が好ましいが、
これに限らず、酸化金属(セラミック)であり、触媒特
性を備えた、例えば、チタニア、ゼオライト、チタン酸
カリウム、酸化バナジウムなどを用いることもできる。
また、非金属系のセラミックで触媒特性を備えたシリ
カ、コーディエライトなどであっても良い。また、溶射
材として粉末ガラスを用いる金属をコーティングする、
ほうろうを施しても良いが、このようなものでも、隙間
を埋める効果は十分に得られるが、触媒燃焼として相乗
効果はあまり期待できないので、上記のような触媒とし
て機能するものが望ましい。
【0034】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の触媒燃
焼プレートは、各フレームを接続しフレームアセンブリ
とした後に、さらに溶射することにより各フレームの間
に隙間があっても、それを防ぎ、燃焼中も隙間ができる
だけ発生しないようにしている。したがって、フレーム
アセンブリの各フレームに、それぞれ触媒プレートをセ
ットした触媒燃焼プレートを提供することで、隙間から
燃焼ガスが漏出するのを防止し、触媒燃焼によって大出
力を確保するとともに、燃焼効率を向上できる。すなわ
ち、多数の触媒プレートを配置した触媒燃焼装置におい
て、隙間から未燃焼状態の燃料が放出されることを防止
でき、不完全燃焼による匂いや煙の発生などのさまざま
なトラブルを未然に防止でき、燃焼効率が良く、クリー
ンで安定した燃焼が得られる触媒燃焼のメリットを活か
した大出力の触媒燃焼装置を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る触媒燃焼プレートを用いた触媒燃
焼装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す触媒燃焼プレートの構成を示す平面
図である。
【図3】図2に示した触媒燃焼プレートが製造される工
程を示す図である。
【図4】図2に示す触媒燃焼プレートに用いるフレーム
アセンブリの概略構成を示す図であり、図4(a)は正
面図、図4(b)、(c)、(d)および(e)は各側
面図である。
【図5】図4に示したフレームアセンブリの各フレーム
に触媒プレートがセットされた様子を説明する図であ
り、図5(a)に前面側から見た様子を示し、図5
(b)に裏面側から見た様子を示し、図5(c)に側面
側から見た様子を示してある。
【図6】図2に示す触媒燃焼プレートの一部を拡大して
示す断面図であり、2つのフレームが隣接して接続され
ている部分を示す図である。
【図7】図2に示す触媒燃焼プレートの一部を拡大して
示す断面図であり、4つのフレームが隣接して接続され
ているコーナ(角)部分を示す図である。
【符号の説明】
5 触媒燃焼装置 11 気化室の外殻 12 気化室 13 燃料噴霧部 15 ブロワ 19 輻射板 20 触媒燃焼プレート 22 触媒プレート 30 フレーム、30a フレームの角 35 シール孔、39 スポット溶接代の部分 40 フレームアセンブリ 50 熱膨張性ガスケット 70 液体燃料(灯油)、71 混合気体 73 外部に照射される赤外線、74 輻射熱 90 溶射材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 保定 長野県須坂市大字幸高246番地 オリオン 機械株式会社内 (72)発明者 小林 光則 長野県須坂市大字幸高246番地 オリオン 機械株式会社内 (72)発明者 大沢 敏 長野県須坂市大字幸高246番地 オリオン 機械株式会社内 (72)発明者 西野 敦 長野県須坂市大字幸高246番地 オリオン 機械株式会社内 Fターム(参考) 3K052 AA05 AB10 AC01 FA01 FA05 FA08 3K055 AA05 AB10 BA07 BA11 BD10 3K065 TA06 TB13 TD04 TK02 TK04 TP01 TP09 3K068 AA11 AB04 AB32 AB36 CA11 CA26 CB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気化した燃料を触媒燃焼する触媒プレー
    トを保持可能な複数の金属製のフレームを組み立てたフ
    レームアセンブリであって、少なくとも前記フレームを
    繋ぎ合わせる部分に溶射が施されていることを特徴とす
    るフレームアセンブリ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、溶射材は、触媒特性
    を備えていることを特徴とするフレームアセンブリ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のフレームアセ
    ンブリにおける前記フレームにそれぞれ前記触媒プレー
    トがセットされていることを特徴とする触媒燃焼プレー
    ト。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記フレームに前記
    触媒プレートが熱膨張性ガスケットを介して嵌め込まれ
    ていることを特徴とする触媒燃焼プレート。
  5. 【請求項5】 気化した燃料を触媒燃焼する触媒プレー
    トを保持可能な複数の金属製のフレームでフレームアセ
    ンブリを組み立て、さらに、このフレームアセンブリの
    少なくも前記フレームをそれぞれ接続する部分を溶射
    し、前記触媒プレートをセットする工程を有する触媒燃
    焼プレートの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3または4に記載の触媒燃焼プレ
    ートと、この触媒燃焼プレートに対し液体燃料を気化し
    て供給する気化室とを有する触媒燃焼装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013002697A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Corona Corp 温風暖房装置

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