JP4073546B2 - 燃焼装置の燃焼方法、燃焼装置および温風発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体燃料をガス化して触媒燃焼し、その熱を前方に放出可能な燃焼装置の燃焼方法、その熱を利用して温風を供給可能な燃焼装置および温風発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4に、灯油などの液体燃料を燃焼して温風を発生する温風発生装置1の一例を示してある。この温風発生装置1は、燃料タンク2の上に、温風を発生するほぼ筒状のハウジング3が設置されており、その中に筒状の燃焼装置4が設けられている。燃焼装置4の後端には、燃焼用のバーナー8が備えられており、このバーナー8に燃料タンク2より燃料が供給される。バーナー8から噴霧された燃料は、点火棒9によって点火され、燃焼が開始される。燃焼用の空気はバーナー8の近傍に設けられたブロワー10によって燃焼装置4に供給される。また、燃焼装置4の内部で発生した燃焼ガスは、燃焼装置4の前方4aからハウジング3の内部に放出される。
【0003】
一方、燃焼装置4の上流となるハウジング3の後方に設置された送風ファン13によって外気がハウジング3の内部に導入される。この外気は燃焼装置4とハウジング3との間の供給通路7を通って加熱され、さらに、燃焼装置4から放出された燃焼ガスと混合されて温風となる。そして、この温風がハウジング3の前方の温風吹き出し口6を通って外部に吹き出される。このように、温風発生装置1は、燃焼ガスを外気と混合することにより、比較的高温の温風を大量に供給できるので、工場内の暖房、食物の乾燥など多種多様な用途に用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
温風発生装置より放出される燃焼ガスは、よりクリーンなことが望ましく、このため、触媒燃焼方式の燃焼装置を採用することが検討されている。触媒燃焼は、火炎燃焼に比べて燃焼温度を下げることができるので、NOxなどの生成を抑制でき、燃焼ガスをよりクリーンにすることができる。また、未燃分がほとんど生じないので着火時または消火時の臭いを低減できる。さらに、触媒燃焼は、無炎燃焼なので騒音も小さくできる。
【0005】
図5に、触媒燃焼方式の燃焼装置5を採用した温風発生装置1の構成例を模式的に示してある。温風発生装置1の概略構成は上記と同様であり、ほぼ筒状のハウジング3に触媒燃焼方式の燃焼装置5が収納されている。この触媒燃焼方式の燃焼装置5は、燃焼用の触媒21を収納した燃焼室20と、この燃焼室20の後方に隣接して配置された気化室30とを備えている。気化室30は、燃料タンク2から供給された灯油などの液体燃料15を噴霧する燃料噴霧部11を備えており、霧化された燃料16が燃焼室20からの熱により気化室30の内部で気化(ガス化)され、そのガス化された燃料17が燃焼室20に供給される。燃焼室20には、ガス化された燃料を酸化可能な白金などの活性体が表面に含まれたハニカム状の触媒21が設置されており、後方から供給されるガス化された燃料17を触媒燃焼し、その燃焼ガス18を前方へ放出できるようになっている。この燃焼ガス18は、ハウジング3内の燃焼装置5の外側を通って供給された外気14と燃焼装置の前方で混合され温風19となって、ハウジング3の前方3aから放出される。なお、温風発生装置1の他の構成については、図5に示したものと同様であるので、以下では共通の符号を付して説明を省略する。
【0006】
このような触媒燃焼方式の燃焼装置5における燃焼は、次のように行われる。先ず、起動時には、触媒の温度が触媒燃焼を起こすために必要な温度に達していない。このため、気化室30において、噴霧部11により霧化された燃料16にイグナイター(不図示)により着火して気化室30で燃料を火炎燃焼する。そして、気化室30および燃焼室20を予熱する。この代わりに、電気ヒータを用いて気化室30および燃焼室20を予熱することもできる。予熱により燃焼室20が、触媒21の活性温度以上になると、いったん液体燃料15の補給を止めて火炎を消し、その後、再び、液体燃料15を補給する。気化室30の噴霧部11で霧化された燃料16は気化室30が高温になっているので、その熱によりガス化され、このガス化された燃料17が、活性温度に達している燃焼室20に供給される。したがって、燃焼室20の触媒21で触媒燃焼が行われる。そして、燃焼室20で触媒燃焼が始まると、燃焼室20からの輻射熱によって気化室30が加熱されるのでその温度が霧化された燃料16をガス化可能な温度に維持され、気化室30でガス化された燃料17が、燃焼室20に供給され触媒燃焼が継続される。
【0007】
触媒燃焼を安定した状態で効率良く継続するためには、略完全にガス化された、ガス化率の高い燃料を安定して供給する必要があり、そのためには、気化室内に燃料が滞留する十分な時間を確保する必要がある。したがって、大容量の気化室が必要となるので触媒燃焼方式を採用した燃焼装置の小型化は難しい。燃焼室の触媒の量を増やすことで、ガス燃料と触媒との接触時間(面積)を確保し、ガス化がそれほど進行していない燃料でも触媒燃焼するようにすることも可能であるが、これによって気化室は小型化できても燃焼室が大きくなり燃焼装置全体のサイズを小さくすることができない。また、このような方法では触媒の量が増加するので燃焼装置の製造コストが高くなる。
【0008】
また、安定して燃料をガス化するためには気化室でガス化される燃料量、すなわち、燃焼室で消費される燃料量の増減が少ないことが望ましく、負荷の可変幅を大きくすることができないという点も触媒燃焼方式では問題となる。気化室を大きくしてガス化における燃料量の増減の影響を小さくすることも可能であるが、上述したように、燃焼装置が大きくなってしまうので現実的ではない。さらに、負荷変動があると、その最大負荷に合わせた燃料を処理できる量の触媒を収納するために燃焼室は大きくなり、その一方で負荷が小さいときは触媒の温度が低下しやすいので十分な活性温度に達している部分が少なくなり燃焼効率が悪くなる。
【0009】
そこで、本発明においては、ガス化効率が良く、ガス化率の高い燃料を安定して供給することにより効率の良い触媒燃焼が可能な燃焼装置の燃焼方法を提供することを目的としている。また、そのような燃焼方法により、コンパクトな燃焼装置を提供することを目的としている。負荷変動に対しても安定した燃焼を維持できるコンパクトな燃焼装置を提供することを目的としている。また、負荷変動に対しても安定した燃焼を維持できるコンパクトな燃焼装置を提供することを目的としている。そして、そのような触媒燃焼方式の燃焼装置を採用することにより、いっそうクリーンな温風を供給することができるコンパクトな温風発生装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、液体燃料のガス化を行う気化室の内面に触媒層を設け、この触媒層からの熱を気化室において利用できるようにしている。すなわち、本発明は、後方から供給されるガス化された燃料を触媒で触媒燃焼し、その燃焼ガスを前方へ放出可能な燃焼室と、この燃焼室の後方に隣接して配置され、液体燃料をガス化して前記燃焼室に供給可能な気化室を有し、気化室の内面の少なくとも一部に前記ガス化された燃料を触媒燃焼可能な触媒層を備えている燃焼装置の燃焼方法であって、霧化した前記液体燃料を前記気化室に供給し、着火して火炎燃焼を行い、前記火炎燃焼によって前記気化室および前記燃焼室を予熱して、前記燃焼室の前記触媒および前記気化室の前記触媒層を触媒燃焼可能な活性温度に到達させ、前記液体燃料の供給を停止して前記火炎燃焼を消し、霧化した前記液体燃料を前記気化室に供給し、前記予熱によって前記液体燃料をガス化して、前記燃焼室の前記触媒および前記気化室内の前記触媒層による触媒燃焼を行い、前記燃焼室の前記触媒による触媒燃焼の熱および前記気化室の前記触媒層による触媒燃焼の熱によって前記液体燃料をガス化することを特徴としている。
【0011】
本発明の燃焼装置の燃焼方法においては、気化室の内面に設けられた触媒層が、気化室を予熱するときの熱、あるいは、燃焼室からの輻射熱などによって加熱され、燃料を燃焼可能な活性温度に保持される。したがって、気化室の内面に設けられた触媒層により、ガス化された燃料の一部が触媒燃焼し、その熱によって気化室内が加熱される。このため、本発明の燃焼装置においては、気化室が隣接する燃焼室からの熱に加え、気化室の内面に設けられた触媒層からの熱により加熱される。これら複数の熱源によって加熱される気化室は高温に維持されるので、その中で噴霧(霧化)された燃料は、効率良くガス化(気化)される。さらに、本発明の気化室は、燃焼室からの熱に加えて、内面に設けられた触媒層からの熱により燃焼室とは異なった方向からも加熱される。したがって、気化室内の温度分布を小さくすることが可能であり、気化室内を高温の状態でより均一化できる。また、気化室内で霧化された液体燃料は、燃焼室からの熱放射(輻射熱)に加え、これとは方向が異なる気化室内面に設けられた触媒層からの熱にも晒される。このため、気化室内で噴霧された燃料は、さらに、効率良く、短時間で気化(ガス化)された燃料となる。
【0012】
このように、本発明の燃焼装置の燃焼方法においては、気化室におけるガス化効率を大幅に向上できるので、気化室を小型化して燃料の滞留時間が減ってもガス化率が高く、十分にガス化された燃料を燃焼室に供給できる。したがって、気化室を小型化しても燃焼室の触媒量を増やす必要はなく、小型で燃焼効率の高い燃焼装置を提供することができる。
【0013】
また、ガス化効率を高くできるので、気化室を小型化しても気化する燃料量に対する裕度を大きくできる。したがって、燃料量が増減してもガス化率の高い燃料を安定して燃焼室に供給できる。さらに、本発明の気化室は燃焼室に加えて内面に設けられた触媒層という異なった熱源があるため、気化室内の温度を安定させることができ、この点でも燃料量の増減に対して安定した性能を発揮できる。また、低負荷で燃焼室の温度が下がることになっても、気化室の内面に新たな熱源があるので、負荷変化に対して気化室の温度の変動を小さくすることが可能となり、負荷変動に対しガス化率の高い燃料を安定して供給することができる。したがって、触媒燃焼方式の燃焼装置において、負荷変化幅あるいは負荷変化率を大きくできるコンパクトな燃焼装置を提供することができる。
【0014】
さらに、本発明の燃焼装置の燃焼方法においては、燃焼室に収納された触媒と共に、気化室の内面に設けられた触媒層で、ガス化された燃料が触媒燃焼される。したがって、燃焼装置全体の燃焼量の一部が気化室で燃焼されるので、燃焼室に収納される触媒量を削減することができる。したがって、燃焼室を小型化でき、この点でも燃焼装置を小型化できる。一方、燃焼室の触媒量を削減しなければ、触媒量に余裕ができるので、より安定した燃焼を行わせることができる。
【0015】
このように、本発明の燃焼方法により、CO、HCあるいはNOxなどの有害成分の発生も非常に少ない触媒燃焼方式であって、コンパクトで燃焼効率の高い燃焼装置を提供することができる。また、負荷変動に対しても安定した燃焼が可能な燃焼装置を提供することができる。したがって、本発明の燃焼装置を収納するとともに、その外側を通して外気を前方に向かって供給可能なハウジングとを有し、外気が燃焼装置より放出される燃焼ガスと混合し温風となってハウジングの前方から放出される温風発生装置とすることにより、いっそうクリーンな温風が供給可能で、さらに、コンパクトな温風発生装置を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明に係る燃焼装置および温風発生装置の概略構成を断面で示してある。また、図2に、本例の燃焼装置40を前方から見た様子を示してあり、その右半分は燃焼装置40を後述する遮蔽部材72の外側から見た様子を示し、また、左半分は遮蔽部材72を除いた状態を示してある。本例の温風発生装置1は、灯油などの液体燃料を燃料として温風を発生できるものであり、全体的な構成は先に図4に基づき説明したものと略同じである。したがって、図1には、燃焼装置4に関連したハウジング3の部分を拡大して示しており、他の構成部分については以下では説明を省略する。また、先に説明した図4あるいは図5と共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0017】
本例の燃焼装置40は、ほぼ筒状のハウジング3に格納可能なように全体が筒状に構成されており、ハニカム構造の白金系の触媒52を備えた筒状の燃焼室50と、この燃焼室50の後方に隣接して設置された同じく筒状の気化室60を備えている。さらに燃焼室50の前方に隣接して前方に突き出た筒状の受熱部70が設けられており、その出口に多孔性の遮蔽板72が取付けられている。本例の燃焼室50は、気化室60から供給される液体燃料がガス化された燃料17を触媒燃焼できるようになっており、このため、例えば、白金系の触媒を含み、ガス化された燃料17を触媒燃焼できる触媒52が燃焼室50に設置されている。触媒52は、後方(気化室60の方向)から供給されたガス化された燃料17を燃焼し、燃焼後の燃焼ガス18を前方の受熱層70を通してハウジング3に放出できるようになっている。このため、燃焼室50の内部には、触媒を含んだセラミック板の組み合わせ、あるいはハニカム構造などの多孔性で圧力損失の少ない形状となった触媒52が収納されている。
【0018】
液体燃料をガス化する気化室60は、円筒状で内部が中空となった外殻が65が、SUS430、アルミ含有のフェライト系などの耐熱材料を用いて形成されており、この内部に液体燃料15を霧化(噴霧)する噴霧部11が設置されている。さらに、外殻65の内面60aにガス化された燃料17を触媒燃焼できる触媒層63が設けられており、この触媒層63でガス化された燃料17の一部を触媒燃焼できるようになっている。したがって、本例の気化室60は、触媒燃焼が行われる燃焼室50からの熱に加えて、内面60aに設けられた触媒63からの熱によっても加熱され、それらの熱によって噴霧された液体燃料が気化する。気化室内面60aの触媒層63は、ガス化された燃料が触媒層自身で触媒燃焼する熱により加熱されると共に、燃焼室50からの輻射熱によっても加熱される。したがって、触媒層63は燃焼可能な温度(活性温度)あるいはそれ以上の温度に安定して保持され、効率良く触媒燃焼が行われる。また、起動時は、図5を参照しながら説明したように、噴霧された燃料17が火炎燃焼するので、内面60aに設けられた触媒層63も温度が上昇する。したがって、起動時から触媒層63で触媒燃焼を行うことができ、触媒層63を起動から触媒燃焼を停止するまでの全ての期間にわたり、安定した第2の熱源として利用することができる。
【0019】
このように、本例の燃焼装置40は、気化室の内面60aに触媒層63が設けられており、これを第2の熱源として利用することができる。したがって、気化室60は、燃焼室50からの熱によって加熱されたときに外殻65を通って熱が外部に逃げるのではなく、内面60aの触媒層63からの熱によってさらに加熱される。したがって、気化室60の内部に熱を効率良く閉じ込めることが可能となり、気化室60の内部を高温に維持することができる。また、熱源が燃焼室50だけでなく、内壁60aにも分散して配置されるので、気化室60の内部の温度分布が小さくなり、燃焼室50に近い側だけでなく、気化室内全体でガス化が行われるようになる。
【0020】
さらに、燃焼室50だけが熱源のときは燃焼室50の側に噴霧された液体燃料に比較し、気化室60の外周側に噴霧された燃料は熱源からの距離が遠く、また輻射熱も燃焼室50の側に噴射された燃料によって遮られるために気化効率は低くなる。したがって、気化室60の内部全体がガス化のために有効利用されているわけではなく、また、領域によってガス化効率が異なるので気化率(ガス化率)が十分に高い燃料を燃焼室50に供給するためには、ガス化効率が低い領域でも十分なガス化率の燃料が得られるように気化室の容量を大きくしておく必要がある。これに対し、本例の気化室60においては、後方の触媒層63から熱が輻射され、気化室の外周側の領域の温度も触媒層63によって高く保たれる。したがって、気化室60の全体のガス化効率を改善することが可能であり、気化室全体で効率良くガス化が行われる。このため、気化室の容量を減らしても十分なガス化率の燃料を燃焼室50に送り込むことが可能となり、燃焼室50における燃焼効率を低下させずに気化室60を小型化し、燃焼装置40を小型化および軽量化できる。
【0021】
また、本例の燃焼装置40においては、気化室60を小さくしてもガス化効率を高くできるので負荷変動にも対応できる。すなわち、燃焼負荷の増減によって気化室60において気化する燃料量が変動しても、本例の燃焼装置40は、気化室の内面60aに設けられた触媒層63が第2の熱源として作用するので気化室内の温度低下を抑制することが可能であり、負荷変化率を大きくすることができる。また、低負荷においては燃焼室50の温度が低くなるために気化室60の温度が低下しやすいが、本例の気化室60においては内面60aの触媒層63から加熱されるので低負荷においても十分な気化能力(ガス化能力)を維持することができる。したがって、負荷変動幅も大きくすることができる。
【0022】
このように、本例の燃焼装置40は、気化室の内面60aに触媒層63を設置することにより、燃焼性能を劣化させることなく、逆に、負荷変動に追従する能力を向上すると共に気化室60を小型化することが可能であり、高性能で小型の燃焼装置40を実現することができる。さらに、気化室の内面60aに設けられた触媒層63で燃料の一部が燃焼され、その熱が燃焼装置40から外部に放出されたり、あるいは、燃焼室50に供給されるガス化された燃料の温度を高くするために使用され、結果として触媒層63における燃焼熱も温風などとして外部で有効に利用される。したがって、燃焼室50に設置する触媒の量を削減することが可能となり、燃焼室50を小型にできる。また触媒を削減できるのでコストも低減できる。あるいは、燃焼室50に収納された触媒の量に余裕ができるので、コンパクトで発熱量の大きな燃焼装置を提供することができる。また、触媒の量に余裕を持たせることにより、未燃焼成分が発生してもこれを2次酸化することが可能であり、燃焼ガスをさらにクリーンなものにすることができる。気化室60から燃焼室50に供給される燃料空気混合ガスおよび燃焼ガスの温度が上昇すると、燃焼室50に収納された触媒が活性化されるのでこの点でも燃焼室における燃焼効率が向上する。したがって、燃焼室40を小型化でき、あるいはさらに発熱量の大きな燃焼装置を提供できる。
【0023】
このように、本例の燃焼装置40は、気化室の内面60aに触媒層63を設けることにより、小型で性能の良い触媒燃焼方式の燃焼装置を実現できる。したがって、本例の燃焼装置40をハウジング3の内部に設置することにより、触媒燃焼のメリットを活かした、よりクリーンな温風が得られ、音の静かな燃焼が行われるコンパクトな温風発生装置1を提供することができる。
【0024】
温風発生装置1においては、燃焼装置40の出口で燃焼室50から供給された燃焼ガス18と、ハウジング3の内部を通って供給された外気14とが混合され熱交換が行われて温風19となる。したがって、燃焼装置40の出口は外気14によって冷やされることになり、燃焼室50の内側に比較し温度が低下しやすい。このため、この部分に触媒を設置しておいても活性温度に達しないことが多く、触媒を有効利用することができない。このため、本例の燃焼装置40においては、燃焼装置40の出口部分、すなわち、燃焼室50の出口側(前方)50aに、筒状の受熱部70を設け、燃焼ガス18が燃焼室50の出口ですぐに拡散して外気14と混じり合わないようにしている。さらに、この受熱部70の出口側に多孔性で板状の遮蔽部材(遮蔽板)72を設置して燃焼室50の出口の温度を維持しやすいようにすると共に、この遮蔽板72が燃焼ガス18および燃焼室50からの輻射熱により加熱し、受熱部70の周囲および出口近傍で外気14と熱交換が行われるようにしている。このため、燃焼室50の触媒52が外気14によって冷やされるのを防止することができ、燃焼室50に収納された触媒52は全体を活性温度以上に保つことが容易となる。したがって、燃焼室50の燃焼効率を高く維持することができ、燃焼室50をコンパクトにすることができる。また、燃焼室50をコンパクトにできるので、燃焼装置40のサイズにそれほどの影響を与えずに受熱部70を設けることができる。さらに、活性温度にすることが難しい部分に触媒を設置しなくて良いので、触媒の無駄を省き、低コストで燃焼効率良い燃焼装置40を提供できる。特に、低負荷においては、燃焼室50の温度が低くなるが、受熱部70を設けることにより燃焼室50が必要以上に冷却されなくなる。したがって、低負荷においても触媒52の温度を保持することが可能となり、燃焼効率が良く、安定した燃焼を実現できる燃焼装置40を提供することができる。
【0025】
また、本例の燃焼装置40においては、受熱部70では燃焼を行わないので、受熱部70を、温度が保持し易く、また、外気への熱伝達効率が高い形状にすることができる。本例では、複数の比較的小さな開口71が設けられたパンチングメタルによって構成された遮蔽板72を設けて、遮蔽板72の外側(前方)で燃焼ガス18と外気14とが混合されるようにしている。また、この遮蔽板72および受熱部70の外殻70aが加熱されて高温になるので、これらの部分からも外気14が加温される。したがって、燃焼装置40の出口部分における外気14との熱交換効率を向上することが可能であり、燃焼ガスと外気を混合し均一な温度にするために必要なスペースを削減することができる。このため、受熱部70を設けることにより、ハウジング3の長さを削減することが可能となり、温風発生装置1をさらにコンパクトにすることができる。
【0026】
このように、本例の燃焼装置40は、気化室の内面60aに触媒層63を設置することにより気化効率の高くでき、さらに、受熱部70によって燃焼室50における燃焼効率を高くすることができるので、触媒燃焼方式の燃焼装置40をコンパクトに纏めることができる。したがって、この燃焼装置40を採用することにより、コンパクトで燃焼効率が良く、さらに、クリーンで静かな温風を供給することができる温風発生装置1を提供することができる。
【0027】
なお、本例では、遮蔽板72の周辺部分76に開口71を配置して、中心部分75は遮断された状態とし、燃焼ガス18が遮蔽板72に沿って流れた後に微細な開口71から放出されるようにしており、遮蔽板72と燃焼ガス18との接触面積が大きくなるようにしているが、中心部分75に開口71を設けても良いことはもちろんである。また、遮蔽部分の構成も上記の例に限定されることはなく、例えば、図3に示すような2枚の遮蔽板72aおよび72bを設置することも可能である。図3(a)は燃焼装置40の受熱部70の部分の断面を示してある。また、また、図3(b)は燃焼装置40を前方から見た様子を示してあり、左側は燃焼室50の側の遮蔽板72aを示し右側はその前方に位置する遮蔽板72bを示している。これらの図に示すように、本例では、受熱部70の出口側に、燃焼室50の側から中央に孔77の開いた遮蔽板72aと、周囲に複数の孔78の開いた遮蔽板72bが順番に適当な間隔79を開けて設置されている。したがって、燃焼室50から放出された燃焼ガス18は、筒状で煙道としての機能を果たす受熱部70を通って遮蔽板72aに到達し、中央の孔77を通った後に遮蔽板72bに沿って外周側に流れ、周囲の孔78を通って外気に放出される。したがって、燃焼室50の先端50aで燃焼ガスが放散することはなく、燃焼室50の温度が高温で維持される。また、燃焼ガス18が燃焼室から直にハウジング3の内部には放出されず受熱部70、遮蔽板72aおよび72bに接触しながらハウジング3に放出されるので、これらの遮蔽板72aおよび72b、さらには受熱部70の外殻70aが高温となり、この部分でも外気が加温される。したがって、外気を効率良く暖めることができる。もちろん、遮蔽板は3枚以上であっても良い。
【0028】
本例の触媒燃焼方式の燃焼装置40は次のように起動される。まず、気化室60において、圧力噴霧式の噴霧部11により液体燃料15を霧化して、この霧16に着火して火炎燃焼させる。そして、燃焼室50の触媒52が400℃程度あるいはこれ以上の活性温度に達したら火炎燃焼を消炎する。消炎方法は、液体燃料15の供給を一時停止することにより行う。消炎された後に再び燃料を供給することにより触媒燃焼に切替えられる。本例の燃焼装置40においては、この段階から気化室60の内面60aに設けられた触媒層63が有効に働き、気化室内の温度を液体燃料15の液滴がガス化できる温度である250℃以上に保つことができる。したがって、ガス化率の高い燃料が安定して燃焼室50に供給される。そして、燃焼室50の触媒52により触媒燃焼し燃焼ガス18が放出される。
【0029】
なお、上記では、気化室60の内面60aのほぼ全域に触媒層63を設けてあるが、気化室60の内面の限られた領域に触媒層を設けた場合でも、燃焼室50に加えて新たなる熱源を確保することができるので、十分な効果が得られる。そして、できるだけ広い領域に触媒層を設けることにより、ガス化効率を高くし、ガス化された燃料を安定して供給することができる。また、上記では、気化室において液体燃料を圧力噴霧する方式を例に説明しているが、超音波、あるいはヒータ加熱などの異なった方法によって霧化することももちろん可能である。さらに、燃焼装置40および温風発生装置1は、水平方向に温風を発生し易いように、燃焼室50および気化室60を水平方向に配置された例を説明しているが、もちろんこれら燃焼室および気化室、さらには受熱部などを垂直(鉛直)方向に配置することも可能であり、上記と同様の効果を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の燃焼装置の燃焼方法では、気化室の内面に触媒層を設けることにより、燃焼室に加え、気化室の内面でも触媒燃焼を行わせることができる。したがって、燃焼室に加え、気化室内面からの熱を用いて液体燃料を気化(ガス化)することが可能となり、ガス化効率を高くすることができる。したがって、本発明の燃焼装置においては、気化室を小型化しても十分にガス化されたガス化率の高い燃料を安定して燃焼室に供給することが可能であり、燃焼装置全体をコンパクトにできる。このため、触媒燃焼のメリットであるクリーンな燃焼ガスを放出でき、音の静かな燃焼装置を小型化することが可能となり、この燃焼装置を搭載することにより、コンパクトで燃焼効率が良く、さらに、よりクリーンな温風を供給できる温風発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る触媒燃焼方式の燃焼装置を模式的に示す図である。
【図2】 燃焼装置を前方から見た図である。
【図3】 図1に示した例と異なる受熱部の構成を示す図であり、図3(a)は受熱部の断面図、図3(b)は燃焼装置を前方から見た状態を示す図である。
【図4】 温風発生装置の概略構成を示す図である。
【図5】 触媒燃焼方式の燃焼装置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1・・温風発生装置
2・・燃料タンク
3・・ハウジング
4、5、40・・燃焼装置
6・・温風の放出口
8・・バーナー
9・・点火棒
10・・ブロワー
11・・燃料噴霧部
13・・送風ファン
14・・大気
15・・液体燃料
16・・霧化された燃料
17・・ガス化された燃料
18・・燃焼ガス
19・・温風
20、50・・燃焼室
21、52、63・・触媒
30、60・・気化室
60a・・気化室の内面
65・・気化室の外殻
70・・受熱部
72・・遮蔽板
Claims (3)
- 後方から供給されるガス化された燃料を触媒で触媒燃焼し、その燃焼ガスを前方へ放出可能な燃焼室と、この燃焼室の後方に隣接して配置され、液体燃料をガス化して前記燃焼室に供給可能な気化室を有し、気化室の内面の少なくとも一部に前記ガス化された燃料を触媒燃焼可能な触媒層を備えている燃焼装置の燃焼方法であって、
霧化した前記液体燃料を前記気化室に供給し、着火して火炎燃焼を行い、
前記火炎燃焼によって前記気化室および前記燃焼室を予熱して、前記燃焼室の前記触媒および前記気化室の前記触媒層を触媒燃焼可能な活性温度に到達させ、
前記液体燃料の供給を停止して前記火炎燃焼を消し、
霧化した前記液体燃料を前記気化室に供給し、
前記予熱によって前記液体燃料をガス化して、前記燃焼室の前記触媒および前記気化室内の前記触媒層による触媒燃焼を行い、
前記燃焼室の前記触媒による触媒燃焼の熱および前記気化室の前記触媒層による触媒燃焼の熱によって前記液体燃料をガス化することを特徴とする燃焼装置の燃焼方法。 - 請求項1に記載の燃焼方法によって触媒燃焼を行うことを特徴とする燃焼装置。
- 請求項2に記載の燃焼装置と、この燃焼装置を収納するとともに、その外側を通して外気を前方に向かって供給可能なハウジングとを有し、前記外気が前記燃焼装置より放出される燃焼ガスと混合し温風となって、前記ハウジングの前方から放出されることを特徴とする温風発生装置。
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