JP2002021752A - スクロール圧縮機 - Google Patents
スクロール圧縮機Info
- Publication number
- JP2002021752A JP2002021752A JP2000203243A JP2000203243A JP2002021752A JP 2002021752 A JP2002021752 A JP 2002021752A JP 2000203243 A JP2000203243 A JP 2000203243A JP 2000203243 A JP2000203243 A JP 2000203243A JP 2002021752 A JP2002021752 A JP 2002021752A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- scroll
- annular member
- end plate
- annular
- scroll compressor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Rotary Pumps (AREA)
- Sealing Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 旋回スクロール鏡板の中心側に低圧、外側に
高圧が作用する場合、これら二種類の圧力を摺動自在に
密封して仕切る環状シール部材を設け、環状シール部材
とシール溝との隙間を密閉し、高圧ガスが低圧側に漏れ
出さず、圧縮機の体積効率低下およびエネルギー消費効
率の低下を抑えることができるスクロール圧縮機を提供
する。 【解決手段】 旋回スクロール５の鏡板5a背面に、同鏡
板5a内側にかかる内周側圧力と、同内周側圧力より高い
鏡板5a外側にかかる外周側圧力との二種類の圧力を作用
するように摺動自在に密封して仕切る環状シール部材11
を設け、この環状シール部材11を旋回スクロール５に押
圧する弾性部材13を、リング部材14を介して設けてなる
スクロール圧縮機において、環状シール部材11を、外環
状部材11a と同外環状部材11a の内側に嵌合される内環
状部材11b との二重環状構造にする。
高圧が作用する場合、これら二種類の圧力を摺動自在に
密封して仕切る環状シール部材を設け、環状シール部材
とシール溝との隙間を密閉し、高圧ガスが低圧側に漏れ
出さず、圧縮機の体積効率低下およびエネルギー消費効
率の低下を抑えることができるスクロール圧縮機を提供
する。 【解決手段】 旋回スクロール５の鏡板5a背面に、同鏡
板5a内側にかかる内周側圧力と、同内周側圧力より高い
鏡板5a外側にかかる外周側圧力との二種類の圧力を作用
するように摺動自在に密封して仕切る環状シール部材11
を設け、この環状シール部材11を旋回スクロール５に押
圧する弾性部材13を、リング部材14を介して設けてなる
スクロール圧縮機において、環状シール部材11を、外環
状部材11a と同外環状部材11a の内側に嵌合される内環
状部材11b との二重環状構造にする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール圧縮機
に係り、詳しくは旋回スクロールの鏡板に二種類の圧力
を作用するように摺動自在に密封して仕切る環状シール
部材の構造に関する。
に係り、詳しくは旋回スクロールの鏡板に二種類の圧力
を作用するように摺動自在に密封して仕切る環状シール
部材の構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来のスクロール圧縮機には例えば、図
１、図２および図７に示すようなものがある。図におい
て、密閉容器１内に上下に電動機２と圧縮部３を配置
し、同圧縮部３を、鏡板4aに渦捲き状のラップ4bを有す
る固定スクロール４と、同じく鏡板5aに渦捲き状のラッ
プ5bを有する旋回スクロール５と、これら両ラップ4b,5
bを互いに内側に噛み合わせて形成した複数の圧縮室６
と、前記旋回スクロール５の自転を防止するオルダムリ
ング７と、前記旋回スクロール５を駆動するクランク軸
８を下端に形成したシャフト９と、同クランク軸８を軸
支するメインフレーム10と、前記旋回スクロール５の鏡
板5a背面に二種類の圧力を作用するように摺動自在に密
封して仕切る環状シール部材11' を設けてスクロール圧
縮機を構成している。
１、図２および図７に示すようなものがある。図におい
て、密閉容器１内に上下に電動機２と圧縮部３を配置
し、同圧縮部３を、鏡板4aに渦捲き状のラップ4bを有す
る固定スクロール４と、同じく鏡板5aに渦捲き状のラッ
プ5bを有する旋回スクロール５と、これら両ラップ4b,5
bを互いに内側に噛み合わせて形成した複数の圧縮室６
と、前記旋回スクロール５の自転を防止するオルダムリ
ング７と、前記旋回スクロール５を駆動するクランク軸
８を下端に形成したシャフト９と、同クランク軸８を軸
支するメインフレーム10と、前記旋回スクロール５の鏡
板5a背面に二種類の圧力を作用するように摺動自在に密
封して仕切る環状シール部材11' を設けてスクロール圧
縮機を構成している。
【０００３】前記旋回スクロール５の鏡板5aと前記メイ
ンフレーム10との圧接面の、同メインフレーム10側に環
状のシール溝12' を設け、同シール溝12' に前記環状シ
ール部材11' を嵌入する。前記シール溝12' の上面と前
記環状シール部材11' の上面間に、同環状シール部材1
1' を前記旋回スクロール５の鏡板5aに押圧するばね部
材13' を、リング部材14' を介して設けた構成となって
いる。
ンフレーム10との圧接面の、同メインフレーム10側に環
状のシール溝12' を設け、同シール溝12' に前記環状シ
ール部材11' を嵌入する。前記シール溝12' の上面と前
記環状シール部材11' の上面間に、同環状シール部材1
1' を前記旋回スクロール５の鏡板5aに押圧するばね部
材13' を、リング部材14' を介して設けた構成となって
いる。
【０００４】上記構成において、前記旋回スクロールの
鏡板5a背面の中心側に圧縮部３の吐出圧力の高圧が作用
し、その外側に吐出圧力と吸入圧力との間の適当な中間
の低圧が作用するように前記環状シール部材11' により
仕切られる。図７に示すように、旋回スクロール５の背
面の圧力を区画するための環状シール部材11' は、旋回
スクロール５の背面の高圧ガスとばね部材13' の圧力P
2' （破線矢印）により、旋回スクロール５の背面方向
に働く力が作用する、また高圧ガスの圧力P1' （破線矢
印）によりシール溝12' の低圧側々面ｂ方向に押し付け
られる力が作用する。一方、圧縮機の運転開始時から鏡
板5a背面の背圧室が高温の雰囲気になると、前記内環状
部材11' が熱膨張によりシール溝12' の低圧側々面ｂ方
向に向かって、圧力差と同方向に膨張変形し（実線矢印
E'）、前記環状シール部材11' とシール溝12' との隙間
T'を密封する。
鏡板5a背面の中心側に圧縮部３の吐出圧力の高圧が作用
し、その外側に吐出圧力と吸入圧力との間の適当な中間
の低圧が作用するように前記環状シール部材11' により
仕切られる。図７に示すように、旋回スクロール５の背
面の圧力を区画するための環状シール部材11' は、旋回
スクロール５の背面の高圧ガスとばね部材13' の圧力P
2' （破線矢印）により、旋回スクロール５の背面方向
に働く力が作用する、また高圧ガスの圧力P1' （破線矢
印）によりシール溝12' の低圧側々面ｂ方向に押し付け
られる力が作用する。一方、圧縮機の運転開始時から鏡
板5a背面の背圧室が高温の雰囲気になると、前記内環状
部材11' が熱膨張によりシール溝12' の低圧側々面ｂ方
向に向かって、圧力差と同方向に膨張変形し（実線矢印
E'）、前記環状シール部材11' とシール溝12' との隙間
T'を密封する。
【０００５】しかしながら、前記旋回スクロールの鏡板
5a背面の圧力分布が、中心側に低圧が作用し、外側に高
圧が作用する場合、即ち鏡板5a背面の圧力が常に外周側
圧力＞内周側圧力の関係にある場合、前記環状シール部
材11' の圧力差により作用する力と熱膨張による変形が
逆方向に作用するため、環状シール部材11' とシール溝
12' の側面の隙間が広がり、この隙間から高圧ガスが低
圧ガス側に漏れ出し、圧縮機の体積効率低下およびエネ
ルギー消費効率（ＣＯＰ）の低下が生じる恐れがある。
5a背面の圧力分布が、中心側に低圧が作用し、外側に高
圧が作用する場合、即ち鏡板5a背面の圧力が常に外周側
圧力＞内周側圧力の関係にある場合、前記環状シール部
材11' の圧力差により作用する力と熱膨張による変形が
逆方向に作用するため、環状シール部材11' とシール溝
12' の側面の隙間が広がり、この隙間から高圧ガスが低
圧ガス側に漏れ出し、圧縮機の体積効率低下およびエネ
ルギー消費効率（ＣＯＰ）の低下が生じる恐れがある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたもので、旋回スクロールの鏡板の中心側に
低圧、外側に高圧が作用する場合、これら二種類の圧力
を摺動自在に密封して仕切る環状シール部材を設け、環
状シール部材とシール溝との隙間を密閉し、高圧ガスが
低圧側に漏れ出さず、圧縮機の体積効率低下およびエネ
ルギー消費効率（ＣＯＰ）の低下を抑えることができる
スクロール圧縮機を提供することを目的としている。
鑑みなされたもので、旋回スクロールの鏡板の中心側に
低圧、外側に高圧が作用する場合、これら二種類の圧力
を摺動自在に密封して仕切る環状シール部材を設け、環
状シール部材とシール溝との隙間を密閉し、高圧ガスが
低圧側に漏れ出さず、圧縮機の体積効率低下およびエネ
ルギー消費効率（ＣＯＰ）の低下を抑えることができる
スクロール圧縮機を提供することを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためなされたもので、密閉容器内に電動機と圧縮
部を配置し、同圧縮部を、鏡板に渦捲き状のラップを有
する固定スクロールと、同固定スクロールと互いに噛み
合わせて複数の圧縮室を形成する旋回スクロールと、同
旋回スクロールの自転を防止するオルダムリングと、前
記旋回スクロールを駆動するクランク軸と、このクラン
ク軸を支承するメインフレームと、同メインフレームと
前記旋回スクロールの鏡板背面との圧接面に設けられた
シール溝と、同シール溝に配設された環状シール部材と
で構成し、前記シール溝上面と前記環状シール部材間
に、同環状シール部材を前記旋回スクロールに押圧する
弾性部材を、リング部材を介して設けるとともに、前記
旋回スクロールの鏡板背面を、同鏡板内側にかかる内周
側圧力と、同内周側圧力より高い前記鏡板外側にかかる
外周側圧力との二種類の圧力が作用するように前記環状
シール部材により摺動自在に密封して仕切ってなるスク
ロール圧縮機において、前記環状シール部材を、外環状
部材と同外環状部材の内側に嵌合される内環状部材との
二重環状構造にしている。
決するためなされたもので、密閉容器内に電動機と圧縮
部を配置し、同圧縮部を、鏡板に渦捲き状のラップを有
する固定スクロールと、同固定スクロールと互いに噛み
合わせて複数の圧縮室を形成する旋回スクロールと、同
旋回スクロールの自転を防止するオルダムリングと、前
記旋回スクロールを駆動するクランク軸と、このクラン
ク軸を支承するメインフレームと、同メインフレームと
前記旋回スクロールの鏡板背面との圧接面に設けられた
シール溝と、同シール溝に配設された環状シール部材と
で構成し、前記シール溝上面と前記環状シール部材間
に、同環状シール部材を前記旋回スクロールに押圧する
弾性部材を、リング部材を介して設けるとともに、前記
旋回スクロールの鏡板背面を、同鏡板内側にかかる内周
側圧力と、同内周側圧力より高い前記鏡板外側にかかる
外周側圧力との二種類の圧力が作用するように前記環状
シール部材により摺動自在に密封して仕切ってなるスク
ロール圧縮機において、前記環状シール部材を、外環状
部材と同外環状部材の内側に嵌合される内環状部材との
二重環状構造にしている。
【０００８】また、前記内環状部材が前記外環状部材よ
り熱膨張係数の大きく、かつ摺動性の良い材料からなる
構成となっている。
り熱膨張係数の大きく、かつ摺動性の良い材料からなる
構成となっている。
【０００９】また、前記外環状部材が前記内環状部材よ
り剛性が高い鉄系または樹脂系材料からなる構成となっ
ている。
り剛性が高い鉄系または樹脂系材料からなる構成となっ
ている。
【００１０】また、前記外環状部材の軸方向の厚さを、
前記内環状部材の厚さより小さくした構成となってい
る。
前記内環状部材の厚さより小さくした構成となってい
る。
【００１１】また、前記内環状部材を前記外環状部材に
圧入により嵌合した構成となっている。
圧入により嵌合した構成となっている。
【００１２】また、前記内環状部材の外周面に断面略Ｌ
字状の段差部を設け、同段差部に前記外環状部材を嵌合
した構成となっている。
字状の段差部を設け、同段差部に前記外環状部材を嵌合
した構成となっている。
【００１３】また、前記内環状部材の外周面に断面略逆
コ字状の溝部を設け、同溝部に前記外環状部材を嵌合し
た構成となっている。
コ字状の溝部を設け、同溝部に前記外環状部材を嵌合し
た構成となっている。
【００１４】また、前記シール溝を前記メインフレーム
側に設けた構成となっている。
側に設けた構成となっている。
【００１５】また、前記リング部材が板状の座金からな
る構成となっている。
る構成となっている。
【００１６】また、前記弾性部材にコイルばねまたは波
状の板ばねを用いた構成となっている。
状の板ばねを用いた構成となっている。
【００１７】また、前記電動機を収容する電動機室を圧
縮機の運転状況に応じて高圧または低圧に変更可能にし
てなる構成となっている。
縮機の運転状況に応じて高圧または低圧に変更可能にし
てなる構成となっている。
【００１８】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付
図面を参照して詳細に説明する。図１は本発明の一実施
例を示すスクロール圧縮機の概略断面図、図２は要部拡
大断面図で、図３は環状シール部材近傍の拡大断面図、
図４は環状シール部材の構造を示す要部拡大図で、
（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は断面図である。図において、
密閉容器１内に上下に電動機２と圧縮部３を配置し、同
圧縮部３を、鏡板4aに渦捲き状のラップ4bを有する固定
スクロール４と、同じく鏡板5aに渦捲き状のラップ5bを
有する旋回スクロール５と、これら両ラップ4b,5b を互
いに内側に噛み合わせて形成した複数の圧縮室６と、前
記旋回スクロール５の自転を防止するオルダムリング７
と、前記旋回スクロール５を駆動する下端にクランク軸
８を形成したシャフト９と、このクランク軸８を支承す
るメインフレーム10と、前記旋回スクロール５の鏡板5a
背面に、前記クランク軸８に設けた偏心軸受部8aに係合
して前記旋回スクロールを旋回駆動する旋回駆動軸5cと
で構成している。
図面を参照して詳細に説明する。図１は本発明の一実施
例を示すスクロール圧縮機の概略断面図、図２は要部拡
大断面図で、図３は環状シール部材近傍の拡大断面図、
図４は環状シール部材の構造を示す要部拡大図で、
（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は断面図である。図において、
密閉容器１内に上下に電動機２と圧縮部３を配置し、同
圧縮部３を、鏡板4aに渦捲き状のラップ4bを有する固定
スクロール４と、同じく鏡板5aに渦捲き状のラップ5bを
有する旋回スクロール５と、これら両ラップ4b,5b を互
いに内側に噛み合わせて形成した複数の圧縮室６と、前
記旋回スクロール５の自転を防止するオルダムリング７
と、前記旋回スクロール５を駆動する下端にクランク軸
８を形成したシャフト９と、このクランク軸８を支承す
るメインフレーム10と、前記旋回スクロール５の鏡板5a
背面に、前記クランク軸８に設けた偏心軸受部8aに係合
して前記旋回スクロールを旋回駆動する旋回駆動軸5cと
で構成している。
【００１９】前記旋回スクロール５の鏡板5a背面に、前
記旋回駆動軸5c側（鏡板中心側）にかかる内周側圧力
と、前記旋回スクロール５の鏡板5a外側にかかる前記内
周側圧力より高い外周側圧力との二種類の圧力、即ち外
周側圧力（高圧）＞内周側圧力（低圧）の関係となる圧
力を作用するように摺動自在に密封して仕切る環状シー
ル部材11を設けるとともに、前記旋回スクロール５の鏡
板5aと前記メインフレーム10との圧接面の、同メインフ
レーム10側に環状のシール溝12を設け、同シール溝12に
前記環状シール部材11を配設している。
記旋回駆動軸5c側（鏡板中心側）にかかる内周側圧力
と、前記旋回スクロール５の鏡板5a外側にかかる前記内
周側圧力より高い外周側圧力との二種類の圧力、即ち外
周側圧力（高圧）＞内周側圧力（低圧）の関係となる圧
力を作用するように摺動自在に密封して仕切る環状シー
ル部材11を設けるとともに、前記旋回スクロール５の鏡
板5aと前記メインフレーム10との圧接面の、同メインフ
レーム10側に環状のシール溝12を設け、同シール溝12に
前記環状シール部材11を配設している。
【００２０】前記シール溝12の上面と前記環状シール部
材11の上面間に、同環状シール部材11を前記旋回スクロ
ール５の鏡板5aに押圧するコイルばねまたは波状の板ば
ね等からなる弾性部材13を、金属性の板状の座金からな
るリング部材14を介して設けている。
材11の上面間に、同環状シール部材11を前記旋回スクロ
ール５の鏡板5aに押圧するコイルばねまたは波状の板ば
ね等からなる弾性部材13を、金属性の板状の座金からな
るリング部材14を介して設けている。
【００２１】前記環状シール部材11を、外環状部材11a
と同外環状部材11a の内側に嵌合される内環状部材11b
との二重環状構造にしている。前記外環状部材11a に剛
性が高く、熱膨張係数の小さい鉄系またはカーボン等の
樹脂系材料を用いる一方、前記内環状部材11b に前記外
環状部材11a より熱膨張係数が大きく、かつ比較的軟ら
かく摺動性の良いＰＴＦＥ（四フッ化エチレン）などの
材料を用い、前記内環状部材11b を前記外環状部材11a
に圧入により嵌合した構成ととなっている。
と同外環状部材11a の内側に嵌合される内環状部材11b
との二重環状構造にしている。前記外環状部材11a に剛
性が高く、熱膨張係数の小さい鉄系またはカーボン等の
樹脂系材料を用いる一方、前記内環状部材11b に前記外
環状部材11a より熱膨張係数が大きく、かつ比較的軟ら
かく摺動性の良いＰＴＦＥ（四フッ化エチレン）などの
材料を用い、前記内環状部材11b を前記外環状部材11a
に圧入により嵌合した構成ととなっている。
【００２２】上記構成において、前記旋回スクロール５
の鏡板5a背面の圧力分布が常に、外周側圧力（高圧）＞
内周側圧力（低圧）の関係となる圧力を作用するように
前記環状シール部材11により仕切られる。前記環状シー
ル部材11には破線矢印で示すように、圧力差により低圧
側径方向に押圧する力P1と、弾性部材13により前記旋回
スクロール５の方向に押圧する力P2が働く。一方、圧縮
機の運転開始時から鏡板5a背面の背圧室が高温の雰囲気
になると本来、前記内環状部材11b が熱膨張により鏡板
5aの外周側（高圧）に向かって膨張しようとするが、前
記外環状部材11a が内環状部材11b より剛性が高く、か
つ熱膨張係数の小さいため、内環状部材11b が実線矢印
Ｅで示すように内周側（低圧）に向かって膨張する。
の鏡板5a背面の圧力分布が常に、外周側圧力（高圧）＞
内周側圧力（低圧）の関係となる圧力を作用するように
前記環状シール部材11により仕切られる。前記環状シー
ル部材11には破線矢印で示すように、圧力差により低圧
側径方向に押圧する力P1と、弾性部材13により前記旋回
スクロール５の方向に押圧する力P2が働く。一方、圧縮
機の運転開始時から鏡板5a背面の背圧室が高温の雰囲気
になると本来、前記内環状部材11b が熱膨張により鏡板
5aの外周側（高圧）に向かって膨張しようとするが、前
記外環状部材11a が内環状部材11b より剛性が高く、か
つ熱膨張係数の小さいため、内環状部材11b が実線矢印
Ｅで示すように内周側（低圧）に向かって膨張する。
【００２３】この結果、前記環状シール部材11と前記シ
ール溝12の低圧側壁面がより強い力でシールすることが
でき、密封性が向上し、環状シール部分のガス漏れによ
る圧縮機の体積効率の低下およびエネルギー消費効率
（ＣＯＰ）の低下を抑えることができるスクロール圧縮
機となる。
ール溝12の低圧側壁面がより強い力でシールすることが
でき、密封性が向上し、環状シール部分のガス漏れによ
る圧縮機の体積効率の低下およびエネルギー消費効率
（ＣＯＰ）の低下を抑えることができるスクロール圧縮
機となる。
【００２４】図５（Ａ）および（Ｂ）は本発明による他
の実施例を示すもので、（Ａ）は前記外環状部材11a1の
軸方向の厚さを、前記内環状部材11b1の厚さより小さく
した構成としたもので、（Ｂ）は前記内環状部材11b2の
外周面に断面略Ｌ字状の段差部11c を設け、同段差部11
c に前記外環状部材11a2を嵌合した構成としたもので、
これらの場合、軸方向摺動面ａおよび径方向摺動面ｂが
内環状部材11b2のみとなるため、単一材料での摺動とな
り摩耗に対する信頼性が向上する。
の実施例を示すもので、（Ａ）は前記外環状部材11a1の
軸方向の厚さを、前記内環状部材11b1の厚さより小さく
した構成としたもので、（Ｂ）は前記内環状部材11b2の
外周面に断面略Ｌ字状の段差部11c を設け、同段差部11
c に前記外環状部材11a2を嵌合した構成としたもので、
これらの場合、軸方向摺動面ａおよび径方向摺動面ｂが
内環状部材11b2のみとなるため、単一材料での摺動とな
り摩耗に対する信頼性が向上する。
【００２５】図６は本発明による更に他の実施例を示す
もので、前記内環状部材11b3の外周面に断面略逆コ字状
の溝部を設け、同溝部に前記外環状部材11a3を嵌合した
構成としたもので、外環状部材11a3が内環状部材11b3に
確実に固定され、はずれにくくなり信頼性が向上し、か
つ上記と同様に軸方向摺動面ａおよび径方向摺動面ｂが
内環状部材11b のみの摺動となり摩耗に対する信頼性が
向上する。
もので、前記内環状部材11b3の外周面に断面略逆コ字状
の溝部を設け、同溝部に前記外環状部材11a3を嵌合した
構成としたもので、外環状部材11a3が内環状部材11b3に
確実に固定され、はずれにくくなり信頼性が向上し、か
つ上記と同様に軸方向摺動面ａおよび径方向摺動面ｂが
内環状部材11b のみの摺動となり摩耗に対する信頼性が
向上する。
【００２６】
【発明の効果】以上のように本発明においては、旋回ス
クロールの鏡板背面に、同鏡板内側にかかる内周側圧力
と、同内周側圧力より高い鏡板外側にかかる外周側圧力
との二種類の圧力を作用するように摺動自在に密封して
仕切る環状シール部材を設け、この環状シール部材を旋
回スクロールに押圧する弾性部材を、リング部材を介し
て設け、環状シール部材を、外環状部材と同外環状部材
の内側に嵌合される内環状部材との二重環状構造にする
ことにより、環状シール部材と前記シール溝の低圧側壁
面がより強い力でシールすることができ、密封性が向上
し、環状シール部分のガス漏れによる圧縮機の体積効率
の低下およびエネルギー消費効率（ＣＯＰ）の低下を抑
えることができるスクロール圧縮機となる。
クロールの鏡板背面に、同鏡板内側にかかる内周側圧力
と、同内周側圧力より高い鏡板外側にかかる外周側圧力
との二種類の圧力を作用するように摺動自在に密封して
仕切る環状シール部材を設け、この環状シール部材を旋
回スクロールに押圧する弾性部材を、リング部材を介し
て設け、環状シール部材を、外環状部材と同外環状部材
の内側に嵌合される内環状部材との二重環状構造にする
ことにより、環状シール部材と前記シール溝の低圧側壁
面がより強い力でシールすることができ、密封性が向上
し、環状シール部分のガス漏れによる圧縮機の体積効率
の低下およびエネルギー消費効率（ＣＯＰ）の低下を抑
えることができるスクロール圧縮機となる。
【図１】本発明および従来例を示すスクロール圧縮機の
縦断面図である。
縦断面図である。
【図２】本発明および従来例を示すスクロール圧縮機の
要部拡大断面図である。
要部拡大断面図である。
【図３】本発明の実施例による要部拡大断面図である。
【図４】本発明の実施例による環状シール部材を示す要
部拡大断面図で、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）断面図であ
る。
部拡大断面図で、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）断面図であ
る。
【図５】図５（Ａ）および図５（Ｂ）は本発明の他の実
施例を示す要部拡大断面図である。
施例を示す要部拡大断面図である。
【図６】本発明による更に他の実施例を示す要部拡大断
面図である。
面図である。
【図７】従来例による要部拡大断面図である。
１ 密閉容器 ２ 電動機 ３ 圧縮部 ４ 固定スクロール 4a 固定鏡板 4b 固定スクロールラップ ５ 旋回スクロール 5a 旋回鏡板 5b 旋回スクロールラップ 5c 旋回駆動軸 ６ 圧縮室 ７ オルダムリング ８ クランク軸 ９ シャフト 10 メインフレーム 11 環状シール部材 11a 外環状部材 11b 内環状部材 12 シール溝 13 弾性部材 14 リング部材
Claims (11)
- 【請求項１】 密閉容器内に電動機と圧縮部を配置し、
同圧縮部を、鏡板に渦捲き状のラップを有する固定スク
ロールと、同固定スクロールと互いに噛み合わせて複数
の圧縮室を形成する旋回スクロールと、同旋回スクロー
ルの自転を防止するオルダムリングと、前記旋回スクロ
ールを駆動するクランク軸と、このクランク軸を支承す
るメインフレームと、同メインフレームと前記旋回スク
ロールの鏡板背面との圧接面に設けられたシール溝と、
同シール溝に配設された環状シール部材とで構成し、前
記シール溝上面と前記環状シール部材間に、同環状シー
ル部材を前記旋回スクロールに押圧する弾性部材を、リ
ング部材を介して設けるとともに、前記旋回スクロール
の鏡板背面を、同鏡板内側にかかる内周側圧力と、同内
周側圧力より高い前記鏡板外側にかかる外周側圧力との
二種類の圧力が作用するように前記環状シール部材によ
り摺動自在に密封して仕切ってなるスクロール圧縮機に
おいて、 前記環状シール部材を、外環状部材と同外環状部材の内
側に嵌合される内環状部材との二重環状構造にしてなる
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 【請求項２】 前記外環状部材が前記内環状部材より剛
性が高い鉄系または樹脂系材料からなることを特徴とす
る請求項１記載のスクロール圧縮機。 - 【請求項３】 前記内環状部材が前記外環状部材より熱
膨張係数の大きく、かつ摺動性の良いＰＴＦＥ（四フッ
化エチレン）などの材料からなることを特徴とする請求
項１記載のスクロール圧縮機。 - 【請求項４】 前記外環状部材の軸方向の厚さを、前記
内環状部材の厚さより小さくしてなることを特徴とする
請求項１記載のスクロール圧縮機。 - 【請求項５】 前記内環状部材を前記外環状部材に圧入
により嵌合してなることを特徴とする請求項１〜４記載
のスクロール圧縮機。 - 【請求項６】 前記内環状部材の外周面に断面略Ｌ字状
の段差部を設け、同段差部に前記外環状部材を嵌合して
なることを特徴とする請求項１〜４記載のスクロール圧
縮機。 - 【請求項７】 前記内環状部材の外周面に断面略逆コ字
状の溝部を設け、同溝部に前記外環状部材を嵌合してな
ることを特徴とする請求項１〜４記載のスクロール圧縮
機。 - 【請求項８】 前記シール溝を前記メインフレーム側に
設けてなることを特徴とする請求項１記載のスクロール
圧縮機。 - 【請求項９】 前記リング部材が板状の座金からなるこ
とを特徴とする請求項１記載のスクロール圧縮機。 - 【請求項１０】 前記弾性部材にコイルばねまたは波状
の板ばねを用いてなることを特徴とする請求項１記載の
スクロール圧縮機。 - 【請求項１１】 前記電動機を収容する電動機室を圧縮
機の運転状況に応じて高圧または低圧に変更可能にして
なることを特徴とする請求項１記載のスクロール圧縮
機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000203243A JP2002021752A (ja) | 2000-07-05 | 2000-07-05 | スクロール圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000203243A JP2002021752A (ja) | 2000-07-05 | 2000-07-05 | スクロール圧縮機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002021752A true JP2002021752A (ja) | 2002-01-23 |
Family
ID=18700671
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000203243A Pending JP2002021752A (ja) | 2000-07-05 | 2000-07-05 | スクロール圧縮機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002021752A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005061621A (ja) * | 2003-08-15 | 2005-03-10 | Abb Turbo Systems Ag | 回転シール |
| CN100434712C (zh) * | 2004-06-09 | 2008-11-19 | 乐金电子(天津)电器有限公司 | 密封式压缩机的冷媒气体防泄漏结构 |
| CN100455801C (zh) * | 2004-06-09 | 2009-01-28 | 乐金电子(天津)电器有限公司 | 密闭型压缩机的气体泄漏防止装置 |
| JP2009243326A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Hitachi Appliances Inc | スクロール圧縮機 |
| CN105805012A (zh) * | 2014-12-30 | 2016-07-27 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 涡旋压缩机及其泵体组件 |
| WO2016124111A1 (zh) * | 2015-02-04 | 2016-08-11 | 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 | 涡旋压缩机 |
| CN105986997A (zh) * | 2015-02-04 | 2016-10-05 | 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 | 涡旋压缩机 |
-
2000
- 2000-07-05 JP JP2000203243A patent/JP2002021752A/ja active Pending
Cited By (12)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005061621A (ja) * | 2003-08-15 | 2005-03-10 | Abb Turbo Systems Ag | 回転シール |
| JP4688448B2 (ja) * | 2003-08-15 | 2011-05-25 | アーベーベー・ターボ・ジステムス・アクチエンゲゼルシヤフト | 回転シール |
| KR101100052B1 (ko) * | 2003-08-15 | 2011-12-29 | 에이비비 터보 시스템즈 아게 | 회전 시일 |
| CN100434712C (zh) * | 2004-06-09 | 2008-11-19 | 乐金电子(天津)电器有限公司 | 密封式压缩机的冷媒气体防泄漏结构 |
| CN100455801C (zh) * | 2004-06-09 | 2009-01-28 | 乐金电子(天津)电器有限公司 | 密闭型压缩机的气体泄漏防止装置 |
| JP2009243326A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Hitachi Appliances Inc | スクロール圧縮機 |
| CN105805012A (zh) * | 2014-12-30 | 2016-07-27 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 涡旋压缩机及其泵体组件 |
| WO2016124111A1 (zh) * | 2015-02-04 | 2016-08-11 | 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 | 涡旋压缩机 |
| CN105986997A (zh) * | 2015-02-04 | 2016-10-05 | 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 | 涡旋压缩机 |
| KR20170108090A (ko) * | 2015-02-04 | 2017-09-26 | 에머슨 클라이미트 테크놀로지스 (쑤저우) 코., 엘티디. | 스크롤 압축기 |
| KR101973307B1 (ko) * | 2015-02-04 | 2019-04-26 | 에머슨 클라이미트 테크놀로지스 (쑤저우) 코., 엘티디. | 스크롤 압축기 |
| US11105332B2 (en) | 2015-02-04 | 2021-08-31 | Emerson Climate Technologies (Suzhou) Co., Ltd. | Scroll compressor having stable back pressure chamber with sealing members |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| KR20180065340A (ko) | 스크롤 압축기 | |
| US20130121866A1 (en) | Scroll compressor | |
| JP2012092827A (ja) | スクリュー圧縮機 | |
| JP3241575B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
| JP2006299806A (ja) | スクロール圧縮機 | |
| US20130121864A1 (en) | Scroll compressor | |
| JP2002021752A (ja) | スクロール圧縮機 | |
| WO2005010372A1 (ja) | スクロール圧縮機 | |
| JP2002021755A (ja) | スクロール圧縮機 | |
| JPH06307356A (ja) | スクロール圧縮機 | |
| JP2001248575A (ja) | スクロール圧縮機 | |
| JP2006009576A (ja) | スクロール圧縮機 | |
| JP4276024B2 (ja) | スクロール式流体機械 | |
| JP7462163B2 (ja) | スクロール圧縮機 | |
| JP2000314383A (ja) | スクロール流体機械 | |
| JP2009036048A (ja) | スクロール式流体機械 | |
| JP6863405B2 (ja) | スクロール圧縮機およびそれを備えた冷凍装置 | |
| JP2002031068A (ja) | スクロール圧縮機 | |
| US20240151228A1 (en) | Scroll compressor | |
| JP2000329081A (ja) | スクロール型圧縮機 | |
| CN106979158B (zh) | 密封组件和包括该密封组件的涡旋压缩机 | |
| US10851779B2 (en) | Scroll compressor having gap between tip spiral scroll wrap to end plate of fixed and orbiting scrolls that differs in axial length from gap between support of oldham ring and end plate of orbiting scroll | |
| JP2004052576A (ja) | スクロール圧縮機 | |
| JPH029984A (ja) | 密閉形電動圧縮機 | |
| JP2001173580A (ja) | スクロール型流体圧縮装置 |